JP7074105B2 - エピタキシャルシリコンウェーハの製造方法 - Google Patents
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Description
前記シリコンウェーハの表面のフォトルミネッセンス強度を測定する測定工程と、
前記フォトルミネッセンス強度に基づき前記シリコンウェーハの表面の有機物汚染を定量評価し、前記表面が清浄面であるかを判別する評価工程と、
前記表面が清浄面である場合に前記シリコンウェーハへのクラスターイオン注入が可能であると判定する判定工程と、
を含むことを特徴とするクラスターイオンの注入可否判定方法。
前記測定工程において、前記シリコンウェーハのフォトルミネッセンス強度の面内分布を測定し、
前記評価工程において、前記基準ウェーハの前記面内分布と、前記シリコンウェーハの前記面内分布との対比に基づき前記評価を行う、上記(1)に記載のクラスターイオンの注入可否判定方法。
前記評価工程において、前記中心部の前記フォトルミネッセンス強度に対する前記エッジ部の前記フォトルミネッセンス強度の比に基づき前記評価を行う、上記(1)に記載のクラスターイオンの注入可否判定方法。
前記検証工程に引き続き、前記シリコンウェーハの表面に前記クラスターイオンを注入する注入工程と、
を含むことを特徴とするクラスターイオン注入シリコンウェーハの製造方法。
前記検証工程に引き続き、前記シリコンウェーハの表面に前記クラスターイオンを注入する注入工程と、
前記シリコンウェーハの前記表面にシリコンエピタキシャル層を形成するエピタキシャル層形成工程と、を含むことを特徴とするエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法。
以下、図3のフローチャートを参照して、本発明に従うクラスターイオンの注入可否判定方法の一実施形態を説明する。なお、説明の便宜のため、既述の図2の符号も併せて参照し、以下同様である。本発明に従うクラスターイオンの注入可否判定方法は、シリコンウェーハの表面に炭素含有のクラスターイオン注入を行うに先立ち、クラスターイオンの注入可否を判定する方法である。本発明方法では、シリコンウェーハ10の表面のフォトルミネッセンス強度(以下、「PL強度」)を測定する測定工程(S10)と、このPL強度に基づきシリコンウェーハ10の表面の有機物汚染を定量評価し、前記表面が清浄面であるかを判別する評価工程(S20)と、シリコンウェーハ10の表面が清浄面であると判別される場合にクラスターイオン注入可能であると判定する判定工程(S30)と、を少なくとも含む。
まず、測定工程(S10)において、シリコンウェーハ10の表面(以下、「ウェーハ表面」)のPL強度を測定する。後続の工程においてウェーハ表面が清浄面であるかを判別するため、シリコンのバンド端発光(室温で約1150nm)の発光強度を測定することが好ましい。例えば室温PL法を用いる場合、可視~近赤外領域の励起光を用い、励起された電子が基底状態に戻る際に発生する光のPLスペクトルから波長950nm以上のバンド端発光由来のピーク波長の光強度を求め、これをPL強度として用いることができる。本発明の限定を意図するものではないものの、例えばNanometrics社製SiPHER(測定レーザー波長:532nm,823nm)、WaferMasters社製MPL300(測定レーザー波長:532nm,650nm,827nm)などを用いることができる。
測定工程(S10)に続き、評価工程(S20)では、測定工程(S10)において測定したPL強度に基づきシリコンウェーハ10の表面の有機物汚染を定量評価し、当該表面が清浄面であるかを判別する。本工程における評価手法を、本発明に従う下記第1態様及び第2態様の説明を通じて具体的に説明する。
第1態様では、評価工程(S20)に先立ち、判定対象となるシリコンウェーハ10と同種のウェーハを用意し、これを洗浄した直後の基準ウェーハ(リファレンス)を用意する。この基準ウェーハは洗浄直後であるので、ウェーハ表面は清浄面であると判断できる。そして、基準ウェーハの表面のPL強度による面内分布を、評価工程(S20)とは別に取得しておく。すなわち、第1態様では、シリコンウェーハ10と同種のウェーハを洗浄した直後の基準ウェーハ表面のPL強度の面内分布を求める基準面内分布取得工程を、測定工程(S10)及び評価工程(S20)とは別に行う。
第2態様では、まず測定工程(S10)において、判定対象となるシリコンウェーハ10の中心部及びエッジ部のPL強度をそれぞれ測定しておく。なお、上記第1態様と異なり、第2態様では基準ウェーハを用意する必要はない。そして、評価工程(S20)において、中心部のPL強度に対するエッジ部のPL強度の比に基づき、ウェーハ表面の有機物汚染を定量評価し、ウェーハ表面が清浄面であるかを判別する。例えば、中心部のPL強度の平均値に対する、エッジ部の各測定箇所におけるPL強度の比をそれぞれ算出し、当該比が全て予め定めた閾値以上である場合にウェーハ表面は清浄面であると判別することができる。この閾値は実験的に導出することができ、エッジ部のPL強度分布の算術平均値がウェーハ中心部の強度分布の算術平均値の0.95以上であれば、ウェーハ表面は清浄面であると判別可能である。また、ウェーハ中心部の強度分布に替えて、ウェーハ中心1点のPL強度との強度比を用いてもよい。この場合の閾値も実験的に導出することができ、上記「0.95」を例示することができる。
評価工程(S20)によるシリコンウェーハ10の評価を経た後、判定工程(S30)において、シリコンウェーハ10の表面が清浄面である場合、当該シリコンウェーハ10の表面へのクラスターイオン注入が可能であると判定する。逆に、シリコンウェーハ10の表面が清浄面でない(すなわち、有機物汚染が認められる)のであれば、当該シリコンウェーハ10の表面へのクラスターイオン注入は不可能である、と判定する。
図5のフローチャートを参照する。本発明に従うクラスターイオン注入シリコンウェーハの製造方法は、前述したクラスターイオンの注入可否判定方法を用いて、シリコンウェーハ10の表面に炭素含有のクラスターイオン2が注入可能であることを検証する検証工程(S110~S130)と、検証工程(S130)に引き続き、シリコンウェーハ10の表面にクラスターイオン2を注入する注入工程(S140)と、を含む。
検証工程(S110~S130)は、前述したクラスターイオンの注入可否判定方法における工程(S10~S30)と同様に行えばよく、重複する説明を省略する。クラスターイオンの注入可否判定方法における判定工程S30までと同様にして、クラスターイオンの注入が可能であると判定されれば、クラスターイオン2が注入可能であると検証できる。
次いで、シリコンウェーハ10の表面にクラスターイオン2を注入する。クラスターイオンの注入条件は特に制限されず、クラスターイオン2の構成元素は、炭素を含めば、他の構成元素については特に限定されない。炭化水素(CnHm,3≦n≦16,3≦m≦10)からなるクラスターイオンを用いることができ、炭素及び水素以外に、構成元素としてさらに、ボロン、リン、ヒ素、酸素などを含んでもよい。例えば、炭素及び水素からなるクラスターイオンを生成するためには、シクロヘキサン(C6H12)、ピレン(C16H10)、ジベンジル(C14H14)などを用いることができる。クラスターイオン2の加速電圧及びビーム電流値も任意であり、公知の条件を採用することができる。
図5のフローチャートを再度参照する。本発明に従うエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法は、前述したクラスターイオンの注入可否判定方法を用いて、シリコンウェーハ10の表面に炭素含有のクラスターイオン2が注入可能であることを検証する検証工程(S110~S130)と、当該検証工程に引き続き、シリコンウェーハ10の表面にクラスターイオン2を注入する注入工程(S140)と、シリコンウェーハ10の表面にシリコンエピタキシャル層20を形成するエピタキシャル層形成工程と、を含む。
検証工程(S110~S130)及び注入工程(S140)は、前述したクラスターイオン注入シリコンウェーハの製造方法と同様に行えばよく、重複する説明を省略する。
注入工程(S140)に続き、シリコンウェーハ10の表面にシリコンエピタキシャル層20を形成する。エピタキシャル層形成工程において形成するエピタキシャル層20としてはシリコンエピタキシャル層が挙げられ、これは一般的な条件により形成することができる。例えば、水素をキャリアガスとして、ジクロロシラン、トリクロロシランなどのソースガスをチャンバ内に導入し、使用するソースガスによっても成長温度は異なるが、概ね1000~1200℃温度範囲の温度でCVD法によりシリコンウェーハ10上にエピタキシャル成長させることができる。エピタキシャル層20の厚さは1~15μmの範囲内とすることが好ましい。
FOSBに保管された同一ロットのシリコンウェーハ(直径:300mm、厚さ:725μm、ドーパント:P,抵抗率:約10Ω・cm)から3枚取り出した。そのうち、1枚についてはクラスターイオン注入に先立ち、希フッ酸洗浄及びSC-1(Standard Clean 1)洗浄を行い基準ウェーハ(以下、リファレンス)とした。残りのウェーハをサンプル1,2とした。
室温PL装置(Nanometrics社製SiPHER、測定レーザー波長:532nm光源)を用いて、リファレンス及びサンプル1,2のPL強度の面内分布を測定した。図6Aに、サンプル1,2のPL強度の面内分布を示す。また、図6Aに示す矢印(矢印方向が正)に沿って、ウェーハ中心を0mmとする-150mm~0mmまでのPL強度のラインプロファイルを図6Aのグラフに併せて示す。なお、リファレンスのPL強度を1.0(測定箇所の各点において規格化)としている。
上記サンプル1,2のそれぞれに対して、クラスターイオン発生装置(日新イオン機器社製、型番:CLARIS(登録商標))を用いて、シクロヘキサンから生成したC3H5のクラスターイオンを、炭素ドーズ量:2.0×1015atoms/cm2、加速電圧:80keV/Clusterの条件でシリコンウェーハ表面に注入し、シリコンウェーハの表層部に改質層を形成した。なお、加速電圧80keV/Clusterであるため、炭素1原子あたりの加速電圧23.4keV/atomであり、炭素の注入飛程距離は80nmである。
2 クラスターイオン
10 シリコンウェーハ
12 改質層
20 エピタキシャル層
22 積層欠陥
100 エピタキシャルシリコンウェーハ
Claims (4)
- シリコンウェーハの表面に炭素含有のクラスターイオンが注入可能であることを検証する検証工程と、
前記検証工程に引き続き、前記シリコンウェーハの表面に前記クラスターイオンを注入する注入工程と、
前記シリコンウェーハの前記表面にシリコンエピタキシャル層を形成するエピタキシャル層形成工程と、を含み、
前記検証工程は、
前記シリコンウェーハの表面のフォトルミネッセンス強度を測定する測定工程と、
前記フォトルミネッセンス強度に基づき前記シリコンウェーハの表面の有機物汚染を定量評価し、前記表面が清浄面であるかを判別する評価工程と、
前記表面が清浄面である場合に前記シリコンウェーハへのクラスターイオン注入が可能であると判定する判定工程と、
を含むことを特徴とするエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法。 - 前記検証工程は前記シリコンウェーハと同種のウェーハを洗浄した直後の基準ウェーハの表面のフォトルミネッセンス強度の面内分布を求める基準面内分布取得工程をさらに含み、
前記測定工程において、前記シリコンウェーハのフォトルミネッセンス強度の面内分布を測定し、
前記評価工程において、前記基準ウェーハの前記面内分布と、前記シリコンウェーハの前記面内分布との対比に基づき前記評価を行う、請求項1に記載のエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法。 - 前記評価工程において、前記基準ウェーハの前記面内分布と、前記シリコンウェーハの前記面内分布とでの各測定点における前記基準ウェーハに対する前記シリコンウェーハのフォトルミネッセンス強度の比を算出し、前記シリコンウェーハの全面において当該比が予め定めた閾値以上である場合に前記表面が清浄面であると判別する、請求項2に記載のエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法。
- 前記測定工程において、前記シリコンウェーハの中心部及びエッジ部のフォトルミネッセンス強度をそれぞれ測定し、
前記評価工程において、前記中心部の前記フォトルミネッセンス強度に対する前記エッジ部の前記フォトルミネッセンス強度の比に基づき前記評価を行う、請求項1に記載のエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法。
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