JP7067888B2 - 合流支援装置、合流支援システム、車載器、合流支援方法、及びプログラム - Google Patents
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Description
このような合流区間における運転操作を支援するシステムとして、例えば特許文献1には、合流車両及び本線車両それぞれが合流区間に到達する時刻を予測し、合流区間において合流車両と本線車両とが衝突する危険性がある場合、本線車両に対し車線変更を促すシステムが開示されている。
本発明の第1の態様によれば、合流支援装置(10)は、本線上にある合流区間の開始点よりも上流側の地点を走行する本線車両の速度である第1の速度を取得し、追跡リストに登録する登録処理部(110)と、前記追跡リストに登録された前記本線車両のうち一の車両である先行車両の前記合流区間の開始点における速度である第2の速度を取得し、当該第2の速度に基づいて前記追跡リストに登録された前記本線車両のうち前記先行車両よりも下流側を走行する後続車両の前記第1の速度を補正し、当該後続車両の推定速度として前記追跡リストに登録する速度補正部(111)と、前記推定速度に基づいて前記追跡リストに登録された前記本線車両の推定位置を特定し、当該推定位置を含む合流支援情報を合流車線を走行する合流車両に通知する通知処理部(112)と、を備える。
このようにすることで、合流支援装置は、合流区間の開始点における先行車両の第2の速度に基づいて後続車両の第1の速度を補正するので、本線を走行する先行車両及び後続車両の推定位置を精度よく特定することができる。そして、合流支援装置は、合流支援情報を通知して合流車両に本線を走行する先行車両及び後続車両推定位置を認識させることにより、合流車両が本線にスムーズに合流するための支援を行うことができる。
このようにすることで、合流支援装置は、本線車両の推定位置と車長とに基づいて、本線車両間に存在する合流スペースを精度よく演算することができる。これにより、合流支援装置は、合流車両に対し、安全に本線に合流できる合流スペースをより正確に認識させることが可能となる。
このように、合流支援情報には本線車両それぞれの合流区間への到達予測時刻が含まれているので、合流車両が合流支援情報を受信できない期間があったとしても、合流車両は到着予測時刻に基づいて安全に合流を行うことができる。
このようにすることで、合流支援装置は、本線車両が車線変更を行った場合であっても、合流車線に隣接する車線を走行する本線車両を正確に認識することができる。
このようにすることで、合流支援装置は、本線車両が車線変更を行った場合であっても、本線車両が複数の車線のうち何れの車線を走行しているかを正確に認識し、車線別に本線車両を管理することができる。
このようにすることで、合流支援システムは、車載器を介して合流車両に対し、合流車両及び本線車両の位置を適切に認識させることができる。
このようにすることで、合流車両の自動運転制御部は、合流支援情報に基づいて本線に合流するタイミングを適切に判断して、安全に本線に合流するように合流車両を制御することができる。
このようにすることで、車載器は、合流車両の運転者に、合流車両及び本線車両の位置を適切に認識させることができる。
以下、本発明の第1の実施形態に係る合流支援システム1について、図1~図13を参照しながら説明する。
図1は、第1の実施形態に係る合流支援システムの全体構成を示す図である。
図1に示すように、合流支援システム1は、合流支援装置10と、車両(合流車両V2)に搭載される車載器20とを備えている。
本実施形態に係る合流支援装置10は、道路(高速道路等)の本線L1に合流車線L2が合流する合流区間の周辺に設置される。
以下の説明において、本線L1を走行する車両を「本線車両V1」、合流車線L2を走行する車両を「合流車両V2」とも表記する。
なお、本実施形態に係る合流車両V2は、運転者がハンドル、アクセル、及びブレーキを走査して運転を行う手動運転車両である。
また、図1において、本線L1が第1車線L1a(合流車線L2に隣接する車線)と、第2車線L1b(第1車線L1aを挟んで合流車線L2とは反対側に位置する車線)との二つの車線を有する態様が示されているが、これに限られることはない。他の実施形態では、本線L1は三つ以上の車線を有していてもよい。
上流側センサ12は、第1レーザスキャナ12Aと、第2レーザスキャナ12Bとを有している。第1レーザスキャナ12A及び第2レーザスキャナ12Bは、図1に示すように、例えばL字形状の支柱により、本線L1の路面上空に設置される。
第2レーザスキャナ12Bは、本線L1の上空から、車両検知位置Aに向かってレーザ光を投光する。また、第2レーザスキャナ12Bは、第1レーザスキャナ12Aと同様の仕組みにより、車線方向に沿ってレーザ光を走査する。
第1レーザスキャナ12A及び第2レーザスキャナ12Bは、レーザ光の反射光を検知して、反射位置までの距離を計測する。これにより、第1レーザスキャナ12A及び第2レーザスキャナ12Bは、本線車両V1が車両検知位置Aに進入したことを検知するとともに、当該本線車両V1の位置(第1車線L1a又は第2車線L1bの何れを走行しているか)及び当該本線車両V1の車両諸元を特定することができる。車両諸元とは、本線車両V1の外観上、構造上の特徴を示す情報であり、例えば、車幅、車長、車高等の情報である。
更に、上流側センサ12は、第1レーザスキャナ12Aが本線車両V1を検知した時刻(本線車両V1の車頭が図1の検知開始位置PAに到達した時刻)、及び第2レーザスキャナ12Bが本線車両V1を検知した時刻(本線車両V1の車頭が図1の車両検知位置Aに到達した時刻)との時間差と、検知開始位置PAから車両検知位置Aまでの距離W1とにより、本線車両V1の車両検知位置A到達時点の速度を示す「第1の速度」を算出する。
上流側センサ12は、第1レーザスキャナ12A及び第2レーザスキャナ12Bにより取得された本線車両V1の検知時刻(車両検知位置A到達時刻)、本線車両V1の位置(車線)、車両諸元、及び第1の速度を含む検知情報を、「上流側検知情報」として制御装置11に出力する。
上流側カメラ13の撮影領域は、例えば、本線L1の車両検知位置Aから合流開始点Bまでの範囲のうち、少なくとも一部を含む。
この上流側カメラ情報によれば、撮影領域内における本線車両V1の走行位置を特定することができる。
下流側センサ14は、第3レーザスキャナ14Aと、第4レーザスキャナ14Bとを有している。下流側センサ14が有する各機器は、上流側センサ12と同様に、例えばL字形状の支柱により本線L1の路面上空に設置される。
第4レーザスキャナ14Bは、本線L1の上空から、合流開始点Bに向かってレーザ光を投光する。また、第4レーザスキャナ14Bは、第3レーザスキャナ14Aと同様の仕組みにより、車線方向に沿ってレーザ光を走査する。
第3レーザスキャナ14A及び第4レーザスキャナ14Bは、上流側センサ12の各機器と同様の仕組みにより、本線車両V1が合流開始点Bに進入したことを検知するとともに、当該本線車両V1の車両諸元を特定することができる。
更に、第3レーザスキャナ14A及び第4レーザスキャナ14Bは、第3レーザスキャナ14Aが本線車両V1を検知した時刻(本線車両V1の車頭が図1の検知開始位置PBに到達した時刻)、及び第4レーザスキャナ14Bが本線車両V1を検知した時刻(本線車両V1の車頭が図1の合流開始点Bに到達した時刻)との時間差と、検知開始位置PBから合流開始点Bまでの距離W2とにより、本線車両V1の合流開始点B到達時の速度を示す「第2の速度」を算出する。
下流側センサ14は、第3レーザスキャナ14A及び第4レーザスキャナ14Bにより取得された本線車両V1の検知時刻(合流開始点B到達時刻)、本線車両V1の位置(車線)、車両諸元、及び第2の速度を含む検知情報を、「下流側検知情報」として制御装置11に出力する。
下流側カメラ15の撮影領域は、例えば、本線L1の合流開始点Bから合流区間の終了点(以下、「合流終了点C」)までの範囲を含む。
この下流側カメラ情報によれば、撮影領域内において、合流車両V2が本線L1に正しく合流できたか否か、即ち、合流支援システム1が正常に稼働しているか否かを監視することができる。
路側無線機16は、無線通信を介して合流車線L2を走行する合流車両V2に向けて合流支援情報T2を送信する。このとき、合流車両V2には車載器20が搭載されており、合流車両V2は当該車載器20を介して路側無線機16から合流支援情報T2を受信する。なお、路側無線機16及び車載器20は、狭域通信(Dedicated Short Range Communications:DSRC)技術に基づく無線通信を行う。
また、路側無線機16は、合流終了点Cから上流側に遡って複数箇所に設置される。このようにすることで、合流車両V2は、合流車線L2の上流側から合流終了点Cに到達するまでの間に、路側無線機16を通じて合流支援情報T2を受信することができるので、合流に係る運転操作を適切に判断することが可能となる。
図2は、第1の実施形態に係る合流支援システムの機能構成を示す図である。
図2に示すように、制御装置11は、登録処理部110と、速度補正部111と、通知処理部112とを有している。
なお、速度補正部111は、補正した第1の速度を後続車両の推定速度として追跡リストT1に追加して更新する。
また、以下の説明において、特に記載しない限り、「本線車両V1」は先行車両及び後続車両の両方を含む。
また、測位情報取得部200は、時刻毎の自車両の位置の変化に基づいて、自車両の移動速度を求めてもよい。
図3は、第1の実施形態に係る合流支援装置の処理の一例を示す第1のフローチャートである。
図4は、第1の実施形態に係る追跡リストの一例を示す図である。
以下、図3及び図4を参照して、合流支援装置10の制御装置11が本線車両V1を追跡リストT1に登録する処理の一例について説明する。
登録処理部110は、本線車両V1が第1の速度を維持して合流開始点B及び合流終了点Cまで走行する(定速走行を行う)と仮定する。このため、登録処理部110は、上流側検知情報に含まれる本線車両V1の第1の速度と、車両検知位置Aから合流開始点Bまでの距離X1及び合流開始点Bから合流開始点Bまでの距離X2とに基づいて、「合流開始点Bへの到達予測時刻」及び「合流終了点Cへの到達予測時刻」を算出する。
追跡リストT1には、図4に示すように、本線L1を走行する本線車両V1に係る情報が、車両別に登録される。具体的には、追跡リストT1には、本線車両V1が車両検知位置Aに到達した時刻を示す「検知時刻」と、本線車両V1の車両検知位置A到達時点の速度を示す「第1の速度」と、本線車両V1の「車両諸元(車幅、車長、車高)」と、「合流開始点Bへの到達予測時刻」及び「合流終了点Cへの到達予測時刻」とが、車両IDに関連付けられて登録される。
また、本実施形態において、追跡リストT1は、本線L1の車線別に作成される。即ち、本実施形態に係る登録処理部110は、上流側検知情報に含まれる「本線車両V1の位置(車線)」に基づいて、当該本線車両V1に係る情報を第1車線L1aの追跡リスト又は第2車線L1bの追跡リストの何れかに登録する。
なお、他の実施形態では、合流車線L2に隣接する第1車線L1aの追跡リストのみが生成、更新される態様であってもよい。
図6は、第1の実施形態に係る合流支援装置の機能を説明するための図である。
以下、図4~図6を参照して、合流支援装置10の制御装置11が本線車両V1の推定速度を算出する処理の一例について説明する。
例えば、図6に示すように、複数の本線車両V1のうち車両a6が合流開始点Bに到達し、ステップS20において、当該車両a6に関する下流側検知情報を受信したとする。速度補正部111は、下流側検知情報に基づいて、車両a6が「第1車線L1a」を走行していると特定する。そして、速度補正部111は、第1車線L1aの追跡リストT1に登録されている本線車両V1のうち、下流側検知情報に含まれる車両a6の「検知時刻(合流開始点Bに到達した時刻)」及び「車両諸元」と一致する「合流開始点Bへの到達予測時刻」及び「車両諸元」を有する本線車両V1を、車両a6と同一の本線車両V1であると特定する。
このとき、速度補正部111は、下流側検知情報の「検知時刻」と、追跡リストT1の「合流開始点Bへの到達予測時刻」との時間差が所定時間以内である場合、これらの情報が一致すると判断する。また、速度補正部111は、上流側センサ12と下流側センサ14における計測誤差を考慮して、下流側検知情報の「車両諸元」と、追跡リストT1の「車両諸元」とが所定の誤差範囲内である場合、双方の「車両諸元」が一致すると判断する。
ここでは、速度補正部111は、例えば追跡リストT1(図4)の「車両ID:IDA06」に関連付けられた本線車両V1が、車両a6と同一の本線車両V1であると特定したとする。
ここでは、速度補正部111は、追跡リストT1に登録された車両a6(図4の「車両ID:IDA06」)の「第1の速度」(図4の「VA6」)と、ステップS22で取得した「第2の速度」(図4の「VB6」)との速度の変化に基づいて、補正係数を算出する。
後続車両は、車両a6よりも車線上流側を走行する車両である。具体的には、速度補正部111は、追跡リストT1に登録されている本線車両V1のうち、第2の速度が登録されていない(即ち、合流開始点Bに到達していない)本線車両V1を、後続車両として抽出する。そして、速度補正部111は抽出した後続車両(車両a1、車両a3、車両a4)それぞれの第1の速度に、ステップS23で算出した補正係数を乗じて、後続車両(車両a1、車両a3、車両a4)それぞれの第1の速度を補正した「推定速度」を算出する。
図4及び図6の例では、車両a1、車両a3、及び車両a4が後続車両であり、それぞれ「車両ID:IDA01」、「車両ID:IDA03」、及び「車両ID:IDA04」が付された本線車両V1であるとする。
本実施形態に係る速度補正部111は、先行する車両a6の速度の変化(加減速)に応じて、後続車両である車両a1、車両a3、車両a4の速度も同じように変化するものと仮定する。このような仮定にしたがい、速度補正部111は、車両a1、車両a3、車両a4それぞれの第1の速度(図4の「VA1」、「VA3」、「VA4」)に、先行する車両a6の速度の変化に基づく補正係数を乗じることにより、当該車両a6が合流開始点Bに到達した時点における、車両a1、車両a3、車両a4それぞれの推定速度(図4の「EV1」、「EV3」、「EV4」)を算出する。
また、速度補正部111は、算出した後続車両の推定速度を、追跡リストT1に追加して更新する。なお、速度補正部111は、以前の処理において推定速度が算出済みである場合は、新たに算出した推定速度により上書きする。
このようにすることで、制御装置11は、車両検知位置Aから合流開始点Bまでの区間が長距離であっても、当該区間に速度を検出するための機器を設けることなく、本線車両V1それぞれの推定速度を精度よく算出することができる。
図8は、第1の実施形態に係る合流支援情報の一例を示す図である。
以下、図7及び図8を参照して、制御装置11が合流支援情報T2を作成する処理の一例について説明する。
例えば、通知処理部112は、図6の車両a4の推定位置を特定する場合、車両a4(図4の「車両ID:IDA04」)が車両検知位置Aに到達したことを検知した時刻(図4の「検知時刻:TA4」)と、現在時刻と、推定速度(図4の「EV4」)とに基づいて、現在の車両a4の推定位置「Pt4」を特定する。ここで、通知処理部112が特定する車両a4の推定位置は、車両a4の車頭位置(車体前端)である。また、推定位置は、例えば合流開始点Bを起点(0m)とした距離で示され、合流開始点Bよりも車線方向上流側はマイナス値(-X1m~0m)、下流側はプラス値(0m~+X2m)で示される。
通知処理部112は、このように追跡リストT1に登録されている全ての本線車両V1の現在の推定位置を特定し、追跡リストT1のそれぞれの推定位置を更新する。このとき、通知処理部112は、推定位置が合流終了点Cよりも車線方向下流側であると特定した場合、即ち本線車両V1が合流終了点Cを通過した場合、当該本線車両V1を追跡リストT1から削除する。
また、通知処理部112は、追跡リストT1に登録されている全ての本線車両V1の「合流開始点Bへの到達予測時刻」及び「合流終了点Cへの到達予測時刻」を算出し、追跡リストT1を更新する。
具体的には、通知処理部112は、合流車線L2に隣接する第1車線L1aの追跡リストT1に登録されている本線車両V1それぞれの間に存在する合流スペースの始点及び終点と、合流スペースの移動速度とを演算する。ここで、合流スペースの始点は先行車両の車尾位置(車体後端)を示し、終点は後続車両の車頭位置を示す。したがって、合流スペースの始点は、追跡リストT1に登録された先行車両の推定位置から、当該先行車両の車長を差し引くことで算出される。また、合流スペースの終点は、後続車両の車頭位置を示す推定位置が採用される。合流スペースの移動速度は、例えば合流スペースを構成する先行車両及び後続車両の推定速度の平均速度として算出される。
そして、通知処理部112は、図8に示すように、合流スペースそれぞれに付した「スペースID」と、合流スペースを構成する「対象車両」と、合流スペースの「始点」及び「終点」と、「移動速度」とを関連付けた「合流スペース情報」を生成する。
図4及び図6の例では、通知処理部112は、先行車両である車両a3(図4の「車両ID:IDA03」)と車両a1(図4の「車両ID:IDA01」)との間の合流スペース(「スペースID:SP01」)として、「対象車両=IDA03、IDA01」、「始点=車両a3の推定位置(Pt3)-車両a3の車長(vl3)」、「終点=車両a1の推定位置(Pt1)」、及び「移動速度(Vs1)=(車両a3の推定速度(EV3)+車両a1の推定速度(EV1))/2」と演算する。
なお、通知処理部112は、ある二つの本線車両V1(例えば図6の先行車両a4及び後続車両a4)間の車間距離が所定の判定閾値(安全に合流できるか否かの判断に基づいて規定される閾値)に満たない場合は、これら本線車両V1間には合流スペースが存在しないものと判断する。したがって、通知処理部112は、所定の判定閾値以上の車間距離を有する合流スペースのみを、合流スペース情報に含めるものとする。このように、通知処理部112は、安全に合流することが可能な合流スペースのみを合流車両V2に通知するので、合流時の安全性を高めることができる。
また、合流支援情報T2には本線車両V1それぞれの合流開始点B及び合流終了点Cへの到達予測時刻が含まれているので、合流車両V2が路側無線機16の通信領域外を走行中で合流支援情報T2を受信できない期間があったとしても、合流車両V2は到着予測時刻に基づいて安全に合流を行うことができる。
以下、図9を参照して、制御装置11が本線車両V1の車線変更を監視する処理の流れについて説明する。
例えば、登録処理部110は、上流側カメラ情報(映像)内における検出車両の位置、大きさ等に基づいて、当該検出車両の「走行位置(走行している車線、及び車線方向における位置)」を特定する。そして、車線別の追跡リストT1に登録されている本線車両V1のうち、検出車両の「走行位置」と一致する「推定位置」を有する本線車両V1を、当該検出車両と同一の本線車両V1として関連付けを行う。なお、登録処理部110は、検出車両の「走行位置」と、追跡リストT1の「推定位置」との距離が所定範囲内である場合、これらの位置が一致すると判断する。このとき、登録処理部110は、検出車両の「走行位置」に基づいて、追跡リストT1の「推定位置」を補正(更新)してもよい。
また、登録処理部110は、関連付けを行った検出車両に、追跡リストT1に登録された車両IDを付与する。
登録処理部110は、ある検出車両(例えば、図6の車両a2)が第1車線L1aから第2車線L1bに車線変更を行ったことを検出した場合(ステップS41:YES)、当該検出車両と関連付けられた本線車両V1(例えば、図4の「車両ID:IDA02」)の情報を第1車線L1aの追跡リストT1から削除するとともに、当該本線車両V1の情報を第2車線L1bの追跡リストT1に追加して、車線別の追跡リストT1を更新する(ステップS42)。
一方、登録処理部110は、車線変更が検出されなかった場合(ステップS41:NO)、追跡リストT1を更新せず処理を終了する。
以下、図10を参照して、制御装置11が合流車両V2の合流を監視する処理の一例について説明する。
また、登録処理部110は、関連付けを行った検出車両に、追跡リストT1に登録された車両IDを付与する。
例えば、登録処理部110は、既知の動画像処理技術を利用して、合流車線L2から移動してくる合流車両V2が、どの本線車両V1の上流側(または下流側)に合流を行ったかを検出する。
図11は、第1の実施形態に係る車載器の処理の一例を示すフローチャートである。
図12は、第1の実施形態に係る車載器の機能を説明するための図である。
以下、図11~図12を参照して、車載器20が合流車両V2の運転者に対し、合流支援の提供を行う処理の一例について説明する。
図12に示すように、案内情報Dには、本線画像DL1、合流車線画像DL2、自車両画像Ds、車両画像Da1~Da6、及び合流スペース画像Dsp1~Dsp2が含まれる。車両画像Da1~Da6は、それぞれ本線L1を走行する車両a1~a6(図6)に関連するものである。
案内情報生成部202は、車載器20に予め記録されているマップ情報と、測位情報取得部200を通じて取得される衛星航法情報とに基づいて、本線画像DL1、合流車線画像DL2、及び、自車両画像Dsを生成する。また、案内情報生成部202は、合流車線情報(図8)に基づいて車両画像Da1~Da6を生成し、合流スペース情報(図8)に基づいて合流スペース画像Dsp1~Dsp2を生成する。
更に、案内情報生成部202は、合流スペースを構成する本線車両V1それぞれの合流開始点B及び合流終了点Cへの到達予測時刻に基づき、自車両がどの合流スペースに合流可能であるかを判断する。このとき、案内情報生成部202は、測位情報取得部200を通じて取得した自車両の位置及び移動速度を考慮して、合流可能な合流スペースを判断する。例えば、案内情報生成部202は、図6の車両a6~車両a4間の合流スペース(図8の「スペースID:SP02」)に合流可能であると判断する。このとき、案内情報生成部202は、当該合流スペースに対応する合流スペース画像Dsp2を強調表示した案内情報Dを生成してもよい。
図13は、少なくとも一の実施形態に係る合流支援装置10のハードウェア構成を示す図で
コンピュータ900は、CPU901、主記憶装置902、補助記憶装置903、インタフェース904を備える。
上述の合流支援装置10の制御装置11は、コンピュータ900に実装される。そして、上述した登録処理部110、速度補正部111、通知処理部112の各機能は、プログラムの形式で補助記憶装置903に記憶されている。CPU901は、プログラムを補助記憶装置903から読み出して主記憶装置902に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU901は、プログラムに従って、各種処理に用いる記憶領域を主記憶装置902に確保する。
以上のように、本実施形態に係る合流支援装置10は、本線L1上にある合流区間の開始点(合流開始点B)よりも上流側の地点を走行する本線車両V1の「第1の速度」を取得し、追跡リストT1に登録する登録処理部110と、追跡リストT1に登録された本線車両V1のうち一の車両である先行車両の「第2の速度」を取得し、当該「第2の速度」に基づいて追跡リストT1に登録された本線車両V1のうち先行車両よりも下流側を走行する後続車両の「第1の速度」を補正し、当該後続車両の推定速度として追跡リストT1に登録する速度補正部111と、推定速度に基づいて追跡リストT1に登録された本線車両V1の推定位置を特定し、当該推定位置を含む合流支援情報T2を合流車線L2を走行する合流車両V2に通知する通知処理部112と、を備える。
このようにすることで、合流支援装置10は、合流開始点Bにおける先行車両の「第2の速度」に基づいて後続車両の第1の速度を補正するので、本線L1を走行する先行車両及び後続車両の推定位置を精度よく特定することができる。そして、合流支援装置10は、合流支援情報T2を通知して合流車両V2に先行車両及び後続車両の推定位置を認識させることにより、合流車両V2が本線L1にスムーズに合流するための支援を行うことができる。
このようにすることで、合流支援装置10は、本線車両V1の推定位置と車長とに基づいて、本線車両V1間に存在する合流スペースを精度よく演算することができる。これにより、合流支援装置10は、合流車両V2に対し、安全に本線L1に合流できる合流スペースをより正確に認識させることが可能となる。
このように、合流支援情報T2には本線車両V1それぞれの合流開始点B及び合流終了点Cへの到達予測時刻が含まれているので、合流車両V2が路側無線機16の通信領域外を走行中で合流支援情報T2を受信できない期間があったとしても、合流車両V2は到着予測時刻に基づいて安全に合流を行うことができる。
このようにすることで、合流支援装置10は、本線車両V1が車線変更を行った場合であっても、合流車線L2に隣接する車線(第1車線L1a)を走行する本線車両V1を正確に認識することができる。
このようにすることで、合流支援装置10は、本線車両V1が車線変更を行った場合であっても、本線車両V1が複数の車線のうち何れの車線を走行しているかを正確に認識し、車線別に本線車両V1を管理することができる。
このようにすることで、車載器20は、合流車両V2の運転者に、合流車両V2及び本線車両V1の位置を適切に認識させることができる。
このようにすることで、案内情報生成部202は、合流車両V2の運転者に対し、どの本線車両V1間のスペースに合流すべきかを適切に認識させることができる。これにより、車載器20は、合流車両V2がより安全且つスムーズに本線L1に合流するための支援を行うことができる。
次に、本発明の第2の実施形態に係る合流支援システム1について説明する。
第1の実施形態と共通の構成要素には同一の符号を付して詳細説明を省略する。
本実施形態に係る合流車両V2は、自律して走行が可能な自動運転車両であるものとする。
図14に示すように、本実施形態に係る合流車両V2は、自動運転制御部21を有している点において、第1の実施形態とは異なっている。
自動運転制御部21は、自動運転制御を司る。また、自動運転制御部21は、車載器20の受信部201が受信した合流支援情報T2と、測位情報取得部200を通じて取得した自車両(合流車両V2)の位置とに基づいて、合流車線L2における自車両の位置及び速度を調整する。
例えば、自動運転制御部21は、合流支援情報T2に含まれる本線車両V1それぞれの合流開始点B及び合流終了点Cへの到達予測時刻に基づき、自車両がどの本線車両V1間の合流スペースに合流可能であるかを判断する。このとき、自動運転制御部21は、測位情報取得部200を通じて取得した自車両の位置及び移動速度を考慮して、合流可能な合流スペースを判断する。例えば、自動運転制御部21は、図6の車両a6~車両a4間の合流スペース(図8の「スペースID:SP02」)に合流可能であると判断する。このとき、自動運転制御部21は、合流支援情報T2(合流スペース情報)に示される当該合流スペースの移動速度(図8の「移動速度:Vs2」)に一致するように、自車両の加減速を行う。また、自動運転制御部21は、自車両の位置が合流支援情報T2(合流スペース情報)に示される当該合流スペースの始点と終点との間に位置するように、位置の調整を行う。
例えば、上述の実施形態において、合流車両V2の車載器20が路側無線機16から合流支援情報T2を受信する態様について説明したが、これに限られることはない。例えば、車載器20は、近傍に位置する車載器同士で近距離無線通信を行うV2V(Vehicle to Vehicle)の技術を利用して、路側無線機16から受信した合流支援情報T2を、他の合流車両V2の車載器20に送信(転送)するようにしてもよい。
このようにすることで、合流車両V2が路側無線機16の通信領域内に位置していない場合であっても、車載器20は、他の合流車両V2の車載器20から、最新の合流支援情報T2を常に受信し続けることが可能となる。
他の実施形態では、制御装置11の登録処理部110が、上流側カメラ13から出力された上流側カメラ情報に基づいて本線車両V1の第1の速度を算出するとともに、下流側カメラ15から出力された下流側カメラ情報に基づいて本線車両V1の第2の速度を算出するようにしてもよい。
更に他の実施形態では、車両検出位置Aに設置された路車間通信を行うためのアンテナ(不図示)と本線車両V1との通信に基づいて、当該本線車両V1の第1の速度を算出するようにしてもよい。同様に、合流開始点Bに設置された路車間通信を行うためのアンテナ(不図示)と本線車両V1との通信に基づいて、当該本線車両V1の第2の速度を算出するようにしてもよい。
このような態様であっても、上述の各実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
10 合流支援装置
11 制御装置
12 上流側センサ(第1路側センサ)
12A 第1レーザスキャナ
12B 第2レーザスキャナ
13 上流側カメラ(カメラ)
14 下流側センサ(第2路側センサ)
14A 第3レーザスキャナ
14B 第4レーザスキャナ
15 下流側カメラ
16 路側無線機
20 車載器
21 自動運転制御部
110 登録処理部
111 速度補正部
112 通知処理部
200 測位情報取得部
201 受信部
202 案内情報生成部
203 表示パネル
Claims (10)
- 本線上にある合流区間の開始点よりも上流側の地点を走行する本線車両の速度である第1の速度を取得し、追跡リストに登録する登録処理部と、
前記追跡リストに登録された前記本線車両のうち一の車両である先行車両の前記合流区間の開始点における速度である第2の速度を取得し、当該第2の速度と、前記追跡リストに登録された前記先行車両の前記第1の速度との速度の変化に基づく補正係数を算出し、前記追跡リストに登録された前記本線車両のうち前記先行車両よりも下流側を走行する後続車両の前記第1の速度に前記補正係数を乗じて補正した速度を、当該後続車両の推定速度として前記追跡リストに登録する速度補正部と、
前記推定速度に基づいて前記追跡リストに登録された前記本線車両の推定位置を特定し、当該推定位置を含む合流支援情報を合流車線を走行する合流車両に通知する通知処理部と、
を備える合流支援装置。 - 前記通知処理部は、複数の前記本線車両それぞれの前記推定位置と、前記本線車両の車長とに基づいて前記本線車両間に存在する合流スペースを演算し、
前記合流支援情報は、前記合流スペースを示す合流スペース情報を更に含む、
請求項1に記載の合流支援装置。 - 前記通知処理部は、前記推定速度に基づいて、前記本線車両が前記合流区間の開始点に到達する到達予想時刻を算出し、
前記合流支援情報は、前記到達予想時刻を更に含む、
請求項1又は2に記載の合流支援装置。 - 前記登録処理部は、
前記合流区間の前記開始点よりも上流側の前記本線に設けられたカメラを通じて、前記本線車両が前記本線の有する複数の車線のうち、前記合流車線に隣接する車線から他の車線に移動したことを検出した場合、当該本線車両を前記追跡リストから削除する、
請求項1から3の何れか一項に記載の合流支援装置。 - 前記登録処理部は、
前記合流区間の前記開始点よりも上流側の前記本線に設けられたカメラを通じて、前記本線車両が前記本線の有する複数の車線のうち、前記合流車線に隣接する車線から他の車線に移動したことを検出した場合、当該本線車両を前記合流車線に隣接する車線の追跡リストから削除するとともに、前記他の車線の追跡リストに追加して更新する、
請求項1から3の何れか一項に記載の合流支援装置。 - 請求項1から5の何れか一項に記載された合流支援装置と、
前記合流車両に搭載された車載器と、
を備え、
前記車載器は、前記合流車両の前記合流車線上における位置と、前記合流支援情報に含まれる前記本線車両の前記本線上における位置とを示す案内情報を生成する案内情報生成部を備える、
合流支援システム。 - 前記合流車両の自動運転に係る制御を行う自動運転制御部を更に備え、
前記自動運転制御部は、前記合流支援情報に基づいて、前記合流車両の前記合流車線上における位置及び速度を調整する、
請求項6に記載の合流支援システム。 - 請求項1から5の何れか一項に記載された合流支援装置から前記合流支援情報を受信する受信部と、
前記合流車両の前記合流車線上における位置と、前記合流支援情報に含まれる前記本線車両の前記本線上における位置とを示す案内情報を生成する案内情報生成部と、
を備える車載器。 - 合流支援装置が、本線上にある合流区間の開始点よりも上流側の地点を走行する本線車両の速度である第1の速度を取得し、追跡リストに登録する登録処理ステップと、
前記合流支援装置が、前記追跡リストに登録された前記本線車両のうち一の車両である先行車両の前記合流区間の開始点における速度である第2の速度を取得し、当該第2の速度と、前記追跡リストに登録された前記先行車両の前記第1の速度との速度の変化に基づく補正係数を算出し、前記追跡リストに登録された前記本線車両のうち前記先行車両よりも下流側を走行する後続車両の前記第1の速度に前記補正係数を乗じて補正した速度を、当該後続車両の推定速度として前記追跡リストに登録する速度補正ステップと、
前記合流支援装置が、前記推定速度に基づいて前記追跡リストに登録された前記本線車両の推定位置を特定し、当該推定位置を含む合流支援情報を合流車線を走行する合流車両に通知する通知処理ステップと、
を有する合流支援方法。 - 合流支援装置のコンピュータを機能させるプログラムであって、前記コンピュータに、
本線上にある合流区間の開始点よりも上流側の地点を走行する本線車両の速度である第1の速度を取得し、追跡リストに登録する登録処理ステップと、
前記追跡リストに登録された前記本線車両のうち一の車両である先行車両の前記合流区間の開始点における速度である第2の速度を取得し、当該第2の速度と、前記追跡リストに登録された前記先行車両の前記第1の速度との速度の変化に基づく補正係数を算出し、前記追跡リストに登録された前記本線車両のうち前記先行車両よりも下流側を走行する後続車両の前記第1の速度に前記補正係数を乗じて補正した速度を、当該後続車両の推定速度として前記追跡リストに登録する速度補正ステップと、
前記推定速度に基づいて前記追跡リストに登録された前記本線車両の推定位置を特定し、当該推定位置を含む合流支援情報を合流車線を走行する合流車両に通知する通知処理ステップと、
を実行させるプログラム。
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