JP7067773B2 - 冷蔵庫 - Google Patents

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Description

本発明は冷蔵庫に関し、特に、機械室に霧化装置を備える冷蔵庫に関する。
従来、コンプレッサの高効率化を図り、コンプレッサによる発熱量を低減することで、省エネルギー化を実現した冷蔵庫が提案されている(例えば、特許文献1)。また、コンデンサの長さを延長して凝縮温度を下げることにより、省エネルギー化を図っている冷蔵庫も提案されている。
特開2010-038483号公報
しかしながら、特許文献1のようにコンプレッサを高効率化することにより省エネルギー化を図る場合には、ドレン水を蒸発するための十分な熱をコンプレッサから得られない。
エバポレータに付着した霜の霜取り時に排出される水は、ドレン水として蒸発皿に溜められるが、コンプレッサからの熱が十分に得られない場合には、蒸発皿の水を蒸散させる能力が不足してしまう。したがって、扉開閉が多い場合や、水分の多い食品が大量に冷蔵庫に入れられた場合には、蒸散能力よりもドレン排水量が上回り、蒸発皿からドレン水が溢れ出てしまうことになる。
特に、小型または中型の冷蔵庫においては、製造コストの低減の観点から、あるいは、筐体の大きさの制限から、コンプレッサの横に冷却用ファン等の装置を設置することができず、蒸発皿をコンプレッサの上部に設置する場合がある。この場合には、蒸発皿内のドレン水を蒸散させるためには、専らコンプレッサを熱源として利用せざるを得ず、上述した問題が顕著になる。
従って、本発明の目的は、上記の課題を解決するものであり、省エネルギー化により、蒸発皿のドレン水を蒸発させる熱が得られず、機械室に冷却用ファンを設置できない場合でも、蒸発皿からのドレン水の蒸発量を確保することができる冷蔵庫を提供することにある。
本発明の冷蔵庫の一態様は、機械室に設けられたコンプレッサと、前記コンプレッサの上部に配置された蒸発皿と、を有する冷蔵庫であって、前記蒸発皿内に設けられ、通電によりドレン水を霧化する霧化装置と、前記霧化装置により霧化されたドレン水が冷蔵庫の背面側に沿って上昇する空間を形成する空間確保手段と、を備える、ことを特徴とする。
本発明において「霧化装置」とは、通電により動作してドレン水を霧化する装置であり、例えば、超音波振動子を備えた装置が挙げられる。以下、本明細書において同様である。
本発明の冷蔵庫の一態様によれば、蒸発皿がコンプレッサの上部に配置されているため、コンプレッサの上部から放出される熱により、蒸発皿内のドレン水の一部を蒸散させることができる。しかも、霧化装置に通電することにより、蒸発皿内のドレン水が霧化される。したがって、省エネルギー化により、コンプレッサから十分な熱を得られない場合でも、蒸発皿内のドレン水の蒸発量を確保することができる。また、空間確保手段により、冷蔵庫の背面側には、霧化装置により霧化されたドレン水が冷蔵庫の背面側に沿って上昇する空間が形成されている。したがって、霧化されたドレン水は、コンプレッサよりも後方の冷蔵庫の背面側に放出され、上昇気流が冷蔵庫の背面側の空間に立ち上がるため、ドレン水の蒸散性能を良化することができる。
本発明の冷蔵庫の他の態様は、前記空間確保手段は、前記冷蔵庫の側面視において、前記冷蔵庫の背面よりも後方に突出して設置された前記蒸発皿であってもよい。この態様によれば、蒸発皿は、冷蔵庫の背面よりも後方に突出して設置されているので、冷蔵庫を設置する際には、蒸発皿の突出部が空間確保手段として機能し、冷蔵庫の背面側には空間が形成される。その結果、霧化装置により霧化されたドレン水が、冷蔵庫の背面側に放出され、上昇気流が冷蔵庫の背面側の空間に立ち上がるため、ドレン水の蒸散性能を良化することができる。
本発明の冷蔵庫の他の態様は、前記霧化装置は、前記蒸発皿の前記後方に突出した部分に設けられていてもよい。この態様によれば、霧化装置の上方には、空間が形成されており、霧化されたドレン水を遮る物が存在していない。したがって、霧化装置により霧化されたドレン水は、円滑に冷蔵庫の背面側に放出され、上昇気流が冷蔵庫の背面側の空間に立ち上がるため、ドレン水の蒸散性能を良化することができる。
本発明の冷蔵庫の他の態様は、前記冷蔵庫の背面は、前記蒸発皿の前記背面側の端部に近接する部分が、前記端部に対向するように斜めに形成されていてもよい。この態様によれば、蒸発皿が冷蔵庫の背面が突出して配置されていない場合でも、蒸発皿の前記背面側の端部に近接する部分の背面は、この端部に対向するように斜めに形成されている。したがって、霧化装置により霧化されたドレン水は、この斜めに形成された部分の背面に沿って冷蔵庫の背面側に放出され、上昇気流が冷蔵庫の背面側の空間に立ち上がるため、ドレン水の蒸散性能を良化することができる。
本発明の冷蔵庫の他の態様によれば、前記霧化装置への通電は、霜取り後の一定時間に亘って行われていてもよい。この態様によれば、霧化装置への通電は、常に行われているのではなく、霜取りによるドレン水が蒸発皿内に溜まる霜取り後の一定時間に亘って行われる。したがって、霧化装置の電力消費を抑えることができる。
また本発明は、前記霧化装置は、冷蔵庫の外表面に接しないように、カバー部材により覆われている、ことを特徴とする。
本発明によれば、例えば、凹状に鉄板を絞られて形成されたカバー部材を備え、蒸発皿の外側に位置する霧化装置の部分は、凹状に絞られたカバー部材により覆われており、蒸発皿の底側から霧化装置に接触できない構造になっている。これにより、蒸発皿の底側からのネズミやゴキブリなどによる霧化装置の機能停止を防止することができる。また、機械室は金属製のカバー部材で覆われており、機械室がある冷蔵庫背面側からも霧化装置に接触できない構造になっており、霧化装置が冷蔵庫外表面に接しない構造になっている。霧化装置には、所定の高電圧が印加されるが、霧化装置は以上のように冷蔵庫外表面に接しない構造にしているため、使用者等が誤って霧化装置に触れてしまうことを防止することができる。
以上のように、本発明においては、省エネルギー化により、蒸発皿のドレン水を蒸発させる熱が外部から得られず、機械室に冷却用ファンを設置できない場合でも、蒸発皿からのドレン水の蒸発量を確保することができる。
本発明の第1の実施形態に係る冷蔵庫を示す斜視図である。 図1に示すA-A’線断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る冷凍サイクルを説明するための模式図である。 図1に示す冷蔵庫の機械室を示す模式図である。 図1に示す冷蔵庫の蒸発皿を示す斜視図である。 図5に示すF-F’線断面図である。 図6における霧化装置およびその周辺の拡大図である。 本発明の第2の実施形態に係る冷蔵庫を示す断面図であり、図9に示すE-E’線断面図である。 図8に示す冷蔵庫の機械室を示す模式図である。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る冷蔵庫1を示す斜視図である。図2は、図1に示すA-A’線断面図である。図3は、本発明の第1の実施形態に係る冷凍サイクルを説明するための模式図である。図4は、図1に示す冷蔵庫1の機械室を示す模式図である。図5は、図1に示す冷蔵庫1の蒸発皿20を示す斜視図である。図6は、図5に示すF-F’線断線図である。図7は、図6における霧化装置およびその周辺の拡大図である。図1から図7を参照しつつ、本発明の第1の実施形態に係る冷蔵庫1の概要を説明する。
(本発明の第1の実施形態に係る冷蔵庫の説明)
本発明の第1の実施形態の冷蔵庫1は、冷蔵庫本体2を備える。冷蔵庫本体2は、図2に示すように、冷蔵室4、冷凍室5、および貯蔵室6から構成される収容庫10を備える。冷蔵室4、冷凍室5、および貯蔵室6は、断熱仕切壁7で仕切られている。通常、冷蔵室4および貯蔵室6は、0~10℃の温度に保たれ、冷凍室5は、-18℃程度の温度に保たれる。冷蔵室4、冷凍室5、および貯蔵室6は、冷蔵庫本体2の前面側に開口を有し、各室へ収容する食品等を出し入れできるようになっている。
冷蔵室4、冷凍室5、および貯蔵室6の前記開口は、冷蔵庫本体2の前方に設けられた片開き式の上扉3a、引き出し式の中扉3b、および下扉3cにより開閉可能となっている。
冷蔵庫本体2は、外箱2aと、内箱2cと、断熱材2bと、から構成されている。外箱2aは、鋼板で形成される。内箱2cは、合成樹脂で形成され、外箱2a内に外箱2aと間隙を有して配設されている。断熱材2bは、発泡ポリウレタンで形成され、外箱2aと内箱2cとの間隙に充填される。
冷凍室5内の奥には蒸発器14を収納する冷却室11が設けられており、冷凍室5と冷却室11との間には、冷凍室5と冷却室11とを仕切る仕切板8が備えられている。仕切板8には、庫内の冷気を循環するファン(図示せず)とその風路(図示せず)が形成されている。また、蒸発器14の上には、風路ダンパ17が形成されている。さらに蒸発器14の下には、霜取り時に通電する霜取りヒータ13とドレン水を排水する受皿15が設けられている。受皿15内のドレン水は、受皿15に設けられた開口部15aを介して、ドレン管60により、後述する蒸発皿20に排水される。
冷蔵庫1の下部であって、貯蔵室6の奥側には、機械室12が設けられている。機械室12には、冷媒を圧縮するコンプレッサ50が配置される。上述した蒸発器14は、コンプレッサ50、図示しない放熱器、及び図示しないキャピラリーチューブ等に冷媒配管を介して接続されており、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを構成する。冷凍サイクルの詳細については後述する。
コンプレッサ50の上部には、蒸発皿20が配置されている。霜取りヒータ13の下部の内箱2cには開口部が形成されており、この開口部は、内箱2c、断熱材2b、及び外箱2aを貫通し、外箱2aから突出するドレン管60の一端と繋がっている。ドレン管60の他端は、蒸発皿20に対向して配置されている。霜取りヒータ13によって蒸発器14の霜取りが行われると、霜が融けて水となり、その水は、霜取りヒータ13の下部に設けられた開口部から、ドレン管60を介してドレン水として排出され、蒸発皿20に貯留される。
蒸発皿20の内部には、霧化装置30が配置されている。霧化装置30は、例えば、通電により動作する超音波振動子を備えている。霧化装置30は、図2においては図示を省略する制御部と接続されており、制御部により、蒸発器14の霜取り後の一定時間に霧化装置30に対する通電が行われる。霧化装置30の超音波振動子に通電が行われると、超音波振動子が振動し、蒸発皿20に貯留されたドレン水を振動させることによりミスト(微細な粒子)を発生させる。このミストが、図2に矢印Bで示すように蒸発皿20の上方に放出され、蒸発皿20に貯留されたドレン水は蒸散する。蒸発皿20及び霧化装置30の詳細については後述する。
(冷凍サイクルの説明)
図3は、本発明の1つの実施形態に係る冷凍サイクルを説明するための模式図である。図4は、図1に示す冷蔵庫の機械室を示す模式図である。次に、本発明の1つの実施形態に係る冷凍サイクルについて図3および図4を参照しつつ説明を行う。
図3および図4に示すように、コンプレッサ50は、吐出配管40を介して蒸発コンデンサ51と接続されている。コンプレッサ50は、蒸発器14により気体になった冷媒を圧縮して、高温・高圧の気体にし、吐出配管40を介して、蒸発コンデンサ51に排出する。図4においては、吐出配管40および蒸発コンデンサ51の図示を省略している。
蒸発コンデンサ51は、蒸発皿20内において複数回折り返されて蛇行状に形成されており、ドレン水に浸るように配置されている。コンプレッサ50から吐出される高温・高圧の冷媒は、吐出配管40を介して蒸発コンデンサ51に流入し、蒸発皿20に貯留されているドレン水と熱交換を行う。このため、蒸発コンデンサ51の凝縮能力を向上させることができると共に、ドレン水の蒸発を促進することとなる。蒸発コンデンサ51は、放熱用コンデンサ52と接続されており、凝縮した冷媒を放熱用コンデンサ52に排出する。
放熱用コンデンサ52は、幅方向の両端でU字状に折り返され蛇行状に形成された金属製チューブに多数のフィンを取り付けたフィンアンドチューブ式のコンデンサである。図4においては、放熱用コンデンサ52の図示を省略している。放熱用コンデンサ52は、蒸発コンデンサ51から送られてきた冷媒をさらに凝集し、常温・高圧の液体冷媒にする。
放熱用コンデンサ52の出口は、配管41と接続されており、配管41は、クレストコンデンサ55と接続されている。クレストコンデンサ55は、図1、図2、および図4においては図示を省略するが、外箱2aの断熱材2b側の面にアルミ箔テープ等で固定される。クレストコンデンサ55は外箱2aの断熱材2b側の左右側面および上面に蛇行配管され、また、外箱2aの開口周縁部の結露を防止するために外箱2aの開口周縁部に配管されている。
クレストコンデンサ55は、結露防止パイプ42と接続される。結露防止パイプ42は、図2において図示を省略するが、収容庫10の前面側の開口の周囲の少なくとも一部に配置されており、結露防止パイプ42を流れる冷媒の凝縮熱により、収容庫10の前面側の開口の周囲での結露が防止される。
結露防止パイプ42の出口は、デハイドレータ56と接続される。デハイドレータ56には、乾燥剤が封入されており、この乾燥剤により、結露防止パイプ42から流れる冷媒の水分が除去される。図2においてはデハイドレータ56の図示を省略している。
デハイドレータ56の出口は、キャピラリーチューブ43と接続される。キャピラリーチューブ43は、管径の細いチューブであり、キャピラリーチューブ内で冷媒は膨張することで減圧し、気液2相状態となる。図2においてはキャピラリーチューブ43の図示を省略している。
キャピラリーチューブ43の出口は、蒸発器14に接続される。蒸発器14は、伝熱管としての円管の内部を冷媒流路とし、管外を空気流路とする、いわゆるフィンアンドチューブ式の熱交換器である。蒸発器14では、伝熱管の内部は気液2相状態で、液冷媒が蒸発することによって管外の空気を冷却している。なお、蒸発器14として、他の形式の熱交換器、例えば、扁平多孔管や異形管を用いた熱交換器等、を採用することも、もちろん可能である。
蒸発器14の周囲が冷却されると、その冷気により冷凍室5内が冷却され、この冷気は、収容庫10内に設けられた風路ダンパ17および流路を介して、冷蔵室4および貯蔵室6にも供給される。
蒸発器14の出口は、吸込み配管44に接続される。吸込み配管44は、図2においては図示を省略するが、冷蔵室4および冷凍室5の背面において蛇行して配置され、吸込み配管44の出口は、コンプレッサ50に接続される。蒸発器14で気体になった冷媒は、コンプレッサ50が動作することにより、吸込み配管44を介して、コンプレッサ50内に吸い込まれる。
本実施形態では、以上のように冷凍サイクルが形成される。
なお、蒸発コンデンサ51と放熱用コンデンサ52の両方、あるいは、これらのいずれか一方は、省略することが可能である。これらのコンデンサを備えていない場合でも、霧化装置30を備えることにより、後述のように蒸発皿20内のドレン水を霧化し、ミストを発生させるため、蒸発皿20内のドレン水を確実に蒸散させることができる。
(蒸発皿および霧化装置の説明)
次に、本発明の第1の実施形態に係る蒸発皿20及び霧化装置30のさらに詳細な説明を行う。
図2に示すように、冷蔵庫1の側面視において、蒸発皿20は、外箱2aの背面2a-1よりも後方、つまり、Y方向側に突出して配置されている。蒸発皿20は、冷蔵庫1の背面2a-1に沿った位置から、Y方向に延長した延長部20dを備え、この延長部20dが、背面2a-1よりもY方向側に突出した部分となっている。
霧化装置30は、蒸発皿20の内部であって、背面2a-1よりもY方向側に突出した部分、つまり、延長部20dに配置されている。コンプレッサ50を基準にすると、霧化装置30は、冷蔵庫1の側面視において、コンプレッサ50よりも後方に設置されている。
したがって、冷蔵庫1を図2に示すように室内の壁面70に近接させて配置する場合には、蒸発皿20に延長部20dが形成されているため、冷蔵庫1の背面2a-1と壁面70との間には、Y方向の間隔がWの空間Sが形成される。つまり、本実施形態においては、蒸発皿20は空間確保手段として機能している。
図5に示すように、蒸発皿20は、Z方向の上部が開口された樹脂製の箱体であり、底部20aのうち、コンプレッサ50の上部に対向する凹部20bは、コンプレッサ50の上部表面の形状に沿って、湾曲した凹部となっている。蒸発皿20は、凹部20bの上部に小皿20cを備えている。ドレン管60から排出されるドレン水は、まず小皿20cに貯留され、小皿20cから溢れたドレン水が、周囲の底部20aに貯留される。
また、蒸発皿20は、底部20aをY方向側に延長した延長部20dを備えている。蒸発皿20の底部20aは、図5および図6に示すように、蒸発皿20の前方側板20f側が高く、延長部20d側が低くなる傾斜面を有している。延長部20dを形成する底部20aは、蒸発皿20を冷蔵庫1に取り付けた際に、冷蔵庫1を載置する床面と水平となる水平面を有している。延長部20dを形成する底部20aには、図5および図6に示すように、水平面よりも一段低くなった凹状部20eが形成されており、凹状部20eには、円形の開口部20gが設けられている。霧化装置30は、開口部20gから水を霧化する機構面を露出するように備えられている。
霧化装置30は、例えば、通電により動作する超音波振動子を備えている。霧化装置30は、図4に示す基板ケース16内に収容された制御部(図示せず)と接続されている。制御部における制御により、蒸発器14の霜取り後の一定時間に霧化装置30に対して、所定の高電圧の印加が行われる。
図6は、霧化装置30が取り付けられた蒸発皿20の断面図であり、図7は、蒸発皿20における霧化装置30が取り付けられた部分の一部拡大断面図である。上述したように、蒸発皿20の延長部20dを形成する底部20aには、水平面によりも一段低くなった凹状部20eが形成されている。したがって、蒸発皿20に貯留されるドレン水は、底部20aの傾斜面を流れ、延長部20dに形成された凹状部20eに最も溜まり易くなっている。本実施形態においては、このようにドレン水が最も溜まり易くなっている凹状部20eに霧化装置30を取り付けている。
本実施形態においては、霧化装置30は、図7に示すように、シーリング材33を介して、凹状部20eを形成する底部20aに、ビス32によるビス止め等で取り付けられている。このとき、霧化装置30は、底部20aに形成された開口部20gから、霧化装置30の水を霧化する機構面が露出するように底部20aに取り付けられる。
また、霧化装置30が取り付けられた部分については、凹状に鉄板を絞られて形成されたカバー部材75により、蒸発皿20の外側から霧化装置30を覆っている。カバー部材75は、凹状部20eを形成する底部20aに、ビス32によるビス止め等で取り付けられている。したがって、蒸発皿20の底側からは、霧化装置30に接触できない構造になっている。これにより、蒸発皿20の底側からのネズミやゴキブリなどによる霧化装置30の機能停止を防止することができる。また、機械室12は図示しない金属製のカバーで覆われており、機械室がある冷蔵庫背面側からも霧化装置30に接触できない構造になっており、霧化装置30が冷蔵庫外表面に接しない構造になっている。霧化装置30には、所定の高電圧が印加されるが、霧化装置30は以上のように冷蔵庫外表面に接しない構造にしているため、使用者等が誤って霧化装置30に触れてしまうことを防止することができる。また、カバー部材75があるため、機械室12のカバーがない場合でも、霧化装置30には接触できない構造になっており、使用者等が誤って霧化装置30に触れてしまうことを防止することができる。
蒸発皿20にドレン水が貯留された状態で、霧化装置30の超音波振動子に通電が行われると、超音波振動子が振動し、蒸発皿20に貯留されたドレン水を振動させる。その結果、ミスト(微細な粒子)が発生し、このミストが、図2、図4、および図5に矢印Bで示すように蒸発皿20の上方に放出される。
蒸発皿20内のドレン水を蒸散させるためには、コンプレッサ50からの熱も利用される。しかし、本実施形態においては、機械室12の幅方向(X方向)の長さが限られており、コンプレッサ50の横に蒸発皿20を配置することは困難である。また、コンプレッサ50からの熱は、主にコンプレッサ50の上部表面から放出される。そこで、本実施形態の冷蔵庫1では、コンプレッサ50の上部に蒸発皿20を配置している。但し、コンプレッサ50の振動を避けるために、蒸発皿20の底部20aは、コンプレッサ50の上部と所定の間隙を有している。蒸発皿20をこのように配置することにより、蒸発皿20内のドレン水は、コンプレッサ50の上部から放出される熱により、その一部が蒸散される。
しかしながら、本実施形態においては、省エネルギー化のため、コンプレッサ50として高効率のコンプレッサを用いている。高効率のコンプレッサ50は、機械的損失が少なく、コンプレッサ50から放出される熱は従来よりも少なくなっている。
そこで、本実施形態では、蒸発皿20の内部に霧化装置30を配置し、霧化装置30の超音波振動子に通電を行うことで、超音波振動子の振動により、蒸発皿20に貯留されたドレン水を振動させて、ミスト(微細な粒子)を発生させている。
コンプレッサ50として高効率のコンプレッサを用いた場合、コンプレッサ50からの熱だけでは、蒸発皿20内のドレン水を十分に蒸散させることができない。しかし、本実施形態では、霧化装置30により蒸発皿20内のドレン水を霧化し、ミストを発生させるため、蒸発皿20内のドレン水を確実に蒸散させることができる。
特に、霧化装置30は、背面2a-1よりも外側(Y方向側)に突出した蒸発皿20の延長部20dに配置されており、この延長部20dにより、冷蔵庫1の背面2a-1と壁面70との間には、間隔Wの空間Sが形成されている。したがって、霧化装置30により霧化されたドレン水は、ミストとなって、間隔Wの空間S内を矢印Bで示すように、冷蔵庫1の背面2a-1に沿って上昇する。その結果、上昇気流が冷蔵庫1の背面2a-1に立ち上がり、蒸発皿20内に貯留されたドレン水に対する蒸散性能を向上させることができ、蒸発皿20内のドレン水を確実に蒸散させることができる。特に、本実施形態のように機械室12の大きさが限られ、冷却用ファンを設置できない場合には、冷却用ファンによる空気の流れを利用してミストを放出することができない。したがって、霧化装置30を、背面2a-1よりも外側(Y方向側)に突出した蒸発皿20の延長部20dに配置し、背面2a-1と壁面70との間に間隔Wの空間Sを確保する構成は、本実施形態のような冷蔵庫1において極めて重要である。
このような本実施形態の冷蔵庫1によれば、扉開閉が多い場合や、水分の多い食品が大量に冷蔵庫1に入れられた場合に、ドレン排水量が増大しても、確実に蒸発皿20内のドレン水を蒸散させ、蒸発皿20からドレン水が溢れ出てしまうことを防ぐことができる。
本実施形態の冷蔵庫1のように、機械室12の大きさが限られており、コンプレッサ50の上部と冷蔵庫1の外箱2aとの間には、大きなスペースがないため、蒸発皿20の深さ(-Z方向の深さ)を大きくすることはできない。しかしながら、蒸発皿20は、上述したように、Y方向の前方側から後方側にかけて、コンプレッサ50の表面に沿って形成された凹部20bを備え、かつ、蒸発皿20の底部20aは、前方側板20f側が高く、延長部20d側が低くなる傾斜面を有している。そして、霧化装置30は、延長部20dの水平面に形成された凹状部20eの開口部20gから水を霧化する機構面が露出するように設置されている。したがって、ドレン水は、開口部20gが形成された延長部20dに溜まり易くなっており、霧化装置30は、十分な量のドレン水を振動させ、矢印B方向に確実にミストを発生させることができる。
上述したように、蒸発コンデンサ51と放熱用コンデンサ52の両方、あるいは、これらのいずれか一方は、省略することが可能である。しかしながら、これらのコンデンサを備えていない場合でも、霧化装置30を備えることにより、蒸発皿20内のドレン水を霧化し、ミストを発生させるため、蒸発皿20内のドレン水を確実に蒸散させることができる。
霧化装置30は、蒸発皿20内にドレン水と接触していない状態で動作させると、故障に繋がる虞がある。しかし、本実施形態では、上述したように、蒸発皿20の底部20aは、前方側板20f側が高く、延長部20d側が低くなる傾斜面を有している。さらに、水平面を有する延長部20dには、水平面よりも一段低くなった凹状部20eが形成されている。したがって、このように構成することにより、ドレン水が少ない場合でも、ドレン水は凹状部20eに溜まり易くなっており、霧化装置30と蒸発皿20内のドレン水とが接触していない状態になることを防ぐことができる。
また、本実施形態では、霧化装置30への通電を常に行っている訳ではなく、例えば、蒸発器14の霜取りが行われた後の一定時間に亘って行っている。蒸発器14の霜取りを行うことにより、ドレン管60を介してドレン水が蒸発皿20内に溜まる。そこで、蒸発器14の霜取り後の一定時間に亘って霧化装置30への通電を行うことにより、通電期間を必要最小限にして、霧化装置30の電力消費を抑えることができる。また、蒸発器14の霜取り後の一定時間に亘って霧化装置30への通電を行うことにより、蒸発皿20内には確実にドレン水が溜まっていることが考えられるため、上述したような霧化装置30の故障も防ぐことができる。
蒸発皿20内のドレン水量と、蒸発器14の霜取り時間との間には、一定の相関関係があると考えられる。つまり、蒸発器14の霜取り時間が長ければ長い程、蒸発皿20内のドレン水量が増える。そこで、霧化装置30への通電は、蒸発器14の霜取り時間が所定時間を超えた場合に、一定時間に亘って行うようにしてもよい。蒸発器14の霜取り時間が所定時間を超えた場合には、ドレン水量も所定の水量に達していること考えられるので、このような場合に霧化装置30への通電を一定時間に亘って行うことにより、確実に蒸発皿20内のドレン水を霧化することができる。また、霧化装置30への通電期間を必要最小限にして、霧化装置30の電力消費を抑えることができる。さらに、このような場合には、ドレン水量も所定の水量に達していること考えられるので、上述したような霧化装置30の故障も防ぐことができる。
蒸発皿20内のドレン水量については、例えば、シーソー型のセンサを蒸発皿20に設け、このセンサにより検知するようにしてもよい。この場合には、センサにより蒸発皿20内のドレン水量が所定量に達したと判断した場合に、霧化装置30への通電を行えばよい。
本実施形態では、霧化装置30は、超音波素子を使用した態様について説明した。しかしながら、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、回転円盤による遠心式微細化装置、あるいは静電霧化装置など一般に知られている装置を霧化装置30として使用してもよい。
<第2の実施形態>
図8は、本発明の第2の実施形態に係る冷蔵庫1を示す断面図であり、図9に示すE-E’線断面図である。図9は、図8に示す冷蔵庫1の機械室を示す模式図である。図8および図9を参照しつつ、本発明の第2の実施形態に係る冷蔵庫1の概要を説明する。
図8に示すように、第2の実施形態に係る冷蔵庫1においては、冷蔵庫1の側面視において、蒸発皿20は冷蔵庫1の背面2a-1よりもY方向側には突出していない。本実施形態においては、冷蔵庫1の上部の背面2a-1に、空間確保手段としての突出部80が設けられている。突出部80は、冷蔵庫1における背面2a-1のX方向の幅一杯に延びた形状であってもよいし、短い長さの突出部80を、背面2a-1のX方向の幅の両端部にそれぞれ設けてもよい。
本実施形態においては、冷蔵庫1を室内の壁面70付近に設置する場合、突出部80が空間確保手段として機能し、冷蔵庫1の背面2a-1と壁面70との間には、間隔Wの空間Sが確保される。
また、本実施形態においては、図8および図9に示すように、冷蔵庫1のX方向の幅方向において、蒸発皿20の位置に対応する冷蔵庫1の背面2a-1の一部に切り欠きを設け、流路65を形成している。
流路65が形成されていることにより、霧化装置30により霧化され、ミストとなったドレン水は、流路65を通って冷蔵庫1の背面2a-1と壁面70との間の空間Sに導かれる。つまり、図5に示すように、霧化装置30により矢印B方向に放出されたミストは、流路65により矢印C方向に方向を変え、その後に背面2a-1に沿って、空間S内を矢印D方向に放出される。このように、本実施形態においても、ミストによる上昇気流が冷蔵庫1の背面2a-1に立ち上がり、蒸発皿20内に貯留されたドレン水に対する蒸散性能を向上させることができ、蒸発皿20内のドレン水を確実に蒸散させることができる。
本実施形態においても、省エネルギー化のために高効率のコンプレッサ50を使用しつつ、霧化装置30により確実に蒸発皿20内のドレン水を蒸散させ、蒸発皿20からドレン水が溢れ出てしまうことを防ぐことができる。
第1の実施形態で説明した霧化装置30への通電方法、蒸発皿20内のドレン水の検知方法等については重複した説明を省略するが、第2の実施形態においても当然に適用可能である。
本発明の実施の形態、実施の態様を説明したが、開示内容は構成の細部において変化してもよく、実施の形態、実施の態様における要素の組合せや順序の変化等は請求された本発明の範囲及び思想を逸脱することなく実現し得るものである。
1 冷蔵庫
2a-1 背面
12 機械室
20 蒸発皿
30 霧化装置
50 コンプレッサ
80 突出部
S 空間

Claims (3)

  1. 機械室に設けられたコンプレッサと、
    前記コンプレッサの上部に配置された蒸発皿と、を有する冷蔵庫であって、
    前記蒸発皿内に設けられ、通電によりドレン水を霧化する霧化装置と、
    前記霧化装置により霧化されたドレン水が冷蔵庫の背面側に沿って上昇する空間を形成する空間確保手段と、を備え、
    前記空間確保手段は、前記冷蔵庫の側面視において、前記冷蔵庫の背面よりも後方に突出する延長部を備えた前記蒸発皿であり、
    前記蒸発皿の底板は、前記コンプレッサの上部に位置する部分が前記冷蔵庫の前面側よりも前記延長部側が低くなるように傾斜した傾斜面と、前記傾斜面に連続し、前記延長部に形成された水平面とを有し、
    前記延長部には、前記水平面よりも一段低くなった凹状部が形成されており、
    前記霧化装置は、前記凹状部に設けられている、
    ことを特徴とする冷蔵庫。
  2. 前記霧化装置への通電は、霜取り後の一定時間に亘って行われる
    ことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
  3. 前記霧化装置は、冷蔵庫の外表面に接しないように、カバー部材により覆われている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
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