JP7069582B2 - 接合方法 - Google Patents

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本発明は、樹脂面同士を接合する方法に関する。
一般に、複数の樹脂基材を接合してなる樹脂積層体は、広く各種方面において様々な用途に用いられている。
例えば、近年の微細加工技術の進展やプラスチック成形加工技術の発展・広範化により、樹脂積層体からなるマイクロ流体デバイスの活用・普及が進んでいる。
マイクロ流体デバイスとは、例えば人間の体液等の対象となる流体の混合,反応,抽出,分離など様々な化学プロセスを小型化・集積化して行うための手段(化学システム)であり、使用目的などにより例えばマイクロミキサー(混合装置),マイクロリアクター(化学反応装置),マイクロTAS(ラボ・オン・チップ:lab-on-a-chip)等とも呼ばれる。
このようなマイクロ流体デバイスは、微小な流路空間内で流体を混合させたり反応させたりするための反応場を形成するマイクロチャンネルチップによって構成されている。マイクロ流体デバイスでは、反応場となる微小なマイクロ空間で流体の混合,反応等が行われるため、例えば通常の装置等では「cm」空間で行われていた反応が、「100μm」空間で行われることになり、反応場の大きさが約1/100となり、反応効率が高いというメリットがある。
具体的には、マイクロ流体デバイスでは、分子拡散時間(拡散距離の2乗に比例)が約1/10,000程度となり、化学反応速度が大幅に速くなる。
このため、例えば水道水の重金属汚染検査を、通常は3~4時間程度かかるところを、約50秒程度で完了することが可能となる。
また、このようなマイクロ流体デバイスでは、反応等に用いられる流体の量も微小となるため、試料・廃液の量も大幅に減少することになる。具体的には、流体の体積(大きさの3乗に比例)を従来の約1/1,000,000程度とすることができ、試料・廃液の量をナノリットルオーダーに減少させることができる。
これにより、例えば水道水の重金属汚染検査の場合、対象流体(水)量を、通常の検査装置における1kgから1μg程度に、すなわち、およそ10億分の一までにすることができるようになる。
そして、近年では、このようなマイクロ流体デバイスが、複数の樹脂基材を接合した樹脂積層体によって構成されるようになっている。
ここで、複数の樹脂基材を積層して両者を接合する場合には、接合する基材をガラス転移点以上もしくは融点以上に加熱することにより軟化させて熱融着させる所謂ヒートシールと呼ばれる方法が一般的である。ところが、上述のように微細・狭小な流路空間を備えるマイクロ流体デバイスの場合、そのようなヒートシールによる接合方法では、流路空間が変形等してしまうという問題が発生する。
図9は、マイクロ流体デバイスを構成する2つの樹脂基材を加熱融着する場合の製造工程を模式的に示す説明図であり、(a)はマイクロ流体デバイスを構成する2つの樹脂基材を積層する工程を、(b)は積層した2つの樹脂基材をガラス転移点以上もしくは融点以上に加熱及び加圧して接合する工程を示している。
同図に示すように、マイクロ流体デバイス110を構成する2つの樹脂基材、具体的にはマイクロ流路113を形成した基板111と、その上面に積層される蓋部材(カバー体)112は、まずお互いに所定位置で積層され(図9(a)参照)、その後、積層された状態で、両基材111,112がガラス転移点以上もしくは融点以上の温度に加熱され、その加熱温度下で加圧される。
ガラス転移点以上もしくは融点以上に加熱されることで、樹脂基材111,112が軟化することにより分子間が接近され、ファンデルワールス力によって両基材が接合されることになる。
ところが、このような加熱融着・ヒートシールによる接合方法では、ガラス転移点以上もしくは融点以上に加熱された樹脂基材が軟化・溶融するため、図9(b)に示すように、マイクロ流路113を構成する流路空間が変形してしまうことで流路空間が狭められたり、最悪の場合、流路空間が閉塞され、流体の流れが阻害されるという問題が発生する。
そこで、このような樹脂製のマイクロ流体デバイスの製造方法に関して、加熱加圧接合による流路空間の変形を防止する方法として、例えば特許文献1に開示されているような技術が提案されている。
特許文献1に提案されている技術は、マイクロ流体デバイスを構成する樹脂基材の接合面に、真空紫外線を一定時間以上照射することで、樹脂基材の接合面を高い酸化力によって濡れ性を高めるというものである。
樹脂基材の接合面の濡れ性を高めることで、特許文献1によれば、塑性変形温度未満の温度(例えば雰囲気温度70℃~90℃)で加熱圧着できるようになるとされている。
特許第4993243号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている方法では、樹脂基材の接合面に高い濡れ性を付与するために、真空紫外線を例えば2分間や5分間など、一定時間以上照射させる必要があった。
このため、工程時間が長期化するだけでなく、長時間の紫外線照射により、樹脂基材の接合面が粗面化するという問題が生じる。この粗面化によって、樹脂基材の機械的強度の低下や透明な樹脂であった場合にはその透明性が低下するおそれがあると考えられる。
本発明は、以上のような従来の技術が有する課題を解決するために提案されたものであり、酸素濃度が大気中より低い所定の値に設定された雰囲気下において、基材の接合面にエネルギー線を照射することにより、接合する樹脂基材を、軟化温度未満の温度であって、より低温で、より短時間で、確実かつ強固に接合することができる、例えば樹脂製のマイクロ流体デバイスの製造等に好適な接合方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の接合方法は、樹脂面同士を接合する方法であって、酸素濃度が、0~5%以下に設定された雰囲気下で、基材の接合面にエネルギー線を照射する工程と、前記接合面を接触させた後、基材を、加熱及び/又は加圧して接合する工程と、を有し、接合温度が60℃以下である構成としてある。
本発明によれば、酸素濃度が大気中より低い所定の値に設定された雰囲気下において、基材の接合面にエネルギー線を照射することにより、接合する樹脂基材を軟化温度未満の温度であって、より低温で、より短時間で、確実かつ強固に接合することができる。
これによって、例えば樹脂製のマイクロ流体デバイスの製造等に好適な接合方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る接合方法で製造されるマイクロ流体デバイスを模式的に示す斜視図であり、(a)はマイクロ流路が刻設された基板とその上面に接合される蓋部材とを分解した状態、(b)は同じく基板の上面に蓋部材を積層して接合させた状態を示している。 本発明の一実施形態に係る接合方法によるマイクロ流体デバイスの製造工程を模式的に示す説明図であり、(a)は、酸素濃度が大気中より低い所定の値に設定された雰囲気下において、マイクロ流体デバイスを構成する2つの樹脂基材の接合面にエネルギー線を照射する工程を、(b)は、接合面にエネルギー線を照射した2つの樹脂基材を積層した後、2つの樹脂基材を加熱及び加圧して接合する工程を示している。 (a)は、本発明の一実施形態に係る接合方法によるマイクロ流体デバイスの製造工程に用いる真空紫外線処理装置を模式的に示す説明図である。 (b)は、本発明の一実施形態に係る接合方法によって接合した基材の接合強度(結合エネルギー)の測定方法を模式的に示す説明図である。 (a)は、本発明の一実施形態に係る接合方法により、酸素濃度が所定の値に設定された雰囲気下において接合面にエネルギー線を照射された樹脂基材の表面軟化温度とたわみ量の関係を示すグラフであり、(b)は、(a)に示す基材の軟化温度と酸素濃度の関係を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る接合方法により、酸素濃度が所定の値に設定された雰囲気下において接合面にエネルギー線を照射された樹脂基材の表面に形成される極性官能基と雰囲気下の酸素濃度の関係を示すグラフであり、(a)は水酸基の値を、(b)はカルボキシル基の値を示している。 (a)は、本発明の一実施形態に係る接合方法により接合される2つの樹脂基材の接合強度(結合エネルギー)と接合温度の関係を示すグラフであり、(b)は、同じく接合強度と雰囲気下の酸素濃度の関係を示すグラフである。 (a)は、本発明の一実施形態に係る接合方法におけるエネルギー線の照射距離と到達照度の関係を示すグラフであり、(b)は、同じくエネルギー線の照射時間と積算光量の関係を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る接合方法で製造される包装容器を模式的に示す接合部の断面図であり、(a)は従来の包装容器、(b)は本発明の一実施形態に係る包装容器を示している。 従来の接合方法における製造工程を模式的に示す説明図であり、(a)はマイクロ流体デバイスを構成する2つの樹脂基材を積層する工程を、(b)は積層した2つの樹脂基材を加熱及び加圧して接合する工程を示している。
以下、本発明に係る接合方法の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る接合方法で製造されるマイクロ流体デバイス10を模式的に示す斜視図であり、(a)はマイクロ流路13が刻設された基板11とその上面に接合される蓋部材12とを分解した状態、(b)は同じく基板11の上面に蓋部材12を接合させた状態を示している。
[マイクロ流体デバイス]
同図に示すように、マイクロ流体デバイス10を構成するマイクロチャンネルチップは、プラスチック等の合成樹脂製の基板11に、例えば幅100μm程度,深さ50μm程度の微小な流路空間であるマイクロ流路13が刻設され、その上面に蓋部材(カバー体)12が接合されることで反応場となるマイクロ流路13が形成されるようになっている。
なお、基板11に刻設されるマイクロ流路13の流路の大きさ(幅・深さ)や流路長,流路形状等は、マイクロ流体デバイスの使用用途や流体の種類などに応じて任意に設定される。
ここで、基板11,蓋部材12を形成する合成樹脂材料としては、特に制限されず、公知のマイクロ流体デバイス等と同様に、各種の熱可塑性樹脂、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂や、ポリエチレンテレフタレート(PET)に代表されるポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン、シクロオレフィンポリマーなどを用いることができる。
そして、以上のような微細な流路空間を備えたマイクロチャンネルチップに、図示しない各種検出・制御素子等が埋め込まれて、化学システムを構成するマイクロ流体デバイス10が形成されるようになっており、例えば簡易なインフルエンザ用の迅速診断キットとなるマイクロ流体デバイス等が構成される。
[接合方法]
以上のようなマイクロ流体デバイス10について、本実施形態においては、以下のような方法を用いて基材(基板11,蓋部材12)接合するようになっている。
すなわち、本実施形態に係る接合方法は、2つの樹脂基材を接合し、樹脂積層体を製造する方法であって、2つの樹脂基材うち少なくとも1つの樹脂基材の接合面に対して、酸素濃度が大気中の酸素濃度より低い所定の値に設定された雰囲気下において、エネルギー線の照射を行うことにより、当該接合面を改質化する工程と、それら2つの樹脂基材を積層した後、その2つの樹脂基材を、加熱及び/又は加圧して接合する工程とからなっている。
具体的には、本実施形態に係る接合方法では、まず、図2(a)に示すように、マイクロ流体デバイス10のマイクロ流路13が形成された基板11と、基板11に積層される蓋部材12のそれぞれの接合面となる基材表面に対して、大気中の酸素濃度より低い所定の酸素濃度の雰囲気下においてエネルギー線の照射を行う。
樹脂基材の表面に、大気中の酸素濃度より低い所定の酸素濃度下においてエネルギー線の照射を行うことで、基材表面を改質することができ(改質層)、基材の表面同士の接合性・接合強度を向上させることができるものである。
より具体的には、本実施形態では、所定の酸素濃度として、大気中の酸素濃度(約21%)より低い、酸素濃度が例えば約0%~5%の範囲に設定・調整された雰囲気下において、基材の接合面に対してエネルギー線を照射するようにしている(図3(a),図6(b)参照)。
ここで、このような所定の酸素濃度の雰囲気としては、例えば後述する真空紫外線処理装置100のような接合装置を用いて、真空紫外線が照射されるチャンバ内にエアー(空気)と不活性ガス、例えば窒素ガスやアルゴンガスを所定割合で注入・充填することで、エネルギー線の照射雰囲気となるチャンバ内を所望の酸素濃度に設定・維持させることができる(図3(a)参照)。
本実施形態では、真空紫外線処理装置100のチャンバ200内に、酸素ガス又は空気の少なくともいずれかと、不活性ガスとの混合ガスを導入することによって、この混合ガスによって、チャンバ内の酸素濃度が、大気中の酸素濃度より低い所定の値に設定されるようになっている。
酸素ガス又は空気と混合される不活性ガスとしては、窒素ガスやアルゴンガスなどがある。
但し、チャンバ内の雰囲気下の酸素濃度を所定の値に設定できるかぎり、不活性ガスの種類や混合比率などは、特に限定されるものではない。
また、本実施形態では、接合面に照射するエネルギー線として、所定波長(例えばλ=172nm)の真空紫外線を用いるようにしている。
真空紫外線は、電磁波の一種であり、紫外線の中で最も波長の短い10~200nm付近の領域の電磁波である。一般に、光は波長が短いほど高エネルギーとなるため、紫外線の中でも最も波長の短い真空紫外線は、紫外線の中でも最もエネルギーの強い領域となる。
本実施形態では、このような真空紫外線を用いて、所定波長の真空紫外線を樹脂基材の表面に照射させることで、樹脂基材の分子間を切断させて基材表面を改質させることができるものである。なお、真空紫外線であれば、波長は特に限定されるものではない。
これによって、樹脂基材の表面が改質され(改質層)、具体的には、基材表面が平坦化されるとともに、基材表面が低分子量化、すなわち軟化されることになる。
このように、大気中の酸素濃度より低い所定の酸素濃度の雰囲気中で、基材表面に真空紫外線等のエネルギー線を照射することにより、基材表面の真空紫外線の到達照度が増加するとともに、真空紫外線が雰囲気中に微量存在する酸素を解離することで酸素ラジカルやオゾンといった活性種が生成される。
その結果、図2(a)に示すように、(1)真空紫外線による基材表面の高分子鎖の切断(低分子量化,平坦化)、(2)活性種による汚染物質(有機物)の洗浄、(3)極性官能基の導入による水素結合、の各現象を生成・促進させることができる。
本実施形態では、基材表面に真空紫外線等のエネルギー線を照射することにより、基材の接合面に所定値以上の極性官能基が形成されるようにしており、具体的には、基材の接合面に、炭素との原子数比で、水酸基が0.015以上、カルボキシル基が0.004以上の極性官能基を形成するようにしてある(後述する図5(a),(b)参照)。
これによって、基材表面を改質して、基材表面同士の接触性・密着性を高めることができ、より低温の接合温度においても、両者を水素結合により強固に融着・接合させることが可能となる。
その結果、(4)エネルギー線の照射時間の短縮化も可能となり、より短時間での接合が可能となり、エネルギー線の長時間の照射による基材の加熱・高温化も防止できるようになる。
そして、このように改質(平坦化・軟化(低分子量化)・洗浄化)された表面を接合面とすることで、基材表面同士の接触性・密着性が高まり、より低温の接合温度によっても、両者を強固に融着・接合させることが可能となる。
これによって、図2(b)に示すように、樹脂基材(基板11・蓋部材12)は、軟化温度未満、例えばガラス転移点以下や融点以下の温度においても接合が可能となり、例えば後述する図6(a)に示すように接合温度が30℃以下であっても、2つの基材を堅固に接合することができるようになる。
その結果、樹脂基材の軟化温度(ガラス転移点,融点)未満の温度で接合が行われることで、基板11に形成されたマイクロ流路13が変形等することはなく、マイクロ流体デバイス10の製造方法として好適に用いることができるようになる。
なお、図2(b)に示すように、本実施形態では例えば室温(30℃前後)の接合温度での接合が可能であることから、加熱及び加圧は、少なくともいずれかを行えばよく、例えば加熱を行うことなく加圧するだけで、樹脂基材を接合することもでき、あるいは、加熱のみを行って加圧することなく樹脂基材を接合することも可能である。
但し、より強固に確実に樹脂基材同士を接合するためには、適切な温度及び圧力で加熱及び加圧することが望ましい。
また、樹脂基材の接合面に対して照射するエネルギー線としては、上述した真空紫外線が好ましいが、これに限定されるものではない。
例えば、真空紫外線以外の高エネルギー照射としては、アルゴンプラズマ、窒素プラズマ、アルゴンと酸素などの混合プラズマ、大気圧プラズマなどのうち、いずれかを照射することもできる。
これらは、プラズマ化し易く、アタック力のあるエネルギー照射であり、上述した真空紫外線の場合と同様に、樹脂基材の表面の改質、すなわち、基材表面の平坦化及び軟化(低分子量化)に好ましいものであり、真空紫外線に代えて採用することができる。
また、これらのエネルギー線の照射は、接合する2つの樹脂基材の、少なくとも一方の接合面に対して行えば良い。但し、より強固な接合強度を得るためには、接合する2つの樹脂基材の各接合面に対してエネルギー線の照射を行うことが望ましい。
[真空紫外線処理装置]
以上のような所定の酸素濃度の雰囲気下において、所定のエネルギー線を照射させる手段・装置として、図3(a)に示すような本実施形態に係る真空紫外線処理装置100を用いることができる。
図3(a)は、本実施形態に係る接合方法に用いる真空紫外線処理装置100を模式的に示す説明図である。
同図に示すように、本実施形態で用いる真空紫外線処理装置100は、真空紫外線源となるXeエキシマランプ101と、Xeエキシマランプ101の真空紫外線の照射方向に配設されるチャンバ200とを備えている。
Xeエキシマランプ101は、外部電極102,石英ガラス管103,内部電極104,Xeガス105の各部を備えており、所定波長の真空紫外線を生成・照射できるようになっている。
本実施形態では、所定の高周波電源(例えば周波数2~3MHz・出力600W)により電力が印加されて、Xeエキシマランプ101によって所定波長(例えばλ=172nm)の真空紫外線が照射されるようになっている。
チャンバ200は、接合対象となる基材の真空紫外線処理を行うための密閉空間を形成している。チャンバ200内には処理対象となる基材が搭載されるステージ201が備えられている。
ステージ201は、処理対象となる基材を搭載する載置エリアとして機能するとともに、搭載された基材を所定温度で加熱・保温するための加熱手段として機能するものである。
このチャンバ200内に、上述したXeエキシマランプ101からの真空紫外線が照射され、ステージ201上の基材に対して、所定波長の真空紫外線が所定時間だけ照射されるようになる。
そして、このような真空紫外線処理空間となるチャンバ200内は、上述のとおり、大気中の酸素濃度より低い所定の酸素濃度となるように調整・制御されるようになっており、チャンバ200内のステージ201上に載置された基材は、所定の酸素濃度の雰囲気下において、真空紫外線の照射が行われる。
ここで、チャンバ200内を所定の酸素濃度の雰囲気に調整するには、図3(a)に示すように、密閉されたチャンバ200の空間内に、エアー(空気)及び窒素ガスを所定割合で注入・充填することで、基材の真空紫外線処理空間となるチャンバ内を、所望の酸素濃度(図6(b)参照)に設定・維持することができる。
これにより、本実施形態では、チャンバ200内を酸素濃度が、大気中の酸素濃度より低い例えば約0%~5%の範囲に設定・調整された雰囲気として、この雰囲気下において、処理対象となる基材に対する真空紫外線の照射を実行できるようにしている。
なお、所望の真空紫外線を生成・照射でき、雰囲気を所定の酸素濃度に調整・維持できる限り、本発明の接合方法に用いることができる真空紫外線処理装置は、上記の真空紫外線処理装置100に限定されるものではない。
例えば、真空紫外線源として公知の技術である、ArFエキシマレーザー(193nm)やF2レーザー(157nm)等の真空紫外レーザーなどを用いることができる。
また、酸素濃度を所望の値に設定可能な雰囲気が形成できる限り、上述した真空紫外線処理装置100に備えられるチャンバ200の構成にも特に限定されるものではない。
[接合強度]
次に、以上のような本実施形態に係る接合方法により接合される基材の接合強度と、基材表面の軟化温度、基材表面に形成される極性官能基と酸素濃度の関係、接合温度・酸素濃度・照射距離(到達照度)・照射時間(積算光量)の関係について、図3(b)及び図4~7を参照しつつ説明する。
前提として、本実施形態における樹脂基材の接合強度(結合エネルギー)は、クラックオープニング法と呼ばれる方法で測定を行うことができる。
図3(b)は、本発明の一実施形態に係る接合方法によって接合した基材の接合強度(結合エネルギー)の測定方法を模式的に示す説明図である。
同図に示すように、板厚tの2つの基材を接合し、2つの基材の間に厚さ2yのかみそりの刃を挿入して、2つの樹脂基材が離間する距離Lを計測して、下記の式1により結合エネルギーγとして算出する。Eはヤング率(軟化度)である。
[式1]
Figure 0007069582000001
図4(a)は、本実施形態に係る接合方法により、所定の値に設定された雰囲気下において接合面にエネルギー線を照射された樹脂基材の表面軟化温度とたわみ量の関係を示すグラフであり、(b)は、(a)に示す基材の軟化温度と酸素濃度の関係を示すグラフである。
同図に示す基材表面の軟化度は、原子間力顕微鏡のnanoTAとよばれる機能を用いて測定を行ったものである。
具体的には、基材表面に原子間力顕微鏡の探針(カンチレバー)を接触させ、探針を一定の速度で昇温すると、基材表面が膨張し、探針のたわみ量が増加変動する。
このときの探針の温度が、図4(a)の横軸に示す「温度」、探針のたわみ量が縦軸の「たわみ量」となり、探針がある温度に到達すると、今度は基材表面が軟化し、探針が基材内部に侵入することで、「たわみ量」は減少することになる。この探針の「たわみ量」と「温度」を計測した結果が図4(a)に示すグラフとなる。
したがって、同図において、カーブの「たわみ量」が減少した点における温度が、基材表面の軟化温度となる。本実施形態の基材を構成する、例えばポリメチルメタクリレートのような非晶性樹脂の場合は、軟化温度=ガラス転移温度となる。
まず、図4(a)に示すように、大気中の酸素濃度の雰囲気下において、エネルギー線の照射を全く行っていない基材の場合(図4(a)中の実線:CTRL)には、基材表面の軟化温度(ガラス転移温度)は、「たわみ量」が減少する約95℃前後であることが分かる。
これに対して、本実施形態の真空紫外線処理装置100において、所定の酸素濃度の雰囲気下で、真空紫外線照射を行った基材の場合(図4(中)の各点線・細線:0%・1%・2%・5%・10%)には、いずれも、基材の軟化温度が約50℃付近まで低下したことが分かる。
また、本実施形態の真空紫外線処理装置100により真空紫外線照射を行うことで、大気中と同様の酸素濃度(21%)の場合にも、基材の軟化温度が約60℃付近まで低下していることが分かる。
図4(b)に、図4(a)に示された基材の軟化温度と酸素濃度の関係を示す。
同図に示すように、本実施形態の真空紫外線処理装置100により真空紫外線照射を行うことで、基材表面の改質層の軟化温度(ガラス転移温度)は、酸素濃度が大気中より低い0%~10%の範囲では、いずれも60℃以下の50℃前後付近まで低下することが分かる。
また、大気中と同様の酸素濃度(21%)であっても、真空紫外線照射を行わない基材の軟化温度が約95℃であるのに対し、真空紫外線照射を行った基材では、表面軟化温度が約60℃付近まで低下することが分かる。
したがって、本実施形態の真空紫外線処理装置100により真空紫外線照射を行うことにより、基材表面が改質・軟化され、基材の接合強度を高められることが理解できる。
さらに、本実施形態では、上記のような基材表面を軟化させることに加えて、所定波長の真空紫外線を基材に照射させることで、基材の分子間を切断させて基材表面(接合面)に所定値以上の極性官能基が形成されるようにしている。
すなわち、大気中の酸素濃度より低い所定の酸素濃度の雰囲気中で、基材表面に真空紫外線等のエネルギー線を照射することにより、基材表面の真空紫外線の到達照度が増加するとともに、真空紫外線が雰囲気中に微量存在する酸素を解離することで酸素ラジカルやオゾンといった活性種が生成されて、活性種による基材表面の汚染物質(有機物)の洗浄と、極性官能基の導入による水素結合を生起させることができる。
具体的には、本実施形態では、基材の接合面に、炭素との原子数比で、水酸基が0.015以上、カルボキシル基が0.004以上の極性官能基を形成するようにしてある。
図5は、本実施形態に係る接合方法により、酸素濃度が大気中より低い所定の値に設定された雰囲気下において接合面にエネルギー線を照射された樹脂基材の表面に形成される極性官能基と雰囲気下の酸素濃度の関係を示すグラフであり、(a)は水酸基の値を、(b)はカルボキシル基の値を示している。
同図に示すように、大気中の酸素濃度の雰囲気下において、エネルギー線の照射を全く行っていない基材の場合(図5(a),(b)中の破線:コントロール)には、基材表面の極性官能基の値は、炭素との原子数比で、水酸基が0.014以下、カルボキシル基が0.003以下となっている。
これに対して、本実施形態の真空紫外線処理装置100により真空紫外線照射を行うことで、基材表面に形成される極性官能基は、炭素との原子数比で、水酸基が約0.014~0.020、カルボキシル基が約0.004~0.008の極性官能基が形成されることが分かる。特に、酸素濃度が0%~10%の範囲では、水酸基が0.015以上、カルボキシル基が0.004以上の極性官能基が形成される。
以上のように基材表面に所定値以上の極性官能基を生起させることにより、上述した基材表面の軟化温度(ガラス転移温度)の低下とともに、基材表面同士の接触性・密着性を高めることができ、接合温度が基材の軟化温度未満であっても、両者を水素結合により強固に融着・接合させることができる。
そして、このような接合強度の向上により、エネルギー線の照射時間も短縮化でき、エネルギー線の長時間の照射による基材の加熱・高温化も防止できるようになる。
図6(a)は、本実施形態に係る接合方法により接合される2つの樹脂基材の接合強度(結合エネルギー)と接合温度の関係を示すグラフであり、同図(b)は、同じく接合強度と真空紫外線処理雰囲気下の酸素濃度の関係を示すグラフである。
同図に示すように、まず、エネルギー線の照射を全く行っていない未処理の基材の場合(図6(a)中の一点鎖線)には、所望の接合強度(=約10J/m2)を得るためには、接合温度を約110℃以上に設定しなければならず、樹脂基材の軟化温度を超える高い接合温度が必要であることがわかる。
次に、エネルギー線の照射を大気中の酸素濃度(約21vol%O2)の雰囲気下で行った場合には(図6(a)中の破線)、所望の接合強度(=約10J/m2)を得るためには、接合温度として60~70℃の温度に加熱する必要があることがわかる。
一方、本実施形態に係る接合方法を用いて、大気中より低い所定の酸素濃度(約0~5%)に調整された雰囲気下でエネルギー線を照射して接合を行った場合には(図6(a)中の実線)、接合温度が約30℃前後であっても、十分な接合強度(=約17J/m2)が得られており、接合温度を約70℃まで上げると、従来方法では得られない、より高い接合強度(=約80J/m2)が得られるようになる。
したがって、本実施形態に係る接合方法を用いることで、真空紫外線処理雰囲気下の酸素濃度を大気中より低い値にコントロールすることで、基材は室温に近い接合温度でも十分な高い接合強度が得られることになる。その結果、従来のように基材の軟化温度を超える接合温度で接合されることで、基材に形成される流路空間が断面形状の変形によって狭められたり、閉塞されるといった問題を発生させることなく、正確・精密なマイクロ流体デバイス等を形成することができるようになる。
上記のような真空紫外線処理の雰囲気下の酸素濃度としては、図6(b)に示すように、酸素濃度が約0~5%の範囲内では、約3~17J/m2程度の接合強度が得られ、特に酸素濃度が1~3%の場合には、約10~17J/m2程度の接合強度が得られることがわかった。
したがって、本実施形態に係る接合方法では、上述した真空紫外線処理装置の処理空間内を、酸素濃度約0~5%、好ましくは約1~3%の範囲内に調整することで、従来方法では得られない、十分な接合強度が得られることがわかる。
次に、上記のような本実施形態に係る真空紫外線処理の雰囲気下の酸素濃度と、エネルギー線(真空紫外線)の基材までの照射距離と到達照度・照射時間を、通常の大気中の酸素濃度の場合と対比する。
図7(a)は、本実施形態に係る接合方法におけるエネルギー線の照射距離と到達照度の関係を示すグラフであり、(b)は、同じくエネルギー線の照射時間と積算光量の関係を示すグラフである。
図7(a)に示すように、真空紫外線処理の雰囲気の酸素濃度を調整せず、大気中の酸素濃度(約21%)で接合を行う従来方法の場合には(図7(a)中の破線)、エネルギー線の基材までの照射距離は最長でも約5mm程度まで近づけなければならず、その場合でも、エネルギー線の基材への到達照度は、約40~0mW/cm2となってしまい、十分な照度が得られないことがわかる。
このため、従来方法では、エネルギー線源を基材に対して可能な限り近づけなければならず、エネルギー線による基材の温度上昇の問題が発生することになる。
これに対して、本実施形態に係る接合方法に従って真空紫外線処理の雰囲気を大気中より低い所定の酸素濃度(例えば約1%)とすると(図7(a)中の実線)、エネルギー線の基材までの照射距離を約1~10mm程度に離間させても、エネルギー線の基材への到達照度は、約70~10mW/cm2となり、十分な照度が得られる。これは、酸素濃度が大気中より低い値に調整された雰囲気下においては、エネルギー線(真空紫外線)が酸素に吸収されずに基材表面に到達できることから、短い照射距離でも十分な到達照度が得られるものである。
特に、照射距離を約2~5mmに離間させても、約60~30mW/cm2の到達照度が得られ、これは従来方法と比較して、同じ照射距離(例えば約2~5mm)において、約5倍以上の到達照度が得られることになり、エネルギー線源を基材から離間させても、十分な照度が得られることがわかる。
また、以上の点を、エネルギー線の照射時間と積算光量の関係で見ると、図7(b)に示すように、従来方法では、積算光量500mJ/cm2を得るためには、エネルギー線の照射時間として約55~60秒が必要となる(図7(b)中の破線)。
これに対して、本実施形態に係る接合方法では、同様の積算光量500mJ/cm2を得るには、エネルギー線の照射時間は約10秒で良く(図7(b)中の実線)、従来と比較して、時間にして約45~50秒も短縮されることになる(図7(b)中の破線矢印参照)。
また、同じ照射時間(約55~60秒)であれば、積算光量は2500~3000mJ/cm2となり、従来と比較して約5~6倍の照射光量が得られることになる。
これらの点からも、本実施形態に係る接合方法では、従来と比較して、より短時間で、十分なエネルギー線の照射が可能となり、基材に対して長時間にわたってエネルギー線を照射することなく、短時間で効率的な接合が可能となることが理解できる。
以上より、本実施形態に係る接合方法によれば、処理雰囲気下の酸素濃度を調整・制御することにより、エネルギー線を、より長い照射距離、より短い照射時間で、十分な接合強度えることができる。
したがって、例えば図3(a)に示した真空紫外線処理装置100を用いて、酸素濃度を大気中より低い所定の値(酸素濃度:約1%)に設定した真空紫外線処理では、真空紫外線源(Xeエキシマランプ101)からの照射距離:3mm,照射時間:8秒、ステージ温度:30℃の処理条件において、十分な接合強度(=約10J/m2以上)を得ることができるようになる。
一方、同様の真空紫外線処理装置100を用いて酸素濃度を調整しない(酸素濃度:約21%)場合には、真空紫外線源(Xeエキシマランプ101)からの照射距離:2mm,照射時間:22秒、ステージ温度:30℃の処理条件が必要となり、本実施形態に係る接合方法と比較して、長時間にわたるエネルギー線の照射が必要となり、その結果、エネルギー線による基材の加熱・温度上昇等の問題が発生することなる。
この点は、上述した特許文献1において、樹脂基材の接合面に真空紫外線を長時間に亘って照射させる必要があり、その結果、接合温度の低温化が阻害されてしまうことからも、従来方法の問題点と本実施形態に係る接合方法の優位性がよく理解できる。
[包装容器]
以上、マイクロ流体デバイス10を例にとって本発明に係る接合方法の一実施形態について説明したが、本発明に係る接合方法を適用可能なものとしては、マイクロ流体デバイスに限定されるものではない。
例えば、本発明に係る接合方法により製造される包装容器として、カレーやシチューなどの食品用の所謂レトルトパウチ,パウチ等と呼ばれる包装容器に適用することも可能である。
一般に、レトルトパウチと呼ばれる包装容器は、気密性・遮光性の樹脂基材を積層して容器を形成し、容器内に食品を充填して容器を密封した後、レトルト(加圧加熱)殺菌するもので、保存性や保管性等に優れ、調理や容器の廃棄等も簡単であることから、例えば、カレーやシチュー,お粥,ハンバーグ,パスタソース,その他の具材用などに幅広く用いられている。
また、パウチは、食材用のみに限らず、例えば洗剤や調味料,酒類など、様々な分野において簡便な包装容器として用いられている。
このようなレトルトパウチを構成する樹脂基材は、単一の樹脂材料ではなく、所謂マルチレイヤーと呼ばれる複数の樹脂あるいは金属が積層されて樹脂基材を構成するようになっている。
例えば、延伸ナイロンフィルムを外層とし、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルムを内層とする二層構成、延伸ポリエステルフィルムを外層とし、ポリオレフィンフィルムを内層とする二層構成、あるいはこのような内・外層フィルム間にアルミニウム等の金属箔を積層した三層構成のフィルム等がある。
図8は、本発明の一実施形態に係る接合方法で製造される包装容器を模式的に示す接合部の断面図であり、(a)は従来の包装容器、(b)は本発明の一実施形態に係る包装容器を示している。
同図(a)は、従来のレトルトパウチを示しており、2つの樹脂基材111a,112aの端部が加熱・加圧接合されて包装容器110aを構成するようになっている。
そして、このように包装容器110aを構成する樹脂基材111a,112aは、それぞれ複数の層からなるマルチレイヤーとなっており、具体的には、容器外装側からPET層・アルミ層・PP層の3層が積層された構成となっている。
このような構成からなる従来の包装容器110aでは、2つの樹脂基材111a,112aが積層されて、容器外周の端部が加熱・加圧されることで、容器内面側に位置するPP層同士が溶融・接合されることになる。
ここで、図8に示すような層構成となっているのは、外層にPET層が配置されるのは、PET樹脂が強度や柔軟性・耐久性等に優れ、容器外装用の印刷等の適性にも優れるためである。
一方、内層にPP層が配置されるのは、PP樹脂同士はヒートシール性に優れ、熱融着により確実に接合できるためである。
ところが、容器内層に位置するPP層は、PP樹脂の収着性が高いという特性により、レトルトパウチ内に充填される内容物(例えばカレー)の色素や味,香りなどを収着してしまうという問題があった。
このため、従来のレトルトパウチに充填される内容物は、内層のPP層に収着されることを前提として、例えばカレーであれば、本来よりも色や味の濃い,香りの強いカレーを充填して、PP層による収着があった上で、本来のカレーの色や味,香りがするように調理されたものが充填されるようになっていた。
従って、通常の料理として調理されたものを従来のレトルトパウチに充填すると、PP層の収着作用によって、色も味も香りも薄く、極端な場合には味のしない無味無臭のカレーとなってしまうことになる。
このような問題に対して、容器内層をPET層とすれば、PET樹脂はPP樹脂と比較して収着性がほとんどなく、上記のような内容物の色素や味,香りなどの収着の問題は発生しない。
ところが、PET層を容器内層にすると、ヒートシールにより包装容器(レトルトパウチ)を構成できないという問題が生じてしまう。
PET樹脂同士をヒートシール・熱融着させるには、例えば融点である260℃以上の高温によって融着・接合させることは可能であるが、その場合PET樹脂が結晶化してしまい、例えば落下させると砕けてしまうような硬く脆い状態となってしまい、もはやレトルトパウチとしての機能を果たせないものとなってしまう。
このため、PET層を容器内層に配したレトルトパウチは、これまで一切提案されていない。
これに対して、上述したように、本実施形態に係る接合方法によれば、接合面を平坦化・軟化する改質をした上で、ヒートシールを行うことにより、融点以下の例えば200℃の接合温度で、樹脂面同士を熱融着させることができる。
これによって、図8(b)に示すように、包装容器10aを構成する基材11a,12aとして、それぞれ容器外装側からPET層・アルミ層・PET層の3層が積層されたマルチレイヤー構成の基材を用いることができる。
この場合、容器内層側のPET層の接合面について、図2に示した真空紫外線等の高エネルギー照射を行った上で、基材11a,12aを積層した加熱・加圧することで、例えば200℃の接合温度で両基材11a,12aをヒートシールすることができる。
これによって、PET層同士が、融点以下の低温で接合されるので、上述したようなPET樹脂の高温加熱による硬質化や脆弱化等の変質がなく、柔軟性・耐久性に優れたパウチとして構成することができる。
そして、容器内層側にPET層が配置されたパウチは、PET樹脂の収着性の低さによって、内容物の色素や味,香りなどの収着の問題が発生せず、その結果、通常の料理として調理されたものをそのまま充填しても、色や味・香りなどが変化しない、理想的なレトルトパウチ・パウチを実現することができる。
以上説明したように、本実施形態の接合方法によれば、接合する樹脂基材の接合面を平坦化・軟化する改質を行うことで、基材の軟化温度未満の接合温度、より低温の接合温度で樹脂からなる接合面同士を熱融着させることができる。
このような低温接合によって、例えばマイクロ流体デバイス10に形成された微細なマイクロ流路13が高温加熱により変形等することなく、所望の流路空間を備えたマイクロ流体デバイス10を製造することができる。
また、PET樹脂などのポリエステル製の樹脂同士も低温で接合することが可能となり、例えば容器内層にPET層を備えたポリエステル製レトルトパウチを製造することができる。また、キャップ、スパウト、蓋材などの包装材の接合に用いてもよく、複数の基材に限らず、基材の端部同士を接合して筒状や袋状の包装容器としてもよいが、樹脂面同時は同種の材料を選択することが好ましい。
従って、本発明は、例えば簡易なインフルエンザ用の迅速診断キットを構成するマイクロ流体デバイスや、カレーなどのレトルト食品用の包装容器(レトルトパウチ)に好適な製造方法として用いることができる。
以下、本発明に係る接合方法の実施例を説明する。
なお、本発明を以下の実施例により更に説明するが、本発明は下記実施例により何らかの制限を受けるものではない。
[実施例1]
射出成形機でポリメチルメタクリレート(クラレ製、商品名パラペットGF)を射出成形し、外形寸法60mm×15mm×1.0mmのプレート状の基板と蓋部材を作製した。基材表面を70%エタノールで洗浄し、CDAにより乾燥させた。続いて、真空紫外線処理装置にて酸素濃度:1%、照射距離:3mm、ステージ温度:30℃の条件下で、基材表面に真空紫外線を8秒間照射した。そして、直ちに基材の真空紫外線照射面を内側にして、基板と蓋部材を重ね、ヒートシール機で接合温度:30℃、接合圧力:1.9MPaの条件下で60秒間保持し、基板と蓋部材を接合した。クラックオープニング法にて接合強度を測定したところ、接合強度は17.5J/m2であった。
[比較例1]
射出成形機でポリメチルメタクリレート(クラレ製、商品名パラペットGF)を射出成形し、外形寸法60mm×15mm×1.0mmのプレート状の基板と蓋部材を作製した。基材表面を70%エタノールで洗浄し、CDAにより乾燥させた。続いて、真空紫外線処理装置にて酸素濃度:21%、照射距離:2mm、ステージ温度:30℃の条件下で、基材表面に真空紫外線を22秒間照射した。そして、直ちに基材の真空紫外線照射面を内側にして、基板と蓋部材を重ね、ヒートシール機で接合温度:30℃、接合圧力:1.9MPaの条件下で60秒間保持し、基板と蓋部材を接合した。クラックオープニング法にて接合強度を測定したところ、接合強度は0.2J/m2であった。
[比較例2]
射出成形機でポリメチルメタクリレート(クラレ製、商品名パラペットGF)を射出成形し、外形寸法60mm×15mm×1.0mmのプレート状の基板と蓋部材を作製した。基材表面を70%エタノールで洗浄し、CDAにより乾燥させた。続いて、真空紫外線照射を行わずに基板と蓋部材を重ね、ヒートシール機で接合温度:30℃、接合圧力:1.9MPaの条件下で60秒間保持したが、基板と蓋部材は接合されなかった。
[実施例2]
射出成形機でポリメチルメタクリレート(クラレ製、商品名パラペットG)を射出成形し、外形寸法60mm×15mm×1.0mmのプレート状の基板と蓋部材を作製した。基材表面を70%エタノールで洗浄し、CDAにより乾燥させた。続いて、真空紫外線処理装置にて酸素濃度:1%、照射距離:3mm、ステージ温度:30℃の条件下で、基材表面に真空紫外線を8秒間照射した。そして、直ちに基材の真空紫外線照射面を内側にして、基板と蓋部材を重ね、ヒートシール機で接合温度:30℃、接合圧力:1.9MPaの条件下で60秒間保持し、基板と蓋部材を接合した。クラックオープニング法にて接合強度を測定したところ、接合強度は16.4J/m2であった。
[比較例3]
射出成形機でポリメチルメタクリレート(クラレ製、商品名パラペットG)を射出成形し、外形寸法60mm×15mm×1.0mmのプレート状の基板と蓋部材を作製した。基材表面を70%エタノールで洗浄し、CDAにより乾燥させた。続いて、真空紫外線処理装置にて酸素濃度:21%、照射距離:3mm、ステージ温度:30℃の条件下で、基材表面に真空紫外線を8秒間照射した。そして、直ちに基材の真空紫外線照射面を内側にして、基板と蓋部材を重ね、ヒートシール機で接合温度:30℃、接合圧力:1.9MPaの条件下で60秒間保持し、基板と蓋部材を接合した。クラックオープニング法にて接合強度を測定したところ、接合強度は2.42J/m2であった。
[比較例4]
射出成形機でポリメチルメタクリレート(クラレ製、商品名パラペットG)を射出成形し、外形寸法60mm×15mm×1.0mmのプレート状の基板と蓋部材を作製した。基材表面を70%エタノールで洗浄し、CDAにより乾燥させた。続いて、真空紫外線照射を行わずに基板と蓋部材を重ね、ヒートシール機で接合温度:30℃、接合圧力:1.9MPaの条件下で60秒間保持したが、基板と蓋部材は接合されなかった。
[実施例3]
延伸ポリエステル(東レ製、商品名ルミラー)を外形寸法100mm×15mm×0.1mmに裁断し、基材を作製した。基材表面を70%エタノールで洗浄し、CDAにより乾燥させた。続いて、真空紫外線処理装置にて酸素濃度:1%、照射距離:2mm、ステージ温度:30℃の条件下で、基材表面に真空紫外線を1秒間照射した。そして、直ちに基材の真空紫外線照射面を内側にして、基材同士を重ね、ヒートシール機で接合温度:200℃、接合圧力:1.3MPa、シール幅10mmの条件下で60秒間保持し、基材同士を接合した。引張試験機で引張速度300mm/minのTピール試験にて接合強度を測定した結果、シール強度は11.4N/15mmであった。
[比較例5]
延伸ポリエステル(東レ製、商品名ルミラー)を外形寸法100mm×15mm×0.1mmに裁断し、基材を作製した。基材表面を70%エタノールで洗浄し、CDAにより乾燥させた。続いて、真空紫外線処理装置にて酸素濃度:21%、照射距離:2mm、ステージ温度:30℃の条件下で、基材表面に真空紫外線を1秒間照射した。そして、直ちに基材の真空紫外線照射面を内側にして、基材同士を重ね、ヒートシール機で接合温度:200℃、接合圧力:1.3MPa、シール幅10mmの条件下で60秒間保持し、基材同士を接合した。引張試験機で引張速度300mm/minのTピール試験にて接合強度を測定した結果、シール強度は3.9N/15mmであった。
[比較例6]
延伸ポリエステル(東レ製、商品名ルミラー)を外形寸法100mm×15mm×0.1mmに裁断し、基材を作製した。基材表面を70%エタノールで洗浄し、CDAにより乾燥させた。続いて、真空紫外線照射を行わずに基材同士を重ね、ヒートシール機で接合温度:200℃、接合圧力:1.3MPa、シール幅10mmの条件下で60秒間保持したが、基材同士は接合されなかった。
以上、本発明の接合方法について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明に係る接合方法は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した実施形態では、本発明に係る接合体の一例として、インフルエンザ用の診断キットを構成するマイクロ流体デバイスや、食品等の包装容器を例にとって説明したが、本発明に係る接合方法で接合(製造)可能なものとしては、そのようなマイクロ流体デバイスや包装容器のみに限定されるものではない。
すなわち、本願発明は、樹脂や基材を軟化温度(融点・ガラス転移点)より低い温度で加熱接合させる要請のある用途であれば、特に限定されるものではない。
本発明は、例えば簡易なインフルエンザ用迅速診断キットなどを構成するマイクロ流体デバイスや、食品等の包装容器を構成する樹脂積層体の製造に好適に利用することができる。
10 マイクロ流体デバイス
11 基板
12 蓋部材(カバー体)
13 マイクロ流路
10a 包装容器
11a 基材
12a 基材
100 真空紫外線処理装置

Claims (10)

  1. 樹脂面同士を接合する方法であって、
    酸素濃度が、0~5%以下に設定された雰囲気下で、基材の接合面にエネルギー線を照射する工程と、
    前記接合面を接触させた後、基材を、加熱及び/又は加圧して接合する工程と、を有し、
    接合温度が60℃以下であ
    ことを特徴とする接合方法。
  2. 前記エネルギー線の照射時間が1~10秒であ
    ことを特徴とする請求項1記載の接合方法。
  3. 前記酸素濃度が、酸素ガス又は空気の少なくともいずれかと、不活性ガスとの混合ガスによって、所定の値に設定される
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の接合方法。
  4. 前記不活性ガスが、窒素ガス又はアルゴンガスの少なくともいずれかの気体を含む
    ことを特徴とする請求項3記載の接合方法。
  5. 前記エネルギー線を照射する工程において、
    前記基材の接合面に、所定値以上の極性官能基を形成する
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項記載の接合方法。
  6. 前記基材の接合面に、炭素との原子数比で、水酸基が0.015以上、カルボキシル基が0.004以上の極性官能基を形成する
    ことを特徴とする請求項5記載の接合方法。
  7. 前記基材を接合する工程において、
    前記基材を、改質層の軟化温度未満に加熱して接合する
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項記載の接合方法。
  8. 接合する2つの基材のうち、
    少なくとも1つの基材の接合面に前記エネルギー線を照射する
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項記載の接合方法。
  9. 前記エネルギー線が真空紫外線である
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項記載の接合方法。
  10. 前記基材が、マイクロ流体デバイスである
    ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項記載の接合方法。
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