後述する明細書及び図面の記載から、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
光ファイバの端部を保持するフェルールと、前記フェルールを後退可能に収容するハウジングとを備えた光コネクタであって、前記フェルールの上面には、一対の上側傾斜面が形成されており、前記フェルールの下面には、一対の下側傾斜面が形成されており、前記一対の上側傾斜面は、どちらも前方向及び上方向を向いているとともに、幅方向には互いに逆方向を向いており、前記一対の下側傾斜面は、どちらも前方向及び下方向を向いているとともに、幅方向には互いに逆方向を向いており、前記フェルールは、前側に押圧された状態で、前記一対の上側傾斜面及び前記一対の下側傾斜面が前記ハウジングの内壁面に形成された傾斜面に接触して、前記ハウジングに収容されていることを特徴とする光コネクタが明らかとなる。このような光コネクタによれば、フェルールの後退時にはフェルールとハウジングとの間にあそびを設けつつ、コネクタ接続前には、フェルールをハウジングに対して所定位置に配置させることができる。
前記フェルールの前記一対の上側傾斜面及び前記一対の下側傾斜面は、前記フェルールの前縁に設けられていることが望ましい。これにより、上側傾斜面及び下側傾斜面をフェルールの前側端面の近くに配置させることができるため、コネクタ接続前には、フェルールの前側端面を所定位置に配置させやすくなる。
前記フェルールの前記上面及び前記下面には、それぞれ凹部が形成されており、前記一対の上側傾斜面及び前記一対の下側傾斜面は、前記凹部を構成する側面として形成されていることが望ましい。これにより、簡易な形状で、フェルールの上面及び下面にそれぞれ一対の傾斜面を形成することができる。
前記フェルールは、一対のガイドピン穴を有し、前記凹部は、前記フェルールの前縁に設けられており、前記凹部の前記幅方向の位置は、前記一対のガイドピン穴の間であることが望ましい。これにより、フェルールの厚さ方向の寸法を抑制できる。
前記フェルールの前記上面及び前記下面には、それぞれ凸部が形成されており、前記一対の上側傾斜面及び前記一対の下側傾斜面は、前記凸部の側面として形成されていることが望ましい。これにより、簡易な形状で、フェルールの上面及び下面にそれぞれ一対の傾斜面を形成することができる。
前記一対の上側傾斜面及び前記一対の下側傾斜面は、前記フェルールの鍔部に設けられていることが望ましい。これにより、フェルールの前側端面を通常の形状にすることができる。
光ファイバの端部を保持し、前側に押圧された状態で光コネクタのハウジングに後退可能に収容されるフェルールであって、上面に形成され、前記ハウジングの内壁面に接触する一対の上側傾斜面と、下面に形成され、前記ハウジングの内壁面に接触する一対の下側傾斜面と、を備え、前記一対の上側傾斜面は、どちらも前方向及び上方向を向いているとともに、幅方向には互いに逆方向を向いており、前記一対の下側傾斜面は、どちらも前方向及び下方向を向いているとともに、幅方向には互いに逆方向を向いていることを特徴とするフェルールが明らかとなる。このようなフェルールによれば、フェルールの後退時にはフェルールとハウジングとの間にあそびを設けつつ、コネクタ接続前には、フェルールをハウジングに対して所定位置に配置させることができる。
===本実施形態===
<全体構成>
図1Aは、本実施形態の光コネクタ1の全体構成を示す斜視図である。図1Bは、図1Aのハウジング30とカップリング25を透過させた説明図である。
以下の説明では、図に示すように各方向を定義する。すなわち、光コネクタ1の着脱方向を「前後方向」とし、相手側の光コネクタ1の側を「前」とし、逆側を「後」とする。また、フェルール10の2つのガイドピン穴111の並ぶ方向を「左右方向」とし、後側から前側を見た時の右側を「右」、逆側を「左」とする。また、「前後方向」及び「左右方向」と直交する方向を「上下方向」とし、ハウジング30のキー31(突起部)の設けられた側を「上」とし、逆側を「下」とする。なお、左右方向のことを「幅方向」と呼び、上下方向のことを「厚さ方向」と呼ぶこともある。
本実施形態の光コネクタ1は、いわゆるMPOコネクタ(JIS C 5982に規定されたF13形多心光ファイバコネクタ)である。光コネクタ1は、フェルール10と、ピンクランプ21と、スプリング22と、スプリングプッシュ23と、ハウジング30と、ブーツ24と、カップリング25とを有する。
フェルール10は、光ファイバの端部を保持する部材である。フェルール10の後側には鍔部12が形成されている。鍔部12は、本体部11の外周面から外側に突出した部位である。フェルール10(本体部11及び鍔部12)は、樹脂により一体成形されている。フェルール10は、一対のガイドピン穴111と、複数の光ファイバ穴112とを有する。本実施形態のフェルール10は、いわゆるMTフェルール(JIS C 5981に規定されたF12形多心光ファイバコネクタ)とほぼ同様の構成であり、ガイドピン穴111や光ファイバ穴112の寸法や位置関係は、規格で規定された通りである。各光ファイバ穴112には、それぞれ光ファイバ(裸ファイバ)が挿通されて固定されている。コネクタ接続時にフェルール同士が突き合わせられると、光ファイバ端面同士が物理的に突き合わせられて、光ファイバ同士が光接続することになる。フェルール10には不図示の接着剤充填部が設けられており、接着剤充填部に充填された接着剤によって、光ファイバがフェルール10に固定されている。なお、フェルール10の外形形状については、後述する。
フェルール10の後側にはピンクランプ21が配置されており、フェルール10は、ピンクランプ21を介してスプリング22から前側に押圧されている。フェルール10の先端の一部がハウジング30の先端から突き出るように、フェルール10がハウジング30に収容されている。また、フェルール10は、ハウジング30内で後退可能に収容されている。なお、フェルール10とハウジング30との関係については、後述する。
スプリング22は、フェルール10を前側に押圧する弾性部材である。スプリング22は、圧縮変形させられた状態で、ピンクランプ21とスプリングプッシュ23との間に配置されている。スプリング22の前側端部は、ピンクランプ21と接触している。スプリング22の後側端部はスプリングプッシュ23と接触している。
スプリングプッシュ23は、スプリング22(弾性部材)の後端をハウジング30に対して固定する受け部である。スプリングプッシュ23は、一対の係合部231と、スプリング収容部232と、ブーツ固定部233とを有する。係合部231は、ハウジング30に係合させる部位である。スプリング収容部232は、スプリング22を収容する部位であり、一対の係合部231の間に設けられている。係合部231がハウジング30に係合することによって、スプリングプッシュ23がハウジング30内で固定されるとともに、スプリング22がピンクランプ21とスプリングプッシュ23との間で圧縮変形させられた状態でスプリング収容部232内に収容されるとともに、スプリング22の力によってフェルール10が前側へ押圧された状態でハウジング30に収容されている。ブーツ固定部233は、ブーツ24に固定される部位である。
ハウジング30は、フェルール10を後退可能に収容する部材である。ハウジング30には、フェルール10とともに、ピンクランプ21、スプリング22及びスプリングプッシュ23が収容されている(図1B参照)。この収容空間の前側は開口しており、開口からフェルール10の一部が前側に突出し、フェルール10の前側端面13が露出している。ハウジング30の上面には、光コネクタ1の向きを特定するためのキー31(突起部)が設けられている。なお、ハウジング30の形状については、後述する。
ブーツ24は、光ファイバを保護するための部材であり、ハウジング30の後部に配置されている。ここでは、スプリングプッシュ23のブーツ固定部233によってブーツ24とスプリングプッシュ23とが固定されている。ブーツ24の後側から、複数の光ファイバを有する光ファイバテープ5が延び出ている。
カップリング25は、ハウジング30の外側に設けられた筒状の部材であり、ハウジング30に対して前後方向にスライド可能である。光コネクタ1の抜去時に、ハウジング30に対してカップリング25を後側にスライドさせると、光コネクタ1のラッチ状態が解除され、光コネクタ1を抜去させることが可能となる。
<フェルール10とハウジング30の形状>
図2Aは、光コネクタ1の先端部の斜視図である。図2Aには、ハウジング30の開口からフェルール10の一部が前側に突出している様子が示されている。図2Bは、フェルール10の斜視図である。図2Cは、ハウジング30(及びカップリング25)の先端部の斜視図である。
フェルール10の上面10Aの前縁(上面10Aと前側端面13との縁)には、上側凹部15Aが形成されている。上側凹部15Aは、上面10Aから凹んだ部位である。本実施形態では、上側凹部15Aは、後側ほど幅(左右方向の寸法)が狭まるように、形成されている。また、上側凹部15Aは、下側ほど幅(左右方向の寸法)が狭まるように、形成されている。上側凹部15Aは、ハウジング30に設けられた上側凸部33Aと接触する(図2A参照)。これにより、前側に押圧されているフェルール10の前抜けが防止される。
フェルール10の上側凹部15Aには、一対の上側傾斜面14Aが形成されている。本実施形態のフェルール10の上側傾斜面14Aは、上側凹部15Aを構成する左右の側面であり、傾斜面になっている。一対の上側傾斜面14Aは、どちらも前方向及び上方向を向くように傾斜している。言い換えると、一対の上側傾斜面14Aのそれぞれの法線ベクトルは、前方向成分及び上方向成分を有している。また、一対の上側傾斜面14Aは、互いに左右の逆方向を向くように傾斜している。つまり、一対の上側傾斜面14Aは、上側凹部15Aの内側を向くように傾斜している。具体的には、右側の上側傾斜面14Aは、左方向を向くように傾斜しており、左側の上側傾斜面14Aは、右方向を向くように傾斜している。言い換えると、一対の上側傾斜面14Aのそれぞれの法線ベクトルは、幅方向の成分が逆向きである。具体的には、右側の上側傾斜面14Aの法線ベクトルは左方向成分を有しており、左側の上側傾斜面14Aの法線ベクトルは右方向成分を有している。
フェルール10の下面10Bの前縁(下面10Bと前側端面13との縁)には、下側凹部15Bが形成されている。下側凹部15Bは、下面10Bから凹んだ部位である。本実施形態では、下側凹部15Bは、後側ほど幅(左右方向の寸法)が狭まるように、形成されている。また、下側凹部15Bは、上側ほど幅(左右方向の寸法)が狭まるように、形成されている。下側凹部15Bは、ハウジング30に設けられた下側凸部33B(図2C参照)と接触する。これにより、前側に押圧されているフェルール10の前抜けが防止される。
フェルール10の下側凹部15Bには、一対の下側傾斜面14Bが形成されている。本実施形態のフェルール10の下側傾斜面14Bは、下側凹部15Bを構成する左右の側面であり、傾斜面になっている。一対の下側傾斜面14Bは、どちらも前方向及び下方向を向くように傾斜している。言い換えると、一対の下側傾斜面14Bのそれぞれの法線ベクトルは、前方向成分及び下方向成分を有している。また、一対の下側傾斜面14Bは、互いに左右の逆方向を向くように傾斜している。つまり、一対の下側傾斜面14Bは、下側凹部15Bの内側を向くように傾斜している。具体的には、右側の下側傾斜面14Bは、左方向を向くように傾斜しており、左側の下側傾斜面14Bは、右方向を向くように傾斜している。言い換えると、一対の下側傾斜面14Bのそれぞれの法線ベクトルは、幅方向の成分が逆向きである。具体的には、右側の下側傾斜面14Bの法線ベクトルは左方向成分を有しており、左側の下側傾斜面14Bの法線ベクトルは右方向成分を有している。
ハウジング30の上壁面30Aの前縁には、上側凸部33Aが形成されている。上側凸部33Aは、上壁面30Aから下側に突出した部位である。本実施形態では、上側凸部33Aは、後側ほど幅(左右方向の寸法)が狭まるように、形成されている。また、上側凸部33Aは、下側ほど幅(左右方向の寸法)が狭まるように、形成されている。上側凸部33Aは、フェルール10に設けられた上側凹部15Aと接触する(図2A参照)。これにより、前側に押圧されているフェルール10の前抜けが防止される。
ハウジング30の上側凸部33Aには、一対の上側傾斜面32Aが形成されている。本実施形態のハウジング30の上側傾斜面32Aは、上側凸部33Aの左右の側面であり、傾斜面になっている。一対の上側傾斜面32Aは、どちらも後方向及び下方向を向くように傾斜している。言い換えると、一対の上側傾斜面32Aのそれぞれの法線ベクトルは、後方向成分及び下方向成分を有している。また、一対の上側傾斜面32Aは、互いに左右の逆方向を向くように傾斜している。つまり、一対の上側傾斜面32Aは、上側凸部33Aの外側を向くように傾斜している。具体的には、右側の上側傾斜面32Aは、右方向を向くように傾斜しており、左側の上側傾斜面32Aは、左方向を向くように傾斜している。言い換えると、一対の上側傾斜面32Aのそれぞれの法線ベクトルは、幅方向の成分が逆向きである。具体的には、右側の上側傾斜面32Aの法線ベクトルは右方向成分を有しており、左側の上側傾斜面32Aの法線ベクトルは左方向成分を有している。
ハウジング30の下壁面30Bの前縁には、下側凸部33Bが形成されている。下側凸部33Bは、下壁面30Bから下側に突出した部位である。本実施形態では、下側凸部33Bは、後側ほど幅(左右方向の寸法)が狭まるように、形成されている。また、下側凸部33Bは、上側ほど幅(左右方向の寸法)が狭まるように、形成されている。下側凸部33Bは、フェルール10に設けられた下側凹部15Bと接触する。これにより、前側に押圧されているフェルール10の前抜けが防止される。
ハウジング30の下側凸部33Bには、一対の下側傾斜面32Bが形成されている。本実施形態のハウジング30の下側傾斜面32Bは、下側凸部33Bの左右の側面であり、傾斜面になっている。一対の下側傾斜面32Bは、どちらも後方向及び上方向を向くように傾斜している。言い換えると、一対の下側傾斜面32Bのそれぞれの法線ベクトルは、後方向成分及び上方向成分を有している。また、一対の下側傾斜面32Bは、互いに左右の逆方向を向くように傾斜している。つまり、一対の下側傾斜面32Bは、下側凸部33Bの外側を向くように傾斜している。具体的には、右側の下側傾斜面32Bは、右方向を向くように傾斜しており、左側の下側傾斜面32Bは、左方向を向くように傾斜している。言い換えると、一対の下側傾斜面32Bのそれぞれの法線ベクトルは、幅方向の成分が逆向きである。具体的には、右側の下側傾斜面32Bの法線ベクトルは右方向成分を有しており、左側の下側傾斜面32Bの法線ベクトルは左方向成分を有している。
図3Aは、コネクタ接続前のハウジング30内のフェルール10の概略説明図である。図3Aの上図は、幅方向から見た概略説明図である。図3Aの下図は、厚さ方向から見た概略説明図である。なお、図3Aの上図は、下図のB-B断面における概略説明図である。また、図3Aの下図は、上図のA-A断面における概略説明図である。図3Aに示すように、コネクタ接続前の段階では、フェルール10は、スプリング22によって前側に押圧されることによって、フェルール10の上側凹部15Aの上側傾斜面14Aは、ハウジング30の上側凸部33Aの上側傾斜面32Aと接触するとともに、フェルール10の下側凹部15Bの下側傾斜面14Bは、ハウジング30の下側凸部33Bの下側傾斜面32Bと接触する。
図3Aの上図に示すように、コネクタ接続前の段階では、前側に押圧されているフェルール10の上側傾斜面14Aは、ハウジング30の上側凸部33Aから下向きの力を受けることになる。一方、前側に押圧されているフェルール10の下側傾斜面14Bは、ハウジング30の下側凸部33Bから上向きの力を受けることになる。つまり、フェルール10は、上面10Aではハウジング30から下向きの力を受けつつ、下面10Bではハウジング30から上向きの力を受けることになる。この結果、コネクタ接続前の段階では、フェルール10は、ハウジング30に対して上下方向のあそび(間隙)が無い状態で、ハウジング30に対して上下方向の中央に位置することができる。
また、図3Aの下図に示すように、コネクタ接続前の段階では、前側に押圧されているフェルール10の右側の上側傾斜面14A(又は下側傾斜面14B)は、ハウジング30の上側凸部33A(又は下側凸部33B)から右向きの力を受けることになる。一方、前側に押圧されているフェルール10の左側の上側傾斜面14A(又は下側傾斜面14B)は、ハウジング30の上側凸部33A(又は下側凸部33B)から左向きの力を受けることになる。つまり、フェルール10は、上側凸部33A(又は下側凸部33B)の左右の側面からそれぞれ逆方向の力を受けることになる。この結果、コネクタ接続前の段階では、フェルール10は、ハウジング30に対して左右方向のあそびが無い状態で、ハウジング30に対して幅方向の中央に位置することができる。
このように、コネクタ接続前の段階では、フェルール10は、ハウジング30に対して上下方向及び左右方向(前後方向に垂直な方向)のあそびが無い状態で、ハウジング30に対して所定の位置(前後方向に垂直な方向の所定位置)に配置されることなる。これにより、光コネクタ同士を接続させる際に、不図示のガイドピンがガイドピン穴111に嵌合しやすいため、ガイドピンによってフェルール10の前側端面13が傷つくことを抑制できる。
図3Bは、コネクタ接続時のハウジング30内のフェルール10の概略説明図である。コネクタ接続時には、フェルール10は、相手側の光コネクタのフェルール(図中の点線)から力を受けて、ハウジング30に対して後退することになる。これにより、図3Bに示すように、フェルール10の上側凹部15Aの上側傾斜面14Aは、ハウジング30の上側凸部33Aの上側傾斜面32Aと非接触になるとともに、フェルール10の下側凹部15Bの下側傾斜面14Bは、ハウジング30の下側凸部33Bの下側傾斜面32Bと非接触になる。この結果、図3Bに示すように、フェルール10とハウジング30との間に、上下方向及び左右方向(前後方向に垂直な方向)にあそびが形成され、フェルール10の上下方向及び左右方向への移動を許容する余裕ができ、フェルール10の前側端面13同士を突き合わせた状態を維持できる。
===第1参考例===
図4Aは、第1参考例のフェルール10とハウジング30の斜視図である。
第1参考例では、フェルール10の上面10Aの前縁には、左右外側にそれぞれ凹部が形成されることによって、中央部に凸状の上側凸部16Aが形成されている。フェルール10の上側凸部16Aは、フェルール10の上面10Aにおいて上側に突出した部位である。第1参考例では、上側凸部16Aは、後側ほど幅(左右方向の寸法)が広がるように、形成されている。また、上側凸部16Aは、下側ほど幅(左右方向の寸法)が広がるように、形成されている。上側凸部16Aは、ハウジング30に設けられた上側凹部34Aと接触する。これにより、前側に押圧されているフェルール10の前抜けが防止される。
フェルール10の上側凸部16Aには、一対の上側傾斜面14Aが形成されている。第1参考例のフェルール10の上側傾斜面14Aは、上側凸部16Aの左右の側面であり、傾斜面になっている。一対の上側傾斜面14Aは、どちらも前方向及び上方向を向くように傾斜している。言い換えると、一対の上側傾斜面14Aのそれぞれの法線ベクトルは、前方向成分及び上方向成分を有している。また、一対の上側傾斜面14Aは、互いに左右の逆方向を向くように傾斜している。つまり、一対の上側傾斜面14Aは、上側凸部16Aの外側を向くように傾斜している。具体的には、右側の上側傾斜面14Aは、右方向を向くように傾斜しており、左側の上側傾斜面14Aは、左方向を向くように傾斜している。言い換えると、一対の上側傾斜面14Aのそれぞれの法線ベクトルは、幅方向の成分が逆向きである。具体的には、右側の上側傾斜面14Aの法線ベクトルは右方向成分を有しており、左側の上側傾斜面14Aの法線ベクトルは左方向成分を有している。
フェルール10の下面10Bの前縁(下面10Bと前側端面13との縁)には、左右外側にそれぞれ凹部が形成されることによって、中央部に凸状の下側凸部16Bが形成されている。フェルール10の下側凸部16Bは、フェルール10の下面10Bにおいて下側に突出した部位である。第1参考例では、下側凸部16Bは、後側ほど幅(左右方向の寸法)が広がるように、形成されている。また、下側凸部16Bは、上側ほど幅(左右方向の寸法)が広がるように、形成されている。下側凸部16Bは、ハウジング30に設けられた下側凹部34Bと接触する。これにより、前側に押圧されているフェルール10の前抜けが防止される。
フェルール10の下側凸部16Bには、一対の下側傾斜面14Bが形成されている。第1参考例のフェルール10の下側傾斜面14Bは、下側凸部16Bの左右の側面であり、傾斜面になっている。一対の下側傾斜面14Bは、どちらも前方向及び上方向を向くように傾斜している。言い換えると、一対の下側傾斜面14Bのそれぞれの法線ベクトルは、前方向成分及び上方向成分を有している。また、一対の下側傾斜面14Bは、互いに左右の逆方向を向くように傾斜している。つまり、一対の下側傾斜面14Bは、下側凸部16Bの外側を向くように傾斜している。具体的には、右側の下側傾斜面14Bは、右方向を向くように傾斜しており、左側の下側傾斜面14Bは、左方向を向くように傾斜している。言い換えると、一対の下側傾斜面14Bのそれぞれの法線ベクトルは、幅方向の成分が逆向きである。具体的には、右側の下側傾斜面14Bの法線ベクトルは右方向成分を有しており、左側の下側傾斜面14Bの法線ベクトルは左方向成分を有している。
ハウジング30の上壁面30Aの前縁には、上側凹部34Aが形成されている。上側凹部34Aは、上壁面30Aから上側に凹んだ部位である。第1参考例では、上側凹部34Aは、後側ほど幅(左右方向の寸法)が広がるように、形成されている。また、上側凹部34Aは、下側ほど幅(左右方向の寸法)が広がるように、形成されている。上側凹部34Aは、フェルール10に設けられた上側凸部16Aと接触する。これにより、前側に押圧されているフェルール10の前抜けが防止される。
ハウジング30の上側凹部34Aには、一対の上側傾斜面32Aが形成されている。第1参考例のハウジング30の上側傾斜面32Aは、上側凹部34Aを構成する左右の側面であり、傾斜面になっている。一対の上側傾斜面32Aは、どちらも後方向及び下方向を向くように傾斜している。言い換えると、一対の上側傾斜面32Aのそれぞれの法線ベクトルは、後方向成分及び下方向成分を有している。また、一対の上側傾斜面32Aは、互いに左右の逆方向を向くように傾斜している。つまり、一対の上側傾斜面32Aは、上側凹部34Aの内側を向くように傾斜している。具体的には、右側の上側傾斜面32Aは、左方向を向くように傾斜しており、左側の上側傾斜面32Aは、右方向を向くように傾斜している。言い換えると、一対の上側傾斜面32Aのそれぞれの法線ベクトルは、幅方向の成分が逆向きである。具体的には、右側の上側傾斜面32Aの法線ベクトルは左方向成分を有しており、左側の上側傾斜面32Aの法線ベクトルは右方向成分を有している。
ハウジング30の下壁面30Bの前縁には、下側凹部34Bが形成されている。下側凹部34Bは、下壁面30Bから下側に凹んだ部位である。第1参考例では、下側凹部34Bは、後側ほど幅(左右方向の寸法)が広がるように、形成されている。また、下側凹部34Bは、上側ほど幅(左右方向の寸法)が広がるように、形成されている。下側凹部34Bは、フェルール10に設けられた下側凸部16Bと接触する。これにより、前側に押圧されているフェルール10の前抜けが防止される。
ハウジング30の下側凹部34Bには、一対の下側傾斜面32Bが形成されている。第1参考例のハウジング30の下側傾斜面32Bは、下側凹部34Bを構成する左右の側面であり、傾斜面になっている。一対の下側傾斜面32Bは、どちらも後方向及び上方向を向くように傾斜している。言い換えると、一対の下側傾斜面32Bのそれぞれの法線ベクトルは、後方向成分及び上方向成分を有している。また、一対の下側傾斜面32Bは、互いに左右の逆方向を向くように傾斜している。つまり、一対の下側傾斜面32Bは、下側凹部34Bの内側を向くように傾斜している。具体的には、右側の下側傾斜面32Bは、左方向を向くように傾斜しており、左側の下側傾斜面32Bは、右方向を向くように傾斜している。言い換えると、一対の下側傾斜面32Bのそれぞれの法線ベクトルは、幅方向の成分が逆向きである。具体的には、右側の下側傾斜面32Bの法線ベクトルは左方向成分を有しており、左側の下側傾斜面32Bの法線ベクトルは右方向成分を有している。
第1参考例では、コネクタ接続前の段階では、フェルール10は、スプリング22によって前側に押圧されることによって、フェルール10の上側凸部16Aの上側傾斜面14Aは、ハウジング30の上側凹部34Aの上側傾斜面32Aと接触するとともに、フェルール10の下側凸部16Bの下側傾斜面14Bは、ハウジング30の下側凹部34Bの下側傾斜面32Bと接触する。これにより、フェルール10は、上面10Aではハウジング30から下向きの力を受けつつ、下面10Bではハウジング30から上向きの力を受けることになる。この結果、コネクタ接続前の段階では、フェルール10は、ハウジング30に対して上下方向のあそびが無い状態で、ハウジング30に対して上下方向の中央に位置することができる。
また、第1参考例では、コネクタ接続前の段階では、前側に押圧されているフェルール10の右側の上側傾斜面14A(又は下側傾斜面14B)は、ハウジング30の上側凹部34A(又は下側凹部34B)から左向きの力を受けることになる。一方、前側に押圧されているフェルール10の左側の上側傾斜面14A(又は下側傾斜面14B)は、ハウジング30の上側凹部34A(又は下側凹部34B)から右向きの力を受けることになる。つまり、フェルール10は、上側凹部34A(又は下側凹部34B)の左右の側面からそれぞれ逆方向の力を受けることになる。この結果、コネクタ接続前の段階では、フェルール10は、ハウジング30に対して左右方向のあそびが無い状態で、ハウジング30に対して幅方向の中央に位置することができる。
このように、第1参考例においても、コネクタ接続前の段階では、フェルール10は、ハウジング30に対して上下方向及び左右方向(前後方向に垂直な方向)のあそびが無い状態で、ハウジング30に対して所定の位置(前後方向に垂直な方向の所定位置)に配置されることなる。これにより、光コネクタ同士を接続させる際に、不図示のガイドピンがガイドピン穴111に嵌合しやすいため、ガイドピンによってフェルール10の前側端面13が傷つくことを抑制できる。
また、第1参考例では、コネクタ接続時にフェルール10がハウジング30に対して後退すると、フェルール10の上側凸部16Aの上側傾斜面14Aは、ハウジング30の上側凹部34Aの上側傾斜面32Aと非接触になるとともに、フェルール10の下側凸部16Bの下側傾斜面14Bは、ハウジング30の下側凹部34Bの下側傾斜面32Bと非接触になる。この結果、フェルール10とハウジング30との間に、上下方向及び左右方向(前後方向に垂直な方向)にあそびが形成され、フェルール10の上下方向及び左右方向への移動を許容する余裕ができ、フェルール10の前側端面13同士を突き合わせた状態を維持できる。
===第2参考例===
図4Bは、第2参考例のフェルール10とハウジング30の斜視図である。
第2参考例では、本実施形態と同様に、フェルール10の上面10Aに上側凹部15Aが形成されており、フェルール10の下面10Bに下側凹部15B(不図示)が形成されている。本実施形態では、上側凹部15A及び下側凹部15Bはフェルール10の前縁に設けられていたのに対し、第2参考例では、上側凹部15A及び下側凹部15Bは、フェルール10の鍔部12に設けられている。
また、第2参考例では、本実施形態と同様に、ハウジング30の上壁面30Aに上側凸部33Aが形成されており、ハウジング30の下壁面30Bに下側凸部33Bが形成されている。本実施形態では、上側凸部33A及び下側凸部33Bはハウジング30の前縁に設けられていたのに対し、第2参考例では、上側凸部33A及び下側凸部33Bは、フェルール10の鍔部12に対応する位置に設けられている。
第2参考例においても、コネクタ接続前の段階では、フェルール10は、スプリング22によって前側に押圧されることによって、フェルール10の上側凹部15Aの上側傾斜面14Aは、ハウジング30の上側凸部33Aの上側傾斜面32Aと接触するとともに、フェルール10の下側凹部15Bの下側傾斜面14Bは、ハウジング30の下側凸部33Bの下側傾斜面32Bと接触する。これにより、フェルール10は、上面10Aではハウジング30から下向きの力を受けつつ、下面10Bではハウジング30から上向きの力を受けることになる。この結果、コネクタ接続前の段階では、フェルール10は、ハウジング30に対して上下方向のあそびが無い状態で、ハウジング30に対して上下方向の中央に位置することができる。
また、第2参考例においても、コネクタ接続前の段階では、前側に押圧されているフェルール10の右側の上側傾斜面14A(又は下側傾斜面14B)は、ハウジング30の上側凸部33A(又は下側凸部33B)から右向きの力を受けることになる。一方、前側に押圧されているフェルール10の左側の上側傾斜面14A(又は下側傾斜面14B)は、ハウジング30の上側凸部33A(又は下側凸部33B)から左向きの力を受けることになる。つまり、フェルール10は、上側凸部33A(又は下側凸部33B)の左右の側面からそれぞれ逆方向の力を受けることになる。この結果、コネクタ接続前の段階では、フェルール10は、ハウジング30に対して左右方向のあそびが無い状態で、ハウジング30に対して幅方向の中央に位置することができる。
このように、第2参考例においても、コネクタ接続前の段階では、フェルール10は、ハウジング30に対して上下方向及び左右方向(前後方向に垂直な方向)のあそびが無い状態で、ハウジング30に対して所定の位置(前後方向に垂直な方向の所定位置)に配置されることなる。これにより、光コネクタ同士を接続させる際に、不図示のガイドピンがガイドピン穴111に嵌合しやすいため、ガイドピンによってフェルール10の前側端面13が傷つくことを抑制できる。
また、第2参考例においても、コネクタ接続時にフェルール10がハウジング30に対して後退すると、フェルール10の上側凹部15Aの上側傾斜面14Aは、ハウジング30の上側凸部33Aの上側傾斜面32Aと非接触になるとともに、フェルール10の下側凹部15Bの下側傾斜面14Bは、ハウジング30の下側凸部33Bの下側傾斜面32Bと非接触になる。この結果、フェルール10とハウジング30との間に、上下方向及び左右方向(前後方向に垂直な方向)にあそびが形成され、フェルール10の上下方向及び左右方向への移動を許容する余裕ができ、フェルール10の前側端面13同士を突き合わせた状態を維持できる。
===第3参考例===
図4Cは、第3参考例のフェルール10とハウジング30の斜視図である。
第3参考例では、第1参考例と同様に、フェルール10の上面10Aに上側凸部16Aが形成されており、フェルール10の下面10Bに下側凸部16B(不図示)が形成されている。第1参考例では、上側凸部16A及び下側凸部16Bはフェルール10の前縁に設けられていたのに対し、第3参考例では、上側凸部16A及び下側凸部16Bは、フェルール10の鍔部12に設けられている。
また、第3参考例では、第1参考例と同様に、ハウジング30の上壁面30Aに上側凹部34Aが形成されており、ハウジング30の下壁面30Bに下側凹部34Bが形成されている。第1参考例では、上側凹部34A及び下側凹部34Bはハウジング30の前縁に設けられていたのに対し、第3参考例では、上側凹部34A及び下側凹部34Bは、フェルール10の鍔部12に対応する位置に設けられている。
第3参考例においても、コネクタ接続前の段階では、フェルール10は、スプリング22によって前側に押圧されることによって、フェルール10の上側凸部16Aの上側傾斜面14Aは、ハウジング30の上側凹部34Aの上側傾斜面32Aと接触するとともに、フェルール10の下側凸部16Bの下側傾斜面14Bは、ハウジング30の下側凹部34Bの下側傾斜面32Bと接触する。これにより、フェルール10は、上面10Aではハウジング30から下向きの力を受けつつ、下面10Bではハウジング30から上向きの力を受けることになる。この結果、コネクタ接続前の段階では、フェルール10は、ハウジング30に対して上下方向のあそびが無い状態で、ハウジング30に対して上下方向の中央に位置することができる。
また、第3参考例においても、コネクタ接続前の段階では、前側に押圧されているフェルール10の右側の上側傾斜面14A(又は下側傾斜面14B)は、ハウジング30の上側凹部34A(又は下側凹部34B)から左向きの力を受けることになる。一方、前側に押圧されているフェルール10の左側の上側傾斜面14A(又は下側傾斜面14B)は、ハウジング30の上側凹部34A(又は下側凹部34B)から右向きの力を受けることになる。つまり、フェルール10は、上側凹部34A(又は下側凹部34B)の左右の側面からそれぞれ逆方向の力を受けることになる。この結果、コネクタ接続前の段階では、フェルール10は、ハウジング30に対して左右方向のあそびが無い状態で、ハウジング30に対して幅方向の中央に位置することができる。
このように、第3参考例においても、コネクタ接続前の段階では、フェルール10は、ハウジング30に対して上下方向及び左右方向(前後方向に垂直な方向)のあそびが無い状態で、ハウジング30に対して所定の位置(前後方向に垂直な方向の所定位置)に配置されることなる。これにより、光コネクタ同士を接続させる際に、不図示のガイドピンがガイドピン穴111に嵌合しやすいため、ガイドピンによってフェルール10の前側端面13が傷つくことを抑制できる。
また、第3参考例では、コネクタ接続時にフェルール10がハウジング30に対して後退すると、フェルール10の上側凸部16Aの上側傾斜面14Aは、ハウジング30の上側凹部34Aの上側傾斜面32Aと非接触になるとともに、フェルール10の下側凸部16Bの下側傾斜面14Bは、ハウジング30の下側凹部34Bの下側傾斜面32Bと非接触になる。この結果、フェルール10とハウジング30との間に、上下方向及び左右方向(前後方向に垂直な方向)にあそびが形成され、フェルール10の上下方向及び左右方向への移動を許容する余裕ができ、フェルール10の前側端面13同士を突き合わせた状態を維持できる。
===小括===
上記の本実施形態及び第1~第3参考例の光コネクタ1は、フェルール10とハウジング30とを備えており、フェルール10は、ハウジング30に後退可能に収容されている。本実施形態及び第1~第3参考例のフェルール10の上面10Aには一対の上側傾斜面14Aが形成されており、一対の上側傾斜面14Aは、どちらも前方向及び上方向を向くように傾斜しているとともに、幅方向には互いに逆方向を向いている。一方、フェルール10の下面10Bには一対の下側傾斜面14Bが形成されており、一対の下側傾斜面14Bは、どちらも前方向及び下方向を向くように傾斜しているとともに、幅方向には互いに逆方向を向いている。このようなフェルール10の構成により、フェルール10が前側に押圧された状態でハウジング30の内壁面に形成された傾斜面(上側傾斜面32A及び下側傾斜面32B)に接触すると、フェルール10は、ハウジング30に対して上下方向及び幅方向のあそびが無い状態で、ハウジング30に対して上下方向及び幅方向の所定位置に配置される(図3Aの上図及び下図参照)。一方、コネクタ接続時にフェルール10がハウジング30に対して後退すると、フェルール10とハウジング30との間に、上下方向及び左右方向(前後方向に垂直な方向)にあそびが形成され、フェルール10の上下方向及び左右方向への移動を許容する余裕ができ、フェルール10の前側端面13同士を突き合わせた状態を維持できる(図3Bの上図及び下図参照)。このように、上記の本実施形態及び第1~第3参考例の光コネクタ1によれば、フェルール10の後退時にはフェルール10とハウジング30との間にあそびを設けつつ、コネクタ接続前には、フェルール10をハウジング30に対して所定位置に配置させることができる。
なお、上記の本実施形態及び第1~第3参考例では、フェルール10のそれぞれの傾斜面(上側傾斜面14Aや下側傾斜面14B)は、上下方向の位置合わせに用いられるとともに、幅方向の位置合わせにも用いられている。このため、上下方向の位置合わせのための傾斜面と幅方向の位置合わせの位置合わせのための傾斜面をそれぞれ別々にフェルールに形成する場合と比べて、フェルール10の小型化を図ることができる。
上記の本実施形態及び第1参考例の光コネクタ1は、フェルール10の一対の上側傾斜面14A及び一対の下側傾斜面14Bは、フェルール10の前縁に設けられている。このため、本実施形態及び第1参考例の光コネクタ1は、第2、第3参考例のように鍔部12に上側傾斜面14A及び下側傾斜面14Bを設けた場合と比べて、上側傾斜面14A及び下側傾斜面14Bをフェルール10の前側端面13の近くに配置することができるため、コネクタ接続前には、フェルール10の前側端面13を所定位置に配置させやすくなる。
上記の本実施形態及び第2参考例の光コネクタ1では、フェルール10の上面10Aに上側凹部15Aが形成され、一対の上側傾斜面14Aは、上側凹部15Aを構成する側面として形成されているとともに、フェルール10の下面10Bに下側凹部15Bが形成され、一対の下側傾斜面14Bは、下側凹部15Bを構成する側面として形成されている。これにより、簡易な形状で、フェルール10の上面10A及び下面10Bにそれぞれ一対の傾斜面を形成することができる。
上記の本実施形態の光コネクタ1では、フェルール10の前縁に設けられた上側凹部15A及び下側凹部15Bの幅方向の位置は、一対のガイドピン穴111の間になっている。これにより、光ファイバ穴112の上下に上側凹部15A及び下側凹部15Bが配置されるため、ガイドピン穴111の上下に上側凹部及び下側凹部が配置される場合と比べて、フェルール10の厚さ方向の寸法を抑制できる。
上記の第1、第3参考例の光コネクタ1では、フェルール10の上面10Aに上側凸部16Aが形成され、一対の上側傾斜面14Aは、上側凸部16Aの側面として形成されているとともに、フェルール10の下面10Bに下側凸部16Bが形成され、一対の下側傾斜面14Bは、下側凸部16Bの側面として形成されている。これにより、簡易な形状で、フェルール10の上面及び下面にそれぞれ一対の傾斜面を形成することができる。
上記の第2、第3参考例の光コネクタでは、フェルール10の一対の上側傾斜面14A及び一対の下側傾斜面14Bは、フェルール10の鍔部12に設けられている。これにより、フェルール10の本体に凹部や凸部を形成せずに済むため、フェルール10の前側端面13を通常の形状にすることができる。
===その他の実施形態===
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更・改良され得ると共に、本発明には、その等価物が含まれることは言うまでもない。