JP7072526B2 - 無鉛高張力黄銅合金及び高張力黄銅合金製品 - Google Patents

無鉛高張力黄銅合金及び高張力黄銅合金製品 Download PDF

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Description

本発明は、無鉛高張力黄銅合金、及び摩擦負荷を被る高張力黄銅合金から製造された製品に関する。
潤滑環境での典型的な摩擦用途では、概して、低い摩擦係数を有する合金が必要とされ、さらには、この摩擦係数は、各用途、特に、各対をなす摩擦部品、用いられる潤滑剤、並びに、例えば、接触圧力及び相対速度などの摩擦条件について、予め設定された限界内で調節可能であるべきである。これは、大きな静的及び動的負荷に供されるピストンピンブッシュ、並びに、シンクロナイザーリングについても当てはまることである。さらには、例えば、ターボチャージャの軸受など、高い相対速度での摩擦部品の組み合わせを伴う用途では、発熱の低減並びに摩擦領域からの良好な放熱を確実にする合金が必要とされる。
摩擦力及び油曝露に起因して、軸受表面に潤滑構成要素が堆積するとともに、トライボロジー層が形成される。流れ層の上に安定な吸着層を得るためには、均一であると同時に高堆積率の潤滑構成要素及びそれらの分解生成物が必要とされる。
さらには、オイル環境で使用される構成要素に適した材料、例えば、こういった環境での軸受のためのシンクロナイザーリング又は軸受部品などは、広範囲にわたる耐油性によってさらに特徴づけられ、したがって、トライボロジー層の蓄積は、その大部分が、ある種の油添加物の選択に対して非感受性である。このような合金から製造された構成要素は、さらに、良好なフェイル-セーフ特性も有していなければならず、それによって、乾燥摩擦条件下でも十分な耐用年数が確保される。
摩擦負荷に晒される構成要素については、用いられる合金が適切な強度を有していることがさらに重要である。したがって、負荷が適用されるときに生じる塑性変形を可能な限り低く保つように、高い0.2%の最終的な引張強度が適用されるべきである。それでもなお、このような構成要素は、故障が発生する前に、最終的な引張強度を上回る塑性変形に適応する、ある特定の尺度を特徴とすべきである。
加えて、このような構成要素は、摩耗応力及び接着応力に対するそれらの耐性を増加させるように特殊な剛性及び引張強度を有することが要求される。衝撃ストレスに対する保護に十分な靭性も同時に必要とされる。軽微な亀裂から生じる欠陥の成長を遅延させるために、微小欠陥の発生を低減させることも要求されている。この要求には、可能な限り高い破壊靭性を示す、大部分に内部応力がない合金の要求が付随する。
摩擦応力を受ける構成要素に適した合金は、しばしば、主構成要素としての銅及び亜鉛に加えて、ニッケル、鉄、マンガン、アルミニウム、ケイ素、チタン又はクロムなど、少なくとも1つの合金元素をさらに含む、高張力真鍮種である。特にケイ素真鍮はこれらの要件を満たし、CuZn31Si1は、ピストンピンブシュなどの摩擦用途にとって標準的な合金である。さらには、摩擦又は鉱業用途での使用のために、スズ及び銅の他にニッケル、亜鉛、鉄及びマンガンを含むスズ青銅の使用が当技術分野で知られている。
国際公開第2014/152619号には、ターボチャージャ用途での使用のための黄銅合金が教示されている。1.5~3.0質量%のマンガンを用いると、材料のマンガン含量は非常に高いのに対し、Snの比例配分は、測定値が0.4質量%未満と小さい。この既知の黄銅合金は、最大で0.1質量%の鉛(Pb)含量を可能にし、それによって、この合金は、Pbを含まない、材料についてのより厳しい要件を満たす。しかしながら、合金の構成要素として、Pbは、チップ成形の破損に関する利益をもたらし、それによって機械加工動作が強化されることから、黄銅合金への組み込みに好ましい。さらには、腐食抑制剤として、鉛は、典型的には、その合金製品がオイル環境で用いられる、高強度黄銅合金に組み込まれる。これは、バイオエタノールに晒されるオイル環境に主に適用される。バイオエタノールは自動車燃料に含まれ、例えば、漏れのあるピストンリング又は他のキャリーオーバー不純物を原因として、モーターオイル内に溶け出す。これは、大抵は短距離を移動し、したがってエンジンがその動作温度に達しない自動車に、特に当てはまる。排気ガス中に含まれるバイオエタノール及びバイオエタノールの廃棄物に起因するアグレッシブな混合物に晒される、ターボチャージャ軸受についても同様である。結果的に、酸性環境が油中に形成される。油中に含まれる硫黄及び合金製品中に含まれる鉛はともに、パッシベーション層として作用し、したがって腐食抑制剤の効果を有する、硫酸鉛の最上層を形成する。
マトリクス中に明確な層を有することができる黄銅合金の構造は、機械的負荷及び腐食に対する耐性にも影響を及ぼす。α相を高い比率で有する黄銅合金製品は、一般に良好な腐食堅牢性、高レベルの靱性及び破断伸び、並びに良好な冷間成形特性によって特徴づけられる。他方では、このような合金製品が、十分ではない熱成形特性並びに低い耐摩耗性及び接着性を有することは不利である。β相を有する黄銅合金製品は、高い耐摩耗性、高い強度、良好な熱間成形特性、及び低い接着性を示している。しかしながら、これらの合金製品の欠点は、α相を有する別の黄銅合金製品とは対照的に、比較的不十分な冷間成形特性、比較的低い靭性、及び特に劣っている耐腐食性である。γ相黄銅合金製品は、それらの良好な耐腐食性及び摩耗に対する良好な機械的堅牢性によって特徴づけられる;しかしながら、欠点の観点から、それらは低い靭性及び比較的不十分な成形能を有する。したがって、各相が一方又は他方の部門で利点をもたらすにもかかわらず、各々が受け入れなければならない他の点での不利な点にも悩まされていることが実証されている。
前述のように、腐食はまた、現在問題になっており、かつ、オイル環境で用いられている種類の黄銅合金製品において、ある役割を担っている。したがって、これは、軸方向の軸受に関連した、例えばオイル環境で用いられる、合金製品の製造に役立つ任意の合金が、これに関して関連する要件も満たさなければならないことを意味する。
摩擦負荷に晒された場合、銅合金でできている被加工物は、潤滑剤への短時間の曝露の範囲内において、主に潤滑添加剤からなる吸着層を形成する。熱機械的負荷に晒されると、吸着層に由来する構成要素及び表面近くの合金構成要素でできた反応層が、吸着層の下に形成される。吸着層及びその中の反応層は、銅合金被加工物上に外側境界層を、その下の数マイクロメートルの厚さの内側境界層とともに形成する。外側境界層への後者の接近により、それは、表面に作用する機械的負荷、並びに化学反応プロセスの影響を受ける。内側境界層の基材合金の拡散及び酸化は、反応層の形成に影響を与えうる。
多くの潤滑剤は、摩擦接触に起因して、対応する熱機械的負荷の存在下で腐食作用を有し、したがって、被加工物の耐用年数を大幅に短縮しうる、亜硫酸及びリン添加剤などの添加剤を含む。銅合金は、潤滑剤中の亜硫酸成分の腐食作用を低減するために、以前に提案されている。特開昭60-162742号明細書には、重量比で57~61%のCu、2.5~3.5%のPbを含み、Fe及びZnが不純物として存在しうる、ターボチャージャを合金化する銅合金が教示されている。その目的は、摩擦表面における安定なCuS層の形成である。
添加剤は、しばしば、摩擦表面の腐食の低減及び研磨磨耗の低減を意図して潤滑剤に加えられる。腐食抑制剤(耐磨耗活性物質)の一例は、例えば、ジアルキルジチオリン酸亜鉛である。この添加により、反応層に表面保護リン酸塩ガラスの形成が生じる。この目的のため、理想的には、添加物と合金元素との間の配位子の交換、並びに基材カチオンの沈着が生じ、それによって、耐負荷性反応層が形成される。しかしながら、表面を保護する反応プロセスは、基材材料の内側境界層の組成に応じて決まる。さらには、追加的な添加剤もまた、該物質が接着層の表面保護添加剤との接着に関して競合する可能性があるため、プロセスにも影響を及ぼす。合金構造、熱の消散に対する反応層の熱プロセス、及び層の形成及び破壊のプロセスについての局所温度ピークもまた、注目に値する。したがって、利用可能なトライボロジー系に応じて、及びおそらくは腐食抑制剤の関与に伴って、摩擦層に影響を及ぼす望ましくない化学的分解プロセスを結果的に生じることさえありうる。
したがって、摩擦負荷に晒された場合に高強度及び低摩耗の特性を有する製品の製造に適していること、並びに、不十分な潤滑及び単純な構造の存在下での良好なフェイル-セーフ特性に加えて、同時に無鉛及び/又は事実上無鉛でありえ、したがって、酸性環境における腐食に対する耐性を提供しつつ、無鉛製品に関する法定要件に準拠しうる、高張力黄銅合金を提案することが本発明の目的である。
本目的は、以下の合金元素:
50~65質量%のCu;
0.4~3質量%のMn、特に1~3質量%のMn;
0.55~3質量%のSn;
最大で1質量%のFe;
最大で1質量%のNi;
最大で1質量%のAl;
最大で1.5質量%のSi
残余のZn及び不可避不純物、
を有し、
元素Mn+Snの合計が、少なくとも1.3質量%かつ最大で6.0質量%である、
無鉛高張力黄銅合金によって達成される。
本明細書の目的では、不可避不純物とは、個々には合金の0.05質量%以下、全体では合金の0.15質量%以下に相当する元素である。
単純に設計された高張力黄銅合金を単に提供するだけではなく、この高張力黄銅合金を用いることで、該合金から製造された合金製品が、腐食に対する特別な高い耐性、冷間及び熱間容量、高い機械摩耗耐性、並びに高レベルの靱性を有する手段を提供することが可能であった。この高張力黄銅合金の構造は、α相及びβ相を含む。この高張力黄銅合金は、例えば、軸受又は摩擦表面など、負荷表面の研磨粒子の良好な埋込容量によってさらに特徴付けられる。したがって、この高張力黄銅合金から製造される合金製品は、主にオイル環境並びに酸性環境での使用に適している。
当分野における有力な専門家の意見によれば、腐食を抑制する最上層の形成における前述の鉛の使用は、不可能なことと思われていたため、確立されたこの特別な腐食耐性は、この非常に単純に設計された高張力黄銅合金についての驚くべき知見であった。腐食に対する特別な耐性は、この合金から作られた合金製品が酸性オイル環境で使用される場合、元素Mn及びSnの含量に関係している。試験は、目の前の問題がこれらの元素自体の単なる関与ではないことを示している;ここで、Mn及びSnは、特に合計で少なくとも1.3質量%かつ6質量%を超えない、合金元素を構成する。試験は、合金元素Mn及びSnの合計が1.3質量%未満又は6.0質量%超の場合、所望の特性が高張力黄銅合金製品に適切に現れないことをさらに示している。この知見は、特に、それが上限に関連していることは、予期しなかったことであった。元素MnとSnの合計は、好ましくは2.0質量%超かつ4.5質量%以下である。
第1の実施態様によれば、Mn含量及びSn含量が、合金の構成に同程度の規模で関与する場合、これら2つの元素の含量が、好ましくは、一方から他方に対して20%超30%までを逸脱しないことが有利である。さらなる実施態様によれば、Mn含量はSn含量よりも多く、Mn含量は、最大でSn含量の2倍である。この実施態様では、Mn含量は、好ましくは、Sn含量より約60~85%多い。
この高張力黄銅合金は、特に廃自動車に関する指令という意味で、無鉛高張力黄銅合金である。
特許請求される合金では、Mn含量は、α相の存在領域を拡大するために使用される。これは、これもまた合金中に含まれるSnが、γ相において早期に結合するのではなく、Mnのように、所望の最上層の形成にも利用可能であることを意味する。加えて、Snは、所望のフェイル-セーフ特性を達成するためにも必要とされる。これらの理由から、合金における元素Mn及びSnの関与は、注意深く調和されている。
この合金から生産された高張力黄銅合金製品の構造は、β-マトリクス中にα相の粒を含む。シリサイドは、主にMn-Fe-シリサイドであり、構造全体に分散しており、2~4%の比例配分を示す。シリサイドの断面直径は5μm~20μmであり、この値はシリサイドの幅に関係する。高張力黄銅合金製品が押出成形製品の場合、シリサイドは、時には10:1~15:1の範囲の長さ-幅の比へとしばしば伸長する。
原則として、Pbは別の元素で置換されなかったため、この合金から製造された合金製品の良好な腐食特性もまた、驚くべきものであった。Sn含量を増加させ、かつ、Sn含量を主に元素Mnと内部調和させることによって、むしろ、良好な耐腐食特性が達成された。
応力腐食に対するこの合金から製造された構成要素の耐性改善の理由は、この合金から製造された構成要素が、基準合金の伝導率の範囲内にある低い電気伝導率のみを有するという事実にも関連している。したがって、腐食電流は、この種の以前から知られている合金とは対照的に、目に見えるほど低下する。この高張力黄銅合金から製造される高張力黄銅合金製品の電気伝導率は、12MS/m未満である。高張力黄銅合金の実施態様に応じて、それから製造される高張力黄銅合金製品の電気伝導率は、9MS/mを下回る低さでありうる。
Sn部品は、本質的に、この合金から製造された合金製品が軸受の部品として有する、必要なフェイル-セーフ特性の要因となる。したがって、本発明の合金の文脈では、合金元素Snは、二重機能、すなわち、合金の腐食及びフェイル-セーフ保護特性を有する。
この合金から製造され、かつ、通常の加熱処理に供される構成要素は、何よりもまず、主として、このような構成要素に求められる、0.2%の降伏応力に対する強度値を満たす。この態様は、動作の開始時における、対をなす摩擦部品に対する幾何学的調整にとって特に有利である。その軸方向の軸受上では、これらは、一緒に作用する対をなす摩擦部品が、それらの表面幾何学に対して互いに調和するようになるように、局所的な微小塑性変形である。同時に、この合金から製造された構成要素の表面は、異物粒子の埋込容量についての要件を満たすのに十分に軟らかい。したがって、それらが構成要素又は被加工物のそれぞれの表面に埋め込まれるように、目的とする方式で異物粒子を中和することが可能である。
上述のようにこの合金から製造される合金製品の特性に基づいて、これらの合金製品は、典型的には、軸方向又は径方向の軸受における部品である。好ましい実施態様によれば、軸方向の軸受部品は、溶接プロセスによってこの合金から製造された。他方では、径方向の軸受部品として用いられる合金製品は、好ましくは押圧又は延伸される。ターボチャージャ軸受は、この合金から作られた軸受構成要素の使用についての典型的な実施態様である。
上述されたこの合金の正特性は、第1の実施態様に提供されるように、高張力黄銅合金が次の組成を有する場合に、さらに改善されうる:
56~62質量%のCu;
1.5~2.3質量%のMn、特に1.6~2.3質量%のMn;
1.4~2.2質量%のSn、特に1.5~2.2質量%のSn;
0.1~0.7質量%のFe、特に0.5~0.7質量%のFe;
最大で0.3質量%のNi、特に最大で0.1質量%のNi;
最大で0.5質量%のAl又は最大で0.7質量%のAl;
0.25~0.85質量%のSi
残余のZn及び不可避不純物。
この高張力黄銅合金の変型に関しては、興味深いことに、第1の関連する実施態様に従って、高張力黄銅合金が次の元素を以下に示される割合で含む場合に、まさに同等の結果を達成することが可能である:
57~61.5質量%のCu;
1.7~2.2質量%のMn、特に1.5~2.2質量%のMn;
1.5~2.1質量%のSn;
0.1~0.7質量%のFe、特に0.25~0.6質量%のFe;
最大で0.3質量%のNi、特に最大で0.1質量%のNi
最大で0.5質量%又は最大で0.7質量%のAl、特に0.05~0.25質量%のAl;
0.3~0.7質量%のSi
残余のZn及び不可避不純物。
また、高張力黄銅合金のさらなる変型によれば、次の元素を以下に示される割合で有する:
57~61.5質量%のCu;
1.7~2.2質量%のMn、特に1.5~2.2質量%のMn;
0.6~1.2質量%のSn;
0.1~0.7質量%のFe、特に0.25~0.6質量%のFe;
最大で0.1質量%のNi;
最大で0.5質量%又は最大で0.7質量%のAl、特に0.05~0.25質量%のAl;
0.3~0.7質量%のSi
残余のZn及び不可避不純物。
Mn及びSn含量が高張力黄銅合金の第1の変型とほぼ同程度の大きさであるのに対し、このタイプの高張力黄銅合金の第2の変型では、Mn含量は、Sn含量よりも目に見えて多い。高張力黄銅合金の最初に述べた変型では、MnのSnに対する比は、1.15~0.95であり、特に1.1~0.97である。高張力黄銅合金のこの変型では、Mn含量は、好ましくは、Sn含量よりも極力最小限に多く、特に、好ましくは約9~12%多い。高張力黄銅合金の上記第2の変型については、合金元素Mn及びSnの比は、好ましくは、MnのSnに対する比が1.9~1.65の範囲、特に1.82~1.74の範囲になるような態様で調整される。高張力黄銅合金のこの変型に関しては、重要な点は、Sn含量と比較して高いMn含量にある。
高張力黄銅合金の前述の変型では、Fe含量は、好ましくは0.3~0.5質量%である。
高張力黄銅合金のこれらの2つの変型では、α相の比例配分は、β相の比例配分が30~50%に相当するように、50~70%である。シリサイドの比例配分は、この情報から差し引かれている。
請求項1に記載される高張力黄銅合金のさらなるタイプは、次の元素を含む:
52~59質量%のCu;
1.5~2.7質量%のMn;
0.55~2.5質量%のSn;
0.1~1質量%のFe;
最大で0.3質量%のNi、特に最大で0.1質量%のNi;
最大で0.3質量%又は最大で0.7質量%のAl;
最大で0.2質量%のAl;
0.15~1質量%のSi
残余のZn及び不可避不純物。
このタイプの高張力黄銅合金は、原則として同一の合金特性を有する、2つの変型に細分することもできる。このような合金の第1の変型は、この変型のSn含量よりも明白に高いMn含量を有し、この合金は、以下の組成を有する:
53~59質量%のCu;
1.6~2.5質量%のMn;
0.5~1.4質量%のSn;
0.1~1質量%のFe;
最大で0.3質量%のNi、特に最大で0.1質量%のNi;
最大で0.3質量%又は最大で0.7質量%のAl、最大で0.2質量%のAl;
0.15~1質量%のSi
残余のZn及び不可避不純物。
さらなる変型では、Mn含量は、Sn含量とほぼ同じである。この合金は、下記に示されるような合金に関与する元素の比例配分で、以下の組成を有する:
53~59質量%のCu;
1.6~2.5質量%のMn;
1.2~2.2質量%のSn;
0.1~1質量%のFe;
最大で0.1質量%のNi;
最大で0.3質量%又は最大で0.7質量%のAl、最大で0.2質量%のAl;
0.15~1質量%のSi;
残余のZn及び不可避不純物。
これらの高張力黄銅合金では、Mn及びSn含量は、またしても特別な方法で調和される。高張力黄銅合金の第1の変型では、Mn含量がSn含量より著しく高い場合、MnとSnの比は、1.9~1.65の範囲、好ましくは1.85~1.7の範囲にある。このタイプの高張力黄銅合金の第2の変型では、MnとSn含量の比はより均等である。好ましくは、この変型におけるMnのSnに対する比は、1.25~1.0の範囲、特に1.18~1.1の範囲である。
上述の高張力黄銅合金は、Pbを含んでいてもよい;しかしながら、好ましくは、それらは、0.2質量%の最大含量しか有さず、又はさらに良好には、0.1質量%の最大含量しか有しない。後者の事例では、このような高張力黄銅合金は、廃自動車に関する指令という意味で、無鉛とみなされる。
この高張力黄銅合金の特に好ましい実施態様では、Pbは、合金中に積極的に取り入れられた合金元素ではない;代わりに、それは、リサイクル材料の使用に起因して、合金溶融物内に単に取り込まれる。使用者は、所望のPb最大含量を超えないことを確実にするように注意を払う必要がある。
合金のこれらの変型では、マトリクスとしてのβ相の比例配分は、前述の変型よりも大きい。β相(マトリクス)の含量は、約60~85%である。β相中に埋め込まれたα相の粒は、15~40%の比例配分を示す。シリサイドの比例配分は、この情報から差し引かれている。
典型的には、特許請求される高張力黄銅合金の前述の変型は、上記の合金元素のみから構成される。よって、高張力黄銅合金及びそれらの導入された変型における合金元素の列挙は、最終的な列挙として理解されなければならない。
さらなるタイプの上述の変型から製造された高張力黄銅合金製品(最初に述べたタイプの合金についても同様のことが当てはまる)は、高張力黄銅合金を硬化するためのアニーリング工程の間に記録される特別な態様によって特徴付けられる。この特別な態様は、高張力黄銅合金製品が、特に、各々異なる温度の2つの硬化段階を有するという事実である。これらの2つの硬化温度範囲の間には、第1の硬化段階に達した後、高張力黄銅合金製品の材料が第2の硬化段階においてさらなる温度増加に達する前に、再軟化する温度範囲が存在する。第1の硬化段階は、450℃~480℃の最大温度を伴って、約440℃~470℃で開始する。第2の硬化段階は、約580℃~620℃で開始し、650℃~670℃以上で最大温度に達する。高張力黄銅合金は、より高い温度硬化最大値が、より低い温度で達した第1の硬化最大値より顕著に大きい硬度を有するような方法で調整することができる。したがって、合金は、例えば、第1の硬化最大値が、ブリネルによって約150~160(HB2.5/62.5)の硬度において約470℃の温度で達成することができるような方法で調整することができる;他方では、約650℃の温度で開始し、約170~180HB2.5/62.5以上の硬度を有する第2の硬化最大値に達する。第2の硬化段階の間のより高い強度は、固相析出、特にシリサイドが、より高いアニーリング温度においてより小さい粒度を有するという事実に関連している。これは、析出硬化と称することができる。温度ウィンドウは、一時的な軟化が生じ、かつ、硬度が典型的には再び150HB2.5/62.5未満に低下する場合;例えば、高張力黄銅合金の処理が冷間状態とは対照的に温感状態で、より有益に実行される場合には、ある特定の処理工程に利用することができる。このように、最大硬化温度間の温度ウィンドウは、例えば、処理ツールの節約にも利用することができる。
この発明に従う高張力黄銅合金は、完成した鋳造品、溶接された部品、完成した押出プレスの半製品として、又は圧縮及び延伸された製品として製造され、得られる、合金製品に利用することができる。所望される場合には、これらの合金製品に最終のアニーリング工程を想定することも可能である。
それらの変型に関しては、このタイプの高張力黄銅合金は、それらの熱間及び冷間成形特性に関して異なっており、それ故に、一方又は他方の合金の変型は、計画された製造プロセスに応じて選択される。合金から製造された半製品の熱間及び冷間成形特性は、特に銅の比例配分及び/又は亜鉛当量、並びにα/β相の混合物に依存する。この態様は、合金を顕著に変化させることなく、該元素のバリエーションに依拠するだけで、異なる成形特性をどのように調整することができるかを明示している。この基本的な合金について調整可能な異なる成形特性の他に、所望の要件に従って機械的強度値(降伏応力、最終的な引張強度)に対しても同じように調整することが可能である。利点は、同じ基本的な合金によって達成されうるという事実に基づいている。
本発明は、以下に具体的な実施態様に基づいて説明される。添付の図面を参照する。以下のように示されている。
光学顕微鏡下で見られる、第1の合金から作られた第1の被加工物の表面の画像。 走査型電子顕微鏡下で見られる図1に由来する試料の4つの画像。 EDX解析に供された、走査型電子顕微鏡下で見られる、図2の写真2及び3の画像。 腐食試験の実施後の前述の図の第1の合金に由来する試料の顕微鏡写真。 第1の比較合金に由来する、同じ腐食試験に供された試料の顕微鏡写真。 第2の比較合金に由来する、同じ腐食試験に供された試料の顕微鏡写真。 光学顕微鏡下で見られる、第2の試料に由来する試料の表面の画像。 走査型電子顕微鏡下で見られる、図7に由来する試料の2つの画像。 EDX解析に供された領域が印付けされている、走査型電子顕微鏡下で見られる、図8に由来する試料の1つの画像(写真1)。 第2の合金に由来するキャスティング試料の硬化ダイアグラム。 腐食試験を実施した後の第2の合金に由来する試料の顕微鏡写真。 光学顕微鏡下で見られる、第3の合金に由来する第1の試験片の表面の画像。 走査型電子顕微鏡下で見られる、図12に由来する試料の3つの画像。 EDX解析に供された領域が印付けされている、図13に由来する写真2の画像。 第3の合金に由来するキャスティング試料の硬化ダイアグラム。 腐食試験を実施した後の第3の合金に由来する試料の顕微鏡写真。 光学顕微鏡下で見られる、第4の合金に由来する試料の表面の画像。 走査型電子顕微鏡下で見られる、図17に由来する押出成形された試料の2つの画像。 EDX解析に供された領域が印付けされている、走査型電子顕微鏡下で見られる、図18(写真2)に由来する試料の画像。 第4の合金に由来するキャスティング試料の硬化ダイアグラム。 異なる硬化最大値で見られる、第4の合金に由来する構造の可視化のための2つの構造の写真。 腐食試験を実施した後の第4の合金に由来する試料の顕微鏡写真。
実験1:
以下の組成を有する合金を第1の試験シリーズの試験片へとキャスティングした:
Figure 0007072526000001
図1からキャスティングした試料の光学顕微鏡画像は、γ相及びシリサイドを有するα-β-マトリクス構造を示している。
図2に由来する走査型電子顕微鏡画像は、最小サイズの析出を示している。この析出は、約10μmの大きさである。
図2に由来する写真2及び3の走査型電子顕微鏡画像をEDX解析に供する。EDX解析が記録された領域は、図3に印付けされており、表1に記載されている。
Figure 0007072526000002
試料を、特にマクロ硬さ及びマイクロ硬さについての硬化研究に供した。マクロ硬さを、ブリネルに従って測定し、109HB2.5/62.5の結果を得た。マイクロ硬さは、ビッカースに従って確立した。124~136HV0.005のビッカース硬さを、マトリクスについて決定した。金属間相は、それらの本質そのものによって、はるかに硬くなる。第1の金属間相は499HV0.005のビッカース硬さを有しており、第2の金属間相は、725HV0.005のより大きい硬度を有していた。
この試料は、全体的に非常に微細な構造、高い強度及び硬度を示す。この試料は、全体的に良好な冷間成形特性を示す。
参照サンプルとともに、試料を腐食試験に供した。
腐食試験のために、サンプルを、モーターオイル、20%バイオエタノールE85(85%エタノール)及び硫酸の混合物中に途中まで浸漬した。pHを2.6に調整した。試験を、60℃の温度で行った。試料を、この混合物中で2日間保持し、次に、取り出し、光学顕微鏡下で解析した。
図4は、腐食試験に供された各試料部分を示している。図4に由来する光学顕微鏡画像のみが、非常にマイナーな局所的腐食性の攻撃の個別の事例を示している。これは、より深くに位置する材料が、効果的に腐食を免れることを意味する。上層に由来する残留物は、表面上で検出可能である。α相のみならず、粒界及びβ相もまた、腐食に対して耐性であることに留意すべきである。
図5は、同じパラメータを使用して生産され、次に腐食について試験された、合金CuZn37Mn3Al2PbSiでできた比較試料の結果を示している。局所的な層の形成が、はっきりと認められる(特に左の写真)。
同じパラメータを有する合金CuZn36から基準試料を生産し、次に、腐食について試験した(図6参照)。この試料は、腐食割れ及びプラグ脱亜鉛の形成を示す。
図6の一番下の行の右の写真は、硫酸でさらに処理した。
この試料の電気伝導率は8MS/mであり、基準合金CuZn37Mn3Al2PbSiの電気伝導率に対応する。電気伝導率は、約15.5MS/mの電気伝導率を有するもう一方の基準試料の電気伝導率と比較してかなり減少している。
実験2:
以下の組成を有する合金を第2の試験シリーズの試験片へとキャスティングした:
Figure 0007072526000003
図7からキャスティングした試料の光学顕微鏡画像は、埋め込まれたシリサイドを有するβ-α-マトリクスを示している。金属間相(ここではシリサイドである)の配分は約3.7%である。
図8に由来する走査型電子顕微鏡画像は、小さいサイズの析出物を示している。シリサイドは、8~12μmのサイズを有する。α相は、長手方向の延長線上に約100~120μmの粒度を伴って、図示される走査面方向に細長い。
図9は、図8に由来する試料の領域の走査型電子顕微鏡画像を示している(写真1)。EDX解析に供される領域は、図9に印付けされており、表2にまとめられている。
Figure 0007072526000004
結果として、マンガンは、主としてα相及びβ相において結合しているが;スズは、β相に溶解するという知見が得られる。
試料を、特にマクロ硬さ及びマイクロ硬さについての硬化研究に供した。ブリネルに従ってマクロ硬さを測定し、96HB2.5/62.5の結果を得る。ビッカースに従ってマイクロ硬さを確立した。マトリクスのビッカース硬さを決定した:α相で88HV0.005及びβ相で125HV0.005。金属間相は、それらの本質そのものによって、はるかに硬くなる。約518HV0.005の硬度値を本明細書において確立した。
押出成形された試料を、特にマクロ硬さ及びマイクロ硬さについての硬化研究にも供した。ブリネルに従ってマクロ硬さを測定し、86~100HB2.5/62.5の結果を得た。マイクロ硬さは、ビッカースに従って確立した。ビッカース硬さを、マトリクスにおいて決定した:α相で86HV0.005及びβ相で122HV0.005。金属間相は、それらの本質そのものによって、はるかに硬くなる。約707HV0.005の硬度値を本明細書において確立した。
押出成形された試料を引張試験に供し、それらの強度値を決定した。押出成形の開始時及び終了時の試料に試験を行った。このように、プレス温度の関数としての強度値に関する情報を得ることが可能である。典型的には、プレス温度は、このような試料の押出成形の終わりにおけるプレスと比較して、プレス工程の開始時に幾分高い。押出成形されたバーの試験試料は、これらの強度値を生じた:
Figure 0007072526000005
先行情報の変動範囲は、試料が採取された位置の違い(プレスの開始時及び/又は終了時)に基づいている。この実施態様では、より高い引張値は、押出プレスの終了時に採取したサンプルについて確立され、より低い値は、プレスの開始時に採取した試料に基づいて決定される。破断伸びについては、この関係が逆転している。より低い値は、ここでは、押出プレスの終了時に採取した試料に由来している。
図10は、この合金から採取された試料がアニーリングに供されたときの硬化挙動を実証している。試料は、徹底的に加熱されるような温度まで加熱され、次に、その温度で維持され、空気中で冷却された。アニーリング温度のグラフは、硬化最大値が約730℃に達したことを明確に示している。
この試料は、全体的に非常に微細な構造、高レベルの強度及び硬度を示す。この試料は、良好な冷間成形特性を有する。
準サンプルとともに、試料を腐食試験に供した。腐食試験は、先に実験1で述べたのと同じ方式で行われた。実験1で用いられたものと同じ基準サンプルを、ここでは再利用した。図5及び6、並びに記述の関連する部分に対して言及がなされる。
図11は、腐食処理の後に撮られた第2の合金に由来する試料の2つの光学顕微鏡写真を示している。最上層の形成を観察することができる(左の写真を参照)。最上層は、マイナーな局所的な腐食性の攻撃のまれな事例のみを伴って、良好な付着を示している。これは、その下の材料が腐食から効果的に免れることを意味する。この試料では、α相の他に、粒界及びβ相もまた、腐食に耐性である。
この試料の電気伝導率は、8.7MS/mであり、基準合金CuZn37Mn3Al2PbSiの電気伝導率に対応する。電気伝導率は、約15.5MS/mの電気伝導率を有する他の基準試料の電気伝導率と比較して、大幅に低下している。
実験3:
以下の組成を有する合金を第1の試験シリーズの試験片へとキャスティングした:
Figure 0007072526000006
図12からキャスティングした試料の光学顕微鏡画像は、埋め込まれたα相及びシリサイドを有するβ相でできている構造を示している。シリサイドは、約10μmの幅を有する断面の図示された平面において、細長い。α相もまた、長手方向の伸長が約60~70μmの細長い粒子である。
この合金は、熱間成形プロセスに供される合金製品の製造に特に適している。
図13に由来する走査型電子顕微鏡画像は、構造及び小さいサイズの析出物を示している。
図13に由来する走査型電子顕微鏡画像の写真2を、EDX解析に供する。EDX解析が記録された領域は図14に印付けされており、表1にまとめられている。
Figure 0007072526000007
結果として、我々は、マンガンは、主としてα相及びβ相において結合しているが、スズはβ相中に溶解しているという知見を確立することができる。
押出成形された試料はまた、特にマクロ硬さ及びマイクロ硬さについての硬化研究にも供された。ブリネルに従ってマクロ硬さを測定し、113~122HB2.5/62.5の結果を得た。ビッカースによってマイクロ硬さを確立した。マトリクスのビッカース硬さを決定した:α相で82HV0.005及びβ相で155HV0.005。金属間相は、それらの本質そのものによって、はるかに硬くなる。約980HV0.005の硬度値を本明細書において確立した。
押出成形された試料を引張試験に供し、強度値を決定した。押出成形の開始時及び終了時に由来するサンプルに試験を行った。このようにして、プレス温度の関数である、強度値に関する情報を得ることが可能である。典型的には、プレス温度は、このような試料押出成形の終端領域と比較して、プレス処理の開始時において幾分高い。押出成形されたバーの試験サンプルは、結果的にこれらの強度値を生じた:
Figure 0007072526000008
先行情報の変動範囲は、プレスの開始時及び/又は終了時に試料が採取された位置の違いに基づいている。この実施態様では、プレスの終端から採取されたサンプルについてはより高い引張値が確立され、より低い値は、開始端から採取されたサンプルに基づいて決定される。興味深いことに、この実施態様では、破断伸びについてのより高い値もまた、プレスの終端に由来する。これは、試料が、より大きい強度を有しているにもかかわらず、より高い破断伸びも有するという点で、予想外である。これらの試料が、実験2のものと同様の挙動をするであろうことが予想されていた。
図15は、この合金から製造された試料をアニーリングする間の硬化挙動を示している。実験2に記載されているものと同じ方法で試験を行った。どうやら、約470℃で硬化最大値に達するようである。さらなる温度上昇に伴って、軟化が起こったのに続いて、約620℃の後の新たに上昇した硬化が生じた。
基準サンプルとともに、試料を腐食試験に供した。
腐食試験の目的で、サンプルを、モーターオイル、20%バイオエタノールE85(85%エタノール)及び硫酸からなる混合物中に半分浸した。pHを2.6に調整した。60℃で実験を行った。試料を、この混合物中で2日間保持し、その後取り出し、光学顕微鏡下で分析した。
図16は、幾つかの顕微鏡写真における、腐食試験に供された試料の一部分を示している。図16の光学顕微鏡画像は、非常にマイナーな局所的腐食性の攻撃のみを示している。これは、より深い位置にある材料が、効果的に腐食を免れていることを意味する。注目すべきは、より深い位置にある領域を腐食から保護する最上層の形成である。この層は、その厚さに関して図に示されている。図16の最上層は、より明確にするために点線でトレースされている。実験に示されるように、この最上層は、良好な接着品質を有する。α相のみならず、粒界及びβ相もまた、腐食耐性であることに留意すべきである。
試料を、参照サンプルとともに、実験1において先に述べたように腐食試験に供した。実験1と同じ基準試料を使用した。図5及び6並びに本明細書の関連する部分を参照する。
この合金に由来する試料の電気伝導率は、10MS/mであり、したがって、比較合金CuZn37Mn3Al2PbSiと同程度の大きさである。
実験4:
以下の組成を有する合金を第2の試験シリーズの試験片へとキャスティングした:
Figure 0007072526000009
図17に示されるキャスティング試料の光学顕微鏡画像は、埋め込まれたα相及びシリサイドを有するβ相で出来ている構造を示している。シリサイドは、断面の図示された平面内に細長い形状を有する。幅は約10~20μmである。
この合金は、熱間成形プロセスが想定される合金製品の製造に特によく適している。
図18の走査型電子顕微鏡画像は、識別可能な比較的小さなサイズの析出物を示している。
図19は、図19の試料の領域の走査型電子顕微鏡下で見られる画像を示している(写真2)。EDX解析に供される領域は、図19に示されており、表4にまとめられている。
Figure 0007072526000010
結果的に、マンガンは、主にα相及びβ相、シリサイドにおいて結合しているが、スズはβ相中に溶解していることが判明した。
押出成形された試料を、特にマクロ硬さ及びマイクロ硬さについての硬化研究にも供した。マクロ硬さは、ブリネルによって測定され、121~126HB2.5/62.5の結果が得られる。マイクロ硬さは、ビッカースによって確立した。マトリクスにおいて、α相で97HV0.005のビッカース硬さ、β相で168HV0.005が決定された。金属間相は、それらの本質のために、はるかに硬くなる。約1070HV0.005の硬度値を本明細書において確立した。
押出成形された試料を引張試験に供し、それらの強度値を決定した。プレスの開始時及び終了時に由来するサンプルに試験を行った。このようにして、プレス温度の関数としての強度値に関する情報を得ることが可能である。典型的には、プレス温度は、このような試料押出成形の終端領域と比較して、プレス処理の開始時において幾分高い。押出成形されたバーの試験サンプルは、これらの強度値を生じた:
Figure 0007072526000011
先行情報の変動範囲は、試料がプレスの開始時及び/又は終了時に採取された位置の違いに基づいている。この実施態様では、より高い引張値は、プレスの主担から採取されたサンプルについて確立され、より低い値は、プレスの開始時に採取したサンプルに基づいて決定される。興味深いことに、この実施態様では、破断伸びについてのより高い値もまた、プレスの終わりにおける試料に由来する。これは、より大きい強度も有しているにもかかわらず、サンプルがより高い破断伸びを有するという点で予期しないことである。これらのサンプルは、実験2におけるサンプルのような挙動をするであろうことが予想されていた。
図20は、この合金から製造された試料のアニーリングの間の硬化挙動を示している。試験は、実験2において先に述べたものと同じ方法で行われる。第1の硬化最大値は約450℃~510℃においてであることが、はっきりと認められる。軟化後、この硬化最大値に続いて、約670℃でさらなる硬化最大値に達する。
図21は、特に、520℃における(左の写真)、硬化最大値に達した際の構造状態における、及び第2の硬化最大値に達した後、すなわち770℃における(右の写真)、実験4に由来する合金の試料の構造画像の並置を示している。上記温度に達した後、これらのサンプルを水中で急冷して、アニーリング温度構造体を凝固させた。並置した2つの構造画像は、より高い硬化最大値を有する構造体(右の写真)が、はるかに細かい粒度を有していることを明確に示している。理由は、硬化相、特にシリサイドの非常に細かい析出にある。非常に微細な硬質相の析出物に起因するより大きな硬度は、析出硬化と称することもできる。
試料を基準試料とともに腐食試験に供した。実験1に関して先に説明したように、腐食試験を行った。基準試料は、実験1で用いたものと同じであった。この点に関しては、図5及び6並びに明細書の関連部分を参照されたい。
図22は、光学顕微鏡下で見られる腐食処理後の第2の合金に由来する試料の2つの写真を示している。最上層の形成を観察することができる。材料のより深い位置にある層は、それによって、腐食を効果的に免れている。図21の左の写真では、最上層は、点線としてトレースされている。α相の他に、この試料においても、粒界及びβ相は腐食に対しても耐性である。
この合金に由来する試料の電気伝導率は10MS/mであり、したがって、比較合金CuZn37Mn3Al2PbSiのものと同程度の大きさである。

Claims (16)

  1. 56~62質量%のCu;
    1.5~2.3質量%のMn;
    1.4~2.2質量%のSn;
    0.1~0.7質量%のFe;
    最大で0.3質量%のNi;
    最大で0.5質量%のAl;
    0.25~0.85質量%のSi;
    残余のZn及び不可避不純物
    からなる無鉛黄銅合金であって、
    n含量が、Sn含量よりも8%~15%多い、無鉛黄銅合金。
  2. 57~61.5質量%のCu;
    1.7~2.2質量%のMn;
    1.5~2.1質量%のSn;
    0.1~0.7質量%のFe;
    最大で0.3質量%のNi;
    最大で0.5質量%のAl;
    0.3~0.7質量%のSi;
    残余のZn及び不可避不純物
    からなる、請求項1に記載の無鉛黄銅合金。
  3. 57~61.5質量%のCu;
    1.7~2.2質量%のMn;
    0.6~1.2質量%のSn;
    0.1~0.7質量%のFe;
    最大で0.3質量%のNi;
    最大で0.5質量%のAl;
    0.3~0.7質量%のSi;
    残余のZn及び不可避不純物
    からなる無鉛黄銅合金であって、
    n含量が、Sn含量よりも65%~85%多い、無鉛黄銅合金。
  4. Fe含量が0.3~0.5質量%である、請求項1に記載の無鉛黄銅合金。
  5. Sn含量が1.9~2.1質量%である、請求項1に記載の無鉛黄銅合金。
  6. Sn含量が0.9~1.1質量%である、請求項3に記載の無鉛黄銅合金。
  7. Fe含量が0.3~0.5質量%である、請求項3に記載の無鉛黄銅合金。
  8. 53~59質量%のCu;
    1.6~2.5質量%のMn;
    0.55~1.4質量%のSn;
    0.1~0.7質量%のFe;
    最大で0.2質量%のNi;
    最大で0.3質量%のAl;
    0.15~1質量%のSi;
    残余のZn及び不可避不純物
    からなる無鉛黄銅合金であって、
    n含量が、Sn含量よりも65%~90%多い、無鉛黄銅合金。
  9. 53~59質量%のCu;
    1.6~2.5質量%のMn;
    1.2~2.2質量%のSn;
    0.1~0.7質量%のFe;
    最大で0.2質量%のNi;
    最大で0.3質量%のAl;
    0.15~1質量%のSi;
    残余のZn及び不可避不純物
    からなる無鉛黄銅合金であって、
    n含量が、Sn含量よりも0%~25%多い、無鉛黄銅合金。
  10. Sn含量が0.6~1.3質量%である、請求項8に記載の無鉛黄銅合金。
  11. Sn含量が1.3~2.1質量%である、請求項9に記載の無鉛黄銅合金。
  12. 請求項8に記載の無鉛黄銅合金から製造された、黄銅合金製品であって、
    黄銅合金製品が、押出成形され、かつ240~250N/mmのRp0.2及び530~550N/mmのRの引張強度値、並びに、20%~30%の破断伸び値を有する、黄銅合金製品。
  13. 請求項9に記載の無鉛黄銅合金から製造された、黄銅合金製品であって、
    黄銅合金製品が、押出成形され、かつ260~270N/mmのRp0.2、及び520~550N/mmのRの引張強度値、並びに、15%~25%の破断伸び値を有する、黄銅合金製品。
  14. 電気伝導率が12MS/m未満である、請求項1に記載の無鉛黄銅合金。
  15. 黄銅合金製品が、オイル環境で軸受とともに使用するための軸受部品である、請求項1に記載の無鉛黄銅合金から製造された、黄銅合金製品。
  16. 軸受部品が、ターボチャージャ用の部品である、請求項15に記載の黄銅合金製品。
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