JP2008105886A - 珪酸カルシウム水和物の粉体の炭酸化方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
珪酸カルシウム水和物の粉体の効率的、かつ、十分な炭酸化ができる画期的な炭酸化方法を提供する。
【解決手段】
排水用の開口部を有する容器の底板に通気性および透水性を有する粉落ち防止シートを敷き、その粉落ち防止シート上に珪酸カルシウム水和物の粉体を充填して炭酸ガス雰囲気下で養生する珪酸カルシウム水和物の粉体の炭酸化方法を採用した。このとき、前記粉体を絶乾嵩比重が0.8g/cm3以下となるように充填して、さらに、その充填高さを20〜100mmとした。
【選択図】図1
珪酸カルシウム水和物の粉体の効率的、かつ、十分な炭酸化ができる画期的な炭酸化方法を提供する。
【解決手段】
排水用の開口部を有する容器の底板に通気性および透水性を有する粉落ち防止シートを敷き、その粉落ち防止シート上に珪酸カルシウム水和物の粉体を充填して炭酸ガス雰囲気下で養生する珪酸カルシウム水和物の粉体の炭酸化方法を採用した。このとき、前記粉体を絶乾嵩比重が0.8g/cm3以下となるように充填して、さらに、その充填高さを20〜100mmとした。
【選択図】図1
Description
本発明は、珪酸カルシウム水和物の粉体の炭酸化方法に関するものである。
多孔質珪酸カルシウム水和物の炭酸化処理方法として、その粉体を炭酸ガスが溶解した水中に浸水させて炭酸化させる方法が特許文献1に知られている。
具体的には、炭酸ガスを溶解させた溶液中に多孔質珪酸カルシウム水和物粉体を入れて攪拌することにより炭酸化反応を起こさせる。そして、その後、その溶液をろ過、乾燥させることにより珪酸カルシウム水和物の炭酸化処理粉体を得る炭酸化処理方法である。
また、珪酸カルシウム系の成形体を炭酸ガス中で炭酸化養生して炭酸硬化体とする製造方法が特許文献2に知られている。
具体的には、炭酸ガスを溶解させた溶液中に多孔質珪酸カルシウム水和物粉体を入れて攪拌することにより炭酸化反応を起こさせる。そして、その後、その溶液をろ過、乾燥させることにより珪酸カルシウム水和物の炭酸化処理粉体を得る炭酸化処理方法である。
また、珪酸カルシウム系の成形体を炭酸ガス中で炭酸化養生して炭酸硬化体とする製造方法が特許文献2に知られている。
しかし、多孔質珪酸カルシウム水和物の粉体を炭酸ガスが溶解した水中に浸水させて炭酸化させる特許文献1の方法では、大量の水が必要になるとともに、その水に炭酸ガスを吹き込んで溶解させることが必要となる。さらに、最終的な炭酸化した粉体を得るためには、攪拌やろ過、そして、乾燥等の多くの後工程が必要になる。
また、溶液中における炭酸化反応であるため、溶液中に多量のカルシウム成分が溶出し、溶液中で炭酸カルシウムや炭酸水素カルシウムが合成されるが、炭酸水素カルシウムは水に溶けやすいため、ろ過工程においてそのカルシウム成分を流出してしまう。このため、十分な量の珪酸カルシウムの炭酸化処理粉末が得られなくなってしまう。
また、前記特許文献2の方法により形成された炭酸硬化体から炭酸カルシウム粉体を得るためには、多大な手間、設備、コストをかけて、その炭酸硬化体を粉砕する必要があった。
現在、多孔質珪酸カルシウム水和物の粉体を気中で炭酸化養生する方法があまり検討されていないため、発明者は、珪酸カルシウム水和物粉体を炭酸ガス中で炭酸化して、その粉体を得る方法について鋭意研究をした。
そして、珪酸カルシウム水和物粉体をトレイに充填して炭酸ガスにより炭酸化養生する方法を試みた。
しかし、珪酸カルシウム水和物粉体をトレイに単に充填して炭酸ガスにより炭酸化養生しても、充填した粉体の積み重ねた高さの中心層部分に至るまで炭酸化されなかったり、あるいは、その下層部が炭酸されなかったりした。
そこで、本発明の目的は上記問題点を解決して、珪酸カルシウム水和物の粉体の効率的、かつ、十分な炭酸化ができる画期的な炭酸化方法を提供することにある。
また、溶液中における炭酸化反応であるため、溶液中に多量のカルシウム成分が溶出し、溶液中で炭酸カルシウムや炭酸水素カルシウムが合成されるが、炭酸水素カルシウムは水に溶けやすいため、ろ過工程においてそのカルシウム成分を流出してしまう。このため、十分な量の珪酸カルシウムの炭酸化処理粉末が得られなくなってしまう。
また、前記特許文献2の方法により形成された炭酸硬化体から炭酸カルシウム粉体を得るためには、多大な手間、設備、コストをかけて、その炭酸硬化体を粉砕する必要があった。
現在、多孔質珪酸カルシウム水和物の粉体を気中で炭酸化養生する方法があまり検討されていないため、発明者は、珪酸カルシウム水和物粉体を炭酸ガス中で炭酸化して、その粉体を得る方法について鋭意研究をした。
そして、珪酸カルシウム水和物粉体をトレイに充填して炭酸ガスにより炭酸化養生する方法を試みた。
しかし、珪酸カルシウム水和物粉体をトレイに単に充填して炭酸ガスにより炭酸化養生しても、充填した粉体の積み重ねた高さの中心層部分に至るまで炭酸化されなかったり、あるいは、その下層部が炭酸されなかったりした。
そこで、本発明の目的は上記問題点を解決して、珪酸カルシウム水和物の粉体の効率的、かつ、十分な炭酸化ができる画期的な炭酸化方法を提供することにある。
本発明は、前記課題を解決するために、
珪酸カルシウム水和物の粉体を容器内に充填して炭酸ガス雰囲気下で養生する珪酸カルシウム水和物の粉体の炭酸化方法において、排水用の開口部を有する前記容器の底板に通気性および透水性を有する粉落ち防止シートを敷き、その粉落ち防止シート上に前記粉体を絶乾嵩比重が0.8g/cm3以下となるように載置させて、さらに、その充填高さを20〜100mmとすることを特徴とする珪酸カルシウム水和物の粉体の炭酸化方法を採用した。
さらに、好ましい条件を次の1)〜3)とした。
1)粉体の含水率が内割りで5〜60wt%である。
2)粉体の径が0.02〜1.8mmである。
3)粉体は、軽量気泡コンクリートの粉体である。
珪酸カルシウム水和物の粉体を容器内に充填して炭酸ガス雰囲気下で養生する珪酸カルシウム水和物の粉体の炭酸化方法において、排水用の開口部を有する前記容器の底板に通気性および透水性を有する粉落ち防止シートを敷き、その粉落ち防止シート上に前記粉体を絶乾嵩比重が0.8g/cm3以下となるように載置させて、さらに、その充填高さを20〜100mmとすることを特徴とする珪酸カルシウム水和物の粉体の炭酸化方法を採用した。
さらに、好ましい条件を次の1)〜3)とした。
1)粉体の含水率が内割りで5〜60wt%である。
2)粉体の径が0.02〜1.8mmである。
3)粉体は、軽量気泡コンクリートの粉体である。
本発明によれば、珪酸カルシウム水和物粉体が充填された状態であっても、その中心層部分の粉体に至るまで十分に炭酸化反応させることができる。
さらに、珪酸カルシウム水和物粉体を炭酸ガスの雰囲気中で養生できるため、乾燥工程や粉砕工程を経ることなく、炭酸化した粉体を直接得ることが可能となる。
さらに、珪酸カルシウム水和物粉体を炭酸ガスの雰囲気中で養生できるため、乾燥工程や粉砕工程を経ることなく、炭酸化した粉体を直接得ることが可能となる。
本発明の炭酸化方法は、珪酸カルシウム水和物の粉体を所定の容器内に充填して炭酸ガス雰囲気下で炭酸化養生する。
具体的には、図1に示すように、その容器1は少なくとも床板1aに排水用の開口部1aaを有するものを用いて、さらに、その底板1aの上に通気性および透水性を有する粉落ち防止シート2を敷設する。そして、図2に示すように、その粉落ち防止シート2の上に粉体3を充填して載置させる。
この状態で、珪酸カルシウム水和物の粉体3を収納した容器1を、炭酸ガスで満たされた養生釜内(図示せず)に静置させて炭酸化養生する。
このとき、この粉体3は絶乾嵩比重が0.8g/cm3以下となるように充填され、かつ、その充填高さHを20〜100mmとすることが必要である。
具体的には、図1に示すように、その容器1は少なくとも床板1aに排水用の開口部1aaを有するものを用いて、さらに、その底板1aの上に通気性および透水性を有する粉落ち防止シート2を敷設する。そして、図2に示すように、その粉落ち防止シート2の上に粉体3を充填して載置させる。
この状態で、珪酸カルシウム水和物の粉体3を収納した容器1を、炭酸ガスで満たされた養生釜内(図示せず)に静置させて炭酸化養生する。
このとき、この粉体3は絶乾嵩比重が0.8g/cm3以下となるように充填され、かつ、その充填高さHを20〜100mmとすることが必要である。
粉体3を収納する容器1は、床板の他に通気用の開口部が側板に設けられていても、あるいは、板材自体が通気性および透水性を有する材質からなっていても良い。また、粉落ち防止シート2は、通気性および透水性を有するとともに、粉体3が通過して粉落ちすることがないものならば何でも良い。
なお、側板に通気用の開口部が設けられている際は、その内側にも粉落ち防止シートを敷設しておく。
なお、側板に通気用の開口部が設けられている際は、その内側にも粉落ち防止シートを敷設しておく。
本発明における容器1は、床板1aに排水用の開口部1aaを有するため、珪酸カルシウム水和物の粉体3の炭酸化反応時に発生した水分が、この開口部1aaから流出できるようになる。
これにより、粉体3の下層部において過剰な水分が留まることがないとともに、通気性のある粉落ち防止シート2を通過して容器1の底板1a側から炭酸ガスが容易に進行できるため、粉体3の下層部であっても十分な炭酸化反応が得られるようになる。
これにより、粉体3の下層部において過剰な水分が留まることがないとともに、通気性のある粉落ち防止シート2を通過して容器1の底板1a側から炭酸ガスが容易に進行できるため、粉体3の下層部であっても十分な炭酸化反応が得られるようになる。
そして、さらに、この粉体3は絶乾嵩比重が0.8g/cm3以下となるように充填され、かつ、その充填高さHを20〜100mmとする。
すなわち、充填された粉体3の絶乾嵩比重が0.8g/cm3を超えると、粉体3が加圧状態となり、炭酸化により硬化反応が生じて硬化体となってしまい粉体の形態が維持できなくなる。
また、充填された粉体3の絶乾嵩比重が0.5g/cm3以上であると、粉体3の密度が適度に小さく炭酸ガスが容易に内部へ進行することができて、十分な量の珪酸カルシウム水和物の炭酸化処理粉体が得られて好ましい。
すなわち、充填された粉体3の絶乾嵩比重が0.8g/cm3を超えると、粉体3が加圧状態となり、炭酸化により硬化反応が生じて硬化体となってしまい粉体の形態が維持できなくなる。
また、充填された粉体3の絶乾嵩比重が0.5g/cm3以上であると、粉体3の密度が適度に小さく炭酸ガスが容易に内部へ進行することができて、十分な量の珪酸カルシウム水和物の炭酸化処理粉体が得られて好ましい。
さらに、収納して充填する粉体の高さHが20mm未満であると、炭酸化反応時における発熱量よりも放熱量の方が多くなり粉体内部の温度が上昇し難くいため、十分な炭酸化反応が得られなくなる。(高温の方が反応効率は良い。)
また、粉体3の高さHは、100mmを超えて充填すると、粉体3の内部における炭酸化反応およびその発熱により発生した水蒸気が、充填された粉体3の上部表面から内部に向かって進行する炭酸ガスを阻害するようになる。
このため、充填された粉体3の中心層部分まで炭酸ガスが到達できなくなり、その中心層部分が未炭酸化の状態で残ってしまう。
また、粉体3の高さHは、100mmを超えて充填すると、粉体3の内部における炭酸化反応およびその発熱により発生した水蒸気が、充填された粉体3の上部表面から内部に向かって進行する炭酸ガスを阻害するようになる。
このため、充填された粉体3の中心層部分まで炭酸ガスが到達できなくなり、その中心層部分が未炭酸化の状態で残ってしまう。
これらより、粉体3の充填高さHを20〜100mmとすることで、十分な反応に必要な熱量が保持されるとともに、粉体の中心層部分に至るまで炭酸ガスが容易に進行して、珪酸カルシウム水和物が十分に炭酸化処理されることになる。
以上のように、容器1の底板1aに開口部1aaを設けること、および粉体の充填高さHを100mm未満とすることにより、容器1内の粉体3の下層部分または高さHの中心層部分であっても、炭酸ガスが容易に進行して炭酸化処理が可能となる。
以上のように、容器1の底板1aに開口部1aaを設けること、および粉体の充填高さHを100mm未満とすることにより、容器1内の粉体3の下層部分または高さHの中心層部分であっても、炭酸ガスが容易に進行して炭酸化処理が可能となる。
珪酸カルシウム水和物粉体3の含水率が5wt%〜60wt%であると、炭酸化反応に必要な水分が粉体の内部より供給されるようになり望ましい。
すなわち、含水率が5wt%未満であると、珪酸カルシウム水和物粉体内の水分中にカルシウム成分が少ししか溶解していないため、炭酸ガスと接触する炭酸化反応の初期段階においての炭酸化反応の立ち上がりが遅くなる。
また、含水率が60wt%を超えると、内部の多量の水分により炭酸ガスの進行速度が阻害されるようになる。
すなわち、含水率が5wt%未満であると、珪酸カルシウム水和物粉体内の水分中にカルシウム成分が少ししか溶解していないため、炭酸ガスと接触する炭酸化反応の初期段階においての炭酸化反応の立ち上がりが遅くなる。
また、含水率が60wt%を超えると、内部の多量の水分により炭酸ガスの進行速度が阻害されるようになる。
珪酸カルシウム水和物粉体の平均粉体径は0.02mm〜1.8mmであると、より十分な炭酸化反応が得られる。
すなわち、平均粉体径が0.02mm未満であると、Rollerrの定理により粉体を容器内に充填した際に、その嵩比重が急激に小さくなり、粉体内部への炭酸ガスの進行が阻害され易くなる。また、粉塵が舞い易く取り扱いにも注意を要する。
また、平均粉体径が1.8mmを超えると、炭酸ガスが容易に到達し難い粉体の中心部分において、芯状の未炭酸化部分が発生し易くなる。
すなわち、平均粉体径が0.02mm未満であると、Rollerrの定理により粉体を容器内に充填した際に、その嵩比重が急激に小さくなり、粉体内部への炭酸ガスの進行が阻害され易くなる。また、粉塵が舞い易く取り扱いにも注意を要する。
また、平均粉体径が1.8mmを超えると、炭酸ガスが容易に到達し難い粉体の中心部分において、芯状の未炭酸化部分が発生し易くなる。
珪酸カルシウム水和物粉体が、軽量気泡コンクリートの粉体であると、適量の含水率であるとともに入手が容易であり、さらに建築現場における廃材の利用も可能となる。
炭酸化養生は次の工程により行う。
先ず、珪酸カルシウム水和物粉体を充填した所定の容器内を炭酸ガス養生釜内の棚に配置した後に、蓋を閉めて内部を密閉状態にする。その後、一旦、釜の内部を真空状態にして0.5〜1時間程度保持した後に炭酸ガスを注入する。
一旦、釜の内部を真空にした後に炭酸ガスを注入することにより、炭酸ガスが粉体の中心層部まで一層進行し易くなる。
炭酸ガスの圧力は常圧でも良いが、低圧力の場合でも2〜15時間、好ましくは0.3Mpa程度の圧力をかけると、反応終了までの時間が1〜3時間で炭酸化が完了する。また、0.3Mpaを超える圧力をかけても炭酸化に要する時間に大差はない。
そして、養生釜内で炭酸化させた後に粉体を回収する。 養生缶内に静置する時間を4時間程度にしても、十分な炭酸化反応が得られるため生産効率が良く望ましい。
先ず、珪酸カルシウム水和物粉体を充填した所定の容器内を炭酸ガス養生釜内の棚に配置した後に、蓋を閉めて内部を密閉状態にする。その後、一旦、釜の内部を真空状態にして0.5〜1時間程度保持した後に炭酸ガスを注入する。
一旦、釜の内部を真空にした後に炭酸ガスを注入することにより、炭酸ガスが粉体の中心層部まで一層進行し易くなる。
炭酸ガスの圧力は常圧でも良いが、低圧力の場合でも2〜15時間、好ましくは0.3Mpa程度の圧力をかけると、反応終了までの時間が1〜3時間で炭酸化が完了する。また、0.3Mpaを超える圧力をかけても炭酸化に要する時間に大差はない。
そして、養生釜内で炭酸化させた後に粉体を回収する。 養生缶内に静置する時間を4時間程度にしても、十分な炭酸化反応が得られるため生産効率が良く望ましい。
以下、本発明の実施例および比較例を説明する。
[実施例1]
珪酸カルシウム水和物粉体3として、内割りで含水率が20%、平均粉体径0.8mmの軽量気泡コンクリートの切削粉末を用いた。
図1に示すように、底板1aに直径2mm孔のパンチング加工(開口部1aa)されたステンレス製容器1(縦600mm×横400mm×深さ150mmに、前記粉体3の粉落ちがないことを確認した透水性および通気性のある布地を粉落ち防止シート2として底板の上に敷設した。
そして、図2に示すように、その容器1内に前記軽量気泡コンクリートの粉体3を絶乾嵩比重が0.74g/cm3となるように充填した。
このとき、粉体3に対して充填による圧力が加わらないように容器3に充填するとともに、途中、容器3を床に軽く数回打ち付けて表面を均しながら、充填高さHが95mm〜100mmとなるように粉体3を充填した。
そして、前述の炭酸化養生工程に従って、養生缶内に4時間静置して炭酸化養生させた。
[実施例1]
珪酸カルシウム水和物粉体3として、内割りで含水率が20%、平均粉体径0.8mmの軽量気泡コンクリートの切削粉末を用いた。
図1に示すように、底板1aに直径2mm孔のパンチング加工(開口部1aa)されたステンレス製容器1(縦600mm×横400mm×深さ150mmに、前記粉体3の粉落ちがないことを確認した透水性および通気性のある布地を粉落ち防止シート2として底板の上に敷設した。
そして、図2に示すように、その容器1内に前記軽量気泡コンクリートの粉体3を絶乾嵩比重が0.74g/cm3となるように充填した。
このとき、粉体3に対して充填による圧力が加わらないように容器3に充填するとともに、途中、容器3を床に軽く数回打ち付けて表面を均しながら、充填高さHが95mm〜100mmとなるように粉体3を充填した。
そして、前述の炭酸化養生工程に従って、養生缶内に4時間静置して炭酸化養生させた。
[炭酸化の判定基準]
図2に示すように、容器1の縦方向の中央部で炭酸化処理後の粉体を鉛直面で切断して、その断面4に霧吹きで水をかけた後、無色のフェノールフタレイン濃度1%のアルコール溶液を噴霧してその色の変化を観察した。
炭酸化反応が十分に行われた部分は中性となるため色の変化はなく、炭酸化が不十分であった部分はアルカリ性のままとなっているため赤紫色に変色する。
この断面4の面積を100%とし、炭酸化されていない赤紫変色域の面積が5%未満であれば充分に炭酸化されたと判定して表中◎とし、赤紫変色域の面積が5%以上20%未満であればほぼ炭酸化されたと判定して○と、さらに、20%以上の場合は十分に炭酸化されていないと判定して表中×とした。
この炭酸化の判定基準に従って、粉体3の炭酸化の状態を評価した結果を表1に示す。
図2に示すように、容器1の縦方向の中央部で炭酸化処理後の粉体を鉛直面で切断して、その断面4に霧吹きで水をかけた後、無色のフェノールフタレイン濃度1%のアルコール溶液を噴霧してその色の変化を観察した。
炭酸化反応が十分に行われた部分は中性となるため色の変化はなく、炭酸化が不十分であった部分はアルカリ性のままとなっているため赤紫色に変色する。
この断面4の面積を100%とし、炭酸化されていない赤紫変色域の面積が5%未満であれば充分に炭酸化されたと判定して表中◎とし、赤紫変色域の面積が5%以上20%未満であればほぼ炭酸化されたと判定して○と、さらに、20%以上の場合は十分に炭酸化されていないと判定して表中×とした。
この炭酸化の判定基準に従って、粉体3の炭酸化の状態を評価した結果を表1に示す。
実施例1では、粉体3の断面4の95%以上において炭酸化反応が確認された。すなわち、十分に炭酸化された珪酸カルシウム水和物の炭酸化処理粉体が得られた。
[実施例2]
平均粉体径が2mmの粉体を使用した以外は、実施例1と同様とした。
実施例2では、粉体の中心層部に若干の未炭酸化部分が見られたが、粉体3の断面4の90%以上において炭酸化反応が確認された。
[実施例3]
含水率が1%の粉体を使用した以外は、実施例1と同様とした。
実施例3では、粉体3の断面4の90%以上において炭酸化反応が確認された。そして、さらに、炭酸化養生を引き続き3時間したところ、95%以上の断面4において炭酸化反応が確認された。
[実施例4]
平均粉体径が2mmで含水率が1%の粉体を使用した以外は、実施例1と同様
にした。
実施例4では、粉体の中心層部に若干の未炭酸化部分が見られたが、粉体3の断面4の80%以上において炭酸化反応が確認された。そして、さらに、炭酸化養生を引き続き3時間したところ、90%以上の断面4において炭酸化反応が確認された。
平均粉体径が2mmの粉体を使用した以外は、実施例1と同様とした。
実施例2では、粉体の中心層部に若干の未炭酸化部分が見られたが、粉体3の断面4の90%以上において炭酸化反応が確認された。
[実施例3]
含水率が1%の粉体を使用した以外は、実施例1と同様とした。
実施例3では、粉体3の断面4の90%以上において炭酸化反応が確認された。そして、さらに、炭酸化養生を引き続き3時間したところ、95%以上の断面4において炭酸化反応が確認された。
[実施例4]
平均粉体径が2mmで含水率が1%の粉体を使用した以外は、実施例1と同様
にした。
実施例4では、粉体の中心層部に若干の未炭酸化部分が見られたが、粉体3の断面4の80%以上において炭酸化反応が確認された。そして、さらに、炭酸化養生を引き続き3時間したところ、90%以上の断面4において炭酸化反応が確認された。
[比較例1]
粉体の充填高さHを150mmにした以外は、実施例1と同様とした。
比較例1では、粉体3の中心層部分に未炭酸化部分が見られ、粉体3の断面4の30%において未炭酸化反応が確認された。
[比較例2]
充填した粉体の絶乾嵩比重を1.2g/cm3になるまで圧縮した以外は、実施例1と同様とした。
比較例2では、粉体3に炭酸硬化反応が生じて硬化体となってしまい、粉体としての珪酸カルシウム水和物の炭酸化処理粉体が得られなかった。
[比較例3]
底板1aに排水用の開口部がない容器を用いた以外は、実施例1と同様とした。
比較例3では、充填された粉体3の下層部分に未炭酸化部分が集中的に見られ、粉体3の断面4の50%において未炭酸化反応が確認された。
粉体の充填高さHを150mmにした以外は、実施例1と同様とした。
比較例1では、粉体3の中心層部分に未炭酸化部分が見られ、粉体3の断面4の30%において未炭酸化反応が確認された。
[比較例2]
充填した粉体の絶乾嵩比重を1.2g/cm3になるまで圧縮した以外は、実施例1と同様とした。
比較例2では、粉体3に炭酸硬化反応が生じて硬化体となってしまい、粉体としての珪酸カルシウム水和物の炭酸化処理粉体が得られなかった。
[比較例3]
底板1aに排水用の開口部がない容器を用いた以外は、実施例1と同様とした。
比較例3では、充填された粉体3の下層部分に未炭酸化部分が集中的に見られ、粉体3の断面4の50%において未炭酸化反応が確認された。
本発明によれば、気中での炭酸化養生が確実にできるようになる。
、従来と違って、多量の水の使用を回避し、さらに、攪拌、ろ過、乾燥等の工程を省くことができるため、大幅なエネルギーコストを下げることが可能となった。
、従来と違って、多量の水の使用を回避し、さらに、攪拌、ろ過、乾燥等の工程を省くことができるため、大幅なエネルギーコストを下げることが可能となった。
1 容器
1a 底板
1aa 開口部
2 粉落ち防止シート
3 粉体
4 断面
1a 底板
1aa 開口部
2 粉落ち防止シート
3 粉体
4 断面
Claims (4)
- 珪酸カルシウム水和物の粉体を容器内に充填して炭酸ガス雰囲気下で養生する珪酸カルシウム水和物の粉体の炭酸化方法において、排水用の開口部を有する前記容器の底板に通気性および透水性を有する粉落ち防止シートを敷き、その粉落ち防止シート上に前記粉体を絶乾嵩比重が0.8g/cm3以下となるように載置させて、さらに、その充填高さを20〜100mmとすることを特徴とする珪酸カルシウム水和物の粉体の炭酸化方法。
- 前記粉体の含水率が内割りで5〜60wt%である請求項1記載の珪酸カルシウム水和物の粉体の炭酸化方法。
- 前記粉体の径が0.02〜1.8mmである請求項1または2記載の珪酸カルシウム水和物の粉体の炭酸化方法。
- 前記粉体は、軽量気泡コンクリートの粉体である請求項1、2または3記載の珪酸カルシウム水和物の粉体の炭酸化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006289315A JP2008105886A (ja) | 2006-10-25 | 2006-10-25 | 珪酸カルシウム水和物の粉体の炭酸化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006289315A JP2008105886A (ja) | 2006-10-25 | 2006-10-25 | 珪酸カルシウム水和物の粉体の炭酸化方法 |
Publications (1)
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