以下では、実施形態に係る物品移載設備100について図面を参照して説明する。物品移載設備100は、第1位置P1から第2位置P2へ物品Wを移載するように構成されている。
なお、以下の説明では、予め定められた基準方向を「Z方向」とし、当該Z方向視で互いに直交する2つの方向の一方を「X方向」、他方を「Y方向」とする。これらのX方向、Y方向、及びZ方向は、図面において、それぞれ、「X」、「Y」、及び「Z」を付した矢印で示している。なお、本実施形態では、Z方向は鉛直方向に一致しており、鉛直方向の上側を「上側Z1」とし、鉛直方向の下側を「下側Z2」とする。
また、X方向の一方側を「X方向第1側X1」とし、その反対側を「X方向第2側X2」とする。更に、Y方向の一方側を「Y方向第1側Y1」とし、その反対側を「Y方向第2側Y2」とする。なお、本実施形態では、第1位置P1及び第2位置P2がX方向に並んで配置されている。そして、第1位置P1がX方向第1側X1に配置され、第2位置P2がX方向第2側X2に配置されている。
図1に示すように、本実施形態では、物品移載設備100は、第1位置P1にある第1容器C1に収容された物品Wを、第2位置P2にある第2容器C2に収容するように、物品Wの移載作業を行う。
第1容器C1は、上側Z1に開口する第1開口部C1aを有している。本実施形態では、第1容器C1は、上側Z1の面が開口した直方体状に形成されている。そして、第1容器C1は、Z方向視で、短辺及び長辺がそれぞれX方向及びY方向に沿うように、第1位置P1に配置される。第2容器C2は、上側Z1に開口する第2開口部C2aを有している。本実施形態では、第2容器C2も第1容器C1と同様に、上側Z1の面が開口した直方体状に形成されている。そして、第2容器C2は、Z方向視で、短辺及び長辺がそれぞれX方向及びY方向に沿うように、第2位置P2に配置される。
図1に示すように、物品移載設備100は、物品Wを保持する保持部1と、物品Wを受け止める受止部2と、保持部1を移動させる第1駆動部3と、受止部2を移動させる第2駆動部4と、を備えている。
本実施形態では、保持部1は、吸着パッド11と、吸着パッド11を支持する支持体12と、を有している。吸着パッド11は、物品Wに対して作用する吸着状態と、物品Wに対して作用しない非吸着状態とを切り替え可能に構成されている。吸着パッド11は、物品Wに接触した状態で、吸着パッド11と物品Wと間の空間を負圧とすることで、物品Wを吸着する。吸着パッド11は、Z方向に直交する仮想面に沿う軸回りに回動できるように、支持体12に支持されている。支持体12は、Z方向に延在する軸心を有する円柱状に形成されている。支持体12の下側Z2の端面に、吸着パッド11が取り付けられている。本実施形態では、保持部1は、吸着パッド11を物品Wの上側Z1の表面に吸着させることで、物品Wを保持する。
本実施形態では、受止部2は、互いに近接及び離間する一対の本体部21を有している。一対の本体部21は、互いに近接して物品Wを受け止め可能な受止状態と、互いに離間して物品Wを受止部2から降ろす受止解除状態と、に状態変更自在に構成されている。
図2に示すように、一対の本体部21のそれぞれは、板状に形成されており、その一方の表面に受止面21aが形成されている。一対の本体部21は、受止面21a同士がX方向に並ぶように配置されている。本実施形態では、一対の受止面21aのそれぞれは、平面状に形成されている。そして、一対の受止面21aは、下側Z2に向かうに従って次第に接近するように、X方向及びZ方向に対して傾斜している。また、本実施形態では、一対の受止面21aは、Y方向に平行に配置されている。
本実施形態では、一対の本体部21のそれぞれは、X方向に延在する水平延在部211を有している。水平延在部211は、一方の本体部21の下側Z2の端部から他方の本体部21側に向けてX方向に延出している。具体的には、X方向第1側X1の本体部21の下側Z2の端部からX方向第2側X2に延出するように一方の水平延在部211が形成され、X方向第2側X2の本体部21の下側Z2の端部からX方向第1側X1に延出するように他方の水平延在部211が形成されている。
本実施形態では、一対の水平延在部211は、Z方向の異なる位置に配置されている。そのため、一対の水平延在部211は、一対の本体部21のX方向の位置によっては、Z方向視で互いに重複した状態となる。基本的には、一対の水平延在部211がZ方向視で互いに重複している状態は受止状態に該当する。しかし、一対の水平延在部211がZ方向視で互いに重複していない状態、つまり、一対の水平延在部211がX方向に離間している状態であっても、物品Wのサイズによっては受止部2が物品Wを受け止め可能であるため受止状態に該当する。一方で、一対の水平延在部211が物品Wを受け止めることができないほどX方向に離間した状態が受止解除状態である。
なお、2つの要素の配置に関して、「特定方向視で重複する」とは、その視線方向に平行な仮想直線を当該仮想直線と直交する各方向に移動させた場合に、当該仮想直線が2つの部材の双方に交わる領域が存在することを指す。
本実施形態では、受止部2は、第2駆動部4に連結される一対の連結部22を有している。連結部22は、各本体部21における、Y方向第2側Y2の端部、及びX方向の水平延在部211が配置されていない側の端部から上側Z1に延出するように形成されている。
また、本実施形態では、受止部2は、受止面21aにおける物品Wの移動を規制する一対の受止用規制部23を有している。受止用規制部23は、各本体部21のY方向第1側Y1の端部から上側Z1に突出するように形成されている。一対の受止用規制部23により、受止面21aにおける物品WのY方向第1側Y1への移動が規制される。一方で、受止面21aにおける物品WのY方向第2側Y2への移動は、一対の連結部22によって規制されることになる。このように、受止部2によって受け止められて一対の受止面21aに載置された状態の物品Wは、一対の受止用規制部23及び一対の連結部22によってY方向の移動が規制される。これにより、物品Wが受止部2から落下する可能性を低減することができる。
図1に示すように、第1駆動部3は、保持部1をZ方向に案内しつつ移動させるZ軸駆動部3Zと、保持部1をX方向に案内しつつ移動させる第1X軸駆動部3Xと、保持部1をY方向に案内しつつ移動させる第1Y軸駆動部3Yと、を含む。つまり、第1駆動部3が、互いに直交するX方向、Y方向及びZ方向のそれぞれに保持部1を案内しつつ移動させる、所謂、直交ロボットとして構成されている。
第2駆動部4は、受止部2に受け止められた物品Wを受止部2から降ろすように受止部2を動作させる降ろし動作部41を含む。本実施形態では、第2駆動部4は、受止部2をX方向に案内しつつ移動させる第2X軸駆動部4Xと、受止部2をY方向に案内しつつ移動させる第2Y軸駆動部4Yと、を含む。本実施形態では、第1駆動部3と第2駆動部4とが一体的に構成されており、X方向、Y方向及びZ方向のそれぞれに保持部1を案内しつつ移動させると共に、X方向及びY方向のそれぞれに受止部2を案内しつつ移動させる直交ロボットとして構成されている。本実施形態では、第2X軸駆動部4Xが降ろし動作部41として機能する。
図1及び図3に示すように、本実施形態では、物品移載設備100は、保持部1をZ方向に案内するZ軸案内体51と、保持部1をZ方向に移動させるZ軸駆動機構52と、を備えている。
更に、本実施形態では、物品移載設備100は、Z軸案内体51に連結された第1X軸移動体531と、受止部2の一対の本体部21に連結された一対の第2X軸移動体532と、第1X軸移動体531をX方向に案内する第1X軸案内体541と、一対の第2X軸移動体532をX方向に案内する第2X軸案内体542と、第1X軸移動体531をX方向に移動させる第1X軸駆動機構551と、一対の第2X軸移動体532をX方向に移動させる一対の第2X軸駆動機構552と、を備えている。
更に、本実施形態では、物品移載設備100は、第1X軸案内体541のX方向の両端部に連結された一対の第1Y軸移動体561と、第2X軸案内体542のX方向の両端部に連結された一対の第2Y軸移動体562と、一対の第1Y軸移動体561及び一対の第2Y軸移動体562をY方向に案内する一対のY軸案内体57と、一対の第1Y軸移動体561をY方向に移動させる一対の第1Y軸駆動機構581と、一対の第2Y軸移動体562をY方向に移動させる第2Y軸駆動機構582と、を備えている。
Z軸案内体51は、Z方向に延在するレール部材である。Z軸案内体51には、保持部1の支持体12がZ方向に移動可能に取り付けられている。本実施形態では、Z軸駆動機構52は、Z方向に延在して保持部1の支持体12が螺合するZ軸ボールネジと、当該Z軸ボールネジを回転させるZ軸モータと、を有している(図示を省略)。Z軸駆動機構52は、Z軸モータによってZ軸ボールネジを回転させることで、Z軸案内体51に支持された支持体12をZ方向に移動させる。このように、本実施形態では、Z軸案内体51及びZ軸駆動機構52が、保持部1をZ方向に案内しつつ移動させるZ軸駆動部3Zとして機能する。
第1X軸移動体531は、第1X軸案内体541に対して、X方向に移動可能に取り付けられている。第1X軸移動体531に対してY方向第2側Y2にZ軸案内体51が配置され、当該Z軸案内体51が第1X軸移動体531に支持されている。第1X軸案内体541は、X方向に延在するレール部材である。第1X軸案内体541は、第2X軸案内体542よりもY方向第1側Y1に配置されている。本実施形態では、第1X軸案内体541は、第2X軸案内体542よりも上側Z1に位置するように、一対の第1Y軸移動体561によって支持されている(図4も参照)。
本実施形態では、第1X軸駆動機構551は、X方向に延在して第1X軸移動体531が螺合する第1X軸ボールネジと、当該第1X軸ボールネジを回転させる第1X軸モータと、を有している(図示を省略)。第1X軸駆動機構551は、第1X軸モータによって第1X軸ボールネジを回転させることで、第1X軸案内体541に支持された第1X軸移動体531をX方向に移動させる。このように、本実施形態では、第1X軸移動体531、第1X軸案内体541、及び第1X軸駆動機構551が、保持部1をX方向に案内しつつ移動させる第1X軸駆動部3Xとして機能する。
一対の第2X軸移動体532は、第2X軸案内体542に対して、X方向に移動可能に取り付けられている。一対の第2X軸移動体532に対してY方向第1側Y1に受止部2が配置され、当該受止部2におけるX方向第1側X1の連結部22がX方向第1側X1の第2X軸移動体532に支持されると共に、X方向第2側X2の連結部22がX方向第2側X2の第2X軸移動体532に支持されている。第2X軸案内体542は、X方向に延在するレール部材である。第2X軸案内体542は、第1X軸案内体541よりもY方向第2側Y2に配置されている。本実施形態では、第2X軸案内体542は、第1X軸案内体541よりも下側Z2に位置するように、一対の第2Y軸移動体562によって支持されている(図4も参照)。
本実施形態では、一対の第2X軸駆動機構552のそれぞれは、X方向に延在して、対応する1つの第2X軸移動体532が螺合する第2X軸ボールネジと、当該第2X軸ボールネジを回転させる第2X軸モータと、を有している(図示を省略)。一対の第2X軸駆動機構552のそれぞれは、第2X軸モータによって第2X軸ボールネジを回転させることで、第2X軸案内体542に支持された対応する第2X軸移動体532をX方向に移動させる。このように、本実施形態では、一対の第2X軸移動体532、第2X軸案内体542、及び一対の第2X軸駆動機構552が、受止部2をX方向に案内しつつ移動させる第2X軸駆動部4Xとして機能する。
一対の第1Y軸移動体561は、一対のY軸案内体57に対して、Y方向に移動可能に取り付けられている。一対のY軸案内体57のそれぞれは、Y方向に延在するレール部材である。一対のY軸案内体57は、互いにX方向に間隔を空けて配置されている。一対のY軸案内体57は、所定の位置に固定された一対の第1支持フレーム61にそれぞれ支持されている。X方向第1側X1のY軸案内体57は、当該Y軸案内体57上をX方向第1側X1の第1Y軸移動体561がY方向に移動可能に、当該第1Y軸移動体561を支持している。X方向第2側X2のY軸案内体57は、当該Y軸案内体57上をX方向第2側X2の第1Y軸移動体561がY方向に移動可能に、当該第1Y軸移動体561を支持している。
本実施形態では、一対の第1Y軸駆動機構581のそれぞれは、Y方向に延在して、対応する1つの第1Y軸移動体561が螺合する第1Y軸ボールネジと、当該第1Y軸ボールネジを回転させる第1Y軸モータと、を有している(図示を省略)。一対の第1Y軸駆動機構581のそれぞれは、第1Y軸モータによって第1Y軸ボールネジを回転させることで、Y軸案内体57に支持された対応する第1Y軸移動体561をY方向に移動させる。つまり、一対の第1Y軸駆動機構581は、一対の第1Y軸移動体561をY方向に移動させることで、一対の第1Y軸移動体561に支持された第1X軸案内体541をY方向に移動させる。なお、一対の第1Y軸駆動機構581は、一対の第1Y軸移動体561を、同一のY方向の位置を維持させた状態でY方向に移動させる。その結果、第1X軸案内体541は、X方向に平行な姿勢を維持した状態でY方向に移動する。
以上のように、本実施形態では、一対の第1Y軸移動体561、一対のY軸案内体57、及び一対の第1Y軸駆動機構581が、保持部1をY方向に案内しつつ移動させる第1Y軸駆動部3Yとして機能する。
一対の第2Y軸移動体562は、一対のY軸案内体57に対して、Y方向に移動可能に取り付けられている。具体的には、X方向第1側X1の第2Y軸移動体562が、X方向第1側X1のY軸案内体57上をY方向に移動可能に、当該Y軸案内体57に取り付けられていると共に、X方向第2側X2の第2Y軸移動体562が、X方向第2側X2のY軸案内体57上をY方向に移動可能に、当該Y軸案内体57に取り付けられている。
本実施形態では、一対の第2Y軸駆動機構582のそれぞれは、Y方向に延在して、対応する1つの第2Y軸移動体562が螺合する第2Y軸ボールネジと、当該第2Y軸ボールネジを回転させる第2Y軸モータと、を有している(図示を省略)。一対の第2Y軸駆動機構582のそれぞれは、第2Y軸モータによって第2Y軸ボールネジを回転させることで、Y軸案内体57に支持された対応する第2Y軸移動体562をY方向に移動させる。つまり、一対の第2Y軸駆動機構582は、一対の第2Y軸移動体562をY方向に移動させることで、一対の第2Y軸移動体562に支持された第2X軸案内体542をY方向に移動させる。なお、一対の第2Y軸駆動機構582は、一対の第2Y軸移動体562を、同一のY方向の位置を維持させた状態でY方向に移動させる。その結果、第2X軸案内体542は、X方向に平行な姿勢を維持した状態でY方向に移動する。
以上のように、本実施形態では、一対の第2Y軸移動体562、一対のY軸案内体57、及び一対の第2Y軸駆動機構582が、受止部2をY方向に案内しつつ移動させる第2Y軸駆動部4Yとして機能する。
図1及び図4に示すように、本実施形態では、物品移載設備100は、受止部2から降ろされた物品Wを回収する回収部7を備えている。回収部7は、第1位置P1及び第2位置P2とは異なる第3位置P3に配置されている。本実施形態では、第3位置P3は、第1位置P1と第2位置P2との間に配置されている。
図4に示すように、本実施形態では、回収部7は、受止部2から降ろされた物品Wを滑らせる滑り部材71と、滑り部材71を滑り落ちた物品Wが収容される回収容器72と、を有している。
滑り部材71は、物品Wを滑らせる傾斜面711aが形成された傾斜部711と、傾斜面711aにおける物品Wの移動を規制する一対の規制部712と、を有している。
傾斜部711は、板状に形成されており、その一方の表面に傾斜面711aが形成されている。本実施形態では、傾斜面711aは、平面状に形成されている。そして、傾斜面711aは、Y方向第2側Y2に向かうに従って次第に下側Z2に位置するように、水平面に対して傾斜している。また、本実施形態では、傾斜面711aは、X方向に平行に配置されている。このように構成された傾斜部711では、傾斜面711aに物品Wが載置されると、当該物品Wは傾斜面711a上を滑ってY方向第2側Y2に移動する。なお、傾斜面711aのY方向第2側Y2の端部には、物品WのY方向第2側Y2への移動を規制する要素は存在しないため、傾斜面711aを滑り落ちた物品Wは最終的に傾斜面711aのY方向第2側Y2の端部から落下する。
一対の規制部712は、傾斜部711のX方向の両端部から上側Z1に突出するように形成されている。一対の規制部712により、傾斜面711aにおける物品WのX方向の移動が規制される。
回収容器72は、上側Z1に開口する開口部72aを有している。本実施形態では、回収容器72は、上側Z1の面が開口した直方体状に形成されている。また、回収容器72は、傾斜面711aのY方向第2側Y2の端部に対して下側Z2に配置されている。具体的には、回収容器72の内部に、傾斜部711のY方向第2側Y2の端部が開口部72aを通して挿入されている。これにより、傾斜面711aを滑り落ちて、当該傾斜面711aのY方向第2側Y2の端部から落下した物品Wは、回収容器72内に収容される。
図1に示すように、本実施形態では、物品移載設備100は、第1容器C1を搬送する第1搬送装置81と、第2容器C2を搬送する第2搬送装置82と、を備えている。
第1搬送装置81は、第1容器C1を、第1位置P1を通る搬送経路でY方向に搬送する。第1搬送装置81は、第1位置P1にある第1容器C1を第1位置P1から搬出すると共に、当該第1容器C1とは別の第1容器C1を第1位置P1に搬入する。第1搬送装置81によって第1位置P1に搬入される第1容器C1には、少なくとも1つの物品Wが収容されている。図示の例では、第1搬送装置81は、X方向に沿う回転軸を有し、Y方向に一定の間隔を空けて配置された複数の第1ローラ811を備えたローラコンベヤである。
第2搬送装置82は、第2容器C2を、第2位置P2を通る搬送経路でY方向に搬送する。第2搬送装置82は、第2位置P2にある第2容器C2を第2位置P2から搬出すると共に、当該第2容器C2とは別の第2容器C2を第2位置P2に搬入する。図示の例では、第2搬送装置82は、X方向に沿う回転軸を有し、Y方向に一定の間隔を空けて配置された複数の第2ローラ821を備えたローラコンベヤである。
また、本実施形態では、物品移載設備100は、第1撮像装置91と、第2撮像装置92と、を備えている。第1撮像装置91は、第1位置P1にある第1容器C1よりも上側Z1に配置され、第1位置P1にある第1容器C1の内部を、第1開口部C1aを通して撮像する。第2撮像装置92は、第2位置P2にある第2容器C2よりも上側Z1に配置され、第2位置P2にある第2容器C2の内部を、第2開口部C2aを通して撮像する。図示の例では、第1撮像装置91及び第2撮像装置92は、一対の第1支持フレーム61に固定された第2支持フレーム62に支持されている。
図3に示すように、物品移載設備100は、第1駆動部3及び第2駆動部4を制御する制御部10を備えている。本実施形態では、制御部10は、Z軸駆動機構52、第1X軸駆動機構551、一対の第2X軸駆動機構552、一対の第1Y軸駆動機構581、及び一対の第2Y軸駆動機構582を制御する。具体的には、制御部10は、Z軸駆動機構52のZ軸モータ、第1X軸駆動機構551の第1X軸モータ、一対の第2X軸駆動機構552の第2X軸モータ、一対の第1Y軸駆動機構581の第1Y軸モータ、及び一対の第2Y軸駆動機構582の第2Y軸モータを制御する。
また、本実施形態では、制御部10は、以下のように各要素を制御する。
即ち、制御部10は、保持部1の吸着パッド11を制御することで、物品Wに対して作用する吸着状態と、物品Wに対して作用しない非吸着状態とを切り替える。また、制御部10は、第1搬送装置81及び第2搬送装置82を制御する。具体的には、制御部10は、第1搬送装置81の第1ローラ811を駆動する第1ローラ駆動源(図示を省略)、及び第2搬送装置82の第2ローラ821を駆動する第2ローラ駆動源(図示を省略)を制御する。また、制御部10は、第1撮像装置91及び第2撮像装置92を制御する。制御部10は、第1撮像装置91から送信される撮像情報に基づいて、第1位置P1にある第1容器C1の位置及び姿勢、並びに、その第1容器C1の内部の状態(物品Wの有無、並びに、物品Wの位置及び姿勢等)を認識する。更に、制御部10は、第2撮像装置92から送信される撮像情報に基づいて、第2位置P2にある第2容器C2の位置及び姿勢、並びに、その第2容器C2の内部の状態(物品Wの有無、並びに、物品Wの位置及び姿勢等)を認識する。
制御部10は、受止部2を、保持部1に保持されている物品Wの下側Z2に位置させて保持部1と同期して移動させる受止制御を実行する。更に、制御部10は、受止制御を実行しつつ、物品Wを保持した保持部1を第2位置P2の上側Z1に移動させた後、第2位置P2の上側Z1において保持部1に保持された物品Wと受止部2とがZ方向視で重複しないように受止部2を退避させ、第2位置P2に物品Wを降ろす通常制御を実行する。
以下では、制御部10による通常制御の一例について、図4から図10を参照して説明する。なお、以下の説明では、説明の便宜上、第1位置P1に搬入される第1容器C1に収容された物品Wの数を1とし、第2位置P2に搬入される第2容器C2には物品Wが収容されていないものとする。
図4は、通常制御開始前の物品移載設備100の初期状態の一例を示している。この初期状態では、1つの物品Wが収容された第1容器C1が第1位置P1に配置されると共に、物品Wが収容されていない第2容器C2が第2位置P2に配置されている。
また、上記の初期状態では、第1X軸移動体531が第1X軸案内体541における移動範囲の最もX方向第1側X1に位置すると共に、一対の第2X軸移動体532が第2X軸案内体542における移動範囲の最もX方向第1側X1に位置している。更に、第1X軸案内体541が一対のY軸案内体57における移動範囲の最もY方向第1側Y1に位置すると共に、第2X軸案内体542が一対のY軸案内体57における移動範囲の最もY方向第2側Y2に位置している。この状態では、いずれの要素(例えば、保持部1、受止部2等)も、第1位置P1にある第1容器C1又は第2位置P2にある第2容器C2に対してZ方向視で重複していない。また、一対の本体部21は互いに最も近接した位置にあり、受止部2が受止状態となっている。
通常制御では、まず、第1撮像装置91が、第1位置P1にある第1容器C1の内部を、第1開口部C1aを通して撮像する。更に、第2撮像装置92が、第2位置P2にある第2容器C2の内部を、第2開口部C2aを通して撮像する。制御部10は、第1撮像装置91からの撮像情報に基づいて、第1位置P1にある第1容器C1内に、第2容器C2に移載されるべき物品Wが存在していると判断し、かつ、第2撮像装置92からの撮像情報に基づいて、第2位置P2にある第2容器C2内に物品Wが存在していないと判断した場合に、通常制御を継続する。なお、制御部10は、第1位置P1にある第1容器C1内に、第2容器C2に移載されるべき物品Wが存在していないと判断した場合は、例えば、第1搬送装置81を制御して、第1位置P1に新たな第1容器C1を供給する。また、制御部10は、第2位置P2にある第2容器C2内に物品Wが存在していると判断した場合は、例えば、第2搬送装置82を制御して、第2位置P2に新たな第2容器C2を供給する。
図5に示すように、通常制御では、保持部1の吸着パッド11が第1位置P1にある第1容器C1の物品WとZ方向視で重複するように、第1駆動部3が駆動する。具体的には、吸着パッド11が第1位置P1にある第1容器C1の物品WとZ方向視で重複するように、第1X軸移動体531がX方向第2側X2に移動すると共に、一対の第1Y軸移動体561がY方向第2側Y2に移動する。また、これに伴い、受止制御も開始され、受止部2が保持部1に近づくように、一対の第2X軸移動体532がX方向第2側X2に移動すると共に、一対の第2Y軸移動体562がY方向第1側Y1に移動する。
次に、図6に示すように、保持部1が第1位置P1にある第1容器C1の物品Wを保持するために、保持部1が下側Z2に移動する。このとき、保持部1と受止部2との干渉を回避するため、受止部2が受止解除状態となるように、一対の第2X軸移動体532が互いにX方向に離間する。なお、図示の例では、受止部2が物品Wを受け止めるための位置に到達する前の時点で、一対の第2X軸移動体532が離間動作を開始している。これにより、保持部1が第1位置P1にある第1容器C1の物品Wを保持するために下側Z2に移動するタイミングを早めることができる。
その後、吸着パッド11が物品Wの上側Z1の表面を吸着可能な位置となるまで、支持体12がZ軸案内体51に対して下側Z2に移動し、吸着パッド11が吸着状態となる。こうして、保持部1が第1位置P1にある第1容器C1の物品Wを保持する。
図7に示すように、保持部1が第1位置P1にある第1容器C1の物品Wを保持した後、当該物品Wが一対の受止面21aよりも上側Z1に位置するように、保持部1の支持体12がZ軸案内体51に対して上側Z1に移動する。その後、受止部2が受止状態となるように、一対の第2X軸移動体532が互いにX方向に近接する。図示の例では、一対の第2X軸移動体532は、互いに最も近接するまでX方向に移動している。
続いて、図8に示すように、保持部1に保持された物品Wが第2位置P2にある第2容器C2の底面とZ方向視で重複するように、第1X軸移動体531がX方向第2側X2に移動する。このとき、受止制御により、受止部2が保持部1に保持されている物品Wの下側Z2に位置するように、一対の第2X軸移動体532が第1X軸移動体531と同期してX方向第2側X2に移動する。
続いて、図9に示すように、保持部1が保持している物品Wを第2位置P2にある第2容器C2に収容するために、保持部1が下側Z2に移動する。具体的には、吸着パッド11に吸着されている物品Wが、第2開口部C2aを通して第2容器C2内に侵入し、第2容器C2の底面に近接するまで、支持体12がZ軸案内体51に対して下側Z2に移動する。このとき、保持部1に保持された物品Wと受止部2との干渉を回避するため、受止部2が受止解除状態となるように、一対の第2X軸移動体532が互いにX方向に離間する。
その後、吸着パッド11が非吸着状態となり、保持部1による保持が解除された物品Wが第2位置P2にある第2容器C2の底面に載置される。こうして、第2位置P2にある第2容器C2に保持部1が物品Wを収容して、物品Wの移載作業が完了する。
図10に示すように、物品Wの移載作業が完了した後、吸着パッド11が一対の受止面21aよりも上側Z1に位置するまで保持部1が上側Z1に移動すると共に、受止部2が受止状態となるまで一対の第2X軸移動体532が互いにX方向に近接する。これと同時に、第1X軸移動体531及び一対の第2X軸移動体532がX方向第1側X1に移動すると共に、一対の第1Y軸移動体561及び一対の第2Y軸移動体562が互いにY方向に離間する。そして、いずれの要素(例えば、保持部1、受止部2等)も第1位置P1にある第1容器C1又は第2位置P2にある第2容器C2に対してZ方向視で重複しない状態(例えば、上記の初期状態、保持部1及び受止部2がZ方向視で第1容器C1と第2容器C2との間に位置した状態等)となるまで、第1X軸移動体531及び一対の第2X軸移動体532、並びに、一対の第1Y軸移動体561及び一対の第2Y軸移動体562が移動する。その後、制御部10は、以上のような制御を繰り返す。
また、制御部10は、通常制御の実行中に、保持部1による物品Wの保持が解除されて当該物品Wが受止部2に受け止められた場合に、受止部2を第1位置P1及び第2位置P2とは異なる第3位置P3の上側Z1に移動させ、受止部2に受け止められた物品Wを第3位置P3に降ろす異常時制御を実行する。
以下では、制御部10による異常時制御の一例について、図11から図14を参照して説明する。
図11に示すように、制御部10は通常制御中に受止制御を実行しているため、物品Wの移載作業中に保持部1による物品Wの保持が意図せずに解除された場合、当該物品Wは受止部2の一対の受止面21a上に落下する。これに伴い、制御部10は異常時制御を開始する。なお、保持部1による物品Wの保持が解除されたことは、例えば、保持部1の吸着パッド11内の負圧が急上昇した(急激にゼロに近づく)こと等により検知することができる。また、物品Wの種類によっては落下によって破損等が生じる可能性があるため、受止制御中、保持部1に保持された物品Wと一対の受止面21aとの距離ができるだけ短くなるように、一対の受止面21aが配置されると好適である。
図12に示すように、異常時制御では、受止部2に受け止められた物品Wが、回収部7における傾斜面711aの上側Z1の端部(ここでは、Y方向第1側Y1の端部)とZ方向視で重複するように、第2駆動部4が駆動する。図示の例では、一対の第2X軸移動体532がX方向第1側X1に移動する。更に、図示の例では、受止部2に受け止められた物品Wよりも保持部1が上側Z1に位置した状態で、一対の第2X軸移動体532に同期して、第1X軸移動体531もX方向第1側X1に移動する。
続いて、図13に示すように、受止部2が受止解除状態となるように、一対の第2X軸移動体532が互いにX方向に離間する。その結果、物品Wが受止部2から回収部7における傾斜面711aの上側Z1の端部に落下する。
図14に示すように、傾斜面711aに落下した物品Wは、傾斜面711a上を滑ってY方向第2側Y2に移動し、傾斜面711aの下側Z2の端部(ここでは、Y方向第2側Y2の端部)から回収容器72内に落下して収容される。こうして、意図せずに保持部1による保持を解除された物品Wが回収部7に回収される。
受止部2が物品Wを落下させた後、制御部10は、吸着パッド11が一対の受止面21aよりも上側Z1に位置するまで保持部1が上側Z1に移動すると共に、受止部2が受止状態となるまで一対の第2X軸移動体532が互いにX方向に近接するように、第1駆動部3及び第2駆動部4を制御する。そして、制御部10は、異常時制御を終了する。その後、制御部10は、次の物品Wに対する通常制御を実行する。具体的には、制御部10は、第1搬送装置81を制御して、第1位置P1に新たな第1容器C1を供給した後、当該第1容器C1に収容された物品Wに対する通常制御を実行する。
〔その他の実施形態〕
(1)上記の実施形態では、第1搬送装置81の搬送経路の途中に移載対象箇所としての第1位置P1が設定されると共に、第2搬送装置82の搬送経路の途中に移載対象箇所としての第2位置P2が設定され、第1駆動部3及び第2駆動部4がこれらの移載対象箇所を跨ぐように設置された構成を例として説明した。しかし、移載対象箇所や、第1搬送装置81及び第2搬送装置82に対する第1駆動部3及び第2駆動部4の設置位置等は適宜変更してもよい。例えば、第1搬送装置81の搬送経路の下流側端部に第1位置P1が設定されると共に、第2搬送装置82の搬送経路の下流側端部に第2位置P2が設定され、第1駆動部3及び第2駆動部4がこれらを跨ぐように設置されていてもよい。或いは、物品Wの搬送経路が屈曲又はカーブしている構成であって、これらの屈曲部分やカーブの途中に移載対象箇所が設置され、当該移載対象箇所に対して移載可能な位置に第1駆動部3及び第2駆動部4が設置されていてもよい。
(2)上記の実施形態では、第1容器C1(容器)を搬送する第1搬送装置81(搬送装置)及び第2容器C2(容器)を搬送する第2搬送装置82(搬送装置)のそれぞれがローラコンベヤである構成を例として説明した。しかし、容器を搬送する搬送装置の構成はこれに限定されず、搬送台車やカルーセル型の搬送機構等、公知の各種の搬送装置を用いることができる。また、物品Wの移載を行う対象箇所は、このような搬送装置によって搬送される容器には限定されず、物品Wが置かれる各種の場所を移載対象箇所とすることができる。例えば、作業者によって搬送される容器が移載対象箇所とされてもよいし、或いは、容器がない搬送装置の搬送面が移載対象箇所とされてもよい。
例えば、図15に示すように、カルーセル型の搬送機構を備えたピッキングステーションを移載対象箇所としても好適である。この図に示す例では、物品移載設備100は、第1容器C1をX方向に沿う軸心周りに旋回させるように搬送する第1ピッキング装置101と、第2容器C2をX方向に沿う軸心周りに旋回させるように搬送する第2ピッキング装置102と、を備えている。そして、これらのピッキング装置(第1ピッキング装置101及び第2ピッキング装置102)により搬送される容器(第1容器C1及び第2容器C2)を移載対象箇所としている。そのため、第1駆動部3及び第2駆動部4は、X方向に並ぶ第1ピッキング装置101と第2ピッキング装置102とに対して上側Z1に設置されている。第1ピッキング装置101は、第1容器C1を支持する複数の支持体103と、これら複数の支持体103をX方向に沿う軸心周りに回転させる支持回転体104と、第1コンベヤ105と、第2コンベヤ106と、を備えている。第1ピッキング装置101は、第1コンベヤ105から支持体103に第1容器C1を渡し、その第1容器C1をX方向に沿う軸心周りに回転させるように回転搬送した後に、支持体103から第2コンベヤ106に渡すように、第1容器C1を搬送する。この第1ピッキング装置101における回転搬送の途中に第1位置P1が設定されている。第2ピッキング装置102は、第1ピッキング装置101と同様に構成されており、支持体103は第2容器C2を支持して搬送する。また、第2ピッキング装置102の回転搬送の途中に、第2位置P2が設定されている。そして、第1駆動部3及び第2駆動部4が駆動して、第1ピッキング装置101の第1位置P1にある支持体103に支持されている第1容器C1から、第2ピッキング装置102の第2位置P2にある支持体103に支持されている第2容器C2に、物品Wを移載する。
(3)上記の実施形態では、Z方向が鉛直方向に一致した構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、Z方向が鉛直方向に対して傾斜した構成としても良い。
(4)上記の実施形態では、1つの保持部1と1つの受止部2とを備えた構成を例として説明した。しかし、保持部1及び受止部2の数は限定されず、保持部1及び受止部2のそれぞれが複数設けられても良いし、保持部1の数と受止部2の数とが異なっていても良い。
(5)上記の実施形態では、第3位置P3が第1位置P1と第2位置P2との間に配置された構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、第3位置P3が、第1位置P1と第2位置P2とを接続する領域に対して、X方向の一方側やY方向の一方側に配置された構成としても良い。
(6)上記の実施形態では、回収部7が滑り部材71と回収容器72とを有する構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば、滑り部材71及び回収容器72のいずれか一方のみが設けられても良いし、回収部7自体が設けられなくても良い。
(7)上記の実施形態では、受止部2が一対の本体部21を有し、降ろし動作部41が一対の本体部21を互いに近接及び離間させて、受止部2を受止状態と受止解除状態とに状態変更させる構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば、受止部2が水平面に沿う回転軸に連結され、降ろし動作部41が当該回転軸を軸心回りに回転させることで、物品Wを受止部2から降ろす構成としても良い。
(8)上記の実施形態では、第1搬送装置81が第1容器C1をY方向に搬送すると共に、第2搬送装置82が第2容器C2をY方向に搬送する構成を例として説明した。しかし、第1搬送装置81及び第2搬送装置82が容器を搬送する方向は適宜変更しても良い。例えば、第1搬送装置81の搬送方向と第2搬送装置82の搬送方向とが互いに交差する方向であっても良い。この場合において、第1搬送装置81と第2搬送装置82との設置高さが異なっていても良い。
(9)保持部1を移動させる第1駆動部3及び受止部2を移動させる第2駆動部4の構成は、上記の実施形態に記載した構成に限定されない。各駆動部を構成するX軸、Y軸、Z軸の各軸の案内体の連結関係は、適宜入れ替えることが可能である。また、いずれの軸の案内体を兼用するか、或いは全てを独立の案内体とするかについても、適宜変更可能である。
(10)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
〔上記実施形態の概要〕
以下では、上記において説明した物品移載設備の概要について説明する。
物品移載設備は、
第1位置から第2位置へ物品を移載する物品移載設備であって、
前記物品を保持する保持部と、
前記物品を受け止める受止部と、
前記保持部を移動させる第1駆動部と、
前記受止部を移動させる第2駆動部と、
前記第1駆動部及び前記第2駆動部を制御する制御部と、を備え、
予め定められた基準方向をZ方向とし、当該Z方向視で互いに直交する2つの方向の一方をX方向、他方をY方向として、
前記第1駆動部は、
前記保持部を前記Z方向に案内しつつ移動させるZ軸駆動部と、
前記保持部を前記X方向に案内しつつ移動させるX軸駆動部と、
前記保持部を前記Y方向に案内しつつ移動させるY軸駆動部と、を含み、
前記第2駆動部は、前記受止部に受け止められた前記物品を前記受止部から降ろすように前記受止部を動作させる降ろし動作部を含み、
前記制御部は、
前記受止部を、前記保持部に保持されている前記物品の下方に位置させて前記保持部と同期して移動させる受止制御と、
前記受止制御を実行しつつ、前記物品を保持した前記保持部を前記第2位置の上方に移動させた後、前記第2位置の上方において前記保持部に保持された前記物品と前記受止部とが前記Z方向視で重複しないように前記受止部を退避させ、前記第2位置に前記物品を降ろす通常制御と、
前記通常制御の実行中に、前記保持部による前記物品の保持が解除されて当該物品が前記受止部に受け止められた場合に、前記受止部を前記第1位置及び前記第2位置とは異なる第3位置の上方に移動させ、前記受止部に受け止められた前記物品を前記第3位置に降ろす異常時制御と、を実行する。
この構成によれば、通常制御中に受止制御を実行する。そのため、物品を第1位置から第2位置へ移載する際、保持部に保持されている物品の下方に受止部が位置した状態で、保持部と受止部とが同期して移動する。これにより、物品の移載作業中に保持部による物品の保持が意図せずに解除された場合であっても、当該物品を受止部によって受け止めることができる。その結果、意図せずに保持を解除された物品が誤った位置に移動する可能性を低減することができる。また、本構成によれば、受止部に受け止められた物品を第3位置に降ろす異常時制御を実行する。これにより、意図せずに保持を解除された物品を適切に回収することができる。したがって、当該物品によって物品移載設備の動作が妨げられることを回避できる。
ここで、前記第3位置は、前記第1位置と前記第2位置との間に配置されていると好適である。
この構成によれば、物品の移載元である第1位置と物品の移載先である第2位置との間に第3位置が配置されている。これにより、物品の移載作業中に保持部による物品の保持が意図せずに解除された場合に、保持部による物品の保持が解除された位置から第3位置までの距離を短く抑えることができる。その結果、保持部による物品の保持が意図せずに解除されてから、物品の移載作業を再開するまでの時間を短く抑えることができる。
また、前記受止部から降ろされた前記物品を回収する回収部を更に備え、
前記回収部は、前記第3位置に配置されていると好適である。
この構成によれば、意図せずに保持を解除された物品が第3位置において回収部に回収される。したがって、意図せずに保持を解除された物品を適切に回収し、まとめて移動等をすることが容易となる。
また、前記回収部は、水平面に対して傾斜した傾斜面を有し、
前記制御部は、前記異常時制御において、前記受止部に受け止められた前記物品を前記受止部から前記傾斜面に降ろすと好適である。
この構成によれば、物品を受止部から回収部の傾斜面に降ろすだけで、当該傾斜面に沿って物品を滑らせて移動させることができる。したがって、簡易な構成で、受止部から降ろされた物品を所望の位置に移動させることができる。
また、前記受止部は、互いに近接及び離間する一対の本体部を有し、
前記降ろし動作部は、一対の前記本体部を互いに近接させて前記物品を受け止め可能な受止状態と、一対の前記本体部を互いに離間させて前記物品を前記受止部から降ろす受止解除状態と、に前記受止部を状態変更させると好適である。
この構成によれば、一対の本体部を互いに近接及び離間するだけで、受止部を受止状態と受止解除状態とに状態変更させることができる。したがって、受止部を簡易な構成とすることができる。
また、本構成によれば、一対の本体部を互いに近接及び離間することで、受止部を受止状態と受止解除状態とに状態変更させるため、一対の本体部は主に上下方向に直交する方向に沿って移動する。したがって、一対の本体部が互いに近接及び離間する際、受止部の上方に位置することが多い保持部に対して受止部が干渉し難い構成とすることが容易となる。