JP6061243B2 - 矯正歯科治療中のユーザ用スプリント - Google Patents
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Description
上下顎の歯列で咬合される略馬蹄形の咬合部を備え、
前記咬合部は、臼歯で咬合される臼歯咬合部及び前歯で咬合される前歯咬合部を有し、
前記臼歯咬合部は、硬質素材から構成される骨格を有し、
前記前歯咬合部は、前記骨格を有さず、前歯の咬合形状に沿って塑性変形可能な軟質素材から構成され、
歯列に矯正装置が装着されたユーザの前歯の位置の継続的な変化に合わせて前記前歯咬合部の形状が変化する、
ことを特徴とする。
前記骨格は、0.5mmから1.5mm厚の板状体であり、
前記臼歯接触部は、前記骨格の両面に配置されており、それぞれ1mmから2mm厚のシート状のシリコーンゴムから構成されていてもよい。
(2)エチレンビニルアセテート 厚さ1.0/3.0mm
(3)ウレタンゴム 厚さ3.0mm
(4)シリコーンゴム 厚さ3.0mm
(5)ウレタンスポンジ 厚さ3.0mm
(6)ポリエチレンスポンジ 厚さ5.0mm
(7)発砲CR(クロロプレン)ゴム 厚さ5.0mm
(8)NRスポンジゴム 厚さ5.0mm
正常咬合者に厚さ1mmの硬いポリカーボネート製の骨格板のみを咬合させた。その測定結果を図8(A)および表1に示す。図8(A)は接触点の分布を示した図であり、中央の目盛バー横の2本の棒は左右の咬合圧の大きさを示したものである。また、図中の十字は咬合圧の重心位置を示したものである。左右の咬合接触面積はやや左側の方が大きいものの、接触点の分布を見る限り、咬合圧は臼歯部を中心に両側でしっかりと受け止められており、大きな偏りは認められない。1接触点あたりの平均咬合圧も左右でほぼ均等であり、咬合圧も左右でバランスがとれている。また、咬合圧の重心位置は、U字型をした歯列のほぼ中央に位置しており、正常咬合では、咬合圧が歯列弓の前後左右全体にバランス良く分散されることがわかった。
不正咬合者に厚さ1mmの硬いポリカーボネート製の骨格板のみを咬合させた。その測定結果を図8(B)および表2に示す。全体的に咬合接触点が少なく、しかも右側前歯部付近に偏って分布している。咬合接触の総面積は少なく、しかも右側が左側と比較してきわめて大きな値を示した。また、左右の咬合圧バランスも84.1%:15.9%で右側に偏っており、咬合圧の重心位置は、右側、かつ前後的には前歯部に位置することがわかった。
厚さ1mmの硬いポリカーボネート製の骨格板の片面に、各種軟性ゴム材料を重ね合わせ、不正咬合者の咬合接触状態を測定した。まず、厚さ1mmのポリカーボネートに厚さ1.5mmのエチレンビニルアセテートを重ね、不正咬合者に咬合させた。その測定結果を図9(A)および表4に示す。ポリカーボネートのみの場合とは異なり、咬合接触点数が増加し、咬合接触面積の増加が認められた。しかし、咬合接触点は右側に多く、左右の咬合圧バランスは80.6%:19.4%で大きく右に偏っている。咬合圧の重心位置は、右側前方部に位置したままであり、明らかな改善は認められなかった。
柔軟性および衝撃吸収性に優れたスポンジ素材についても検討した。まず、厚さ1mmのポリカーボネートの片面に厚さ3mmのウレタンスポンジを重ね、不正咬合者に咬合させた。その測定結果を図10(A)および表8に示す。咬合接触点数および総面積は、ポリカーボネート単体使用に比較して増加するものの、左右差は大きいままであった。左右の咬合圧バランスは若干改善されるものの63.4%:36.6%と不十分であることがわかった。図中に十字で示される咬合圧の重心位置については、歯列弓の右寄りであり、かつ前後的には他の軟質素材に比較してより前方部に位置していた。
いずれの素材も咬合圧の重心位置は前歯に偏っていた。軟性ゴム材料では、厚さ1mmのポリカーボネートの片面に厚さ3mmのシリコーンゴムを重ねた構成が最も左右の咬合圧バランスが良かった。軟性ゴム材料を使用する場合、1mm前後(例えば、0.5mm〜1.5mm)のポリカーボネートの片面に厚さ3mm前後(例えば、2mm〜4mm)のシリコーンゴムを貼付する構成が好適と考えられる。なお、上述の検討ではポリカーボネートの片面にのみ軟性ゴム材料を貼付する構成としたが、ポリカーボネートの両面に軟性ゴム材料を貼付する構成であっても同様の結果が得られると考えられる。従って、ポリカーボネートの両面に軟性ゴム材料を貼付する場合、シリコーンゴムの一方の厚みは、上述の好適範囲の半分の1.5mm前後(例えば、1mm〜2mm)が好適と考えられる。なお、スポンジ材料でも左右のバランスを保つことができるが、十分な圧分散性を得るためにはシリコーンゴムより厚みが必要である。
骨格板は実施例1と同様に厚さ1mmの馬蹄形のポリカーボネートとした。ただし、前歯部には、図11(A)に示すように、貫通穴を形成した。貫通穴には、図11(B)に示すようにシリコーンゴムを適合した。その上で、骨格板の片面に図11(C)に示すような厚さ3mmのシリコーンゴムを重ねた。これを不正咬合者に咬合させ、その咬合接触状態を測定した。その測定結果を図12(A)および表12に示す。実施例1の貫通穴のないポリカーボネートと厚さ3mmのシリコーンゴムを重ね合わせた場合の結果と比較して、前歯における咬合接触点は残っているが、1点の面積が小さくなった。そのため、総接触面積は小さくなっているが、左右はほぼ均等であった。左右の咬合圧バランスは均等に保たれ、さらに、咬合圧の重心位置は、前歯方向に偏位していたものが、歯列弓の中心あたりに改善されることが分かった。
比較のため、厚さ3mmのシリコーンゴムのみを不正咬合者に咬合させた。測定結果を図12(B)および表13に示す。咬合接触点は均等に細かく分散していたが、咬合接触面積の左右のバランスには4.9mm2:2.2mm2で偏りが見られ、また、咬合圧の左右のバランスにおいても62.4%:37.6%で偏りが見られた。実施例1の貫通穴のないポリカーボネートと厚さ3mmのシリコーンゴムを重ね合わせた場合の結果と比較して右側前歯方向に偏る結果となった。すなわち、いずれの数値もポリカーボネートと重ね合わせた場合と比較して劣ることが示された。この理由として、シリコーンゴムのみを咬合した場合、咬合板全体が変形してしまうことが考えられる。
硬質素材であるポリカーボネートに軟質素材であるシリコーンゴムを重ねて用いることにより、咬合圧の十分な分散が得られることが示された。また、硬質素材であるポリカーボネートの前歯部に貫通穴を形成することにより、さらに前後的にも咬合圧が分散されることが分かった。
110 咬合部
111 骨格板
112 前歯部軟性シート
113 上側軟性シート
114 下側軟性シート
120 側壁部
Claims (6)
- 上下顎の歯列で咬合される略馬蹄形の咬合部を備え、
前記咬合部は、臼歯で咬合される臼歯咬合部及び前歯で咬合される前歯咬合部を有し、
前記臼歯咬合部は、硬質素材から構成される骨格を有し、
前記前歯咬合部は、前記骨格を有さず、前歯の咬合形状に沿って塑性変形可能な軟質素材から構成され、
歯列に矯正装置が装着されたユーザの前歯の位置の継続的な変化に合わせて前記前歯咬合部の形状が変化する、
ことを特徴とする矯正歯科治療中のユーザ用スプリント。 - 左側の臼歯で咬合される前記臼歯咬合部の前記骨格と右側の臼歯で咬合される前記臼歯咬合部の前記骨格は、前記前歯咬合部を迂回するとともに前歯の歯列に沿って連結されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の矯正歯科治療中のユーザ用スプリント。 - 前記骨格は、前記前歯咬合部の位置が開口している略馬蹄形の板状体である、
ことを特徴とする請求項2に記載の矯正歯科治療中のユーザ用スプリント。 - 前記臼歯咬合部は、前記骨格の片面もしくは両面に配置され、臼歯が接触する軟性の臼歯接触部を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の矯正歯科治療中のユーザ用スプリント。 - 前記前歯咬合部は、1枚又は複数枚のシート状のシリコーンゴムから構成され、その厚みは2.5mmから5.5mmであり、
前記骨格は、0.5mmから1.5mm厚の板状体であり、
前記臼歯接触部は、前記骨格の両面に配置されており、それぞれ1mmから2mm厚のシート状のシリコーンゴムから構成される、
ことを特徴とする請求項4に記載の矯正歯科治療中のユーザ用スプリント。 - 前記咬合部の前庭側と口腔側の少なくとも一方の縁部に咬合面に略垂直に固定され、上顎および下顎両方の歯列の側面を覆って顎位の偏位を抑制する側壁部、を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の矯正歯科治療中のユーザ用スプリント。
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