JP7070378B2 - 燃料噴射システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃料噴射システムに関する。
燃料タンクと燃料噴射弁とを接続する燃料経路の途中に、高圧燃料が蓄圧される蓄圧容器としてのコモンレールを配置し、コモンレール内の高圧燃料を燃料噴射弁から噴射させる燃料噴射システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の燃料噴射システムにおいては、コモンレールに減圧弁を設け、減速時等に減圧弁を開いてコモンレール内の燃料圧力を目標圧まで速やかに低下させることが行われている。また、この特許文献1に記載のものでは、減圧弁の通電時間に対するコモンレール内の燃料圧力の降下量を検出することで減圧弁の流量特性を学習し、その学習結果を用いて減圧弁の通電時間を補正する制御を行っている。
特開2008-128163号公報
多気筒の内燃機関において、燃料噴射弁を減圧弁として用いてコモンレール内の燃料圧力を低下させる場合、内燃機関の運転状態によっては、減圧弁として用いる燃料噴射弁の数に制限が設けられることがある。こうした状況において、減圧弁として用いる燃料噴射弁の数が制限されていない場合と同様の制御によりコモンレール内の燃料圧力を低下させるものとすると、コモンレール内を速やかに減圧できず、コモンレールの内部燃料の圧力制御の精度が低下することが懸念される。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、蓄圧容器の内部燃料の圧力制御の精度を向上させることができる燃料噴射システムを提供することを主たる目的とする。
上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
本発明は、燃料を高圧状態で蓄える蓄圧容器(11)と、内燃機関の複数の気筒に対し気筒毎に設けられ前記蓄圧容器内の高圧燃料を噴射する燃料噴射弁(20)とを備える燃料噴射システムに関する。請求項1に記載の発明は、前記燃料噴射弁は、前記蓄圧容器からの前記高圧燃料が高圧燃料通路(13,14)を通じて供給される制御室(36,46)と、前記制御室の内部の燃料圧力に応じて軸方向に移動することにより噴射孔(34)から燃料を噴射させるニードル弁(31)と、通電に伴い開弁して前記制御室の内部の燃料圧力を調整する圧力調整弁(52)と、を有しており、前記蓄圧容器の内部燃料を減圧させる減圧要求が生じた場合に、複数の前記燃料噴射弁のうち1つ以上の前記燃料噴射弁に通電して前記圧力調整弁を開弁することにより、当該通電の対象としている前記燃料噴射弁の前記噴射孔からは燃料を噴射させずに前記蓄圧容器の内部燃料を減圧させる減圧駆動制御を実施する減圧制御部と、前記減圧要求に伴い前記減圧駆動制御の実施を指令する前記燃料噴射弁の数を設定する減圧数設定部と、を備え、前記減圧制御部は、前記減圧数設定部により設定された前記燃料噴射弁の数に基づいて、前記減圧駆動制御を実施する前記燃料噴射弁の通電時間を制御する。
上記構成によれば、減圧駆動制御の実施対象とする燃料噴射弁の数に応じて、その実施対象の燃料噴射弁の通電時間を制御する構成とした。蓄圧容器の減圧に用いる燃料噴射弁の数が制限される状況において、その制限が課されていない場合と同様の通電時間により燃料噴射弁を制御するものとすると、蓄圧容器から排出される燃料流量が少なすぎる場合がある。かかる場合、蓄圧容器の内部燃料を速やかに減圧できないことが懸念される。これに対し、上記構成によれば、蓄圧容器の内部燃料の減圧の実施対象とする燃料噴射弁の数に応じて、燃料噴射弁の通電時間を可変に制御するため、減圧駆動制御の実施対象とする燃料噴射弁の数が制限されている場合にも、その数に応じて適切な通電時間を設定することができる。その結果、蓄圧容器の内部燃料の圧力を目標圧まで速やかに減圧させることができ、ひいては蓄圧容器の内部燃料の圧力制御の精度を向上させることができる。
燃料噴射システムの概略構成を示す図。 燃料噴射弁の噴射率パターンの一例を示す図。 閉弁時の燃料噴射弁を表す図。 高速開弁モードの燃料噴射弁の動作を説明する図。 高速開弁モードから高速閉弁モードへ移行するときの燃料噴射弁の動作を説明する図。 高速閉弁モードの燃料噴射弁の動作を説明する図。 低速開弁モードの燃料噴射弁の動作を説明する図。 低速開弁モードから低速閉弁モードへ移行するときの燃料噴射弁の動作を説明する図。 低速閉弁モードの燃料噴射弁の動作を説明する図。 第2開閉弁による減圧動作を示す図。 燃料噴射弁の減圧駆動制御を表すタイムチャート。 レール圧の減圧要求が生じた場合の燃料噴射弁の駆動制御の具体的態様を示すタイムチャート。 減圧駆動時の通電時間補正を説明する図。 燃料噴射弁の減圧駆動制御の処理手順を示すフローチャート。 減圧駆動本数の設定用マップを示す図。 減圧流量特性マップを示す図。
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の各実施形態の相互において、互いに同一又は均等である部分には図中、同一符号を付しており、同一符号の部分についてはその説明を援用する。
本実施形態は、内燃機関である車載多気筒ディーゼルエンジンに適用される燃料噴射システムに具体化している。この燃料噴射システムでは、電子制御ユニット(以下、「ECU」という。)を中枢としてエンジンの燃料噴射を制御している。図1に示すように、燃料噴射システム10は、コモンレール11、燃料噴射弁20及びECU90を備える。
図1において、コモンレール11は、図示しない高圧ポンプの下流側に接続されており、高圧ポンプで高圧化された燃料(以下「高圧燃料」という。)が供給される。コモンレール11の内部には、高圧ポンプから圧送された高圧燃料が高圧状態で保持される。コモンレール11には、コモンレール11の内部の燃料圧力(以下「レール圧」という。)を低下させる減圧弁が設けられていない。
コモンレール11には、高圧配管12を介して燃料噴射弁20が接続されている。燃料噴射弁20は、エンジン70の燃焼室内に燃料を直接噴射する直噴式であり、複数の気筒(本実施形態では4気筒)のそれぞれに1本ずつ取り付けられている。なお、図1には、1つの気筒の燃料噴射弁20のみを示し、残りの気筒については燃料噴射弁20の記載を省略している。
ECU90は、CPU、ROM、RAM、駆動回路、入出力インターフェース等を含むマイクロコンピュータである。ECU90には、エンジン70の回転速度を検出するクランク角センサ、アクセル操作量を検出するアクセルセンサ等の各種センサから検出信号が逐次入力される。ECU90は、エンジン回転速度やアクセル操作量等のエンジン運転情報に基づいて最適な燃料噴射量及び噴射時期を算出し、それに応じた通電パルス(噴射信号)を燃料噴射弁20に出力する。これにより、各気筒において燃料噴射弁20による燃料噴射が制御される。
次に、燃料噴射弁20の構成について詳細に説明する。燃料噴射弁20は、第1~第4本体部21~24を備え、これら第1~第4本体部21~24が一体化されることにより噴射弁本体が構成されている。第1~第4本体部21~24は、燃料噴射弁20の軸方向にこの順に並べて配置されており、コモンレール11から第1本体部21に供給された燃料を、第4本体部24に設けられた噴射孔34から噴射する。なお、以下の説明では、燃料噴射弁20の軸方向を「上下方向」、燃料噴射弁20における第1本体部21側を「上方向」、第4本体部24側を「下方向」とする。
第1本体部21には、第1高圧通路13と、低圧室57とが設けられている。第1高圧通路13は、第1本体部21、第2本体部22及び第3本体部23に亘って形成されており、第1~第3本体部21~23を貫通している。第1高圧通路13は、第2本体部22側とは反対側の端部が高圧配管12に連通されている。これにより、コモンレール11からの高圧燃料が高圧配管12を介して第1高圧通路13に供給される。第1高圧通路13には、第1高圧通路13内の燃料の圧力を検出する燃圧センサ73が取り付けられている。燃圧センサ73の検出信号はECU90に入力される。
低圧室57は、第2本体部22を向いた面が上方向に凹むことにより、第1本体部21において第2本体部22との境界部に形成されている。低圧室57には、第1高圧通路13内の高圧燃料が第2本体部22、第3本体部23及び第4本体部24を経由し、これにより低圧化された燃料が収容されている。低圧室57は、低圧通路58を介してリターン配管65に接続されており、更に燃料タンク61に接続されている。これにより、燃料噴射弁20に供給される高圧燃料の一部は、低圧室57からリターン配管65を通じて燃料タンク61に戻される。低圧室57の内部には、燃料噴射弁20の燃料の噴射状態を制御する開閉弁50が設けられている。開閉弁50は電磁駆動式であり、ECU90により開弁及び閉弁が制御される。
第2本体部22には、第2高圧通路14と、中間室26と、第1通路25と、第2通路27とが設けられている。第2高圧通路14は、第1高圧通路13から分岐する分岐路であり、コモンレール11からの高圧燃料が供給される燃料通路である。第2高圧通路14には、昇圧オリフィス14aが設けられている。この昇圧オリフィス14aにより、第2高圧通路14を流れる燃料の流量が制限される。第2高圧通路14において、第1高圧通路13とは反対側の端部には環状室14bが形成されている。環状室14bは、第2本体部22において第3本体部23との境界部に環状に形成された燃料通路部である。環状室14bには、第1高圧通路13からの高圧燃料が第2高圧通路14を通じて導入される。
中間室26は、円柱状に形成されたチャンバであり、第2本体部22と第3本体部23との境界部に形成されている。第1通路25は、第2本体部22の内部において燃料噴射弁20の軸方向(上下方向)に延びており、第2本体部22を貫通している。第1通路25は、その一方の端部が低圧室57に連通され、他方の端部が中間室26に連通されている。これにより、中間室26は、第1通路25を介して低圧室57に連通されている。
第2通路27は、第2本体部22の内部に形成されており、第1通路25と同じ方向(上下方向)に延びている。第2通路27は第2本体部22を貫通しており、その一方の端部が低圧室57に連通され、他方の端部が第3本体部23の第1制御室46に連通されている。第2通路27には、第1本体部21に近い位置に減圧オリフィス27aが設けられている。減圧オリフィス27aにより第2通路27を流れる燃料の流量が制限される。なお、第2通路27が「第2燃料通路」に相当し、減圧オリフィス27aが「第2オリフィス」に相当する。
第3本体部23には、第1制御室46と、接続通路47とが設けられている。第1制御室46は、第2本体部22を向いた面が下方向に凹むことにより噴射弁本体の内部に形成されたチャンバであり、環状室14bに連通されている。第1制御室46には、第1高圧通路13からの高圧燃料が第2高圧通路14を介して供給される。
第1制御室46の内部には、燃料噴射弁20の軸方向(上下方向)に変位可能な従動弁41が配置されている。従動弁41は円柱状であり、その中央部において軸方向に貫通する第3通路42が形成されている。第3通路42は、第2本体部22側の開口部が中間室26に開放されており、第4本体部24側の開口部が第1制御室46の内部に開放されている。第3通路42には減圧オリフィス42aが設けられている。減圧オリフィス42aによって第3通路42を流れる燃料の流量が制限される。減圧オリフィス42aの出口側の燃料流量よりも、第2通路27が有する減圧オリフィス27aの出口側の燃料流量の方が小さく設定されている。なお、第1通路25及び第3通路42により「第1燃料通路」が構成されている。減圧オリフィス42aが「第1オリフィス」に相当する。
従動弁41には、従動弁41を第2本体部22に向かう方向(上方向)へ付勢するスプリング45が取り付けられている。従動弁41は、第1制御室46の内部の燃料圧力による上方向の力及びスプリング45の付勢力により第2本体部22の下面に当接している。この当接状態では、従動弁41によって環状室14bと第1制御室46との連通は遮断される一方、中間室26は第3通路42を介して第1制御室46に連通された状態となる。この状態では、第1制御室46内の燃料は、第3通路42、中間室26及び第1通路25を介して低圧室57に流入可能である。
従動弁41が第2本体部22の下面に当接している状態において、第1制御室46の内部の燃料圧力が低下して、第1制御室46の内部の燃料圧力による上方向の力及びスプリング45の付勢力が、環状室14b及び中間室26の内部の燃料圧力による下方向の力を下回ると、従動弁41が第2本体部22の下面から離間する方向に変位する。これにより、中間室26が第3通路42を介さずに第1制御室46に連通されるとともに、環状室14bが第1制御室46に連通される。
第2通路27は、低圧室57と第1制御室46とを直接連通している。つまり、第1制御室46は、従動弁41の位置(リフト状態)に依らずに第2通路27を介して低圧室57に連通されている。また、第3本体部23には、第1制御室46から第4本体部24へ延びる接続通路47が形成されている。接続通路47にはオリフィス47aが設けられており、オリフィス47aによって接続通路47を流れる燃料の流量が制限される。
第4本体部24には、シリンダ35と、ニードル弁31と、高圧室33と、第2制御室36とが設けられている。シリンダ35の先端部には、外部に向かって燃料が噴射される噴射孔34が複数形成されている。ニードル弁31は、シリンダ35の内部において上下方向に往復動可能に収容されている。ニードル弁31の上面には、ニードル弁31を下方向へ付勢するスプリング32が取り付けられている。
高圧室33は、第1高圧通路13と噴射孔34とを連通する通路の途中に設けられている。この高圧室33の内部に、ニードル弁31の先端部が配置されている。第2制御室36は、シリンダ35の内部において噴射孔34とは反対側(ニードル弁31の上方)に設けられている。第2制御室36は、接続通路47を介して第1制御室46に連通されている。これにより、第1高圧通路13からの高圧燃料が、第1制御室46及び接続通路47を介して第2制御室36に供給される。第2制御室36の内部の燃料圧力と、ニードル弁31に取り付けられたスプリング32の付勢力とがニードル弁31に作用することにより、ニードル弁31が噴射孔34を塞ぐ方向(下方向)に変位し、燃料噴射弁20が閉弁状態となる。
また、高圧室33の内部の燃料圧力が、第2制御室36の内部の燃料圧力及びスプリング32の付勢力の合計の力よりも大きくなると、ニードル弁31が噴射孔34を開く方向(上方向)に変位し、燃料噴射弁20が開弁状態となる。燃料噴射弁20が開弁状態となることにより、高圧室33内の高圧燃料が噴射孔34から噴射される。
次に、開閉弁50の構成について説明する。開閉弁50は、低圧室57の内部において、第1制御室46と低圧室57とを接続する燃料通路に配置されている。開閉弁50は、ECU90により駆動制御により第1制御室46から低圧室57への燃料の流出を許容及び遮断することにより、第1制御室46の内部の燃料圧力を調整する。
開閉弁50は、第1開閉弁51と、第2開閉弁52とを有している。第1開閉弁51は、第1通路25上に配置されており、その開閉状態が制御されることにより低圧室57と第1通路25との連通及び遮断を切り替える。第2開閉弁52は、第2通路27上に配置されており、その開閉状態が制御されることにより低圧室57と第2通路27との連通及び遮断を切り替える。ECU90は、第1ソレノイド53と第2ソレノイド54とを互いに独立して通電駆動することにより、第1開閉弁51の開閉状態と第2開閉弁52の開閉状態とを互いに独立して制御する。
具体的には、第1ソレノイド53の非通電時には、第1開閉弁51は、第1スプリング55の付勢力により第2本体部22に当接している。この当接状態では、第1開閉弁51により低圧室57と第1通路25との連通が遮断された状態(閉弁状態)となる。また、第1開閉弁51の閉弁状態において第1ソレノイド53に通電すると、第1スプリング55の付勢力に抗して第1開閉弁51が上方向に移動し、第2本体部22から離間する。この状態では、低圧室57と第1通路25とが連通された状態(開弁状態)となり、第1通路25から低圧室57への燃料の流入が許容される。
また、第2ソレノイド54の非通電時には、第2開閉弁52は、第2スプリング56の付勢力により第2本体部22に当接している。この当接状態では、第2開閉弁52により低圧室57と第2通路27との連通が遮断された状態(閉弁状態)となる。また、第2開閉弁52の閉弁状態において第2ソレノイド54に通電すると、第2スプリング56の付勢力に抗して第2開閉弁52が上方向に移動し、第2本体部22から離間する。この状態では、低圧室57と第2通路27とが連通された状態(開弁状態)となり、第2通路27から低圧室57への燃料の流入が許容される。
燃料噴射制御において、ECU90は、第1開閉弁51の開弁及び閉弁を切り替えることにより、ニードル弁31を開弁位置及び閉弁位置に移動させる。これにより、噴射孔34から燃料が噴射される噴射動作と、燃料の噴射が停止される噴射停止動作とが切り替えられる。また、ECU90は、第1開閉弁51の駆動制御に併せて、第2開閉弁52の開弁及び閉弁を切り替えることにより、ニードル弁31が開弁位置及び閉弁位置に移動するときの移動速度を制御する。すなわち、ECU90は、第1開閉弁51及び第2開閉弁52の開閉を独立して制御することにより、燃料の噴射率の傾き、より具体的には、噴射率の立ち上がり速度及び立ち下がり速度をそれぞれ制御する。
図2に、燃料噴射弁20の噴射率パターンの例を示している。いずれの噴射率パターンにおいても、燃料噴射弁20による燃料噴射の開始時には第1開閉弁51を開弁し、燃料噴射の終了時には第1開閉弁51を閉弁する。第2開閉弁52については、噴射率の立ち上がり速度、立ち下がり速度に応じて開弁及び閉弁を制御する。
具体的には、燃料噴射の開始時における噴射率の立ち上がり速度を急峻にする高速開弁モード(噴射開始(H)モード)では、第2開閉弁52を開弁し(図2(a)及び(c)参照)、噴射率の立ち上がり速度を緩慢にする低速開弁モード(噴射開始(L)モード)では、第2開閉弁52を閉弁する(図2(b)及び(d)参照)。また、燃料噴射の終了時における噴射率の立ち下がり速度を急峻にする高速閉弁モード(噴射終了(H)モード)では、第2開閉弁52を閉弁し(図2(a)及び(b)参照)、噴射率の立ち下がり速度を緩慢にする低速閉弁モード(噴射終了(L)モード)では、第2開閉弁52を開弁する(図2(c)及び(d)参照)。また、噴射率の立ち上がり速度及び立ち下がり速度を途中で変更してもよい。燃料噴射弁20によれば、例えば図2(e)に示すように、高速閉弁モードから低速閉弁モードへ変更する噴射率パターン(噴射終了(H→L)モード)を実現したり、図2(f)に示すように、低速開弁モードから高速開弁モードへ変更する噴射率パターン(噴射開始(L→H)モード)を実現したりすることもできる。
第1開閉弁51及び第2開閉弁52の開閉状態と燃料噴射弁20の動作との関係について図3~8を用いて説明する。噴射開始前は、第1ソレノイド53及び第2ソレノイド54を非通電とすることにより、図3に示すように、第1開閉弁51及び第2開閉弁52は共に閉じており、ニードル弁31によって高圧室33と噴射孔34との連通が遮断されている。
高速開弁モード且つ高速閉弁モードの噴射パターン(図2(a)参照)の場合について、図3~6を用いて説明する。噴射開始前において、第1開閉弁51及び第2開閉弁52が閉弁した状態では、第1高圧通路13からの高圧燃料が導入されることにより、第2~第4本体部22~24に形成された燃料貯留部(環状室14b、中間室26、第1制御室46、第2制御室36、高圧室33)及び燃料通路(第1通路25、第2通路27、第3通路42、接続通路47)は、第1高圧通路13内の燃料圧力と同等の高圧状態で保持されている(図3参照)。
第1開閉弁51及び第2開閉弁52が閉じられた状態において、第1ソレノイド53及び第2ソレノイド54への通電により第1開閉弁51及び第2開閉弁52を共に開弁すると、図4に示すように、第1制御室46が、第1通路25、第3通路42及び第2通路27を介して低圧室57に連通される。これにより、第1制御室46及び第2制御室36の内部の燃料が、第1通路25及び第3通路42を通過する経路と、第2通路27を通過する経路との2つの経路を介して低圧室57へ流入される。このため、第1制御室46及び第2制御室36の内部の燃料圧力が高速で低下し、ニードル弁31が高速で開弁方向(上方向)に変位する。これにより噴射孔34から燃料が噴射される。この場合、図2(a)に示すように噴射率が高速で立ち上がる。
なお、減圧オリフィス42aの前後には差圧が生じており、第1制御室46の内部の燃料圧力による上方向の力及びスプリング45の付勢力の合計が、中間室26及び環状室14bの内部の燃料圧力による下方向の力よりも高くなっている。このため、従動弁41は、第1開閉弁51及び第2開閉弁52を共に開いた状態において、第2本体部22に当接している状態に維持されている(図4参照)。
噴射率が最大になった後、第1開閉弁51を閉弁すると、第1制御室46内の燃料が第3通路42を介して中間室26へ流入することにより、中間室26の内部の燃料圧力が上昇する(図5参照)。また、第2開閉弁52を閉弁することにより、低圧室57と第1制御室46との連通が遮断される。この場合、中間室26及び環状室14bの内部の燃料圧力による下方向の力が、第1制御室46の内部の燃料圧力による上方向の力及びスプリング45の付勢力の合計よりも大きくなることにより、従動弁41が下方向へ移動する(図6参照)。この従動弁41の下方向への移動により、第1高圧通路13の高圧燃料が第1制御室46に流入する。
このとき、第1開閉弁51及び第2開閉弁52が共に閉弁しているため、第1制御室46の内部の燃料圧力は高速で上昇する。第1制御室46から接続通路47を介して第2制御室36へ燃料が流入し、第2制御室36の内部の燃料圧力が所定圧力よりも高くなると、ニードル弁31が下降し始めて閉弁動作に移行する(図6参照)。この場合、図2(a)に示すように、噴射率が高速で立ち下がる。その後、ニードル弁31によって噴射孔34が塞がれることにより、燃料噴射弁20による燃料噴射が停止される。
次に、低速開弁モード且つ高速閉弁モードの噴射パターン(図2(b)参照)の場合について説明する。噴射開始前において、第1開閉弁51及び第2開閉弁52が閉じられた状態(図3参照)において、図7に示すように、第2開閉弁52を閉じた状態で維持し、第1開閉弁51を開くと、第1制御室46の内部の燃料が第3通路42及び第1通路25を介して中間室26に流入する。このとき、減圧オリフィス42aの前後には差圧が生じており、第1制御室46の内部の燃料圧力による上方向の力及びスプリング45の付勢力の合計が、中間室26及び環状室14bの内部の燃料圧力による下方向の力よりも高くなっている。このため、従動弁41は、第2本体部22に当接している状態に維持される。
第2開閉弁52が閉じられた状態では、第2通路27を介した燃料の流通が許容されていないため、第1制御室46の内部の燃料圧力は低速で低下し、ニードル弁31は低速で開弁方向に変位する。この場合、図2(b)に示すように、噴射率が低速で立ち上がる。つまり、第1開閉弁51が開き、かつ第2開閉弁52が閉じた状態における噴射率の上昇速度(傾き)は、第1開閉弁51及び第2開閉弁52が共に開いた状態における噴射率の上昇速度(傾き)よりも小さくなる。噴射率が最大となった後は、図2(a)に示す高速立下げ時の動作と同様である。
次に、高速開弁モード且つ低速閉弁モードの噴射パターン(図2(c)参照)の場合について説明する。まず、高速立上げ時の動作は、図2(a)に示す高速立上げ時の動作と同様である。噴射率が最大になった後、図8に示すように、第2開閉弁52を開いた状態で維持し、第1開閉弁51を閉じると、第1制御室46内の燃料が第3通路42を介して中間室26へ流入し、中間室26の内部の燃料圧力が上昇する。また、第2開閉弁52は開いた状態であるため、第1制御室46の内部の燃料は、第2通路27を介して低圧室57に流入する。中間室26の内部の燃料圧力が上昇し、中間室26及び環状室14bの内部の燃料圧力による下方向の力が、第1制御室46の内部の燃料圧力による上方向の力及びスプリング45の付勢力の合計よりも大きくなると、従動弁41が下方向へ移動する(図9参照)。この従動弁41の下方向への移動により、第1高圧通路13の高圧燃料が第1制御室46に流入する。
このとき、第2開閉弁52は開いた状態で維持されているため、第1制御室46の内部の燃料圧力は低速で上昇する。第1制御室46から接続通路47を介して第2制御室36に燃料が流入し、第2制御室36の内部の燃料圧力が所定圧力よりも高くなると、ニードル弁31が下降し始めて閉弁動作に移行する(図9参照)。この場合、図2(c)に示すように、噴射率が低速で立ち下がる。つまり、第1開閉弁51が閉じ、かつ第2開閉弁52が開いた状態における噴射率の低下速度(傾き)は、第1開閉弁51及び第2開閉弁52が共に閉じた状態における噴射率の低下速度(傾き)よりも小さくなる。その後、ニードル弁31によって噴射孔34が塞がれることにより、噴射孔34から燃料が噴射されなくなる。
図10は、第2開閉弁52により、燃料噴射弁20から燃料を噴射させずにコモンレール11内の燃料圧力を減圧させる減圧弁モードの動作を示す図である。
上述したように、第1開閉弁51及び第2開閉弁52が共に閉じた状態では、第2制御室36、第1制御室46及び中間室26の内部の燃料圧力は第1高圧通路13の内部の燃料圧力と同等であり、従動弁41は第2本体部22に当接している(図3参照)。減圧動作では、この状態から第2開閉弁52を開く。これにより、図10に示すように、第1制御室46内の燃料が第2通路27を介して低圧室57へ排出され、第1制御室46の内部の圧力低下に伴い従動弁41が下方向へ移動する。
燃料噴射弁20では、第1開閉弁51が閉じられ且つ第2開閉弁52が開かれた状態において、昇圧オリフィス14aを介した燃料の流量が、減圧オリフィス27aを介した燃料の流量よりも大きく設定されている。このため、第1開閉弁51が閉じられ且つ第2開閉弁52が開かれた状態では、第1制御室46の内部から第2通路27を通じて排出される燃料の第2通路27における圧力損失の方が、第2高圧通路14から第1制御室46へ流入する燃料の第2高圧通路14における圧力損失よりも大きくなる。これにより、第1開閉弁51が閉じられ且つ第2開閉弁52が開かれた状態では、ニードル弁31により高圧室33と噴射孔34とが遮断された状態、つまり噴射孔34から燃料が噴射されない状態が維持される。
また、コモンレール11から第1高圧通路13及び第2高圧通路14を介して第1制御室46へ燃料が流入し、その流入した燃料が第1制御室46から低圧室57へ排出され、燃料噴射システムの上流側(低圧側)へ戻されることにより、コモンレール11の内部の燃料圧力が低下する。すなわち、燃料噴射弁20から燃料を噴射させない状態で、コモンレール11内の燃料圧力が減圧される。このため、燃料噴射弁20は、コモンレール11内の燃料圧力を減圧する減圧弁としての機能を有する。
なお、燃料噴射弁20においては、第1開閉弁51により第1通路25と低圧室57とが連通された場合に、従動弁41により環状室14bと第1制御室46との連通が遮断されるように、減圧オリフィス42aの流路面積、中間室26の第3本体部23(第1制御室46)側の開口面積、環状室14bの第3本体部23(第1制御室46)側の開口面積、及びスプリング45による付勢力が設定されている。すなわち、第1開閉弁51により第1通路25と低圧室57とが連通された場合に、従動弁41により第1制御室46と中間室26とを第3通路42を介して連通した状態となることが、減圧オリフィス42aによる燃料流量の制限、中間室26への従動弁41の露出面積、第1高圧通路13への従動弁41の露出面積、及びスプリング45による付勢力の設定により実現されている。
図11は、燃料噴射弁20の減圧駆動制御を表すタイムチャートである。例えば車両減速時に、第1開閉弁51及び第2開閉弁52が共に閉じられた状態において、レール圧を目標圧まで減圧させる減圧要求が有ると、その減圧要求に伴い、第2ソレノイド54への通電が開始される(時刻t11)。このとき、第1ソレノイド53への通電は行われない。第2ソレノイド54への通電開始に伴い、所定の開弁遅れ時間Td(i)が経過した後に第2開閉弁52が軸方向に移動を開始する(時刻t12)。これにより、第1開閉弁51が閉じられた状態のまま第2開閉弁52が開弁される。第2開閉弁52の開弁によりコモンレール11内から高圧燃料が排出され、レール圧が低下し始める(時刻t13)。その後、通電開始から減圧用通電時間TmFが経過したタイミングで第2ソレノイド54への通電が停止され(時刻t14)、第2開閉弁52が閉弁する。こうした減圧動作により減圧量Paのレール圧の低下が生じる。
ここで、エンジン70の運転中において、エンジン70での燃焼を継続したまま、つまり燃料噴射弁20からの燃料噴射を行いつつ、レール圧を目標圧まで低下させる必要が生じることがある。こうした場合、本システムでは、複数気筒のうち一部の気筒を、燃料噴射を指令する噴射指令気筒とし、噴射指令気筒に設けられた燃料噴射弁20を用いて燃料噴射を継続する。一方、残りの気筒については、燃料噴射弁20からの燃料噴射を行わず、燃料噴射弁20を減圧弁として用いてレール圧を減圧させる。これにより、エンジン70の運転継続とレール圧の目標圧への減圧とを両立させている。
ところで、燃料噴射弁20を減圧弁として用いる場合、レール圧を減圧させるための駆動(以下、「減圧駆動」ともいう。)を行う燃料噴射弁20の本数に応じて、レール圧の減圧量が相違する。具体的には、各燃料噴射弁20への通電時間を同じとした場合、減圧駆動させる燃料噴射弁20の本数(以下、「減圧駆動本数Nd」ともいう。)が多いほど、レール圧の減圧量が大きくなり、逆に減圧駆動本数Ndが少ないほどレール圧の減圧量が小さくなる。そのため、エンジン70の運転を継続させながらレール圧を目標圧まで減圧させる場合のように、減圧駆動させることが可能な燃料噴射弁20の本数が制限される状況では、レール圧を目標圧まで低下させる時間が長引くことが懸念される。
そこで本実施形態では、レール圧を目標圧まで減圧させる減圧要求が生じた場合、燃料噴射弁20の減圧駆動本数Ndに応じて、レール圧の減圧動作を行う燃料噴射弁20に対する通電時間を可変に制御することとしている。
エンジン70の運転中にレール圧の減圧要求が生じた場合における燃料噴射弁20の駆動制御の具体的態様について、図12及び図13のタイムチャートを用いて説明する。図12及び図13は、運転者がアクセル操作を行って車両を減速させている場面を想定している。図13は、減圧駆動を指令する燃料噴射弁20に対する、図12中の時期A及び時期Bにおける第2開閉弁52への通電パルスを示している。
図12において、アクセル開度が第1開度θ1である状態から、アクセル操作が解除されてアクセル開度ゼロになった場合を考える。アクセル開度が第1開度θ1とされている期間(時刻t21以前)では、実レール圧が目標圧PTrg(図12中の破線)で制御されており、コモンレール11の減圧要求は生じていない。この場合、通常の燃料噴射制御、すなわち全ての気筒(本実施形態では4気筒)の各燃料噴射弁20を、燃料噴射を指令する噴射指令気筒として燃料噴射制御が実施される。エンジン70の気筒数をNとすると、燃料噴射が指令される燃料噴射弁20の本数(以下、「噴射本数Na」ともいう。)は「N」、減圧駆動本数Ndは「0」となる。
時刻t21で運転者がアクセル操作を解除したことに伴いエンジン負荷が低下し、レール圧の目標圧PTrgがP1からP2(P1>P2)に低圧側に変更され、減圧要求が生じた場合を考える。この場合、実レール圧を目標圧PTrgに一致させるべく、時刻t21以降の期間において、全気筒のうち少なくとも一部の気筒の燃料噴射弁20を減圧駆動させる。時刻t21でレール圧の減圧要求が発生したときにはアクセル開度はゼロであり、いずれの燃料噴射弁20に対しても噴射指令されない。この場合、実レール圧を目標圧PTrgに速やかに減圧させるべく、減圧駆動本数Ndとして最大値の「4」が設定される。
その後、時刻t22で運転者がアクセル操作することによりアクセル開度が第2開度θ2(θ2<θ1)になり、エンジン負荷が増大すると、アクセル開度に応じて噴射本数Naが増加されるとともに、噴射本数Naの増加に伴い減圧駆動本数Ndが減少される。図12では、時刻t22において、噴射本数Naとして「1」が設定され、減圧駆動本数Ndとして「3」が設定される。これにより、全気筒のうち1つの気筒(例えば第4気筒)に対し、所定の噴射タイミングで燃料噴射が指令され、残りの気筒(第1気筒~第3気筒)に対し、所定の駆動タイミングで減圧駆動が指令される。噴射タイミング及び駆動タイミングはそれぞれ、エンジン運転状態(エンジン回転速度及びエンジン負荷)に基づき算出される。
一部の気筒(図12では3つの気筒)の燃料噴射弁20を減圧駆動させることにより実レール圧が徐々に低下する。やがて、実レール圧が目標圧PTrgに一致すると、減圧駆動を指令している燃料噴射弁20について減圧駆動を終了させ、通常の燃料噴射制御に移行する(時刻t23以降)。
ここで、エンジン負荷の増大に伴い減圧駆動本数Ndを単に減らした場合、全部の燃料噴射弁20を用いてレール圧を低下させる場合に比べて、レール圧の減圧量が少なくなる。この場合、レール圧を目標圧PTrgに一致させるまでに時間がかかることが懸念される(図12中の一点鎖線参照)。こうした点を考慮し、本実施形態では、減圧駆動本数Ndに応じて、燃料噴射弁20の通電時間を可変に制御している。具体的には、減圧駆動本数Ndが少ないほど、減圧駆動させる各燃料噴射弁20の通電時間を長く設定している。
図13中、(a)には、図12中の時期Aにおいて燃料噴射弁20に出力する通電パルスを示し、(b)には、図12中の時期Bにおいて燃料噴射弁20に出力する通電パルスを示している。時期Aの減圧駆動本数Ndは「4」であり、時期Bの減圧駆動本数Ndは「3」である。
通電パルスの長さ(通電時間)は、実レール圧と目標圧PTrgとの差分(以下、「圧力偏差ΔP」という。)に基づいて算出される。具体的には、圧力偏差ΔPが大きいほど、通電時間としては長い時間が設定される。時期Aでは、圧力偏差ΔPがΔP1と大きく、燃料噴射弁20の通電時間としては比較的長めの時間TmFAが設定される。各燃料噴射弁20において、通電時間の指令値として時間TmFAが設定され、その設定された指令値に基づき各燃料噴射弁20が減圧駆動される。ここでは、全ての気筒(第1気筒~第4気筒)の燃料噴射弁20を用いてレール圧の減圧が行われる。
一方、時期Bでは、圧力偏差ΔPがΔP2(ΔP2<ΔP1)と小さくなっている。この場合、圧力偏差ΔPに基づき算出される燃料噴射弁20の通電時間としては、時間TmFAよりも短い時間TmFBが設定される(図13(b)の一点鎖線を参照)。ところが、時期Bでは、エンジン負荷の増大に伴い出力を確保する必要があり、減圧駆動本数Ndが「3」に制限されている。この場合、圧力偏差ΔPに基づき算出した時間TmFBにより燃料噴射弁20を減圧駆動させるとすると、レール圧が目標圧PTrgに低下するまでに時間がかかる。そこで時刻t22以降では、減圧駆動本数Ndが少ない分、減圧駆動時における燃料噴射弁20の通電時間を長くなる側に補正する。図13では、圧力偏差ΔPに基づき算出した基本通電時間TmFBを、減圧駆動本数Ndに応じて長くなる側に補正し、その補正後の時間TmFkにより燃料噴射弁20に減圧駆動を指令する。これにより、レール圧が速やかに目標圧PTrgに収束するように制御している。
次に、燃料噴射弁20の減圧駆動制御の処理手順について、図14のフローチャートを用いて説明する。この処理は、ECU90のマイコンにより所定周期ごと(例えば180℃Aごと)に実行される。
図14において、ステップS101では、目標圧PTrgを演算する。ここでは、クランク角センサにより検出したエンジン回転速度と、アクセルセンサにより検出したアクセル操作量とを入力し、それらセンサ検出値を用いて目標圧PTrgを算出する。エンジン回転速度が高いほど、又はアクセル操作量が多いほど、目標圧PTrgは高圧側の値に設定される。
続くステップS102では、燃圧センサ73によって検出された実レール圧Pを取得する。ステップS103では、実レール圧Pと目標圧PTrgとの差分(圧力偏差ΔP)に基づいて、コモンレール11の基本減圧流量QmBを演算する。ここでは、下記式(1)により基本減圧流量QmBを算出する。下記式(1)中、Vはコモンレール11の容積を表し、Kは体積弾性係数を表す。
QmB=ΔP×V÷K …(1)
なお、上記式(1)を用いる代わりに、圧力偏差ΔPと実レール圧Pとの二次元マップにより基本減圧流量QmBを算出してもよい。
ステップS104では、ECU90のRAM等に記憶されているフィードバック補正量QmFBを取得し、基本減圧流量QmBとフィードバック補正量QmFBとを用いて、コモンレール11の減圧流量Qmを演算する。本実施形態では、以下の式(2)により減圧流量Qmを算出する。
Qm=QmB+QmFB …(2)
続くステップS105では、減圧駆動本数Ndを演算する。本実施形態では、エンジン運転状態(エンジン負荷及びエンジン回転速度)に基づいて減圧駆動本数Ndを算出する。このとき、エンジン負荷が高負荷ほど、又はエンジン回転速度が高回転ほど、噴射本数Naとしては大きい値が設定され、減圧駆動本数Ndとしては小さい値が設定される。図15に、減圧駆動本数Ndの設定用マップの一例を示す。図15のマップによれば、エンジン低回転・低負荷領域では、減圧駆動本数Ndは「4」が設定され、エンジン70が高回転・高負荷になるほど、減圧駆動本数Ndが少なくなる。減圧駆動本数Ndと噴射本数Naとの合計数は、エンジン70に搭載された燃料噴射弁20の全数以下の数となる。
続くステップS106では、各気筒の実効流量係数k(i)(ただし、iは気筒番号を表す。以下同じ。)を算出する。実効流量係数k(i)は、現時点のエンジン運転状態における各燃料噴射弁20の減圧性能を表す係数であり、実レール圧Pと、燃料噴射弁1本あたりの減圧流量(=Qm/Nd)とに基づいて燃料噴射弁20ごとに算出される。現時点のエンジン運転状態において、各燃料噴射弁20の減圧流量の理論値と実際値との間に誤差がない場合には、実効流量係数k(i)として「1」が設定され、誤差がある場合には1未満の値が設定される。したがって、燃料噴射弁20を減圧駆動させる気筒(以下、「減圧駆動気筒」ともいう。)では0<k(i)≦1となり、それ以外の気筒(すなわち噴射指令気筒)ではk(i)=0となる。
減圧駆動気筒:k(i)=f(P,Qm/Nd)
噴射指令気筒:k(i)=0
ステップS107では、各燃料噴射弁20の減圧性能に基づき設定される最大減圧流量を用いてガード処理することにより有効減圧流量QmFを算出する。ここでは、エンジン回転速度と、実レール圧Pと、各気筒の実効流量係数k(i)の積算値Σk(i)とを用いて最大減圧流量を算出し、最大減圧流量及び減圧流量Qmのうち小さい方の値を有効減圧流量QmFに設定する。
QmF=min(Qm,f(Ne,P)*Σk(i))
続くステップS108では、有効減圧流量QmFと実効流量係数k(i)とを用いて、下記式(3)により減圧駆動気筒の燃料噴射弁20における1本あたりの減圧流量QmIを演算する。
QmI=QmF/(Σk(i)) …(3)
また、ステップS109では、減圧流量QmIを時間に換算することにより、減圧駆動気筒の燃料噴射弁1本あたりの減圧用基本通電時間Tmを演算する。
Tm=f(P,QmI)
ステップS110では、減圧用基本通電時間Tmの減圧開始遅れ補正を行う。減圧駆動気筒の第2ソレノイド54への通電を開始してから第2開閉弁52が実際に開弁するまでの時間(以下、「開弁遅れ時間Td(i)」という。)には個体差がある。また、減圧駆動気筒の第2ソレノイド54への通電を開始してから実際にレール圧が低下し始めるまでの時間、すなわち減圧開始遅れ時間Ty(i)についても、燃料噴射弁20ごとに異なる。この点を考慮して本処理では、燃料噴射弁20ごとの減圧流量特性が、例えばマップ等としてECU90のメモリに記憶されており、減圧駆動気筒の燃料噴射弁20に対応する減圧駆動特性をメモリから読み出すことにより、各燃料噴射弁20の減圧流量特性に応じて減圧用基本通電時間Tmを補正することとしている。
図16に、減圧流量特性マップの一例を示す。図16の減圧流量特性マップには、減圧用通電時間とコモンレール11の減圧流量との関係が、燃料噴射弁20ごとにレール圧に応じて定められている。減圧用通電時間が0から所定時間が経過するまでの期間は、第2ソレノイド54に通電してもレール圧が変化しない不感帯であり、減圧開始遅れ時間Ty(i)として燃料噴射弁20ごとに予め記憶されている。本実施形態では、第1気筒♯1、第2気筒♯2及び第4気筒♯4の減圧開始遅れ時間Ty(1)、Ty(2)、Ty(4)は時間TyAであり、第3気筒♯3の減圧開始遅れ時間Ty(3)は、時間TyAよりも長い時間TyBである。この減圧流量特性マップによれば、減圧開始遅れ時間Ty(i)、及び燃料噴射弁20を単独で減圧駆動させた場合の減圧流量を取得可能である。ECU90のマイコンは、減圧流量特性マップを参照して各燃料噴射弁20の減圧開始遅れ時間Ty(i)を読み出し、下記式(4)により減圧用基本通電時間Tmを補正することにより、減圧駆動気筒の燃料噴射弁20に指令する減圧用通電時間TmF(i)を燃料噴射弁20ごとに算出する。
TmF(i)=Tm+Ty(i) …(4)
図14の説明に戻り、ステップS111では、減圧用通電時間TmF(i)に対応する駆動指令を減圧駆動気筒に対して行い、レール圧を低減させるための減圧用通電を実行する。なお、いずれの気筒を減圧駆動気筒とするかは、例えば予め定められた選択順位に従って行う。具体的には、選択順位が第1気筒♯1→第2気筒♯2→第3気筒♯3→第4気筒♯4と定められている場合、減圧駆動気筒が3つの場合には、第1~第3気筒を減圧駆動気筒として設定する。噴射指令気筒に対する噴射指令は、図示しない別ルーチンにより実行される。
続くステップS112では、減圧駆動気筒の燃料噴射弁20への通電終了後、実レール圧(通電後レール圧Pb)を取得する。ステップS113では、今回の通電開始前の実レール圧Pと通電後レール圧Pbとの差分に応じてフィードバック補正量QmFBを算出し、メモリに記憶する。ここでは、下記式(5)によりフィードバック補正量QmFBを算出する。式(5)中、Vはコモンレール11の容積を表し、Kは体積弾性係数を表す。
QmFB=QmF-(P-Pb)×V÷K …(5)
こうした一連の制御を一定周期で繰り返し実行することにより実レール圧Pが目標圧PTrgに収束すると、目標圧PTrgと実レール圧Pとの圧力偏差ΔPが0になり、燃料噴射弁20を用いた減圧駆動が終了される。
以上詳述した本実施形態によれば、次の優れた効果が得られる。
減圧駆動させる燃料噴射弁20の数に応じて、減圧駆動させる燃料噴射弁20の通電時間を制御する構成とした。レール圧の減圧に用いる燃料噴射弁20の数が制限される状況において、その制限が課されていない場合と同様の通電時間により第2開閉弁52の開弁を制御するものとすると、コモンレール11の減圧流量が少なく、レール圧を速やかに減圧できないことが懸念される。この点、上記構成では、減圧駆動させる燃料噴射弁20の数に応じて、燃料噴射弁20に対する減圧駆動用の通電時間を可変に制御するため、減圧駆動させる燃料噴射弁20の数が制限される場合にも、その数に応じて適切な通電時間を設定することができる。その結果、レール圧を目標圧RTrgまで速やかに減圧させることができ、ひいてはレール圧制御の精度を向上させることができる。
具体的には、減圧駆動本数Ndが少ないほど、第2ソレノイド54の通電時間が長くなるように減圧用通電時間TmFを設定した。これにより、減圧駆動させることが可能な燃料噴射弁20の本数が制限される状況でも、燃料噴射弁20の1本当たりの減圧流量を増加させることにより本数低減分の減圧流量を賄うことができる。
また、第1開閉弁51及び第2開閉弁52を備える燃料噴射弁20を用いて燃料噴射弁20の噴射率を可変に制御する燃料噴射システムにおいて、燃料噴射弁20の減圧機能を利用して上記減圧制御を実施することから、コモンレール11に減圧弁が設けられていなかったりコモンレール11に減圧弁が設けられているシステムにおいて減圧弁の故障が発生したりした場合にも、レール圧を高い精度で制御することができる。
第2ソレノイド54の通電時間と、減圧流量との関係を減圧流量特性として燃料噴射弁ごとに予め記憶しておき、その記憶された減圧流量特性を用いて減圧用基本通電時間Tmを算出する構成とした。第2ソレノイド54への通電開始から実際にレール圧が低下するまでの時間には個体差があり、その個体差に起因して、減圧特性が燃料噴射弁20ごとに異なることが考えられる。そこで上記構成とすることにより、レール圧制御をより高精度に実施することができる。
また、本実施形態では、減圧流量特性マップを予め記憶させておき、減圧流量特性マップから読み出した減圧開始遅れ時間Ty(i)を用いて減圧用基本通電時間Tmを補正する構成とした。この構成によれば、燃料噴射弁20ごとの減圧流量特性を正確に把握でき、ひいてはレール圧の制御精度の向上を図ることができる。
複数の燃料噴射弁20のうち、エンジン70が有する燃料噴射弁20の本数(つまり気筒数)から噴射本数Naを減算して求められた数以下を減圧駆動本数Ndとする構成とした。この場合、燃料噴射が指示される燃料噴射弁20と、レール圧の減圧が指示される燃料噴射弁20とを切り分けることができ、エンジン70の燃焼継続とレール圧の減圧とを両立させることができる。
減圧駆動させる燃料噴射弁20では、第2開閉弁52の開弁と閉弁とを行うことにより、第1高圧通路13及び第2高圧通路14内で圧力脈動が生じやすい。そのため、減圧駆動に用いた燃料噴射弁20から燃料を噴射させると噴射圧が安定せず、気筒内に噴射される燃料量が不安定になるおそれがある。これに対し、燃料噴射が指示される燃料噴射弁20と、減圧駆動が指示される燃料噴射弁20とを切り分けることにより、レール圧の減圧と並行してエンジン70の燃焼を継続する場合において、燃料噴射制御を精度良く実施することができる。
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態に限定されず、例えば以下のように実施されてもよい。
・上記実施形態では、エンジン負荷及びエンジン回転速度に基づいて減圧駆動本数Ndを算出することにより、エンジン運転状態に基づき減圧駆動本数Ndを算出したが、エンジン運転状態に基づき減圧駆動本数Ndを算出する構成はこれに限定されない。例えば、第1気筒~第4気筒のうち1つ以上の気筒において燃料噴射弁20による燃料噴射を実施するか否かに応じて、つまり噴射要求があるか否かに応じて、減圧駆動本数Ndを算出してもよい。具体的には、いずれの燃料噴射弁20に対しても燃料噴射を指令しない場合(アクセル開度がゼロの場合等)には、減圧駆動本数Ndとして、エンジン70に搭載されている燃料噴射弁20の全数(図1の燃料噴射システムでは「4」)を設定する。一方、少なくともいずれかの燃料噴射弁20に燃料噴射を指令してエンジン70の燃焼を行う場合(アクセル開度がゼロよりも大きい場合等)には、減圧駆動本数Ndとして予め定めた所定数(例えば「3」)を設定する。
・エンジン運転状態に基づいて噴射本数Naを設定し、エンジン70に搭載された燃料噴射弁20の全数Ntから噴射本数Naを差し引くことにより減圧駆動本数Ndを算出してもよい。このとき、全数Ntと噴射本数Naとの差分を減圧駆動本数Ndとしてもよいし、全数Ntと噴射本数Naとの差分よりも小さい数を減圧駆動本数Ndとしてもよい。
・予め記憶させた減圧流量特性マップを用いる構成に代えて、燃料噴射弁20の減圧用通電時間とレール圧の減圧流量との関係を減圧流量特性として燃料噴射弁20ごとに学習し、学習された燃料噴射弁20ごとの減圧流量特性を用いて、減圧駆動させる燃料噴射弁20の通電時間を算出する構成としてもよい。この構成によれば、減圧流量特性を学習により取得するため、経年劣化等により減圧流量特性が初期状態から変化した場合にも、その変化に対応させて通電時間を算出することができる。上記学習は、例えばいずれの燃料噴射弁20からも燃料噴射が実施されていない期間に、指令値に対するレール圧の減圧流量を取得することにより行う。
・上記実施形態では、減圧開始遅れ時間Ty(i)を用いて減圧用基本通電時間Tmを補正したが、減圧開始遅れ時間Ty(i)に代えて開弁遅れ時間Td(i)を用いて減圧用基本通電時間Tmを補正する構成としてもよい。この場合、下記式(6)により減圧駆動気筒の燃料噴射弁20に指令する減圧用通電時間TmF(i)を算出する。
TmF(i)=Tm+Td(i) …(6)
・開弁遅れ時間Td(i)と減圧開始遅れ時間Ty(i)とは相関がある。そこで、開弁遅れ時間Td(i)を用いて減圧開始遅れ時間Ty(i)を算出し、その算出した減圧開始遅れ時間Ty(i)を用いて減圧用通電時間TmF(i)を算出する構成としてもよい。この場合にも、各燃料噴射弁20の減圧流量特性に応じて減圧用通電時間TmF(i)を精度良く算出することができる。具体的には、気筒内に燃料噴射弁20から燃料噴射を実施する場合において、燃料噴射弁20への通電を開始してから実際に噴射孔34から燃料の噴射が開始されるまでの時間である開弁遅れ時間Td(i)を学習する。そして、その学習した開弁遅れ時間Td(i)を用いて減圧開始遅れ時間Ty(i)を算出し、上記式(4)により減圧用通電時間TmF(i)を算出する。
・上記実施形態では、全気筒のうち一部を減圧駆動気筒とし、残りを噴射指令気筒とすることにより、減圧駆動させる燃料噴射弁20と噴射指令する燃料噴射弁20とを切り分ける構成としたが、噴射指令する燃料噴射弁20を減圧駆動させることによりレール圧を低下させる構成としてもよい。この場合、燃料噴射が実施されない期間に燃料噴射弁20を減圧駆動させる。
・上記実施形態における燃圧センサ73は第1高圧通路13に取り付けられ、燃料噴射弁20に供給される高圧燃料の圧力を検出するものであるが、燃圧センサは第1高圧通路13に取り付けられているものに限定されない。例えば、コモンレール11に燃圧センサを搭載し、燃料噴射弁20に供給される高圧燃料の圧力を検出してもよい。あるいは、燃料噴射弁20に搭載された燃圧センサを用いて、噴射弁内部の圧力を高圧燃料の圧力として検出してもよいし、高圧ポンプに搭載された燃圧センサを用いて、ポンプ吐出圧を高圧燃料の圧力として検出してもよい。
・燃料噴射弁20の構成は、図1に示す構成に限定されない。例えば、図1の燃料噴射弁20において、従動弁41が第1高圧通路13と第1制御室46とを遮断した状態では、第2通路27が、従動弁41の内部に形成され且つ第3通路42とは別の通路を介して第1制御室46に連通される構成としてもよい。あるいは、第2通路27が中間室26に連通され、従動弁41が第1高圧通路13と第1制御室46とを遮断した状態では、第2通路27が中間室26及び第3通路42を介して第1制御室46に連通される構成としてもよい。
また、図1の燃料噴射弁20において、ニードル弁31の移動速度を調整する第2開閉弁52として2個以上の開閉弁を設け、これら2個以上の開閉弁の開閉を個別に制御することにより、ニードル弁31の移動速度を更に高精度に調整するようにしてもよい。この場合、昇圧オリフィス14aを介した燃料の流量が、2個以上の開閉弁のそれぞれの燃料通路に設けられた減圧オリフィスを介した燃料の流量の合計よりも大きく設定する。
・上記実施形態では、コモンレール11に減圧弁が設けられていない燃料噴射システムに適用する場合について説明したが、コモンレール11に減圧弁が設けられている燃料噴射システムにおいて、燃料噴射弁20を減圧弁として機能させるようにしてもよい。
・本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ以上の専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウエア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
10…燃料噴射システム、11…コモンレール(蓄圧容器)、13…第1高圧通路、20…燃料噴射弁、25…第1通路、27…第2通路、31…ニードル弁、34…噴射孔、36…第2制御室、46…第1制御室、51…第1開閉弁、52…第2開閉弁(圧力調整弁)、57…低圧室、70…エンジン(内燃機関)、73…燃圧センサ(燃圧検出部)、90…ECU(減圧制御部、減圧数設定部、基本時間演算部、特性記憶部、特性学習部、噴射数設定部、噴射制御部)。

Claims (9)

  1. 燃料を高圧状態で蓄える蓄圧容器(11)と、内燃機関の複数の気筒に対し気筒毎に設けられ前記蓄圧容器内の高圧燃料を噴射する燃料噴射弁(20)とを備える燃料噴射システムであって、
    前記燃料噴射弁は、
    前記蓄圧容器からの前記高圧燃料が高圧燃料通路(13,14)を通じて供給される制御室(36,46)と、
    前記制御室の内部の燃料圧力に応じて軸方向に移動することにより噴射孔(34)から燃料を噴射させるニードル弁(31)と、
    通電に伴い開弁して前記制御室の内部の燃料圧力を調整する圧力調整弁(52)と、
    を有しており、
    前記蓄圧容器の内部燃料を減圧させる減圧要求が生じた場合に、複数の前記燃料噴射弁のうち1つ以上の前記燃料噴射弁に通電して前記圧力調整弁を開弁することにより、当該通電の対象としている燃料噴射弁の前記噴射孔からは燃料を噴射させずに前記蓄圧容器の内部燃料を減圧させる減圧駆動制御を実施する減圧制御部と、
    前記減圧要求に伴い前記減圧駆動制御の実施を指令する前記燃料噴射弁の数を設定する減圧数設定部と、
    を備え、
    前記減圧制御部は、前記減圧数設定部により設定された前記燃料噴射弁の数に基づいて、前記減圧駆動制御を実施する前記燃料噴射弁の通電時間を制御する、燃料噴射システム。
  2. 前記高圧燃料の燃料圧力を検出する燃圧検出部(73)と、
    前記燃圧検出部により検出された燃料圧力と、前記高圧燃料の目標圧力との偏差に基づいて、前記減圧駆動制御のための前記燃料噴射弁の通電時間として基本駆動時間を演算する基本時間演算部と、
    を備え、
    前記減圧制御部は、前記減圧駆動制御の実施を指令する燃料噴射弁の数が少ないほど、前記圧力調整弁の開弁時間が長くなるように前記基本駆動時間を補正する、請求項1に記載の燃料噴射システム。
  3. 前記燃料噴射弁の通電時間と前記蓄圧容器の内部燃料の減圧流量との関係を減圧流量特性として複数の前記燃料噴射弁ごとに記憶する特性記憶部を備え、
    前記減圧制御部は、前記特性記憶部に記憶された前記燃料噴射弁ごとの前記減圧流量特性を用いて前記燃料噴射弁の通電時間を算出する、請求項1又は2に記載の燃料噴射システム。
  4. 前記燃料噴射弁の通電時間と前記蓄圧容器の内部燃料の減圧流量との関係を減圧流量特性として複数の前記燃料噴射弁ごとに学習する特性学習部を備え、
    前記減圧制御部は、前記特性学習部により学習された前記燃料噴射弁ごとの前記減圧流量特性を用いて前記燃料噴射弁の通電時間を算出する、請求項1又は2に記載の燃料噴射システム。
  5. 前記減圧数設定部は、前記内燃機関の運転状態に基づいて、前記減圧駆動制御の実施を指令する燃料噴射弁の数を設定する、請求項1~4のいずれか一項に記載の燃料噴射システム。
  6. 複数の前記燃料噴射弁のうち燃料噴射を指令する燃料噴射弁の数を設定する噴射数設定部を備え、
    前記減圧数設定部は、前記内燃機関が備える前記燃料噴射弁の全数と、前記燃料噴射を指令する燃料噴射弁の数との差分の数以下を、前記減圧駆動制御の実施を指令する燃料噴射弁の数として設定する、請求項1~5のいずれか一項に記載の燃料噴射システム。
  7. 前記燃料噴射弁から燃料を噴射する噴射要求と前記減圧要求とが生じた場合に、複数の前記燃料噴射弁のうち一部を、前記燃料噴射を指令する燃料噴射弁とし、残りを、前記減圧駆動制御の実施を指令する燃料噴射弁とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の燃料噴射システム。
  8. 前記燃料噴射弁は、
    前記制御室に接続され且つ第1オリフィス(42a)を有する第1燃料通路(25,42)に配置された第1開閉弁(51)と、
    前記制御室に接続され且つ前記第1オリフィスより小さい流路面積によって燃料の流量を制限する第2オリフィス(27a)を有する第2燃料通路(27)に配置された第2開閉弁(52)と、
    を有し、
    前記圧力調整弁は、前記第2開閉弁であり、
    前記第1開閉弁及び前記第2開閉弁の開閉を制御することにより、前記燃料噴射弁の噴射率を可変に制御する噴射制御部を更に備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の燃料噴射システム。
  9. 前記減圧制御部は、前記第1開閉弁を閉弁したまま前記第2開閉弁を開弁することにより、前記減圧駆動制御の実施が指令される燃料噴射弁の前記噴射孔からは燃料を噴射させずに前記蓄圧容器の内部燃料を減圧させる、請求項8に記載の燃料噴射システム。
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