JP2015225709A - 燃料電池用のセパレータおよび燃料電池 - Google Patents

燃料電池用のセパレータおよび燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】燃料電池用のセパレータにおける排水性を高める技術を提供する。
【解決手段】セパレータ20は、アノードプレート21とカソードプレート22とを備えている。反応ガスの排出用のマニホールド孔52,54の周囲には、環状のシールラインが、各プレート21,22において弾性的に突出しているシール凸部43,44同士の接触によって形成されている。各プレート21,22には、シール凸部43,44の裏側のシール溝部45,46を挟んで配置されている複数の並列な流路溝のグループである第1流路溝群35と第2流路溝群36とを有している。第1流路溝群35の開口部と第2流路溝群36の開口部とはシール溝部45,46を挟んで非対称に構成されている。
【選択図】図6

Description

本発明は、燃料電池用のセパレータおよび燃料電池に関する。
固体高分子形燃料電池(以下、単に「燃料電池」とも呼ぶ。)は、電解質膜の両面に電極が配置された膜電極接合体を備える。膜電極接合体はセパレータと呼ばれる導電性を有する板状部材の間に配置される。セパレータには、反応ガスのための流路や冷媒のための流路を構成する流路溝が形成される(特許文献1−2等)。
特表2010−540776号公報 特開2010−49924号公報
一般に、セパレータに形成される反応ガスのための流路には多量の水分が流通する。燃料電池の運転停止後にセパレータの流路に水分が残留していると、当該水分の凍結による膨張や当該水分に含まれている不純物の濃縮などによってセパレータが劣化してしまう可能性があった。そのため、セパレータの流体流路に対しては排水性が高められることが望まれている。このほかに、従来の燃料電池用のセパレータにおいては、その小型化や軽量化、強度の向上、構成の簡易化、製造の容易化等が望まれている。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
[1]本発明の一形態によれば、燃料電池に用いられるセパレータが提供される。このセパレータは、外周に絶縁部材を有する複数の膜電極接合体が積層されている燃料電池において、前記膜電極接合体と前記絶縁部材とに接するように配置され、第1の面が第1の流体の流路壁として機能し、前記第1の面とは反対の第2の面が第2の流体の流路壁として機能するプレートを備えて良い。前記プレートの前記絶縁部材と対向する領域には、前記第1の流体の排出のためのマニホールドを構成する貫通孔であるマニホールド孔が形成されて良い。前記マニホールド孔の周囲には溝部が形成されて良い。前記プレートは、前記第1の面側に、前記第2の面側の前記溝部を跨いで、前記膜電極接合体の発電領域から前記マニホールド孔に前記第1の流体を流出させるための流路として、前記マニホールド孔と前記溝部とを結ぶ複数の流路溝を含む第1流路溝群と、前記溝部と前記発電領域とを結ぶ複数の流路溝を含む第2流路溝群と、を有して良い。前記プレートは、前記溝部における前記第1流路溝群の開口部および前記第2流路溝群の開口部が前記溝部を挟んで非対称に構成されている第1流路構成と、前記第1流路溝群において少なくとも1つの流路溝の構成が他の流路溝の構成と異なる不均一な構成を有している第2流路構成と、のうちの少なくとも一方の流路構成を備えて良い。この形態のセパレータによれば、第1流路溝群および第2流路溝群が第1流路構成と第2流路構成の少なくとも一方を有していることによって、マニホールド孔の周囲の溝部に第1の流体に含まれる水分が残留してしまうことが抑制される。
[2]上記形態のセパレータにおいて、前記マニホールド孔の周囲には前記第2の面側における前記第2の流体の流路への前記第1の流体の漏洩を抑制するための環状のシールラインが、前記プレートを厚み方向に曲げて形成された前記第2の面側の凸壁部によって形成されており、前記溝部は前記凸壁部の裏側の溝であって良い。この形態のセパレータによれば、マニホールド孔を囲むシールラインを構成する溝部に第1の流体に含まれる水分が残留してしまうことが抑制される。
[3]上記形態のセパレータにおいて、前記第1流路溝群と前記第2流路溝群とはそれぞれ前記溝部を挟んで対向する位置に形成されており、前記第1流路溝群の方が前記第2流路溝群よりも流路溝の数が多く、前記第1流路溝群の各流路溝は、前記第2流路溝群の各流路溝よりも広い範囲に所定の間隔で配列されて良い。この形態のセパレータによれば、前記第2流路溝群の各流路溝から流出する第1の流体に含まれる水分が前記1流路溝群の各流路溝に流入しやすくなる。従って、シールラインを形成するための溝部に水分が残留してしまうことが抑制される。
[4]上記形態のセパレータにおいて、前記第1流路溝群と前記第2流路溝群とはそれぞれ前記流路溝を挟んで対向する領域に形成されており、前記第1流路溝群の各流路溝の断面積は、前記第2流路溝群の各流路溝の断面積よりも大きくて良い。この形態のセパレータによれば、前記第2流路溝群の各流路溝から流出する第1の流体に含まれる水分が前記1流路溝群の各流路溝に流入しやすくなり、溝部に水分が残留することが抑制される。
[5]上記形態のセパレータにおいて、前記第1流路溝群と前記第2流路溝群とはそれぞれ前記溝部を挟んで対向する領域に配置されており、前記第1流路溝群の各流路溝の断面積が前記溝部に向かって大きくなっていることによって、前記第1流路溝群の各流路溝の前記溝部における断面積の合計が前記第2流路溝群の各流路溝の前記溝部における開口面積の合計より大きくなっていて良い。この形態のセパレータによれば、前記第2流路溝群の各流路溝から流出する第1の流体に含まれる水分が前記1流路溝群の各流路溝に流入しやすくなり、溝部に水分が残留することが抑制される。
[6]上記形態のセパレータにおいて、前記第1流路溝群の各流路溝の前記溝部における開口部と前記第2流路溝群の各流路溝の前記溝部における開口部とは、開口方向に沿って見たときに、前記溝部を挟んで少なくとも一部が重なるように対向しており、前記第1流路溝群および前記第2流路溝群の各流路溝は、前記マニホールド孔に近い位置ほど断面積が大きくなる構成を有して良い。この形態のセパレータによれば、前記第2流路溝群の各流路溝から流出する第1の流体に含まれる水分が前記1流路溝群の各流路溝に流入しやすくなり、溝部に水分が残留することが抑制される。
[7]上記形態のセパレータにおいて、前記溝部は、前記第1流路溝群と前記第2流路溝群の間に、前記溝部の延伸方向に沿った液水の移動が抑制されるように、前記溝部の壁面の表面性状と前記溝部の断面形状のうちの少なくとも一方が調整されている液水移動抑制構造を有していて良い。この形態のセパレータによれば、第2流路溝群の各流路溝から溝部に侵入した水分が第1流路溝群の各流路溝に流入しやすくなる。
[8]上記形態のセパレータにおいて、前記液水移動抑制構造を有する前記溝部は重力方向に沿った方向に延びており、前記液水移動抑制構造を有する前記溝部の幅aおよび深さbによって決まる物性値をσ(2a+2b)とし、前記液水移動抑制構造を有する前記溝部における液水の重力方向下側の接触角をθfとし、重力方向上側の接触角をθrとし、前記液水移動抑制構造を有する前記溝部に滞留する液水の重量を表す定数をmとしたときに、前記液水移動抑制構造は、σ(2a+2b)・(cos(180−θf)−cos(180−θr))>m・gの関係が満たされるように、前記溝部の壁面の表面性状と前記溝部の断面形状のうちの少なくとも一方が調整されている構造であって良い。この形態のセパレータによれば、液水移動抑制構造を有する溝部における液水の移動がより確実に抑制される。
[9]上記形態のセパレータにおいて、前記第1流路溝群と前記第2流路溝群とはそれぞれ前記流路溝を挟んで対向する領域に配置されており、前記第1流路溝群の流路溝の配列分布は、前記第2流路溝群の流路溝の配列分布に対して前記流路溝の配列方向の一方の側に偏っていて良い。この形態のセパレータによれば、溝部内に第1の流体の圧力勾配を生じさせて溝部の延伸方向に沿った第1の流体の流れを形成することができる。従って、溝部に水分が残留してしまうことが抑制される。
[10]上記形態のセパレータにおいて、前記第1流路溝群と前記第2流路溝群とはそれぞれ前記溝部を挟んで対向する領域に配置されており、前記第1流路溝群の各流路溝の断面積は、前記流路溝の配列方向に大きくなっていて良い。この形態のセパレータによれば、溝部内に生じる第1の流体の圧力勾配によって、溝部における水分の残留が抑制される。
[11]上記形態のセパレータにおいて、前記第1流路溝群の各流路溝と前記第2流路溝群の各流路溝とは、前記溝部を挟んで互いの開口部の少なくとも一部が重なり合うように対向しており、前記第1流路溝群と前記第2流路溝群に含まれている互いに対向する流路溝の対には、前記溝部に向かって断面積が縮小する第1の流路溝対と、前記溝部に向かって断面積が拡大する第2の流路溝対と、が含まれて良い。この形態のセパレータによれば、溝部内に生じる第1の流体の圧力勾配によって、溝部における水分の残留が抑制される。
[12]上記形態のセパレータにおいて、前記第1流路溝群は、前記溝部と前記マニホールド孔とを挟んで、前記第2流路溝と対向する位置において前記第1マニホールド孔と前記溝部とを接続して良い。この形態のセパレータによれば、溝部が第1の流体の流路として機能するため、当該第1の流体によって、溝部の水分の排出性が高まる。
[13]上記形態のセパレータにおいて、前記プレートは第1プレートであり、前記セパレータは、さらに、前記第1プレートの前記第2の面側に積層配置される第2プレートを備え、前記第1の流体は反応ガスであり、前記第2の流体は冷媒であり、前記シールラインは、前記凸壁部が前記第2プレートの前記第1プレートと対向する側の面に接触することによって形成されて良い。この形態のセパレータによれば、冷媒のシールラインを形成するための溝部に反応ガスに含まれる水分が残留してしまうことが抑制される。
[14]本発明の他の形態によれば、複数の膜電極接合体が積層されている燃料電池が提供される。この燃料電池は、上記形態のいずれか一つに記載のセパレータを備えて良い。この形態の燃料電池によれば、セパレータの流路に水分が残留してしまうことが抑制される。
上述した本発明の各形態の有する複数の構成要素はすべてが必須のものではなく、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、適宜、前記複数の構成要素の一部の構成要素について、その変更、削除、新たな他の構成要素との差し替え、限定内容の一部削除を行うことが可能である。また、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、上述した本発明の一形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部を上述した本発明の他の形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部と組み合わせて、本発明の独立した一形態とすることも可能である。
本発明は、燃料電池用のセパレータや燃料電池以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、燃料電池を備える燃料電池システムや、当該燃料電池システムを搭載する車両などの移動体等の形態で実現することができる。
燃料電池の構成を示す概略図。 セパレータに形成されている流路溝とシールラインの構成を示す概略図。 第1と第2のマニホールド孔を介した水素の流れを示す模式図。 第3と第4のマニホールド孔を介した酸素の流れを示す模式図。 第5と第6のマニホールド孔を介した冷媒の流れを示す模式図。 アノードプレートの第1の面における第1と第2のマニホールド孔の近傍の領域を示す概略図。 カソードプレートの第1の面における第3と第4のマニホールド孔の近傍の領域を示す概略図。 第1流路溝群と第2流路溝群における水分の流れを示す模式図。 他の構成例としての第1流路溝群および第2流路溝群の構成を示す概略図。 他の構成例としての第1流路溝群および第2流路溝群の構成を示す概略図。 他の構成例としての第1流路溝群および第2流路溝群の構成を示す概略図。 第2実施形態のセパレータの構成を説明するための概略図。 接触角θf,θrを説明するための模式図。 第3実施形態のセパレータの構成を説明するための概略図。 第1流路溝群と第2流路溝群の流路構成によってシール溝部内に圧力勾配が生じるメカニズムを説明するための模式図。 第3実施形態の他の構成例としての第1流路溝群および第2流路溝群の構成を示す概略図。 第3実施形態の他の構成例としての第1流路溝群および第2流路溝群の構成を示す概略図。 第3実施形態の他の構成例としての第1流路溝群および第2流路溝群の構成を示す概略図。 第4実施形態としてのセパレータの構成を説明するための概略図。
A.第1実施形態:
図1は、本発明の第1実施形態としての燃料電池100の構成を示す概略図である。図1では、便宜上、燃料電池100の一部を構成している2組の膜電極接合体10とセパレータ20のみを図示してある。なお、図1では、便宜上、流路溝31〜33など複数の同じ構成部が存在する場合にはその一部に対してのみ符号を付してある。これは、以下で説明に用いられる各図においても同様である。
燃料電池100は、反応ガスとして酸素と水素の供給を受けて発電する固体高分子形燃料電池である。燃料電池100は、複数の膜電極接合体10が積層されたスタック構造を有している。各膜電極接合体10の間には導電性を有する板状部材であるセパレータ20が介挿されている。各膜電極接合体10および各セパレータ20は締結部材によって積層方向に締結されている(図示は省略)。また、燃料電池100には、各膜電極接合体10に分岐接続されている反応ガスおよび冷媒のための流路であるマニホールドが形成されている(図示は省略)。
膜電極接合体10は、電解質膜11の両側に第1の電極12と第2の電極13とが配置されている発電体である。電解質膜11は、湿潤状態で良好なプロトン伝導性を示すイオン交換樹脂膜によって構成される。より具体的には、電解質膜11は、ナフィオン(登録商標)など、イオン交換基としてスルホン酸基を有するフッ素樹脂系のイオン交換樹脂膜によって構成される。
第1と第2の電極12,13はそれぞれ、触媒電極層であり、触媒担持導電性粒子によって構成されたガス拡散性を有する多孔質層として構成される。各電極12,13は、白金担持カーボンの分散溶液である触媒インクの乾燥塗膜として形成される。なお、本実施形態の燃料電池100では、第1の電極12は水素が供給されるアノードとして機能し、第2の電極13は酸素が供給されるカソードとして機能する。以下では、第1の電極12を「アノード12」とも呼び、第2の電極13を「カソード13」とも呼ぶ。
膜電極接合体10の各電極12,13の上はガス拡散層14が積層配置されている。ガス拡散層14は、各電極12,13の全体に反応ガス(水素または酸素)を行き渡らせる機能と、膜電極接合体10と各セパレータ20との間の導電経路としての機能を有する。ガス拡散層14は、炭素繊維などの繊維基材や、いわゆるエキスパンドメタルなどの金属板を加工した流路部材、発泡金属などの多孔質部材によって構成される。ガス拡散層14は省略されても良い。
各膜電極接合体10の外周には、ガスシール性を発揮可能な絶縁部材である絶縁シール部15が配置されている。絶縁シール部15は、膜電極接合体10の外周端部を全周に渡って被覆している。絶縁シール部15は、樹脂部材の射出成型によって形成されても良いし、複数の樹脂製のフィルム部材を接着することによって形成されても良い。絶縁シール部15は、アノードプレート21とカソードプレート22との間に接着剤を充填させて硬化させることによって形成されても良い。
絶縁シール部15は、膜電極接合体10を挟んで隣り合って配置されているセパレータ20同士を絶縁する機能を有する。また、絶縁シール部15は、セパレータ20のシール部40との協働によって膜電極接合体10の発電領域EAをシールする機能を有する。「発電領域EA」は、反応ガスが供給されて発電反応が行われる領域であり、本実施形態では、特に、絶縁シール部15によって囲まれている領域を意味する。なお、絶縁シール部15には、反応ガスおよび冷媒のマニホールドを構成するマニホールド孔が形成されている(後述)。
セパレータ20は2枚の板状部材であるアノードプレート21とカソードプレート22とが積層された二層構造を有している。アノードプレート21およびカソードプレート22は導電性を有するほぼ同サイズの板状部材(例えば、ステンレス鋼などの金属板)によって構成される。アノードプレート21はアノード12と対向するように配置され、カソードプレート22はカソード13に対向するように配置される。
以下では、アノードプレート21とカソードプレート22のそれぞれにおいて、膜電極接合体10と対向する側の面S1,S3を「第1の面S1,S3」と呼び、その反対側の面S2,S4を「第2の面S2,S4」と呼ぶ。なお、本実施形態において、アノードプレート21を第1プレートとして見たときにはカソードプレートが第2プレートに相当する。逆に、カソードプレート22を第1プレートとして見たときにはアノードプレート21が第2プレートに相当する。
アノードプレート21およびカソードプレート22は、プレス金型による曲げ加工によって形成された厚み方向の凹凸形状を有している。セパレータ20では、各プレート21,22の厚み方向の凹凸形状によって、反応ガスや冷媒の流路を構成する流路溝31〜33と、反応ガスや冷媒の漏洩を抑制するシール部40と、が形成されている。
アノードプレート21の第1の面S1には、水素のための複数の並列な流路溝31が形成されている。カソードプレート22の第1の面S3には酸素のための複数の並列な流路溝32が形成されている。水素の流路溝31および酸素の流路溝32は膜電極接合体10を挟んで互いに対向する位置に形成されている。なお、流路溝31,32には、反応ガスのためのマニホールド孔と発電領域EAとを結ぶ複数の並列な流路溝が含まれている(後述)。
アノードプレート21とカソードプレート22の第2の面S2,S4にはそれぞれ、冷媒の流路溝33が形成されている。セパレータ20では、アノードプレート21とカソードプレート22の流路溝33同士は互いに対向し合っている。このように、本実施形態のセパレータ20では、アノードプレート21の第1の面S1は第1の流体である水素の流路壁を構成し、第2の面S2が第2の流体である冷媒の流路壁を構成する。また、カソードプレート22の第1の面S3が第1の流体である酸素の流路壁を構成し、第2の面S4が第2の流体である冷媒の流路壁を構成する。
アノードプレート21およびカソードプレート22においてシール部40を構成する凹凸は絶縁シール部15と対向する領域に形成されている。シール部40は、各プレート21,22の第1の面S1,S2に形成されている凸部41,42と、第2の面S3,S4に形成されている凸部43,44と、を含む。各プレート21,22の第1の面S1,S2に形成されている凸部41,42は、絶縁シール部15と接触することによってシール性を発揮する。
各プレート21,22の第2の面S3,S4に形成されている凸部43,44は凸壁部に相当する。凸部43,44は線状に延びるように形成されている。各凸部43,44は、いわゆる板バネと同様なメカニズムによって、各プレート21,22の厚み方向に弾性を有する状態で突出している。
各凸部43,44は互いに対応する位置に設けられており、セパレータ20では、2つの対応する凸部43,44同士が互いに接触して突出方向に押圧し合う。これによってアノードプレート21とカソードプレート22との境界に流体の漏洩を抑制するためのシールラインが形成される。以下では、これらの凸部43,44を特に「シール凸部43,44」とも呼ぶ。また、シール凸部43,44のためにその反対側の面(裏面)に形成されている凹部45,46を「シール溝部45,46」とも呼ぶ。
図2は、セパレータ20に形成されている流路溝とシールラインの構成を示す概略図である。図2には、アノードプレート21の第1の面S1と、カソードプレート22の第1の面S3と、ガス拡散層14と絶縁シール部15と一体化されている膜電極接合体10の概略断面と、がそれぞれ対応するように図示されている。図2には、シール凸部43,44によってアノードプレート21とカソードプレート22の間に形成されている第1と第2のシールラインSL1,SL2がそれぞれ一点鎖線で図示されている。また、膜電極接合体10の発電領域EAが二点鎖線で図示されている。
絶縁シール部15とセパレータ20を構成する各プレート21,22には、反応ガスおよび冷媒のマニホールドを構成する貫通孔である6つのマニホールド孔51〜56が形成されている。第1と第2のマニホールド孔51,52はそれぞれ水素の供給用および水素の排出用である。第3と第4のマニホールド孔53,54はそれぞれ酸素の供給用と排出用である。第5と第6のマニホールド孔55,56はそれぞれ冷媒の供給用と排出用である。各供給用のマニホールド孔51,53,55は、対応する各排出用のマニホールド孔52,54,56と発電領域EAを挟んで互いに対向する位置に形成されている。
アノードプレート21の第1の面S1には、水素のための複数の並列な流路溝31が第1のマニホールド孔51と第2のマニホールド孔52とを接続するように形成されている。カソードプレート22の第1の面S3には、酸素のための複数の並列な流路溝32が第3のマニホールド孔53と第4のマニホールド孔54とを接続するように形成されている。いずれの流路溝31,32も、幾重にも折り返すことによって発電領域EA内全体にわたって形成されている。なお、マニホールド孔51〜54の近傍では各流路溝31,32はシール溝部45,46と交差している。この部位における流路の構成についての詳細は後述する。
セパレータ20では、シール凸部43,44によって第1と第2のシールラインSL1,SL2が以下のように形成されている。第1のシールラインSL1は、発電領域EAと各マニホールド孔51〜56とを含む領域全体を囲むようにセパレータ20の外周端に沿って形成されている。第1のシールラインSL1はアノードプレート21とカソードプレート22の境界において冷媒が外部に漏洩することを防止する。
第2のシールラインSL2は反応ガスのためのマニホールド孔51〜54のそれぞれの周囲に形成されている。第2のシールラインSL2は、アノードプレート21とカソードプレート22の境界において各マニホールド孔51〜54から反応ガスが漏洩してしまうことを防止する。各プレート21,22の第1の面S1,S3では、反応ガスのマニホールド孔M1〜M4は、第2のシールラインSL2を形成するための環状のシール溝部45,46によって囲まれている。各マニホールド孔M1〜M4と反応ガスの流路溝31,32との接続のために、当該シール溝部45,46と反応ガスの流路溝31,32とは交差している。
図3〜図5を参照して、燃料電池100における各マニホールド孔51〜56を介した反応ガスおよび冷媒の流れを説明する。図3〜図5には、各マニホールド孔51〜56の近傍における燃料電池100の概略断面が図示されている。より具体的には、図3には図2におけるA−A切断およびB−B切断に相当する位置における断面がそれぞれ図示されている。図4には図2におけるC−C切断およびD−D切断に相当する位置おける断面がそれぞれ図示されている。図5には図2におけるE−E切断およびF−F切断に相当する位置における断面がそれぞれ図示されている。図3〜図5では、各セパレータ20の概略断面構成が図1よりも詳細に図示されている。
図3は第1と第2のマニホールド孔51,52を介した水素の流れを模式的に示している。燃料電池100の外部から供給された水素は、第1のマニホールド孔51からアノードプレート21の第1の面S1に設けられている流路溝31に流入する。水素は流路溝31に沿って流れ、シール溝部45を越えて発電領域EAへと流れる。発電領域EAにおいて電気化学反応に用いられなかった水素とカソード13側から移動してきた水分とを含む排ガスは、流路溝31に沿って流れ、シール溝部45を越えて第2のマニホールド孔52へと流入し、燃料電池100の外部へと排出される。
図4は第3と第4のマニホールド孔53,54を介した酸素の流れを模式的に示している。燃料電池100の外部から供給された酸素は、第3のマニホールド孔53からカソードプレート22の第1の面S3に設けられている流路溝32に流入する。酸素は流路溝32に沿って流れ、シール溝部46を越えて発電領域EAへと流れる。発電領域EAにおいて電気化学反応に用いられなかった酸素とカソード13において生成された水分を含む排ガスは、流路溝32に沿って流れて、シール溝部46を越えて第4のマニホールド孔54へと流入し、燃料電池100の外部へと排出される。
図5は第5と第6のマニホールド孔55,56を介した冷媒の流れを模式的に示している。燃料電池100の外部から供給された冷媒は、第5のマニホールド孔55からセパレータ20のアノードプレート21とカソードプレート22との間の流路溝33に流入する。冷媒は流路溝33に沿って流れ、発電領域EAにおいて電気化学反応によって生じた熱を奪いつつ流れる。冷媒は、さらに、発電領域EAから流路溝33に沿って流れて、第6のマニホールド孔56へと流入し、燃料電池100の外部へと排出される。
図3,図4において示されているように、本実施形態のセパレータ20では、シール溝部45,46の両側にほぼ同じ高さの流路溝31,32の流路壁が存在し、反応ガスの流路上におけるシール凸部43,44はその流路壁によって支持されている。そのため、セパレータ20では、シール凸部43,44の配置姿勢が安定し、シール凸部43,44によるシール性が高められている。
図6,図7はそれぞれ、アノードプレート21またはカソードプレート22の第1の面S1,S3における反応ガスのためのマニホールド孔51〜54の近傍の領域を示す概略図である。反応ガスのための各マニホールド孔51〜54の近傍では、反応ガスのための流路溝31,32は、シール溝部45,46が交差していることによって、途中で分断されている。以下では、流路溝31,32のうち、シール溝部45に囲まれている領域に含まれている複数の並列な流路溝31,32のグループを「第1流路溝群35」と呼ぶ。また、シール溝部45,46と発電領域EAとの間の領域にある複数の並列な流路溝31,32のグループを「第2流路溝群36」と呼ぶ。
反応ガス供給用のマニホールド孔51,53の近傍における第1流路溝群35の各流路溝31,32は、第2流路溝群36の各流路溝31,32がシール溝部45,46を跨いでそのまま延長された構成を有している。すなわち、供給用のマニホールド孔51,53の近傍では、シール溝部45における第1流路溝群35の開口部は、第2流路溝群36の開口部とシール溝部45を挟んで対称な構成を有している。より具体的には、第1流路溝群35の開口部と第2流路溝群36の開口部とは第2のシールラインSL2を挟んだ鏡面写像のように実質的にほぼ同じ開口位置と開口形状とを有している。
これに対して、反応ガスの排出用のマニホールド孔52,54の近傍における第1流路溝群35は、第2流路溝群36より流路溝31,32の数が多い。また、第1流路溝群35の各流路溝31,32は第2流路溝群36の各流路溝31,32に対してより広い範囲に所定の間隔で配列されている。そのため、反応ガスの排出用のマニホールド孔52,54の近傍では、第1流路溝群35のシール溝部45,46における開口部は、第2流路溝群36の開口部に対して対称な構成ではなく、非対称な構成になっている。
本明細書では、第1流路溝群35のシール溝部45,46における開口部が第2流路溝群36の開口部に対して非対称になっている流路構成を「第1流路構成」とも呼ぶ。本実施形態のセパレータ20では、以下に説明するように、上記の第1流路構成によって、その排水性が高められており、セパレータ20内に水分が残留してしまうことが抑制されている。
図8は、第1流路溝群35と第2流路溝群36における水分の流れを示す模式図である。図8には、カソードプレート22における第4のマニホールド孔54の近傍領域における流路構成が模式的に図示されている。なお、以下の説明は、アノードプレート21における第2のマニホールド孔52の近傍の第1流路溝群35と第2流路溝群36についても同様に当てはまる。第2流路溝群36からシール溝部46に流出する排ガスは各流路溝32の開口部36hから広がって流れ、排ガス中の水分は排ガスの流れに従って移動する。
本実施形態の第1流路溝群35は、上述したように、第2流路溝群36よりも流路溝32の数が多く、広い範囲にわたって各流路溝32が配列されている。そのため、セパレータ20では、シール溝部46において広がった排ガス中の水分は第2流路溝群36の開口部35hに流入しやすくなっている。これによって、排ガス中の水分がシール溝部46の壁面に付着してしまい、第2流路溝群36に流入することなくシール溝部46に残留してしまうことが抑制されている。従って、当該残留水分が凍結して膨張することによるセパレータ20の変形や、当該残留水分に含まれる不純物の濃縮に起因するセパレータ20の劣化などが抑制される。
[第1実施形態における第1流路溝群および第2流路溝群の他の構成例]
第1流路溝群35および第2流路溝群36は、以下に説明する流路構成を有するように変形した場合であっても、上述したのと同様な効果を奏することが可能である。なお、以下の構成例1〜3における燃料電池100の構成は、セパレータ20における第1流路溝群35および第2流路溝群36の流路構成以外は、上記の実施形態において説明した構成とほぼ同じである。また、以下に説明する流路構成は、アノードプレート21における第2のマニホールド孔52の近傍の流路構成にも同様に適用可能である。
(1)構成例1
図9は、本実施形態の他の構成例1としての第4のマニホールド孔54の近傍にある第1流路溝群35aおよび第2流路溝群36aの構成を示す概略図である。構成例1では第2流路溝群36aの構成は、本実施形態で説明した第2流路溝群36の構成(図8)とほぼ同じである。構成例1における第1流路溝群35aでは、各流路溝32の幅w1が第2流路溝群36における各流路溝32の幅w2よりも大きくなっている。つまり、構成例1における第1流路溝群35aでは、各流路溝32の流路断面積が第2流路溝群36における各流路溝32の流路断面積よりも大きくなっている。
本構成例1では、第1流路溝群35のシール溝部46における開口部35hは、第2流路溝群36の開口部36hに対して非対称である。また、シール溝部46における第1流路溝群35aの開口面積の合計は第2流路溝群36aの開口面積の合計よりも大きい。このような構成であっても、第2流路溝群36aから流出した排ガス中の水分が第1流路溝群35aに流入しやすいため、セパレータ20における排水性が高められる。
(2)構成例2
図10は、本実施形態の他の構成例2としての第4のマニホールド孔54の近傍にある第1流路溝群35bおよび第2流路溝群36bの構成を示す概略図である。構成例2では、第1流路溝群35bの各流路溝32は、第2流路溝群36bの各流路溝32がシール溝部46を跨いでそのまま延長されたような連続的な構成を有している。第1流路溝群35bおよび第2流路溝群36bの各流路溝32は、第4のマニホールド孔54に近い位置ほど幅が大きくなるように末広がりに構成されている。第1流路溝群35bのシール溝部46における各開口部35hは、第2流路溝群36bのシール溝部46における開口部36hのうちの一つとシール溝部46を挟んで対向している。第1流路溝群35bの開口部35hと第2流路溝群36bの開口部36hとは開口方向に沿って見たときに、第1流路溝群35bの各開口部35hのそれぞれの中に第2流路溝群36bの開口部36hのうちの一つが収まり、互いに重なっている。
本構成例2では、第1流路溝群35bのシール溝部46における開口部35hは、第2流路溝群36bの開口部36hに対して非対称である。また、シール溝部46における第1流路溝群35bの開口面積の合計は第2流路溝群36bの開口面積の合計よりも大きい。このような構成であっても、第2流路溝群36bから流出した排ガス中の水分が第1流路溝群35bに流入しやすいため、セパレータ20における排水性が高められる。なお、第1流路溝群35bの各開口部35hは、開口方向に沿って見たときに、少なくとも第2流路溝群36bの開口部36hのうちの一部と重なっていれば良い。
(3)構成例3
図11は、本実施形態の他の構成例としての第4のマニホールド孔54の近傍にある第1流路溝群35cおよび第2流路溝群36cの構成を示す概略図である。構成例3では第2流路溝群36cの構成は、本実施形態で説明した第2流路溝群36の構成(図8)とほぼ同じである。構成例3では、第1流路溝群35cの各流路溝32は、シール溝部46を挟んで第2流路溝群36cの各流路溝32と対向する位置に形成されている。第1流路溝群35cと第2流路溝群36cとでは、流路溝32の数が同じであり、シール溝部46の近傍以外での流路溝32の幅はほぼ同じである。
本構成例3では、第1流路溝群35cのシール溝部46における開口部35hは第2流路溝群36cの各流路溝32に向かって開口面積が大きくなるように構成されている。そのため、第1流路溝群35cのシール溝部46における開口部35hは、第2流路溝群36cの開口部36hに対して非対称な構成を有している。また、シール溝部46における第1流路溝群35cの開口面積の合計は第2流路溝群36cの開口面積の合計よりも大きい。このような構成であっても、第2流路溝群36cから流出した排ガス中の水分が第1流路溝群35cに流入しやすいため、セパレータ20における排水性が高められる。
[第1実施形態のまとめ]
以上のように、本実施形態のセパレータ20では、排ガス中の水分が排出用のマニホールド孔52,54に流入しやすいようにシール溝部45,46における第1流路溝群35の開口部35hと第2流路溝群36の開口部36hとが非対称に構成されている。従って、セパレータ20における排水性が高められ、排ガス中の水分がシール溝部45,46に残留することが抑制されている。
B.第2実施形態:
図12は、本発明の第2実施形態としてのセパレータ20Aの構成を説明するための概略図である。図12には、セパレータ20Aの第4のマニホールド孔54の近傍における流路構成が模式的に図示されている。図12には、セパレータ20Aが燃料電池100に組み付けられて使用されているときの重力方向を示す矢印Gが図示されている。第2実施形態のセパレータ20Aは、以下に説明する点以外は、上記第1実施形態のセパレータ20とほぼ同じ構成を有している。第2実施形態では、燃料電池100はその積層方向が重力方向と直交するように配置される。
第2実施形態のセパレータ20Aでは、カソードプレート22の第4のマニホールド孔54の周囲に形成されているシール溝部46が、シール溝部46の延伸方向に沿った液水の移動が抑制されている液水移動抑制構造を有している。液水移動抑制構造は、液水の表面張力によってシール溝部46に滞留している液水LQの移動が抑制されるように、シール溝部46における壁面の表面粗さや親水性などの表面性状や、シール溝部46の幅や深さなどの断面形状が調整されている。液水移動抑制構造は、第1流路溝群35と第2流路溝群36との間の領域LI(破線で図示)に形成されている。
本第2実施形態の領域LIでは、重力による液水LQの下降を抑制するために、毛管圧に基づく下記の不等式(A)の関係が満たされるように、シール溝部46の壁面の表面性状や、シール溝部46の幅や深さが調整されている。
σ(2a+2b)・(cos(180−θf)−cos(180−θr))>m・g …(A)
上記の不等式(A)の中の「σ(2a+2b)」は、シール溝部46の幅aや深さbによって決まる物性値である。また、角度θf,θrは液水の接触角(後述)である。mは領域LIに滞留すると想定される液水の重量に基づく定数である。mは領域LIにおけるシール溝部46の容積に基づいて予め決定されても良い。
図13は上記の不等式(1)中の接触角θf,θrを説明するための模式図である。図13には液水LQが微細な管200の中を移動しているときの状態が模式的に図示されている。接触角θfは、液水LQの移動方向前方における接触角である。接触角θrは、液水LQの移動方向後方における接触角である。
シール溝部46(図12)では、接触角θf,θrはそれぞれ、第1流路溝群35の各流路溝に対向する領域内における重力方向下側の領域と重力方向上側の領域での接触角に相当する。接触角θf,θrは、プラズマ撥水処理やショットブラストなどによって領域LIにおけるシール溝部46の撥水性を変化させることによって調整可能である。
上記の不等式(A)の関係を満たしていれば、シール溝部46内において液水LQに生じる重力方向上側の表面張力と重力方向下側の表面張力との差が液水LQに働く重力より大きくなる。従って、液水LQは重力によってシール溝部46の重力方向下側の領域へと移動することが抑制される。具体的に、領域LIにおける液水移動抑制構造としては、1mg程度の液水LQが領域LIに滞留することが想定される場合には、液水LQに生じる重力方向上側の表面張力と重力方向下側の表面張力との差が10Pa以上になる構成であることが望ましい。
領域LIにおいて液水LQの重力方向への移動が抑制され、液水LQが領域LIに滞留すると、当該液水LQは、第2流路溝群36からの排ガスやパージガスの流れによって第1流路溝群35を介して第4のマニホールド孔54に排出されやすくなる。従って、セパレータ20内に水分が残留してしまうことが抑制される。
以上のように、第2実施形態のシール溝部46が領域LIに液水移動抑制構造を有していることによって、液水LQがシール溝部46の重力方向下側の領域に滞留することが抑制され、セパレータ20内に水分が残留してしまうことが抑制される。なお、第2実施形態の液水移動抑制構造は、アノードプレート21における第2のマニホールド孔52の周囲に設けられているシール溝部45に適用することも可能である。これによって、アノード側の流路において上述したのと同様な効果を得ることができる。また、本実施形態の液水移動抑制構造は、第1実施形態で説明した他の構成例1〜3に対して適用した場合であっても、同様な効果を奏する。
C.第3実施形態:
図14は、本発明の第3実施形態のセパレータ20Bの構成を説明するための概略図である。図14には、カソードプレート22の第1の面S3における第4のマニホールド孔54の近傍領域が図示されている。図14には、シール溝部46内に、圧力の高い側から低い側へと向かう圧力勾配の方向を示す矢印PGと、ガスの流れを示す矢印GFと、が図示されている。
第3実施形態のセパレータ20Bは、第4のマニホールド孔54の近傍における流路溝の流路構成が異なる点以外は、上記第1実施形態のセパレータ20とほぼ同じである。第3実施形態のセパレータ20Bでは、反応ガスの流れによって第4のマニホールド孔54のシール溝部46における第2流路溝群36Bと第4のマニホールド孔54との間の領域に圧力勾配が生じるように第1流路溝群35Bが構成されている。
第3実施形態の第2流路溝群36Bにおける流路構成は第1実施形態で説明した第2流路溝群36とほぼ同じであり、所定の同一な幅を有する複数の流路溝が所定の間隔で並列に配列されている。第1流路溝群35Bは、第2流路溝群36とシール溝部46を挟んで対向する領域内に配置されている。第1流路溝群35Bは第2流路溝群36よりも流路溝の数が少ない。第1流路溝群35Bにおける流路溝32の配列分布は、第2流路溝群36における流路溝32の配列分布に対して、第1流路溝群35Bにおける流路溝32の配列方向において一方の側に偏っている。
第3実施形態のセパレータ20Bでは、シール溝部46における第1流路溝群35Bの開口部35hと第2流路溝群36Bの開口部36hとは数や配列範囲が異なっており、非対称に構成されている(第1流路構成)。この構成によって、セパレータ20Bに反応ガスが流されたときに、シール溝部46における第1流路溝群35Bと第2流路溝群36との間の空間には第1流路溝群35Bの流路溝が偏って配列されている方向に向かって圧力が低くなる圧力勾配が生じる(矢印PG)。
図15は、第1流路溝群35Bと第2流路溝群36Bの流路構成によってシール溝部46内に圧力勾配が生じるメカニズムを説明するための模式図である。図15には、カソードプレート22の第4のマニホールド孔54の近傍領域における流路構成が模式的に図示されている。セパレータ20Bに反応ガスが流されたときに、シール溝部46において第2流路溝群36Bの開口方向の先に第1流路溝群35Bの流路溝が存在しない部位では、急縮小管の損失係数ζに基づく圧力損失が生じる。また、第2流路溝群36Bの開口方向の先に第1流路溝群35Bの流路溝が存在する部位では、流入する排ガスが集中することによる圧力損失が生じる。そのため、シール溝部46内には、前述した方向への圧力勾配が生じる。
上記の圧力勾配によって、シール溝部46内には、第2流路溝群36Bの開口部36hから第1流路溝群35Bの開口部35hに向かう排ガスの流れに加えて、シール溝部46に沿って周回する排ガスの流れが生じる(図14の矢印GF)。この排ガスの流れによってシール溝部46内の水分が持ち去られて第1流路溝群35Bから排出される可能性が高くなる。従って、セパレータ20Bにおける排水性が高められ、セパレータ20B内に水分が残留してしまうことが抑制される。特に、圧力勾配の方向(矢印PGの方向)が重力方向と一致している場合には、重力によってシール溝部46の下部領域に液水が滞留してしまうことが抑制される。
[第3実施形態における第1流路溝群および第2流路溝群の他の構成例]
第1流路溝群35Bおよび第2流路溝群36Bは、以下に説明する流路構成を有するように変形した場合であっても、上述したのと同様な効果を奏することが可能である。なお、以下の構成例における燃料電池100の構成は、セパレータ20Bにおける第1流路溝群35Bおよび第2流路溝群36Bの流路構成以外は、第1実施形態において説明した構成とほぼ同じである。
(1)他の構成例1
図16は、第3実施形態の他の構成例1としての第1流路溝群35Baおよび第2流路溝群36Baの構成を示す概略図である。構成例1では、第2流路溝群36Baの流路構成は、上記の第2流路溝群36Bの流路構成とほぼ同じである。第1流路溝群35Baの各流路溝32は、シール溝部46を挟んで第2流路溝群36Baの流路溝32のうちの一つと対向している。また、第1流路溝群35Baの各流路溝32の幅w,…,w(nは1より大きい自然数)は、流路溝32の配列方向に沿って一方の側から他方の側に次第に大きくなるように構成されている(w<…<w)。
本構成例1では、シール溝部46における第1流路溝群35Baの開口部35hと第2流路溝群36Baの開口部36hとは非対称になっている(第1流路構成)。また、本構成例1では、第1流路溝群35Baは各流路溝32の構成が均一ではない。本明細書においては、本構成例1のように、並列に配列されている複数の流路溝のうちの少なくとも1つが異なる構成を有していることによって流路溝の構成が不均一になっている流路構成を「第2流路構成」とも呼ぶ。
この構成によれば、第1流路溝群35Baと第2流路溝群36Baの間におけるシール溝部46内の圧力損失は、第1流路溝群35Baにおいて流路溝32の幅が小さい側において大きく、流路溝32の幅が大きい側において小さくなる。従って、第1流路溝群35Baと第2流路溝群36Baに排ガスが流れるときにはシール溝部46内に圧力勾配が生じ、シール溝部46内を周回する排ガスの流れが生じる。これによって、セパレータ20Bにおける排水性が高められ、セパレータ20B内に水分が残留してしまうことが抑制される。
(2)他の構成例2
図17は、第3実施形態の他の構成例2としての第1流路溝群35Bbおよび第2流路溝群36Bbの構成を示す概略図である。この構成例2では、第1流路溝群35Bbの各流路溝32は、シール溝部46を挟んで第2流路溝群36Bbの流路溝32のうちの一つと対向している。また、第1流路溝群35Bbおよび第2流路溝群36Bbのそれぞれにおいて、流路溝32の配列方向における一方にはシール溝部46に向かって幅が縮小する流路溝38が設けられており、他方にはシール溝部46に向かって幅が縮小する流路溝39が設けられている。
第1流路溝群35Bbおよび第2流路溝群36Bbにおける流路溝38の対は第1の流路溝対に相当し、流路溝39の対は第2の流路溝対に相当する。本構成例2では、シール溝部46における第1流路溝群35Bbの開口部35hと第2流路溝群36Bbの開口部36hとは対称になっており、第1流路溝群35Bbおよび第2流路溝群36Bbは第1流路構成を有していない。ただし、本構成例2では、第1流路溝群35Baの各流路溝32の構成がいずれも異なっており、不均一である(第2流路構成)。
シール溝部46において、シール溝部46に向かって幅が縮小している流路溝38同士が対向している部位では、排ガスの流速が高くなり、圧力損失が大きくなる(ベルヌーイの法則)。また、当該部位では、急縮小管の損失係数ζに基づく圧力損失が生じる。一方、シール溝部46に向かって幅が拡大している流路溝39同士が対向している部位では、排ガスの流速が低くなり、圧力損失は小さい(ベルヌーイの法則)。また、当該部位では、急縮小管の損失係数ζに基づく圧力損失も小さい。
本構成例2によれば、第1流路溝群35Bbと第2流路溝群36Bbの間のシール溝部46内における圧力損失は、流路溝38が配置されている側において大きくなり、流路溝39が配置されている側において小さくなる。従って、第1流路溝群35Bbと第2流路溝群36Bbに排ガスが流れるときにはシール溝部46内に圧力勾配が生じ、シール溝部46内を周回する排ガスの流れが生じる。これによって、セパレータ20Bにおける排水性が高められ、セパレータ20B内に水分が残留してしまうことが抑制される。
(3)他の構成例3
図18は、第3実施形態の他の構成例3としての第1流路溝群35Bcおよび第2流路溝群36Bcの構成を示す概略図である。構成例3では、第2流路溝群36Bcの流路構成は、上記の構成例1の第2流路溝群36Ba(図16)の流路構成とほぼ同じである。構成例3では、第1流路溝群35Bcにおける流路溝32の数は、第2流路溝群36Bcの流路溝32の数と同じである。ただし、第1流路溝群35Bcにおける流路溝32の配列分布は、第2流路溝群36Bcにおける流路溝32の配列分布に対して、流路溝32の配列方向の一方の側にオフセットされて偏っている。
このような構成であっても、シール溝部46内に図15において説明したのと同様な圧力勾配が生じ、シール溝部46内を周回する排ガスの流れが生じる。これによって、セパレータ20Bにおける排水性が高められ、セパレータ20B内に水分が残留してしまうことが抑制される。なお、第1流路溝群35Bcにおける流路溝31の数を第2流路溝群36Bcにおける流路溝の数よりも多くした場合であっても、流路溝31の配列分布が上記のようにオフセットされて偏っていれば、同様な効果を得ることができる。
[第3実施形態のまとめ]
以上のように、第3実施形態のセパレータ20Bでは、第4のマニホールド孔54の近傍の第1流路溝群35Bおよび第2流路溝群36Bは、シール溝部46内にシール溝部46の延伸方向に圧力勾配が生じるように構成されている。従って、シール溝部46内を周回する排ガスの流れを生じさせることができ、シール溝部46内の水分の排出性が高められている。なお、上述した第3実施形態の流路構成(他の構成例1〜2における流路構成を含む)は、アノードプレート21における第2のマニホールド孔52の近傍の流路構成に対しても適用可能である。これによって同様な作用効果をアノード側の流路において得ることができる。
D.第4実施形態:
図19は、本発明の第4実施形態としてのセパレータ20Cの構成を説明するための概略図である。図19には、セパレータ20Cの第4のマニホールド孔54の近傍における流路構成が模式的に図示されている。図19には、排ガスの流れを示す矢印が図示されている。第4実施形態のセパレータ20Cは、以下に説明する点以外は、上記第1実施形態のセパレータ20とほぼ同じ構成を有している。
第4実施形態のセパレータ20Cでは、第1流路溝群35Cは、シール溝部46において第2流路溝群36と対向し合う位置には設けられていない。第1流路溝群35Cは、第2流路溝群36に対してシール溝部46と第4のマニホールド孔54とを挟んで対向する位置に設けられている。シール溝部46における第1流路溝群35Cの開口部35hと、第2流路溝群36Cの開口部36hとは同じ方向を向いており、両者は対称な構成にはなっていない。この流路構成によって、第2流路溝群36からシール溝部46に流出した排ガスは、シール溝部46に沿って第4のマニホールド孔54の反対側の領域に回り込むように流れ、第1流路溝群35Cを介して第4のマニホールド孔54に流出する。
このように、第4実施形態のセパレータ20Cであれば、シール溝部46が排ガスの流路として機能し、常に排ガスの流れが生じることになる。従って、シール溝部46における水分の移動が促進され、水分がシール溝部46に残留してしまうことが抑制される。なお、第4実施形態の流路構成は、アノードプレート21における第2のマニホールド孔52の近傍の流路構成に対しても適用可能である。これによって同様な作用効果をアノード側の流路において得ることができる。
E.変形例:
E1.変形例1:
上記の各実施形態(他の構成例を含む。以下同様。)のセパレータは、固体高分子形燃料電池である燃料電池に用いられている。これに対して、上記各実施形態のセパレータは、固体高分子形燃料電池以外の種々のタイプの燃料電池に用いられても良い。上記各実施形態のセパレータは、排ガス中に水分が含まれるタイプの燃料電池に用いられることが望ましい。
E2.変形例2:
上記の各実施形態では、第1流路溝群と第2流路溝群の間にシールラインを形成するための凸壁部43,44の裏側の溝であるシール溝部45,46が設けられている。これに対して、第1流路溝群と第2流路溝群の間には、シールラインを構成するためのシール溝部45,46以外の溝部が設けられていても良い。第1流路溝群と第2流路溝群との間の溝部は、例えば、補強部としてのリブの裏側の溝部であっても良い。
E3.変形例3:
上記の各実施形態のおいて、第1流路溝群35および第2流路溝群36に第1流路構成または第2流路構成を適用するときに流路溝31,32の幅が調整されている構成においては、流路溝31,32の幅の代わりに、あるいは、幅とともに、流路溝31,32の深さが調整されても良い。つまり、流路溝31,32はその断面積が調整されれば良い。ここで、「流路溝の断面積」とは、流路溝の延伸方向に垂直な断面における流路溝内の領域の面積を意味する。
E4.変形例4:
上記の各実施形態のセパレータでは、供給用のマニホールド孔51,53の近傍における第1流路溝群35および第2流路溝群36には第1流路構成や第2流路構成は適用されていない。供給用のマニホールド孔51,53の近傍における第1流路溝群35および第2流路溝群36に対しても、供給用のマニホールド孔51,52から流入する水分がシール溝部45,46に滞留することが抑制されるように、第1流路構成や第2流路構成に相当する構成が適用されても良い。具体的には、上記の各実施形態において排出用のマニホールド孔52,54近傍の第1流路溝群35に適用されていた構成を、供給用のマニホールド孔51,53の近傍の第2流路溝群36に適用し、排出用のマニホールド孔52,54近傍の第2流路溝群36に適用されていた構成を、供給用のマニホールド孔51,53の近傍の第1流路溝群35に適用しても良い。これによって、供給用のマニホールド孔51,53の近傍のシール溝部45,46に水分が残留してしまうことが抑制される。
E5.変形例5:
上記の各実施形態の各セパレータでは、発電領域EA内に反応ガスのための流路溝31,32が設けられている。これに対して、発電領域EA内に反応ガスのための流路溝31,32は省略されても良い。発電領域EA内には、流路溝31,32の代わりにエキスパンドメタルやカーボン繊維、発泡金属などのガス流路部材が配置されても良い。また、発電領域EA内における流路溝31,32の流路構成は、発電領域EA内において幾重にも折り返す構成に限定されない。流路溝31,32は、例えば、発電領域EA内において直線的に延びる流路溝によって構成されても良いし、発電領域EA内において途中で途切れる流路溝を含んでいても良い。また、並列な流路溝同士が途中で連結されていても良い。
E6.変形例6:
上記の各実施形態では、セパレータの各流路溝32〜33に反応ガスや冷媒が流される場合を説明した。上記の各実施形態のセパレータには反応ガスや冷媒の代わりに、パージガスなどの他の流体が流される場合であっても、上記の各実施形態において説明したのと同様な効果を得ることができる。
E7.変形例7:
上記の各実施形態において、第1流路溝群35および第2流路溝群36に適用されている第1流路構成や第2流路構成は、アノードプレート21とカソードプレート22の両方に適用されても良いし、カソードプレート22とアノードプレート21のうちの一方にのみに適用されても良い。
E8.変形例8:
上記の各実施形態においては、第1流路溝群および第2流路溝群の各流路溝は各プレート21,22を厚み方向に凹凸させる曲げ加工によって形成されている。これに対して、第1流路溝群および第2流路溝群の各流路溝は各プレート21,22の表面に配置された樹脂部材などの別部材によって形成されていても良い。
E9.変形例9:
上記の各実施形態のセパレータにおいて、反応ガスの流路溝31,32に適用されていた第1流路溝群および第2流路溝群の流路構成は、冷媒用の流路溝33に適用されても良い。この場合には、シール凸部43,44(シール溝部45,46)によって形成されるシールラインはアノードまたはカソードの流路に設けられる。
E10.変形例10:
上記の各実施形態のセパレータは、アノードプレート21とカソードプレート22の二層構造を有している。これに対して、セパレータは、冷媒流路が省略されている単層プレートによって構成されて良い。この場合には、反応ガスが第1または第2の流体に相当する。
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…膜電極接合体
11…電解質膜
12,13…電極
14…ガス拡散層
15…絶縁シール部
20,20A,20B,20C…セパレータ
21…アノードプレート
22…カソードプレート
31,32,33…流路溝
35,35a,35b,35c,35B,35Ba,35Bb,35C…第1流路溝群
36,36a,36b,36c,36B,36Ba,36Bb,36C…第2流路溝群
38,39…流路溝
40…シール部
41,42…凸部
43,44…シール凸部
45,46…シール溝部
100…燃料電池

Claims (14)

  1. 外周に絶縁部材を有する複数の膜電極接合体が積層されている燃料電池において、前記膜電極接合体と前記絶縁部材とに接するように配置され、第1の面が第1の流体の流路壁として機能し、前記第1の面とは反対の第2の面が第2の流体の流路壁として機能するプレートを備えるセパレータであって、
    前記プレートの前記絶縁部材と対向する領域には、前記第1の流体の排出のためのマニホールドを構成する貫通孔であるマニホールド孔が形成されており、
    前記マニホールド孔の周囲には溝部が形成されており、
    前記プレートは、前記第1の面側に、前記溝部を跨いで、前記膜電極接合体の発電領域から前記マニホールド孔に前記第1の流体を流出させるための流路として、前記マニホールド孔と前記溝部とを結ぶ複数の流路溝を含む第1流路溝群と、前記溝部と前記発電領域とを結ぶ複数の流路溝を含む第2流路溝群と、を有し、
    前記プレートは、前記溝部における前記第1流路溝群の開口部と前記第2流路溝群の開口部とが前記溝部を挟んで非対称に構成されている第1流路構成と、前記第1流路溝群において少なくとも1つの流路溝の構成が他の流路溝の構成と異なる不均一な構成を有している第2流路構成と、のうちの少なくとも一方の流路構成を備えている、セパレータ。
  2. 請求項1記載のセパレータであって、
    前記マニホールド孔の周囲には前記第2の面側における前記第2の流体の流路への前記第1の流体の漏洩を抑制するための環状のシールラインが、前記プレートを厚み方向に曲げて形成された前記第2の面側の凸壁部によって形成されており、
    前記溝部は、前記凸壁部の裏側の溝である、セパレータ。
  3. 請求項1または請求項2記載のセパレータであって、
    前記第1流路溝群と前記第2流路溝群とはそれぞれ前記溝部を挟んで対向する位置に形成されており、
    前記第1流路溝群の方が前記第2流路溝群よりも流路溝の数が多く、前記第1流路溝群の各流路溝は、前記第2流路溝群の各流路溝よりも広い範囲に所定の間隔で配列されている、セパレータ。
  4. 請求項1または請求項2記載のセパレータであって、
    前記第1流路溝群と前記第2流路溝群とはそれぞれ前記溝部を挟んで対向する領域に形成されており、
    前記第1流路溝群の各流路溝の断面積は、前記第2流路溝群の各流路溝の断面積よりも大きい、セパレータ。
  5. 請求項1または請求項2記載のセパレータであって、
    前記第1流路溝群と前記第2流路溝群とはそれぞれ前記溝部を挟んで対向する領域に配置されており、
    前記第1流路溝群の各流路溝の断面積が前記溝部に向かって大きくなっていることによって、前記第1流路溝群の各流路溝の前記溝部における開口面積の合計が前記第2流路溝群の各流路溝の前記溝部における開口面積の合計より大きくなっている、セパレータ。
  6. 請求項1または請求項2記載のセパレータであって、
    前記第1流路溝群の各流路溝の前記溝部における開口部と前記第2流路溝群の各流路溝の前記溝部における開口部とは、開口方向に沿って見たときに、前記溝部を挟んで少なくとも一部が重なるように対向しており、
    前記第1流路溝群および前記第2流路溝群の各流路溝は、前記マニホールド孔に近い位置ほど断面積が大きくなる、セパレータ。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のセパレータであって、
    前記溝部は、前記第1流路溝群と前記第2流路溝群の間に、前記溝部の延伸方向に沿った液水の移動が抑制されるように、前記溝部の壁面の表面性状と前記溝部の断面形状のうちの少なくとも一方が調整されている液水移動抑制構造を有している、セパレータ。
  8. 請求項7記載のセパレータであって、
    前記液水移動抑制構造を有する前記溝部は重力方向に沿った方向に延びており、
    前記液水移動抑制構造を有する前記溝部の幅aおよび深さbによって決まる物性値をσ(2a+2b)とし、前記液水移動抑制構造を有する前記溝部における液水の重力方向下側の接触角をθfとし、重力方向上側の接触角をθrとし、前記液水移動抑制構造を有する前記溝部に滞留する液水の重量を表す定数をmとしたときに、
    前記液水移動抑制構造は、
    σ(2a+2b)・(cos(180−θf)−cos(180−θr))>m・g
    の関係が満たされるように、前記溝部の壁面の表面性状と前記溝部の断面形状のうちの少なくとも一方が調整されている構造である、セパレータ。
  9. 請求項1または請求項2記載のセパレータであって、
    前記第1流路溝群と前記第2流路溝群とはそれぞれ前記流路溝を挟んで対向する領域に配置されており、
    前記第1流路溝群の流路溝の配列分布は、前記第2流路溝群の流路溝の配列分布に対して前記流路溝の配列方向の一方の側に偏っている、セパレータ。
  10. 請求項1または請求項2記載のセパレータであって、
    前記第1流路溝群と前記第2流路溝群とはそれぞれ前記流路溝を挟んで対向する領域に配置されており、
    前記第1流路溝群の各流路溝の断面積は、前記流路溝の配列方向に大きくなっていく、セパレータ。
  11. 請求項1または請求項2記載のセパレータであって、
    前記第1流路溝群の各流路溝と前記第2流路溝群の各流路溝とは、前記溝部を挟んで互いの開口部の少なくとも一部が重なり合うように対向しており、
    前記第1流路溝群と前記第2流路溝群に含まれている互いに対向する流路溝の対には、前記溝部に向かって断面積が縮小する第1の流路溝対と、前記溝部に向かって断面積が拡大する第2の流路溝対と、が含まれる、セパレータ。
  12. 請求項1または請求項2記載のセパレータであって、
    前記第1流路溝群は、前記溝部と前記マニホールド孔とを挟んで、前記第2流路溝と対向する位置において前記マニホールド孔と前記溝部とを接続している、セパレータ。
  13. 請求項2に従属する請求項3から請求項12のいずれか一項に記載のセパレータであって、
    前記プレートは第1プレートであり、
    前記セパレータは、さらに、前記第1プレートの前記第2の面側に積層配置される第2プレートを備え、
    前記第1の流体は反応ガスであり、
    前記第2の流体は冷媒であり、
    前記シールラインは、前記凸壁部が前記第2プレートの前記第1プレートと対向する側の面に接触することによって形成されている、セパレータ。
  14. 複数の膜電極接合体が積層されている燃料電池であって、
    請求項1から請求項13のいずれか一項に記載のセパレータを備える、燃料電池。
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