JP7075644B1 - コンクリート構造体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】維持管理が容易で、かつ、耐久性を飛躍的に向上させたコンクリート構造体、その強化方法、その製造方法、及び、その強度維持方法を提供する。【解決手段】コンクリート構造体1において、コンクリートからなり内部に所定方向へ延びる配筋部材が配置されない構造体本体10と、所定断面で構造体本体10を包囲して構造体本体10と一体的に設けられ構造体本体10よりも引張強度が大きく構造体本体10へ外気中の二酸化炭素を供給する孔21を有する殻体20と、備え、コンクリートの炭酸化により構造体の強度が向上するようにした。【選択図】図1

Description

本発明は、耐久性を飛躍的に向上させ、かつ、維持管理が容易なコンクリート構造体、その強化方法、その製造方法、及び、その強度維持方法に関する。
鉄筋コンクリートは、コンクリートの内部に鉄筋を配置することで、コンクリート及び鉄筋の互いの長所を活かして強度を向上させるものであり、建築及び土木の分野で極めて一般的な構造体である。コンクリートは、水酸化カルシウムを含み強アルカリ性を示すことから、鉄筋の表面に不働態皮膜が形成され、鉄筋の酸化が防止される。
ところで、鉄筋コンクリートが大気中に存在する場合、二酸化炭素によりコンクリートの水酸化カルシウムが炭酸化される。これにより、コンクリートのアルカリ性が低下する、いわゆる中性化が、鉄筋コンクリートの表面から進行していく。この中性化の領域が鉄筋の配置されている深さまで到達すると、鉄筋が酸化して錆が生じる。そして、錆による体積膨張によりコンクリートにひび割れ等が生じ、鉄筋コンクリートの耐久性が損なわれる。コンクリートの中性化を防止するため、コンクリートの表面に、特定の樹脂からなり、特定物性を有する複数層の塗膜が形成された鉄筋コンクリートが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11-199350号公報
しかしながら、特許文献1に記載の鉄筋コンクリートでは、複数層の塗膜を形成する必要があるため、コンクリート硬化後の後処理が極めて面倒である。また、各塗膜の劣化による剥がれによりコンクリートの中性化が進行することから、常に各塗膜の状態を監視しなければならず、この鉄筋コンクリートを使用した構造物の維持管理の負担も極めて大きい。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、維持管理が容易で、かつ、耐久性を飛躍的に向上させたコンクリート構造体、その強化方法、その製造方法、及び、その強度維持方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、
コンクリートからなり、内部に所定方向へ延びる配筋部材が配置されない構造体本体と、
所定断面で前記構造体本体を包囲して前記構造体本体と一体的に設けられ、前記構造体本体よりも引張応力度が大きく、前記構造体本体へ外気中の二酸化炭素を供給する孔を有する殻体と、備えたコンクリート構造体が提供される。
このコンクリート構造体によれば、殻体の引張応力度が構造体本体よりも大きいため、殻体によりコンクリート構造体の引張強度、曲げ強度等が補強される。ここで、殻体が構造体本体の外側に配置されているため、配筋部材をコンクリートの内部に配置した場合と比べて、コンクリート構造体に作用する引張応力の殻体による負担量を大きくすることができる。
また、殻体の孔を通じて構造体本体に外気中の二酸化炭素が供給されることにより、構造体本体の表面側からコンクリートの炭酸化が進行し、コンクリートは炭酸カルシウムを主成分とする石材へ変性していく。すなわち、時間の経過とともに、構造体本体の強度及び耐久性が向上していく。
上記コンクリート構造体において、前記構造体本体は、少なくとも表面側に、前記コンクリートが炭酸化して石材へ変性した石化部を有してもよい。
このコンクリート構造体によれば、石化部を有さないものと比べ、構造体本体の強度及び耐久性が向上している。
また、上記目的を達成するため、本発明では、
上記コンクリート構造体の強化方法であって、
前記構造体本体に前記殻体の前記孔を通じて外部から二酸化炭素を供給し、前記構造体本体の少なくとも表面側を炭酸化させて石化部へ変性させるコンクリート構造体の強化方法が提供される。
このコンクリート構造体の強化方法によれば、殻体の孔を通じた構造体本体への二酸化炭素の供給により石化部を形成し、コンクリート構造体を強化することができる。
また、上記目的を達成するため、本発明では、
上記コンクリート構造体の製造方法であって、
前記構造体本体をなす前記コンクリートが充填されない状態で、前記殻体を形成する殻体形成工程と、
前記配筋部材が配置されない状態で、前記殻体にフレッシュコンクリートを充填するコンクリート充填工程と、
前記フレッシュコンクリートの自重の圧密により、前記殻体の前記孔を通じて、前記フレッシュコンクリートから外部へ余剰水を排出する余剰水排出工程と、
前記余剰水が排出された前記フレッシュコンクリートを前記殻体と一体的に硬化させて構造体本体とするコンクリート硬化工程と、を含むコンクリート構造体の製造方法が提供される。
このコンクリート構造体の製造方法によれば、コンクリート構造体の引張強度を負担する殻体を型枠としてフレッシュコンクリートを硬化させることができ、別途型枠を準備する必要はない。また、製造時に型枠の解体作業も不要となり、コンクリート構造体の製造に要する手間、時間等の削減を図ることができる。
また、コンクリート充填工程にて、殻体内に配筋部材が配置されないことから、殻体内でフレッシュコンクリートの流動が配筋部材により阻害されることはなく、配筋部材が配置される場合と比べフレッシュコンクリートへのバイブレータの使用量を減らす、もしくは、バイブレータの作業を不要とすることができる。これにより、フレッシュコンクリート充填時のバイブレータの使用による殻体の孔から流出するノロの量を減らす、もしくは、無くすことができる。
また、余剰水排出工程にて、フレッシュコンクリートの硬化に不要な余剰水が排出されるため、フレッシュコンクリートから殻体に加わる圧力が低減される。これにより、フレッシュコンクリートを殻体内に比較的高く充填することができ、例えば1日あたりの打設効率を上げて工期の短縮を図ることができる。さらに、フレッシュコンクリートの水セメント比が低下するため、コンクリートの緻密性を向上させ、高品質のコンクリートを得ることができる。さらにまた、作業者は、殻体の孔を通じてフレッシュコンクリートの状態を確認することができ、仮にフレッシュコンクリートに空洞等の異常が生じたとしても、速やかに解消することができる。
さらに、上記目的を達成するため、本発明では、
上記コンクリート構造体の製造方法であって、
前記構造体本体をなす前記コンクリートが充填されない状態で、前記殻体を形成する殻体形成工程と、
前記殻体にフレッシュコンクリートを充填するコンクリート充填工程と、
前記フレッシュコンクリートの自重の圧密により、前記殻体の前記孔を通じて、前記フレッシュコンクリートから外部へ余剰水を排出する余剰水排出工程と、
前記余剰水が排出された前記フレッシュコンクリートを前記殻体と一体的に硬化させて構造体本体とするコンクリート硬化工程と、
前記構造体本体に前記殻体の前記孔を通じて外部から二酸化炭素を供給し、前記構造体本体の少なくとも表面側を炭酸化させて石化部へ変性させる変性工程と、を含むコンクリート構造体の製造方法が提供される。
このコンクリート構造体の製造方法によれば、上記作用に加え、二酸化炭素の供給により簡単容易に石化部を形成することができる。このとき、コンクリートの緻密性が向上しているため、良質な石材を得ることができる。
さらに、上記目的を達成するため、本発明では、
上記コンクリート構造体の強度維持方法であって、
前記構造体本体に前記殻体の前記孔を通じて二酸化炭素を供給し、前記構造体本体の表面側の前記コンクリートを石材へ変性させて石化部とし、前記構造体本体の曲げ強度を増大させる本体強度増大工程と、
前記コンクリート構造体の曲げ強度が全体として低下しない範囲で、前記殻体の曲げ強度の低減を許容する殻体強度低減工程と、を含むコンクリート構造体の強度維持方法が提供される。
このコンクリート構造体の強度維持方法によれば、炭酸化により構造体本体の曲げ強度が増大した分だけ殻体の曲げ強度の低減が許容されるので、石化部の形成後は、殻体の経年劣化、破損等による修復作業は強度を損なわない範囲に留めることができ、修復作業の負担を軽減することができる。
上記コンクリート構造体の強度維持方法において、
前記本体強度増大工程にて、前記石化部の曲げ強度が前記殻体の曲げ強度を上回る深さまで、前記構造体本体の表面側を石材へ変性させ、
前記殻体強度低減工程にて、前記殻体の前記構造体本体からの除去を許容してもよい。
このコンクリート構造体の強度維持方法によれば、炭酸化により構造体本体の曲げ強度を十分に増大させた後、殻体を構造体本体からの除去を許容するようにしたので、コンクリートの中性化の進行状態を監視する必要がないことに加え、殻体のメンテナンスも不要となり、コンクリート構造体の維持管理がさらに容易となる。
上記コンクリート構造体の強度維持方法において、
前記本体強度増大工程にて、前記構造体本体の全部を石材へ変性させ、
前記殻体強度低減工程にて、前記殻体の前記構造体本体からの除去を許容してもよい。
このコンクリート構造体の強度維持方法によれば、構造体本体を全て石材へ変性させた後、殻体を構造体本体からの除去を許容するようにしたので、コンクリートの中性化の進行状態を監視する必要がないことに加え、殻体のメンテナンスも不要となり、コンクリート構造体の維持管理がさらに容易となる。また、構造体本体が全て石材へ変性しているので、コンクリート構造体は、石材と同様の強度、耐久性を発揮する。
本発明によれば、コンクリート構造体の維持管理が容易で、かつ、コンクリート構造体の耐久性を飛躍的に向上させることができる。
本発明の第1の実施形態を示すコンクリート構造体の模式断面図である。 コンクリート構造体の正面図である。 殻体の一部平面図である。 殻体の一部断面図である。 コンクリート構造体の製造方法を示すフローチャートである。 コンクリート充填前の殻体の模式断面図である。 フレッシュコンクリートを充填した殻体の模式断面図である。 構造体本体の表面側が石材へ変性したコンクリート構造体の模式断面図である。 石化部を有するコンクリート構造体の製造方法を示すフローチャートである。 コンクリート構造体の強度維持方法を示すフローチャートである。 構造体本体の表面側が石材へ変性し殻体が除去されたコンクリート構造体の模式断面図である。 構造体本体の全部が石材へ変性し殻体が除去されたコンクリート構造体の模式断面図である。 変形例を示す殻体の一部平面図である。 変形例を示す殻体の一部平面図である。 変形例を示す殻体の一部断面図である。 変形例を示す殻体の一部平面図である。 変形例を示す殻体の一部断面図である。 変形例を示す殻体の一部平面図である。 変形例を示す殻体の一部断面図である。 変形例を示す殻体の一部平面図である。 変形例を示す殻体の一部断面図である。 本発明の第2の実施形態を示すコンクリート構造体であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図である。 殻体内へフレッシュコンクリートを充填する状態を示す説明図である。 変形例を示す枠体の説明図である。 変形例を示すコンクリート構造体の側面図である。 変形例を示すコンクリート構造体であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図である。
図1から図12は本発明の第1の実施形態を示し、図1はコンクリート構造体の模式断面図、図2はコンクリート構造体の正面図、図3は殻体の一部平面図、図4は殻体の一部断面図、図5はコンクリート構造体の製造方法を示すフローチャート、図6はコンクリート充填前の殻体の模式断面図、図7はフレッシュコンクリートを充填した殻体の模式断面図、図8は構造体本体の表面側が石材へ変性したコンクリート構造体の模式断面図、図9は石化部を有するコンクリート構造体の製造方法を示すフローチャート、図10はコンクリート構造体の強度維持方法を示すフローチャート、図11は構造体本体の表面側が石材へ変性し殻体が除去されたコンクリート構造体の模式断面図、図12は構造体本体の全部が石材へ変性し殻体が除去されたコンクリート構造体の模式断面図である。ここで、図1、図6、図7、図8、図11及び図12の模式断面図は、あくまで説明のためのものであり、実際のコンクリート構造体各部の寸法比、形状等とは異なっている。
図1に示すように、このコンクリート構造体1は、コンクリートからなり断面円形の構造体本体10と、平面断面で構造体本体10を包囲して構造体本体10と一体的に設けられる断面ドーナツ状の殻体20と、を備えている。図2に示すように、このコンクリート構造体1は、全体として上下へ延びる円柱状に形成され、構造体本体10は円柱状に、殻体20は円筒状にそれぞれ形成される。本実施形態においては、コンクリート構造体1の大きさは、直径2000mm、高さ7000mmである。図1に示すように、コンクリートには、セメント、水、粗骨材11及び細骨材12が含まれ、構造体本体10の内部に鉄筋等の所定方向へ延びる配筋部材は配置されていない。セメントの種類は任意であるが、ポルトランドセメントの他、ポルトランドセメントを主体として混合材料を混ぜ合わせた高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント等の混合セメントや、アルミナセメントのような特殊セメントを用いることができる。また、二酸化炭素が封入されたセメントを用いることもできる。さらに、ポルトランドセメント、高炉セメント等のような水硬性セメントの他、気硬性セメントを用いることもできる。本実施形態の粗骨材11及び細骨材12の材質は任意であり、砂、砂利、砕砂、砕石、スラグ骨材、人工軽量骨材、石灰石骨材等の各種骨材を適宜用いることができる。また、二酸化炭素が封入された粗骨材11及び細骨材12を用いることもできる。尚、粗骨材11、細骨材12等の骨材は、必要に応じて省くこともできる。
殻体20は、構造体本体10よりも引張応力度が大きく、図1に示すように、構造体本体10へ外気中の二酸化炭素を供給する複数の孔21を有している。ここで、引張応力度とは、単位面積あたりに作用する応力をいう。殻体20の材質は任意であるが、例えば、防錆性を有する金属の他、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、高分子樹脂等やこれらの複合材とすることができる。本実施形態においては、殻体20は、防錆性を有する金属で構成されている。また、本実施形態においては、殻体20は、引張応力度のみならず、曲げ応力度及びせん断応力度も構造体本体10より大きい。
本実施形態においては、殻体20は、複数の分割ユニット22から構成される。図3に示すように、殻体20は全体として板状に形成され、殻体20の形成面と垂直な方向から見て、正方格子状に形成され各孔21の外縁をなす格子部23を有する。また、分割ユニット22は、格子部23と一体的に形成され、格子部23を縦方向及び横方向に仕切る補強リブ24を有している。本実施形態においては、補強リブ24は、格子部23よりも厚く形成され、縦方向及び横方向に等間隔で並んでいる。すなわち、補強リブ24は、正方格子状に配置されている。縦方向及び横方向の最も外側に位置する補強リブ24が、分割ユニット22の外枠をなしている。
図4に示すように、殻体20は、各分割ユニット22の外枠をなす補強リブ24を利用して互いに連結して構成される。本実施形態においては、各補強リブ24同士の連結に接続金具25が用いられ、接続金具25とともに各補強リブ24が溶接され、殻体20の表面側に溶接部26が形成されている。尚、各補強リブ24の連結方法は任意であり、溶接の他、例えば、締結具を用いて各補強リブ24を締結する、各補強リブ24に互いに嵌まり合う部分を設けて各補強リブ24を嵌合する等の、各種の連結手段を用いることができる。各分割ユニット22は、殻体20の形成面と垂直な方向から見て、長方形状に形成される。具体的に、各分割ユニット22の縦方向寸法は、コンクリート構造体1の高さ寸法と同寸法に設定され、コンクリート構造体1の周方向に複数の分割ユニット22が連結される。格子部23及び補強リブ24の厚さ、孔21の形状及び大きさ、格子部23における各孔21を仕切る部分の太さ等は、用途、目的、要求性能等に応じて適宜設定される。
殻体20は、後述するフレッシュコンクリート13の粗骨材11の流出を抑制するよう孔21の大きさが設定され、例えば、孔21の内接円を直径30mm、好ましくは20mm以下とすることができる。特に、孔21の内接円を直径20mm以下とすると、フレッシュコンクリート13のセメントペーストに対しても十分な流出抑制効果を得ることができ、直径10mm以下とするとさらに好ましい。本実施形態においては、孔21の内接円の直径は10mmである。尚、図1に示すように、本実施形態においては、構造体本体10が円柱状であることから、殻体20は構造体本体10の外周に沿って湾曲して形成される。
以上のように構成されたコンクリート構造体1の製造方法について、図5のフローチャートを参照して説明する。
まず、図6に示すように、構造体本体10をなすコンクリートが充填されない状態で、殻体20を形成する(殻体形成工程:S1)。本実施形態においては、各分割ユニット22を溶接し、円筒状の殻体20を組み立てて、殻体20を形成する。殻体20の組立は、コンクリート構造体1の設置現場で行ってもよいし、予め工場等で行っておいて殻体20を設置現場へ搬入してもよい。尚、殻体20を分割せずに構成することも勿論可能で、この場合も、例えば3Dプリンタを用いて設置現場で殻体20を作製してもよいし、予め工場等で殻体20を作製しておいて設置現場へ搬入してもよい。
次に、後述するコンクリート充填工程S3において、殻体20がフレッシュコンクリート13から付与される圧力に耐えられるように、必要に応じて殻体20の補強具を設置する(補強具設置工程:S2)。殻体20の補強具は任意であるが、例えば、通常の型枠コンクリート工事で使用される、単管、サポート、組立足場等の他、殻体20の形状に合わせた側圧補強材等の仮設補強材等を用いることができる。尚、殻体20がフレッシュコンクリート13の圧力に耐えられる場合は、補強具設置工程S2を省略することができる。
次に、図7に示すように、殻体20にフレッシュコンクリート13を充填する(コンクリート充填工程:S3)。本実施形態においては、円筒状の殻体20の上端が開放されているので、殻体20の上端を充填孔として、フレッシュコンクリート13を充填すればよい。そして、フレッシュコンクリート13の自重の圧密により、殻体20の各孔21を通じて、フレッシュコンクリート13から外部へ余剰水を排出する(余剰水排出工程:S4)。この後、余剰水が排出されたフレッシュコンクリート13を殻体20と一体的に硬化させて構造体本体10とする(コンクリート硬化工程:S5)。そして、コンクリートの強度が自立可能となったところで、殻体20の補強具を撤去する(補強具撤去工程:S6)。尚、補強具設置工程S2が省略された場合は、補強具撤去工程S6も省略される。
本実施形態のコンクリート構造体1の製造方法によれば、コンクリート構造体1の引張強度を負担する殻体20を型枠としてフレッシュコンクリート13を硬化させることができ、別途型枠を準備する必要はない。また、製造時に型枠の解体作業も不要となり、コンクリート構造体1の製造に要する手間、時間等の削減を図ることができる。
また、コンクリート充填工程S3にて、殻体20内に配筋部材が配置されないことから、殻体20内でフレッシュコンクリート13の流動が配筋部材により阻害されることはなく、配筋部材が配置される場合と比べフレッシュコンクリート13へのバイブレータの使用量を減らす、もしくは、バイブレータの作業を不要とすることができる。これにより、フレッシュコンクリート充填時のバイブレータの使用による殻体20の各孔21から流出するノロの量を減らす、もしくは、無くすことができる。
また、余剰水排出工程S4にて、フレッシュコンクリート13の硬化に不要な余剰水が排出されるため、フレッシュコンクリート13から殻体20に加わる圧力が低減される。これにより、フレッシュコンクリート13を殻体20内に比較的高く充填することができ、例えば1日あたりの打設効率を上げて工期の短縮を図ることができる。さらに、フレッシュコンクリート13の水セメント比が低下するため、コンクリートの緻密性を向上させ、高品質の構造体本体10を得ることができる。さらにまた、作業者は、殻体20の各孔21を通じてフレッシュコンクリート13の状態を確認することができ、仮にフレッシュコンクリート13に空洞等の異常が生じたとしても、速やかに解消することができる。
また、殻体20の各孔21が、フレッシュコンクリート13の粗骨材11の流出を抑制する大きさであるので、余剰水の排出時に粗骨材11が外部へ流出することはない。また、フレッシュコンクリート13のセメントペーストは粘性を有することから、セメントペーストが過度に外部へ流出することはない。ただし、セメントペーストについては、各孔21から僅かに流出して各孔21内外にわたって硬化する場合がある。
さらに、殻体20の格子部23が正方格子状に形成されているので、殻体20がその形成面内において特定の方向に変形しやすいということはなく、殻体20の形状を維持しつつフレッシュコンクリート13からの圧力に的確に抗することができる。さらにまた、本実施形態においては、格子部23が比較的剛性の高い補強リブ24により仕切られているため、フレッシュコンクリート13の圧力による格子部23の殻体20の形成面に垂直な方向への変形が抑制される。
また、本実施形態のコンクリート構造体1によれば、殻体20の引張応力度が構造体本体10よりも大きいため、殻体20によりコンクリート構造体1の引張強度、曲げ強度等が補強される。ここで、殻体20が構造体本体10の外側に配置されているため、配筋部材をコンクリートの内部に配置した場合と比べて、コンクリート構造体1に作用する引張応力の殻体20による負担量を大きくすることができる。また、殻体20内にコンクリートが充填されているので、面状体である殻体20の座屈は抑制される。特に、コンクリートのセメント分が各孔21内外にわたって硬化している場合は、殻体20の面座屈を効果的に抑制することができる。
また、殻体20の各孔21を通じて構造体本体10に外気中の二酸化炭素が供給されることにより、構造体本体10の表面側からコンクリートの炭酸化が構造体本体10の内部へ進行し、コンクリートは粗骨材11及び細骨材12を礫とする石材へ変性していく。これにより、図8に示すように、構造体本体10が表面側に石化部14を有するコンクリート構造体101となる。このコンクリート構造体101は、石化部14を有さないものと比べ、構造体本体10の強度及び耐久性が向上している。すなわち、時間の経過とともに、コンクリート構造体1は、構造体本体10の強度及び耐久性が向上していく。また、余剰水排出工程S4にてコンクリートの緻密性を向上させているため、良質な石化部14を得ることができる。尚、フレッシュコンクリートに二酸化炭素が封入されたセメントを用いた場合、コンクリートが所定の割合で炭酸化された状態となるが、その場合も、コンクリートの炭酸化されてない部分が、構造体本体10の表面側から漸次炭酸化されていく。すなわち、所定割合で炭酸化されたコンクリートであっても、時間の経過とともに、コンクリート構造体は、構造体本体の強度及び耐久性が向上していく。
石化部14を有するコンクリート構造体101を製造するには、図9に示すように、前述の殻体形成工程S1、コンクリート充填工程S3、余剰水排出工程S4、コンクリート硬化工程S5に続いて、構造体本体10に殻体20の各孔21を通じて外部から二酸化炭素を供給し、構造体本体10の少なくとも表面側を炭酸化させて石化部14へ変性させる変性工程S7を含めればよい。本実施形態においては、構造体本体10への二酸化炭素の供給は、コンクリート構造体1を大気に曝すことによって行われる。尚、炭酸化を促進するために、コンクリート構造体1を二酸化炭素の濃度が大気よりも高い空間に設置したり、二酸化炭素をコンクリート構造体1へ定常的に吹き付けるようにしてもよい。
また、本実施形態のコンクリート構造体1によれば、殻体20の強度を維持し続ければ、コンクリート構造体1の強度は向上していくが、コンクリート構造体1の強度が所定の要求性能を満たせば、必ずしも殻体20の強度を維持し続ける必要はない。ここで、本実施形態のコンクリート構造体の強度維持方法を図9のフローチャートを参照して説明する。
コンクリート構造体1の構造体本体10に殻体20の各孔21を通じて二酸化炭素を供給し、図8に示すように構造体本体10の表面側のコンクリートを石材へ変性させて石化部14とし、構造体本体10の曲げ強度を増大させる(本体強度増大工程:S11)。そして、コンクリート構造体101の曲げ強度が全体として低下しない範囲で、殻体20の曲げ強度の低減を許容する(殻体強度低減工程:S12)。
このコンクリート構造体101の強度維持方法によれば、炭酸化により構造体本体10の曲げ強度が増大した分だけ殻体20の曲げ強度の低減が許容されるので、石化部14の形成後は、殻体20の経年劣化、破損等による修復作業は強度を損なわない範囲に留めることができ、修復作業の負担を軽減することができる。本実施形態以外にも、殻体に引張応力が作用するコンクリート構造体に、この強度維持方法は有効である。
また、本体強度増大工程S11にて、石化部14の曲げ強度が殻体20の曲げ強度を上回る深さまで構造体本体10の表面側を石材へ変性させ、殻体強度低減工程S12にて、図10に示すように、殻体20を構造体本体10からの除去を許容することもできる。この場合、コンクリートの中性化の進行状態を監視する必要がないことに加え、殻体20のメンテナンスも不要となり、コンクリート構造体101の維持管理がさらに容易となる。殻体強度低減工程S12で除去が許容された後の殻体20の取扱いは自由であり、例えば、殻体20を積極的に解体してもよいし、劣化等を監視することなく殻体20を存置しておいてもよい。殻体20を存置する場合は、殻体20の外面がコンクリート構造体1の意匠面をなすことから、適宜、殻体20の表面に化粧等を施してもよい。
さらに、本体強度増大工程S11にて、図11に示すように、構造体本体10の全部を石材へ変性させ、殻体強度低減工程S12にて、殻体20を構造体本体10からの除去を許容することもできる。この場合、構造体本体10が全て石材へ変性しているので、コンクリート構造体201は、石材と同様の強度、耐久性を発揮する。すなわち、構造体本体10の全てが石化部14へ変性したコンクリート構造体201には、遺跡等の石造建築物と同様の、1000年以上の耐久性が付与される。
尚、前記実施形態においては、コンクリート構造体1が円柱状のものを示したが、例えば、角柱状や直方体状であってもよく、コンクリートからなる構造体本体と、所定断面で構造体本体を包囲し構造体本体よりも少なくとも引張応力度が大きく構造体本体へ外気中の二酸化炭素を供給する孔を有する殻体と、備えたものであれば、コンクリート構造体の形状は任意である。
また、前記実施形態においては、殻体20が補強リブ24を有するものを示したが、例えば、図13に示すように、補強リブ24を有さないものとすることもできる。さらに、前記実施形態においては、殻体20が正方格子状の格子部23を有するものを示したが、格子部23を正三角格子状としても、殻体20の形状の維持に好適である。さらに、各殻体20の孔21の形状は任意であり、例えば、正方形、正三角形以外の多角形状、円形状等でもよいし、複数の孔21の形状がまちまちのいわゆる不定形状とすることもできる。
また、例えば、図14及び図15に示すように、殻体の各孔21の形状を菱形としてもよい。図14及び図15の殻体は金属の板材からなり、千鳥状に切れ目を入れながら押し広げて各孔21を菱形としている。格子部23は、縦方向一方(図14中上方)へ向かって横方向一方(図14中右方)へ傾斜して延びる第1傾斜部23aと、縦方向一方へ向かって横方向他方(図14中左方)へ傾斜して延びる第2傾斜部23bと、により構成される。この殻体においては、前記実施形態の補強リブは形成されておらず、格子部23の外縁が分割ユニットの外縁をなしている。図14及び図15の殻体では、各分割ユニットは格子部23の横方向端部で接続される。具体的に、第1傾斜部23aと第2傾斜部23bにより形成される横方向一方の頂点23cと、第1傾斜部23aと第2傾斜部23bにより形成される横方向他方の頂点23dと、がスポット溶接により接続され、殻体に溶接部26が形成される。
また、例えば、図15及び図16に示すように、各孔21a,21bをスリット状としてもよい。図15及び図16の殻体は金属の板材からなり、パンチングプレスの金型を利用して各孔21a,21bが形成される。図15及び図16の殻体では、縦方向(図15中上下方向)へ延びる孔21aと、横方向(図15中左右方向)へ延びる孔21bと、が縦方向及び横方向に交互に並べられる。各孔21a,21bの周囲には、パンチング時に形成された傾斜面21cが形成される。このように傾斜面21cを形成して殻体を厚くすることにより、殻体の断面係数を増大させることができる。尚、このようなパンチングプレスにより作製される殻体において、孔21a,21bの形状は任意に変更することができ、プレス曲げ補強によりさらなる強化を図ることもできる。
また、例えば、図18及び図19に示すように、殻体を、孔121が形成された面状のカーボンクロス123と、カーボンクロス123よりも厚く形成された骨格部材124と、を有するものとすることもできる。図18に示すように、骨格部材124は、縦方向及び横方向に等間隔で並び、正方格子状に配置されている。本実施形態においては、図19に示すように、カーボンクロス323の表側及び裏側に分割して配置され、カーボンクロス123を挟み込んでいる。骨格部材124は、縦方向及び横方向の交点でビス127により固定される。また、前記実施形態と同様に分割ユニットの外枠をなす骨格部材124同士が、接続具125を用いて連結され、殻体の表面側に溶接部126が形成される。尚、骨格部材124の材質は任意であり、例えばプラスチックとすることができる。
また、例えば、図20及び図21に示すように、殻体の骨格部材124に、カーボンクロス123を接着して固定してもよい。図20及び図21の殻体では、カーボンクロス123の裏面側に骨格部材124を配置し、カーボンクロス123に裏面側へ延びる延長部123aを形成し、延長部123aを骨格部材124の表面に全面的に接着固定している。また、分割ユニットの外枠をなす骨格部材124同士は、接続用のカーボンクロス123bが巻きつけられて接続固定される。尚、骨格部材124の材質は任意であり、例えば所定の合金とすることができる。
また、前記実施形態においては、コンクリート構造体1の上面が殻体20に覆われてないものを示したが、例えば図22に示すように、コンクリート構造体301の上面が殻体320に覆われるようにすることもできる。図22は、本発明の第2の実施形態を示すコンクリート構造体であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図である。
図22(a)に示すように、このコンクリート構造体301は、上側水平延在部302と、下側水平延在部303と、上側水平延在部302及び下側水平延在部303を連結する垂直延在部304と、から構成される。本実施形態においては、コンクリート構造体301は橋脚構造体であり、上側水平延在部302は桁受部、下側水平延在部303は基礎部、垂直延在部304は柱脚部をなす。下側水平延在部303は、上側を部分的に切り欠いた直方体状に形成され、図22(c)に示すように、垂直延在部304は、平面視にて下側水平延在部303の中央に配置される。図22(a)に示すように、下側水平延在部303は、上面の左右方向内側が垂直延在部304との接続部分から外側へ向かって下方へ傾斜して形成され、左右方向外側が水平に形成される。本実施形態においては、垂直延在部304は、円柱状に形成される。上側水平延在部302は、下側を部分的に切り欠いた扁平な直方体状に形成される。具体的に、上側水平延在部302は、図22(b)に示すように、前後寸法が垂直延在部304の直径と同寸法であり、図22(c)に示すように、平面視にて、垂直延在部304から左右方向へ突出した長方形状に形成される。また、図22(a)に示すように、上側水平延在部302は、底面が垂直延在部304との接続部分から左右方向外側へ向かって上方へ傾斜して形成され、上下寸法が左右中央から左右外側へ向かって徐々に短くなるよう形成されている。本実施形態において、コンクリート構造体301の大きさは、上側水平延在部302の外形について前後方向10725mm、左右方向2500mm、高さ方向2250mmであり、下側水平延在部303について前後方向7500mm、左右方向7500mm、高さ方向2000mmであり、垂直延在部304について直径2500mm、高さ7250mmである。
本実施形態のコンクリート構造体301は、コンクリートからなる構造体本体と、構造体本体を覆う殻体320と、を備えている。本実施形態においては、殻体320は、コンクリート構造体301を正面断面、平面断面、側面断面等の全ての断面にて、上側水平延在部302、下側水平延在部303及び垂直延在部304を包囲し、上側水平延在部302を包囲する。コンクリート構造体301の構造体本体の内部には、鉄筋等の所定方向へ延びる配筋部材は配置されていない。殻体320は、構造体本体よりも引張応力度が大きく、構造体本体へ外気中の二酸化炭素を供給する複数の孔を有している。本実施形態においても、殻体320は、引張応力度のみならず、曲げ応力度及びせん断応力度も構造体本体より大きい。
本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、殻体320は、複数の分割ユニットから構成される。本実施形態においては、殻体320に孔の大きさの異なる2種類の格子部が使用される。第1の格子部は、前記実施形態と同様に、フレッシュコンクリートの粗骨材の流出を抑制するよう孔の大きさが設定される。第1の格子部の孔の大きさは任意に設定できるが、例えば、孔の内接円を直径20mm以下とすることができる。一方、第2の格子部は、フレッシュコンクリートを送出するためのホース330が挿通されるよう孔の大きさが設定される。殻体320の第1の格子部及び第2の格子部は、それぞれ、構造体本体よりも引張応力度が大きい。第2の格子部の孔の大きさは任意であるが、例えば、孔の内接円を直径50mm以上150mmとすることができる。殻体320のうち、上側水平延在部302の上面の全部分と、下側水平延在部303の上面における水平部分を覆う部分に第2の格子部が使用され、それ以外の部分に第1の格子部が使用される。
以上のように構成されたコンクリート構造体301も、第1の実施形態と同様の工程を経て製造される。コンクリート構造体301の製造方法について、図5のフローチャートを参照して説明する。
まず、構造体本体をなすコンクリートが充填されない状態で、殻体320を形成する(殻体形成工程:S1)。本実施形態においても、分割ユニットを組み合わせて殻体320を組み立てる。殻体320の組立は、コンクリート構造体1の設置現場で行ってもよいし、予め工場等で行っておいて殻体320を設置現場へ搬入してもよい。尚、殻体320を分割せずに構成することも勿論可能で、この場合も、例えば3Dプリンタを用いて設置現場で殻体320を作製してもよいし、予め工場等で殻体320を作製しておいて設置現場へ搬入してもよい。そして、必要に応じて殻体の補強具を設置する(補強具設置工程:S2)。
次に、殻体320にフレッシュコンクリートを充填する(コンクリート充填工程:S3)。具体的には、殻体320のうち、第2の格子部から構成された上側水平延在部302の上面の孔にホース330を挿通させ、複数のホース330を用いてフレッシュコンクリートを殻体320内へフレッシュコンクリートを送り込むことにより、フレッシュコンクリートを充填する。尚、ホース330は、1本であってもよい。本実施形態においては、複数のホース330を用いて、殻体320の下側からフレッシュコンクリートを充填していく。尚、必要に応じて、上側水平延在部302の上面に加え、第2の格子部から構成された下側水平延在部303の上面の水平部分からも、殻体320内へフレッシュコンクリートを送り込んでもよい。さらには、第1の格子部に開口部を設けてフレッシュコンクリートの送出に利用し、当該開口部からのフレッシュコンクリートの送出が完了した後に当該開口部を塞ぐようにしてもよい。
本実施形態においては、殻体320における下側水平延在部303に対応する部分は、上面の左右方向内側が垂直延在部304との接続部分から外側へ向かって下方へ傾斜して形成されていることから、下側水平延在部303の上面が垂直延在部304と垂直に形成されている場合と比べ、フレッシュコンクリートを殻体320の表面形状に沿って的確に充填させていくことができる。また、殻体320における上側水平延在部302に対応する部分も、底面の左右方向内側が垂直延在部304との接続部分から外側へ向かって上方へ傾斜して形成されていることから、上側水平延在部302の底面が垂直延在部304と垂直に形成されている場合と比べ、フレッシュコンクリートを殻体320の表面形状に沿って的確に充填させていくことができる。また、本実施形態においても、殻体320内に配筋部材が配置されないことから、フレッシュコンクリート充填時のバイブレータの使用による殻体320の各孔から流出するノロの量を減らす、もしくは、無くすことができる。
そして、フレッシュコンクリートの自重の圧密により、殻体320の各孔を通じて、フレッシュコンクリートから外部へ余剰水を排出する(余剰水排出工程:S4)。本実施形態においても、第1の格子部の各孔は、フレッシュコンクリートの粗骨材の流出を抑制する大きさであるので、粗骨材が外部へ流出することはない。また、フレッシュコンクリートを殻体320内に比較的高く充填することができ、例えば1日あたりの打設効率を上げて工期の短縮を図ることができる。また、フレッシュコンクリートの水セメント比が低下するため、コンクリートの緻密性を向上させ、高品質のコンクリートを得ることができる。さらに、作業者は、殻体320の各孔を通じてフレッシュコンクリートの状態を確認することができ、仮にフレッシュコンクリートに空洞等の異常が生じたとしても、速やかに解消することができる。特に、上側水平延在部302の上面の全部分と、下側水平延在部303の上面における水平部分を覆う部分の各孔が大きく形成されているので、これらの上面部分に異常が生じた際に、各孔を点検口として利用することができる。尚、各孔とは別に、各孔より大きな点検口を別途形成してもよい。さらにまた、殻体320の格子部が正方格子状に形成されているので、殻体320の形状を維持しつつフレッシュコンクリートからの圧力に的確に抗することができる。さらに、格子部が比較的剛性の高い外枠部に支持されるため、フレッシュコンクリートの圧力による格子部の殻体320の形成面に垂直な方向への変形が抑制される。
この後、余剰水が排出されたフレッシュコンクリートを殻体320と一体的に硬化させて構造体本体とする(コンクリート硬化工程:S5)。そして、コンクリートの強度が自立可能となったところで、補強具を使用した場合は、殻体320の補強具を撤去する(補強具撤去工程:S6)。本実施形態においては、各水平延在部302,303及び垂直延在部304を一体としたコンクリートの打設が可能となり、橋脚構造体の工期を大幅に短縮することができる。
また、本実施形態のコンクリート構造体301によれば、殻体320の引張応力度が構造体本体よりも大きいため、殻体320によりコンクリート構造体301の引張強度、曲げ強度等が補強される。また、殻体320が構造体本体の外側に配置されているため、配筋部材をコンクリートの内部に配置した場合と比べて、コンクリート構造体301に作用する引張応力の殻体320による負担量を大きくすることができる。さらに、上側水平延在部302、下側水平延在部303及び垂直延在部304を打ち継ぐことなく形成できることから、打ち継ぎを有する従来のもののように、構造体の設計時に脆弱となる打ち継ぎの箇所を考慮する必要はなく、設計自由度が飛躍的に向上する。
また、各殻体320の各孔を通じて構造体本体310に外気中の二酸化炭素が供給されることにより、構造体本体310の表面側からコンクリートの炭酸化が進行し、コンクリートは骨材を礫とする石材へ変性していく。すなわち、時間の経過とともに、橋脚構造物としてのコンクリート構造体301の強度及び耐久性が向上していく。本実施形態においても、余剰水排出工程S4にてコンクリートの緻密性を向上させているため、良質な石化部が形成される。
また、石化部の引張強度が殻体320の引張強度を上回る深さまで各構造体本体の表面側を石材へ変性させ、殻体320を構造体本体から除去してもよい。この場合、コンクリートの中性化の進行状態を監視する必要がないことに加え、殻体320のメンテナンスも不要となり、橋脚構造体の維持管理がさらに容易となる。また、構造体本体の全部を石材へ変性させることにより、石材と同様の強度、耐久性を発揮させることができ、遺跡等の石造建築物と同様に、橋脚構造体の1000年以上の使用が可能となる。
尚、第2の実施形態において、図24に示すように、殻体320の垂直延在部304に対応する部分を上側及び下側に延長させた延長部320aを形成してもよい。この場合、図24に示すように、上側の延長部320aが上側水平延在部305の上面に対応する部分と連結され、下側の延長部320aが下側水平延在部303の底面に対応する部分と連結されることが、コンクリート構造体301の強度上望ましい。また、各延長部320aの孔径を大きくし、各延長部320aでフレッシュコンクリートの流動が阻害されないようにすることが好ましい。また、図25に示すように、上側水平延在部302の底面を側面視で円曲面又は放物線状に形成することが、コンクリート構造体301の強度上及び経済上望ましい。
また、第2の実施形態においては、橋脚構造体に本発明を適用した例を示したが、例えば図26に示すように水平延在部及び垂直延在部が連結された他の建造物に適用することも可能であり、コンクリート構造体の形状等も任意に変更することができる。図26のコンクリート構造体401は、擁壁を兼ねた橋脚構造体であり、上側水平延在部402と、下側水平延在部403と、上側水平延在部402及び下側水平延在部403を連結する7本の垂直延在部404と、から構成され、殻体420により全面的に覆われる。
また、第2の実施形態においては、上側水平延在部302と、下側水平延在部303と、垂直延在部304とを現場で一体的に打設するものを示したが、前記実施形態の製造方法により分割して下側から順に打設してもよい。また、例えば、上側水平延在部302を前記実施形態の製造方法により工場で予め打設しておき、搬送された上側水平延在部302を、現場で打設された下側水平延在部303及び垂直延在部304に組み付けることも可能である。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
1 コンクリート構造体
10 構造体本体
11 粗骨材
12 細骨材
13 フレッシュコンクリート
14 石化部
20 殻体
21 孔
21a 孔
21b 孔
101 コンクリート構造体
121 孔
201 コンクリート構造体
301 コンクリート構造体
320 殻体
401 コンクリート構造体
420 殻体
S1 殻体形成工程
S2 補強具設置工程
S3 コンクリート充填工程
S4 余剰水排出工程
S5 コンクリート硬化工程
S6 補強具撤去工程
S7 変性工程
S11 本体強度増大工程
S12 殻体強度低減工程

Claims (4)

  1. コンクリートからなり、内部に所定方向へ延びる配筋部材が配置されない構造体本体と、
    所定断面で前記構造体本体を包囲して前記構造体本体と一体的に設けられ、前記構造体本体よりも引張応力度が大きく、前記構造体本体へ外気中の二酸化炭素を供給する孔を有する殻体と、備え、
    前記構造体本体は、少なくとも表面側に、前記コンクリートが炭酸化して石材へ変性した石化部を有するコンクリート構造体の製造方法であって、
    前記構造体本体をなす前記コンクリートが充填されない状態で、前記殻体を形成する殻体形成工程と、
    前記配筋部材が配置されない状態で、前記殻体にフレッシュコンクリートを充填するコンクリート充填工程と、
    前記フレッシュコンクリートの自重の圧密により、前記殻体の前記孔を通じて、前記フレッシュコンクリートから外部へ余剰水を排出する余剰水排出工程と、
    前記余剰水が排出された前記フレッシュコンクリートを前記殻体と一体的に硬化させて構造体本体とするコンクリート硬化工程と、
    二酸化炭素をコンクリート構造体へ吹き付けることなく、前記コンクリート構造体を大気に曝すことによって、前記構造体本体の少なくとも表面側を炭酸化させて石化部へ変性させる変性工程と、を含み、
    前記殻体の前記孔は、内接円の直径が20mmより大きく30mm以下であり、他の部材で覆われておらず、
    前記余剰水排出工程にて、前記殻体の前記孔を通じて前記フレッシュコンクリートの状態が確認され、
    前記余剰水排出工程にて、前記殻体の前記孔から前記フレッシュコンクリートのセメントペーストが流出し、
    前記コンクリート硬化工程にて、前記フレッシュコンクリートのセメントペーストが前記孔の内外にわたって硬化し、
    前記殻体は、複数の前記孔の外縁をなす格子部を有する複数の板状の分割ユニットから構成され、
    前記殻体形成工程にて、前記各分割ユニットを組み合わせて前記殻体を組み立て、
    前記各分割ユニットは、前記格子部を縦方向及び横方向に仕切り縦方向及び横方向に等間隔で並ぶ複数の補強リブを有し、縦方向及び横方向の最も外側に位置する前記補強リブが前記各分割ユニットの外枠をなし、
    前記殻体は、前記各分割ユニットの前記外枠をなす前記補強リブを互いに連結して構成され、
    前記コンクリート構造体は、上側水平延在部と、下側水平延在部と、上側水平延在部及び下側水平延在部を連結する垂直延在部と、を有し、
    前記殻体は、前記上側水平延在部と、前記下側水平延在部と、前記垂直延在部と、を包囲し、
    前記殻体は、前記孔の大きさが異なる2種類の前記格子部が使用され、
    2種類の前記格子部のうち第1の格子部は、前記フレッシュコンクリートの粗骨材の流出を抑制するよう前記孔の大きさが設定され、
    2種類の前記格子部のうち第2の格子部は、前記フレッシュコンクリートを送出するためのホースが挿通されるよう前記孔の大きさが設定され、
    前記上側水平延在部の上面は、水平に形成され、
    前記殻体における前記上側水平延在部及び前記下側水平延在部の上面における水平部分を覆う部分に第2格子部が使用され、それ以外の部分に第1格子部が使用され、
    前記コンクリート充填工程にて、前記殻体における前記上側水平延在部の上面における前記第2格子部の前記孔に前記ホースを挿通させ、前記ホースを用いて前記フレッシュコンクリートを前記殻体内へ送り込むコンクリート構造体の製造方法。
  2. 前記コンクリート充填工程にて、前記殻体における前記上側水平延在部の上面に加え、前記殻体における前記下側水平延在部の上面における前記第2格子部の前記孔にもホースを挿通させ、前記上側水平延在部及び前記下側水平延在部の上面から前記フレッシュコンクリートを前記殻体内へ送り込む請求項に記載のコンクリート構造体の製造方法。
  3. 記殻体は、前記垂直延在部に対応する部分を上側及び下側へ延長させた延長部を有する請求項1または2に記載のコンクリート構造体の製造方法
  4. 上側の前記延長部は、前記殻体における前記上側水平延在部の上面に対応する部分と連結され、
    下側の前記延長部は、前記殻体における前記下側水平延在部の底面に対応する部分と連結される請求項に記載のコンクリート構造体の製造方法
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