JP7068565B1 - ワイヤ放電加工機、及び、ワイヤ放電加工機の制御方法 - Google Patents

ワイヤ放電加工機、及び、ワイヤ放電加工機の制御方法 Download PDF

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Abstract

ワイヤ放電加工機(10)は、加工条件にしたがって、ワーク(14)に対するワイヤ電極(12)の相対速度を制御するサーボコントローラ(38)と、極間に発生させる放電エネルギを制御する加工電流制御部(36)と、加工端面(40)にアプローチしている場合の加工条件を第1の条件に設定し、単位時間内において前記極間に放電が発生したと判定された回数が所定回数に達した後にワークに対するワイヤ電極の移動距離が所定距離に達した場合は、加工条件を第2の条件に設定する加工条件設定部(32)と、を備える。

Description

本発明は、ワイヤ放電加工機、及び、ワイヤ放電加工機の制御方法に関する。
特開2001-113419号公報には、ワイヤ放電加工機が、ワイヤ電極が断線し易い部分を加工している場合に、放電が発生する時間間隔のばらつきが大きくなることが開示されている。ワイヤ電極が断線し易い部分とは、被加工物の屈曲部、段差部、端面部等の部分である。そのため、特開2001-113419号公報のワイヤ放電加工機では、放電が発生する時間間隔のばらつきを示す分散値が設定値よりも大きい場合には、ワイヤ電極の断線を抑制するように加工条件を変更する。
ワイヤ電極が被加工物の加工端面にアプローチしている場合に、ワイヤ電極が加工端面から離れている場合であっても、単発的に放電が発生することがある。そのため、放電が発生する時間間隔の分散値が設定値よりも大きくなる。この場合、特開2001-113419号公報に開示されている技術では、ワイヤ電極が加工端面から離れている場合であっても、ワイヤ電極の断線を抑制するように加工条件を変更する。しかし、ワイヤ電極が加工端面から離れている場合、ワイヤ電極の断線は生じ難い。そのため、特開2001-113419号公報に開示されている技術では、加工条件を適切に設定できない。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、加工条件をより適切に設定できるワイヤ放電加工機、及び、ワイヤ放電加工機の制御方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、被加工物に対してワイヤ電極を相対移動させながら、前記ワイヤ電極と前記被加工物との極間に電圧を印加させて放電を発生させることにより、前記被加工物の放電加工を行うワイヤ放電加工機であって、加工条件にしたがって、前記被加工物に対する前記ワイヤ電極の相対速度、及び、前記極間に発生させる放電エネルギを制御する制御部と、前記極間の電圧を検出する電圧検出部と、前記被加工物を加工するために前記ワイヤ電極が前記被加工物の加工端面に向けてアプローチしている場合に、検出された前記極間の電圧に基づいて、単位時間毎に、前記単位時間内において前記極間に放電が発生したか否かを判定する放電判定部と、放電が発生したと判定された回数をカウントするカウント部と、前記加工端面にアプローチしている場合の前記加工条件を第1の条件に設定し、前記カウントされた回数が所定回数に達した後に前記被加工物に対する前記ワイヤ電極の移動距離が所定距離に達した場合は、前記加工条件を前記第1の条件とは異なる第2の条件に設定する加工条件設定部と、を備える。
本発明の第2の態様は、被加工物に対してワイヤ電極を相対移動させながら、前記ワイヤ電極と前記被加工物との極間に電圧を印加させて放電を発生させることにより、前記被加工物の放電加工を行うワイヤ放電加工機の制御方法であって、前記ワイヤ放電加工機は、前記極間の電圧を検出する電圧検出部を備え、前記被加工物を加工するために前記ワイヤ電極が前記被加工物の加工端面に向けてアプローチしている場合の加工条件を第1の条件に設定する第1加工条件設定ステップと、前記第1の条件にしたがって、前記被加工物に対する前記ワイヤ電極の相対速度、及び、前記極間に発生させる放電エネルギを制御する第1制御ステップと、前記ワイヤ電極が前記加工端面に向けてアプローチしている場合に、検出された前記極間の電圧に基づいて、単位時間毎に、前記単位時間内において前記極間に放電が発生したか否かを判定する放電判定ステップと、放電が発生したと判定された回数をカウントするカウントステップと、前記カウントされた回数が所定回数に達した後に前記被加工物に対する前記ワイヤ電極の移動距離が所定距離に達した場合は、前記加工条件を前記第1の条件とは異なる第2の条件に設定する第2加工条件設定ステップと、前記第2の条件にしたがって、前記被加工物に対する前記ワイヤ電極の相対速度、及び、前記極間に発生させる放電エネルギを制御する第2制御ステップと、を備える。
本発明により、ワイヤ放電加工機の加工条件をより適切に設定できる。
図1は、ワイヤ放電加工機の構成図である。 図2は、制御装置において行われるアプローチ処理の流れを示すフローチャートである。 図3は、ワイヤ電極がワークの加工端面にアプローチし、ワイヤ電極が加工端面から放電加工しながらワーク内に進入する様子を示す模式図である。 図4は、中子が切り残された状態のワークを示す模式図である。 図5は、ワイヤ電極がワークの加工端面にアプローチし、ワイヤ電極が加工端面から放電加工しながらワーク内に進入する様子を示す模式図である。 図6は、制御装置において行われるアプローチ処理の流れを示すフローチャートである。 図7は、制御装置において行われるアプローチ処理の流れを示すフローチャートである。
〔第1実施形態〕
[ワイヤ放電加工機の構成]
図1はワイヤ放電加工機10の構成図である。ワイヤ放電加工機10は、ワイヤ電極12をワーク(被加工物)14に対して相対移動させながら、ワイヤ電極12とワーク14との極間に放電を生じさせて加工を行う。ワーク14は、図示しないワークテーブルに設置される。サーボモータ16がワークテーブルをX軸方向及びY軸方向に移動することにより、ワイヤ電極12はワーク14に対して相対移動する。
ワイヤ放電加工機10は、サーボモータ16の他に、電圧検出部18、放電誘起回路20、主放電回路22、サーボアンプ24、及び、制御装置26を有する。
電圧検出部18は、極間の電圧(以下、極間電圧とも記載する)を検出する。放電誘起回路20は、極間に放電誘起電圧を印加して、極間に放電を生じさせる。主放電回路22は、極間に放電が生じた後に、ワーク14を加工する放電エネルギとして加工電流をワイヤ電極12に供給する。サーボアンプ24は、サーボモータ16に駆動電力を供給して、サーボモータ16を駆動させる。
制御装置26は、放電判定部28、カウント部30、加工条件設定部32、放電誘起電圧制御部34、加工電流制御部36、及び、サーボコントローラ38を有する。
放電判定部28は、単位時間内において極間に放電が発生したか否かを判定する。極間に放電が発生したか否かの判定は、極間電圧に基づいて行われる。この判定は、単位時間毎に繰り返される。カウント部30は、放電判定部28が極間に放電が発生したと判定した回数をカウントする。
加工条件設定部32は、カウント部30がカウントした回数に応じて加工条件を設定する。加工条件は、主放電回路22からワイヤ電極12に供給する加工電流、ワーク14に対するワイヤ電極12の相対速度、放電誘起回路20が極間に印加する放電誘起電圧、及び、放電誘起電圧を印加する周期のそれぞれについての条件である。
主放電回路22からワイヤ電極12に供給される加工電流の大きさは、極間に発生させる放電エネルギの大きさに相関する。そのため、主放電回路22からワイヤ電極12に供給される加工電流を設定することは、極間に発生させる放電エネルギを設定することと言うこともできる。また、本実施形態のワイヤ放電加工機10では、ワークテーブルに設置されたワーク14が、ワークテーブルとともに移動することにより、ワーク14に対してワイヤ電極12が相対移動する。そのため、ワーク14に対するワイヤ電極12の相対速度は、ワークテーブルの移動速度と言うこともできる。
放電誘起電圧制御部34は、加工条件設定部32において設定された加工条件に基づく指令値を放電誘起回路20に出力する。放電誘起回路20は、指令値に基づいて放電誘起電圧を極間に印加する。これにより、加工条件設定部32において設定された周期で、加工条件設定部32において設定された放電誘起電圧が極間に印加される。
加工電流制御部36は、加工条件設定部32において設定された加工条件に基づく指令値を主放電回路22に出力する。主放電回路22は、指令値に基づいて加工電流を極間に供給する。これにより、加工条件設定部32において設定された加工電流が極間に供給される。加工電流制御部36は、本発明の制御部に相当する。
サーボコントローラ38は、加工条件設定部32において設定された加工条件に基づく指令値をサーボアンプ24に出力する。サーボアンプ24は、指令値に基づいて駆動電力をサーボモータ16に供給する。これにより、加工条件設定部32において設定された相対速度で、ワイヤ電極12がワーク14に対して移動する。サーボコントローラ38は、本発明の制御部に相当する。
制御装置26は、図示しない演算処理装置及びストレージを備えるコンピュータを有する。演算処理装置は、例えば、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッシングユニット(MPU)等のプロセッサ、及び、ROM、RAM等からなるメモリを有している。ストレージは、例えば、ハードディスク、ソリッドステートドライブ(SSD)等である。放電判定部28、カウント部30、加工条件設定部32、放電誘起電圧制御部34、加工電流制御部36、及び、サーボコントローラ38は、ストレージに記憶されたプログラムを演算処理装置が実行することにより実現される。
[アプローチ処理]
図2は、制御装置26において行われるアプローチ処理の流れを示すフローチャートである。アプローチ処理は、ワイヤ電極12がワーク14の加工端面40(図3及び図5参照)にアプローチする度に実行される。加工端面40とは、ワーク14の加工開始時にワイヤ電極12がアプローチするワーク14の表面を示す。
ステップS1において、加工条件設定部32は、加工条件を第1の条件に設定する。その後、ステップS2へ移行する。第1の条件は、極間に印加される放電誘起電圧、放電誘起電圧を印加する周期、ワイヤ電極12に供給される加工電流、及び、ワーク14に対するワイヤ電極12の相対速度のそれぞれについての加工条件である。
ステップS2において、放電誘起電圧制御部34は、第1の条件に基づく指令値を、放電誘起回路20に出力する。放電誘起回路20は、第1の条件の周期で、第1の条件の放電誘起電圧を極間に印加する。また、加工電流制御部36は、第1の条件に基づく指令値を、主放電回路22に出力する。主放電回路22は、第1の条件の加工電流をワイヤ電極12に供給する。また、サーボコントローラ38は、第1の条件に基づく指令値を、サーボアンプ24に出力する。サーボアンプ24は、指令値に基づいて駆動電力をサーボモータ16に供給する。これにより、第1の条件の相対速度で、ワイヤ電極12がワーク14に対して移動する。その後、ステップS3へ移行する。このステップS2の工程は、後述するステップS9の工程が行われるまで継続して実行される。
ステップS3において、放電判定部28は、単位時間経過したか否かを判定する。単位時間経過した場合にはステップS4へ移行し、単位時間経過していない場合にはステップS3の工程を繰り返す。単位時間経過したか否かの判定は、アプローチ処理の開始時点、及び、ステップS3において単位時間経過したと前回判定された時点のうち遅い方を基点とした経過時間に基づいて行われる。
ステップS4において、放電判定部28は、単位時間内において極間に放電が発生したか否かを判定する。放電が発生した場合にはステップS5へ移行し、放電が発生していない場合はステップS3へ戻る。単位時間内において極間に放電が発生したか否かの判定は、例えば、単位時間内の極間電圧の平均値に基づいて行われる。単位時間内の極間電圧の平均値が所定電圧以下の場合に、単位時間内において極間に放電が発生したと判定される。
ステップS5において、カウント部30は、単位時間内において極間に放電が発生したと判定した回数(以下、判定回数と記載する)をインクリメントする。その後、ステップS6へ移行する。単位時間内において極間に発生した放電の回数が1回である場合も複数回である場合も、判定回数は1回と数える。
ステップS6において、加工条件設定部32は、判定回数が所定回数以上であるか否かを判定する。判定回数が所定回数以上である場合にはステップS7へ移行し、判定回数が所定回数未満である場合にはステップS3へ戻る。
ステップS7において、加工条件設定部32は、ワーク14に対するワイヤ電極12の移動距離が所定距離以上であるか否かを判定する。ワイヤ電極12の移動距離は、ステップS6において、判定回数が所定回数以上であると判定された時点のワイヤ電極12の位置を基点として測定される。ワイヤ電極12の移動距離が所定距離以上である場合にはステップS8へ移行し、ワイヤ電極12の移動距離が所定距離未満である場合にはステップS7の工程を繰り返す。
ステップS8において、加工条件設定部32は、加工条件を第2の条件に設定する。その後、ステップS9へ移行する。第2の条件は、極間に印加される放電誘起電圧、放電誘起電圧を印加する周期、ワイヤ電極12に供給される加工電流、及び、ワーク14に対するワイヤ電極12の相対速度のそれぞれについての加工条件である。
ワーク14に対するワイヤ電極12の相対速度について、第2の条件は第1の条件よりも速い速度に設定される。さらに、ワイヤ電極12に供給される加工電流について、第2の条件は第1の条件よりも大きな電流に設定される。極間に印加される放電誘起電圧について、第2の条件は第1の条件と同じであってもよく、第2の条件は第1の条件と異なっていてもよい。放電誘起電圧を印加する周期について、第2の条件は第1の条件と同じであってもよく、第2の条件は第1の条件と異なっていてもよい。
ワーク14に対するワイヤ電極12の相対速度について、第2の条件は第1の条件よりも速い速度に設定される場合には、ワイヤ電極12に供給される加工電流について、第2の条件は第1の条件と同じ大きさの電流に設定されてもよい。ワイヤ電極12に供給される加工電流について、第2の条件は第1の条件よりも大きな電流に設定される場合には、ワーク14に対するワイヤ電極12の相対速度について、第2の条件は第1の条件と同じ速度に設定されてもよい。
ステップS9において、放電誘起電圧制御部34は、第2の条件に基づく指令値を、放電誘起回路20に出力する。放電誘起回路20は、第2の条件の周期で、第2の条件の放電誘起電圧を極間に印加する。また、加工電流制御部36は、第2の条件に基づく指令値を、主放電回路22に出力する。主放電回路22は、第2の条件の加工電流をワイヤ電極12に供給する。また、サーボコントローラ38は、第2の条件に基づく指令値を、サーボアンプ24に出力する。サーボアンプ24は、指令値に基づいて駆動電力をサーボモータ16に供給する。これにより、第2の条件の相対速度で、ワイヤ電極12がワーク14に対して移動する。その後、アプローチ処理を終了する。アプローチ処理が終了した後は、加工プログラムにしたがってワーク14の放電加工が行われる。このステップS9の工程は、アプローチ処理が終了した後も加工条件の変更が行われるまで、継続して実行される。
[作用効果]
図3は、ワイヤ電極12がワーク14の加工端面40にアプローチし、ワイヤ電極12が加工端面40から放電加工しながらワーク14内に進入する様子を示す模式図である。
放電加工開始時、及び、放電加工開始直後は、放電加工開始前と比べて極間の放電回数が急増する。放電加工開始時とは、ワイヤ電極12と加工端面40との間に発生した放電により、加工端面40の表面が除去された時点を指す。放電加工開始時、及び、放電加工開始直後は、放電加工開始前と比べてワイヤ電極12の負荷が大きくなり、ワイヤ電極12が断線し易くなる。この場合、本実施形態のワイヤ放電加工機10は、ワイヤ電極12に供給される加工電流を第1の条件に設定する。加工電流を第1の条件に設定することにより、加工電流を第2の条件に設定した場合に比べて、極間における放電エネルギが低くなる。また、本実施形態のワイヤ放電加工機10は、ワーク14に対するワイヤ電極12の相対速度を第1の条件に設定する。相対速度を第1の条件に設定することにより、相対速度を第2の条件に設定した場合に比べて、ワーク14に対するワイヤ電極12の相対速度は遅くなる。これにより、放電加工開始時から放電開始直後にかけて、ワイヤ電極12が加工端面40からワーク14内に進入するときの、ワイヤ電極12の断線を抑制できる。
本実施形態のワイヤ放電加工機10は、ワイヤ電極12が加工端面40にアプローチしている場合にも、ワーク14に対するワイヤ電極12の相対速度を第1の条件に設定する。これにより、ワイヤ電極12が加工端面40からワーク14内に進入しはじめたときの、ワイヤ電極12の断線を抑制できる。
放電加工を開始してからしばらくすると、極間の放電回数の変動が安定し、ワイヤ電極12の負荷が低下する。この場合、本実施形態のワイヤ放電加工機10は、ワイヤ電極12に供給される加工電流を第2の条件に設定する。加工電流を第2の条件に設定することにより、加工電流を第1の条件に設定した場合に比べて、極間における放電エネルギは高くなる。さらに、本実施形態のワイヤ放電加工機10は、ワーク14に対するワイヤ電極12の相対速度を第2の条件に設定する。相対速度を第2の条件に設定することにより、相対速度を第1の条件に設定した場合に比べて、ワーク14に対するワイヤ電極12の相対速度は速くなる。これにより、ワーク14の加工速度を増加させ、ワーク14の加工時間を短くできる。
加工時間の短縮と、ワイヤ電極12の断線の抑制とを両立させるためには、ワイヤ電極12がワーク14内に進入した直後に、加工条件を第1の条件から第2の条件に切り替える必要がある。ワイヤ電極12がワーク14内に進入してからしばらくして、加工条件を第1の条件から第2の条件に切り替えると、加工時間を十分に短縮できない。また、ワイヤ電極12がワーク14内に進入する前に、加工条件を第1の条件から第2の条件に切り替えると、ワイヤ電極12の断線が頻発する。
ワイヤ電極12がワーク14内に進入したか否かの判定は、加工端面40に対するワイヤ電極12の位置に基づいて行うことができる。しかし、極間に放電誘起電圧が印加されている状態で、ワイヤ電極12が加工端面40にアプローチをしている場合に加工端面40の正確な位置を取得することは困難である。そこで、本実施形態のワイヤ放電加工機10は、ワイヤ電極12が加工端面40に接近したと判定したワイヤ電極12の位置を基点としてワイヤ電極12の移動距離を計測する。ワイヤ放電加工機10は、計測したワイヤ電極12の移動距離が、所定距離に達した場合には、ワイヤ電極12がワーク14内に進入していると判定し、加工条件を第1の条件から第2の条件に切り替える。
ワイヤ電極12が加工端面40に接近すると極間に放電が発生する。そのため、極間の放電の有無を監視することで、ワイヤ電極12は、加工端面40に接近したか否かを判定できる。しかし、単に、極間の放電の有無に基づく判定では、誤った判定が行われることがある。
図4は、パンチ(中子)42が切り残された状態のワーク14を示す模式図である。ワーク14に対して切り残し加工が行われ、図4に点線で示す切り残し部44においてパンチ42とダイ46が接続されている。図5は、ワイヤ電極12がワーク14の加工端面40にアプローチし、ワイヤ電極12が加工端面40から放電加工しながらワーク14内に進入する様子を示す模式図である。
パンチ42をダイ46から切り離すためには、図5に示すように、ワイヤ電極12は、既に加工済みの加工溝48を通って加工端面40にアプローチする必要がある。この場合、加工溝48の両脇のワーク14がワイヤ電極12に接近しているため、極間に放電が生じることがある。このような場合、ワイヤ電極12が加工端面40から離れているにも関わらず、ワイヤ電極12が加工端面40に接近したと誤判定され易い。誤判定された場合、ワイヤ電極12が加工端面40からワーク14内に進入する前に、加工条件が第1の条件から第2の条件に切り替えられる。加工条件が第2の条件である場合には、加工条件が第1の条件である場合よりもワイヤ電極12の断線が生じ易い。そのため、ワイヤ電極12が加工端面40からワーク14内に進入する場合に、ワイヤ電極12の断線が頻発するおそれがある。
ワイヤ電極12が加工溝48を通過中である場合には、極間に放電が発生したとしても、放電の発生は単発的であり、連続して放電が発生することはない。一方、ワイヤ電極12が加工端面40に接近した場合には、連続して放電が発生する。
本実施形態のワイヤ放電加工機10は、単位時間毎に、単位時間内において極間に放電が発生したか否かを判定する。単位時間内において極間に放電が発生した回数が1回である場合も複数回である場合も、単位時間内において極間に放電が発生したと判定する回数(判定回数)は1回とカウントする。放電の発生が単発的である場合には、判定回数は少ない。一方、放電が連続的に発生する場合には、判定回数は多くなる。
本実施形態のワイヤ放電加工機10では、加工条件設定部32が、ワーク14に対するワイヤ電極12の移動距離が所定距離以上であるか否かを判定する。ワイヤ電極12の移動距離は、判定回数が所定回数以上であると判定された時点のワイヤ電極12の位置を基点として測定される。加工条件設定部32は、ワイヤ電極12の移動距離が所定距離に達した場合には、第1の条件から第2の条件に切り替える。これにより、ワイヤ電極12の断線を抑制するとともに、ワーク14の加工速度を増加させ、ワーク14の加工時間を短くできる。
〔第2実施形態〕
第2実施形態のワイヤ放電加工機10の構成は、第1実施形態のワイヤ放電加工機10と同じである。しかし、第2実施形態の制御装置26において行われるアプローチ処理の内容が、第1実施形態のアプローチ処理の内容と一部異なる。
図6は、制御装置26において行われるアプローチ処理の流れを示すフローチャートである。アプローチ処理は、ワイヤ電極12がワーク14の加工端面40にアプローチする度に実行される。
ステップS11において、加工条件設定部32は、加工条件を第1の条件に設定する。その後、ステップS12へ移行する。第1の条件は、極間に印加される放電誘起電圧、放電誘起電圧を印加する周期、ワイヤ電極12に供給される加工電流、及び、ワーク14に対するワイヤ電極12の相対速度のそれぞれについての加工条件である。
ステップS12において、放電誘起電圧制御部34は、第1の条件に基づく指令値を放電誘起回路20に出力する。放電誘起回路20は、第1の条件の周期で、第1の条件の放電誘起電圧を極間に印加する。また、加工電流制御部36は、第1の条件に基づく指令値を、主放電回路22に出力する。主放電回路22は、第1の条件の加工電流をワイヤ電極12に供給する。また、サーボコントローラ38は、第1の条件に基づく指令値を、サーボアンプ24に出力する。サーボアンプ24は、指令値に基づいて駆動電力をサーボモータ16に供給する。これにより、第1の条件の相対速度で、ワイヤ電極12がワーク14に対して移動する。その後、ステップS13へ移行する。このステップS12の工程は、後述するステップS20の工程が行われるまで継続して実行される。
ステップS13において、放電判定部28は、単位時間経過したか否かを判定する。単位時間経過した場合にはステップS14へ移行し、単位時間経過していない場合にはステップS13の工程を繰り返す。単位時間経過したか否かの判定は、アプローチ処理の開始時点、及び、ステップS13において単位時間経過したと前回判定された時点のうち遅い方を基点とした経過時間に基づいて行われる。
ステップS14において、放電判定部28は、単位時間内において極間に放電が発生したか否かを判定する。放電が発生した場合にはステップS15へ移行し、放電が発生していない場合はステップS16へ移行する。単位時間内において極間に放電が発生したか否かは、例えば、単位時間内の極間電圧の平均値に基づいて判定できる。単位時間内の極間電圧の平均値が所定電圧以下の場合に、単位時間内において極間に放電が発生したと判定される。
ステップS15において、カウント部30は、単位時間内において極間に放電が発生したと判定した回数(以下、判定回数と記載する)をインクリメントする。その後、ステップS17へ移行する。単位時間内において極間に放電が発生した場合には、単位時間内において極間に放電が複数回発生した場合であっても判定回数は1回と数える。
ステップS16において、カウント部30は、判定回数をリセットする。その後、ステップS13へ戻る。
ステップS17において、加工条件設定部32は、判定回数が所定回数以上であるか否かを判定する。判定回数が所定回数以上である場合にはステップS18へ移行し、判定回数が所定回数未満である場合にはステップS13へ戻る。
ステップS18において、加工条件設定部32は、ワーク14に対するワイヤ電極12の移動距離が所定距離以上であるか否かを判定する。ワイヤ電極12の移動距離は、判定回数が所定回数以上であると判定された時点のワイヤ電極12の位置を基点として測定される。ワイヤ電極12の移動距離が所定距離以上である場合にはステップS19へ移行し、ワイヤ電極12の移動距離が所定距離未満である場合にはステップS18の工程を繰り返す。
ステップS19において、加工条件設定部32は、加工条件を第2の条件に設定する。その後、ステップS20へ移行する。第2の条件は、極間に印加される放電誘起電圧、放電誘起電圧を印加する周期、ワイヤ電極12に供給される加工電流、及び、ワーク14に対するワイヤ電極12の相対速度のそれぞれについての加工条件である。
ワーク14に対するワイヤ電極12の相対速度について、第2の条件は第1の条件よりも速い速度に設定される。さらに、ワイヤ電極12に供給される加工電流について、第2の条件は第1の条件よりも大きな電流に設定される。極間に印加される放電誘起電圧について、第2の条件は第1の条件と同じであってもよく、第2の条件は第1の条件と異なっていてもよい。放電誘起電圧を印加する周期について、第2の条件は第1の条件と同じであってもよく、第2の条件は第1の条件と異なっていてもよい。
ワーク14に対するワイヤ電極12の相対速度について、第2の条件は第1の条件よりも速い速度に設定される場合には、ワイヤ電極12に供給される加工電流について、第2の条件は第1の条件と同じ大きさの電流に設定されてもよい。ワイヤ電極12に供給される加工電流について、第2の条件は第1の条件よりも大きな電流に設定される場合には、ワーク14に対するワイヤ電極12の相対速度について、第2の条件は第1の条件と同じ速度に設定されてもよい。
ステップS20において、放電誘起電圧制御部34は、第2の条件に基づく指令値を、放電誘起回路20に出力する。放電誘起回路20は、第2の条件の周期で、第2の条件の放電誘起電圧を極間に印加する。また、加工電流制御部36は、第2の条件に基づく指令値を、主放電回路22に出力する。主放電回路22は、第2の条件の加工電流をワイヤ電極12に供給する。また、サーボコントローラ38は、第2の条件に基づく指令値を、サーボアンプ24に出力する。サーボアンプ24は、指令値に基づいて駆動電力をサーボモータ16に供給する。これにより、第2の条件の相対速度で、ワイヤ電極12がワーク14に対して移動する。その後、アプローチ処理を終了する。このステップS20の工程は、アプローチ処理が終了した後も加工条件の変更が行われるまで、継続して実行される。
[作用効果]
ワイヤ電極12が加工溝48を通過中である場合には、極間に放電が発生したとしても、放電の発生は単発的であり、連続して放電が発生することはない。一方、ワイヤ電極12が加工端面40に接近した場合には、連続して放電が発生する。
本実施形態のワイヤ放電加工機10では、単位時間内において極間に放電が発生しなかったと判定された場合には、カウント部30は判定回数をリセットする。加工条件設定部32は、ワーク14に対するワイヤ電極12の移動距離が所定距離以上であるか否かを判定する。ワイヤ電極12の移動距離は、単位時間内において極間に放電が発生したと連続して判定され、その判定回数が所定回数以上であると判定された時点のワイヤ電極12の位置を基点として測定される。ワイヤ電極12の移動距離が所定距離に達した場合には、加工条件設定部32は、第1の条件から第2の条件に切り替える。これにより、ワーク14の加工速度を増加させ、ワーク14の加工時間を短くできる。
〔第3実施形態〕
第3実施形態のワイヤ放電加工機10の構成は、第1実施形態のワイヤ放電加工機10と同じである。しかし、第3実施形態の制御装置26において行われるアプローチ処理の内容が、第1実施形態のアプローチ処理の内容と一部異なる。
図7は、制御装置26において行われるアプローチ処理の流れを示すフローチャートである。アプローチ処理は、ワイヤ電極12がワーク14の加工端面40にアプローチする度に実行される。
ステップS31において、加工条件設定部32は、加工条件を第1の条件に設定する。その後、ステップS32へ移行する。第1の条件は、極間に印加される放電誘起電圧、放電誘起電圧を印加する周期、ワイヤ電極12に供給される加工電流、及び、ワーク14に対するワイヤ電極12の相対速度のそれぞれについての加工条件である。
ステップS32において、放電誘起電圧制御部34は、第1の条件に基づく指令値を放電誘起回路20に出力する。放電誘起回路20は、第1の条件の周期で、第1の条件の放電誘起電圧を極間に印加する。また、加工電流制御部36は、第1の条件に基づく指令値を、主放電回路22に出力する。主放電回路22は、第1の条件の加工電流をワイヤ電極12に供給する。また、サーボコントローラ38は、第1の条件に基づく指令値を、サーボアンプ24に出力する。サーボアンプ24は、指令値に基づいて駆動電力をサーボモータ16に供給する。これにより、第1の条件の相対速度で、ワイヤ電極12がワーク14に対して移動する。その後、ステップS33へ移行する。このステップS32の工程は、後述するステップS41の工程が行われるまで継続して実行される。
ステップS33において、放電判定部28は、単位時間経過したか否かを判定する。単位時間経過した場合にはステップS34へ移行し、単位時間経過していない場合にはステップS33の工程を繰り返す。単位時間経過したか否かの判定は、アプローチ処理の開始時点、及び、ステップS33において単位時間経過したと前回判定された時点のうち遅い方を基点とした経過時間に基づいて行われる。
ステップS34において、放電判定部28は、単位時間内において極間に放電が発生したか否かを判定する。放電が発生した場合にはステップS35へ移行し、放電が発生していない場合はステップS33へ戻る。単位時間内において極間に放電が発生したか否かは、例えば、単位時間内の極間電圧の平均値に基づいて判定され、単位時間内の極間電圧の平均値が所定電圧以下の場合に、単位時間内において極間に放電が発生したと判定される。
ステップS35において、カウント部30は、単位時間内において極間に放電が発生したと判定した回数(以下、判定回数と記載する)をインクリメントする。その後、ステップS36へ移行する。単位時間内において極間に放電が発生した場合には、単位時間内において極間に放電が複数回発生した場合であっても判定回数は1回と数える。
ステップS36において、加工条件設定部32は、判定回数が所定回数以上であるか否かを判定する。判定回数が所定回数以上である場合にはステップS39へ移行し、判定回数が所定回数未満である場合にはステップS37へ移行する。
ステップS37において、カウント部30は、所定時間経過したか否かを判定する。所定時間経過した場合にはステップS38へ移行し、所定時間経過していない場合にはステップS33へ戻る。所定時間は、単位時間よりも長い時間に設定される。所定時間経過したか否かの判定は、アプローチ処理の開始時点、及び、ステップS37において所定時間経過したと前回判定された時点のうち遅い方の時点を基点とした経過時間に基づいて行われる。
ステップS38において、カウント部30は判定回数をリセットする。その後、ステップS33へ戻る。
ステップS39において、加工条件設定部32は、ワーク14に対するワイヤ電極12の移動距離が所定距離以上であるか否かを判定する。ワイヤ電極12の移動距離は、ステップS36において、判定回数が所定回数以上であると判定された時点のワイヤ電極12の位置を基点として測定される。移動距離が所定距離以上である場合にはステップS40へ移行し、移動距離が所定距離未満である場合にはステップS39の工程を繰り返す。
ステップS40において、加工条件設定部32は、加工条件を第2の条件に設定する。その後、ステップS41へ移行する。第2の条件は、極間に印加される放電誘起電圧、放電誘起電圧を印加する周期、ワイヤ電極12に供給される加工電流、及び、ワーク14に対するワイヤ電極12の相対速度のそれぞれについての加工条件である。
ワーク14に対するワイヤ電極12の相対速度について、第2の条件は第1の条件よりも速い速度に設定される。さらに、ワイヤ電極12に供給される加工電流について、第2の条件は第1の条件よりも大きな電流に設定される。極間に印加される放電誘起電圧について、第2の条件は第1の条件と同じであってもよく、第2の条件は第1の条件と異なっていてもよい。放電誘起電圧を印加する周期について、第2の条件は第1の条件と同じであってもよく、第2の条件は第1の条件と異なっていてもよい。
ワーク14に対するワイヤ電極12の相対速度について、第2の条件は第1の条件よりも速い速度に設定される場合には、ワイヤ電極12に供給される加工電流について、第2の条件は第1の条件と同じ大きさの電流に設定されてもよい。ワイヤ電極12に供給される加工電流について、第2の条件は第1の条件よりも大きな電流に設定される場合には、ワーク14に対するワイヤ電極12の相対速度について、第2の条件は第1の条件と同じ速度に設定されてもよい。
ステップS41において、放電誘起電圧制御部34は、第2の条件に基づく指令値を、放電誘起回路20に出力する。放電誘起回路20は、第2の条件の周期で、第2の条件の放電誘起電圧を極間に印加する。また、加工電流制御部36は、第2の条件に基づく指令値を、主放電回路22に出力する。主放電回路22は、第2の条件の加工電流をワイヤ電極12に供給する。また、サーボコントローラ38は、第2の条件に基づく指令値を、サーボアンプ24に出力する。サーボアンプ24は、指令値に基づいて駆動電力をサーボモータ16に供給する。これにより、第2の条件の相対速度で、ワイヤ電極12がワーク14に対して移動する。その後、アプローチ処理を終了する。このステップS41の工程は、アプローチ処理が終了した後も加工条件の変更が行われるまで、継続して実行される。
[作用効果]
ワイヤ電極12が加工溝48を通過中である場合には、極間に放電が発生したとしても、放電の発生は単発的であり、連続して放電が発生することはない。一方、ワイヤ電極12が加工端面40に接近した場合には、連続して放電が発生する。
本実施形態のワイヤ放電加工機10では、所定時間が経過しても、判定回数が所定回数に達しない場合には、カウント部30は判定回数をリセットする。加工条件設定部32は、ワーク14に対するワイヤ電極12の移動距離が所定距離以上であるか否かを判定する。ワイヤ電極12の移動距離は、単位時間内において極間に放電が発生したと継続して判定され、その判定回数が所定回数以上であると判定された時点のワイヤ電極12の位置を基点として測定される。ワイヤ電極12の移動距離が所定距離に達した場合には、加工条件設定部32は、第1の条件から第2の条件に切り替える。これにより、ワーク14の加工速度を増加させ、ワーク14の加工時間を短くできる。
〔実施形態から得られる発明〕
上記実施形態から把握し得る発明について、以下に記載する。
被加工物(14)に対してワイヤ電極(12)を相対移動させながら、前記ワイヤ電極と前記被加工物との極間に電圧を印加させて放電を発生させることにより、前記被加工物の放電加工を行うワイヤ放電加工機(10)であって、加工条件にしたがって、前記被加工物に対する前記ワイヤ電極の相対速度、及び、前記極間に発生させる放電エネルギを制御する制御部(36、38)と、前記極間の電圧を検出する電圧検出部(18)と、前記被加工物を加工するために前記ワイヤ電極が前記被加工物の加工端面(40)に向けてアプローチしている場合に、検出された前記極間の電圧に基づいて、単位時間毎に、前記単位時間内において前記極間に放電が発生したか否かを判定する放電判定部(28)と、放電が発生したと判定された回数をカウントするカウント部(30)と、前記加工端面にアプローチしている場合の前記加工条件を第1の条件に設定し、前記カウントされた回数が所定回数に達した後に前記被加工物に対する前記ワイヤ電極の移動距離が所定距離に達した場合は、前記加工条件を前記第1の条件とは異なる第2の条件に設定する加工条件設定部(32)と、を備える。
上記のワイヤ放電加工機であって、前記カウント部は、前記単位時間内において前記極間に放電が発生しなかったと判定された場合には、カウントした回数をリセットしてもよい。
上記のワイヤ放電加工機であって、前記カウント部は、放電が発生したと判定された回数のカウントを開始してから、前記単位時間よりも長い所定時間が経過した場合には、カウントした回数をリセットしてもよい。
上記のワイヤ放電加工機であって、前記第2の条件は、前記被加工物に対する前記ワイヤ電極の相対速度が前記第1の条件よりも速い条件、及び、前記極間に発生させる放電エネルギが前記第1の条件よりも高い条件の少なくとも一方であってもよい。
被加工物(14)に対してワイヤ電極(12)を相対移動させながら、前記ワイヤ電極と前記被加工物との極間に電圧を印加させて放電を発生させることにより、前記被加工物の放電加工を行うワイヤ放電加工機(10)の制御方法であって、前記ワイヤ放電加工機は、前記極間の電圧を検出する電圧検出部(18)を備え、前記被加工物を加工するために前記ワイヤ電極が前記被加工物の加工端面(40)に向けてアプローチしている場合の加工条件を第1の条件に設定する第1加工条件設定ステップと、前記第1の条件にしたがって、前記被加工物に対する前記ワイヤ電極の相対速度、及び、前記極間に発生させる放電エネルギを制御する第1制御ステップと、前記ワイヤ電極が前記加工端面に向けてアプローチしていると場合、検出された前記極間の電圧に基づいて、単位時間毎に、前記単位時間内において前記極間に放電が発生したか否かを判定する放電判定ステップと、放電が発生したと判定された回数をカウントするカウントステップと、前記カウントされた回数が所定回数に達した後に前記被加工物に対する前記ワイヤ電極の移動距離が所定距離に達した場合は、前記加工条件を前記第1の条件とは異なる第2の条件に設定する第2加工条件設定ステップと、前記第2の条件にしたがって、前記被加工物に対する前記ワイヤ電極の相対速度、及び、前記極間に発生させる放電エネルギを制御する第2制御ステップと、を備える。
上記のワイヤ放電加工機の制御方法であって、前記カウントステップは、前記単位時間内において前記極間に放電が発生しなかったと判定された場合には、カウントした回数をリセットしてもよい。
上記のワイヤ放電加工機の制御方法であって、前記カウントステップは、放電が発生したと判定された回数のカウントを開始してから、前記単位時間よりも長い所定時間が経過した場合には、カウントした回数をリセットしてもよい。
上記のワイヤ放電加工機の制御方法であって、前記第2の条件は、前記被加工物に対する前記ワイヤ電極の相対速度が前記第1の条件よりも速い条件、及び、前記極間に発生させる放電エネルギが前記第1の条件よりも高い条件の少なくとも一方であってもよい。

Claims (8)

  1. 被加工物(14)に対してワイヤ電極(12)を相対移動させながら、前記ワイヤ電極と前記被加工物との極間に電圧を印加させて放電を発生させることにより、前記被加工物の放電加工を行うワイヤ放電加工機(10)であって、
    加工条件にしたがって、前記被加工物に対する前記ワイヤ電極の相対速度、及び、前記極間に発生させる放電エネルギを制御する制御部(36、38)と、
    前記極間の電圧を検出する電圧検出部(18)と、
    前記被加工物を加工するために前記ワイヤ電極が前記被加工物の加工端面(40)に向けてアプローチしている場合に、検出された前記極間の電圧に基づいて、単位時間毎に、前記単位時間内において前記極間に放電が発生したか否かを判定する放電判定部(28)と、
    放電が発生したと判定された回数をカウントするカウント部(30)と、
    前記加工端面にアプローチしている場合の前記加工条件を第1の条件に設定し、前記カウントされた回数が所定回数に達した後に前記被加工物に対する前記ワイヤ電極の移動距離が所定距離に達した場合は、前記加工条件を前記第1の条件とは異なる第2の条件に設定する加工条件設定部(32)と、
    を備える、ワイヤ放電加工機。
  2. 請求項1に記載のワイヤ放電加工機であって、
    前記カウント部は、前記単位時間内において前記極間に放電が発生しなかったと判定された場合には、カウントした回数をリセットする、ワイヤ放電加工機。
  3. 請求項1又は2に記載のワイヤ放電加工機であって、
    前記カウント部は、放電が発生したと判定された回数のカウントを開始してから、前記単位時間よりも長い所定時間が経過した場合には、カウントした回数をリセットする、ワイヤ放電加工機。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載のワイヤ放電加工機であって、
    前記第2の条件は、前記被加工物に対する前記ワイヤ電極の相対速度が前記第1の条件よりも速い条件、及び、前記極間に発生させる放電エネルギが前記第1の条件よりも高い条件の少なくとも一方である、ワイヤ放電加工機。
  5. 被加工物(14)に対してワイヤ電極(12)を相対移動させながら、前記ワイヤ電極と前記被加工物との極間に電圧を印加させて放電を発生させることにより、前記被加工物の放電加工を行うワイヤ放電加工機(10)の制御方法であって、
    前記ワイヤ放電加工機は、前記極間の電圧を検出する電圧検出部(18)を備え、
    前記被加工物を加工するために前記ワイヤ電極が前記被加工物の加工端面(40)に向けてアプローチしている場合の加工条件を第1の条件に設定する第1加工条件設定ステップと、
    前記第1の条件にしたがって、前記被加工物に対する前記ワイヤ電極の相対速度、及び、前記極間に発生させる放電エネルギを制御する第1制御ステップと、
    前記ワイヤ電極が前記加工端面に向けてアプローチしている場合に、検出された前記極間の電圧に基づいて、単位時間毎に、前記単位時間内において前記極間に放電が発生したか否かを判定する放電判定ステップと、
    放電が発生したと判定された回数をカウントするカウントステップと、
    前記カウントされた回数が所定回数に達した後に前記被加工物に対する前記ワイヤ電極の移動距離が所定距離に達した場合は、前記加工条件を前記第1の条件とは異なる第2の条件に設定する第2加工条件設定ステップと、
    前記第2の条件にしたがって、前記被加工物に対する前記ワイヤ電極の相対速度、及び、前記極間に発生させる放電エネルギを制御する第2制御ステップと、
    を備える、ワイヤ放電加工機の制御方法。
  6. 請求項5に記載のワイヤ放電加工機の制御方法であって、
    前記カウントステップは、前記単位時間内において前記極間に放電が発生しなかったと判定された場合には、カウントした回数をリセットする、ワイヤ放電加工機の制御方法。
  7. 請求項5又は6に記載のワイヤ放電加工機の制御方法であって、
    前記カウントステップは、放電が発生したと判定された回数のカウントを開始してから、前記単位時間よりも長い所定時間が経過した場合には、カウントした回数をリセットする、ワイヤ放電加工機の制御方法。
  8. 請求項5~7のいずれか1項に記載のワイヤ放電加工機の制御方法であって、
    前記第2の条件は、前記被加工物に対する前記ワイヤ電極の相対速度が前記第1の条件よりも速い条件、及び、前記極間に発生させる放電エネルギが前記第1の条件よりも高い条件の少なくとも一方である、ワイヤ放電加工機の制御方法。
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