JP7073898B2 - ブレーキシステム - Google Patents

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Description

本発明は、車両の前後左右の車輪の各々にそれぞれ設けられたブレーキを含むブレーキシステムに関するものである。
特許文献1に記載のブレーキシステムにおいては、前後左右の4つの車輪のうちの1輪に設けられたブレーキの作動不能の異常時に、他の3輪のブレーキの液圧の制御により車両のヨーレートが抑制される。例えば、ブレーキが作動不能の異常になった車輪である異常車輪とは左右反対側の車輪のブレーキの作動が禁止されるとともに、異常車輪とは前後反対側の左側車輪および右側車輪についてのブレーキの液圧がブレーキ操作部材の操作状態に基づいて制御される。
特許文献2に記載のブレーキシステムにおいては、後輪のスリップ率がしきい値より大きくなった場合に後輪の制動力を低減させる後輪制動力低減制御が行われる。また、後輪制動力低減制御は、車輪速センサが異常である場合には、ヨーレートセンサの値に基づいて行われる。
特開平11-78859号公報 特開平11-20653号公報
本発明の課題は、ブレーキシステムにおいて車輪速度センサの異常時に制動力不足を抑制し、走行安定性の低下を抑制することである。
課題を解決するための手段および効果
本発明に係るブレーキシステムにおいて、車輪速度センサの異常時には、左側車輪の摩擦ブレーキの押付力と右側車輪の摩擦ブレーキの押付力とが同じ大きさに制御され、車両のヨーレートが設定ヨーレートより大きくなった場合には、左右後輪の摩擦ブレーキの押付力が低減させられる。それにより、制動力不足を抑制し、走行安定性の低下を抑制することができる。
本発明に係るブレーキシステムの概念図である。 上記ブレーキシステムの電動ブレーキの電動アクチュエータの断面図である。 上記ブレーキシステムのブレーキECUの記憶部に記憶された軸力制御プログラムを表すフローチャートである。 上記ブレーキシステムにおけるヨーレートの変化、前輪、後輪の軸力の変化を示す図である。 上記ブレーキシステムにおける前輪制動力と後輪制動力との変化を示す図である。
発明の実施形態
以下、本発明の一実施形態に係る電動ブレーキを備えたブレーキシステムについて図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本ブレーキシステムは、車両に設けられた前後左右の車輪2FL,2FR,2RL、2RRの各々に、それぞれ、電動ブレーキ装置4FL,4FR,4RL,4RRが設けられる。以下、車輪、電動ブレーキ装置等について、車輪の位置で区別する必要がある場合には、FL,FR.RL,RR等を付すが、区別する必要がない場合、総称する場合には、符号を付すことなく記載する。
電動ブレーキ装置4は、それぞれ、電動モータ6の駆動により車輪の回転を抑制する摩擦ブレーキとしての電動ブレーキ8、電動モータ6を制御するモータECU10、駆動回路12等を含む。電動ブレーキ8は、ディスクブレーキであり、(a)車輪2とともに回転可能なブレーキ回転体としてのロータ30、(b)図示しないマウンティングブラケットに保持され、ロータ30の両側に位置する一対の摩擦材としての摩擦パッド32,34、(c)摩擦パッド32,34をロータ30に押し付ける押付装置36等を含む。
押付装置36は(i)ロータ30を跨ぎ、マウンティングブラケットに、ロータ30の回転軸線と平行な方向に移動可能に保持されたキャリパ40、(ii)キャリパ40に保持された電動アクチュエータ42(図2参照)等を含む。
電動アクチュエータ42は、(a)ハウジング44、(b)ハウジング44に、電動アクチュエータ42の軸線方向(符号Lが軸線を示す。軸線Lは、ロータ10の回転軸線と平行である)に移動可能、かつ、回転不能に保持された押付部材46、(c)電動モータ6および減速機50を有する駆動源、(d)駆動源の出力を押付部材46に伝達する運動伝達機構52等を含む。
押付部材46は、軸線方向に伸びたものであり、前端部が摩擦パッド34に対向して位置する。また、押付部材46の後部の中央部には、軸線方向に伸びた係合穴が形成され、係合穴の内周面には雌ねじ部46sが形成されている。
電動モータ6は、ステータを構成する複数のコイル60、概して中空の円筒状を成す回転駆動軸62等を含む。回転駆動軸62は、ハウジング44に軸受け63を介して軸線Lの周りに回転可能、かつ、軸線方向に移動不能に保持される。また、回転駆動軸62の内周側には、押付部材46の後部が軸線方向に相対移動可能かつ相対回転可能に嵌合される。回転駆動軸62の回転は、減速機50に入力される。
減速機50は、遊星ギヤ式のものであり、回転駆動軸62と一体的に回転可能なサンギヤ64と、ハウジング44に固定されたリングギヤ66と、それらサンギヤ64とリングギヤ66との両方に噛合してサンギヤ64の周りを公転する複数のプラネタリギヤ68(図2には、複数のプラネタリギヤ68のうちの1つを示す)とを含む。複数のプラネタリギヤ68の各々は、減速機50の出力軸70に連結される。具体的には、出力軸70にはフランジ72が一体的に回転可能に設けられ、フランジ72に、プラネタリギヤ68が自転可能に取り付けられるのであり、プラネタリギヤ68の公転に伴って出力軸70が軸線Lの周りに回転させられる。出力軸70には、減速機50によって、回転駆動軸62の回転速度が減速されて出力されるとともに、回転駆動軸62の回転駆動力が倍力されて出力される。なお、減速機50(駆動源)の出力軸70は、運動伝達機構52の入力軸である。そのため、以下、入力軸70と称する。
入力軸70は、軸線方向に伸びたものであり、ハウジング44に回転可能かつ軸線方向に移動不能に保持される。入力軸70の後部には、上記フランジ72が形成され、前部の外周部には雄ねじ部70sが形成される。入力軸70の前部は、押付部材46の後部の係合穴に挿入され、雄ねじ部70sと雌ねじ部46sとが螺合させられる。本実施例において、入力軸70の雄ねじ部70sおよび押付部材46の雌ねじ部46s等によりねじ機構である運動伝達機構52が構成される。運転伝達機構52は、運動変換機構としての機能も備える。なお、雄ねじ部46s、雌ねじ部70sは台形ねじ部とされる。
押付部材46には、入力軸70の回転が直線運動に変換されて伝達されるのであり、それにより、押付部材46は軸線方向に移動させられる。電動モータ6の正方向の回転により、入力軸70が前進方向に回転させられ、押付部材46が前進させられる。押付部材46、キャリパ40により、一対の摩擦パッド32,34がロータ30に押し付けられ、車輪2の回転が抑制される。電動ブレーキ8が作動させられるのであり、ロータ30に加えられた押付力で決まる制動力が車輪2に加えられる。また、電動モータ6の逆方向の回転により、入力軸70が後退方向に回転させられ、押付部材46が後退させられる。
また、入力軸70の後部とハウジング44との間には、リターンスプリング90が設けられる。リターンスプリング90は、入力軸70に、入力軸70を押付部材46の後退方向に回転させる向きのばね力(以下、後退回転方向のばね力と称する)を付与するものである。
本車両用ブレーキシステムは、図1に示すように、本車両用ブレーキシステム全体を制御するブレーキECU110を含む。ブレーキECU110はコンピュータを主体とするものであり、図示を省略する実行部、記憶部、入出力部等を含む。ブレーキECU110の入出力部には、ブレーキ操作部材としてのブレーキペダル128のストロークを検出するストロークセンサ130、ブレーキペダル128が踏み込まれた状態にあることを検出するブレーキスイッチ132、車両のヨーレートを検出するヨーレートセンサ134、前後左右の車輪2の各々に設けられ、車輪2の回転速度を検出する車輪速度センサ136等が接続されるとともに、コンピュータを主体とするモータECU10が接続される。また、モータECU10には、電動ブレーキ8の軸力を検出する軸力センサ146等が接続されるとともに、駆動回路12を介して電動モータ6が接続される。軸力センサ146は、本実施例においては、押付部材46が摩擦部材32,34を介してロータ30を押す力である押付力の反力を検出するものであり、入力軸70とハウジング44の支持板152との間に設けられたスラスト軸受け150が、支持板152に加える軸線方向の力を検出する。そのため、軸力センサ146によって検出された軸力は押付力に対応する。また、ヨーレートセンサ134は、本実施例においては、車両の加速度を検出する加速度センサと一体的に設けられたものである。
本実施例においては、ブレーキスイッチ132がONである場合には、前後制動力配分制御が行われる。図5に示すように、後輪2のスリップ量Srが設定スリップ量Srthより大きくなった場合に、後輪2RL,2RRの電動ブレーキ8RL,8RRの押付力である軸力が保持または低減させられる。
それにより、後輪2RL,2RRの電動ブレーキ8RL,8RRの軸力が前輪2FL,2FRの電動ブレーキ8FL,8FRの軸力に対して抑制されるのであり、後輪2に加えられる制動力と前輪2に加えられる制動力とを理想前後制動力配分線に沿った大きさに近づけることができる。この制御を、前後制動力配分制御または正常時後輪軸力保持等制御と称する。
なお、スリップ量は、推定車体速度から車輪速度に対応する走行速度を引いた値であり、推定車体速度は、電動ブレーキ8の作動中においては、4つの車輪2の車輪速度のうちの最大値に基づいて求められた値である。設定スリップ量Srthは、図5の前後制動力配分線の折れ点BPに達したと推定し得る大きさに設定される。
一方、前後左右の4つの車輪2のうちの少なくとも1輪についての車輪速度センサ136が異常であると検出された場合には、その少なくとも1輪の異常であると検出された車輪速度センサ136が設けられた車輪である異常輪についての軸力が、異常輪と左右反対側の車輪2の軸力と同じ大きさに制御される。この制御を異常時左右同押付力制御としての異常時左右同軸力制御と称する。
しかし、通常制動時(電動ブレーキ8の作動中であって、アンチロック制御等のスリップ抑制制御が行われていない状態をいう)において異常時左右同軸力制御が行われた場合において、前後左右の4つの車輪2のうちの少なくとも1輪のスリップ量が過大になった場合には、車輪速度センサ136が異常であることに起因してアンチロック制御等を良好に行うことが困難であり、ヨーレートが大きくなる場合がある。また、異常時左右同軸力制御が行われた場合において、車両が旋回した場合にはヨーレートが大きくなる場合がある。さらに、スリップ抑制制御において異常時左右同軸力制御が行われた場合にも、ヨーレートが大きくなる場合がある。
そこで、ヨーレートγが設定ヨーレートγthより大きくなった場合には、左右後輪2RL,2RRの電動ブレーキ8RL,8RRの軸力が、ヨーレートγが設定ヨーレートγth以下になるまで漸減させられる。この制御を異常時後輪押付力低減制御としての異常時後輪軸力低減制御と称する。異常時後輪軸力低減制御は、左右後輪2RL,2RRの少なくとも一方のスリップ量Srが前述の設定スリップ量Srthより大きくなった場合にも行われる。
図3のフローチャートで表される軸力制御プログラムは、ブレーキスイッチ134がONであり、ブレーキペダル128のストロークが増加傾向または保持傾向にある場合において、予め定められた設定時間毎に実行される。本軸力制御プログラムは、ブレーキECU110において実行され、決定された目標軸力がモータECU10の各々に供給される。モータECU10の各々は、軸力センサ146によって検出された軸力である実軸力が供給された目標軸力に近づくように、それぞれ電動モータ6を制御する。なお、図3のフローチャートにおいては、ブレーキECU110における実行と、モータECU10における実行とを合わせて記載した。また、フラグP,Q等は、初期設定において、OFFとされる。
ステップ1(以下、S1と略称する。他のステップについても同様とする)において、前後左右の車輪2の各々についてそれぞれ目標軸力が決定される。目標軸力は、スリップ抑制制御が行われている場合には、それぞれ、車輪2の各々のスリップ量に基づいて、例えば、スリップ量が路面の摩擦係数で決まる適正な範囲内となるように決定され、通常制動時(スリップ抑制制御が行われていない場合)には、ストロークセンサ130の検出値等に基づいて取得された運転者が所望する制動力が実現され得る大きさに決定される。
S2において、前後左右の車輪2の各々に設けられた車輪速度センサ136が、それぞれ、異常であるか否かが判定される。例えば、断線状態にあるか否か、検出値が著しく大きいか否か等が検出される。断線状態にある車輪速度センサ136は異常であるとされ、4つの車輪速度センサ136のうちの1つの検出値が他の3つの検出値に比較して非常に大きい場合等には、その1つの検出値を出力した車輪速度センサ136が異常であるとされる。
S2の判定がNOである場合には、S3において、左右後輪2RL,2RRの少なくとも一方のスリップ量Srが設定スリップ量Srthより大きいか否かが判定される。
S3の判定がNOであり、理想前後制動力配分線の折れ点BPに達していないと判定された場合には、S4において、フラグP,すなわち、正常時後輪軸力保持等制御中であるか否かが判定される。この場合における判定はNOであるため、S5において、前後左右の車輪2の各々の電動ブレーキ8において、個別軸力制御が行われる。モータECU10の各々に、それぞれS1において決定された目標軸力が出力される。電動ブレーキ装置4の各々において、モータECU10は、それぞれ、電動モータ6を、電動ブレーキ8の実軸力が目標軸力に近づくように制御する。
S3の判定がYESであり、理想前後制動力配分線の折れ点BPに達したと判定された場合には、S6、7において、前輪側について個別軸力制御が行われ、後輪側について正常時後輪軸力保持等制御が行われ、S8において、正常時後輪軸力保持等制御中フラグ(以下、フラグPと称する)がONとされる。S6,7において、左右前輪2FL、2FRのモータECU10FL,FRには、S1において決定された目標軸力が出力され、左右後輪2RL,2RRのモータ10RL,RRには、前回の目標軸力と同じ値が今回の目標軸力として出力される。4つのモータECU10は、それぞれ、実軸力が目標軸力に近づくように電動モータ6を制御するが、左右後輪2RL,2RRの電動ブレーキ8RL,8RRにおいては、軸力が保持される。
なお、S7においては、左右後輪2RL,2RRの電動ブレーキ8RL,8RRの軸力が低減させられるようにすることもできる。
それに対して、4つの車輪速度センサ136のうちの少なくとも1つが異常である場合には、S2の判定がYESとなり、S9において車両のヨーレートである本ヨーレートγが取得される。本ヨーレートγは、ヨーレートセンサ134の検出値である検出ヨーレートγaと、正常な車輪速度センサ136の検出値に基づいて取得された推定ヨーレートγbとの両方に基づいて取得される。例えば、正常な車輪速度センサ136によって検出された左側車輪と右側車輪との車輪速度差に基づいて推定ヨーレートγbが取得され、取得された推定ヨーレートγbと検出ヨーレートγaとが予め定められた比率で合わせられて、本ヨーレートγが取得されるようにすることができる。
そして、S10において、本ヨーレートγが設定ヨーレートγthより大きいか否かが判定され、S11において、左右後輪2RL,2RRのスリップ量Srが前述の設定スリップ量Srthより大きいか否かが判定される。設定ヨーレートγthは、走行安定性の低下を抑制するために、後輪軸力低減制御を行う必要性が高いとされる大きさとすることができる。
S10,11のいずれの判定もNOである場合には、S12において、フラグQがONであるか否か、すなわち、異常時後輪軸力低減制御中であるか否かが判定される。判定がNOである場合には、S13,14において、前輪側と後輪側とのうち、正常輪側(異常輪が属さない側をいう)については個別軸力制御が行われ、異常輪側(異常輪が属する側をいう)については異常時左右同軸力制御が行われる。異常時左右同軸力制御においては、異常輪の電動ブレーキ8の軸力が、異常輪と左右反対側の車輪の軸力に合わせられて、同じ大きさに制御される。
例えば、右後輪2RRに設けられた車輪速度センサ136RRが異常であると検出された場合には、正常輪側である前輪側においては、左右前輪2FL,2FRのモータECU10FL,10FRに、それぞれ、S1において決定された目標軸力が供給され、異常輪側である後輪側においては、左右後輪2RL,2RRのモータECU10RL,10RRのいずれにも、同じ値、すなわち、左後輪2RLにおいて決定された目標軸力FtRLが供給される。換言すれば、モータECU10RRには、目標軸力FtRRが目標軸力FrRLと同じ値である(FtRR←FtRL)とされて、供給されるのである。
それに対して、S10,11の少なくとも一方の判定がYESである場合には、S15において、前輪側については個別軸力制御または異常時左右同軸力制御が行われ、後輪側については異常時後輪軸力低減制御が行われ、S17において、異常時後輪軸力低減制御中フラグQがONにされる。
例えば、右後輪2RRに設けられた車輪速度センサ136RRが異常であると検出された場合には、正常輪側である前輪側においては個別制御が行われ、左右前輪2FL,2FRのモータECU10FL,10FRに、それぞれ、S1において決定された目標軸力が供給される。異常輪側である後輪側については、異常時左右同軸力制御と異常時後輪軸力低減制御との両方が行われる。左右後輪2RL,2RRのモータECU10RL,10RRのいずれにも、同じ、かつ、前回より小さい値である目標軸力が供給される。今回の目標軸力FtRL(n),FtRR(n)は、前回の目標軸力FtRL(n-1),FtRR(n-1)より比率αだけ小さくされるが、目標軸力FtRR(n)は目標軸力FtRL(n)と同じ値とされる。
FtRL(n)=FtRL(n-1)(1-α)
FtRL(n)=FtRR(n)
前輪側、後輪側の各々の電動ブレーキ装置4において、モータECU10によって、実軸力が目標軸力に近づくように電動モータ6が制御されるが、後輪側においては、左後輪2RL,右後輪2RRの電動ブレーキ8RL,8RRの軸力が、互いに同じ大きさであって、かつ、前回より設定比率α小さい値に制御される。左右後輪2RL,2RRの電動ブレーキ8RL,8RRの押付力が、左右前輪2FL,2FRの電動ブレーキ8FL,8FRの押付力に対して抑制されることになる。そして、ヨーレートγが設定ヨーレートγth以下になるまで、または、後輪スリップ量Srが設定スリップ量Srth以下になるまで、S1,2,9~11(10)、15~17が繰り返し実行される。
そのうちに、S10,11の判定がいずれもNOとなった場合には、S12において、フラグQがONであるか否かが判定されるが、この場合には、S12の判定がYESとなるため、S18,19が実行され、前輪側については個別軸力制御または異常時左右同軸力制御が行われ、後輪側については軸力が保持される。後輪側が異常輪側であっても正常輪側であっても、今回の目標軸力FtRL(n)、FtRR(n)は前回の目標軸力FtRL(n)、FtRL(n-1)と同じ大きさとされる。
このように、本実施例においては、前後左右の車輪2のうちの少なくとも1輪に設けられた車輪速度センサ136が異常であると検出された場合には異常時左右同軸力制御が行われる。そのため、図4の領域R1が示すように、すべての車輪速度センサ136が正常である場合とほぼ同じ軸力を加えることが可能となり、制動力不足を良好に抑制することができる。
また、異常時左右同軸力制御において、ヨーレートγが設定ヨーレートγthより大きくなった場合には、異常時後輪軸力低減制御が行われ、図4の領域R2が示すように、ヨーレートγが設定ヨーレートγthより小さくなるまで後輪軸力が漸減させられる。そのため、走行安定性の低下を良好に抑制することができる。
上記実施例において、モータECU10、ブレーキECU110の軸力制御プログラムのS14を記憶する部分、実行する部分等により異常時左右同押付力制御部が構成され、S16を記憶する部分、実行する部分等により異常時後輪押付力低減制御部が構成される。
なお、車輪毎に設けられるブレーキは電動ブレーキに限らない等、その他、本発明は、当業者の知識に基づき、種々の改良、変更を施した態様で実施することができる。
4:電動ブレーキ装置 6:電動モータ 8:電動ブレーキ 10:モータECU 12:駆動回路 30:ディスクロータ 32,34:ブレーキ摩擦材 110:ブレーキECU 136:車輪速度センサ 146:軸力センサ
特許請求可能な発明
以下の各項に、本願において特許請求が可能と認識されている発明、あるいは、発明の特徴点について説明する。
(1)車両の前後左右の車輪の各々にそれぞれ設けられ、押付装置の押付力により、前記車輪とともに回転するブレーキ回転体に摩擦材を押し付けることにより、前記車輪の回転を抑制する摩擦ブレーキと、
前記前後左右の車輪の各々にそれぞれ設けられ、前記車輪の回転速度を検出する車輪速度センサと、
前記前後左右の車輪の各々にそれぞれ設けられた前記車輪速度センサのうちの少なくとも1つが異常である場合に、前輪側と後輪側との少なくとも一方の前記異常である車輪速度センサが設けられた車輪が属する側において、左側車輪と右側車輪との各々の前記摩擦ブレーキの前記押付力を同じ大きさに制御する異常時左右同押付力制御部と、
その異常時左右同押付力制御部による制御中に、前記車両のヨーレートが設定ヨーレートより大きくなった場合に、左後輪と右後輪との各々の前記摩擦ブレーキの押付力を低減させる異常時後輪押付力低減制御部と
を含むブレーキシステム。
例えば、右前輪に設けられた車輪速度センサが異常である場合には、左右前輪の押付力が同じ大きさに制御され、左右後輪の押付力が、それぞれ個別に、目標押付力に近づくように制御される。また、右後輪に設けられた車輪速度センサが異常である場合には、左右後輪の押付力が同じ大きさに制御され、左右前輪の押付力が、それぞれ個別に、目標押付力に近づくように制御される。なお、「押付力を低減させる」には、押付力を設定比率小さくすること、設定押付力小さくすること等が該当する。
(2)前記異常時左右同押付力制御部が、スリップ抑制制御において、前記左側車輪と前記右側車輪との各々の前記摩擦ブレーキの押付力を同じ大きさに制御するものであり、
前記異常時後輪押付力低減制御部が、前記スリップ抑制制御における前記異常時左右同押付力制御部による制御に起因して、前記車両のヨーレートが前記設定ヨーレートより大きくなった場合に、前記左後輪と前記右後輪との各々の前記押付力を低減させるものである(1)項に記載のブレーキシステム。
スリップ抑制制御において異常時左右同押付力制御が行われた場合には、それに起因して、ヨーレートが大きくなり易い。
(3)前記異常時後輪押付力低減制御部が、前記ヨーレートが前記設定ヨーレート以下になるまで前記左後輪と前記右後輪との前記摩擦ブレーキの前記押付力を漸減させるものである(1)項または(2)項に記載のブレーキシステム。
(4)前記摩擦ブレーキが、電動モータの駆動により作動させられ、押付部材により前記摩擦材を前記ブレーキ回転体に押し付けることにより前記車輪の回転を抑制する電動ブレーキである(1)項ないし(3)項のいずれか1つに記載のブレーキシステム。
摩擦ブレーキの押付力は電動ブレーキの軸力に対応する。なお、摩擦ブレーキは、液圧により摩擦材をブレーキ回転体に押し付ける液圧ブレーキであってもよい。
(5)前記異常時左右同押付力制御部が、前記異常である車輪速度センサが設けられた車輪である異常輪の前記摩擦ブレーキの押付力を、前記異常輪とは左右反対側の車輪の前記摩擦ブレーキの押付力に合わせて、同じ大きさに制御するものである(1)項ないし(4)項のいずれか1つに記載のブレーキシステム。
(6)当該ブレーキシステムが、前記前後左右の車輪にそれぞれ設けられた前記車輪速度センサの各々の異常を検出する車輪速度センサ異常検出装置を含む(1)項ないし(5)項のいずれか1つに記載のブレーキシステム。
(7)車両の前後左右の車輪の各々にそれぞれ設けられ、前記車輪とともに回転するブレーキ回転体に摩擦材を押し付けることにより、前記車輪の回転を抑制する摩擦ブレーキと、
前記前後左右の車輪の各々にそれぞれ設けられ、前記車輪の回転速度を検出する車輪速度センサと、
前記前後左右の車輪の各々にそれぞれ設けられた前記車輪速度センサのうちの少なくとも1つが異常である場合に、前輪側と後輪側との少なくとも一方の側の、前記異常である車輪速度センサが設けられた車輪が属する側における左側車輪と右側車輪との各々の前記摩擦ブレーキの押付力を同じ大きさに制御する異常時左右同押付力制御部と、
その異常時左右同押付力制御部による制御中に、前記車両のヨーレートが設定ヨーレートより大きくなった場合と前記後輪のスリップ状態が設定スリップ状態より大きくなった場合との少なくとも一方の場合に、前記前後左右の車輪のうちの左後輪と右後輪との各々の前記摩擦ブレーキの押付力を低減させる異常時後輪押付力低減制御部と
を含むブレーキシステム。
スリップ状態は、スリップ率で表したり、スリップ量で表わしたりすること等ができる。
本項に記載のブレーキシステムには、(1)項ないし(6)項のいずかに記載の技術的特徴を採用することができる。
(8)車両の前後左右の車輪の各々にそれぞれ設けられ、前記車輪とともに回転するブレーキ回転体に摩擦材を押し付けることにより、前記車輪の回転を抑制する摩擦ブレーキと、
前記前後左右の車輪の各々にそれぞれ設けられ、前記車輪の回転速度を検出する車輪速度センサと、
前記前後左右の車輪のうちの少なくとも1輪について、スリップ状態を表す値が路面の摩擦係数で決まる設定範囲内になるように、前記少なくとも1輪の前記摩擦ブレーキの前記摩擦材を前記ブレーキ回転体に押し付ける力である押付力を制御するスリップ抑制制御部と、
前記スリップ抑制制御部による制御において、前記前後左右の車輪の各々にそれぞれ設けられた前記車輪速度センサのうちの少なくとも1つが異常である場合に、前輪側と後輪側との少なくとも一方の側の、前記異常である車輪速度センサが設けられた車輪が属する側における左側車輪と右側車輪との各々の前記摩擦ブレーキの押付力を同じ大きさに制御する異常時左右同押付力制御部と、
前記スリップ抑制制御部による制御において前記異常時左右同押付力制御部による制御が行われたことに起因して、前記車両のヨーレートが設定ヨーレートより大きくなった場合に、前記前後左右の車輪のうちの左後輪と右後輪との各々の前記ブレーキの押付力を低減させる異常時後輪押付力低減制御部と
を含むブレーキシステム。
本項に記載のブレーキシステムには、(1)項ないし(6)項のいずかに記載の技術的特徴を採用することができる。

Claims (2)

  1. 車両の前後左右の車輪の各々にそれぞれ設けられ、押付装置の押付力により、前記車輪とともに回転するブレーキ回転体に摩擦材を押し付けることにより、前記車輪の回転を抑制する摩擦ブレーキと、
    前記前後左右の車輪の各々にそれぞれ設けられ、前記車輪の回転速度を検出する車輪速度センサと、
    前記前後左右の車輪の各々にそれぞれ設けられた前記車輪速度センサのうちの少なくとも1つが異常である場合に、前輪側と後輪側との少なくとも一方の前記異常である車輪速度センサが設けられた車輪が属する側において、左側車輪と右側車輪との各々の前記摩擦ブレーキの前記押付力を同じ大きさに制御する異常時左右同押付力制御部と、
    前記前輪側に属する前記左側車輪である左前輪と前記右側車輪である右前輪との少なくとも一方の前記車輪速度センサが異常であり、前記左前輪と前記右前輪との各々の前記摩擦ブレーキの押付力について前記異常時左右同押付力制御部による制御が行われている間に、前記車両のヨーレートが設定ヨーレートより大きくなった場合に、左後輪と右後輪との各々の前記摩擦ブレーキの押付力を低減させる異常時後輪押付力低減制御部と
    を含むブレーキシステム。
  2. 当該ブレーキシステムが、さらに、前記車両のヨーレートが前記設定ヨーレートより小さくなった場合に、前記左後輪と前記右後輪との各々の前記摩擦ブレーキの押付力を保持する手段を含む請求項1に記載のブレーキシステム。
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