JP7070201B2 - 電池 - Google Patents

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Description

本発明は、電池に関する。
近年、環境・エネルギー問題の解決へ向けて、種々の電気自動車の普及が期待されている。これら電気自動車の普及の鍵を握るモータ駆動用電源などの車載電源として、電池の開発が鋭意行われている。車載電源への適用を指向した電池は、携帯電話やノートパソコン等に使用される電池と比較して極めて高い出力特性を有することが求められている。
例えば特許文献1には、電池の出力特性を向上させるために複数の単セルを積層して直列に接続した積層型電池が開示されている。ここで、単セルは、正極活物質を含む正極活物質層を正極集電体の表面に形成した正極と、負極活物質を含む負極活物質層を負極集電体の表面に形成した負極とがセパレータを介して積層されて構成される。特許文献1では、電解液の漏れによる短絡を防止するため、電極活物質層の外周を囲むように枠体(封着部材)を配置して、正極集電体および負極集電体の外周を封止している。
特開2004-349156号
ところで、軽量化の観点から電池に樹脂集電体を用いる技術が知られている。本発明者らの検討によれば、樹脂集電体を用いた場合、上記特許文献1に開示されているような断面が略矩形形状の枠体を用いた電池では、内部が減圧状態の単セルが外気圧によって圧縮される際に樹脂集電体が劣化する可能性があることが判明した。これは、枠体の内縁と電極活物質層との間の隙間に樹脂集電体が入り込むように曲げ変形することによって、樹脂集電体に引張応力が発生することが原因と考えられる。
そこで本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、樹脂集電体の劣化を抑制できる電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明に係る電池は、セパレータと、前記セパレータの両面に配置された電極活物質層と、枠体と、前記セパレータ、前記電極活物質層および前記枠体を挟持するように配置された樹脂集電体と、を有する。前記枠体は、前記セパレータの少なくとも一方の表面に、前記電極活物質層との間に隙間を介して前記電極活物質層の外周を囲むように配置される。そして、前記枠体の内縁部は、前記樹脂集電体と対向する側において、外縁側から内縁側に向かって厚さが漸減する傾斜面を備える。
上述のように構成された電池によれば、外気圧からの圧縮力に応じて枠体の内縁部に沿って変形する樹脂集電体の曲げ変形の度合いが緩やかになる。よって、樹脂集電体の曲げに起因して発生する引張応力を低減し、樹脂集電体の劣化を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る電池の全体構造の概略を示す断面図である。 図1に示す単セルを拡大して示す断面図である。 図1に示す枠体を示す斜視図である。 図3の4-4線に沿う断面図である。 図2の一点破線で囲んだ部分Aを拡大して示す断面図である。 図2の一点破線で囲んだ部分Bを拡大して示す断面図である。 比較例1に係る単セルを示す断面図である。 比較例2に係る単セルを示す断面図である。 変形例1に係る単セルを示す断面図である。 変形例2に係る枠体を示す断面図である。 変形例3に係る枠体を示す断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明するが、本発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて定められるべきであり、以下の形態のみに制限されない。
なお、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。本明細書において、範囲を示す「X~Y」は「X以上Y以下」を意味する。
<電池>
本発明の実施形態に係る電池の一例として非水電解質二次電池の1種である双極型リチウムイオン二次電池について説明する。ここで、双極型リチウムイオン二次電池とは、直列接続された双極型電極を含み、正極と負極との間をリチウムイオンが移動することで充電や放電を行う二次電池である。なお、本発明を適用する電池は双極型リチウムイオン二次電池に制限されず、従来公知の任意の二次電池にも適用可能である。以下の説明では、双極型リチウムイオン二次電池を単に「電池」と称する。
図1は、本発明の一実施形態に係る電池10の全体構造の概略を示す断面図である。電池10は、外部からの衝撃や環境劣化を防止するために、図1に示すように、複数の単セル14が積層されてなる積層体11が外装体12の内部に封止された構造を有する。積層体11は、充放電反応に寄与する発電要素である。なお、単セル14の積層回数は、所望する電圧に応じて調節することが好ましい。また、本明細書では、複数の単セル14が積層される方向を「積層方向」と称し、図中に矢印Zで示す。また、積層方向に直交する平面を「面方向」と称し、図中に矢印Xおよび矢印Yで示す。
図1に示すように、電池10では、正極側の正極樹脂集電体20に隣接するように正極集電板(正極タブ)34aが配置され、これが延長されて外装体12から導出している。一方、負極側の負極樹脂集電体60に隣接するように負極集電板(負極タブ)34bが配置され、同様にこれが延長されて外装体12から導出している。
図1に示すように、正極29および負極59は、樹脂集電体20、60の一方の表面に電気的に結合した正極活物質層30が形成され、樹脂集電体20、60の他方の表面に電気的に結合した負極活物質層50が形成された双極型電極を構成する。以下、正極活物質層30および負極活物質層50を総称して電極活物質層30、50とも称する。
[単セル]
図2は、図1に示す単セル14を拡大して示す断面図である。単セル14は、図2に示すように、正極29および負極59をセパレータ40を介して積層して構成される。正極29は、正極活物質層30が正極樹脂集電体20に配置されてなる。負極59は、負極活物質層50が負極樹脂集電体60に配置されてなる。正極活物質層30と負極活物質層50とは、セパレータ40を介して互いに向かい合うように配置される。セパレータ40の表面41S、42Sのうち、一方の表面41Sには負極活物質層50が配置され、他方の表面42Sには正極活物質層30が配置される。
図1および図2に示す本形態では、セパレータ40の表面41S、42Sのうち一方の表面41Sに配置された負極活物質層50は、他方の表面42Sに配置された正極活物質層30に比べて面積が大きく形成される。ここで、「電極活物質層30、50の面積」とは、積層方向から平面視した際の電極活物質層30、50の面積のことを意味する。
単セル14は、樹脂集電体20、60の表面の外縁に沿って面方向に枠状に配置された枠体80をさらに有する。樹脂集電体20、60は、セパレータ40、電極活物質層30、50および枠体80を挟持するように配置される。
[枠体]
枠体80は、セパレータ40の表面41S、42Sのうち少なくとも一方の表面に、電極活物質層30、50との間に隙間Gを介して、電極活物質層30、50の外周を囲むように配置される。
図3は、本形態に係る枠体80を示す斜視図である。図3に示すように、枠体80の内縁は、電極活物質層30、50(図3では負極活物質層50のみを示す)を内側に配置するための開口部80Hを区画形成する。また、図2および図3に示す本形態では、枠体80の外形および開口部80Hの形状は、樹脂集電体20、60の外形形状にほぼ等しい矩形枠状を有する。
なお、枠体80と電極活物質層30、50との間に隙間Gが生じるのは製造上の制約によるものである。具体的に説明すると、電池10の製造工程では、量産性を向上する目的から、枠体80をセパレータ40に接合した組立体を形成した後に、該組立体を介して正極29および負極59を積層することが好ましい。この積層工程において、短時間で正極29および負極59の電極活物質層30、50を枠体80の開口部80H内に配置するためには、電極活物質層30、50の面積を枠体80の開口部80Hの面積よりも小さく形成しておく必要がある。このため、枠体80と電極活物質層30、50との間に隙間Gが生じる。
図2に示す本形態では、枠体80は、セパレータ40の正極29側および負極59側の両面41S、42Sに配置される。枠体80は、積層された単セル14間の間隔を保持して、電極活物質層30、50の積層方向の厚さの変形を規制するスペーサ機能を有する。
図4は、図3の4-4線に沿う断面図である。図4に示すように、枠体80の内縁部81は、外縁側から内縁側に向かって積層方向の厚さが漸減するように形成される。さらに、枠体80の内縁部81は、樹脂集電体20、60と対向する側にセパレータ40の表面41S、42Sに対して傾斜する傾斜面81Sを備える。また、枠体80は、内縁部81よりも外縁側に延在し、厚さが略一定に形成された外縁部82を有する。枠体80の外縁部82は、樹脂集電体20、60に対向する側にセパレータ40の表面41S、42Sに対して略平行な平坦面82Sを備える。傾斜面81Sと平坦面82Sとが交差した部分(境目)には角部83が形成される。
なお、本明細書中、「枠体80の内縁部81」とは、開口部80Hを区画形成する内縁およびその周辺を含む一定の範囲を意味する。同様に、枠体80の外縁部82とは、外縁およびその周辺を含む一定の範囲を意味する。また、「枠体80の内縁」とは、枠体80の内側の最端を意味し、「枠体80の外縁」とは、枠体80の外側の最端を意味する。
図4を参照して、傾斜面81Sとセパレータ40の表面41S、42Sとのなす角度θ1は、鋭角(0°よりも大きく90°未満)である。角度θ1は、鋭角である限りにおいて特に限定されないが、好ましくは5°~85°であり、より好ましくは10°~45°、さらに好ましくは15°~30°である。
一方で、傾斜面81Sと平坦面82Sとのなす角度θ2(角部83の角度)は、鈍角(90°よりも大きく180°未満)である。図4に示す本形態では、傾斜面81Sは断面視において略直線状であるため、角度θ2は、180°から角度θ1を引いた角度にほぼ等しくなる。角度θ1は、鈍角である限りにおいて特に限定されないが、好ましくは95°~175°であり、より好ましくは135°~170°、さらに好ましくは150°~165°である。
単セル14の内部は略真空の減圧状態であるため、図2に示すように、可撓性の樹脂集電体20、60は外気圧によって圧縮されて枠体80の内縁部81に沿って変形する。この際、樹脂集電体20、60は、枠体80と電極活物質層30、50との間の隙間Gに入り込むように変形する。樹脂集電体20、60には、曲げ変形する部分(図2中の破線で囲んだ部分)が生じる。
図5は、図2の一点破線で囲んだ部分Aを拡大して示す断面図である。図5を参照して、枠体80の内縁部81の傾斜面81Sおよび隙間Gのセパレータ40の形状に沿って曲げ変形した負極樹脂集電体60の曲げ角度は角度θ1となる。上述したように角度θ1は、鋭角である。
図6は、図2の一点破線で囲んだ部分Bを拡大して示す断面図である。図6を参照して、枠体80の傾斜面81Sおよび平坦面82Sに沿って曲げ変形した負極樹脂集電体60の曲げ角度θ3は180°から角度θ1を引いた角度にほぼ等しくなる。上述したように角度θ2を鈍角に設定することによって、角度θ3は鋭角(0°よりも大きく90°未満)となる。
図5および図6に示す本形態では、負極樹脂集電体60の曲げ角度θ1、θ3が鋭角のため、負極樹脂集電体60の曲げ変形の度合いが緩やかになる。その結果、負極樹脂集電体60の曲げに起因して発生する引張応力を低減し、負極樹脂集電体60の劣化を抑制することができる。
図5および図6では、負極樹脂集電体60の曲げ変形について説明したが、図2に示すように枠体80の配置はセパレータ40に対して対称に配置されているため、正極樹脂集電体20についても同様に曲げ角度は鋭角となる。このため、負極樹脂集電体60と同様の効果を奏する。
また、上述したように製造上の制約から、枠体80は、電極活物質層30、50との間に隙間Gを設けて配置される。電極活物質層30、50と枠体80との間の隙間Gは、電極活物質層30、50や枠体80が配置される部分に比べて厚さが小さく、剛性が急激に低下する変曲点となる。このため、振動入力が加わった際に、当該変曲点が折れ曲がりの起点(曲げモーメントの支点)となって、枠体80が配置された単セル14の端部が振動しやすくなる。樹脂集電体20、60に引張応力が発生した状態で振動すると、樹脂集電体20、60がより劣化しやすくなる。したがって、電極活物質層30、50と枠体80との間の隙間Gがある形態に本発明を適用することによって、樹脂集電体20、60の曲げに起因して発生する引張応力を低減し、樹脂集電体20、60の劣化を抑制するという本発明の効果がより顕著なものとなる。
また、枠体80は、セパレータ40の表面41S、42Sのうち、少なくとも面積の大きい負極活物質層50が配置された一方の表面41Sに配置することが好ましい。図2を参照して、負極活物質層50と枠体80との間の距離L1(隙間Gの大きさ)は、正極活物質層30と枠体80との間の距離L2よりも短い。負極59側の隙間Gでは、正極29側の隙間Gに比べて局所的に剛性が低くなるため、振動入力が加わった際に隙間Gに配置された負極樹脂集電体60に応力が集中する。その結果、負極樹脂集電体60は、正極樹脂集電体20に比べて劣化しやすくなる。したがって、面積の大きい負極活物質層50側に本発明の枠体80を配置することによって、樹脂集電体20、60の劣化を抑制するという本発明の効果がより顕著なものとなる。なお、正極29側には後述する比較例1(図7を参照)のように断面が略矩形形状の枠体を配置してもよく、この場合でも本発明の効果を十分に発揮することができる。
また、図5に示す本形態のように、枠体80の内縁の厚さt1は、樹脂集電体20、60の厚さt2よりも薄くなるように形成することが好ましい。なお、図5では負極樹脂集電体60について示しているが正極樹脂集電体20についても同様の構成を有する。枠体80の内縁の厚さt1は、特に限定されないが、好ましくは0よりも大きく100μm以下、より好ましくは0よりも大きく50μm以下、さらに好ましくは0よりも大きく10μm以下、特に好ましくは0よりも大きく5μm以下である。また、樹脂集電体20、60の厚さt2は、特に制限されないが、好ましくは1~100μm、より好ましくは5~50μm、さらに好ましくは5~20μm、特に好ましくは5~10μmである。
枠体80を構成する材料としては、例えば、絶縁材料または、表面に絶縁処理を施した導電性材料が採用されうる。
絶縁材料としては、例えば、非導電性高分子材料が挙げられる。非導電性高分子材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネイト(PC)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミド(PA)のいずれか一つ以上を含む材料が挙げられる。また、上記の非導電性高分子材料とガラス繊維、カーボンナノファイバー、セルロースナノファイバー等の強化繊維とを組み合わせた複合材料などを用いてもよい。
導電性材料としては、例えば、金属材料が挙げられる。金属材料としては、アルミニウム、ニッケル、鉄、ステンレス、チタン、銅などが挙げられる。絶縁処理の方法は、特に限定されないが、例えば、上記金属材料の表面にポリオレフィン系の樹脂等を被覆する方法が挙げられる。
図2に示すように、本形態に係る枠体80は、シール部材90を用いて樹脂集電体20、60およびセパレータ40に接合される。シール部材90は、単セル14を液密に封止し、電解液の漏れによる液絡を防止している。なお、図中では、説明の便宜上、シール部材90に厚みをもたせて図示しているが、実際にはシール部材90に厚さは樹脂集電体20、60の曲げ角度に影響しない程度に非常に小さい。
シール部材90を構成する材料としては、絶縁性、電解液や固体電解質の脱落に対するシール性や外部からの水分の透湿に対するシール性(密封性)、電池動作温度下での耐熱性等を有するものであればよい。例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリイミド樹脂、ゴム(エチレン-プロピレン-ジエンゴム:EPDM)等が用いられうる。また、イソシアネート系接着剤や、アクリル樹脂系接着剤、シアノアクリレート系接着剤などを用いてもよく、ホットメルト接着剤(ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂)などを用いてもよい。なかでも、耐蝕性、耐薬品性、作り易さ(製膜性)、経済性等の観点から、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂が、絶縁層の構成材料として好ましく用いられ、非結晶性ポリプロピレン樹脂を主成分とするエチレン、プロピレン、ブテンを共重合した樹脂を用いることが好ましい。
以下、比較例を参照して本形態の枠体80の作用効果について説明する。図7は、比較例1に係る単セルを示す断面図である。図8は、比較例2に係る単セルを示す断面図である。なお、図8では、正極29側の構成は負極59側の構成と同様のため、図示を省略している。
図7に示す比較例1のように断面が略矩形形状の枠体180の場合、外気圧によって圧縮されて変形した樹脂集電体20、60の曲げ角度θ4、θ5は略直角となる。角度θ4、θ5が大きくなると、樹脂集電体20、60の内部に発生する引張応力(図7中の矢印方向の応力)が増大する。これにより、樹脂集電体20、60が劣化する虞がある。
これに対して、図4に示す枠体80の内縁部81は、外縁側から内縁側に向かって厚さが漸減するように形成され、樹脂集電体20、60と対向する側にセパレータ40の表面41S、42Sに対して傾斜する傾斜面81Sを備える。これにより、図5および図6に示すように、比較例1に比べて樹脂集電体20、60の曲げ角度θ1、θ3が小さくなる。これにより、樹脂集電体20、60の曲げ変形の度合いを緩やかになるため、樹脂集電体20、60の曲げに起因して発生する引張応力を低減し、樹脂集電体20、60の劣化を抑制できる。
図8に示す比較例2のように枠体280の内縁の厚さt3が樹脂集電体20、60の厚さt2よりも厚い場合、樹脂集電体20、60には複数部位で曲げ変形(図8中の破線で囲んだ部分)が生じる。また、枠体280の内縁の厚さt3が樹脂集電体20、60の厚さt2に比べて厚くなる程、樹脂集電体20、60の曲げ角度θ6、θ7が大きくなる。これにより、樹脂集電体20、60の曲げに起因して発生する引張応力(図8中の矢印方向の応力)が増大し、樹脂集電体20、60が劣化する虞がある。
これに対して、図5に示す本形態のように、枠体80の内縁の厚さt1を樹脂集電体20、60の厚さt2よりも薄くなるように形成する場合、樹脂集電体20、60の曲げ変形する部位が1箇所となり、曲げ角度θ1も小さくなる。このため、樹脂集電体20、60の曲げに起因して発生する引張応力を低減し、樹脂集電体20、60の劣化をより確実に抑制できる。
[樹脂集電体]
樹脂集電体20、60(正極樹脂集電体20、負極樹脂集電体60)は、正極活物質層30から負極活物質層50へと電子の移動を媒介する機能を有する。樹脂集電体20、60は、導電性を有する樹脂によって構成される。樹脂集電体20、60は、金属箔樹脂集電体に比べて軽量なため、電池10の重量当たりの出力密度を向上できる。なお、単セル14間のリチウムイオンの移動を遮断する観点からは、樹脂集電体の一部に金属層を設けてもよい。
具体的には、樹脂集電体20、60の構成材料である導電性を有する樹脂としては、導電性高分子材料または非導電性高分子材料に必要に応じて導電性フィラーが添加された樹脂が挙げられる。導電性高分子材料としては、例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリフェニレンビニレン、およびポリオキサジアゾールなどが挙げられる。かような導電性高分子材料は、導電性フィラーを添加しなくても十分な導電性を有するため、製造工程の容易化または樹脂集電体20、60の軽量化の点において有利である。
非導電性高分子材料としては、例えば、ポリエチレン(PE;高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)など)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアミド(PA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、またはポリスチレン(PS)などが挙げられる。かような非導電性高分子材料は、優れた耐電位性または耐溶媒性を有しうる。
上記の導電性高分子材料または非導電性高分子材料には、必要に応じて導電性フィラーが添加されうる。特に、樹脂集電体20、60の基材となる樹脂が非導電性高分子のみからなる場合は、樹脂に導電性を付与するために必然的に導電性フィラーが必須となる。
導電性フィラーは、導電性を有する物質であれば特に制限なく用いることができる。例えば、導電性、耐電位性、またはリチウムイオン遮断性に優れた材料として、金属や導電性カーボンなどが挙げられる。金属としては、特に制限はないが、ニッケル、チタン、アルミニウム、銅、白金、鉄、クロム、スズ、亜鉛、インジウム、アンチモン、およびカリウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属もしくはこれらの金属を含む合金または金属酸化物を含むことが好ましい。また、導電性カーボンとしては、特に制限はない。好ましくは、アセチレンブラック、バルカン(登録商標)、ブラックパール(登録商標)、カーボンナノファイバー、ケッチェンブラック(登録商標)、カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンナノホーン、カーボンナノバルーン、およびフラーレンからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
[電極活物質層(正極活物質層、負極活物質層)]
電極活物質層30、50(正極活物質層30、負極活物質層50)は、電極活物質(正極活物質または負極活物質)を含む。また、電極活物質層30、50は、必要に応じて、被覆剤(被覆用樹脂、導電助剤)、導電部材等を含んでもよい。さらに、電極活物質層30、50は、必要に応じてイオン伝導性ポリマー、リチウム塩等を含んでもよい。
(正極活物質)
正極活物質としては、例えば、LiMn、LiCoO、LiNiO、Li(Ni-Mn-Co)Oおよびこれらの遷移金属の一部が他の元素により置換されたもの等のリチウム-遷移金属複合酸化物、リチウム-遷移金属リン酸化合物、リチウム-遷移金属硫酸化合物などが挙げられる。場合によっては、2種以上の正極活物質が併用されてもよい。好ましくは、容量、出力特性の観点から、リチウム-遷移金属複合酸化物が、正極活物質として用いられる。より好ましくはリチウムとニッケルとを含有する複合酸化物が用いられる。さらに好ましくはLi(Ni-Mn-Co)Oおよびこれらの遷移金属の一部が他の元素により置換されたもの(以下、単に「NMC複合酸化物」とも称する)、またはリチウム-ニッケル-コバルト-アルミニウム複合酸化物(以下単に、「NCA複合酸化物」とも称する)などが用いられる。NMC複合酸化物は、リチウム原子層と遷移金属(Mn、NiおよびCoが秩序正しく配置)原子層とが酸素原子層を介して交互に積み重なった層状結晶構造を有する。そして、遷移金属1原子あたり1個のLi原子が含まれ、取り出せるLi量が、スピネル系リチウムマンガン酸化物の2倍、つまり供給能力が2倍になり、高い容量を持つことができる。
(負極活物質)
負極活物質としては、例えば、グラファイト(黒鉛)、ソフトカーボン、ハードカーボン等の炭素材料、リチウム-遷移金属複合酸化物(例えば、LiTi12)、金属材料(スズ、シリコン)、リチウム合金系負極材料(例えばリチウム-スズ合金、リチウム-シリコン合金、リチウム-アルミニウム合金、リチウム-アルミニウム-マンガン合金等)などが挙げられる。場合によっては、2種以上の負極活物質が併用されてもよい。好ましくは、容量、出力特性の観点から、炭素材料、リチウム-遷移金属複合酸化物、リチウム合金系負極材料が、負極活物質として好ましく用いられる。なお、上記以外の負極活物質が用いられてもよいことは勿論である。また、(メタ)アクリレート系共重合体等の被覆用樹脂は特に炭素材料に対して付着しやすいという性質を有している。したがって、構造的に安定した電極材料を提供するという観点からは、負極活物質として炭素材料を用いることが好ましい。
(導電助剤)
導電助剤は、被覆用樹脂とともに電極活物質の表面を被覆する被覆剤として用いられる。導電助剤は、被覆剤中で電子伝導パスを形成し、電極活物質層30、50の電子移動抵抗を低減することで、電池の高レートでの出力特性向上に寄与し得る。
導電助剤としては、例えば、アルミニウム、ステンレス、銀、金、銅、チタン等の金属、これらの金属を含む合金または金属酸化物;グラファイト、炭素繊維(具体的には、気相成長炭素繊維(VGCF)等)、カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンブラック(具体的には、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルランプブラック等)等のカーボンが挙げられるが、これらに限定されない。また、粒子状のセラミック材料や樹脂材料の周りに上記金属材料をめっき等でコーティングしたものも導電助剤として使用できる。これらの導電助剤のなかでも、電気的安定性の観点から、アルミニウム、ステンレス、銀、金、銅、チタン、およびカーボンからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、アルミニウム、ステンレス、銀、金、およびカーボンからなる群より選択される少なくとも1種を含むことがより好ましく、カーボンを少なくとも1種を含むことがさらに好ましい。これらの導電助剤は、1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を併用しても構わない。
導電助剤の形状は、粒子状または繊維状であることが好ましい。導電助剤が粒子状である場合、粒子の形状は特に限定されず、粉末状、球状、棒状、針状、板状、柱状、不定形状、燐片状、紡錘状等、いずれの形状であっても構わない。導電助剤が粒子状である場合の平均粒子径(一次粒子径)は、100nm以下であることが好ましい。なお、本明細書中において、「粒子径」とは、導電助剤の輪郭線上の任意の2点間の距離のうち、最大の距離を意味する。「平均粒子径」の値としては、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)等の観察手段を用い、数~数十視野中に観察される粒子の粒子径の平均値として算出される値を採用するものとする。
(導電部材)
導電部材は、電極活物質層30、50中で電子伝導パスを形成する機能を有する。特に、導電部材の少なくとも一部が、電極活物質層30、50の2つの主面同士を電気的に接続する導電通路を形成していることが好ましい。このような形態を有することで、電極活物質層30、50中の厚さ方向の電子移動抵抗がさらに低減されるため、電池の高レートでの出力特性をより一層向上しうる。なお、導電部材の少なくとも一部が、電極活物質層30、50の2つの主面同士を電気的に接続する導電通路を形成しているか否かは、SEMや光学顕微鏡を用いて電極活物質層30、50の断面を観察することにより確認することができる。
導電部材は、繊維状の形態を有する導電性繊維であることが好ましい。具体的には、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維等の炭素繊維、合成繊維の中に導電性のよい金属や黒鉛を均一に分散させてなる導電性繊維、ステンレスのような金属を繊維化した金属繊維、有機物繊維の表面を金属で被覆した導電性繊維、有機物繊維の表面を、導電性物質を含む樹脂で被覆した導電性繊維等が挙げられる。なかでも、導電性に優れ、軽量であることから炭素繊維が好ましい。
本実施形態の電池10において、電極活物質層30、50の厚さは、正極活物質層30については、好ましくは150~1500μmであり、より好ましくは180~950μmであり、さらに好ましくは200~800μmである。また、負極活物質層50の厚さは、好ましくは150~1500μmであり、より好ましくは180~1200μmであり、さらに好ましくは200~1000μmである。電極活物質層30、50の厚さが上述した下限値以上の値であれば、電池のエネルギー密度を十分に高めることができる。一方、電極活物質層30、50の厚さが上述した上限値以下の値であれば、電極活物質層30、50の構造を十分に維持することができる。
なお、電池のエネルギー密度を向上させる観点から、充放電反応の進行にあまり寄与しない部材は、含有させないほうが好ましい。例えば、電極活物質とその他の部材とを結着させ、電極活物質層30、50の構造を維持するために添加されるバインダは、極力使用しないことが好ましい。上記の機能を有するバインダとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等の溶剤系バインダや、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)等の水系バインダ等が挙げられる。具体的には、バインダの含有量は、電極活物質層30、50に含まれる全固形分量100質量%に対して、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下であり、さらに好ましくは2質量%以下であり、特に好ましくは1質量%以下であり、最も好ましくは0質量%である。
[セパレータ]
セパレータ40は、電解質を保持し、正極活物質層30と負極活物質層50との間にあって両者が直接に接触することを防止する。本実施形態のセパレータ40に使用される電解質は、特に制限はなく、例えば、電解液またはゲルポリマー電解質などが挙げられる。これらの電解質を用いることで、高いリチウムイオン伝導性が確保されうる。
セパレータ40の形態としては、例えば、上記電解質を吸収保持するポリマーや繊維からなる多孔性シートのセパレータや不織布セパレータ等を挙げることができる。
電解液は、溶媒にリチウム塩が溶解した形態を有する。電解液を構成する溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート等のカーボネート類が挙げられる。リチウム塩としては、LiPF、LiBF、LiSbF、LiAsFLiClO、Li[(FSON](LiFSI)等の無機酸のリチウム塩、LiN(CFSO、LiN(CSO、およびLiC(CFSO等の有機酸のリチウム塩等が挙げられる。
ゲルポリマー電解質は、イオン伝導性ポリマーからなるマトリックスポリマー(ホストポリマー)に、上記の電解液が注入されてなる構成を有する。電解質としてゲルポリマー電解質を用いることで電解質の流動性がなくなり、各層間のイオン伝導性を遮断することで容易になる点で優れている。マトリックスポリマー(ホストポリマー)として用いられるイオン伝導性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリフッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン(PVdF-HEP)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)およびこれらの共重合体等が挙げられる。
ゲルポリマー電解質のマトリックスポリマーは、架橋構造を形成することによって、優れた機械的強度を発現しうる。架橋構造を形成させるには、適当な重合開始剤を用いて、高分子電解質形成用の重合性ポリマー(例えば、PEOやPPO)に対して熱重合、紫外線重合、放射線重合、電子線重合等の重合処理を施せばよい。
[正極集電板および負極集電板]
集電板34a、34bを構成する材料は、特に制限されず、リチウムイオン二次電池用の集電板として従来用いられている公知の高導電性材料が用いられうる。集電板34a、34bの構成材料としては、例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス、これらの合金等の金属材料が好ましい。軽量、耐食性、高導電性の観点から、より好ましくはアルミニウム、銅であり、特に好ましくはアルミニウムである。なお、正極集電板34aと負極集電板34bとでは、同一の材料が用いられてもよいし、異なる材料が用いられてもよい。
[外装体]
図1に示す本形態では、外装体12は、可撓性を備えるラミネートフィルムによって袋状に構成されているが、これに限定されず、例えば、剛性を有する材料から形成されたセルケースなどを用いてもよい。高出力化や冷却性能に優れ、EV、HEV用の大型機器用電池に好適に利用することができるという観点からは、外装体12は、ラミネートフィルムによって構成することが好ましく、アルミニウムを含むラミネートフィルムが特に好ましい。アルミニウムを含むラミネートフィルムには、例えば、ポリプロピレン(PP)、アルミニウム、ナイロンをこの順に積層してなる3層構造のラミネートフィルム等を用いることができるが、これらに何ら制限されるものではない。
以上説明したように、本形態に係る電池10は、セパレータ40と、電極活物質層30、50と、枠体80と、樹脂集電体20、60と、を有する。枠体80は、セパレータ40の少なくとも一方の表面に、電極活物質層30、50との間に隙間Gを介して電極活物質層30、50の外周を囲むように配置される。枠体80の内縁部81は、樹脂集電体20、60と対向する側において、外縁側から内縁側に向かって厚さが漸減する傾斜面81Sを備える。
上記構成を備える電池10によれば、外気圧からの圧縮力に応じて枠体80の内縁部に沿って変形する樹脂集電体20、60の曲げ変形の度合いが緩やかになる。よって、樹脂集電体20、60の曲げに起因して発生する引張応力を低減し、樹脂集電体20、60の劣化を抑制することができる。
また、枠体80は、セパレータ40の表面41S、42Sのうち、少なくとも面積の大きい電極活物質層30、50(図2に示す形態では負極活物質層50)が配置された面(図2に示す形態では一方の表面41S)に配置することが好ましい。図2に示す形態のように、負極活物質層50と枠体80との間の距離L1が正極活物質層30と枠体80との間の距離L2よりも短い負極59側では、振動入力が加わった際に隙間Gに配置された負極樹脂集電体60に応力集中が起きやすく劣化しやすい。したがって、負極59側に上記形態を有する枠体80を配置することによって、樹脂集電体20、60の劣化を抑制する効果がより顕著なものとなる。なお、正極活物質層30が負極活物質層50よりも面積が大きく形成されている場合は、上記の理由から、枠体80は少なくとも正極29側に配置することが好ましい。
また、枠体80の内縁の厚さt1は、樹脂集電体20、60の厚さt2よりも薄くなるように形成することが好ましい。このような形態によれば、樹脂集電体20、60が曲げ変形する部位数を減らすことができるとともに、曲げの度合いも緩やかにすることができる。その結果、樹脂集電体20、60の曲げに起因して発生する引張応力を低減し、樹脂集電体20、60の劣化をより確実に抑制できる。
また、枠体80は、絶縁部材または表面に絶縁処理が施された導電性部材であることが好ましい。このような形態によれば、枠体80が絶縁性を備えるため、単セル14内で正極樹脂集電体20と負極樹脂集電体60とを電気的に隔てて、正極樹脂集電体20と負極樹脂集電体60とが接触することによる短絡を防止することができる。
以上、本発明の一実施形態に係る電池10を説明したが、本発明は前述した実施形態において説明した内容のみに限定されることはなく、特許請求の範囲の記載に基づいて適宜変更することが可能である。以下、本発明に含まれる変形例の一例について説明する。なお、前述した実施形態と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
<変形例1>
図9は、変形例1に係る単セルを示す断面図である。図9に示す変形例1に係る単セルは、枠体80がセパレータ40の負極59側の一方の表面41Sのみに配置される点で前述した実施形態と相違する。
面積の大きい負極活物質層50は、正極活物質層30に比べて、充放電の際に膨張収縮する変形量が大きくなる。したがって、負極59側のみに枠体80を配置する本形態では、正極29側のみに枠体80を配置する場合に比べて、厚さの変形を規制するスペーサ機能の効果がより顕著となる。また、前述したように枠体80との隙間Gの距離L1が比較的短くなる負極59側では、負極樹脂集電体60に応力集中が起きやすくなるため、負極樹脂集電体60の劣化を抑制する効果もより顕著となる。
<変形例2>
図10は、変形例2に係る枠体380を示す断面図である。変形例2に係る枠体380は、傾斜面81Sと平坦面82Sとの境目に曲面383Sを備える点で前述した実施形態(図4を参照)と異なる。
曲面383Sでは、前述した実施形態の角部83(図4を参照)に比べて、傾斜面81Sと平坦面82Sとの境目に配置された樹脂集電体20、60がより小さな曲率で緩やかに曲げ変形するため引張応力が発生し難くなる。よって、樹脂集電体20、60の劣化を抑制する効果をより一層高めることができる。
<変形例3>
図11は、変形例3に係る枠体480を示す断面図である。変形例3に係る枠体480は、傾斜面81Sよりも内縁側に曲面484Sをさらに備える点で前述した変形例2(図10を参照)と異なる。
枠体480の内縁側に曲面484Sを備えることによって、傾斜面81Sとセパレータ40との境目において樹脂集電体20、60がより小さな曲率で緩やかに曲げ変形するため引張応力が発生し難くなる。よって、樹脂集電体20、60の劣化を抑制する効果をより一層高めることができる。
10 電池、
11 積層体、
12 外装体、
14 単セル、
20 正極樹脂集電体、
29 正極、
30 正極活物質層(電極活物質層)、
40 セパレータ、
41S 一方の表面、
42S 他方の表面、
50 負極活物質層(電極活物質層)、
59 負極、
60 負極樹脂集電体、
80、380、480 枠体、
80H 開口部、
81 内縁部、
81S 傾斜面、
82 外縁部、
82S 平坦面、
90 シール部材、
G 隙間。

Claims (4)

  1. セパレータと、
    前記セパレータの両面に配置された電極活物質層と、
    前記セパレータの少なくとも一方の表面に、前記電極活物質層との間に隙間を介して前記電極活物質層の外周を囲むように配置された枠体と、
    前記セパレータ、前記電極活物質層および前記枠体を挟持するように配置された樹脂集電体と、を有し、
    前記枠体の内縁部は、前記樹脂集電体と対向する側において、外縁側から内縁側に向かって厚さが漸減する傾斜面を備える、電池。
  2. 前記セパレータの一方の表面に配置された前記電極活物質層は、他方の表面に配置された前記電極活物質層に比べて面積が大きく、
    前記枠体は、面積の大きい前記電極活物質層が配置された前記セパレータの一方の表面に配置される、請求項1に記載の電池。
  3. 前記枠体の内縁の厚さは、前記樹脂集電体の厚さよりも薄い、請求項1または請求項2に記載の電池。
  4. 前記枠体は、絶縁部材または表面に絶縁処理が施された部材である、請求項1~3のいずれか1項に記載の電池。
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