JP7067915B2 - 圧電素子積層体および圧電素子積層体の製造方法 - Google Patents

圧電素子積層体および圧電素子積層体の製造方法 Download PDF

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Description

本開示の実施態様は、圧電素子積層体に関する。
圧電素子は、圧電体による圧電効果を利用して電気を取り出すことのできる素子である。圧電体による圧電効果とは、圧電体の結晶が外力に応じて誘電分極を生じる効果であり、このような圧電効果を利用した圧電素子は、応力が変化する環境下において、永久電源として用いることができるという利点を有する。
また、圧電素子は、圧電体による逆圧電効果、すなわち圧電体の結晶に電圧を加えることで結晶が歪む効果を利用することで、微細な動きや振動を発生させることができる。現在、圧電素子は、永久電源のような発電素子として利用される一方で、振動等の外力を検出するための検出素子としての利用等、幅広い分野での利用が期待されており、例えば、特許文献1、2で提案されるように、種々研究がなされている。
国際公開第2012/104945号 特開2013-77646号公報
ところで、圧電素子は、その用途が拡大するに伴って、圧電素子の圧電性の向上が求められている。圧電素子の圧電性の向上は、例えば、圧電体として窒化アルミニウムを用いる場合には、窒化アルミニウムの結晶配向を高めることが求められる。圧電体である窒化アルミニウムの結晶配向を高めることにより、圧電素子の圧電定数および電気機械結合係数を向上させることができ、結果として圧電性が向上する。
そこで、本開示の発明者等は、圧電体である窒化アルミニウムの結晶配向を高める方法について検討を重ねた。その結果、窒化アルミニウムの結晶配向には、窒化アルミニウム層の下地となる基材表面の平滑性が影響するという知見を得た。加えて、本開示の発明者等は、窒化アルミニウムの結晶配向を十分に高めるために、基材表面に化学的機械研磨(Chemical Mechanical Polishing)処理を施したところ、所望の効果が得られることを見出した。しかしながら、化学的機械研磨処理は、生産性が低いため、高コストとなってしまうという問題がある。
本開示は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、圧電体である窒化アルミニウムの結晶配向を高め、圧電性の向上を図ることが可能な圧電素子積層体を提供することを主目的とする。
本開示の1実施態様は、金属材料を含む基材と、上記基材の一方の面上の、第1金属材料を含む第1金属層と、上記第1金属層の上記基材とは反対側の面上の、窒化アルミニウムを含む第1窒化アルミニウム層とを有し、上記第1窒化アルミニウム層は、X線回折法において2θ=36.0±0.4°(AlN由来のピーク)にピークを有する圧電素子積層体を提供する。
本開示の1実施態様においては、上記第1窒化アルミニウム層は、X線ロッキングカーブ測定による2θ=36.0±0.4°のピークについて、半値全幅(FWHM)の値θが5.1°以下である圧電素子積層体を提供する。
本開示の1実施態様においては、上記基材の上記第1金属層とは反対側の面上の、第2金属材料を含む第2金属層と、上記第2金属層の上記基材とは反対側の面上の、窒化アルミニウムを含む第2窒化アルミニウム層とを有し、上記第2金属材料は、上記第1金属材料と同一材料である圧電素子積層体を提供する。
本開示の1実施態様は、金属材料を含む基材の一方の面上に、めっき処理を施して、第1金属材料を含む第1金属層を形成する第1金属層形成工程と、上記第1金属層の上記基材とは反対側の面上に、スパッタ成膜処理を施して、窒化アルミニウムを含む第1窒化アルミニウム層を形成する第1窒化アルミニウム層形成工程とを有することを特徴とする圧電素子積層体の製造方法を提供する。
本開示の1実施態様においては、上記基材の上記第1金属層とは反対側の面上に、めっき処理を施して、第2金属材料を含む第2金属層を形成する第2金属層形成工程と、上記第2金属層の上記基材とは反対側の面上に、スパッタ成膜処理を施して、窒化アルミニウムを含む第2窒化アルミニウム層を形成する第2窒化アルミニウム層形成工程とを有し、上記第2金属材料は、上記第1金属材料と同一の材料であり、上記第2金属層形成工程は、上記第1金属層形成工程と同時に行われる圧電素子積層体の製造方法を提供する。
本開示の1実施態様においては、上記基材にエッチング処理を施すエッチング処理工程を有する圧電素子積層体の製造方法を提供する。
本開示の1実施態様においては、圧電体である窒化アルミニウムの結晶配向を高め、圧電性の向上を図ることが可能な圧電素子積層体を提供することができるという効果を奏する。
以下、「圧電素子積層体」を「積層体」と略して説明する場合がある。
本開示の1実施態様における積層体の製造方法の一例を示す概略工程図である。 本開示の1実施態様における積層体の製造方法の他の例を示す概略工程図である。 本開示の1実施態様における積層体の製造方法の他の例を示す概略工程図である。 本開示の1実施態様における積層体を用いた圧電素子の一例を示す概略斜視図および概略断面図である。
本明細書において、ある部材又はある領域等のある構成が、他の部材又は他の領域等の他の構成の「上に(又は下に)」あるとする場合、特段の限定がない限り、これは他の構成の直上(又は直下)にある場合のみでなく、他の構成の上方(又は下方)にある場合を含み、すなわち、他の構成の上方(又は下方)において間に別の構成要素が含まれている場合も含む。
以下、本開示の実施の態様を、図面等を参照しながら説明する。但し、本開示は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に例示する実施の態様の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実施の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。また、説明の便宜上、上方又は下方という語句を用いて説明する場合があるが、上下方向が逆転しても良い。
A.圧電素子積層体の製造方法
本開示の1実施態様における積層体の製造方法は、金属材料を含む基材の一方の面上に、めっき処理を施して、第1金属材料を含む第1金属層を形成する第1金属層形成工程と、上記第1金属層の上記基材とは反対側の面上に、スパッタ成膜処理を施して、窒化アルミニウムを含む第1窒化アルミニウム層を形成する第1窒化アルミニウム層形成工程とを有することを特徴とする製造方法である。
本開示の1実施態様について図面を参照しながら説明する。
図1は、本開示の1実施態様における積層体の製造方法の一例を示す概略工程図である。本開示の1実施態様における積層体の製造方法は、まず、図1(a)、(b)に例示するように、金属材料を含む基材1の一方の面上に、めっき処理を施して、第1金属材料を含む第1金属層2aを形成する第1金属層形成工程と、第1金属層2aの基材1とは反対側の面上に、スパッタ成膜処理を施して、図1(c)に示すように、窒化アルミニウムを含む第1窒化アルミニウム層3aを形成する第1窒化アルミニウム層形成工程とを有する。
また、図2は、本開示の1実施態様における積層体の製造方法の他の例を示す概略工程図である。本開示の1実施態様における積層体の製造方法は、図2(a)、(b)に示すように、上述した第1金属層形成工程と同時に、基材1の第1金属層2aとは反対側の面上に、めっき処理を施して、第2金属材料を含む第2金属層2bを形成する第2金属層形成工程を有し、また、図2(c)に示すように、第2金属層2bの基材1とは反対側の面上に、窒化アルミニウムを含む第2窒化アルミニウム層3bを形成する第2窒化アルミニウム層形成工程を有していても良い。なお、第2金属材料は、上述した第1金属材料と同一の材料であり、図2(a)~図2(c)において説明していない符号については、上述した図1(a)~図1(c)と同じであるため、ここでの記載は省略する。
さらに、図3は、本開示の1実施態様における積層体の製造方法の他の例を示す概略工程図である。本開示の1実施態様における積層体の製造方法は、図3(b)、(c)に示すように、基材1にエッチング処理を施して所定の形状とするエッチング処理工程を有していても良い。なお、図3(a)~図3(d)に示す例では、第1金属層形成工程と、第1窒化アルミニウム層形成工程との間に、エッチング処理工程を有する例を説明している。また、図3(a)~(d)に示す例では、平面視形状が十字形状となる積層体の製造方法を示している。さらに、図3(a)~図3(d)において説明していない符号については、上述した図1(a)~図1(c)と同じであるため、ここでの記載は省略する。
本開示の1実施態様においては、窒化アルミニウムを含む窒化アルミニウム層を有する積層体の製造方法であって、より安価で生産性に優れた方法により窒化アルミニウムの結晶配向を高めることが可能な積層体の製造方法を提供することができるという効果を奏する。具体的には、次の通りである。
まず、本開示の発明者等は、窒化アルミニウム層に含まれる窒化アルミニウムの結晶配向を高めることについて種々の検討を重ねたところ、窒化アルミニウム層が形成される下地層の平滑性が影響するという知見を得た。このような知見に基づき、本開示の発明者等は、窒化アルミニウム層の下地層となる基材表面に、優れた平滑性を得ることが可能な化学的研磨処理を施したところ、高い配向を有する窒化アルミニウムを含む窒化アルミニウム層の形成を実現することができた。しかしながら、化学的研磨処理は、生産性が低いため、高コストとなってしまうという問題があった。
そこで、本開示の発明者等は、更なる検討を重ねた。その結果、基材上に、金属材料を含む金属層を、めっき処理を施すことにより形成し、当該金属層上に、窒化アルミニウム層を形成した場合に、窒化アルミニウム層に含まれる窒化アルミニウムの結晶配向を高めることができることを見出した。これは、窒化アルミニウム層の下地層として、金属層をめっき処理により形成することで、より平滑性の高い面上に窒化アルミニウム層を形成できることに起因すると推測される。
本開示の1実施態様においては、窒化アルミニウム層に含まれる窒化アルミニウムの結晶配向を高めることにより、本開示の1実施態様により得られる積層体を、圧電素子における圧電体として用いた際に、圧電素子の圧電定数および電気機械結合係数を向上させることができる。したがって、本開示の1実施態様においては、圧電性の高い圧電素子とすることが可能な圧電体、すなわち積層体を得ることができるという効果を奏する。
以下、本開示の1実施態様における各工程について説明する。
1.第1金属層形成工程
本開示の1実施態様における第1金属層形成工程は、金属材料を含む基材の一方の面上に、めっき処理を施して、第1金属材料を含む第1金属層を形成する工程である。
本開示の1実施態様におけるめっき処理は、金属材料を含む基材の一方の面上に、第1金属材料を含む第1金属層を形成することができる処理であれば良く、特に限定されない。本開示の1実施態様においては、例えば、ウェットめっき処理であっても良く、ドライめっき処理であっても良いが、真空設備が不要で工程の大面積化が可能であるという観点から、ウェットめっき処理であることが好ましい。ウェットめっき処理としては、例えば、電解めっき処理、無電解めっき処理等が挙げられる。電界めっき処理を用いる場合には、めっきレートを高めやすく、生産性が高いという効果を奏する。一方、無電解めっき処理を用いる場合には、面内分布が向上するという効果を奏する。
本開示の1実施態様における電解めっき処理は、第1金属材料を含む電解溶液に、電導性のある基材を陰極として直流電流を流すことにより、基材の表面において第1金属材料を還元、析出させて第1金属層を形成する処理である。また、本開示の1実施態様における無電解めっき処理は、第1金属材料を含む溶液中で、当該溶液に含まれる還元剤の酸化によって放出される電子により、基材の表面において第1金属材料を還元、析出させて第1金属層を形成する処理である。なお、めっき処理の詳細な処理条件等については、一般的な処理条件と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
以下、本開示の1実施態様において、めっき処理により形成される第1金属層、および第1金属層が形成される金属材料を含む基材について説明する。
(1)第1金属層
本開示の1実施態様における第1金属層は、後述する基材の一方の面上に、上述しためっき処理を施して形成される部材である。また、第1金属層は、第1金属材料を含む部材である。
ここで、「第1金属材料を含む」とは、第1金属材料を主成分とすることを意味する。具体的には、第1金属層に含まれる第1金属材料の割合が、97質量%以上とすることができ、中でも98質量%以上とすることが好ましく、特に99質量%以上とすることが好ましい。
第1金属層に含まれる第1金属材料は、めっき処理を施すことにより、基材の一方の面上に第1金属層を構成することができる材料であれば良い。また、後述する第1窒化アルミニウム層形成工程において、表面に第1窒化アルミニウム層を形成することができる材料であれば良い。また、本開示の1実施態様における第1金属層に含まれる第1金属材料は、例えば、上述した図3(a)~図3(d)に示すように、基材にエッチング処理を施すエッチング処理工程を有する場合であって、図3(b)、(c)に示すように基材1と第1金属層2aとが同時にエッチング処理される場合には、基材と同じエッチング液によりエッチングされ得る材料であることが好ましい。そのため、この場合には、第1金属材料は、基材に含まれる金属材料の種類や、エッチング処理工程において用いられるエッチング液の種類に応じて適宜調整することが好ましい。このような第1金属材料としては、例えば、ニッケル、白金、モリブデン、タングステン、チタン等が挙げられ、中でも、ウェットエッチング処理が可能なニッケルやモリブデンを用いることが好ましく、特に加工性の観点からニッケルを用いることが好ましい。なお、第1金属材料としてニッケルを用いる場合には、基材に含まれる金属材料としてステンレス鋼を好適に用いることができる。
第1金属層の厚みは、基材の表面に形成することで、基材表面の平滑性を高めることができ、後述する窒化アルミニウムの結晶配向を高めることができる程度の厚みであることが好ましい。そのため、第1金属層の厚みは、基材の表面粗さや、第1金属層に含まれる第1金属材料の種類等に応じて適宜調整することが好ましい。本開示の1実施態様においては、例えば、第1金属層の厚みは、0.1μm以上5.0μm以下であることが好ましく、中でも、0.1μm以上2.5μm以下であることが好ましく、特に、0.1μm以上1.5μm以下であることが好ましい。本開示の1実施態様においては、めっき処理を施すことにより第1金属層を形成するため、比較的薄い厚みであっても緻密な層とすることができ、基材表面の平滑性を十分に高めることができる。
第1金属層は、所定の平滑性を有することが好ましい。ここで、上記「所定の平滑性を有する第1金属層」とは、第1金属層の表面に第1窒化アルミニウム層を形成した際、窒化アルミニウム層の配向を高めることができるという効果が得られる程度に、第1金属層の表面が平滑性を有することを意味する。具体的には、算術平均粗さRaで示される基材の表面粗さが、0.100μm以下であることが好ましく、中でも、0.050μm以下であることが好ましく、特に、0.020μm以下であることが好ましい。第1金属層の表面粗さが上記範囲内であることにより、第1金属層上に第1窒化アルミニウム層を形成した際に、窒化アルミニウム層の配向を十分に高めることができる。
なお、第1金属層の表面粗さは、例えば、原子間力顕微鏡(JPKインスツルメンツ・AG,JPK NanoWizard)や白色干渉計式非接触式表面粗さ計(テーラーホブソン,CCI Sunstar)により測定することができる。
(2)基材
本開示の1実施態様における基材は、一方の面上に、上述した第1金属層が形成される部材である。また、基材は、金属材料を含む部材である。
ここで、「金属材料を含む」とは、金属材料を主成分とすることを意味する。なお、基材に含まれる金属材料の含有量については、本開示の1実施態様において、所望とする積層体を得ることができる程度であれば良く、特に限定されない。
基材に含まれる金属材料は、所定の平滑性を有する基材とすることができる材料であることが好ましく、例えば、ステンレス鋼、チタン、ニッケル合金等が挙げられる。本開示の1実施態様においては、破壊強度が高いといった観点から、ステンレス鋼およびチタンを用いることが好ましく、中でも、ステンレス鋼を用いることが好ましい。
ここで、上記「所定の平滑性を有する基材」とは、基材の表面に第1金属層および第1窒化アルミニウム層を形成した際、窒化アルミニウム層の配向を高めることができるという効果が得られる程度に、基材表面が平滑性を有することを意味する。具体的には、算術平均粗さRaで示される基材の表面粗さが、0.200μm以下であることが好ましく、中でも、0.100μm以下であることが好ましく、特に、0.020μm以下であることが好ましい。基材の表面粗さが上記範囲内であることにより、第1金属層の厚みが比較的薄い場合であっても、基材表面に第1金属層を形成することにより、十分な平滑性を得ることができ、第1金属層を介して基材上に第1窒化アルミニウム層を形成した際に、窒化アルミニウム層の配向を十分に高めることができる。
なお、基材の表面粗さは、例えば、原子間力顕微鏡(JPKインスツルメンツ・AG,JPK NanoWizard)や白色干渉計式非接触式表面粗さ計(テーラーホブソン,CCI Sunstar)により測定することができる。
基材の厚みは、第1金属層および後述する第1窒化アルミニウム層を支持することができる程度の厚みであることが好ましい。例えば、基材の厚みは、1μm以上500μm以下の範囲内であることが好ましく、中でも25μm以上200μm以下の範囲内であることが好ましく、特に40μm以上60μm以下の範囲内であることが好ましい。基材の厚みが上記範囲内であることにより、第1金属層および後述する第1窒化アルミニウム層を支持することができ、所望の積層体を得ることができる。
2.第1窒化アルミニウム層形成工程
本開示の1実施態様における第1窒化アルミニウム層形成工程は、第1金属層の基材とは反対側の面上に、スパッタ成膜処理を施して、窒化アルミニウムを含む第1窒化アルミニウム層を形成する工程である。
本開示の1実施態様におけるスパッタ成膜処理は、第1金属層の基材とは反対側の面上に、窒化アルミニウムを含む第1窒化アルミニウム層を形成することができる処理であれば良く、特に限定されない。本開示の1実施態様におけるスパッタ成膜処理としては、例えば、反応性スパッタリング処理、スパッタリング処理、真空蒸着処理、イオンプレーティング法や化学気相成長法等のドライコーティング処理が挙げられ、中でも反応性スパッタリング処理が好ましく、特に高周波マグネトロンスパッタリング装置を用いた反応性スパッタリング処理が好ましい。反応性スパッタリング処理により第1窒化アルミニウム層が形成される場合には、例えば、アルミニウムと気体中の窒素とが反応して第1金属層上に窒化アルミニウムを生成することにより、第1窒化アルミニウム層が形成される。なお、スパッタ成膜処理の詳細な処理条件等については、一般的な処理条件と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
以下、本開示の1実施態様において、スパッタ成膜処理により形成される第1窒化アルミニウム層について説明する。
本開示の1実施態様における第1窒化アルミニウム層は、窒化アルミニウムを含む部材である。
ここで、「窒化アルミニウムを含む」とは、窒化アルミニウムを主成分とすることを意味する。具体的には、第1窒化アルミニウム層に含まれる窒化アルミニウムの割合が、42質量%以上とすることができ、中でも99質量%以上とすることが好ましく、特に99.5質量%以上とすることが好ましい。本開示の1実施態様においては、第1窒化アルミニウム層が窒化アルミニウム、もしくは圧電性の向上が期待できる添加物であるスカンジウム、ニオブ、マグネシウム、ジルコニウム、ハフニウム等を含む窒化アルミニウムから構成されていることがより好ましい。第1窒化アルミニウム層が、圧電性の低下を招く他の物質を含まないことにより、高密度な層とすることができる。
本開示の1実施態様における第1窒化アルミニウム層は、窒化アルミニウムの結晶配向が高いという効果を奏する。ここで、「窒化アルミニウムの結晶配向が高い」とは、例えば、第1窒化アルミニウム層のXRD(XRD:X-Ray Diffraction)解析による測定の結果、窒化アルミニウム(0002)成分の2θ=36.0±1.0°のピーク強度が高いことを意味する。窒化アルミニウム(0002)成分のピークは、2θ=36.0±0.5°であることが好ましく、中でも2θ=36.0±0.2°であることが好ましい。なお、第1窒化アルミニウム層の表面のXRD法による測定は、X線回折装置(ブルカー、D8 DISCOVER)によるθ-2θ測定やロッキンカーブ測定により行うことができる。
また、2θ=36.0±0.4°(AlN由来のピーク)の配向度は、例えば、厚み50μmのステンレス鋼基板(SUS304)上に、厚み2μmのAlN膜を成膜した場合に、AlN膜の2θ=36.0±0.4°についてX線ロッキングカーブ測定による半値全幅(FWHM)の値θは、6.5°以下であることが好ましく、中でも、5.5°以下であることが好ましく、特に5.1°以下であることが好ましい。
第1窒化アルミニウム層の厚みは、上述した第1金属層上に形成することができる程度の厚みであれば良く、特に限定されない。例えば、第1窒化アルミニウム層の厚みは、0.1μm以上100μm以下の範囲内であることが好ましく、中でも0.5μm以上20μm以下の範囲内であることが好ましく、特に1.0μm以上12μm以下の範囲内であることが好ましい。第1窒化アルミニウムの厚みが上記範囲内であることにより、例えば本開示の1実施体ようにおける積層体を圧電素子に用いた際に、圧電体としての十分に発揮することが可能となる。また、応力による割れを抑制することが可能となる。
3.第2金属層形成工程
本開示の1実施態様においては、基材の第1金属層とは反対側の面上に、めっき処理を施して、第2金属材料を含む第2金属層を形成する第2金属層形成工程を有していても良い。
本開示の1実施態様においては、製造工程数の増加を抑制するといった観点から、第2金属層形成工程を、第1金属層形成工程と同時に行うことが好ましい。また、第2金属材料は、第1金属材料と同一の材料であっても良く、あるいは第1金属材料と異なる材料であっても良いが、第2金属層形成工程と第1金属層形成工程とを同時に行うことを考慮すると、第2金属材料は、第1金属材料と同一の材料であることが好ましい。
なお、第2金属層に含まれる第2金属材料、第2金属層形成工程におけるめっき処理、および第2金属層形成工程において形成される第2金属層については、上述した「1.第1金属層形成工程」の項で記載した第1金属材料、めっき処理および第1金属層と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
4.第2窒化アルミニウム層形成工程
本開示の1実施態様においては、第2金属層の基材とは反対側の面上に、窒化アルミニウムを含む第2窒化アルミニウム層を形成する第2窒化アルミニウム層形成工程を有していても良い。
本開示の1実施態様においては、上述した第2金属層形成工程が、第1金属層形成工程と同時に行われる場合には、第2窒化アルミニウム層形成工程を、第1窒化アルミニウム層形成工程と同時に行っても良く、あるいは同時に行わなくても良い。
なお、第2窒化アルミニウム層形成工程におけるスパッタ成膜処理、および第2窒化アルミニウム層形成工程において形成される第2窒化アルミニウム層については、上述した「2.第1窒化アルミニウム層形成工程」の項で記載したスパッタ成膜処理および第1窒化アルミニウム層と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
5.エッチング処理工程
本開示の1実施態様においては、基材にエッチング処理を施すエッチング処理工程を有していても良い。
本開示の1実施態様におけるエッチング処理工程は、例えば、図3(d)に示すように、所定の形状を有する積層体10を形成することができる工程であれば良い。そのため、例えば、図3(a)~図3(d)に示すように、第1金属層形成工程と第1窒化アルミニウム層形成工程との間に、エッチング処理工程を有していても良く、図示はしないが、第1金属層形成工程の前にエッチング処理工程を有していても良く、あるいは第1窒化アルミニウム層形成工程の後にエッチング処理工程を有していても良い。
また、本開示の1実施態様においては、第1金属層形成工程および第1窒化アルミニウム層形成工程の他に、第2金属層形成工程および第2窒化アルミニウム層形成工程を有する場合には、例えば、第2金属層形成工程と第2窒化アルミニウム層形成工程との間にエッチング処理工程を有していても良く、あるいは第2窒化アルミニウム層形成工程の後にエッチング処理工程を有していても良い。
本開示の1実施態様においては、エッチング処理工程が第1金属層形成工程の前に行われる場合には、基材のみをエッチング処理することができるため、エッチング液には、基材に含まれる金属材料を除去することが可能な種類のエッチング液を選択することができる。また、エッチング処理工程が、第1金属層形成工程と第1窒化アルミニウム層形成工程との間に行われる場合には、基材および第1金属層を1種のエッチング液による工程にてエッチング処理することができ、さらに、エッチング処理工程が、第1窒化アルミニウム層形成工程の後に行われる場合には、基材および第1金属層を1種のエッチング液により、第1窒化アルミニウム層を1種のエッチング液による工程にてエッチング処理することができる。さらにまた、エッチング処理工程が、第2金属層形成工程と第2窒化アルミニウム層形成工程との間に行われる場合であって、第1金属層形成工程および第2金属層形成工程が同時に行われる場合には、基材、第1金属層および第2金属層を1種のエッチング液による工程にてエッチング処理することができ、また、エッチング処理工程が、第2窒化アルミニウム層形成工程の後に行われる場合には、基材、第1金属層および第2金属層を1種のエッチング液により、第1窒化アルミニウム層および第2窒化アルミニウム層を1種のエッチング液による工程にてエッチング処理することができる。
したがって、エッチング処理工程によりエッチング処理しようとする対象部材に応じて、適宜エッチング液を選択することが好ましい。具体的なエッチング液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化テトラメチルアンモニウムを含む水溶液、燐酸、硝酸および酢酸を含む水溶液、燐酸、硝酸およびフッ化アンモニウムを含む水溶液、硝酸セリウムアンモニウムおよび過塩素酸を含む水溶液、塩化第二鉄を含む水溶液、過酸化水素水および硫酸に代表される酸化剤の混合液、臭化水素酸等が挙げられる。例えば、基材がステンレス鋼を含み、金属層がニッケルを含む場合、基材および金属層は、塩化第二鉄を含む水溶液にてエッチングされることが好ましく、窒化アルミニウム層は水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化テトラメチルアンモニウムを含む水溶液にてエッチングされることが好ましい。
エッチング処理工程においては、通常、所定の形状にレジスト層を形成し、当該レジスト層をマスクとしてエッチング処理することができる。レジスト層の形成方法としては、基材、第1金属層または第1窒化アルミニウム層上にレジスト材料を塗布して、露光、現像する方法が挙げられる。なお、レジスト材料の塗布方法や露光、現像については、一般的な方法と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
なお、エッチング処理の詳細な処理条件等については、一般的な処理条件と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
6.基材研磨処理工程
本開示の1実施態様においては、基材表面に研磨処理を施す基材研磨処理工程を有していても良い。基材表面、すなわち、第1金属層が形成される側の基材表面または第2金属層が形成される側の基材表面に研磨処理を施すことにより、基材表面の平滑性を高めることができる。したがって、基材上に形成される第1金属層または第2金属層の平滑性を効果的に向上させることができ、第1窒化アルミニウム層または第2窒化アルミニウム層における窒化アルミニウムの結晶配向を十分に高めることが可能となる。
本開示の1実施態様における基材研磨処理工程は、金属材料を含む基材表面に施すことが可能な工程であれば良く、特に限定されない。中でも、基材の表面の平滑性を高めることができる工程であることが好ましい。基材研磨処理工程において行われる研磨処理としては、例えば、化学的機械研磨処理、バフ研磨処理、ラップ研磨処理、電解研磨処理、化学研磨処理、電解研磨処理と化学研磨処理とを同時に行う複合研磨処理が挙げられる。なお、研磨処理の詳細な処理条件等については、一般的な処理条件と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
本開示の1実施態様においては、基材研磨処理工程を行うことにより、基材の表面の平滑性を高めることができる。
ここで、上記「基材表面の平滑性を高める」とは、基材の表面に第1金属層および第1窒化アルミニウム層、または第2金属層および第2窒化アルミニウム層を形成した際、窒化アルミニウム層の配向を十分に高めることができる程度に、基材表面の平滑性が高いことを意味する。具体的には、算術平均粗さRaで示される基材の表面粗さが、0.050μm以下であることが好ましく、中でも、0.020μm以下であることが好ましく、特に、0.001μm以下であることが好ましい。
なお、基材の表面粗さの測定方法については、上述した「1.第1金属層形成工程 (2)基材」の項に記載した方法と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
7.金属層研磨処理工程
本開示の1実施態様においては、第1金属層形成工程の後に、第1金属層表面に研磨処理を施す金属層研磨処理工程を有していても良い。また、金属層研磨処理工程は、第2金属層形成工程の後に、第2金属層表面に研磨処理を施す工程であっても良い。第1金属層および第2金属層の表面に研磨処理を施すことにより、第1金属層および第2金属層の平滑性を効果的に向上させることができ、第1窒化アルミニウム層または第2窒化アルミニウム層における窒化アルミニウムの結晶配向を十分に高めることが可能となる。
本開示の1実施態様における金属層研磨処理工程は、第1金属材料を含む第1金属層表面、また第2金属材料を含む第2金属層表面に施すことが可能な工程であれば良く、特に限定されない。中でも、第1金属層または第2金属層の表面の平滑性を高めることができる工程であることが好ましい。金属層研磨処理工程において行われる研磨処理としては、例えば、化学的機械研磨処理、バフ研磨処理、ラップ研磨処理、電解研磨処理、化学研磨処理、電解研磨処理と化学研磨処理とを同時に行う複合研磨処理等が挙げられる。なお、研磨処理の詳細な処理条件等については、一般的な処理条件と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
本開示の1実施態様においては、金属層研磨処理工程を行うことにより、第1金属層、また第2金属層の表面の平滑性を高めることができる。
ここで、上記「第1金属層表面の平滑性を高める」および「第2金属層表面の平滑性を高める」とは、第1金属層および第2金属層の表面に、それぞれ第1窒化アルミニウム層および第2窒化アルミニウム層を形成した際、窒化アルミニウム層の配向を十分に高めることができる程度に、第1金属層および第2金属層表面の平滑性が高いことを意味する。具体的には、算術平均粗さRaで示される基材の表面粗さが、0.100μm以下であることが好ましく、中でも、0.050μm以下であることが好ましく、特に、0.020μm以下であることが好ましい。
なお、第1金属層および第2金属層の表面粗さの測定方法については、上述した「1.第1金属層形成工程 (1)第1金属層」の項に記載した方法と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
8.その他
本開示の1実施態様においては、少なくとも第1金属層形成工程および第1窒化アルミニウム層形成工程を有していれば良い。
本開示の1実施態様においては、通常、第1窒化アルミニウム層の第1金属層とは反対側の面、および第2窒化アルミニウム層の第2金属層とは反対側の面、すなわち積層体の最外層となる面に、電気を取り出すための取り出し電極を形成する取り出し電極形成工程を有していても良い。
本開示の1実施態様において形成される取り出し電極は、第1窒化アルミニウム層および第2窒化アルミニウム層の表面に、パターン状に形成することができ、その形状や数等の設計については、適宜調整することができる。また、本開示の1実施態様において形成される取り出し電極の材料や具体的な形成方法については、一般的な取り出し電極の材料や形成方法と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
9.積層体の用途
本開示の1実施態様により得られる積層体は、例えば、圧電素子における圧電体として用いることができる。ここで、圧電素子とは、圧電体による圧電効果または逆圧電効果を利用した素子である。そのため圧電素子は、例えば、圧電効果を利用することが可能な環境下、すなわち、振動等の圧力等が発生する環境下において永久電源として好適に用いることができる。また、圧電素子は、逆圧電効果を利用して振動等の外力の検出が求められる環境下において検出素子として好適に用いることができる。
図4(a)は、本開示の1実施形態により得られた積層体を圧電体として用いた際の、圧電素子の一例を示す概略斜視図であり、図4(b)は、図4(a)のA-A線断面図である。図4(a)、(b)に示すように、圧電素子100は、下部電極および上部電極として、それぞれ対向するように配置された第1積層体10aおよび第2積層体10bと、当該第1積層体10aおよび第2積層体10bに挟持された連結部材20とを有する。なお、図4(a)、(b)に示す圧電素子100は、さらに保護部30を有する例であり、第1積層体10aおよび第2積層体10bは、本開示の1実施態様により得られる積層体に相当する。図4(a)、(b)に示すような圧電素子100は、例えば、振動が発生する環境下において用いられる永久電源や、振動等の外力の検出を行う検出素子として用いることができる。図4(a)、(b)において説明していない符号については、上述した図1(a)~図1(c)および図2(a)~図2(c)と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
B.圧電素子積層体
本開示の1実施形態における積層体は、金属材料を含む基材と、上記基材の一方の面上の、第1金属材料を含む第1金属層と、上記第1金属層の上記基材とは反対側の面上の、窒化アルミニウムを含む第1窒化アルミニウム層とを有し、上記第1窒化アルミニウム層は、X線回折法において2θ=36.0±0.4°(AlN由来のピーク)にピークを有する部材である。
本開示の1実施態様においては、窒化アルミニウムを含む窒化アルミニウム層を有する積層体であって、より安価で生産性に優れた方法により窒化アルミニウムの結晶配向を高めることが可能な積層体を提供することができるという効果を奏する。なお、本開示の1実施態様における具体的な効果については、上述した「A.積層体の製造方法」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
本開示の圧電素子積層体は、上記第1窒化アルミニウム層は、X線ロッキングカーブ測定による2θ=36.0±0.4°のピークについて、半値全幅(FWHM)の値θが5.1°以下であってもよい。
本開示の圧電素子積層体は、上記基材の上記第1金属層とは反対側の面上の、第2金属材料を含む第2金属層と、上記第2金属層の上記基材とは反対側の面上の、窒化アルミニウムを含む第2窒化アルミニウム層とを有し、上記第2金属材料は、上記第1金属材料と同一材料であってもよい。
本開示の圧電素子積層体を構成する各部材については、上記「A.圧電素子積層体の製造方法」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
[実施例、比較例]
基材として厚み50μmのステンレス鋼基板(SUS304)を準備し、当該基材の表面に、第1金属層として厚み1μmのニッケル金属層を形成した。得られた基材の第1金属層とは反対側の面に、第1窒化アルミニウム層として厚み2μmのAlN膜をスパッタ成膜した。
なお、実施例および比較例において、各層に施した処理の有無については、表1に示す。表1における「○」は処理有を示し、「×」は処理無を示す。また、CMPは、化学的機械研磨処理の略語である。
Figure 0007067915000001
[評価]
実施例および比較例における第1窒化アルミニウム層に対し、X線回折装置(ブルカー、D8 DISCOVER)を用い、XRD法により結晶構造を解析した。
X線回折の条件は次のとおりである。Cu-Kα線を用い40kV・40mAを印加しX線を発生させた。X線入射側には0.6mm幅のスリットを挿入し、検出器側にはフィルターを用いなかった。2θ走査は0.02°ずつで、各角度で0.05秒間測定した。36.0±0.4°のピーク(AlN由来のピーク)を第1ピークとし、74.6±0.5 °のピーク(ステンレス鋼基板由来のピーク)を第2ピークとしたときの第2ピークに対する第1ピークの強度比(第1ピーク/第2ピーク)を測定した。また、36.0±0.4°のピーク(AlN由来のピーク)についてロッキングカーブ測定を行い、そのピークの半値全幅(FWHM)の値θを評価した。結果は、表2に示す。
Figure 0007067915000002
1 … 基材
2a … 第1金属層
2b … 第2金属層
3a … 第1窒化アルミニウム層
3b … 第2窒化アルミニウム層
10 … 圧電素子積層体

Claims (6)

  1. 金属材料を含む基材と、
    前記基材の一方の面上の、第1金属材料を含む第1金属層と、
    前記第1金属層の前記基材とは反対側の面上の、窒化アルミニウムを含む第1窒化アルミニウム層と、を有する圧電素子積層体であって、
    前記第1窒化アルミニウム層は、X線回折法において2θ=36.0±0.4°(AlN由来のピーク)にピークを有し、
    前記第1金属材料は、ニッケルまたはモリブデンであり、
    前記第1金属層は、単層で構成され、
    前記第1金属層の表面粗さは、算術平均粗さRaで0.100μm以下である、圧電素子積層体。
  2. 前記第1窒化アルミニウム層は、X線ロッキングカーブ測定による2θ=36.0±0.4°のピークについて、半値全幅(FWHM)の値θが5.1°以下である請求項1に記載の圧電素子積層体。
  3. 前記基材の前記第1金属層とは反対側の面上の、第2金属材料を含む第2金属層と、
    前記第2金属層の前記基材とは反対側の面上の、窒化アルミニウムを含む第2窒化アルミニウム層と
    を有し、
    前記第2金属材料は、前記第1金属材料と同一材料である請求項1または請求項2に記載の圧電素子積層体。
  4. 金属材料を含む平板状の基材の一方の面上に、めっき処理を施して、第1金属材料を含む第1金属層を形成する第1金属層形成工程と、
    前記第1金属層の前記基材とは反対側の面上に、スパッタ成膜処理を施して、窒化アルミニウムを含む第1窒化アルミニウム層を形成する第1窒化アルミニウム層形成工程と、を有する圧電素子積層体の製造方法であって、
    前記第1金属層の膜厚が、0.1μm~5.0μmの範囲内である、圧電素子積層体の製造方法
  5. 前記基材の前記第1金属層とは反対側の面上に、めっき処理を施して、第2金属材料を含む第2金属層を形成する第2金属層形成工程と、
    前記第2金属層の前記基材とは反対側の面上に、スパッタ成膜処理を施して、窒化アルミニウムを含む第2窒化アルミニウム層を形成する第2窒化アルミニウム層形成工程と
    を有し、
    前記第2金属材料は、前記第1金属材料と同一の材料であり、
    前記第2金属層形成工程は、前記第1金属層形成工程と同時に行われる請求項4に記載の圧電素子積層体の製造方法。
  6. 前記基材にエッチング処理を施すエッチング処理工程を有する請求項4または請求項5に記載の圧電素子積層体の製造方法。
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