JP7067287B2 - トナー及びその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の第1実施形態は、トナーに関する。第1実施形態に係るトナーは、トナー母粒子と、トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備えるトナー粒子を含む。外添剤は、シリカ粒子を含む。シリカ粒子は、シリカ基体と、シリカ基体を被覆する第1表面処理層と、第1表面処理層を被覆する第2表面処理層とを有する。第1表面処理層は、カルボキシル変性シリコーンオイルを含有する。第2表面処理層は、下記一般式(I)で表される第1繰り返し単位と、下記一般式(II)で表される第2繰り返し単位とを有する第1共重合体を含有する。ガスクロマトグラフィー質量分析法により測定されるシリカ粒子における未開環オキサゾリン基の含有割合は、1μmol/g以上500μmol/g以下である。
図1は、第1実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子1の一例を示す。図1に示すトナー粒子1は、トナー母粒子2と、トナー母粒子2の表面に付着した外添剤3とを備える。外添剤3は、シリカ粒子を含む。即ち、図1に示す複数の外添剤3のうち、少なくとも一部はシリカ粒子である。トナー母粒子2は、トナーコア2aと、トナーコア2aを被覆するシェル層2bとを有する。但し、第1実施形態に係るトナーの含むトナー粒子は、トナー母粒子と、トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備える限り、図1に示すトナー粒子1とは異なる構造であってもよい。
外添剤は、シリカ粒子を含む。外添剤は、シリカ粒子以外の他の外添剤を更に含んでもよい。外添剤粒子の個数平均1次粒子径としては、5nm以上50nm以下が好ましく、10nm以上35nm以下がより好ましい。
シリカ粒子は、シリカ基体と、シリカ基体を被覆する第1表面処理層と、第1表面処理層を被覆する第2表面処理層とを有する。シリカ粒子における未開環オキサゾリン基の含有割合としては、1μmol以上/g以上500μmol/g以下であり、20μmol/g以上460μmol/g以下が好ましく、20μmol/g以上420μmol/g以下がより好ましく、20μmol/g以上350μmol/g以下が更に好ましい。
シリカ基体としては、特に限定されないが、例えば親水性ヒュームドシリカを用いることができる。シリカ基体の比表面積としては、例えば70m2/g以上120m2/g以下とすることができる。
第1表面処理層は、カルボキシル変性シリコーンオイルを含有する。第1表面処理層におけるカルボキシル変性シリコーンオイルの含有割合としては、80質量%以上が好ましく、95質量%がより好ましく、100質量%が更に好ましい。
第2表面処理層は、上述した一般式(I)で表される第1繰り返し単位と、一般式(II)で表される第2繰り返し単位とを有する第1共重合体を含有する。第2表面処理層における第1共重合体の含有割合としては、80質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましく、100質量%が更に好ましい。
図1で説明したトナー粒子においては、トナー母粒子は、トナーコアと、トナーコアの表面を被覆するシェル層とを有している。以下、このようなトナー粒子をカプセルトナー粒子と記載することがある。シェル層は、実質的に樹脂から構成される。シェル層は、実質的に熱硬化性樹脂から構成されてもよいし、実質的に熱可塑性樹脂から構成されてもよいし、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との両方を含有してもよい。例えば、低温で溶融するトナーコアを、耐熱性に優れるシェル層で覆うことで、トナーの耐熱保存性及び低温定着性の両立を図ることが可能になる。シェル層を構成する樹脂中には、添加剤が分散していてもよい。シェル層は、図1ではトナーコアの表面全体を覆っているが、このような態様には限定されず、トナーコアの表面を部分的に覆っていてもよい。また、トナー母粒子においてシェル層は任意構成であり、シェル層で被覆されていないトナーコアをそのままトナー母粒子として用いてもよい。
トナーコアは、例えば主成分として結着樹脂を含有する。結着樹脂を含有するトナーコアは、必要に応じて、内添剤(例えば、着色剤、離型剤、電荷制御剤、及び磁性粉の少なくとも1つ)を含有してもよい。
低温定着性に優れたトナーを提供する観点から、トナーコアは、結着樹脂として熱可塑性樹脂を含有することが好ましく、結着樹脂全体の85質量%以上の割合で熱可塑性樹脂を含有することがより好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、オレフィン系樹脂(より具体的には、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等)、ビニル樹脂(より具体的には、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ビニルエーテル樹脂、N-ビニル樹脂等)、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、及びウレタン樹脂が挙げられる。また、これら各樹脂の共重合体、すなわち上記樹脂中に任意の繰り返し単位が導入された共重合体(より具体的には、スチレン-アクリル酸エステル系樹脂、スチレン-ブタジエン系樹脂等)も、結着樹脂として使用できる。
トナーコアは、着色剤を含有していてもよい。着色剤としては、トナーの色に合わせて公知の顔料又は染料を用いることができる。トナーを用いて高画質な画像を形成する観点から、着色剤の含有量としては、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下が好ましい。
トナーコアは、離型剤を含有していてもよい。離型剤は、例えば、トナーに耐オフセット性を付与する目的で使用される。トナーに充分な耐オフセット性を付与させる観点から、離型剤の含有量としては、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下が好ましい。
トナーコアは、電荷制御剤を含有していてもよい。電荷制御剤は、例えば、より優れた帯電安定性又は優れた帯電立ち上がり特性を有するトナーを提供する目的で使用される。トナーの帯電立ち上がり特性は、短時間で所定の帯電レベルにトナーを帯電させることができるか否かの指標になる。トナーコアに正帯電性の電荷制御剤を含有させることで、トナーコアのカチオン性を強めることができる。
トナーコアは、磁性粉を含有していてもよい。磁性粉の材料としては、例えば、強磁性金属(より具体的には、鉄、コバルト、ニッケル等)及びその合金、強磁性金属酸化物(より具体的には、フェライト、マグネタイト、二酸化クロム等)、並びに強磁性化処理が施された材料(より具体的には、熱処理により強磁性が付与された炭素材料等)が挙げられる。
シェル層は、例えば主成分としてシェル樹脂を含有する。シェル層としては、実質的にシェル樹脂から構成されている層(例えばシェル樹脂の含有割合が90質量%以上である層)が好ましく、シェル樹脂のみを含有する層がより好ましい。シェル樹脂としては、シリカ粒子の第2表面処理層が含有する第1共重合体と同様の樹脂を用いることができる。但し、シェル樹脂として用いることのできる樹脂は、第1共重合体と比較し、以下の点が相違する。まず、シェル樹脂として用いることのできる樹脂は、第2繰り返し単位を有していなくてもよい。また、シェル樹脂として用いることのできる樹脂が第2繰り返し単位を有する場合、一般式(II)中の*は、カルボキシル変性シリコーンオイルに含まれる原子との結合部位ではなく、結着樹脂に含まれる原子との結合部位を表す。
本発明の第2実施形態は、トナー母粒子と、トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備えるトナー粒子を含むトナーの製造方法であって、シリカ基体をカルボキシル変性シリコーンオイルにより表面処理する工程(第1表面処理工程)と、カルボキシル変性シリコーンオイルにより表面処理されたシリカ基体を、下記一般式(I)で表される第1繰り返し単位を含む第2共重合体で表面処理することにより、シリカ粒子を調製する工程(第2表面処理工程)と、シリカ粒子を含む外添剤をトナー母粒子の表面に付着させる工程(外添工程)とを備える。ガスクロマトグラフィー質量分析法により測定されるシリカ粒子における未開環オキサゾリン基の含有割合は、1μmol/g以上500μmol/g以下である。
まず、本実施形態に用いるトナー母粒子を準備する方法について説明する。トナー母粒子としては、トナーコアをそのままトナー母粒子として用いてもよく、トナーコアと、トナーコアを被覆するシェル層とを有するトナー母粒子を用いてもよい。
第2実施形態に係るトナーの製造方法では、第1表面処理工程及び第2表面処理工程により、シリカ粒子を調製する。
本工程では、カルボキシル変性シリコーンオイルによりシリカ基体を表面処理する。これにより、シリカ基体に、その表面を被覆する第1表面処理層を形成する。本工程では、カルボキシル変性シリコーンオイルのみを用いて表面処理を行うことが好ましいが、カルボキシル変性シリコーンオイルと共に他の成分を併用してもよい。
本工程では、カルボキシル変性シリコーンオイルにより表面処理されたシリカ基体を、一般式(I)で表される第1繰り返し単位を含む第2共重合体により表面処理することにより、シリカ粒子を調製する。具体的には、シリカ基体に形成された第1表面処理層を、第2表面処理層で被覆する。第2表面処理工程では、第2共重合体のみを用いて表面処理を行ってもよいが、第2共重合体と共に他の成分を併用してもよい。
本工程では、トナー母粒子の表面に外添剤を付着させる。これにより、トナー母粒子と、トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備えるトナー粒子が得られる。トナー母粒子の表面に外添剤を付着させる方法としては、特に限定されないが、例えば、トナー母粒子及び外添剤をミキサー等で攪拌する方法が挙げられる。
以下の方法により、実施例及び比較例のトナーを製造した。
以下の方法により、トナーコア及びシェル層を有するトナー母粒子を得た。まず、トナーコアに用いるポリエステル樹脂を合成した。
ポリエステル樹脂の合成では、4つ口フラスコを反応容器として用いた。この4つ口フラスコは、温度計、窒素導入管、脱水管、精留塔、攪拌羽根及び熱電対を備えた容量5Lの反応容器であった。反応容器を油浴にセットし、反応容器に、プロパンジオール1250gと、テレフタル酸1720gと、エステル化触媒としてのジオクタン酸錫(II)3gとを投入した。続けて、油浴を用いて反応容器の内温を220℃に昇温した。反応容器の内温を220℃で保持し、窒素雰囲気下、15時間縮合反応させた。更に、反応容器の内温を220℃に保持し、反応容器内の圧力を8.0kPaとし、反応生成物(ポリエステル樹脂)の軟化点が所望の温度になるまで縮合反応を行い、ポリエステル樹脂Aを得た。ポリエステル樹脂AのTmは88℃であった。
FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM-20B」)に、結着樹脂としてのポリエステル樹脂Aを82.0質量部と、離型剤としてのエステルワックス(日油株式会社製「ニッサンエレクトール(登録商標)WEP-3」)9.0質量部と、着色剤としてのカーボンブラック(三菱化学株式会社製「MA100」)9.0質量部とを入れた。ミキサーの内容物を回転速度2000rpmで4分間にわたって混合した。
温度計、及び攪拌羽根を備えた3つ口フラスコ(容量:1L)に300mLのイオン交換水を入れた。フラスコを水浴にセットして、水浴を用いてフラスコ内の温度を30℃に保った。フラスコに所定量のオキサゾリン基含有高分子水溶液(株式会社日本触媒製「エポクロス(登録商標)WS-300」、固形分濃度:10質量%)を加えた後、フラスコの内容物を1時間にわたって回転速度200rpmで攪拌した。フラスコに300.0gのトナーコアを加えた後、フラスコの内容物を1時間にわたって回転速度200rpmで攪拌した。なお、オキサゾリン基含有樹脂の配合量がトナーコアの配合量に対して1質量%となるように、オキサゾリン基含有高分子水溶液の配合量を決定した。
得られたトナー母粒子の分散液を、ブフナー漏斗を用いて、吸引濾過した。得られたウェットケーキ状のトナー母粒子をイオン交換水に再度分散させた。得られた分散液を、ブフナー漏斗を用いて、吸引濾過した。このような固液分離処理を5回にわたって繰り返し行った。
得られたトナー母粒子をエタノール水溶液(濃度:50質量%)に分散させた。これにより、トナー母粒子のスラリーが得られた。連続式表面改質装置(フロイント産業株式会社製「コートマイザー(登録商標)」)を用いて、熱風温度45℃且つブロアー風量2m3/分の条件で、スラリー中のトナー母粒子を乾燥させた。このようにして、トナー母粒子を含む粉体を得た。
以下の方法により、シリカ粒子(A-1)~(A-6)及び(B-1)~(B-5)を製造した。
温度計、攪拌羽根、及び冷却機を備えた4ロフラスコ(容量:2L)に、50gの親水性フュームドシリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「AEROSIL(登録商標)90G」、個数平均1次粒子径:約20nm)を入れた。窒素をフラスコに導入して、フラスコ内の気体を窒素で置換した。フラスコの内容物を攪拌しながら、水をフラスコ内へ噴霧した。その後、攪拌を維持した状態で下記表1に示す種類及び含有量のカルボキシル変性シリコーンオイル又はシランカップリング剤をフラスコ内へ噴霧した。250℃で2時間の反応後、冷却機を取り除き、250℃で加熱しながら窒素ガスとともにアルコールを除去した。これにより、第1表面処理層で被覆されたシリカ基体を得た。
シランカップリング剤a:KBE-903(信越化学工業株式会社製)
シランカップリング剤b:KBM-3033(信越化学工業株式会社製)
カルボキシル変性シリコーンオイルA:X-22-3710(信越化学工業株式会社製)
カルボキシル変性シリコーンオイルB:X-22-162C(信越化学工業株式会社製)
カルボキシル変性シリコーンオイルC:X-22-3701E(信越化学工業株式会社製)
高分子水溶液A:株式会社日本触媒製「エポクロス(登録商標)WS-700」、固形分濃度25質量%
高分子水溶液B:株式会社日本触媒製「エポクロス(登録商標)WS-300」、固形分濃度10質量%
得られたシリカ粒子の分散液を、ブフナー漏斗を用いて、吸引濾過した。得られたウェットケーキ状のシリカ粒子をイオン交換水に再度分散させた。得られた分散液を、ブフナー漏斗を用いて、吸引濾過した。このような固液分離処理を3回にわたって繰り返し行った。
得られたシリカ粒子をエタノール水溶液(濃度:50質量%)に分散させた。これにより、シリカ粒子のスラリーが得られた。連続式表面改質装置(フロイント産業株式会社製「コートマイザー(登録商標)」)を用いて、熱風温度45℃且つブロアー風量2m3/分の条件で、スラリー中のシリカ粒子を乾燥させた。このようにして、シリカ粒子を含む粉体を得た。
シリカ粒子(A-1)~(A-8)及び(B-1)~(B-5)における未開環オキサゾリン基の含有割合を測定した。詳しくは、標準物質に基づく検量線を用いて、以下に示す条件で、GC/MS法による定量分析を行った。測定結果を下記表1に示す。
測定装置として、ガスクロマトグラフ質量分析計(株式会社島津製作所製「GCMS-QP2010 Ultra」)及びマルチショット・パイロライザー(フロンティア・ラボ株式会社製「FRONTIER LAB Multi-functional Pyrolyzer(登録商標)PY-3030D」)を用いた。カラムとしては、GCカラム(アジレント・テクノロジー社製「Agilent(登録商標)J&W ウルトライナートキャピラリGCカラム DB-5ms」、相:シロキサンポリマーにアリレンを入れてポリマーの主鎖を強化したアリレン相、内径:0.25mm、膜厚:0.25μm、長さ:30m)を用いた。
・キャリアガス:ヘリウム(He)ガス
・キャリア流量:1mL/分
・気化室温度:210℃
・熱分解温度:加熱炉「600℃」、インターフェイス部「320℃」
・昇温条件:40℃で3分間保持した後、40℃から速度10℃/分で300℃まで昇温し、300℃で15分間保持した。
・イオン化法:EI(Electron Impact)法
・イオン源温度:200℃
・インターフェイス部の温度:320℃
・検出モード:スキャン(測定範囲:45m/z~500m/z)
シリカ粒子について、以下に示すFT-IR(フーリエ変換赤外分光分析装置)を用いた測定により、第2繰り返し単位又は第4繰り返し単位に含まれる特定の共有結合の存在を確認した。測定結果を下記表1に示す。
FT-IR(フーリエ変換赤外分光分析装置)としては、パーキンエルマー社製「Frontier」を用いた。「Frontier」には、アクセサリーとして同社製「ユニバーサルATR」を装着した。測定モードは、ATR(全反射測定法)モードとした。測定装置を用いて、測定範囲4000cm-1~400cm-1、分解能4.0cm-1、積算回数16回の条件で、バックグラウンドを測定した後、シリカ粒子のFT-IRスペクトル(横軸:照射した赤外線の波数、縦軸:吸光度)を測定した。得られたIRスペクトルにアミド結合中のC=O伸縮ピークである1650cm-1~1515cm-1のピークの有無を確認した。C=O伸縮ピークが確認された場合、カルボキシル基及びオキサゾリン基の反応により形成される特定の共有結合がシリカ粒子に含まれると判断した。即ち、シリカ粒子が第2繰り返し単位又は第4繰り返し単位を含む重合体を含有していると判断した。
FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM-10B」)を用いて、回転速度3000rpm、ジャケット温度20℃の条件で、トナー母粒子100質量部と、外添剤とを添加し、5分間混合した。外添剤としては、下記表1に示す種類のシリカ粒子1.8質量部と、導電性酸化チタン微粒子(チタン工業株式会社製「EC-100」)1.5質量部とを用いた。これにより、実施例1~8及び比較例1~5のトナー(TA-1)~(TA-8)及び(TB-1)~(TB-5)を得た。
以下の方法により、実施例1~8及び比較例1~5のトナーのかぶり抑制、耐熱ストレス性及び帯電安定性を評価した。具体的には、各トナーについて、かぶり濃度と、エイジング処理後の凝集度と、電荷減衰係数とを測定した。かぶり濃度は、3通りの条件で行った。
ボールミルを用いて、100質量部のキャリア(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「TASKalfa5550ci」用キャリア)と、トナー(より具体的には、トナー(TA-1)~(TA-8)及び(TB-1)~(TB-5)の各々)10質量部とを30分間にわたって混合した。これにより、評価対象を得た。
FD=(白紙部の反射濃度)-(未印刷紙の反射濃度)
優良:評価値が0.010以下
不良:評価値が0.011超
かぶり濃度Aの評価と同様の方法により、評価対象及び評価機を得た。温度32.5℃かつ湿度80%RHの環境下で、評価機を用いて、画像(印字率:1%)を普通紙(A4サイズ)に10000枚連続で印刷した。次に、温度32.5℃且つ湿度80%RHの環境下で、評価機を用いて、評価画像(印字率:20%)を普通紙(A4サイズ)に500枚連続で印刷した。このようにして、500枚の評価画像を得た。評価画像は、各々、ソリッド画像部と、白紙部(印字の無い領域)とを含んでいた。
優良:評価値が0.010以下
不良:評価値が0.011超
かぶり濃度Aの評価と同様の方法により、評価対象及び評価機を得た。評価機を32.5℃かつ湿度80%RHの環境下で24時間静置した。静置後、温度32.5℃かつ湿度80%RHの環境下で、評価機を用いて、評価画像(印字率:20%)を普通紙(A4サイズ)に10枚連続で印刷した。このようにして、10枚の評価画像を得た。評価画像は、各々、ソリッド画像部と、白紙部(印字の無い領域)とを含んでいた。
優良:評価値が0.010以下
不良:評価値が0.011超
ボールミルを用いて、100質量部のキャリア(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「TASKalfa500ci」用キャリア)と10質量部のトナー(より具体的には、トナー(TA-1)~(TA-8)及び(TB-1)~(TB-5)の各々)とを、30分間にわたって、混合した。このようにして、評価対象を得た。
凝集度=100×篩別後の評価対象の質量/篩別前の評価対象の質量
優良:2%以下
良好:2%超3%以下
不良:3%超
トナー(より具体的には、トナー(TA-1)~(TA-8)及び(TB-1)~(TB-5)の各々)の電荷減衰係数は、静電気拡散率測定装置(株式会社ナノシーズ製「NS-D100」)を用いて、JIS(日本工業規格)C 61340-2-1-2006に準拠した方法で測定した。まず、測定セルに試料(トナー)を入れた。測定セルとしては、凹部(内径:10mm、深さ:1mm)が形成された金属製のセルを用いた。スライドガラスを用いて試料を上から押し込み、セルの凹部に試料を充填した。セルの表面においてスライドガラスを往復移動させることによって、セルから溢れた試料を除去した。試料の充填量は0.04g以上0.06g以下とした。
優良:0.030未満
不良:0.030以上
2 トナー母粒子
2a トナーコア
2b シェル層
3 外添剤
4 シリカ基体
5 第1表面処理層
6 第2表面処理層
Claims (5)
- トナー母粒子と、前記トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備えるトナー粒子を含むトナーであって、
前記外添剤は、シリカ粒子を含み、
前記シリカ粒子は、シリカ基体と、前記シリカ基体を被覆する第1表面処理層と、前記第1表面処理層を被覆する第2表面処理層とを有し、
前記第1表面処理層は、カルボキシル変性シリコーンオイルを含有し、
前記第2表面処理層は、下記一般式(I)で表される第1繰り返し単位と、下記一般式(II)で表される第2繰り返し単位とを有する第1共重合体を含有し、
ガスクロマトグラフィー質量分析法により測定される前記シリカ粒子における未開環オキサゾリン基の含有割合は、1μmol/g以上500μmol/g以下である、トナー。
前記一般式(II)中、R2は、水素原子、又はフェニル基で置換されていてもよい炭素原子数1以上10以下のアルキル基を表し、*は、前記カルボキシル変性シリコーンオイルに含まれる原子との結合部位を表す。) - 前記シリカ粒子の含有量は、前記トナー母粒子100質量部に対し、0.5質量部以上5質量部以下である、請求項1に記載のトナー。
- 前記シリカ粒子における前記未開環オキサゾリン基の含有割合は、20μmol/g以上460μmol/g以下である、請求項1又は2に記載のトナー。
- 前記第1共重合体は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する第3繰り返し単位を更に有する、請求項1~3の何れか一項に記載のトナー。
- トナー母粒子と、前記トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備えるトナー粒子を含むトナーの製造方法であって、
シリカ基体をカルボキシル変性シリコーンオイルにより表面処理する工程と、
前記カルボキシル変性シリコーンオイルにより表面処理された前記シリカ基体を、下記一般式(I)で表される第1繰り返し単位を含む第2共重合体で表面処理することにより、シリカ粒子を調製する工程と、
前記シリカ粒子を含む前記外添剤を前記トナー母粒子の表面に付着させる工程とを備え、
ガスクロマトグラフィー質量分析法により測定される前記シリカ粒子における未開環オキサゾリン基の含有割合は、1μmol/g以上500μmol/g以下である、トナーの製造方法。
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