JP7067113B2 - 乗物用シートリクライニング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、乗物用シートリクライニング装置に関する。詳しくは、シートバックの傾斜角度を調節するための乗物用シートリクライニング装置に関する。
従来、乗物用シートリクライニング装置として、シートバックの背凭れ角度を一定ピッチ角度で調節可能な有段式のロック機構を備えたものが知られている(特許文献1)。上述した乗物用シートリクライニング装置は、シートバックをシートクッションに対して背凭れ角度の調節を行える状態に連結する継手装置として構成されている。具体的には、上述した乗物用シートリクライニング装置は、互いに相対回転可能な形に組み付けられた略円板状の金属部材から成るラチェット及びガイドと、これらの相対回転をロックするロック機構と、を備えた構成とされている。
上述したロック機構は、上述したガイドにセットされた複数のポールがラチェットの外周部に形成された内周歯に付勢により押し付けられて噛合されることにより、ラチェットとガイドとの相対回転をロックする構成とされている。詳しくは、上述したラチェットには、そのガイドに対する回転領域に、各ポールの噛合を受け入れることのできるロック領域と、各ポールの噛合を途中止めするように乗り上がらせることのできるフリー領域と、が設定されている。また、上述した各ポールには、ガイドの中心部にセットされたカムにより径方向の内側から押圧される被押圧面部と、上述したフリー領域への乗り上がり部となる乗り上がり突起と、上述したカムにより径方向の内側へと引き込まれるように操作される引込み操作面部と、が形成されている。これら被押圧面部と乗り上がり突起と引込み操作面部とは、それぞれ、各ポールの半抜き加工により形成されている。
国際公開第2016/129423号
上記従来技術では、各ポールの被押圧面部と乗り上がり突起と引込み操作面部とが、それぞれ、各ポールをひと繋がり状のラインで半抜きする合理的な加工によって軸方向の表裏面に凹凸状に表れるようにひとまとめに形成されているため、表裏両面の面精度を同時に出すことが難しい。本発明は、上記問題を解決するものとして創案されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、乗物用シートリクライニング装置におけるポールの凹凸状に形成される表裏両面の面精度を同時に向上させられるようにすることにある。
上記課題を解決するために、本発明の乗物用シートリクライニング装置は次の手段をとる。
第1の発明は、乗物用シートリクライニング装置であって、互いに相対回転可能に軸方向に組み付けられたラチェット及びガイドと、ラチェットとガイドとの間に設けられてこれらの相対回転をロックするロック機構と、ラチェットとガイドとの外周部間に跨って装着されてこれらを軸方向に組み付けた状態に保持する外周リングと、を有する。ロック機構が、ガイドにより周方向に支えられて径方向の外側へ押される移動によりラチェットと噛合してラチェットとガイドとの相対回転をロックするポールと、ポールを径方向の内側から押圧してラチェットと噛合させるカムと、を有する。ポールが、ラチェットに噛合される外周歯を備えた本体面部と、カムにより径方向の内側から押圧される被押圧面部と、カムにより径方向の内側へと引き込まれる引込み操作面部と、ラチェットがガイドに対して特定の回転位置にあるときにラチェットに対する径方向の内側からの噛合がフリー領域への乗り上がりによって食い止められる乗り上がり突起と、を有する。引込み操作面部及び乗り上がり突起が、互いに径方向に並ぶように分離した形で本体面部に対して同一の軸方向に半抜き状に突出するように半抜き加工された加工部から成り、被押圧面部が、引込み操作面部の半抜きされた本体面部の内周面部から成る。
この第1の発明によれば、ポールの引込み操作面部及び乗り上がり突起を、互いに分離させた形で本体面部から半抜き状に突出させる形に形成することで、引込み操作面部と乗り上がり突起とで精度が必要となる精度管理面を凹凸の表裏どちらかに個別に設定できるようになる。したがって、上記ポールのフリー領域に乗り上がる乗り上がり突起の突出先の径方向の外周面部(半抜きの凸面(表面))に精度が必要な精度管理面を設定しつつ、カムによって径方向の内側から押圧される被押圧面部(半抜きの凹面(裏面))にも精度が必要な精度管理面を設定することができる。
第2の発明は、上述した第1の発明において、次の構成とされているものである。乗り上がり突起のフリー領域に乗り上がる径方向の外周面部に、ラチェットの回転位置の変化に伴うフリー領域の乗り上がりの段差との周方向の当たりを傾斜状の当たりとするように逃がす傾斜面を有する。
この第2の発明によれば、乗り上がり突起の径方向の外周面部に形成される逃がしの傾斜面の精度も適切に高めることができる。
実施例1の乗物用シートリクライニング装置が適用された乗物用シートの概略構成を表した斜視図である。 図1の要部分解斜視図である。 図2を反対側から見た分解斜視図である。 乗物用シートリクライニング装置の分解斜視図である。 図4を反対側から見た分解斜視図である。 乗物用シートリクライニング装置の外側面図である。 乗物用シートリクライニング装置の内側面図である。 乗物用シートリクライニング装置の前側面図である。 図1のIX-IX線断面図である。 乗物用シートリクライニング装置のロック状態を表した図8のX-X線断面図である。 乗物用シートリクライニング装置のアンロック状態を表した図10に対応する断面図である。 図11からラチェットがフリー領域へと回された状態を表した断面図である。 図12から乗物用シートリクライニング装置のロック動作が阻止される状態を表した断面図である。 図12からラチェットがフリー領域の末端位置へと回された状態を表した断面図である。 図9のXV部拡大図である。 回転カムが付勢によりガイド壁に押し当てられる状態を表した断面図である。 ラチェットの回転位置の変化に伴う各ポールのロック動作の変化を(a)~(d)の場合に分けて表した断面図である。 図17の(a)~(d)における各ポールの乗り上がり突起とラチェットの突出部との位置関係を表した模式図である。 各ポールの外側面図である。 各ポールの内側面図である。
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。
《●シートリクライニング装置4の概略構成について》
始めに、実施例1のシートリクライニング装置(乗物用シートリクライニング装置)4の構成について、図1~図20を用いて説明する。なお、以下の説明において、前後上下左右等の各方向を示す場合には、各図中に示されたそれぞれの方向を指すものとする。また、「シート幅方向」と示す場合には、シート1の左右方向を指すものとする。
本実施例のシートリクライニング装置4は、図1に示すように、自動車の右側座席を構成するシート1に適用されている。上述したシートリクライニング装置4は、上述したシート1の背凭れ部となるシートバック2を着座部となるシートクッション3に対して背凭れ角度の調節を行える状態に連結する、シートリクライニング調節機構として構成されている。具体的には、上述したシートリクライニング装置4は、上述したシートバック2とシートクッション3との間に左右一対で設けられており、各々が一体的となってロック・アンロックの各状態に切り換えられることにより、シートバック2の背凭れ角度を固定したり解除したりする構成とされている。
詳しくは、上述したシートリクライニング装置4は、上述したシートバック2の左右の側部骨格を成す各サイドフレーム2Fの下端部と、これらのシート幅方向の外側に位置するシートクッション3の左右の側部骨格の後端部に連結された各リクライニングプレート3Fと、の間にそれぞれ介設されて、これらを互いに同軸まわりに相対回転させたり回転止めしたりすることができる形に連結した構成とされている(図2~図3参照)。
上述したシートリクライニング装置4は、常時は、シートバック2の背凭れ角度を固定したロック状態に保持されている。そして、シートリクライニング装置4は、シートクッション3の車両外側となる右側の側部に設けられたリクライニングレバー5が引き上げられる操作によって、それらのロック状態が一斉に解除されて、シートバック2の背凭れ角度を変えられるアンロック状態へと切り換えられるようになっている。そして、シートリクライニング装置4は、上述したリクライニングレバー5の引き上げられた操作状態が戻されることにより、付勢によって再びロック状態へと戻されるようになっている。
ここで、上述したシートバック2の左右各側のサイドフレーム2Fとそれらの外側に配置された各リクライニングプレート3Fとの間には、それぞれ、シートバック2に対して常時、前倒れ回転する方向へのバネ付勢力をかけるリターンスプリング6が掛着されている。これらリターンスプリング6の回転付勢力により、シートバック2は、上述したシートリクライニング装置4による背凭れ角度の固定状態が解かれることで、着座乗員の背部に当たる位置まで起こし上げられて、着座乗員の背部が前後に傾動される動きに合わせてその背凭れ角度が前後に自由に調節されるようになっている。上記構成により、シートバック2が、背凭れ角度の調節を簡便に行うことができるようになっている。
上述したシートバック2は、上述したシートクッション3に対して、その上面に畳み込まれる前倒れ位置と、後側に略真っ直ぐ倒し込まれた後倒れ位置と、の間の約180度の回転領域をシート前後方向に回転することができるようになっている。このうち、シートバック2の背凭れ角度が上側に略真っ直ぐ起立した直立位置から上述した後倒れ位置となるまでの間の約90度の回転領域は、リクライニングレバー5の引き上げ操作が解かれることでシートバック2の背凭れ角度が固定された状態に戻される「ロック領域A1」として設定されている。また、シートバック2の背凭れ角度が上述した直立位置から前倒れ位置となるまでの間の回転領域は、リクライニングレバー5の引き上げ操作が解かれてもシートバック2の背凭れ角度が固定された状態に戻されることなく解除されたままの状態に維持される「フリー領域A2」として設定されている。
上述したロック領域A1及びフリー領域A2は、それぞれ、後述するシートリクライニング装置4に設定されたロック領域A1やフリー領域A2によって形成されている。上述したフリー領域A2の設定により、シートバック2は、シート1に人が座っていない状態でリクライニングレバー5が操作された時には、上述したリターンスプリング6の付勢によってフリー領域A2に入る位置まで倒し込まれたら、その後はリクライニングレバー5の操作状態を継続しなくても前傾姿勢位置まで倒されていくようになっている。
上述したシートリクライニング装置4は、図2~図3に示すように、具体的には、上述したシートバック2の各側のサイドフレーム2Fの外側面に一体的に結合されるラチェット10と、各側のリクライニングプレート3Fの内側面に一体的に結合されるガイド20と、を有し、これらラチェット10とガイド20とが互いの相対回転をロックされたり解除されたりすることにより、シートバック2の背凭れ角度を固定したり解除したりする構成とされている。
《シートリクライニング装置4の具体的な構成について》
以下、上述した左右一対で設けられたシートリクライニング装置4の具体的な構成について詳しく説明していく。なお、シートリクライニング装置4は、互いに左右対称向きとなる同一の構成となっているため、以下では、これらを代表して、図2~図3に示されている車両外側(右側)に配置された一方側の構成について説明することとする。
図4~図5に示すように、シートリクライニング装置4は、互いに軸方向に組み付けられる略円板形状のラチェット10及びガイド20と、これらの間に組み付けられる3つのポール30及びこれらを径方向の内外に移動操作する回転カム40と、回転カム40をガイド20に対してロックの回転動作方向に付勢するスパイラルスプリングから成るロックスプリング50と、ラチェット10とガイド20との外周部間に跨って装着されてこれらを軸方向に組み付けた状態に保持する略円筒形状の外周リング60と、を有して構成されている。上述したラチェット10、ガイド20、3つのポール30、及び回転カム40は、それぞれ、プレス成形後に焼き入れ処理されることで硬質化されて構造強度が高められた構成とされている。ここで、上述した回転カム40が本発明の「カム」に相当する。以下、上述したシートリクライニング装置4を構成する各部材の具体的な構成について順に詳しく説明していく。
《◆ラチェット10について》
図4に示すように、ラチェット10は、1枚の金属板部材が略円板状の形にカットされると共に、所々で板厚方向(軸方向)に半抜き加工されて形成された構成とされている。
具体的には、上述したラチェット10の円板本体11の外周縁部には、ガイド20への組み付け方向となる軸方向に略円筒形状に突出する円筒部12が形成されている。上述した円筒部12は、詳しくは、円板本体11の外周縁部が軸方向に2段階に突出する形に半抜き加工されていて、その内周側に円筒部12よりも軸方向に小さく略円筒形状に突出する中間円筒部13が形成された、内外2段の円筒形状を有する段付き円筒形状に形成された構成とされている。
上述した円筒部12の内周面には、径方向の内側に歯面を向ける内周歯12Aが周方向の全域に亘って連続的に並ぶ形となって形成されている。上述した内周歯12Aは、後述する各ポール30の外周面に形成された各外周歯31をそれぞれ径方向の内側から押し付けて噛合させることのできる歯面形状に形成されている。詳しくは、上述した内周歯12Aは、各歯面が周方向に2度ピッチで等間隔に並ぶ形に形成された構成とされている。
また、中間円筒部13の内周面には、その中心部(中心軸線C)からの内径や周方向長さが個々に設定された3つの周方向領域(第1の領域13A、第2の領域13B及び第3の領域13C)と、これらの領域の一部の境界から径方向の内側に突出する第1の凸部13D及び第2の凸部13Eと、上述した第3の領域13Cの第2の凸部13Eとの境界位置にて径方向の外側に凹む逃がし凹部13Fと、が形成されている。
上述した第1の領域13Aと第2の領域13Bと第3の領域13Cとは、互いが中心部(中心軸線C)まわりの同心円の円弧を描く形に湾曲した内周面形状に形成されている。詳しくは、第1の領域13Aと第3の領域13Cは、第2の領域13Bよりも大きな内径を有する内周面形状に形成され、第1の領域13Aと第3の領域13Cとは、互いに同一の内径を有する内周面形状に形成されている。
上述した第1の領域13Aは、図10、図17(a)及び図18(a)に示すように、ラチェット10の回転により後述する3つのポール30のうちのメインポールP1が同領域に周方向に重なって配置される時に、同メインポールP1がラチェット10の内周歯12Aと噛合するための径方向の外側への移動を許容してロック作動させられるようにする、メインポールP1のロック領域A1を構成するものとなっている。
また、第2の領域13Bと第3の領域13Cとは、それぞれ、上述した第1の領域13AにメインポールP1が周方向に重なって配置される時に、上記3つのポール30のうちの残る2つのサブポールP2と周方向に重なる配置とされる他所領域A3として、これらサブポールP2のラチェット10の内周歯12Aへの噛合移動を許容するよう機能するものとなっている。
しかし、上述した第2の領域13Bは、図12に示すように、ラチェット10の回転により上述したメインポールP1が同領域に周方向に重なって配置される時には、図13、図17(b)及び図18(b)に示すように、同メインポールP1がラチェット10の内周歯12Aと噛合するための径方向の外側への移動を途中で乗り上げさせて食い止めるように機能する、メインポールP1のフリー領域A2を構成するものとなっている。
そして、上述した第2の領域13BにメインポールP1が周方向に重なって配置される時には、上述した第3の領域13Cと第1の領域13Aとは、それぞれ、残る2つのサブポールP2と周方向に重なる配置となる他所領域A3として、これらの領域で上述したメインポールP1の動きに同調する各サブポールP2の動きを逃がすように機能するものとなっている。
すなわち、上述したラチェット10の中間円筒部13は、上述した第1の領域13AにおいてメインポールP1のロック作動を許容するロック領域A1(図10、図17(a)及び図18(a)参照)を構成し、第2の領域13BにおいてメインポールP1のロック作動を乗り上げにより阻止してアンロック状態に保持したままラチェット10を周方向にフリーに回転させられるようにするフリー領域A2(図13、図17(b)及び図18(b)参照)を構成するものとなっている。
そして、図10、図17(a)及び図18(a)に示すように、上述したメインポールP1が第1の領域13Aと周方向に重なって配置される時には、第2の領域13Bと第3の領域13Cとは、それぞれ、他所領域A3として、残る2つのサブポールP2がメインポールP1の動きに同調してロック作動する動きを許容するように機能するようになっている。また、図13、図17(b)及び図18(b)に示すように、上述したラチェット10の回転により上述したメインポールP1が第2の領域13Bと周方向に重なって配置される時には、第3の領域13Cと第1の領域13Aとが、それぞれ、他所領域A3となって、残る2つのサブポールP2がメインポールP1の動きに同調してロック作動が途中で阻止される動きを許容するように機能するようになっている。
このように、ラチェット10の中間円筒部13は、上述した第1の領域13Aと第2の領域13BとによってメインポールP1のロック作動の許容・阻止を制御し、その時その時の残る2つのサブポールP2が位置する他の領域(他所領域A3)によってこれら2つのサブポールP2がメインポールP1の動きに同調する動きを逃がすことができるように構成されている。
第1の凸部13Dと第2の凸部13Eとは、図17(c)及び図18(c)に示すように、上述したメインポールP1がラチェット10の回転によりロック領域A1(第1の領域13A)からフリー領域A2(第2の領域13B)へと移行される時に中途半端に径方向の外側に押し出されて第1の領域13Aと第2の領域13Bとの間の段差に誤って周方向に押し当てられることがあった場合(図17(b)及び図18(b)のような配置となる場合)に、それによる負荷をメインポールP1にのみ集中させることなく他の2つのサブポールP2へも分散させられるように2つのサブポールP2を同時に当接させる機能をするものとなっている。
すなわち、上述した第1の凸部13Dと第2の凸部13Eとは、ラチェット10の回転により上述したメインポールP1が第1の領域13Aと第2の領域13Bとの間の段差に周方向に押し当てられる関係となる時に、残る2つのサブポールP2と周方向に押し当てられる関係となる位置にそれぞれ形成されている。
逃がし凹部13Fは、図14、図17(d)及び図18(d)に示すように、上述したメインポールP1がラチェット10の回転によりフリー領域A2である第2の領域13B上を周方向の末端位置まで移動した際に、同メインポールP1をその位置でラチェット10の内周歯12Aに噛合させられるように乗り上がり状態から外す構成となっている。上記逃がし凹部13Fにより、ラチェット10がフリー領域A2の末端位置、すなわちシートバック2が図1で前述したシートクッション3の上面に畳み込まれる前倒れ位置まで倒し込まれることにより、シートリクライニング装置4がその位置でロックされて、シートバック2が回転止めされた状態へと切り換えられるようになっている。それにより、シートバック2を前倒れ位置にてバタ付かせないようにロックすることができるようになっている。
図4~図5に示すように、上述したラチェット10の円板本体11の中心部(中心軸線C上の位置)には、丸孔形状に貫通した貫通孔11Aが形成されている。この貫通孔11A内には、後述する回転カム40の中心部(中心軸線C上の位置)に差し込まれて装着される操作ピン5Aが、軸方向の外側から回転フリーな状態として挿通されるようになっている。また、図5に示すように、上述したラチェット10の円板本体11の外側面上には、その中心部(中心軸線C)まわりの同一円周上に並ぶ周方向の3箇所の位置に、軸方向に円弧状に押し出された形となって突出するダボ14が形成されている。
上述した各ダボ14は、上述した中間円筒部13の第1の領域13Aと第2の領域13Bと第3の領域13Cとが形成された周方向の各形成領域内にそれぞれ1つずつ収まる形に形成されている。上記構成のラチェット10は、図3に示すように、その円板本体11の外側面が上述したシートバック2のサイドフレーム2Fの外側面に面当接される形に組み付けられて、互いの当接箇所が溶接されることにより、シートバック2のサイドフレーム2Fに一体的に結合されている(溶接箇所W)。
詳しくは、上述したラチェット10は、その円板本体11の外側面上に形成された3つのダボ14が、シートバック2のサイドフレーム2Fに形成された対応する略円弧形状に貫通する3つの各嵌合孔2Fa内にそれぞれ嵌合された状態に組み付けられて、これら嵌合された各箇所の周囲領域(結合領域A4)がそれぞれレーザ溶接によりサイドフレーム2Fに面当接した状態に接合されて結合されている(溶接箇所W)。
より詳しくは、上述したラチェット10の円板本体11の外側面には、その3つのダボ14が形成された領域の径方向の外側かつ周方向の両サイドの領域に、上述したサイドフレーム2Fに面当接した状態に当てられてレーザ溶接される結合領域A4が形成されている。上述した各結合領域A4は、図7に示すように、それらの外周縁に形成された上述した中間円筒部13の第1の領域13Aと第3の領域13Cとが第2の領域13Bよりも径方向の外側に拡張された位置にある構成とされていることにより、第1の領域13Aと第3の領域13Cとが形成された周方向の各形成領域にある領域が、第2の領域13Bが形成された周方向の形成領域にある領域よりも、径方向に面積が拡張された拡張面部11Bを有する構成とされている。
上記構成により、上述したラチェット10の円板本体11の外側面は、上述した第1の領域13Aと第3の領域13Cとが形成された周方向の各形成領域にある拡張面部11Bを有する2つの結合領域A4が、第2の領域13Bが形成された周方向の形成領域にある1つの結合領域A4よりも、サイドフレーム2Fに対して径方向の外側へ向けてより広く当てられた状態として強固に溶接されるようになっている。
具体的には、上述したラチェット10の円板本体11の外側面のサイドフレーム2Fに対する溶接は、各ダボ14を径方向の外側領域から周方向の両サイド領域に跨ってC字状に囲い込む形となって溶接ビードが入れられる形で行われている(溶接箇所W)。上述したサイドフレーム2Fには、上述したラチェット10の中心部(中心軸線C上の位置)に形成された貫通孔11A内に通される操作ピン5Aを軸方向の外側へと通し出すことのできる通し孔2Fbが貫通して形成されている。
《◆ガイド20について》
図5に示すように、ガイド20は、1枚の金属板部材が上述したラチェット10よりもひとまわり大きな外径をもつ略円板状の形にカットされると共に、所々で板厚方向(軸方向)に半抜き加工されて形成された構成とされている。
具体的には、上述したガイド20の円板本体21の外周縁部には、ラチェット10への組み付け方向となる軸方向に略円筒形状に突出する円筒部22が形成されている。上記円筒部22は、その内径寸法が上述したラチェット10の円筒部12の外径寸法よりも僅かに大きな形となるように形成されている。上述したガイド20は、図9に示すように、その円筒部22内に上述したラチェット10の円筒部12が軸方向に差し込まれた状態としてセットされるようになっている。
それにより、ガイド20は、上述したラチェット10と互いの円筒部22,12同士が径方向の内外に緩やかに嵌まり合った状態として、互いに相対回転可能に内外に支え合った状態に組み付けられるようになっている。そして、上述したガイド20は、その円筒部22と上述したラチェット10の円筒部12との間に後述する外周リング60が外周側から跨った状態に装着されることにより、上記外周リング60を介してラチェット10に対して軸方向に外れ止めされた状態として組み付けられるようになっている(図2~図3及び図6~図9参照)。
図5に示すように、上述したガイド20の円板本体21の内側面上には、その周方向の3箇所の位置に、ラチェット10への組み付け方向となる軸方向に略扇形状に突出するガイド壁23が半抜き状に押し出されて形成されている。これらガイド壁23は、それらの径方向の外周面が、互いに中心部(中心軸線C)まわりに描かれる同心円の円弧を描く形に湾曲した形状とされている。そして、上述した各ガイド壁23は、上述したガイド20の円筒部22内に組み付けられるラチェット10の円筒部12内に緩やかに嵌まり込んだ状態となってセットされるようになっている。
上述した各ガイド壁23の形成により、上述した円板本体21の内側面上における各ガイド壁23の周方向の配置間領域には、後述する3つのポール30をそれぞれ1つずつ径方向の内外に摺動させられる形にセットすることのできるポール収容溝24Aが形成されている。また、上述した各ガイド壁23によって囲まれた円板本体21の内側面上における中央領域には、後述する回転カム40を軸回転させられる形にセットすることのできるカム収容溝24Bが形成されている。
上述した各ガイド壁23は、図10~図11に示すように、上述した各ポール収容溝24A内にセットされた対応する各ポール30を、それぞれ、各ポール収容溝24Aに臨む周方向の両サイド面である規制面23Aによって周方向の両側から対面させる形にあてがえて、各ポール30を径方向の内外方にのみ摺動可能とする形に案内するように周方向の両側から支持する構成とされている。
また、上述した各ガイド壁23は、上述したカム収容溝24B内にセットされた回転カム40を、カム収容溝24Bに臨む径方向の内周面である支持面23Bによって径方向の外側から対面させる形にあてがえて、回転カム40をガイド20の円板本体21上の中心部(中心軸線C上の位置)にて周方向の回転のみ可能とする形に案内するように径方向の外側から支持する構成とされている。
また、図5に示すように、上述したガイド20の円板本体21の内側面上におけるメインポールP1がセットされるポール収容溝24Aの形成領域上には、軸方向に円柱状に突出してメインポールP1に形成された楔状のガタ詰め孔35内に差し込まれるガタ詰めピン21Cが形成されている。上述したガタ詰めピン21Cは、図11に示すように、上述したメインポールP1が径方向の内側に引き込まれてラチェット10の内周歯12Aとの噛合から外されている時には、楔状のガタ詰め孔35内における孔幅の広い径方向の外側領域に位置してメインポールP1の移動を阻害しないようになっている。
しかし、上述したガタ詰めピン21Cは、図10に示すように、メインポールP1が径方向の外側に押し出されてラチェット10の内周歯12Aに噛合されるのに併せて、メインポールP1の楔状のガタ詰め孔35内における孔幅の狭い径方向の内側領域に押し詰められて、メインポールP1の周方向のガタ抑えをした状態へと切り換えられるようになっている。上記構成により、メインポールP1が周方向にガタ抑えされた状態としてラチェット10の内周歯12Aに噛合されて、ラチェット10とガイド20とがメインポールP1を介して互いに周方向にガタ抑えされた状態にロックされるようになっている。
図4~図5に示すように、上述した各ガイド壁23には、それらの周方向と径方向とに形状を広げる突出領域の周縁を残した中間部に、ラチェット10への組み付け方向となる軸方向とは反対側に向かって半抜き状に押し出された浮島状のビード部23Cが形成されている。上記各ビード部23Cの形成により、各ガイド壁23は、それらの規制面23Aによって各ポール30を周方向の両側から支持するための各ポール30との接触面積を減らすことなく、各ポール30を周方向の両側から強固に支持することのできる高い構造強度を備えた構成とされている。
また、上述したガイド20の円板本体21の中心部(中心軸線C上の位置)には、後述するロックスプリング50が内部に収容された状態にセットされる略丸孔形状に貫通した貫通孔21Aが形成されている。上述した貫通孔21Aには、その孔形状の一部分から径方向の外側に向かって細長く孔形状を延出させる掛入れ孔21Aaが形成されている。上記掛入れ孔21Aa内には、上述した貫通孔21A内にセットされるロックスプリング50の外側の端部52が軸方向に嵌め込まれて周方向に一体的に固定された状態にセットされるようになっている。
図4に示すように、上述したガイド20の円板本体21の外側面上には、その周方向の3箇所の位置に、軸方向に略寸胴状に押し出された形となって突出するダボ21Bが形成されている。これらダボ21Bは、上述した円板本体21の外側面上における上述した各ポール収容溝24Aの裏側に相当する領域上にそれぞれ1つずつ軸方向に押し出された形となって形成されている。
上記構成のガイド20は、図2に示すように、上述した円板本体21の外側面上から突出する各ダボ21Bが、リクライニングプレート3Fに形成された対応する各嵌合孔3Fa内に嵌め込まれて溶接されることにより、リクライニングプレート3Fに強固に一体的に結合された状態とされている。上述したリクライニングプレート3Fには、上述したガイド20の中心部(中心軸線C上の位置)に形成された貫通孔21A内に通される操作ピン5Aを軸方向の外側へと通し出すことのできる通し孔3Fbが貫通して形成されている。
《◆ポール30について》
図4~図5に示すように、3つのポール30は、それぞれ、1枚の金属板部材が略矩形状の形にカットされると共に、所々で板厚方向(軸方向)に半抜き加工されて形成された構成とされている。具体的には、上述した各ポール30は、それらの径方向の内周側の領域を成すオフセット面部30Bが、外周側の領域を成す本体面部30Aに対して、ラチェット10への組み付け方向となる軸方向に略板厚相当分だけ半抜き状に押し出された形状とされている。ここで、上述したオフセット面部30Bが本発明の「引込み操作面部」に相当する。
また、上述した3つのポール30のうちの特定の1つは、メインポールP1として、他の2つのサブポールP2とは一部異なる形状とされて機能的に区別された構成とされている。上記の具体的な違いについては、後に詳述することとする。
上述した各ポール30は、それぞれ、図10~図11に示すように、上述したガイド20の円板本体21の内側面上に形成された各ポール収容溝24A内にそれぞれ1つずつ収められた形にセットされている。上記セットにより、各ポール30は、各ポール収容溝24Aに周方向の両側から臨む各ガイド壁23の規制面23Aによって周方向の両側から面状に支持された状態として、これらの規制面23Aに沿って径方向の内外方にのみ移動可能となるように支持された状態として設けられるようになっている。
詳しくは、上述した各ポール30は、図9に示すように、上述した各ポール収容溝24A内にセットされた状態では、それらの本体面部30Aがガイド20の円板本体21の内側面上に当てられる形にセットされるようになっている。それにより、各ポール30は、それらの本体面部30Aの径方向の外側の位置に、上述したガイド20の円筒部22内に組み付けられたラチェット10の円筒部12の内周歯12Aが径方向に対面する形にセットされるようになっている。
また、上述した各ポール30のオフセット面部30Bは、上述したガイド20の円板本体21の内側面上から軸方向に離間した形にセットされて、上述したラチェット10の中間円筒部13と軸方向の配置が重なる形にセットされるようになっている。
図4に示すように、上述した各ポール30の本体面部30Aの径方向の外周面には、径方向の外側に歯面を向ける外周歯31が周方向の全域に亘って連続的に並ぶ形となって形成されている。上述した各ポール30の外周歯31が形成された径方向の外周面は、前述したラチェット10の内周歯12Aが形成された円筒部12の内周面に沿って湾曲した面形状に形成されている。
上記構成により、各ポール30の外周歯31は、ラチェット10の内周歯12Aに径方向の内側から押し付けられることで、全体がラチェット10の内周歯12Aに噛合されるようになっている。詳しくは、各ポール30の外周歯31は、これらの噛合するラチェット10の内周歯12Aと同様に、各歯面が周方向に2度ピッチで等間隔に並ぶ形に形成された構成とされている。
しかし、より厳密には、上述した各ポール30の外周歯31は、それぞれ、図10を参照して、それらの周方向の中央の歯面がラチェット10の内周歯12Aに最も深く噛合する形に入り込み、そこから周方向の両端側に向かって、ラチェット10の内周歯12Aに対する入り込みが漸次浅くなっていくよう歯丈が小さくなっていく形に形成されている。
上記構成により、各ポール30は、それらの進行方向に真っ直ぐ歯面を向ける中央箇所の歯面の他、同中央箇所から周方向の両端側に向かって歯面の向く方向が進行方向とは異なる方向に傾けられていくその他の歯面も、各ポール30の径方向の外側への移動によって対応するラチェット10の内周歯12Aの歯面につっかえさせることなく適切に噛合させることができるようになっている。なお、上記外周歯31の具体的な歯面形状については、特開2015-29635号公報等の文献に開示されたものと同一となっているため、詳細な説明を省略することとする。
上記構成により、各ポール30は、それらの外周歯31がラチェット10の内周歯12Aと噛合された際に、各々が径方向の内側から押圧される力の作用によって、それらの最も深く噛合された周方向の中央箇所を支点に、全体が周方向のどちらかに押し傾けられるような偏った力の作用を受けるおそれのある構成とされている。しかしながら、上記の作用は、メインポールP1がラチェット10と噛合する際に、ガイド20に設けられたガタ詰めピン21Cが楔状のガタ詰め孔35内に押し詰められて周方向にガタ詰めされる作用によって適切に抑止されるようになっている。
上述した各ポール30は、図9に示すように、それらの本体面部30Aによって囲まれた径方向の内側の領域に、ガイド20の中心部(中心軸線C上の位置)にセットされた後述する回転カム40が径方向に対面した形となってセットされるようになっている。上記セットにより、各ポール30は、それらの本体面部30Aが回転カム40の径方向の外側の位置に並んで設けられると共に、それらのオフセット面部30Bが回転カム40と軸方向に重なった状態となって設けられるようになっている。
ここで、図5に示すように、上述した各ポール30の本体面部30Aの内周面部には、上述した回転カム40と径方向に対面して、回転カム40の回転に伴って径方向の内側から外側へと押圧される作用力を受ける被押圧面部32が形成されている。また、上述した各ポール30のオフセット面部30Bの中間部には、上述した回転カム40に形成された対応する各引込みピン42が軸方向に差し込まれて、回転カム40の回転に伴って径方向の内側へと引き込まれるように操作される引込み孔33が軸方向に貫通して形成されている。また、上述した各ポール30の本体面部30Aの中間部には、それらのオフセット面部30Bと同一の軸方向に半抜き状に押し出された乗り上がり突起34が形成されている。
上述した各ポール30の被押圧面部32は、図10に示すように、上述した回転カム40がガイド20との間に掛着された後述するロックスプリング50のバネ附勢力によって図示反時計回り方向に回されることにより、同回転カム40の外周面部に形成された対応する各押圧部44によって径方向の内側から外側へと押圧されるようになっている。上記押圧により、各ポール30は、それらの外周歯31が上述したラチェット10の内周歯12Aに押し付けられて噛合されると共に、同噛合された状態として保持されるようになっている。それにより、各ポール30がラチェット10に対して周方向に一体的に結合された状態となり、各ポール30を介してラチェット10とガイド20との間の相対回転がロックされた状態となる。
また、上述した各ポール30の引込み孔33は、図11に示すように、上述した回転カム40が上述したリクライニングレバー5の操作によってロックスプリング50のバネ附勢力に抗した図示時計回り方向へと回されることにより、それらの内部に差し込まれた対応する回転カム40の引込みピン42によって径方向の内側へと引き込まれるようになっている。上記引き込みにより、各ポール30は、それらの外周歯31が上述したラチェット10の内周歯12Aとの噛合状態から外されると共に、同外された状態(アンロック状態)として保持されるようになっている。それにより、上述したラチェット10とガイド20との間の回転ロック状態が解除されるようになっている。
また、上述した各ポール30の乗り上がり突起34は、図9に示すように、上述した各ポール30のオフセット面部30Bと同一の軸方向に同一位置まで半抜き状に押し出されて、それらの外周面部34Aが上述したラチェット10の中間円筒部13の内周面と径方向に対面した状態として設けられるようになっている。上述した各ポール30の乗り上がり突起34は、図10、図17(a)及び図18(a)に示すように、上述したラチェット10のガイド20に対する回転位置が前述したロック領域A1の状態にある時には、上述した各ポール30が回転カム40によって径方向の外側に押し出されても、ラチェット10の中間円筒部13の内周面には押し当てられず、各ポール30がラチェット10の内周歯12Aと噛合する動きを阻害しないようになっている。
しかし、上述した各ポール30の乗り上がり突起34は、図13、図17(b)及び図18(b)に示すように、上述したラチェット10のガイド20に対する回転位置が前述したフリー領域A2の状態へと変えられることにより、上述した各ポール30が回転カム40によって径方向の外側へと押し出された際に、ラチェット10の中間円筒部13の内周面上に乗り上がる形に押し当てられて、各ポール30がラチェット10の内周歯12Aと噛合する動きを途中位置で食い止めるようになっている。
詳しくは、上述した各ポール30の乗り上がり突起34は、メインポールP1と他の2つのサブポールP2とでは、ガイド20の中心部(中心軸線C上の位置)からそれらの外周面部34Aまでの径寸法、すなわち径方向における形成位置が互いに異なる形に形成された構成とされている。具体的には、メインポールP1の乗り上がり突起34が、他の2つのサブポールP2の乗り上がり突起34よりも径方向の外側に張り出した位置に形成されている。
上述したメインポールP1の乗り上がり突起34は、図10、図17(a)及び図18(a)に示すように、前述したラチェット10の中間円筒部13の第1の領域13A(ロック領域A1)と周方向に重なる配置とされる時には、回転カム40によって径方向の外側に押し出されても、第1の領域13A上に乗り上がる位置までは押し出されずに、メインポールP1がラチェット10の内周歯12Aと噛合する動きを阻害しないようになっている。
そして、その際には、他の2つのサブポールP2の乗り上がり突起34も、上述したメインポールP1の乗り上がり突起34よりも径方向の内側の位置に形成された構成により、上述した第1の領域13Aよりも径方向の内側に張り出す第2の領域13B及び第3の領域13C(他所領域A3)とそれぞれ周方向に重なる配置とされても、回転カム40によって径方向の外側に押し出された際にこれら第2の領域13B及び第3の領域13C上に乗り上がる位置までは押し出されずに、各サブポールP2がラチェット10の内周歯12Aと噛合する動きを阻害しないようになっている。
また、図13、図17(b)及び図18(b)に示すように、上述したメインポールP1の乗り上がり突起34は、前述したラチェット10の中間円筒部13の第2の領域13B(フリー領域A2)と周方向に重なる配置とされることにより、回転カム40によって径方向の外側に押し出されることで、第2の領域13B上に乗り上がり、メインポールP1がラチェット10の内周歯12Aと噛合する動きを途中位置で食い止めるようになっている。
しかし、その際にも、他の2つのサブポールP2の乗り上がり突起34は、対応する第3の領域13C及び第1の領域13A(他所領域A3)とそれぞれ周方向に重なる配置とされても、回転カム40によって径方向の外側に押し出された際にこれら第3の領域13C及び第1の領域13A上に乗り上がる位置までは押し出されずに、各サブポールP2の径方向の外側への移動を途中位置で食い止めないようになっている。
そのような構成であっても、各サブポールP2は、メインポールP1の径方向の外側への移動が途中位置で食い止められることで、それにより回転カム40の回転が止められてそれ以上径方向の外側へ押し出されなくなることから、メインポールP1と共にラチェット10の内周歯12Aへの押し付けが阻止されたアンロック状態として保持されるようになっている。上述した2つのサブポールP2に形成された各乗り上がり突起34は、それらの外周面部34A上における周方向の一端側の角部に、形状が面取り状に肉抜きされた傾斜面34Bが形成されている。
上述した各傾斜面34Bは、図13、図17(b)及び図18(b)に示すように、上述したメインポールP1の乗り上がり突起34がラチェット10のフリー領域A2(第2の領域13B)上に乗り上がり、各サブポールP2の乗り上がり突起34が第3の領域13C上と第1の領域13A上とにそれぞれ位置する状態から、ラチェット10がリクライニングレバー5の操作を行うことなくフリー領域A2からロック領域A1へと戻される方向に回された際(シートバック2が後側に起こされた際)に、各サブポールP2の乗り上がり突起34を前述した第1の凸部13Dと第2の凸部13Eとにそれぞれ周方向に突き当てないように傾斜形状の案内によって径方向の外側へと逃がしながら周方向に乗り越えさせる逃がし部として機能するものとなっている。ここで、上述した第1の凸部13Dと第2の凸部13Eとがそれぞれ本発明の「段差」に相当する。
また、図4~図5に示すように、上述したメインポールP1の本体面部30Aには、その乗り上がり突起34の形成領域から周方向に外れた中間部に、径方向の外側から内側に向けて孔形状が先細り状となる形に貫通するガタ詰め孔35が形成されている。上述したガタ詰め孔35は、図11に示すように、上述したメインポールP1がガイド20上にセットされることで、同ガイド20の円板本体21の内側面上から突出するガタ詰めピン21Cがその孔内に差し込まれた状態にセットされるようになっている。上記セットにより、ガタ詰め孔35は、上述したメインポールP1がラチェット10の内周歯12Aと噛合する前のアンロック状態にある時には、上述したガタ詰めピン21Cを径方向の外側の孔幅の広い領域に位置させた状態として、メインポールP1の移動を阻害しないようになっている。
しかし、上記ガタ詰め孔35は、図10に示すように、上述したメインポールP1が径方向の外側に押し出されてラチェット10の内周歯12Aに噛合されるのに併せて、上述したガタ詰めピン21Cを径方向の内側の孔幅の狭い領域へと押し詰めて、メインポールP1の周方向のガタ抑えをした状態へと切り換えられるようになっている。上記構成により、メインポールP1が周方向にガタ抑えされた状態としてラチェット10の内周歯12Aに噛合されて、ラチェット10とガイド20とがメインポールP1を介して互いに周方向にガタ抑えされた状態にロックされるようになっている。
ところで、上述した各ポール30は、図4~図5及び図19~図20に示すように、それらのオフセット面部30Bと乗り上がり突起34とが、互いに径方向に離間して並ぶように本体面部30Aに対して同一の軸方向に別々に半抜き状に押し出されて形成されている。その際、各ポール30のオフセット面部30Bは、それらの半抜き加工による成形面に精度を持たせる精度管理面Qが、それらの半抜き状に押し出されて径方向の外側に面を向ける外周面部側にではなく、半抜きによって径方向の内側に面を向けた形となって形成される本体面部30Aの内周面部(被押圧面部32)側に設定されて形成されている。上記構成により、各ポール30は、それらの被押圧面部32が精度良く形成された構成とされている。
また、各ポール30の乗り上がり突起34は、それらの半抜き加工による成形面に精度を持たせる精度管理面Qが、それらの半抜き状に押し出されて径方向の外側に面を向ける外周面部34A側に設定されて形成されている。上記構成により、各ポール30は、それらの外周面部34A及び傾斜面34Bが精度良く形成された構成とされている。このように、各ポール30は、上述したオフセット面部30Bと乗り上がり突起34とが、互いに径方向に離間して並ぶように本体面部30Aに対して別々に半抜き状に押し出されて形成されていることで、上記のように精度管理面Qを互いに表裏別々の側に設定して成形面の精度を出すことができるようになっている。
なお、上述した各ポール30の被押圧面部32は、詳しくはそれらの乗り上がり突起34の形成箇所から周方向の両側に外れた各領域が図4で前述した回転カム40の対応する各押圧部44によって径方向の内側から押圧されるようになっている。そのため、実際には、各ポール30の被押圧面部32は、それらの乗り上がり突起34と周方向の配置が重ならない両側の領域に精度管理面Qが設定され、乗り上がり突起34と周方向の配置が重なる領域には精度管理面Qが設定されていない構成とされている。上記構成により、各ポール30のオフセット面部30Bと乗り上がり突起34とが互いに周方向に重なる配置となっていても、各々に精度管理面Qを適切に設定して具合良く成形することができるようになっている。
《◆回転カム40について》
回転カム40は、図5に示すように、1枚の金属板部材が略円板状の形にカットされると共に、所々で板厚方向(軸方向)に半抜き加工されて形成された構成とされている。上述した回転カム40は、上述したガイド20の円板本体21の内側面上に形成されたカム収容溝24B内に収容された状態としてセットされている。
上述した回転カム40は、図9に示すように、上述した各ポール30と略同一の板厚を有した形状とされており、上述したガイド20の円板本体21の内側面と各ポール30の軸方向に半抜き状に押し出されたオフセット面部30Bとの間に挟まれる形で、各ポール30の本体面部30Aによって外周側から囲まれる形に配置された状態とされている。
図5に示すように、上述した回転カム40の中心部(中心軸線C上の位置)には、図1で前述したリクライニングレバー5と一体的に連結される操作ピン5Aが軸方向の内側から差し込まれて回転方向に一体的に装着される貫通孔41が形成されている。上述した操作ピン5Aは、上述した回転カム40の貫通孔41内に軸方向の内側から外側へと貫通して差し込まれて、その先で、図1で前述したリクライニングレバー5と一体的に接続されている。上記構成により、操作ピン5Aは、上述したリクライニングレバー5の引き上げ操作に伴って回転カム40を一体的に回転操作するようになっている。
上述した操作ピン5Aは、図1で前述したもう一方側のシートリクライニング装置4に差し込まれている操作ピン5Aとコネクティングロッド5Bを介して一体的に連結されている。上記構成により、上述したリクライニングレバー5が引き上げられる操作によって、もう一方側の操作ピン5Aも一体的に回転操作されて、同側のシートリクライニング装置4の回転カム40も一体的に回転操作されるようになっている。
図5に示すように、上述した回転カム40は、上述したガイド20の中心部(中心軸線C上の位置)に形成された貫通孔21Aよりもひとまわり大きな略円板形状に形成されており、そのガイド20の貫通孔21A内に臨む外側面上に2本の引掛ピン43が軸方向に突出した形となって形成されている。上述した各引掛ピン43には、図2及び図6に示すように、後述するロックスプリング50の内側の端部51がこれらの間に挟み込まれる形に引掛けられて一体的に固定されるようになっている。また、上述した回転カム40の各ポール30のオフセット面部30Bに臨む内側面上には、各ポール30に形成された対応する引込み孔33内にそれぞれ差し込まれた状態にセットされる3本の引込みピン42が軸方向に突出した形となって形成されている。
上述した回転カム40は、上述したガイド20に対して、ロックスプリング50を介して弾性支持された状態に組み付けられている。すなわち、回転カム40は、上述したガイド20のカム収容溝24B内にセットされた状態から、そのガイド20の貫通孔21A内に臨む外側面上から突出する各引掛ピン43間にロックスプリング50の内側の端部51が引掛けられ、更に上記ロックスプリング50の外側の端部52がガイド20の貫通孔21Aから延びる掛入れ孔21Aa内に掛け入れられる形でロックスプリング50がガイド20の貫通孔21A内にセットされることにより、ガイド20に対してロックスプリング50を介して弾性支持された状態として組み付けられている。
上記組み付けにより、回転カム40は、図9に示すように、上述したガイド20の円板本体21と各ポール30の軸方向に半抜き状に押し出されたオフセット面部30Bとの間で軸方向に挟まれた状態として支持されると共に、径方向においては各ポール30の本体面部30Aの内周面部である被押圧面部32によって径方向の外側から囲まれた形となって設けられた状態とされている。
そして、上述した回転カム40は、上述したガイド20との間に掛着されたロックスプリング50(図2及び図6参照)のバネ付勢力によって、常時、ガイド20に対して図10に示す反時計回り方向に回転付勢された状態とされている。上記付勢による反時計回り方向の回転により、回転カム40は、その外周面部上の周方向の複数箇所に突出して形成された各押圧部44によって、各ポール30の被押圧面部32を径方向の内側から外側へと押し出す形に操作するようになっている。
また、上述した回転カム40は、図1で前述したリクライニングレバー5が引き上げ操作されることにより、図11に示すように、操作ピン5Aを介して上述した付勢方向とは反対側となる図示時計回り方向に回転操作される。これにより、回転カム40は、その各ポール30の引込み孔33内に差し込まれている各引込みピン42が、各引込み孔33内を周方向に移動しながら各引込み孔33の径方向の外側に変化していく形状によって、各ポール30を径方向の内側へ引き込むように操作するようになっている。
詳しくは、上述した回転カム40は、図10に示すように、各ポール30をロックスプリング50のバネ付勢力による回転力によって径方向の内側から押し出してラチェット10の内周歯12Aに噛合させた状態(ロック状態)では、その引掛ピン43に引掛けられたロックスプリング50の内側の端部51が、ガイド20に形成された3つのガイド壁23のうちの図示左上側と図示右上側の2つのガイド壁M1の間の周方向領域に位置付けられた状態とされるようになっている。
上記の状態では、回転カム40は、ロックスプリング50の内側の端部51から受けるバネ付勢力によって、図示反時計回り方向の回転付勢力の他、径方向の外側に向けて偏心する付勢力の作用を受けた状態とされるようになっている。それでも、回転カム40は、各ポール30がラチェット10の内周歯12Aに噛合した時には、各ポール30からの支持を受けてガイド20の中心部(中心軸線C上の位置)にセンタリングされた状態として保持されるようになっている。
しかし、上述した回転カム40は、図11に示すように、上述したロックスプリング50のバネ付勢力に抗して図示時計回り方向に回転操作されて、各ポール30がラチェット10の内周歯12Aとの噛合状態から外されることにより、上述したロックスプリング50の内側の端部51から受ける偏心方向の付勢作用により、図16に示すように、上述した2つのガイド壁M1の内周側の支持面23Bに押し当てられながらこれら2つのガイド壁M1の支持面23B上を摺動する形で図示時計回り方向に回転操作されるようになっている。その時、残るもう1つのガイド壁M2は、他の2つのガイド壁M1とは異なり、上述した回転カム40の外周面との間に僅かな径方向の隙間Tが設定される形に形成されている。
このような構成とされていることにより、図16に示すように、回転カム40がロックスプリング50の付勢作用により押し当てられる2つのガイド壁M1において、回転カム40が軸ズレ方向(偏心方向)に移動しないように適切に支持しつつも、回転カム40がこれら2つのガイド壁M1を支点に残るもう1つのガイド壁M2のある方向に形状をガタ付かせた場合の移動を適切に逃がして、回転カム40を偏心させることなくスムーズに解除方向に摺動回転させることができるようになっている。
《◆外周リング60について》
図4~図5に示すように、外周リング60は、1枚の薄板材がリング状に打ち抜かれると共に、その打ち抜かれた中空円板の外周部分が板厚方向(軸方向)に円筒形状に突出する形に絞り加工されることにより、中空円板状の座の付いた略円筒型形状に形成されている。それにより、外周リング60は、軸方向に面を向ける中空円板状のフランジ部62と、同フランジ部62の外周縁部に沿って軸方向に略円筒形状に突出する結合部61と、を有した構成とされている。
詳しくは、上述した外周リング60は、上述した結合部61がフランジ部62の外周部分から軸方向に2段階に突出する形に押し出されることにより、結合部61の内周側に結合部61よりも軸方向に小さく略円筒形状に突出する段差部63が形成された、内外2段の円筒形状を有する段付き円筒形状に形成された構成とされている。上述した外周リング60は、上述したガイド20に3つのポール30と回転カム40とロックスプリング50とをセットすると共にラチェット10を組み付けた後、これら組み付けたユニットを円筒内部にセットして結合部61をガイド20に溶接することで、ラチェット10とガイド20との外周部間に跨って装着された状態とされている。
詳しくは、上述した外周リング60は、その円筒内部に上述したユニットがラチェット10から先に組み付けられる形にセットされることで、図9及び図15に示すように、そのフランジ部62の径方向の内側の端部が、その周方向の略全域に亘って、ラチェット10の中間円筒部13の軸方向の外側面部に形成された径方向の外側に斜めに面を向ける傾斜面13G上に当てられた形にセットされるようになっている。そして、上記セットにより、外周リング60の円筒形状の結合部61内に、ガイド20の円筒部22が嵌め込まれた状態にセットされる。
したがって、上記セットの後に、外周リング60の結合部61をその内部に嵌め込まれたガイド20の円筒部22に外周側からレーザ溶接して結合することにより、外周リング60がラチェット10とガイド20との外周部間に跨って装着された状態となる。上述したラチェット10の中間円筒部13の外側面部に形成された傾斜面13Gは、ラチェット10の周方向の全域に亘って、ラチェット10の中心部(中心軸線C)まわりの接頭円錐形状を描く形に形成されている。
上記組み付けにより、外周リング60は、上述したガイド20に対して一体的に結合された状態として、そのフランジ部62によりラチェット10をガイド20に対して軸方向にも径方向にもガタ付かせない状態として保持するようになっている。詳しくは、上述した外周リング60は、そのフランジ部62がラチェット10の傾斜面13Gに軸方向に当てられた形にセットされた状態として、同ラチェット10に組まれて軸方向の位置決めがされたガイド20の円筒部22に結合部61が溶接されて組み付けられた状態とされている。それにより、外周リング60は、そのフランジ部62とガイド20の円板本体21との間でラチェット10を軸方向にガタ詰めした状態となって、ラチェット10をガイド20に対して軸方向と径方向とにガタ付かせることなくアンロック時にスムーズに回転移動させられるように支持した状態とされている。
《■まとめ》
以上をまとめると、本実施例のシートリクライニング装置4は次のような構成とされている。すなわち、乗物用シートリクライニング装置(4)であって、互いに相対回転可能に軸方向に組み付けられたラチェット(10)及びガイド(20)と、ラチェット(10)とガイド(20)との間に設けられてこれらの相対回転をロックするロック機構と、ラチェット(10)とガイド(20)との外周部間に跨って装着されてこれらを軸方向に組み付けた状態に保持する外周リング(60)と、を有する。
ロック機構が、ガイド(20)により周方向に支えられて径方向の外側へ押される移動によりラチェット(10)と噛合してラチェット(10)とガイド(20)との相対回転をロックするポール(30)と、ポール(30)を径方向の内側から押圧してラチェット(10)と噛合させるカム(40)と、を有する。ポール(30)が、ラチェット(10)に噛合される外周歯(31)を備えた本体面部(30A)と、カム(40)により径方向の内側から押圧される被押圧面部(32)と、カム(40)により径方向の内側へと引き込まれる引込み操作面部(30B)と、ラチェット(10)がガイド(20)に対して特定の回転位置にあるときにラチェット(10)に対する径方向の内側からの噛合がフリー領域(A2)への乗り上がりによって食い止められる乗り上がり突起(34)と、を有する。
引込み操作面部(30B)及び乗り上がり突起(34)が、互いに径方向に並ぶように分離した形で本体面部(30A)に対して同一の軸方向に半抜き状に突出するように半抜き加工された加工部から成り、被押圧面部(32)が、引込み操作面部(30B)の半抜きされた本体面部(30A)の内周面部から成る。
このように、ポール(30)の引込み操作面部(30B)及び乗り上がり突起(34)を、互いに分離させた形で本体面部(30A)から半抜き状に突出させる形に形成することで、引込み操作面部(30B)と乗り上がり突起(34)とで精度が必要となる精度管理面(Q)を凹凸の表裏どちらかに個別に設定できるようになる。したがって、上記ポール(30)のフリー領域(A2)に乗り上がる乗り上がり突起(34)の突出先の径方向の外周面部(34A)(半抜きの凸面(表面))に精度が必要な精度管理面(Q)を設定しつつ、カム(40)によって径方向の内側から押圧される被押圧面部(32)(半抜きの凹面(裏面))にも精度が必要な精度管理面(Q)を設定することができる。
また、乗り上がり突起(34)のフリー領域(A2)に乗り上がる径方向の外周面部(34A)に、ラチェット(10)の回転位置の変化に伴うフリー領域(A2)の乗り上がりの段差(13D,13E)との周方向の当たりを傾斜状の当たりとするように逃がす傾斜面(34B)を有する。このような構成とされていることにより、乗り上がり突起(34)の径方向の外周面部(34A)に形成される逃がしの傾斜面(34B)の精度も適切に高めることができる。
《■その他の実施形態について》
以上、本発明の実施形態を1つの実施例を用いて説明したが、本発明は上記実施例のほか各種の形態で実施することができるものである。例えば、本発明の乗物用シートリクライニング装置は、自動車の右側座席以外のシートにも適用することができる他、鉄道等の自動車以外の車両や、航空機、船舶等の様々な乗物用に供されるシートにも広く適用することができるものである。また、乗物用シートリクライニング装置は、シートバックをシートクッションに対して背凭れ角度の調節を行える状態に連結するものの他、シートバックを乗物本体側に固定されたブラケット等のベースに対して背凭れ角度の調節を行える状態に連結するものであってもよい。
また、乗物用シートリクライニング装置は、ラチェットがシートクッション等の乗物本体に固定される側の部材に結合され、ガイドがシートバックに結合される構成であってもよい。また、乗物用シートリクライニング装置のロック機構を構成する複数のポールは、周方向に2つ又は4つ以上並べられて設けられるものであってもよい。各ポールの周方向の配置は、均等配置されるものに限らず、片寄って配置されるものであってもよい。
また、各ポールを径方向の外側に押し出すように操作するカムは、回転により各ポールを径方向の外側に押し出すタイプの他、径方向のスライドにより各ポールを上記スライド方向とは交差する径方向に押し出すようにスライドさせるタイプの構成であってもよい(特開2015-227071号公報参照)。なお、各ポールを径方向の内側へ引き戻す操作は、レリーズプレート等のカムとは別体の部材によって行われるようになっていてもよい(同公報参照)。
1 シート
2 シートバック
2F サイドフレーム
2Fa 嵌合孔
2Fb 通し孔
3 シートクッション
3F リクライニングプレート
3Fa 嵌合孔
3Fb 通し孔
4 シートリクライニング装置(乗物用シートリクライニング装置)
5 リクライニングレバー
5A 操作ピン
5B コネクティングロッド
6 リターンスプリング
10 ラチェット
11 円板本体
11A 貫通孔
11B 拡張面部
12 円筒部
12A 内周歯
13 中間円筒部
13A 第1の領域
13B 第2の領域
13C 第3の領域
13D 第1の凸部(段差)
13E 第2の凸部(段差)
13F 逃がし凹部
13G 傾斜面
A1 ロック領域
A2 フリー領域
A3 他所領域
A4 結合領域
14 ダボ
W 溶接箇所
20 ガイド
21 円板本体
21A 貫通孔
21Aa 掛入れ孔
21B ダボ
21C ガタ詰めピン
22 円筒部
23 ガイド壁
23A 規制面
23B 支持面
23C ビード部
M1 ガイド壁
M2 ガイド壁
T 隙間
24A ポール収容溝
24B カム収容溝
30 ポール
30A 本体面部
30B オフセット面部(引込み操作面部)
31 外周歯
32 被押圧面部
33 引込み孔
34 乗り上がり突起
34A 外周面部
34B 傾斜面
35 ガタ詰め孔
P1 メインポール
P2 サブポール
Q 精度管理面
40 回転カム(カム)
41 貫通孔
42 引込みピン
43 引掛ピン
44 押圧部
50 ロックスプリング
51 内側の端部
52 外側の端部
60 外周リング
61 結合部
62 フランジ部
63 段差部
C 中心軸線

Claims (1)

  1. 乗物用シートリクライニング装置であって、
    互いに相対回転可能に軸方向に組み付けられたラチェット及びガイドと、
    前記ラチェットと前記ガイドとの間に設けられてこれらの相対回転をロックするロック機構と、
    前記ラチェットと前記ガイドとの外周部間に跨って装着されてこれらを軸方向に組み付けた状態に保持する外周リングと、を有し、
    前記ロック機構が、前記ガイドにより周方向に支えられて径方向の外側へ押される移動により前記ラチェットと噛合して該ラチェットと前記ガイドとの相対回転をロックするポールと、該ポールを径方向の内側から押圧して前記ラチェットと噛合させるカムと、を有し、
    前記ポールが、前記ラチェットに噛合される外周歯を備えた本体面部と、前記カムにより径方向の内側から押圧される被押圧面部と、前記カムにより径方向の内側へと引き込まれる引込み操作面部と、前記ラチェットが前記ガイドに対して特定の回転位置にあるときに前記ラチェットに対する径方向の内側からの噛合がフリー領域への乗り上がりによって食い止められる乗り上がり突起と、を有し、
    前記引込み操作面部及び前記乗り上がり突起が、互いに径方向に並ぶように分離した形で前記本体面部に対して同一の軸方向に半抜き状に突出するように半抜き加工された加工部から成り、前記被押圧面部が、前記引込み操作面部の半抜きされた前記本体面部の内周面部から成り、
    前記乗り上がり突起の前記フリー領域に乗り上がる径方向の外周面部に、前記ラチェットの回転位置の変化に伴う前記フリー領域の乗り上がりの段差との周方向の当たりを傾斜状の当たりとするように逃がす傾斜面を有する乗物用シートリクライニング装置。
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