JPH03215642A - 非焼付性、耐摩耗性および耐蝕性に優れた摺動用銅基合金 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、非焼付性、耐摩耗性および耐蝕性に優れた摺
動用銅基合金に係わり、さらに詳しく言えば、苛酷な摺
動条件下で使用される機器材料、例えばターボチャージ
ャーの７ローティングベアリング（浮動ブシュ軸受）用
材料として適する摺動用銅基合金に関するものである。

よび　　が解決しようとする課題 一般に、ターボチャージャーの浮動ブシ１軸受の材料と
して、例えば■快削黄銅系合金（ＪＩＳＨ　３　２　５
　０　）　、■鉛青銅系合金（ＪＩＳＨ５１１５）、■
本出願人による先願特許発明としての低摩擦高力黄銅合
金としての特公昭５３−４４１３５号公報および特公昭
５６−１　１　７３５号公報が存在する。

合金■、■については、劣化オイルに対する耐蝕性が、
高温および境界ｒＩｉ滑条件下での非焼付性、耐摩耗性
について十分満足できるものではなかった。

また、合金■については、そのマトリックスがα＋β相
の混合組織あるいはβ相の単独組織であるため、冶金学
上多くのＰｂを含有させることができず、耐焼付特性に
劣っていた。

近年、エンジンの過給化は急速に進み、内燃機関（エン
ジン）に装着されるターボチャージャーの軸受部等に使
用される浮動プシュ軸受は、周囲温度、給油量、オイル
劣化度等の作動条件がますます厳しくなってきている。

そのうち、特にタービンからの熱伝導によって軸受温度
が４００℃前後の高温になるため、オイルの性状および
温度の影響によって潤滑油中の硫黄が軸受メタルの銅と
化合して硫化銅（Ｃｕｂ）なる化合物を作り、軸受メタ
ル表面にこの硫化銅を主成分とする黒化物層が軸受メタ
ル表面に形成される。これが稼動時間の経過とともに成
長して使用中に摩耗剥離をおこし、ついには浮動ブシュ
軸受としての機能を維持し得なくなることが大きな問題
となっている。

また、３００℃を越えるドライアップ時における潤滑停
止後の非焼付性においても充分満足できるものではなく
、大きな問題となっている。

なお、ドライアップとは、高温での潤滑油による潤滑作
用が停止した状態を言う。より詳しく言えば、ターボチ
ャージャーは排気ガスのもっている高温高圧のガスエネ
ルギーを使ってタービン舅を回転させ、それと同軸のコ
ンブレッサーを回転させる構造になっており、エンジン
稼働状態で作動する、そのため、例えば高速運転直後の
エンジン停止時には、ｌｌＩ！Ｉ滑油圧力がなくなって
油冷を期待できず。高温のタービンハウジングに蓄えら
れていた熱エネルギーが熱伝導により低温側に流入して
ベアリング部の温度を上昇させる。前述の問題は、この
現象に付随する問題である。

一般に、ターボチャージャーの浮動プシュ軸受用の材料
として、銅、鉛、錫を主成分とする鉛青銅系合金および
銅、亜鉛、鉛を主成分とする快削黄銅系合金が主として
使用されている。しかるに、鉛青銅系軸受では、温度３
００℃に達するドライアップ時に潤滑油中の硫黄分と銅
とが反応して黒化物層の生成が促進され、さらに表面の
摩耗が急激に進行する。また一方、快削黄銅系合金は耐
食性に優れるものの、潤滑停止後の潤滑油との親和力に
劣るため、比較的早期に焼付きまたはかじりを生じるこ
とがあった。

本発明は、斯かる技術的背景の下に創案されたものであ
り、過給機に代表される高速、高温ならびに高腐食環境
なる厳しい使用条件下においても、摩耗に十分耐え、優
れた非焼付性を有し、かつ優れた耐食性を有する高性能
耐摩耗材料としての新規な摺動用銅基合金を提供するこ
とをその目的とする。

課題を解決するための手段 この目的は■１．０〜３．５ｗｔ％Ｍｎ，Ｐｂ……３〜
１．　５ｗｔ％Ｓ　ｉ　、１０〜２５ｗｔ％Ｚｎ１　５
〜１Ｂｗｔ％Ｐｂ，残部一不可避不純物およびＣｕを有
するとともに、前記Ｐｂが全組織中に均一にを有すると
ともに、前記Ｐｂがα相の単一組織から成っていること
を特徴とする摺動用銅基合金、あるいは■１．０〜３．
５ｗｔ％Ｍｎ，Ｐｂ……３　〜２５ｗｔ％Ｓｉ，１０　
〜２５ｗｔ％ｌｎ１５〜１８ｗｔ％Ｐｂ、Ｐｂ……０２
〜１，５ｗｔ％ＭｇおよびＰｂ……１〜２５ｗｔ％丁ｅ
の２成分のうちの少なくとも一種、残部一不可避不純物
とＣｕを有するとともに、前記Ｐｂが全組織中に均一に
を有するとともに、前記Ｐｂが？相の単一組織から成っ
ていることを特徴とする摺動用銅基合金、あるいは■１
．０〜３．５ｗｔ％Ｍｎ，Ｐｂ……３　〜２５ｗｔ％Ｓ
　ｉ　、１　０　〜２５ｗｔ％Ｚｎ，５　〜１８ｗｔ％
Ｐｂ，Ｐｂ……５　〜１８ｗｔ％ＮｉおよびＰｂ……３
〜３．■ｗｔ％Ａ１の２成分のうちの少なくとも一種、
残部＝不可避不純物およびＣｕを有するとともに、前記
Ｐｂが全組織中に均一にを有するとともに、前記Ｐｂが
α相の単一組織から成っていることを特徴とする摺勤用
銅基合金、あるいは■１．０〜３．５ｗｔ％Ｍｎ，Ｐｂ
……３〜１，５ｗｔ％Ｓｉ、１０　〜２５ｗｔ％ｌｎ１
５〜１８Ｗｔ％Ｐｂ，Ｐｂ……０２　〜２５Ｗｔ％ＭＯ
およびＰｂ……１〜２５ｗｔ％Ｔｅの２成分のうちの少
なくとも一種、Ｐｂ……５〜３．０Ｗｔ％ＮｉおよびＰ
ｂ……３〜３．Ｑｗｔ％Ａ１の２成分のうちの少なくと
も一種、残部一不可避不純物およびＣＵを有するととも
に、前記Ｐｂが全組織中に均一にを有するとともに、前
記Ｐｂがα相の単一組織から成っていることを特徴とす
る摺動用ｍｌ！合金を提供することによって達成される
。

該銅基合金における各合金成分の添付理由および含有量
限定理由は以下のとおりである。

（１）Ｚｎ　：　１０　〜２５重量％ Ｚｎは、強度、耐摩耗性及び潤滑油に対する耐腐食性を
付与する効果を有する。その添加置は、他の添加成分の
亜鉛当量および添加量によって違ってくるが、１０％未
満では上記の効果が少ない。

さらにα＋β相を生ずると従来の非焼付性を付与するた
めの鉛の添加曾が抑制されるため、あくまでもα相単一
組織とすることを原則とし、またα相内に鉛の最少添加
優５％を確保するためにおいでもＺｎの最大添加量は２
５％とする。

（２）Ｍｎ　：　１．０　〜３．５重験％Ｍｎは、３ｉ
とＭｎＳｉ３なるすべり特性に５ 優れた金属間化合物を形成し、耐摩耗性及び耐焼付性の
向上に寄与するとともに、金属間接触の発生時に素地の
流動を阻止する。ｌｖｌｎの含有量が１．０％未満では
その効果は少なく、また３．５％を越える含有量ではそ
の効果が飽和するのみならす、合金の脆化を生じる。

３ｉは、前述のようにＭｎとの間で Ｍｎ５Ｓｉ３なる化合物を形成し、耐摩耗性及び耐焼付
性の向上に寄与する。その含有量は、ＭｎＳｉ３化合物
の構成割合により決定され、５ Ｍｎ対Ｓ１の重量比で１：Ｐｂ……３の割合のとき全３
ｉが化合物となる。ゆえに、３ｉは最低Ｐｂ……３重量
％が必要であり、また上限の２５％を越えると、遊離３
ｉの晶出が多くなりすぎて合金の脆化を招く。

（４）Ｐｂ：５〜１８重量％ Ｐｂは自己潤滑性を有し、摩擦熱によって溶融し、摺動
面に流動して数ミク０ンの薄膜を形成するため、非焼付
性に優れた結果をもたらすとともに切削性をも改善する
。

このような数ミクロンの膜を形成するためには、合金中
におけるＰｂの組成が少なくとも５％以上必要である。

しかし、Ｐｂの増加に伴い合金の強度が低下するため、
１８％をその上限とする。以上の理由により、Ｐｂの添
加量は５〜１８！ｌ量％とする。

（５）ＭＱ　：Ｐｂ……０２〜２５重量％Ｍａは、Ｐｂ
を均一分散させるのに有効であるとともに、マトリック
スの強化改善にも効果がある。その添加一がＰｂ……０
２％以下では前記効果は少なく、多過ぎるとＭｑとＰｂ
の金属間化合物が晶出しすぎてＰｂの自己ｒＩＪ滑作用
が損われる。以上の理由により、Ｍｕの添加量はＰｂ…
…０２〜２５重量％とする。

（６）Ｔｅ　：Ｐｂ……１　〜２５１量％−ｒ　ｅは、
少盪の添加でＰｂの均一分散性、非焼付性および靭性を
向上させるとともに、耐腐食性の改善にも効果がある。

但し、Ｐｂ……１重量％より少では、その効果を期待で
きず、２５重量％より多く添加すると、コスト高になる
上、効果が格別向上するわけでもなく、利点が少ない。

ゆえに、Ｔｅの添加量はＰｂ……１〜２５重喰％とする
。

（７）Ｎｉ：Ｐｂ……５〜３．０重量％Ｎｉはマトリッ
クスを強化し、強度を向上させ耐摩耗性を＾める。さら
に、Ｎｉは、再結晶温度を上昇させ、熱間塑性加工時の
結晶粒粗大化防止効果がある。但し、Ｐｂ……５重置％
未渦においては上記の効果は認められず、また３％を越
えると疲労強度、耐衝撃性を著しく低下させる。それゆ
えに、該添加壷をＰｂ……５〜３．０重量％とする。

（８）ｉ　：　Ｐｂ……３〜３．０重最％Ａｌｌはマト
リックスの強化に有効である。その添加量がＰｂ……３
重量％より少ないと、強度に及ぼす効果は期待できず、
３．０重量％より多いと、脆化及び結晶粒が粗大化する
弊害を生じる。したがって、該添加量をＰｂ……３〜３
．０重量％とする。

試験例１（本発明合金） 第１表に示す船１〜社９の組成の合金を連続鋳造法によ
り鋳造後、押出し加工、引抜き加工を行なって直径３５
ｍｍの棒状体を作成し、次いで該棒状体を加工して焼付
試験、摩耗試験、腐食試験用の試料を得た。

該試料の、各種試験条件を第２表ないし第４表に示し、
また焼付試験結果を第５表に、摩耗試験結果を第６表に
、代表的な腐食試験結果を第８表にそれぞれ示す。

試験例２（従来合金） 第１表に示すＮＱＩＯ−ＮＣＬ１３組成の合金を連続鋳
造法により鋳造後、押出し加工、引扱き加工を行なって
直径３５ｊｌｌｌｌＩの棒状体を作成し、次いで該棒状
体を加工して試験例１と同じ様な試験用の試料を得た。

該試料の、各種試験条件を第２表ないし第４表に示し、
試験結果を第５表ないし第８表にそれぞれ示す。

なお、各試験例は連続鋳造法で作成した試料についてこ
れを行ったが、ざらに冒注鋳造法等の方法によっても同
じ様な効果が得られ、鋳造方法について、特に限定がな
されるものではなレ１。

第 ｌ 表 第 ２ 表 第 ３ 表 第 ４ 表 第 ５ 表 ○：焼付かず ■：試験結果のバラツキ 第 ６ 表 第 ７ 表 第 ８ 表 ［試験結果の評価］ ■　第５表の焼付試験結果を比較すると、従来合金の快
削黄銅系（ＮＱ１０）、高力黄銅系（順１２、１３）に
比して、本発明品はいずれも最＾荷重５００＃ｆ／ｃｍ
２でも焼付が発生しないことが判る。

■　第７表に示すように試料を実機に組み込み、一定回
転数にて、油をＯＮ・ＯＦＦさせて行った焼付試験テス
トにおいても、本発明品では焼付が認められない。本発
明品は、摺動材料として極めて優れた性能を示し、浮動
ブシュ軸受用金属として十分満足すべき成果を収め得る
ことが明らかである。

■　第６表の摩耗試験結果について比較してみると、本
発明品は、いずれも従来品に比し摩耗量が小さいことが
判り、優れた耐摩耗性を有していることが明らかである
。

なお、ブシュ摩耗試験は、潤滑油使用による湿式法でこ
れを行い、摩擦の相手部材としては一般軸材用Ｓ５５Ｃ
の焼入れ品を用いた。

■　本発明品と従来品の代表的な腐食テストについても
、第８表に示すように、本発明品の方が良い結果を示し
ている。

発明の効果 本発明の銅基合金は、従来合金に比べ、耐焼付性に優れ
、しかも耐摩耗性、耐腐食性やなじみ性にも優れた合金
である。特に、高性能、長寿命の要求されるターボチャ
ージャー等の摺動材として卓越した性能を有している。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 （１）下記化学組成： Ｍｎ……１．０〜３．５ｗｔ％、 Ｓｉ……０．３〜１．５ｗｔ％、 Ｚｎ……１０〜２５ｗｔ％、 Ｐｂ……５〜１８ｗｔ％ 残部……不可避不純物およびＣｕ を有するとともに、前記Ｐｂが全組織中に均一に分散し
   、マトリックスがα相の単一組織から成つていることを
   特徴とする非焼付性、耐摩耗性および耐蝕性に優れた摺
   動用銅基合金。 （２）下記化学組成： Ｍｎ……１．０〜３．５ｗｔ％、 Ｓｉ……０．３〜１．５ｗｔ％、 Ｚｎ……１０〜２５ｗｔ％、 Ｐｂ……５〜１８ｗｔ％ ０．０２〜１．５ｗｔ％Ｍｇおよび０．１〜１．５ｗｔ
   ％Ｔｅの２成分のうちの少なくとも一種、 残部としての不可避不純物とＣｕ を有するとともに、前記Ｐｂが全組織中に均一に分散し
   、マトリックスがα相の単一組織から成っていることを
   特徴とする非焼付性、耐摩耗性および耐蝕性に優れた摺
   動用銅基合金。 （３）下記化学組成： Ｍｎ……１．０〜３．５ｗｔ％、 Ｓｉ……０．３〜１．５ｗｔ％、 Ｚｎ……１０〜２５ｗｔ％、 Ｐｂ……５〜１８ｗｔ％ ０．５〜３．０ｗｔ％Ｎｉおよび０．３〜３．０ｗｔ％
   Ａｌの２成分のうちの少なくとも一種、残部……不可避
   不純物およびＣｕ を有するとともに、前記Ｐｂが全組織中に均一に分散し
   、マトリックスがα相の単一組織から成っていることを
   特徴とする非焼付性、耐摩耗性および耐蝕性に優れた摺
   動用銅基合金。 （４）下記化学組成： Ｍｎ……１．０〜３．５ｗｔ％、 Ｓｉ……０．３〜１．５ｗｔ％、 Ｚｎ……１０〜２５ｗｔ％、 Ｐｂ……５〜１８ｗｔ％ ０．０２〜１．５ｗｔ％Ｍｇおよび０．１〜１．５ｗｔ
   ％Ｔｅの２成分のうちの少なくとも一種、 ０．５〜３．０ｗｔ％Ｎｉおよび０．３〜３．０ｗｔ％
   Ａｌの２成分のうらの少なくとも一種、残部……不可避
   不純物およびＣｕ を有するとともに、前記Ｐｂが全組織中に均一に分散し
   、マトリックスがα相の単一組織から成っていることを
   特徴とする非焼付性、耐摩耗性および耐蝕性に優れた摺
   動用銅基合金。