JP7073075B2 - フラットケーブル - Google Patents

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Description

本発明は、フラットケーブルに関し、さらに詳しくは、液晶テレビやサーバ等の電子機器内又は電子機器間で用いられ、高周波信号の伝搬に好適で加工が容易で低コストなフラットケーブルに関する。
フラットケーブルは、加工性及び可撓性に優れ、電子機器の内部配線材や外部配線材として広く用いられている。特に高周波信号の伝搬に好適なフラットケーブルとして、複数本の同軸ケーブルを利用したフラットケーブルが提案されている。例えば、特許文献1には、外径が0.15~0.35mmの複数本の同軸ケーブルが平行に並べられてラミネートシートに固定された同軸フラットケーブルが提案されている。
こうした同軸フラットケーブは、例えば特許文献2に記載のように、並列される同軸ケーブルの外部導体の各々が、同軸ケーブルの配列方向にわたってハンダによってハンダ付けされる。同文献には、ハンダ付けをすることで、全ての同軸ケーブルの外部導体の電位を揃えることができ、電気的特性を維持しやすい旨が記載されている。しかしながら、このハンダ付け作業は、各同軸ケーブル1本1本の外皮(絶縁層)を剥いで外部導体を露出させた後にはんだ付けする等、加工が煩雑であるとともに、加工状態がばらついたり、同軸ケーブルを潰してしまうこともあり、伝送特性が悪くなるおそれがあった。
一方、特許文献3には、遮蔽電気ケーブルが提案されている。この遮蔽電気ケーブルは、複数本の電線が平行に並べられて遮蔽フィルムに固定されたフラットケーブルであり、特許文献2のような外部導体を剥がしてハンダ付けする
特開2006-222059号公報 特開2015-133187号公報 特開2013-219054号公報
上記特許文献3では、遮蔽フィルムは、電線が存在するカバー部分と、電線が存在しない遮蔽フィルム同士が直接接触する挟まれた部分とを含み、これらは横断面において、フィルムのカバー部分と挟まれた部分とが一緒にそれぞれの導体セットを実質的に包囲するように構成されている。また、接着剤層は、ケーブルの挟まれた部分で遮蔽フィルムを合わせて結合させるために設けられているが、挟まれた部分がフラットケーブルの中間部に存在するため、フラットケーブルの幅が広くなり、電線の間隔が一定にならないとう難点がある。
また、電極間の電位が揃っていることは、電子機器内又は電子機器間で用いられる高周波信号用の電線として要求されており、また、加工工数を削減できる低コストな構造形態のフラットケーブルも要求されている。
同軸ケーブルを構成する誘電体層には、誘電率が低いことが要求されるとともに、固定テープに加熱接着するため耐熱性が高いことが要求されており、通常、フッ素系樹脂で形成されていることが多い。しかし、フッ素系樹脂で形成された誘電体層を表面に備えた同軸ケーブルを並べてフラットケーブルにした場合、誘電体層と固定テープに設けられた接着剤層との接着力が弱くなりやすく、同軸ケーブルの配列間隔が不安定になって端末接合の位置ずれや伝送特性が悪くなるおそれがあった。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであって、その目的は、並列に配された複数本の電線間の電位差をなくして電位を揃えて電気的特性を維持することができ、さらに加工工数を大幅に削減できる低コストなフラットケーブルを提供することにある。
本発明に係るフラットケーブルは、中心導体と該中心導体の外周に設けられた誘電体層と、該誘電体層の外周に設けられた外部被覆とを有する複数本の電線が一定の間隔で並列に配され、前記複数本の電線を両面から固定テープで一体化してなるフラットケーブルであって、前記固定テープの少なくとも片面が、導電性接着剤層、又は、導電層及び接着剤層、を有するテープである、ことを特徴とする。
この発明によれば、固定テープの少なくとも片面には導電性を有する層(導電性接着剤層又は導電層)が設けられているので、その固定テープで複数本の電線を両面から固定して一体化することにより、固定テープがテープ状外部導体として作用し、各電線間の電位差をなくして電位を揃えることができる。その結果、電気的特性を維持することができる。また、誘電体層の外周に設けられた外部被覆と、固定テープに設けられた接着剤層とが接着することになるので、従来のように接着力が弱くなるのを抑制でき、各電線の配列間隔が安定になって端末接合の位置ずれや伝送特性が悪くなるのを抑制することができる。さらに、各電線には、同軸ケーブルのような外部導体及びその外部導体を覆う絶縁層もないので、加工工数を削減できる低コストなフラットケーブルとすることができる。
本発明に係る同軸フラットケーブルにおいて、前記外部被覆が、テープ基材と、該テープ基材の片面に設けられた接着剤層とを有するテープの螺旋巻であり、該テープ基材が、前記固定テープが有する前記導電性接着剤層又は前記接着剤層に対して易接着性であることが好ましい。
この発明によれば、上記外部被覆を設けることにより、従来のように固定テープとの接着力が弱くなるのを抑制でき、各電線の配列間隔が安定になって端末接合の位置ずれや伝送特性が悪くなるのを抑制することができる。また、外部被覆をテープの螺旋巻としたので、仕上がり外径を小さくすることができる。
本発明に係るフラットケーブルにおいて、前記誘電体が、フッ素系樹脂で構成されている。
この発明によれば、フッ素系樹脂で構成された誘電体層と固定テープに設けられた接着剤層とが接着せず、誘電体層の外周に設けられた外部被覆と固定テープに設けられた接着剤層とが接着することになるので、従来のように接着力が弱くなるのを抑制でき、各電線の配列間隔が安定になって端末接合の位置ずれや伝送特性が悪くなるのを抑制することができる。
本発明に係るフラットケーブルにおいて、前記固定テープの少なくとも片面が前記導電層及び前記接着剤層を有する場合、該導電層と該接着剤層とが積層していることが好ましい。
この発明によれば、外部被覆に接着する固定テープは、外部被覆に接着するに設けられる接着剤層の上に導電層が設けられているので、外部被覆と固定テープとの接着力が保持されるとともに、その接着剤層上に設けられた導電層によって各電線の電位を安定化させることができる。
本発明に係るフラットケーブルにおいて、前記複数本の電線の両面が、2枚の前記固定テープで挟まれている、又は、1枚の前記固定テープで覆われている。
この発明によれば、並列した複数本の電線の両面が、導電層(導電性接着剤層又は導電層)を有する1枚又は2枚の固定テープで覆われているので、電線の外部導体の電位を電位差なく一様に揃えることができ、電気的特性を維持することができる。
本発明に係るフラットケーブルにおいて、前記誘電体層が、長手方向に連続する空隙部を有することが好ましい。
この発明によれば、誘電体層は長手方向に連続する空隙部を有するので、その空隙部の存在により誘電率を小さくすることができる。その結果、電線の外径を大きくすることなく中心導体の外径を増すことができ、中心導体の実効断面積を増して高周波抵抗(交流抵抗)の増大を抑制することができる。さらに、長手方向に連続する空隙部を有する誘電体層は、長手方向に連続しない発泡層からなる誘電体層に比べて製造時(例えばヒートシール等の加圧時等)や配線作業時等に潰れにくく、中心導体と導電層(固定テープの少なくとも片面が有する導電性接着剤層又は導電層)との距離が変化しないので、特性インピーダンスが安定して高周波特性を安定なものとすることができる。
本発明に係るフラットケーブルにおいて、前記誘電体層が、内環状部、外環状部及びこれらを連結する連結部で構成された中空構造体であり、該中空構造体がフッ素系樹脂で構成されていることが好ましい。
この発明によれば、上記中空構造体は側圧強度に優れるので、製造時や配線作業時等に潰れにくく、高周波特性を安定なものとすることができる。また、例えばPFA(ε2.1)等のフッ素系樹脂は、ポリエチレン(ε2.2~2.6)等よりも誘電率が小さいので、高周波伝送特性をさらに向上させることができ、さらに中空構造体の空隙率に応じて、誘電率を小さくすることができる。
本発明によれば、並列に配された複数本の電線間の電位差をなくして電位を揃えて電気的特性を維持することができ、さらに加工工数を大幅に削減できる低コストなフラットケーブルを提供することができる。特に、液晶テレビやサーバ等の電子機器内又は電子機器間で用いられ、高周波信号の伝搬に好適で加工が容易で低コストなフラットケーブルを提供できる。このフラットケーブルは、固定テープがテープ状外部導体として作用し、各電線間の電位差をなくして電位を揃えることができる。その結果、電気的特性を維持することができる。また、従来のように接着力が弱くなるのを抑制でき、各電線の配列間隔が安定になって端末接合の位置ずれや伝送特性が悪くなるのを抑制することができる。さらに、各電線には、同軸ケーブルのような外部導体及びその外部導体を覆う絶縁層もないので、加工工数を削減できる低コストなフラットケーブルとすることができる。
本発明に係るフラットケーブルの一例を示す断面図である。 電線の一例を示す断面図である。 電線の両面を固定テープで一体化したフラットケーブルの全体図である。 本発明に係るフラットケーブルにおいて、固定テープの3つの形態を示す説明図である。 外部導体及びその外部導体を覆う絶縁層を有する従来の電線の例を示す断面図である。
本発明に係るフラットケーブルの実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態及び図面に記載した形態と同じ技術的思想の発明を含むものであり、本発明の技術的範囲は実施形態の記載や図面の記載のみに限定されるものでない。
本発明に係るフラットケーブル20は、図1~図4に示すように、中心導体1と、中心導体1の外周に設けられた誘電体層2と、誘電体層2の外周に設けられた外部被覆3とを有する複数本の電線10が一定の間隔で並列に配されたものである。そして、その複数本の電線10を両面から固定テープ11で一体化してなるものである。そして、その固定テープ11の少なくとも片面が、導電性接着剤層11B、又は、導電層11C及び接着剤層11D、を有するテープである。
このフラットケーブル20では、固定テープ11少なくとも片面には導電性を有する層(導電性接着剤層11B又は導電層11C)が設けられているので、その固定テープ11で複数本の電線10を両面から固定して一体化することにより、固定テープ11がテープ状外部導体として作用し、各電線間の電位差をなくして電位を揃えることができる。その結果、電気的特性を維持することができる。また、誘電体層2の外周に設けられた外部被覆3と、固定テープ11に設けられた導電性接着剤層11B又は接着剤層11Dとが接着することになるので、従来のように接着力が弱くなるのを抑制でき、各電線10の配列間隔が安定になって端末接合の位置ずれや伝送特性が悪くなるのを抑制することができる。さらに、各電線10には、同軸ケーブル100(図5を参照)のような外部導体103及びその外部導体103を覆う絶縁層104もないので、加工工数を削減できる低コストなフラットケーブルとすることができる。
以下、フラットケーブルの各構成要素を説明する。
(中心導体)
中心導体1は、図1~図3に示すように、電線10の長手方向Yに延びる1本の素線で構成されるもの、又は複数本の素線を撚り合わせて構成されるものである。素線は、良導電性金属であればその種類は特に限定されないが、銅線、銅合金線、アルミニウム線、アルミニウム合金線、銅アルミニウム複合線等の良導電性の金属導体、又はそれらの表面にめっき層が施されたものを好ましく挙げることができる。高周波用の観点からは、銅線、銅合金線が特に好ましい。めっき層としては、はんだめっき層、錫めっき層、金めっき層、銀めっき層、ニッケルめっき層等が好ましい。素線の断面形状も特に限定されないが、断面形状が円形又は略円形の線材であってもよいし、角形形状であってもよい。
中心導体1の断面形状も特に限定されないが、円形(楕円形を含む。)であってもよいし、矩形(四角形、五角形、六角形、八角形等を含む)であってもよい。中心導体1の外径は、電気抵抗(交流抵抗、導体抵抗)が小さくなるように、できるだけ大きいことが望ましく、例えば、0.1~0.4mm程度を挙げることができる。具体的には、AWG28~36(7/0.127~7/0.05)程度であればよく、AWG32 7/0.08(外径:約0.24mm)等を好ましく挙げることができる。中心導体1の表面には、必要に応じて絶縁皮膜(図示しない)が設けられていてもよい。絶縁皮膜の種類と厚さは特に限定されないが、はんだ付け時に良好に分解するものが好ましく、例えば熱硬化性ポリウレタン皮膜等を好ましく用いることができる。なお、AWG(American Wire Gaugeの略)は、導体の寸法規格として公知の記号であり、B&S(Brown and Sharp)Gaugeとも呼ばれているものである。
(誘電体層)
誘電体層2は、図1、図2及び図4に示すように、中心導体1の外周に設けられている低誘電率の絶縁層である。誘電体層2の構成は特に限定されないが、図2に示すように、長手方向Yに連続する空隙部2Aを有していることが好ましい。この空隙部2Aは、誘電体層2の中に連続して設けられているが、その形態は、丸形でも矩形でもよく特に限定されない。特に、内環状部2B、外環状部2C及びこれらを連結する連結部2Dで構成された中空構造体2(誘電体層と同じ符号2を用いることがある。)は、空隙部2Aが内環状部2B、外環状部2C及び連結部2Dで囲まれた断面形態になっており、側圧強度に優れるので好ましい。側圧強度に優れる中空構造体2は、電線10及びフラットケーブル20の製造時やフラットケーブル20の配線作業時等に潰れにくく、高周波特性を安定なものとすることができる。中空構造体2は、押出ダイを走行する中心導体1の外周に、例えばPFA樹脂を押出しして成形することができる。なお、PFAは、テトラフルオロエチレンとペルフルオロエーテルの共重合体である。内環状部2B、外環状部2C及び連結部2Dのそれぞれの厚さは特に限定されないが、例えば0.01~0.05mm程度の範囲内であり、形成された中空構造体2(誘電体層2)の外径は、例えば0.4~1.0mm程度の範囲内である。
誘電体層2は、例えばPFA(誘電率ε:2.1)等のフッ素系樹脂で形成されていることが好ましい。フッ素系樹脂は、ポリエチレン(誘電率ε:2.2~2.6)等のポリオレフィン樹脂よりも誘電率が小さいので、高周波伝送特性をさらに向上させることができる。さらに、上記した中空構造体2の空隙率に応じて、誘電率を小さくすることができ、一例として、中空構造体2の外径を例えば0.58mmとし、空隙部2Aの割合(空隙率という。)を35%とした場合の誘電率εは1.5~1.65程度と小さくすることが可能になる。なお、空隙部2Aの空隙率は、誘電体層全体(中空構造体全体)の面積に対し、20%~60%の範囲内であることが好ましい。
誘電体層2では、好ましくは低誘電率を実現できる空隙部2Aを有し且つ側圧強度を高めることができる中空構造体を採用することが好ましく、さらに好ましくはヒートシール等の加熱圧迫に耐えられるフッ素系樹脂が選択される。こうした誘電体層2を備えた電線10は誘電率を下げることができるので、電線10の外径を大きくすることなく中心導体1の外径を増すことができ、中心導体1の実効断面積を増して高周波抵抗(交流抵抗)の増大を抑制することができる。さらに、長手方向Yに連続する空隙部2Aを有する誘電体層2は、長手方向Yに連続しない発泡層からなる誘電体層に比べて製造時(例えばヒートシール等の加圧時等)や配線作業時等に潰れにくく、中心導体1と後述する固定テープ11の導電性を有する層(導電性接着剤層11B又は導電層11C)との距離が変化しないので、特性インピーダンスが安定して高周波特性を安定なものとすることができる。
なお、この誘電体層2の外周には、図5に示すような外部導体103及びその外部導体を覆う絶縁層104は存在しない。
(外部被覆)
外部被覆3は、図1、図2及び図4に示すように、誘電体層2の外周に設けられている。この外部被覆3が誘電体層2の外周に設けられることにより、固定テープ11に設けられた接着剤層(導電性接着剤層11B又は接着剤層11D)と良好に接着し、従来のように接着力が弱くなるのを抑制でき、各電線10の配列間隔が安定になって端末接合の位置ずれや伝送特性が悪くなるのを抑制することができるように作用する。
外部被覆3は、絶縁テープが誘電体層2上に螺旋巻されてなるものである。絶縁テープは、図2に示すように、テープ基材3Aと、テープ基材3Aの片面に設けられた接着剤層3Bとを有している。この絶縁テープにおいて、接着剤層3Bは誘電体層2の側に配置されるので、絶縁テープを誘電体層2上に螺旋巻きする際に誘電体層2に接着しながら密着性よく巻き付けることができる。一方、テープ基材3Aは固定テープ側に配置されるので、固定テープ11で一体化する際に、固定テープ11を構成する導電性接着剤層11B又は接着剤層11Dに対して易接着性であることが好ましい。外部被覆3を誘電体層2と固定テープ11との間に設けることにより、上記作用効果を奏することができるとともに、絶縁テープを螺旋巻した外部被覆3としたので、仕上がり外径を小さくすることができる。
接着剤層4Bとしては、従来の同軸ケーブルに適用される種々のテープ用接着剤層を使用することができる。例えば、ポリエステル系の熱可塑性接着性樹脂等を好ましく挙げることができる。テープ基材3Aとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルムを好ましく挙げることができる。特に、後述する固定テープ11を構成する導電性接着剤層11B又は接着剤層11Dとの接着性の良い材料を選択することが好ましく、例えば固定テープ11を構成する導電性接着剤層11B又は接着剤層11Dがポリエステル系熱可塑性接着剤層である場合は、テープ基材3Aもポリエステルフィルムであることが好ましい。
接着剤層4Bの厚さは特に限定されないが、例えば1~5μm程度の範囲内であることが好ましく、テープ基材3Aの厚も特に限定されないが、例えば4~10μm程度の範囲内であることが好ましい。接着剤層3Bとテープ基材3Aとで構成された絶縁テープを螺旋巻きして外部被覆3とすることにより、図2に示す電線10の仕上がり外径を、例えば0.4~1.0mm程度に小さくすることができる。なお、図1及図4に示す形態においても、外部被覆3を構成するテープ基材3A及び接着剤層3Bは、図示していないだけで、存在している。
(フラットケーブル)
フラットケーブル20は、図1、図3及び図4に示すように、一定の間隔Pで並列に配された複数本の電線10と、その電線10を両面から一体化する固定テープ11とを有するように構成されている。一定の間隔Pとは、0.5~1.0mmの範囲内での等ピッチ間隔になっていることであり、等ピッチ間隔とすることにより、コネクタへの接続の点で効果がある。さらに、本発明では、誘電体層2の外周に設けられる外部導体103とその外部導体103上に設けられる絶縁層104(図5を参照)とが存在しない。そのため、中心導体1を太くしても、それらが存在しない個々の電線10の外径が太くなるのを制限することができる。その結果、所望のコネクタのピッチを超えてしまうことがなく、安定で優れた高周波特性を示すフラットケーブル20を既存のコネクタを変更することなく利用することができる。なお、電線10については既に説明したとおりである。
(固定テープ)
固定テープ11は、図1、図3及び図4に示すように、少なくとも片面に導電性接着剤層11B、又は、導電層11C及び接着剤層11D、を有している。すなわち、少なくとも片面シールドできる固定テープ11であればよく、導電性を有する導電性接着剤層11B又は導電層11Cが片面に設けられて片面シールドできるものであってもよいし、両面に設けられて両面シールドできるものであってもよい。固定テープ11は、複数本の電線10の端末部21(コネクタ等他部品との接続処理部)を除いた全面を両面から一体化するものである。本発明では、電線10の電位を電位差なく揃えて電気的特性を維持するので、図3及び図4に示すように、片面ではなく、両面に固定テープ11を設けることが望ましい。両面に固定テープ11を設ける形態としては、2枚の固定テープ11で挟んで貼り合わせて一体化したり、1枚の固定テープ11で両面を包むように覆って貼り合わせて一体化したりすることが好ましい。
図3は複数本の電線10の両面を2枚の固定テープ11で挟んで一体化した形態である。固定テープ11は、複数本の電線10の長手方向Yの全てに貼り合わされていている。図3の例では2枚の固定テープ11で両面から挟んで貼り合わせて一体化しているが、1枚の固定テープ11を折り返して両面から挟んで貼り合わせて一体化したものであってもよい。
固定テープ11としては、図4(A)(B)(C)に示すように、3つの形態を好ましく挙げることができる。第1固定テープ11aは、図4(A)に示すように、基材11Aと、基材11Aの片面に設けられた導電性接着剤層11Bとを有するものである。第2固定テープ11bは、図4(B)に示すように、基材11Aと、導電層11Cと、接着剤層11Dとがその順で積層したものである。第3固定テープ11cは、図4(C)に示すように、導電層11Cと、基材11Aと、接着剤層11Dとがその順に積層したものである。これら第1~第3固定テープ11(11a、11b,11c)は、導電性接着剤層11B、又は、導電層11C及び接着剤層11Dを有し、その接着性を有する層(導電性接着剤層11Bと接着剤層11D)を介して、上記した外部被覆3に貼り合わされている。そのため、全ての電線10の電位を電位差なく揃えることができ、電気的特性を維持することができる。なお、第2固定テープ11bのように、導電層11C及び接着剤層11Dを有する場合、導電層11Cと接着剤層11Dとが積層していることが好ましく、電位をより一層安定化させることができる。また、第2固定テープ11bと第3固定テープ11cにおいて、符号11Dの層は導電性接着剤層であってもよく、そうした場合には、導電層11Cとともに電位をより一層安定化させるように作用する。
基材11Aは特に限定されないが、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルムを好ましく用いることができる。剥きやすさの観点からは、1軸延伸したフィルムであることが好ましい。基材11Aの厚さとしては、25~100μm程度の範囲内のものが任意に選択される。
第1固定テープ11aを構成する導電性接着剤層11Bは、導電性を有した接着剤層であり、例えば導電材(導電粉又は導電フィラー)を含む接着剤層を挙げることができる。導電材の材質としては、導電性の良い銅、銀、ニッケル、カーボン等を挙げることができる。導電性接着剤層11Bは、導電材を含む熱可塑性接着性樹脂、例えば導電材を含むホットメルト系接着剤を好ましく挙げることができる。第1固定テープ11aでは、導電性接着剤層11Bが基材11Aに設けられている。導電性接着剤層11Bの厚さとしては、20~100μm程度の範囲内のものが任意に選択される。第1固定テープ11aの全体厚さとしては、50~150μm程度の範囲内のものが任意に選択される。
第2固定テープ11bを構成する導電層11Cは、導電性を有する層であれば特に限定されず、金属層であってもよいし、導電粉を含む導電ペースト層であってもよい。特に金属層が好ましく、銅層、アルミニウム層等が基材11Aに蒸着やめっきにより成膜されたもの、又は貼り合わされたものを好ましく挙げることができる。導電層11Cの厚さは形成手段により異なるが、蒸着やめっきで成膜したものは2~7μm程度の範囲内から任意に選択され、金属層を貼り合わせたものは10~100μm程度の範囲内から任意に選択される。
第2固定テープ11bを構成する接着剤層11Dは、例えばポリエステル系熱可塑性接着性樹脂層等を好ましく挙げることができる。接着剤層11Dの厚さとしては、25~50μm程度の範囲内のものが任意に選択される。固定テープ11bの全体厚さとしては、10~200μm程度の範囲内のものが任意に選択される。なお、上記のように、符号11Dの層は導電性接着剤層であってもよく、そうした場合には、導電層11Cとともに電位をより一層安定化させるように作用する。
第3固定テープ11cは、個々の層の積層順が異なるが第2固定テープ11bと同様であるので、ここではその説明を省略する。
なお、固定テープ11の合計厚さを例えば0.1~0,2mm程度の十分に厚いものを用いることにより、ヒートシール工程等での熱接着時の熱影響を受けにくくすることができ、その結果、収縮が発生しにくくなり、安定した電線10のピッチを確保することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
図4(B)に例示したフラットケーブル20を作製した。中心導体1として、直径0.08mmの銀めっき軟銅線を7本撚りしたAWG32(外径約0.24mm)を用いた。誘電体層2は、中空構造体用ダイスニップルにて350℃でPFA樹脂(デュポン社製)を押出しして、空隙部2Aが内環状部2B、外環状部2C及び連結部2Dで囲まれた断面形態の中空構造体を形成した。この中空構造体において、内環状部2Bの厚さは0.05mm、外環状部2Cの厚さは0.05mm、連結部2Dの厚さは0.05mmであり、中空構造体(誘電体層2)の外径は0.60mmであり、空隙部2Aの空隙率は誘電体層全体(中空構造体全体)の面積に対して30%であった。なお、空隙部2Aの形状は、図4(B)に示すように、ほぼ台形形状であった。
次に、外部被覆3として、厚さ0.001mmのポリエステル熱可塑性樹脂(接着剤層3B)が片面に設けられた厚さ0.004mmのポリエステルテープ(テープ基材3A)を幅3.0mmに切断し、テープ巻き機を用いて接着剤層3Bを誘電体層側にして1/3ラップで巻き付けた。誘電率εは約1.6であった。
得られた電線10を16本準備し、1mmの一定間隔Pで並列に配した後、第2固定テープ11bで両面から貼り合わせて一体化した。第2固定テープ11bは、厚さ0.035mmのポリエステル熱可塑性樹脂(接着剤層11D)が厚さ0.05mmのアルミニウム層(導電層11C)上に設けられたアルミニウム層付きポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ0.1mm)を幅25mmに切断したものを用いた。
[実施例2]
第1固定テープ11aを用いた他は、実施例1と同様にして図4(A)に例示したフラットケーブルを作製した。第1固定テープ11aは、ヒエン電工株式会社製の基材11A(PETフィルム、厚さ約0.012mm)及び導電性接着剤層11B(ポリエステル熱可塑性樹脂と導電材を含む。厚さ約0.013mm)からなるものを、幅25mmに切断して使用した。誘電率εは約1.6であった。
[比較例1]
外部被覆を設けない他は、実施例1と同様にしてフラットケーブルを作製した。誘電率εは約1.6であった。
[測定と結果]
(電気的特性)
加工作業時には、複数本の電線10を固定テープ11でヒートシールする際の加熱(約170℃)と圧力(約0.2MPa)が加わるが、こうした加工作業が複数本の電線10の断面形態を変形させて伝搬遅延時間を変動させるか否かを調べた。
フラットケーブルの伝搬遅延時間の評価方法は、フラットケーブルを一定長さ(例えば1m)に切断したものをサンプルとし、TDR法にて、測定機に接続したサンプルのインピーダンスと伝搬遅延時間を測定した。得られた伝搬遅延時間のばらつき(SKEW)から潰れ等の変形の有無を推測した。なお、測定機は、Tektronix DCA8200サンプリングオシロスコープ(TDRモジュール:80E04)を用いた。
Figure 0007073075000001
表1の結果に示すように、比較例1では、誘電体層と固定テープを構成する接着剤層11Dとが剥れ易く、中心導体と導電層(シールド)との距離、及び隣接コア間の距離がばらつくことでインピーダンスが不安定になり、SKEW等の伝送特性が不安定になり易かった。一方、実施例1,2では、誘電体層の外周には螺旋巻された外部被覆3が設けられており、さらにその外部被覆3に固定テープが貼り合わされているので、固定テープが剥れ難く、中心導体と導電層(シールド)との距離、及び隣接コア間の距離のバラツキが小さく、インピーダンスが安定してSKEW等の伝送特性が安定になった。
1 中心導体
2 誘電体層(中空構造体)
2A 空隙部
2B 内環状部
2C 外環状部
2D 連結部
3 外部被覆(絶縁テープ)
3A テープ基材
3B 接着剤層
10 電線
11 固定テープ
11a 第1固定テープ
11b 第2固定テープ
11c 第3固定テープ
11A 基材
11B 導電性接着剤層
11C 導電層
11D 接着剤層
20 フラットケーブル
21 端末部
22 中間部(端末部以外の部分)
100 電線
103 外部導体
104 絶縁層
P ピッチ(間隔)
Y 長手方向

Claims (3)

  1. 中心導体と該中心導体の外周に設けられた誘電体層と該誘電体層の外周に設けられた外部被覆とを有する複数本の電線が一定の間隔で並列に配され、前記複数本の電線を両面から固定テープで一体化してなるフラットケーブルであって、
    前記固定テープの少なくとも片面が、導電性接着剤層、又は、導電層及び接着剤層、を有するテープであり、
    前記誘電体層が、長手方向に連続する空隙部を有する、内環状部、外環状部及びこれらを連結する連結部で構成されたフッ素系樹脂からなる中空構造体であり、
    前記外部被覆が、テープ基材と該テープ基材の片面に設けられたポリエステル熱可塑性樹脂からなる接着剤層とを有するテープの螺旋巻であり、該テープ基材が、前記固定テープが有する前記導電性接着剤層又は前記接着剤層に対して易接着性のポリエステルテープである、ことを特徴とするフラットケーブル。
  2. 前記固定テープの少なくとも片面が前記導電層及び前記接着剤層を有する場合、該導電層と該接着剤層とが積層している、請求項1に記載のフラットケーブル。
  3. 前記複数本の電線の両面が、2枚の前記固定テープで挟まれている、又は、1枚の前記固定テープで覆われている、請求項1又は2に記載のフラットケーブル。
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