JP2023104628A - 車両制御装置 - Google Patents

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Kenta Kumazaki
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Abstract

【課題】自動運転制御されている車両の安全性を確保しつつ、ドライバに対する運転交代要求の要求頻度を低下させることができる車両制御装置を提供する。【解決手段】車両制御装置は、地図情報または車両10周囲の画像に基づいて、車両10周囲の環境が、車両10が走行中の車線から逸脱することが可能な環境条件を満たすか否か判定する環境判定部31と、車両10がその走行中の車線から逸脱した逸脱量または逸脱期間に対する閾値により規定される逸脱判定条件について、環境条件が満たされない場合よりも環境条件が満たされる場合の方が閾値を大きくするようにその逸脱判定条件を設定する条件設定部32と、車両10の自動運転制御中において、逸脱判定条件が満たされた場合に車両10が車線を逸脱したと判定する逸脱判定部33と、車両10が車線を逸脱した場合に、通知機器4を介してドライバへ運転交代要求を通知する通知部34とを有する。【選択図】図3

Description

本発明は、車両を自動運転制御することが可能な車両制御装置に関する。
自動運転制御されている車両が走行中の走行経路から逸脱したときに、手動運転制御に切り替える技術が提案されている(特許文献1を参照)。特許文献1に記載された作業車両では、コントローラは、搭乗者の運転操作によらず自律走行する自動運転モードの場合、作業車両の走行経路からの逸脱距離が所定の閾値以上のとき、運転モードを手動運転モードに切り換える。
また、車両が走行中の車線から逸脱したときに、ドライバにその逸脱を警告し、あるいは、その逸脱を抑制するように車両を制御する技術が提案されている。しかしながら、そのような逸脱により車両の安全性が損なわれない場合にまで、逸脱の警告が行われると、ドライバに煩わしさを感じさせることがある。また、逸脱を抑制するための制御が行われることで、却って車両の安全性が損なわれることがある。そこで、車線からの車両の逸脱が検知されたときに、車両の周囲の状況に応じて警告または逸脱抑制の制御を行わない技術が提案されている(特許文献2~4を参照)。
特許文献2に開示された車両逸脱防止装置は、先行車両が横移動した場合、走行車線からの自車両の逸脱を回避する逸脱回避制御を抑制する。
特許文献3に開示された車両運転者支援システムは、車線マークの種類に基づいて、それぞれの車線マークの乗り越えによる車線の逸脱が許容されているか否かを検知する。また、このシステムでは、車線逸脱傾向が検知された場合の逸脱警告の出力に引き続き、走行コースを修正する調整動作が作動するように設定される。このシステムでは、車線の逸脱が許容されていないこと、または車線の逸脱が許容されている場合でも、検知されている側方の物体と衝突する危険のあることが、調整動作の作動条件として設定される。
特許文献4に開示された運転支援装置は、自車両が走行車線から逸脱して特定領域へ進入したか否かの判断結果と、特定領域の周辺に存在する障害物の検出結果とに応じて自車両の運転を支援する。特定領域は、ゼブラゾーンとすることができ、この運転支援装置は、自車両が走行車線から逸脱する可能性が有ると判断し、かつ自車両の前方にゼブラゾーンが無いと判断したとき、自車両が走行車線から逸脱する可能性があることを運転者に警告する。一方、自車両の前方にゼブラゾーンがあると判断すると、運転支援装置は、自車両がゼブラゾーンに進入する可能性があるか否かを判断する。そして運転支援装置は、自車両がゼブラゾーンに進入する可能性がないと判断したとき、あるいは進入する可能性があると判断したゼブラゾーンの周辺に障害物が存在しないと判断したとき、運転者に警告する必要がないと判断する。
特開2020-147175号公報 特開2005-157754号公報 特開2011-512283号公報 特開2011-243122号公報
自動運転制御されている車両が走行中の車線から逸脱しても安全上特に問題が無い場合にまで、ドライバに対して制御主体をドライバに変更するための運転交代の要求がなされると、ドライバが不便に感じることがある。また、車線区画線の誤認識などの理由により、実際には車両が走行中の車線を逸脱していないにもかかわらず、運転交代の要求がなされることがあり、この場合も、ドライバの利便性を損ねることになる。
そこで、本発明は、自動運転制御されている車両の安全性を確保しつつ、ドライバに対する運転交代要求の要求頻度を低下させることができる車両制御装置を提供することを目的とする。
一つの実施形態によれば、車両を自動運転制御することが可能な車両制御装置が提供される。この車両制御装置は、地図情報または車両に搭載されたカメラにより得られた車両周囲の画像に基づいて、車両周囲の環境が、車両が走行中の車線から逸脱することが可能な環境条件を満たすか否か判定する環境判定部と、車両がその車線から逸脱した逸脱量または逸脱期間に対する閾値により規定される逸脱判定条件について、環境条件が満たされない場合よりも環境条件が満たされる場合の方が閾値を大きくするように、逸脱判定条件を設定する条件設定部と、車両の自動運転制御中において、車両の逸脱量がその逸脱量に対する閾値以上となるか、または車両の逸脱量がその逸脱量に対する閾値以上となる逸脱期間がその逸脱期間に対する閾値以上となる場合に車両が逸脱判定条件を満たすと判定し、逸脱判定条件が満たされた場合に車両が車線を逸脱したと判定する逸脱判定部と、車両が車線を逸脱した場合に、車両の制御主体を車両のドライバへ変更することを、通知機器を介してドライバへ通知する通知部とを有する。
本開示による車両制御装置は、自動運転制御されている車両の安全性を確保しつつ、ドライバに対する運転交代要求の要求頻度を低下させることができるという効果を奏する。
車両制御装置が実装される車両制御システムの概略構成図である。 車両制御装置の一つの実施形態である電子制御装置のハードウェア構成図である。 車両制御処理に関する、電子制御装置のプロセッサの機能ブロック図である。 (a)及び(b)は、導流帯の有無に基づく環境条件の判定の一例を示す図である。 (a)及び(b)は、障害物と自車線間の距離に基づく環境条件の判定の一例を示す図である。 先行車両の挙動に基づく環境条件の判定の一例を示す図である。 車両制御処理の動作フローチャートである。
以下、図を参照しつつ、車両制御装置、及び、車両制御装置において実施される車両制御方法ならびに車両制御用コンピュータプログラムについて説明する。この車両制御装置は、車両を自動運転制御することが可能となっている。そしてこの車両制御装置は、車両の自動運転制御中において、車両が走行中の車線(以下、自車線と呼ぶことがある)を逸脱したことを検知すると、車両の制御主体を車両のドライバへ変更するための運転交代要求をドライバへ通知する。この車両制御装置は、車両が自車線を逸脱したか否かを判定するための逸脱判定条件を設定するために、車両周囲の環境が、車両が自車線から逸脱することが可能な環境条件を満たすか否か判定する。そして車両制御装置は、その判定結果に基づいて、車両が自車線から逸脱した逸脱量または逸脱期間に対する閾値で規定される逸脱判定条件を設定する。その際、この車両制御装置は、環境条件が満たされない場合よりも環境条件が満たされる場合の方が閾値を大きくする。
図1は、車両制御装置が実装される車両制御システムの概略構成図である。また図2は、車両制御装置の一つの実施形態である電子制御装置のハードウェア構成図である。車両制御システム1は、車両10に搭載され、かつ、車両10を制御する。そのために、車両制御システム1は、GPS受信機2と、カメラ3と、ユーザインターフェース4と、ストレージ装置5と、車両制御装置の一例である電子制御装置(ECU)6とを有する。GPS受信機2、カメラ3、ユーザインターフェース4及びストレージ装置5とECU6とは、コントローラエリアネットワークといった規格に準拠した車内ネットワークを介して通信可能に接続される。なお、車両10は、自車両の一例である。さらに、車両制御システム1は、目的地までの走行予定ルートを探索するためのナビゲーション装置(図示せず)を有していてもよい。さらに、車両制御システム1は、LiDAR、レーダあるいはソナーといった、車両10の周囲の物体までの距離を測定する測距センサ(図示せず)を有していてもよい。
GPS受信機2は、所定の周期ごとにGPS衛星からのGPS信号を受信し、受信したGPS信号に基づいて車両10の自己位置を測位する。そしてGPS受信機2は、所定の周期ごとに、GPS信号に基づく車両10の自己位置の測位結果を表す測位情報を、車内ネットワークを介してECU6へ出力する。なお、車両10は、GPS受信機2以外の衛星測位システムに準拠した受信機を有していてもよい。この場合、その受信機が車両10の自己位置を測位すればよい。
カメラ3は、車両10の周囲の物体を検知可能なセンサの一例である。カメラ3は、CCDあるいはC-MOSなど、可視光に感度を有する光電変換素子のアレイで構成された2次元検出器と、その2次元検出器上に撮影対象となる領域の像を結像する結像光学系を有する。カメラ3は、例えば、車両10の前方を向くように、例えば、車両10の車室内に取り付けられる。そしてカメラ3は、所定の撮影周期(例えば1/30秒~1/10秒)ごとに車両10の前方領域を撮影し、その前方領域が写った画像を生成する。カメラ3により得られた画像は、センサ信号の一例であり、カラー画像であってもよく、あるいは、グレー画像であってもよい。なお、車両10には、撮影方向または焦点距離が異なる2台以上のカメラが設けられてもよい。
カメラ3は、画像を生成する度に、その生成した画像を、車内ネットワークを介してECU6へ出力する。
ユーザインターフェース4は、通知機器の一例であり、例えば、液晶ディスプレイといった表示装置またはタッチパネルディスプレイを有する。ユーザインターフェース4は、車両10の車室内、例えば、インスツルメンツパネルの近傍に、ドライバへ向けて設置される。そしてユーザインターフェース4は、ECU6から車内ネットワークを介して受信した、運転交代要求などの所定の警告または情報を、アイコンにより、または文字情報として表示することで、その警告または情報をドライバへ通知する。ユーザインターフェース4は、インスツルメンツパネルに設けられる1以上の光源、車室内に設置されるスピーカ、または、ステアリングあるいはドライバシートに設けられる振動機器を有していてもよい。この場合、ユーザインターフェース4は、ECU6から車内ネットワークを介して受信した所定の警告または情報を音声信号として出力することで、その警告または情報をドライバへ通知する。あるいは、ユーザインターフェース4は、ECU6から車内ネットワークを介して受信した信号により振動機器を振動させることで、その振動によりドライバに所定の警告または情報を通知してもよい。あるいはまた、ユーザインターフェース4は、ECU6から車内ネットワークを介して受信した信号により光源を点灯または点滅させることで所定の警告または情報を通知してもよい。
ストレージ装置5は、記憶部の一例であり、例えば、ハードディスク装置、不揮発性の半導体メモリ、または光記録媒体及びそのアクセス装置を有する。そしてストレージ装置5は、地図情報の一例である高精度地図を記憶する。高精度地図には、例えば、その高精度地図に表される所定の領域に含まれる各道路についての車線区画線または停止線といった道路標示を表す情報、道路標識を表す情報、及び、道路周囲の地物(例えば、防音壁等)を表す情報が含まれる。
さらに、ストレージ装置5は、高精度地図の更新処理、及び、ECU6からの高精度地図の読出し要求に関する処理などを実行するためのプロセッサを有していてもよい。この場合、ストレージ装置5は、例えば、車両10が所定距離だけ移動する度に、無線通信端末(図示せず)を介して地図サーバへ高精度地図の取得要求を車両10の現在位置とともに送信する。そしてストレージ装置5は、地図サーバから無線通信端末を介して車両10の現在位置の周囲の所定の領域についての高精度地図を受信する。また、ストレージ装置5は、ECU6からの高精度地図の読出し要求を受信すると、記憶している高精度地図から、車両10の現在位置を含み、上記の所定の領域よりも相対的に狭い範囲を切り出して、車内ネットワークを介してECU6へ出力する。
ECU6は、車両10に対して自動運転モードが適用されている場合、車両10を自動運転制御する。そしてECU6は、車両10が自車線を逸脱したか否かを判定し、車両10が自車線を逸脱したと判定した場合に、ユーザインターフェース4を介して、ドライバに対して運転交代要求を通知する。
図2に示されるように、ECU6は、通信インターフェース21と、メモリ22と、プロセッサ23とを有する。通信インターフェース21、メモリ22及びプロセッサ23は、それぞれ、別個の回路として構成されてもよく、あるいは、一つの集積回路として一体的に構成されてもよい。
通信インターフェース21は、ECU6を車内ネットワークに接続するためのインターフェース回路を有する。そして通信インターフェース21は、GPS受信機2から測位情報を受信する度に、その測位情報をプロセッサ23へわたす。また、通信インターフェース21は、カメラ3から画像を受信する度に、受信した画像をプロセッサ23へわたす。さらに、通信インターフェース21は、ストレージ装置5から読み込んだ高精度地図をプロセッサ23へわたす。さらにまた、通信インターフェース21は、プロセッサ23から受け取った、ユーザインターフェース4を介してドライバへ通知される警告または情報を含む信号を、車内ネットワークを介してユーザインターフェース4へ出力する。
メモリ22は、記憶部の他の一例であり、例えば、揮発性の半導体メモリ及び不揮発性の半導体メモリを有する。そしてメモリ22は、ECU6のプロセッサ23により実行される車両制御処理において使用される各種のデータを記憶する。例えば、メモリ22は、高精度地図、車両10の形状に関する情報、カメラ3の焦点距離、画角、撮影方向及び取り付け位置などを表すパラメータを記憶する。また、メモリ22は、車線区画線などの地物、及び、車両10の周囲を走行する他車両などの検出に利用される、物体検出用の識別器を特定するためのパラメータセットを記憶する。さらに、メモリ22は、カメラ3から受け取った画像といったセンサ信号及びGPS受信機2から取得した測位情報を一時的に記憶する。さらにまた、メモリ22は、車両制御処理の途中で生成される各種のデータを一時的に記憶する。
プロセッサ23は、1個または複数個のCPU(Central Processing Unit)及びその周辺回路を有する。プロセッサ23は、論理演算ユニット、数値演算ユニットあるいはグラフィック処理ユニットといった他の演算回路をさらに有していてもよい。そしてプロセッサ23は、車両10に対する車両制御処理を実行する。
図3は、車両制御処理に関する、プロセッサ23の機能ブロック図である。プロセッサ23は、環境判定部31と、条件設定部32と、逸脱判定部33と、通知部34と、車両制御部35とを有する。プロセッサ23が有するこれらの各部は、例えば、プロセッサ23上で動作するコンピュータプログラムにより実現される機能モジュールである。あるいは、プロセッサ23が有するこれらの各部は、プロセッサ23に設けられる、専用の演算回路であってもよい。
環境判定部31は、高精度地図またカメラ3により得られた車両10の周囲を表す画像に基づいて、車両10の周囲の環境が、自車線から車両10が逸脱することが可能な環境条件を満たすか否か判定する。なお、以下では、車両10の周囲の環境が、自車線から車両10が逸脱することが可能な環境条件を満たすことを、単に環境条件が満たされると呼ぶことがある。
例えば、自車線から車両10が逸脱することが可能な環境条件は、車両10の現在位置が道路上に設けられる導流帯から所定範囲内に位置することである。なお、所定範囲は、例えば、車両10の現在位置から所定距離(例えば、数10m)以内であり、かつ、車両10の進行方向を中心とする左右それぞれに所定角度(例えば、30°~60°)の範囲とすることができる。あるいは、所定範囲は、導流帯そのものであってもよい。すなわち、車両10が導流帯に位置しているときに、車両10の現在位置が導流帯から所定範囲内に位置していると判定されてもよい。この場合、環境判定部31は、高精度地図または画像に基づいて、車両10の現在位置が道路上に設けられる導流帯から所定範囲内に位置するか否か判定する。具体的に、環境判定部31は、GPS受信機2による最新の測位結果に基づいて、車両10の現在位置を推定する。そして環境判定部31は、高精度地図を参照して、推定した車両10の現在位置が何れかの導流帯から所定範囲内に位置するか否かを判定すればよい。あるいは、環境判定部31は、カメラ3により得られた最新の画像から導流帯を検出できた場合、車両10の現在位置が道路上に設けられる導流帯から所定範囲内に位置すると判定してもよい。この場合、環境判定部31は、最新の画像を、導流帯を検出するように予め学習された識別器に入力することで、その画像に表された導流帯を検出する。環境判定部31は、そのような識別器として、Single Shot MultiBox Detector(SSD)またはFaster R-CNNといった、コンボリューショナルニューラルネットワーク(CNN)型のアーキテクチャを持つディープニューラルネットワーク(DNN)を用いることができる。あるいは、環境判定部31は、Vision Transformerといった、Self Attention Network(SAN)型のアーキテクチャを持つDNNを用いてもよい。あるいはまた、環境判定部31は、AdaBoost識別器といった、他の機械学習手法に基づく識別器を用いてもよい。このような識別器は、画像から、導流帯といった検知対象となる物体を検出するように、誤差逆伝搬法といった所定の学習手法に従って予め学習される。識別器は、入力された画像上で検出した導流帯を含む物体領域を特定する情報を出力する。
図4(a)及び図4(b)は、導流帯の有無に基づく環境条件の判定の一例を示す図である。図4(a)に示される例では、車両10の前方に設定される所定範囲401内に導流帯が存在しない。そのため、自車線から車両10が逸脱することが可能な環境条件は満たされていないと判定される。一方、図4(b)に示される例では、車両10の前方に設定される所定範囲401内に導流帯410が存在している。そのため、自車線から車両10が逸脱することが可能な環境条件が満たされると判定される。
また、自車線から車両10が逸脱することが可能な環境条件は、自車線から自車線外に位置する障害物までの距離が所定距離以上であることであってもよい。障害物は、例えば、防音壁、ブロック、ガードレール、看板、街路樹または電柱といった、車両10が走行中の道路上または道路の周囲に位置する立体的な構造物である。あるいは、障害物は、駐車中の他の車両あるいは歩行者であってもよい。この場合、環境判定部31は、画像を上述したような識別器に入力することで、画像に表された障害物及び車線区画線を検出する。そして環境判定部31は、検出された車線区画線の中から、自車線とその隣接車線とを区画する車線区画線を特定する。なお、以下では、説明の便宜上、自車線とその隣接車線とを区画する車線区画線を、自車線区画線と呼ぶ。カメラ3の取り付け位置及び撮影方向が既知であるため、車両10の中心を通り、かつ、車両10の進行方向に相当する画像上での直線(以下、説明の便宜上、中心線と呼ぶ)も既知となる。そこで環境判定部31は、中心線の左右それぞれにおいて、中心線に最も近い車線区画線を、自車線区画線として特定することができる。そして環境判定部31は、画像上で、特定した自車線区画線よりも中心線から離れた位置に表されている障害物を自車線外に位置する障害物と判定する。
環境判定部31は、車両10から自車線外に位置する障害物までの距離及び方位と、車両10の現在位置とに基づいて、その障害物と自車線間の距離を推定する。
障害物が路面上に位置している場合、画像上で障害物が表された物体領域の下端の位置は、カメラ3から見たその障害物の下端への方位と1対1に対応する。また、カメラ3の撮影方向及び取り付け位置は既知である。そのため、環境判定部31は、路面からのカメラ3の設置高さと、画像上で障害物が表された物体領域の下端の位置に対応するカメラ3から障害物の下端への方位とに基づいて、車両10から障害物までの距離を推定することができる。あるいは、車両10に測距センサ(図示せず)が搭載されている場合、環境判定部31は、測距センサから取得した測距信号に基づいて、障害物までの距離を推定してもよい。この場合、環境判定部31は、測距信号に表される、画像上での障害物が表された物体領域の位置に対応する方位に存在する物体までの距離の測定値を、車両10からその障害物までの距離とすればよい。
さらに、環境判定部31は、識別器により検出された車線区画線などの地物と高精度地図に表された対応する地物とを照合することで、車両10の現在位置及び姿勢を推定する。例えば、環境判定部31は、車両10の位置及び姿勢を仮定して、画像から検出された地物を高精度地図上に投影するか、あるいは、高精度地図に表された車両10の周囲の地物を画像上に投影する。そして環境判定部31は、対応する地物同士の位置の差に基づいて一致度合を算出する。環境判定部31は、仮定された車両10の位置及び姿勢を変化させながら、対応する地物同士の一致度合の算出を繰り返す。そして環境判定部31は、画像から検出された地物と高精度地図上に表された対応する地物とが最も一致するときの車両10の位置及び姿勢を、車両10の実際の位置及び姿勢として推定する。
環境判定部31は、推定した車両10の位置及び姿勢と、カメラ3から見た障害物までの距離及び方位とに基づいて、その障害物の位置を推定できる。そして環境判定部31は、高精度地図を参照して、推定した障害物の位置から自車線区画線までの距離を、その障害物と自車線間の距離としてもとめればよい。
なお、高精度地図に表された障害物については、環境判定部31は、高精度地図を参照してその障害物と自車線間の距離をもとめればよい。この場合、環境判定部31は、上記と同様の手法により、車両10の位置を推定し、高精度地図を参照して推定した車両10の位置を含む車線を自車線として特定する。さらに、環境判定部31は、高精度地図を参照して車両10の位置から所定範囲内、かつ、自車線外に位置する障害物を特定する。そして環境判定部31は、高精度地図に表されたその障害物の位置と、自車線区画線との位置関係に基づいて、その障害物から自車線区画線までの距離を、その障害物と自車線間の距離としてもとめればよい。
あるいは、環境判定部31は、車両10から障害物へ向かう方向に沿った、車両10から自車線区画線までの距離を、上述した、画像上の障害物の位置に基づいて車両10から障害物までの距離をもとめる方法と同様の方法により推定してもよい。そして環境判定部31は、車両10から障害物までの推定距離から、車両10から障害物へ向かう方向に沿った車両10から自車線区画線までの距離を減じることで、その方向に沿った自車線区画線から障害物までの距離をもとめてもよい。この場合、環境判定部31は、画像上の自車線区画線の延伸方向及び車両10から障害物へ向かう方向に基づいて、自車線区画線の延伸方向と車両10から障害物へ向かう方向とのなす角度をもとめる。そして環境判定部31は、その角度と、車両10から障害物へ向かう方向に沿った自車線区画線から障害物までの距離とに基づいて、障害物から自車線区画線までの距離を、その障害物と自車線間の距離としてもとめてもよい。
環境判定部31は、推定した自車線から障害物までの距離が所定距離以上である場合に自車線から車両10が逸脱することが可能な環境条件が満たされると判定する。なお、車両10から所定距離以内において自車線外に位置する障害物が検出されない場合も、環境判定部31は、その環境条件が満たされると判定する。また、自車線外に位置する障害物が複数存在する場合、障害物ごとに上記の処理を実行して、環境判定部31は、自車線との距離が最も近い障害物を特定する。そして環境判定部31は、特定した障害物と自車線間の距離が所定距離以上である場合、その環境条件が満たされると判定すればよい。また、環境判定部31は、自車線の左側と右側のそれぞれに障害物が存在する場合、自車線の左側と右側とで別個に、上記の環境条件が満たされるか否かを判定してもよい。例えば、自車線の左側に位置する障害物と自車線間の距離が所定距離未満であれば、環境判定部31は、自車線の左側について環境条件は満たされないと判定する。一方、自車線の右側に位置する障害物と自車線間の距離が所定距離以上であれば、環境判定部31は、自車線の右側について環境条件は満たされると判定する。
図5(a)及び図5(b)は、障害物と自車線間の距離に基づく環境条件の判定の一例を示す図である。図5(a)に示される例では、車両10が走行中の自車線501から距離d1だけ離れた位置に障害物510が存在している。しかし、この例では、自車線501から障害物510までの距離d1が所定距離Th未満となっている。そのため、自車線から車両10が逸脱することが可能な環境条件は満たされていないと判定される。一方、図5(b)に示される例では、車両10が走行中の自車線501から障害物511までの距離d2が所定距離Th以上となっている。そのため、自車線から車両10が逸脱することが可能な環境条件が満たされると判定される。
あるいはまた、自車線から車両10が逸脱することが可能な環境条件は、車両10の前方において自車線を走行していた先行車両が自車線から逸脱していることであってもよい。
この場合、環境判定部31は、カメラ3により得られた時系列の一連の画像のそれぞれを、先行車両を検出するように予め学習された識別器に入力することで、それらの画像から先行車両及び車線区画線を検出する。そして環境判定部31は、検出した先行車両を追跡するとともに、追跡中の先行車両と自車線区画線の位置関係に基づいて、先行車両が自車線を逸脱しているか否かを判定すればよい。
環境判定部31は、先行車両及び車線区画線を検出する識別器として、導流帯の検出に関して上述したようなCNN型またはSAN型のアーキテクチャを有するDNN、または、AdaBoost識別器といった、他の機械学習手法に基づく識別器を用いることができる。あるいは、導流帯を検出する識別器が先行車両及び車線区画線も検出するように学習されてもよい。
環境判定部31は、例えば、Lucas-Kanade法といったオプティカルフローに基づく追跡処理を、一連の画像のそれぞれにおいて先行車両が表された物体領域に対して適用することで、各画像間で同じ先行車両が表された物体領域同士を対応付ける。これにより、環境判定部31は、複数の先行車両が存在する場合でも、各先行車両を個別に追跡することができる。
環境判定部31は、追跡中の先行車両について、その先行車両が表された画像ごとに、その先行車両と自車線区画線との位置関係により、その先行車両が自車線を走行しているか否かを判定する。その際、環境判定部31は、自車線外に位置する障害物の特定に関して説明したように、画像上で先行車両が表された物体領域が自車線区画線よりも中心線から離れていれば、先行車両は自車線外を走行していると判定することができる。逆に、先行車両が表された物体領域が自車線区画線よりも中心線に近ければ、環境判定部31は、先行車両は自車線内を走行していると判定することができる。さらに、先行車両が表された物体領域の下端と自車線区画線とが重なっていれば、環境判定部31は、先行車両が自車線区画線を跨いでいると判定することができる。
環境判定部31は、自車線内を走行していた追跡中の先行車両が、直近の所定期間内に得られた各画像において自車線を跨いでいるか自車線外に位置していると判定した場合、その先行車両は自車線を逸脱していると判定する。そして環境判定部31は、自車線から車両10が逸脱することが可能な環境条件が満たされると判定する。なお、環境判定部31は、追跡中において常に自車線外に位置している先行車両については、最初から自車線以外の車線を走行しているものとして、自車線を逸脱していると判定しない。
また、複数の先行車両が検出され、かつ、追跡されている場合、環境判定部31は、追跡中において自車線を走行していた各先行車両について上記の処理を実行してもよい。そして環境判定部31は、何れかの先行車両について自車線を逸脱していると判定した場合、上記の環境条件が満たされると判定してもよい。あるいは、環境判定部31は、複数の先行車両が検出され、かつ、追跡されている場合、車両10に最も近い先行車両について上記の処理を実行すればよい。その際、環境判定部31は、障害物と車両10間の距離の推定に関して説明した方法と同様の方法を用いて、車両10から各先行車両までの距離を推定すればよい。そして環境判定部31は、各先行車両について推定した距離に基づいて、車両10に最も近い先行車両を特定すればよい。あるいはまた、環境判定部31は、車両10から所定距離以内を走行している先行車両が自車線を逸脱している場合に限り、自車線から車両10が逸脱することが可能な環境条件が満たされると判定してもよい。
図6は、先行車両の挙動に基づく環境条件の判定の一例を示す図である。この例では、車両10の前方を走行し、かつ、車両10が走行中の自車線601から逸脱した先行車両610が存在している。そのため、自車線から車両10が逸脱することが可能な環境条件が満たされると判定される。一方、そのような先行車両610が存在しない場合、自車線から車両10が逸脱することが可能な環境条件は満たされないと判定される。このように先行車両の挙動によって環境条件が満たされるか否かが判定されることで、先行車両が自車線上の障害物を避けている場合に車両10が先行車両と同様に障害物を避ける挙動を行っても交代要求がされ難くなる。そのため、安全性とドライバの利便性を両立することが可能となる。
環境判定部31は、自車線から車両10が逸脱することが可能な環境条件が満たされるか否かの判定結果を、条件設定部32へ通知する。
条件設定部32は、車両10が自車線から逸脱したか否かを判定するための逸脱判定条件を、自車線から車両10が逸脱することが可能な環境条件が満たされるか否かに応じて設定する。
本実施形態では、逸脱判定条件は、自車線からの車両10の逸脱量に対する逸脱量閾値、及び、自車線からの車両10の逸脱量が逸脱量閾値となることが継続している期間(以下、単に逸脱期間と呼ぶ)に対する逸脱期間閾値とにより規定される。あるいは、逸脱判定条件は、逸脱量閾値によって規定されてもよい。そして条件設定部32は、自車線から車両10が逸脱することが可能な環境条件が満たされる場合の逸脱量閾値または逸脱期間閾値を、その環境条件が満たされない場合の逸脱量閾値または逸脱期間閾値よりも大きくする。すなわち、条件設定部32は、車線から車両10が逸脱することが可能な環境条件が満たされる場合の逸脱判定条件を、その環境条件が満たされない場合の通常の逸脱判定条件よりも緩和する。例えば、条件設定部32は、自車線から車両10が逸脱することが可能な環境条件が満たされない場合における逸脱量閾値を、0.5m~1.5mあるいはその長さに対応する画像上の画素数に設定する。一方、条件設定部32は、自車線から車両10が逸脱することが可能な環境条件が満たされる場合における逸脱量閾値を、1.5m~2.5mあるいはその長さに対応する画像上の画素数に設定する。あるいは、条件設定部32は、自車線から車両10が逸脱することが可能な環境条件が満たされない場合における逸脱期間閾値を、1~2秒間に設定する。一方、条件設定部32は、自車線から車両10が逸脱することが可能な環境条件が満たされる場合における逸脱期間閾値を、3~4秒間に設定する。
なお、条件設定部32は、車両10の現在の車速に応じて、逸脱判定条件を調整してもよい。例えば、車両10の現在の車速が遅いほど、車両10が自車線から逸脱しても車両10は危険な状況に陥り難い。そこで条件設定部32は、車両10に搭載された車速センサ(図示せず)により測定された車両10の現在の車速が遅いほど、逸脱量閾値または逸脱期間閾値を大きくしてもよい。
また、導流帯上または自車線外に障害物が存在する場合、車両10からその障害物までの距離が短くなるほど、車両10が自車線から逸脱したときの危険性が高くなる。そこで、条件設定部32は、導流帯上または自車線外に障害物が存在する場合、車両10からその障害物までの距離が短くなるほど、環境条件が満たされない場合に対する環境条件が満たされる場合の逸脱量閾値または逸脱期間閾値の増加量を抑制してもよい。なお、条件設定部32は、環境判定部31から、検出された障害物までの距離及び障害物の位置を取得すればよい。そして条件設定部32は、高精度地図を参照して、障害物が自車線外または導流帯に存在するか否かを判定すればよい。
条件設定部32は、設定した逸脱判定条件を逸脱判定部33へ通知する。
逸脱判定部33は、車両10と自車線区画線との位置関係に基づいて車両10が逸脱判定条件を満たすか否か判定し、車両10が逸脱判定条件を満たす場合、車両10が自車線を逸脱したと判定する。
逸脱判定部33は、環境判定部31について説明したのと同様の方法により、カメラ3から取得した画像から自車線区画線を検出する。あるいは、環境判定部31が自車線区画線を検出している場合、逸脱判定部33は、環境判定部31から、画像上で自車線区画線が表されている領域を示す情報を取得してもよい。そして逸脱判定部33は、自車線区画線が表されている各画素のうち、車両10に最も近い位置の画素に基づいて逸脱量をもとめる。環境判定部31において説明したように、カメラ3の撮影方向及び設置位置は既知である。そのため、逸脱判定部33は、カメラ3の位置を基準とする車線区画線の位置をもとめることができる。その際、逸脱判定部33は、車両10に最も近い位置の自車線区画線が表された画素(すなわち、自車線区画線が表された各画素のうち、画像の下端に最も近い画素)に対応するカメラ3からの方位とカメラ3の設置高さとに基づいて車線区画線の位置をもとめればよい。そして逸脱判定部33は、求めた車線区画線の位置と、カメラ3から車両10の端部までの距離とに基づいて、自車線区画線と車両10の端部間の距離を、逸脱量としてもとめることができる。
あるいは、逸脱判定部33は、高精度地図を参照して、車両10の逸脱量をもとめてもよい。この場合、逸脱判定部33は、画像から検出された地物と高精度地図とを参照して、環境判定部31において説明した方法と同様の方法に従って車両10の位置及び姿勢を推定する。あるいは、環境判定部31が車両10の位置及び姿勢を推定している場合、逸脱判定部33は、環境判定部31から車両10の位置及び姿勢を表す情報を取得してもよい。そして逸脱判定部33は、高精度地図に表された自車線区画線の位置と車両10の端部の位置とを比較することで、逸脱量をもとめればよい。
逸脱判定部33は、所定の周期ごとに逸脱量をもとめる。そして逸脱判定部33は、逸脱量をもとめる度に、その逸脱量と逸脱量閾値とを比較する。逸脱判定部33は、逸脱量が逸脱量閾値以上となっている逸脱期間が逸脱期間閾値以上になると、逸脱判定条件が満たされたと判定する。すなわち、逸脱判定部33は、車両10は自車線を逸脱していると判定する。なお、逸脱判定条件が逸脱量閾値のみで規定されている場合には、逸脱判定部33は、逸脱量が逸脱量閾値以上になると、車両10は自車線を逸脱していると判定してもよい。そして逸脱判定部33は、車両10が自車線を逸脱しているか否かの判定結果を通知部34へ通知する。
なお、車両制御部35が車両10を車線変更させている場合には、逸脱判定条件が満たされる場合でも、逸脱判定部33は、車両10が自車線を逸脱していると判定しない。
通知部34は、車両10が自車線を逸脱しているとの判定結果が通知されると、ユーザインターフェース4を介して、ドライバへ車両10の制御主体を変更することを要求する運転交代要求を通知する。その際、通知部34は、運転交代要求を表すメッセージまたはアイコンをユーザインターフェース4が有する表示装置に表示させ、あるいは、運転交代要求に相当する光源を点灯または点滅させる。あるいは、通知部34は、運転交代要求を表す音声信号を、ユーザインターフェース4が有するスピーカに出力させる。あるいはまた、通知部34は、ユーザインターフェース4が有する振動機器を、運転交代要求に応じた振動の方式(振動周期または振動の強度)にしたがって振動させる。なお、ユーザインターフェース4が、上記の機器のうちの二つ以上を有している場合、通知部34は、二つ以上の機器のそれぞれまたは何れかを介して、運転交代要求をドライバに通知してもよい。
通知部34は、運転交代要求を通知してから所定時間が経過すると、車両10の制御主体をドライバに移管させる。そして通知部34は、車両10の制御主体がドライバへ移管されたことを車両制御部35へ通知する。なお、通知部34は、運転交代要求を通知してから所定時間が経過する前に、逸脱判定条件が満たされなくなると、運転交代要求の通知を中止してもよい。この場合には、ECU6による車両10の自動運転制御が継続される。
車両制御部35は、車両10の制御主体がドライバへ移管されるまで、車両10を自動運転制御する。
例えば、車両制御部35は、所定時間先までに車両10が走行する予定の経路(以下、走行予定経路と呼ぶ)を設定する。なお、走行予定経路は、例えば、所定の区間を車両10が走行する際の各時刻における、車両10の目標位置の集合として表される。
車両制御部35は、高精度地図を参照して、目的地までの走行予定ルートに沿って車両10が走行するように、走行予定経路を設定する。例えば、自車線が走行予定ルートに沿っている場合、車両制御部35は、自車線の中央に沿って走行予定経路を設定する。また、走行予定ルートにおいて、所定距離先の地点にて現在走行中の道路から分岐する道路へ向かうことが示されている場合、車両制御部35は、自車線からその分岐する道路へ進入可能な車線への車線変更を実施するように走行予定経路を設定する。さらに、車両制御部35は、先行車両が存在する場合、車両10と先行車両間の距離が所定距離以上となるように、走行予定経路を設定する。なお、車両制御部35は、環境判定部31において説明したのと同様の方法により、先行車両を検知し、かつ、車両10から先行車両までの距離を推定すればよい。あるいは、車両制御部35は、環境判定部31から、先行車両の有無及び先行車両が検知されている場合の車両10から先行車両までの推定距離を表す情報を取得してもよい。
車両制御部35は、走行予定経路を設定すると、車両10がその走行予定経路に沿って走行するように車両10の各部を制御する。例えば、車両制御部35は、走行予定経路、及び、車速センサ(図示せず)により測定された車両10の現在の車速に従って、車両10の目標加速度をもとめ、その目標加速度となるようにアクセル開度またはブレーキ量を設定する。そして車両制御部35は、設定されたアクセル開度に従って燃料噴射量をもとめ、その燃料噴射量に応じた制御信号を車両10のエンジンの燃料噴射装置へ出力する。あるいは、車両制御部35は、設定されたアクセル開度に応じた電力を、車両10を駆動するためのモータへ供給させるように、そのモータへの電力供給装置を制御する。あるいはまた、車両制御部35は、設定されたブレーキ量に応じた制御信号を車両10のブレーキへ出力する。さらに、車両制御部35は、走行予定経路及び車両10の現在位置に基づいて、走行予定経路に従って車両10が走行するための車両10の操舵角をもとめ、その操舵角に応じた制御信号を、車両10の操舵輪を制御するアクチュエータ(図示せず)へ出力する。
さらに、車両制御部35は、運転交代要求が通知されてから所定期間が経過しても、ドライバが車両10を運転する姿勢となっていない場合、車両10を緊急停車させるよう制御してもよい。なお、車両制御部35は、ステアリングに設けられたタッチセンサ(図示せず)からの信号に基づいて、ドライバが車両10を運転する姿勢となっているか否かを判定する。例えば、車両制御部35は、運転交代要求が通知されてから所定期間内にタッチセンサからドライバがステアリングを保持したことを示す信号を受け取らない場合、ドライバが車両10を運転する姿勢となっていないと判定する。あるいは、車両制御部35は、車両10の車室内に設けられた、ドライバを撮影するドライバモニタカメラ(図示せず)から得られたドライバ画像に基づいてドライバが車両10を運転する姿勢となっているか否かを判定してもよい。この場合、車両制御部35は、運転交代要求が通知されてから所定期間内に得られた各ドライバ画像からドライバの顔の向きまたは視線方向を検出する。そして車両制御部35は、その所定期間を経過してもドライバが車両10の前方を向いていない場合、ドライバが車両10を運転する姿勢となっていないと判定すればよい。
図7は、プロセッサ23により実行される、車両制御処理の動作フローチャートである。プロセッサ23は、車両10に対して自動運転制御が適用されている間、所定の周期ごとに、以下の動作フローチャートに従って車両制御処理を実行する。
プロセッサ23の環境判定部31は、車両10の周囲の環境が、自車線から車両10が逸脱することが可能な環境条件を満たすか否か判定する(ステップS101)。
環境条件が満たされない場合(ステップS101-No)、プロセッサ23の条件設定部32は、通常の逸脱判定条件を設定する(ステップS102)。一方、環境条件が満たされる場合(ステップS101-Yes)、プロセッサ23の条件設定部32は、通常よりも緩和された逸脱判定条件を設定する(ステップS103)。すなわち、条件設定部32は、環境条件が満たされない場合の逸脱量閾値または逸脱期間閾値よりも、環境条件が満たされる場合の逸脱量閾値または逸脱期間閾値を大きな値に設定する。
ステップS102またはS103の後、プロセッサ23の逸脱判定部33は、車両10と自車線区画線との位置関係に基づいて、車両10が自車線を逸脱している逸脱判定条件を満たすか否か判定する(ステップS104)。逸脱判定条件が満たされない場合(ステップS104-No)、プロセッサ23の車両制御部35は、車両10の自動運転制御を継続する(ステップS105)。
一方、逸脱判定条件が満たされる場合(ステップS104-Yes)、プロセッサ23の通知部34は、ユーザインターフェース4を介してドライバへ運転交代要求を通知する(ステップS106)。そして運転交代要求が通知されてから所定期間が経過すると、プロセッサ23は、車両10の制御主体をドライバへ移管する(ステップS107)。
ステップS105またはステップS107の処理の後、プロセッサ23は、車両制御処理を終了する。
以上に説明してきたように、この車両制御装置は、車両周囲の環境が、車両が自車線から逸脱することが可能な環境条件を満たすか否か判定する。そしてこの車両制御装置は、その判定結果に基づいて、車両が自車線から逸脱した逸脱量または逸脱期間に対する閾値により規定される逸脱判定条件を設定する。その際、この車両制御装置は、環境条件が満たされない場合よりも環境条件が満たされる場合の方が閾値を大きくするように、逸脱判定条件を設定する。そのため、この車両制御装置は、車両が衝突する危険性を軽減しつつ、車両が自車線から逸脱したときに通知される運転交代要求の要求頻度を低下させることができるので、ドライバの利便性を向上することができる。
変形例によれば、逸脱判定条件が満たされたときに、車両10の車速が所定の速度閾値以下である場合、通知部34は、運転交代要求の通知の前の一定期間、ユーザインターフェース4を介して運転交代要求がなされる予告をドライバへ通知してもよい。そのような予告は、運転交代要求よりも穏やかな態様でドライバに通知されてもよい。例えば、ユーザインターフェース4が有するスピーカから発する音声により運転交代要求及びその予告が通知される場合、通知部34は、運転交代要求の音声よりも小さな音声にてその予告を通知してもよい。あるいは、ユーザインターフェース4が有する光源により運転交代要求及びその予告が通知される場合、通知部34は、運転交代要求が通知される際には光源の点灯を継続させ、一方、その予告が通知される場合には光源を点滅させてもよい。
上記の実施形態または変形例による、ECU6のプロセッサ23の機能を実現するコンピュータプログラムは、半導体メモリ、磁気記録媒体または光記録媒体といった、コンピュータ読取可能な可搬性の記録媒体に記録された形で提供されてもよい。
以上のように、当業者は、本発明の範囲内で、実施される形態に合わせて様々な変更を行うことができる。
1 車両制御システム
10 車両
2 GPS受信機
3 カメラ
4 ユーザインターフェース
5 ストレージ装置
6 電子制御装置(ECU)
21 通信インターフェース
22 メモリ
23 プロセッサ
31 環境判定部
32 条件設定部
33 逸脱判定部
34 通知部
35 車両制御部

Claims (1)

  1. 車両を自動運転制御することが可能な車両制御装置であって、
    地図情報または前記車両に搭載されたカメラにより得られた前記車両周囲の画像に基づいて、前記車両周囲の環境が、前記車両が走行中の車線から逸脱することが可能な環境条件を満たすか否か判定する環境判定部と、
    前記車両が前記車線から逸脱した逸脱量または逸脱期間に対する閾値により規定される逸脱判定条件について、前記環境条件が満たされない場合よりも前記環境条件が満たされる場合の方が前記閾値を大きくするように、前記逸脱判定条件を設定する条件設定部と、
    前記車両の自動運転制御中において、前記車両の前記逸脱量が前記逸脱量に対する閾値以上となるか、または前記車両の前記逸脱量が前記逸脱量に対する閾値以上となる前記逸脱期間が前記逸脱期間に対する閾値以上となる場合に前記車両が前記逸脱判定条件を満たすと判定し、前記逸脱判定条件が満たされた場合に前記車両が前記車線を逸脱したと判定する逸脱判定部と、
    前記車両が前記車線を逸脱した場合に、前記車両の制御主体を前記車両のドライバへ変更することを、通知機器を介して当該ドライバへ通知する通知部と、
    を有する車両制御装置。
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