JP7067994B2 - マウスピースおよびマウスピース部材 - Google Patents

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Description

本発明は、マウスピースおよびマウスピース部材に関する。
近年、睡眠時無呼吸症候群の予防および治療などに、マウスピースが用いられている。
上記マウスピースは、下顎マウスピースを上顎マウスピースより前方に位置決めして装着することにより、これを装着した使用者の下顎の後方への変位を制限して気道の狭窄を防ぎ、睡眠時の呼吸停止または低呼吸を予防可能である。また、上記マウスピースは、上顎マウスピースに対する下顎マウスピースの前進量を調整して、使用者の顎の形状に適合した量だけ下顎を上顎より前方に移動させ、使用者の気道をより狭窄しにくくすることが可能である。
たとえば、特許文献1には、対向する一対の上顎および下顎マウスピースを有し、下顎マウスピースには上方に突出する上方フランジ部が、上顎マウスピースには下方に突出する下方フランジ部が、それぞれ設けられたマウスピースが記載されている。上記マウスピースは、装着および咬合時に、上記下方フランジ部が上記上方フランジ部に当接することにより、上記マウスピースを装着した使用者の下顎の後方への変位を制限して気道の狭窄を防ぎ、睡眠時の呼吸停止または低呼吸を予防可能である。また、上記マウスピースは、一端が下顎マウスピースに、他方の端部が上方フランジ部に、それぞれ固定された、位置調整部としてのターンバックル機構を有する。上記ターンバックル機構によって上方フランジ部の位置を調整することで、使用者の顎や咽頭の形状に適合した量だけ下顎を上顎より前方に移動させ、使用者の気道をより狭窄しにくくすることが可能である。
国際公開第00/001317号
特許文献1に記載の下顎前進装置は、ターンバックル機構によって上方フランジ部の位置を調整して、下顎の前進量を調整する。特許文献1に記載のように、ターンバックル機構を有する下顎前進装置では、前方および後方に配置されたねじの双方に係合する接合部を上下方向に回転させて、下顎の前進量を調整する。接合部は、マウスピースの側面に配置されているため、接合部に設けられた挿入口に挿入した回転棒を上下に移動させたりすることで、接合部のみを上下方向に回転させることができる。
しかし、この方法では、接合部を連続して回転させることができず、下顎の前進量を調整するための作業に手間がかかっていた。下顎の前進量には微細な調整が必要であったり、前進量の調整と装着感の確認とを繰り返すことが必要であったりする。これらの作業をより簡便に行うため、下顎前進装置には、下顎の前進量をより容易に調整できることが望まれている。
上記問題に鑑み、本発明は、下顎の前進量をより容易に調整できるマウスピース、および当該マウスピースを製造するためのマウスピース部材を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための本発明の一態様に関するマウスピースは、対向する一対の上顎および下顎マウスピースと、前記上顎および下顎マウスピースの一方のマウスピースに設けられた、一対の位置決め部材と、前記上顎および下顎マウスピースの他方のマウスピースに設けられ、前記位置決め部材に当接して前記下顎マウスピースの後方への変位を規制する一対のストッパと、前記位置決め部材またはストッパを前後方向に位置調整する位置調整部と、を有する。
本発明によれば、下顎の前進量をより容易に調整できるマウスピース、および当該マウスピースを製造するためのマウスピース部材が提供される。
図1Aは、本発明の第1の実施形態における上顎マウスピースを表す模式的な斜視図であり、図1Bは、本発明の第1の実施形態における下顎マウスピースを表す模式的な斜視図である。 図2は、本発明の第1の実施形態におけるマウスピースを表す模式的な側面図である。 図3Aは、本発明の第1の実施形態において係止部が位置決め部材に対して内周側に押し込まれたときの様子を示す、位置決め部材および位置調整部の模式的な断面図であり、図3Bは、本発明の第1の実施形態において係止部が位置決め部材に対して外周側に引き出されたときの様子を示す、位置決め部材および位置調整部の模式的な断面図である。 図4は、本発明の第2の実施形態におけるマウスピースを表す模式的な側面図である。 図5は、本発明の第2の実施形態における位置調整部および位置決め部材を拡大して示す模式的な斜視図である。 図6Aは、本発明の第3の実施形態における位置調整部および位置決め部材を示す模式的な断面図であり、図6Bは、本発明の第3の実施形態における位置調整部および位置決め部材を示す、図6Aにおける一点鎖線B-Bにおける模式的な断面図である。
以下、複数の実施形態を用いて、本発明のマウスピースを説明する。
なお、以下の説明において、「前方」および「後方」は、それぞれ、マウスピースを装着した使用者の前方に向かう方向(口腔内で舌体から見て口唇側に向かう方向)および後方に向かう方向(口腔内で舌体から見て喉側に向かう方向)を意味し、「左右方向」は、マウスピースを装着した使用者の上顎の正中を基準として、使用者に前方に向かって左右の方向(具体的には上顎の正中からみて両側の頬に向かう方向)を意味し、「開口方向」は、マウスピースを装着した使用者が開口するときに下顎が動く方向を意味し、「内周」および「外周」は、それぞれ、マウスピースを装着した使用者の体表に近い側の周表面および体表から遠い側の周表面を意味する。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態におけるマウスピース100は、その模式的な斜視図である図1および側面図である図2に示すように、対向する一対の上顎および下顎マウスピースを有し、上顎マウスピース110は使用者の上顎に、下顎マウスピース120は使用者の下顎に、それぞれ装着可能に構成されている。
上顎マウスピース110は、図1Aに示すように、使用者の上顎の歯列に装着可能な歯列型取部112が形成された上顎マウスピース本体部114を有し、その外側面には左右一対のストッパ130が設けられている。
下顎マウスピース120は、図1Bに示すように、使用者の下顎の歯列に装着可能な歯列型取部122が形成された下顎マウスピース本体部124を有し、その外側面には前後方向に位置調整可能な左右一対の位置決め部材140が設けられている。
ストッパ130は、上顎マウスピースの外側面、かつ使用者が上顎マウスピース110および下顎マウスピース120を装着して咬合したとき(以下、単に「咬合時」ともいう。)に位置決め部材よりも後方となる位置に設けられる。
ストッパ130は、その高さが上顎マウスピース110の高さ以下である。なお、上顎マウスピース110の高さは場所によって異なっていてもよい。このとき、ストッパ130は、その高さが、ストッパ130が設けられた部位における上顎マウスピース本体部114の高さ以下であればよい。
位置決め部材140は、下顎マウスピース本体部124の外側面に設けられた位置調整部150によって、前後方向に位置調整可能に構成される。位置決め部材140は、咬合時に、その後方の面140aがストッパ130の前方の面130aと当接して、下顎マウスピース120の後方への変位を制限する。
このとき、位置決め部材140は、図2に示すように、咬合時に位置決め部材140の後方の面140aとストッパ130の前方の面130aとが当接する位置に、位置調整可能である。上記位置決め部材140とストッパ130との当接により、咬合時の下顎マウスピース120の後方への変位が制限され、マウスピース100を装着した使用者の下顎の後方への変位が制限される。これにより、位置決め部材140は、マウスピース100を装着した使用者の下顎が後方に変位することによる気道の狭窄を防ぎ、睡眠時の呼吸停止または低呼吸を抑制可能である。
また、位置決め部材140は、より後方に位置調整されることにより、咬合時に、下顎マウスピース120を前方に移動させつつ、下顎マウスピース120の後方への変位を制限できる。これにより、位置決め部材140は、マウスピース100を装着した使用者の下顎を前方に移動させて上記使用者の気道をより大きく開放させ、睡眠時の呼吸停止または低呼吸をより効果的に抑制可能である。
位置決め部材140は、下顎マウスピース本体部124から上方に突出するウイング144を有する。ウイング144は、その後方の面(位置決め部材140の、ストッパ130と当接する後方の面140aでもある)が上記ストッパ130の前方の面130aと略平行に形成されており、咬合時に、上顎マウスピース本体部114の外側で上記ストッパ130の前方の面130aと当接して、使用者の下顎の後方への変位を制限する。
位置調整部150は、下顎マウスピース本体部124の外側面に設けられた前後一対の固定部160のうち一方(前方固定部162)にその一端が固定され、上記前後一対の固定部160のうち他方(後方固定部164)にその他端が固定されて、下顎マウスピース120の側面に沿って配置されたガイド棒152と、ガイド棒152への接触状態および非接触状態を切り替え可能な係止部154と、を有する。
図1、図2、および、図2に示す一点鎖線A-Aにおける位置決め部材140および位置調整部150の断面図である図3に示すように、ガイド棒152は、位置決め部材140の内部を前後方向に貫通する貫通孔142の中に挿通される。貫通孔142には、位置決め部材140の外周側に開口し、かつ、内部に雌ねじ145が形成された雌ねじ孔146が連接される。
係止部154は、雌ねじ孔146に係合する雄ねじ部154aを有し、その外周側には頭部154bを、内周側の先端にはガイド棒152に接触する接触部154cを、それぞれ有する雄ねじである。接触部154cは、ガイド棒152との接触面積を広げるため、ガイド棒152に接触する表面の形状が円弧状となるように形成されている。
また、係止部154は、ねじ回しを頭部154bに係合されて回転されると、雄ねじ部154aと雌ねじ孔146と雌ねじ格子との係合により位置決め部材140に対して内周側に押し込まれる。このとき、係止部154は、図3Aに示すように、接触部154cがガイド棒152に接触してガイド棒152を貫通孔142の内周側の内壁に押し付けるようにして、ガイド棒152に対して係止され、ガイド棒152に沿っての前後方向への移動を規制される。また、このとき、係止部154は、ガイド棒152に対して係止されつつ、雄ねじ部154aが雌ねじ145と係合することにより位置決め部材140を保持して、位置決め部材140を位置固定する。
一方で、係止部154は、ねじ回しを頭部154bに係合されて反対向きに回転されると、位置決め部材140に対して外周側に引き出される。このとき、係止部154は、図3Bに示すように、ガイド棒152への接触部154cの接触が解除されて、位置決め部材140をガイド棒152に沿って前後方向に移動可能とする。
固定部160は、下顎マウスピース本体部124の外側面に設けられた前後一対の前方固定部162および後方固定部164と、前方固定部162および後方固定部164にその両端が支持された2本の支持棒167および168と、を有する。
前方固定部162および後方固定部164は、下顎マウスピース本体部124の外側面に接着され、支持棒167および168の両端を支持する。前方固定部162および後方固定部164は、側面方向からマウスピース100を見たときに前後一対に設けられていればよく、たとえば、図1Bに示すように、左右の前方固定部162は歯列前方で連結されて一体となっていてもよい。また、後方固定部164は、下顎マウスピース124の後端に配置されているが、より前方に配置されていてもよい。
支持棒167および168はそれぞれ、ガイド棒152の上方および下方で、位置決め部材140の内部に前後方向に設けられた貫通孔147および148の中に挿通されて、位置決め部材140を移動可能に支持する。
ストッパ130およびウイング144は、装着時に下顎マウスピース120が開口方向に移動するときに、ウイング144の移動をストッパ130が制限しない形状を有する。具体的には、ストッパ130は、下顎マウスピース120の開口方向への移動を容易にする傾斜部を有してもよい。また、ウイング144は、その後端面に、下顎マウスピース120の開口方向への移動を容易にする傾斜部を有してもよい。言い換えると、ストッパ130は、その前方端部に、その上端がより前方に位置し、その下端がより後方に位置する後方への傾斜面を含んでもよく、ウイング144は、その後方端部に、その上端がより前方に位置し、その下端がより後方に位置する後方への傾斜面を含んでもよい。
装着時の下顎マウスピース120は、開口方向に移動するときに、円弧状の軌道上を移動する。このような移動に対し、ストッパ130の前方端部およびウイング144の後方端部が上記傾斜面を有することで、ウイング144の移動をストッパ130が制限せず、マウスピース100を装着した使用者の開口が容易となる。
上顎マウスピース本体部114および下顎マウスピース本体部124は、ヒトの通常の咬合力によって破損しにくい材料から形成される。
たとえば、上顎マウスピース本体部114および下顎マウスピース本体部124は、JIS T 6501に準じて測定される曲げ弾性率が2000MPa以上3000MPa以下の単一の硬い材料(たとえばアクリル樹脂)や、10MPa以上300MPa以下の柔らかい材料と1000MPa以上3000MPa以下の硬い材料とを組み合わせた材料から形成されてもよい。
また、上顎マウスピース本体部114および下顎マウスピース本体部124は、使用者の歯への追従性を高めるため、引張強度150N以上2000N未満、好ましくは150N以上500N以下の比較的柔らかい材料から形成されてもよい。
なお、引張強度は、ニッシン標準模型を用いて作製したマウスピース(厚さ3mm)の上顎マウスピースにおける歯列6番にφ1.5mmの穴を開け、臼歯方向(後方)に引張試験をした際に、上記上顎マウスピースが裂けた強度を意味する。
上記引張強度150N以上2000N未満の材料の例には、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、およびアクリル系ゴム樹脂が含まれる。これらのうち、オレフィン系樹脂が好ましい。
オレフィン系樹脂は、オレフィンを単独重合してなる重合体、またはオレフィンと他の単量体とを重合してなる共重合体である。上記オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、ブテン、メチルペンテン、およびヘキセンなどを含む炭素数が2~6のオレフィンが好ましい。上記他の単量体の例には、酢酸ビニルなどが含まれる。
上記オレフィン系樹脂としては、ポリエチレン(PE)、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン(PP)、ポリプロピレン系樹脂、およびエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)などが好ましく、ポリエチレン(PE)、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン(PP)、ポリプロピレン系樹脂などがより好ましい。
ポリエステル系樹脂は、多価カルボン酸(ジカルボン酸など)とポリアルコール(ジオールなど)との重縮合体である。上記ポリエステル系樹脂の例には、ポリエチレンテレフタレート(PET)などが含まれる。
ウレタン系樹脂は、イソシアネート基を有する化合物と水酸基を有する化合物との重縮合体である。上記ウレタン系樹脂の例には、熱可塑性ポリウレタン(TPU)などが含まれる。
ポリアミド系樹脂は、アミド結合によって多数のモノマーが結合してできた(共)重合体である。上記ポリアミド系樹脂の例には、ナイロン、パラ系アミド、およびメタ系アミドなどが含まれる。
アクリル系ゴム樹脂は、アクリル系ゴムを主成分とした(共)重合体である。上記アクリル系樹脂の例には、メタクリル酸メチルとアクリル酸ブチルのブロック共重合体などが含まれる。
引張強度150N以上2000N未満の材料としては、プライムポリマー株式会社製のF327(ポリプロピレン系樹脂)などの市販されているものを用いてもよい。
位置決め部材140、前方固定部162、後方固定部164およびストッパ130は、たとえば、JIS T 6501に準じて測定される曲げ弾性率が2000MPa以上3000MPa以下の硬い材料(たとえばアクリル樹脂)から形成される。これにより、左右方向への変位によって、位置決め部材140、前方固定部162、後方固定部164ならびにストッパ130が上顎マウスピース本体部114または下顎マウスピース本体部124に当接したときの応力によるこれらの部材の破損を抑制できる。
本実施形態によれば、ガイド棒152への接触部154cの接触を解除した状態で、ガイド棒152および支持棒167および168に沿って位置決め部材140を任意の位置に移動させ、その後、係止部154をガイド棒152に接触させてガイド棒152に対して係止させることで、位置決め部材140を任意の位置に容易に位置固定することができる。これにより、本実施形態におけるマウスピース100は、下顎の前進量をより容易に調整することができる。
なお、位置調整部150は、ガイド棒152への接触によりガイド棒152に係止されて、位置決め部材140を位置固定できればよい。たとえば、係止部154は、ボタン状の頭部を位置決め部材140の内周側に押し込むことでガイド棒152に接触されて位置決め部材140を位置固定し、上記頭部を位置決め部材140の外周側に引き出すことでガイド棒152への接触を解除されて位置決め部材140を移動可能とする構成であってもよい。
また、ガイド棒152に接触した係止部154の移動を規制するため、ガイド棒152および接触部154cの互いに接触する面は、互いに係合する形状や、ガイド棒152に接触部154cが嵌め込まれる形状などに加工されてもよい。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態におけるマウスピース100は、その模式的な側面図である図4に示すように、対向する一対の上顎および下顎マウスピースを有し、上顎マウスピース110は使用者の上顎に、下顎マウスピース120は使用者の下顎に、それぞれ装着可能に構成されている。
なお、本実施形態におけるマウスピースは、位置調整部および固定部の構成が異なるほかは、第1の実施形態におけるマウスピース100と同様の構成を有する。そのため、以下、第1の実施形態と異なる構成である位置調整部250および固定部260について説明し、その他の共通する構成については説明を省略する。
本実施形態における位置調整部250および位置決め部材140を拡大して示す模式的な斜視図である図5に示すように、位置調整部250は、下顎マウスピース120の側面に沿って配置された送りねじ252と、位置決め部材140の内部に配置されて、送りねじ252に係合されるスライダ254と、を有する。
送りねじ252は、その表面にねじ山が形成された棒状の雄ねじであり、下顎マウスピース本体部124の外側面に設けられた前後一対の固定部260のうち一方(前方固定部262)にその一端が固定され、上記前後一対の固定部260のうち他方(後方固定部264)にその他端が固定されて、下顎マウスピース120の側面に沿って配置される。
スライダ254は、位置決め部材140を前後方向に貫通して配置された、送りねじ252を挿通させる筒状部材であり、その内表面は、送りねじと係合するねじ山が形成された雌ねじとなっている。
固定部260は、下顎マウスピース本体部124の外側面に設けられた前後一対の前方固定部262および後方固定部264と、前方固定部262および後方固定部264にその両端が支持され、位置決め部材140の内部に前後方向に設けられた貫通孔147および148の中に挿通されて、位置決め部材140を移動可能に支持する2本の支持棒267および268と、を有する。
本実施形態において、固定部260の一方(図4では前方固定部262)は、ねじ回しを挿入するための開口265を有する。開口265にねじ回しを挿入して送りねじ252を回転させると、雄ねじである送りねじ252に沿って雌ねじであるスライダ254が移動し、スライダ254に保持された位置決め部材140も送りねじ252に沿って移動する。
本実施形態によれば、送りねじ252の回転量により、位置決め部材140の位置を微細に調整することができる。このとき、開口265から挿入したねじ回しによって送りねじ252を回転させることができるため、送りねじ252を連続的に回転させることができ、位置決め部材140の位置をより短時間で調整できる。これにより、本実施形態におけるマウスピース100は、下顎の前進量をより容易に調整することができるまた、このとき、スライダ254は、送りねじ252に対して係合することにより、位置決め部材140を位置固定する。
なお、送りねじ252は、少なくともスライダ254の移動により位置決め部材140が位置調整される領域にねじ山が形成されていればよく、その前方または後方にはねじ山が形成されていない円筒部を有していてもよい。
また、ねじ回しを挿入するための開口265は、前方固定部262および後方固定部264のいずれに形成されていてもよいし、これらの両方に形成されていてもよい。
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態におけるマウスピース100は、位置調整部の構成が異なるほかは、第1の実施形態におけるマウスピース100と同様の構成を有する。そのため、以下、第1の実施形態と異なる構成である位置調整部350について説明し、その他の共通する構成については説明を省略する。
図6Aは、本実施形態における位置調整部350および位置決め部材140を示す模式的な断面図(図2に示す一点鎖線A-Aにおける断面図)である。図6Bは、本実施形態における位置調整部350および位置決め部材140を示す、図6Aにおける一点鎖線B-Bにおける模式的な断面図である。
本実施形態における位置調整部350は、下顎マウスピース本体部124の外側面に設けられた前後一対の固定部160のうち一方(前方固定部162)にその一端が固定され、上記前後一対の固定部160のうち他方(後方固定部164)にその他端が固定されて、下顎マウスピース120の側面に沿って配置されたラック軸352と、ラック軸352に係合された回転入力軸354と、を有する。ラック軸352および回転入力軸354の係合部354aには、互いに係合し合う形状の歯が形成される。
ラック軸352は、位置決め部材140の内部に前後方向に設けられた貫通孔142の中に挿通される棒状部材である。
回転入力軸354は、ラック軸352とは直交する方向に延在する棒状部材であり、ラック軸352に係合する係合部354aと、回転軸受354bと、回転軸体354cと、軸頭部354dと、を有する。係合部354aは、位置決め部材140の内周側の表面から外周側に向けて凹部状に形成した陥入部343に配置される歯車状の部材であり、陥入部343でラック軸352と回転可能に係合する。回転軸受354bは、位置決め部材140の内部に接着などにより固着されて配置された円筒状の部材であり、回転軸体354cが回転するときに生じる熱および応力などによる位置決め部材140の摩耗を抑制する。回転軸体354cは、回転軸受354bの内部に挿通される。軸頭部354dは、ねじ回しが係合される頭部であって、位置決め部材の外部に露出して配置される。
ねじ回しなどにより軸頭部354dを回転させると、係合部354aとラック軸352との係合により、回転入力軸354がラック軸352に沿って移動し、回転軸受354bによって回転入力軸354に保持された位置決め部材140もラック軸352に沿って移動する。また、回転入力軸354は、係合部354aがラック軸352に係合し、回転軸受354bが位置決め部材140に固着されることにより、位置決め部材140を位置固定する。
本実施形態によれば、回転入力軸354の回転量により、位置決め部材140の位置を微細に調整することができる。このとき、回転入力軸354の軸頭部354dに係合させたねじ回しによって回転入力軸354を回転させることができるため、回転入力軸354を連続的に回転させることができ、位置決め部材140の位置をより短時間で調整できる。これにより、本実施形態におけるマウスピース100は、下顎の前進量をより容易に調整することができる。
[その他の実施形態]
なお、上述の実施形態はそれぞれ本発明の一例を示すものであり、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の思想の範囲内において、他の種々多様な実施形態も可能であることは言うまでもない。
たとえば、上記各実施形態では、位置調整部は位置決め部材を前後方向に位置調整しているが、ストッパを前後方向に位置調整してもよいし、位置決め部材およびストッパの両方を前後方向に位置調整してもよい。
また、上記各実施形態では、位置決め部材および位置調整部は下顎マウスピースに設けられ、ストッパは上顎マウスピースに設けられているが、位置決め部材および位置調整部は上顎マウスピースに設けられ、ストッパは下顎マウスピースに設けられてもよい。
また、上記各実施形態では、位置決め部材、ストッパ、位置調整部およびガイド部は下顎または上顎マウスピースの外側面に設けられているが、位置決め部材、ストッパ、位置調整部およびガイド部は下顎または上顎マウスピースの内側面に設けられていてもよい。
また、上記各実施形態では、前方固定部および後方固定部は、下顎または上顎マウスピース本体部に接着されているが、下顎または上顎マウスピース本体部に脱着可能に構成されてもよい。
また、上記各実施形態では、位置決め部材は、前方固定部、後方固定部およびストッパと同様に、所定の曲げ弾性率を有する材料から形成されているが、前方固定部、後方固定部およびストッパとは別の材料から形成されてもよく、たとえばステンレス鋼などの金属などから形成されてもよい。このときも、位置決め部材は、第1の実施形態における係止部、第2の実施形態におけるスライダ、および第3の実施形態における回転入力軸などに保持されることで、第1の実施形態におけるガイド棒、第2の実施形態における送りねじ、および第3の実施形態におけるラック軸に沿って移動され、位置固定され得る。同様に、位置調整部がストッパを位置調整するときは、ストッパは、前方固定部、後方固定部および位置決め部材とは別の材料から形成されてもよく、たとえばステンレス鋼などの金属などから形成されてもよい。これにより、位置決め部材またはストッパをより小型化および軽量化することができる。
また、上記各実施形態において、位置調整部またはストッパと位置決め部材とを、独立したマウスピース部材として製造して用意し、上顎または下顎マウスピース(たとえば固定部)に埋め込むなどしてマウスピースを製造可能としてもよい。
また、上記各実施形態では、上顎マウスピース本体部および下顎マウスピース本体部には、歯列に装着可能な歯列型取部が形成されている。しかし上顎マウスピース本体部および下顎マウスピース本体部は、歯列が収まる形状であれば歯列型でなくてもよいし、上顎マウスピース本体部および下顎マウスピース本体部の一部だけ歯列型取部にしてもよい。
また、上顎および下顎マウスピースは複数の材料から構成されていてもよく、有機物で構成される部分と無機物で構成される部分との組み合わせで作られていても良い。
また、上記各実施形態では、位置決め部材は、その前方端部がウイングにおいて後方に傾斜している。しかし、位置決め部材は、ウイングより上方から後方に傾斜しはじめていてもよいし、ウイングの途中から後方に傾斜してもよい。
また、上記各実施形態では、ウイングと下顎または上顎マウスピースとの間には隙間を形成して、マウスピースを装着した使用者の上顎および下顎が左右方向へ移動することを許容している。しかし、上記部材間に隙間を設けずに、マウスピースを装着した使用者の上顎および下顎が左右方向へ移動できない構成としてもよい。
本発明のマウスピースによれば、これを装着した使用者の下顎の位置を調整しつつ、下顎の後方への変位を制限可能である。また、本発明のマウスピースは、従来よりも下顎マウスピースの前進量の調整が容易である。そのため、本発明のマウスピースは、睡眠時無呼吸症候群の予防および治療のほか、顎関節症の予防および治療や歯ぎしりの抑制などにも使用可能である。
100 マウスピース
110 上顎マウスピース
120 下顎マウスピース
112 歯列型取部
114 上顎マウスピース本体部
122 歯列型取部
124 下顎マウスピース本体部
130 ストッパ
130a ストッパの前方の面
140 位置決め部材
140a 位置決め部材の後方の面
142 貫通孔
144 ウイング
145 雌ねじ
146 雌ねじ孔
147 貫通孔
148 貫通孔
150、250、350 位置調整部
152 ガイド棒
154 係止部
154a 雄ねじ部
154b 頭部
154c 接触部
160、260 固定部
162、262 前方固定部
164、264 後方固定部
167、168、267、268 支持棒
252 送りねじ
254 スライダ
265 開口
343 陥入部
352 ラック軸
354 回転入力軸
354a 係合部
354b 回転軸受
354c 回転軸体
354d 軸頭部

Claims (4)

  1. 対向する一対の上顎および下顎マウスピースと、
    前記上顎および下顎マウスピースの一方のマウスピースに設けられた、一対の位置決め部材と、
    前記上顎および下顎マウスピースの他方のマウスピースに設けられ、前記位置決め部材に当接して前記下顎マウスピースの後方への変位を規制する一対のストッパと、
    前記位置決め部材またはストッパを前後方向に位置調整する位置調整部と、
    を有し、
    前記位置調整部は、前記一方のマウスピースの側面に沿って配置された送りねじと、
    前記位置決め部材またはストッパを保持し、かつ、前記送りねじに係合されて、前記送りねじの回転によって前記送りねじに沿って位置調整されるスライダと、を有し、
    前記送りねじは、前記一方のマウスピースの側面に配置された前後一対の固定部の、一方の固定部に前端を保持され、かつ他方の固定部に後端を保持され、
    前記固定部の少なくとも一方は、ねじ回しを挿入して前記送りねじを回転させるための開口を有する、
    マウスピース。
  2. 前記位置調整部は、前記位置決め部材を前後方向に位置調整する、請求項1に記載のマウスピース。
  3. 前記位置調整部は、前記ストッパを前後方向に位置調整する、請求項1または2に記載のマウスピース。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載のマウスピースを製造するために用いられるマウスピース部材であって、
    前記位置調整部と、
    前記位置調整部に保持された前記位置決め部材または前記ストッパと、
    を有するマウスピース部材。
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