JP7065696B2 - 換気システム、建物、及び換気システムの制御装置 - Google Patents

換気システム、建物、及び換気システムの制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、複数の部屋を換気する換気システム、及び換気システムが配置される建物、並びに換気システムの制御装置に関する。
建物の室内の空気質を維持する手段として、室外の空気を給気し、室内の空気を排気する、換気装置が用いられる。近年の建物は外皮の気密性が高いことから、略連通した複数の部屋がある場合、一カ所に集中排気装置を設け、各部屋に開口部を設けることによって、すべての部屋の換気を行うことができる。
換気方式には、第1種換気方式と、第2種換気方式と、第3種換気方式とがある。
第1種換気方式は、給気及び排気を、ファンなどの機械的な送風設備により行う方式である。例えば、第1種換気方式では、複数の部屋のうちの一部の部屋の開口部に、室外の空気を室内に給気する送風設備を設け、他の一部の部屋の開口部に、室内の空気を排気する送風設備を設ける。あるいは、各部屋にダクトなどを通じて外気を給気する集中換気装置を設け、各部屋の開口部に、室内の空気を排気する送風設備を設ける。第1種換気方式においては、一部の部屋から室外の空気が送風設備によって給気され、他の部屋から室内の空気が送風設備によって排気される。
第2種換気方式は、給気を、ファンなどの機械的な送風設備により行う方式である。例えば、第2種換気方式では、複数の部屋のうちの一部の部屋の開口部に、室外の空気を室内に給気する送風設備を設ける。第2種換気方式においては、一部の部屋から室外の空気が送風設備によって給気されることで、連通する他の部屋の開口部から室内の空気が排気される。
第3種換気方式は、排気を、ファンなどの機械的な送風設備により行う方式である。第3種換気方式では、複数の部屋のうちの一部の部屋の開口部に、室内の空気を排気する送風設備を設ける。第3種換気方式においては、一部の部屋から室内の空気が送風設備によって排気されることで、連通する他の部屋の開口部から室外の空気が給気される。
例えば、特許文献1には、少なくとも1以上の居室に設置された換気ユニットと、各室と共通区画との通気を行う通気手段と、建物内部の複数の室内および各室を連絡する共通区画に設置された集中換気ユニットとを備えた換気システムが開示されている。
特開2002-286269号公報
特許文献1に記載の換気システムにおいては、集中換気ユニットによって、建物内部の複数の室内の給気及排気を行う。このため、任意の部屋において発生した汚染物質又は空気中の水分が、他の部屋に拡散してしまう、という問題点があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、互いに連通する複数の部屋のうち、任意の部屋で発生した汚染物質又は空気中の水分が、他の部屋に拡散するのを抑制することができる、換気システム、及びこの換気システムが配置される建物、並びに換気システムの制御装置を得るものである。
本発明に係る換気システムは、室外と連通する第1給気口、及び室外と連通する第1排気口が形成されている第1の部屋と、室外と連通する第2排気口が形成され、前記第1の部屋と連通している第2の部屋と、室外と連通する第3給気口が形成され、前記第1の部屋及び前記第2の部屋と連通している第3の部屋と、を換気する換気システムであって、前記第1給気口に設置された第1給気装置と、前記第1排気口に設置された第1排気装置と、前記第2排気口に設置された第2排気装置と、前記第1給気装置、前記第1排気装置、及び前記第2排気装置の動作を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記第1給気装置及び前記第1排気装置を停止させ、前記第2排気装置を駆動させ、前記第1給気口及び前記第3給気口から給気された空気を前記第2排気口から排気する第1換気モードと、前記第1給気装置、前記第1排気装置及び前記第2排気装置を駆動させ、前記第1給気口から給気された空気を前記第1排気口から排気させ、前記第3給気口から給気された空気を前記第2排気口から排気させる第2換気モードと、を切り替え、前記第2換気モードにおいて、前記第1給気装置が前記第1給気口から給気する風量である第1給気量と、前記第1排気装置が前記第1排気口から排気する風量である第1排気量と、を同じにすると共に、前記第2排気装置が前記第2排気口から排気する風量である第2排気量を、前記第1換気モードにおける前記第2排気量よりも少なくするものである。
本発明は、第1給気口及び第3給気口から給気された空気を第2排気口から排気する第1換気モードと、第3給気口から給気された空気を第2排気口から排気させる第2換気モードとを切り替える。このため、第1の部屋において発生した汚染物質又は空気中の水分の、他の部屋への拡散を抑制することができる。
実施の形態1に係る換気システムとそれが設置された建物の概略構成図である。 実施の形態1に係る換気システムの構成を示すブロック図である。 実施の形態1に係る換気システムの第1換気モードの動作を示す説明図である。 実施の形態1に係る換気システムにおける第2換気モードのパターン1の動作を示す説明図である。 実施の形態1に係る換気システムにおける第2換気モードのパターン2の動作を示す説明図である。 実施の形態1に係る換気システムにおける第2換気モードのパターン3の動作を示す説明図である。 実施の形態1に係る換気システムの切り替え動作を示すフローチャートである。 実施の形態2に係る換気システムとそれが設置された建物の概略構成図である。 実施の形態3に係る換気システムとそれが設置された建物の概略構成図である。 実施の形態3に係る換気システムの全館換気空調装置の概略構成図である。
実施の形態1.
[構成]
図1は、実施の形態1に係る換気システムとそれが設置された建物の概略構成図である。なお、図1においては、建物の横断面を模式的に示している。また、図1において、矢印は空気の流れを示している。また、図1において、矢印の数は風量の大きさを示している。以降の図においても同様である。
図1において、建物1は、例えば住宅であり、換気対象となる空間である複数の部屋を有している。建物1には、第1の部屋R1と、第2の部屋R2と、第3の部屋R3と、第4の部屋R4と、第5の部屋R5と、廊下Pとが設けられている。各部屋は、壁、天井、及び床など構造物で構成された外皮で囲まれている。また、建物1の各部屋には、廊下Pと通じるドアDが設けられている。
第1の部屋R1は、室外空間と連通する第1給気口210、及び室外空間と連通する第1排気口211が形成されている。第1の部屋R1は、例えば寝室等の居室として用いられる空間である。第2の部屋R2は、室外空間と連通する第2排気口220が形成されている。第2の部屋R2は、例えば、浴槽Bが設けられた浴室に通じるサニタリールームとして用いられる空間である。第3の部屋R3は、室外空間と連通する第3給気口230が形成されている。第3の部屋R3は、例えばリビングダイニングとキッチンKが一体となった空間である。
第4の部屋R4は、室外空間と連通する第4連通口240が形成されている。第4の部屋R4は、例えば寝室又は子供部屋等の居室として用いられる空間である。第5の部屋R5は、室外空間と連通する第5排気口250が形成されている。第5の部屋R5は、例えばトイレTが設けられている空間である。
第1の部屋R1、第2の部屋R2、第3の部屋R3、第4の部屋R4、及び第5の部屋R5は、各部屋のドアDの上下及び左右の隙間を通じて、それぞれ連通している。
建物1に設置された換気システム2は、第1給気装置10と、第1排気装置11と、全熱交換器12と、第2排気装置20とを備えている。
第1給気装置10は、第1給気口210に設置されている。第1給気装置10は、送風機により構成されている。第1給気装置10は、室外の空気を第1の部屋R1へと給気する。
第1排気装置11は、第1排気口211に設置されている。第1排気装置11は、送風機により構成されている。第1排気装置11は、第1排気口211から第1の部屋R1内の空気を吸い込み室外へ排気する。
全熱交換器12は、第1給気装置10が第1給気口210から給気する空気と、第1排気装置11が第1排気口211から排気する空気との間で全熱交換を行う。
第2排気装置20は、第2排気口220に設置されている。第2排気装置20は、送風機により構成されている。第2排気装置20は、第2排気口220から第2の部屋R2内の空気を吸い込み室外へ排気する。
なお、第5の部屋R5の第5排気口250には、例えば送風機により構成された局所排気装置50が設けられている。局所排気装置50は、壁面に設けられたスイッチなどの操作により動作する。
また、換気システム2は、制御装置100(図2参照)と、空気質検知手段110と、操作部120とを備えている。
図2は、実施の形態1に係る換気システムの構成を示すブロック図である。
図2に示すように、制御装置100は、第1給気装置10、第1排気装置11、及び第2排気装置20の動作を制御する。動作の詳細は後述する。
制御装置100は、専用のハードウェア、又はメモリに格納されるプログラムを実行するCPUで構成される。なお、CPUは、Central Processing Unitの略称である。また、CPUは、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、又はプロセッサともいう。
制御装置100が専用のハードウェアである場合、制御装置100は、例えば、単一回路、複合回路、ASIC、FPGA、又はこれらを組み合わせたものが該当する。制御装置100が実現する各機能部のそれぞれを、個別のハードウェアで実現しても良いし、各機能部を一つのハードウェアで実現しても良い。なお、ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略称である。また、FPGAは、Field-Programmable Gate Arrayの略称である。
制御装置100がCPUの場合、制御装置100が実行する各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェア及びファームウェアは、プログラムとして記述され、メモリに格納される。CPUは、メモリに格納されたプログラムを読み出して実行することにより、制御装置100の各機能を実現する。ここで、メモリは、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の、不揮発性又は揮発性の半導体メモリである。なお、制御装置100の機能の一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェア又はファームウェアで実現するようにしても良い。なお、RAMは、Random Access Memoryの略称である。また、ROMは、Read Only Memoryの略称である。また、EPROMは、Erasable Programmable Read Only Memoryの略称である。また、EEPROMは、Electrically Erasable Programmable Read-Only Memoryの略称である。
空気質検知手段110は、第1の部屋R1の空気質、即ち汚染濃度を測定するものである。空気質検知手段110が測定する空気質としては、例えば、空気中に含まれる、二酸化炭素、臭気成分、又は揮発性有機化合物(VOC:Volatile Organic Compounds)などの濃度がある。また、空気質検知手段110が測定する空気質としては、例えば、空気中に含まれる水分、細菌、又はウイルスの量がある。また、空気質検知手段110が測定する空気質としては、例えば、部屋内に在室している人の数、人の活動量(単位時間当たりの人の動き)がある。
操作部120は、使用者からの操作を制御装置100へ入力する。操作部120は、例えばプッシュスイッチ及びタクトスイッチ等の機械的なスイッチ、電極の静電容量の変化により入力操作を検知するタッチスイッチ等により構成されている。
[換気動作]
次に、本実施の形態1における換気システム2の換気動作について説明する。
換気システム2の制御装置100は、第1換気モードと第2換気モードとを切り換える。第1換気モードとは、各部屋から給気された空気を、第2排気装置20によって第2排気口220から排気する運転モードである。即ち、第1換気モードとは、第3種換気方式の換気を行う運転モードである。また、第1換気モードとは、1つの第2排気装置20によって集中排気を行う運転モードである。
第2換気モードとは、第1の部屋R1において、第1給気口210から給気された空気を第1排気口211から排気させ、その他の部屋から給気された空気を、第2排気装置20によって第2排気口220から排気させる運転モードである。即ち、第2換気モードとは、第1の部屋R1においては第1種換気方式の換気を行い、その他の部屋においては第3種換気方式の換気を行う運転モードである。また、第2換気モードとは、第1の部屋R1においては個別排気を行い、その他の部屋においては集中排気を行う、個別集中併用の運転モードである。
以下、本実施の形態1における換気システム2の動作の詳細を、第1換気モードと第2換気モードとに分けて説明する。
<第1換気モード>
図3は、実施の形態1に係る換気システムの第1換気モードの動作を示す説明図である。
図3に示すように、第1換気モードにおいて、第1給気口210から室内へ給気される風量を、第1給気量Sa1と定義する。また、第3給気口230から室内へ給気される風量を、第3給気量Sb1と定義する。また、第4連通口240から室内へ給気される風量を、第4給気量Sc1と定義する。また、第2排気口220から室外へ排気される風量を、第2排気量Ex1と定義する。
第1換気モードにおいて、制御装置100は、第1給気装置10及び第1排気装置11を停止させ、第2排気装置20を駆動させる。
第2排気装置20が駆動すると、第1の部屋R1の第1給気口210、第3の部屋R3の第3給気口230、及び第4の部屋R4の第4連通口240から室外の空気が給気される。第1の部屋R1、第3の部屋R3及び第4の部屋R4へ給気された空気は、各部屋のドアDの隙間を通じて第2の部屋R2へと流入する。第2の部屋R2へ流入した各部屋の空気は、第2排気装置20によって第2排気口220から室外へ排気される。
即ち、各部屋の外皮の隙間が少なく、外皮の隙間を通じた空気の出入りが無視できる場合、第1換気モードにおける各部屋の風量の関係は、「Ex1=Sa1+Sb1+Sc1」となる。
以上のように第1換気モードにおいては、第1給気装置10及び第1排気装置11を停止させ、第2排気装置20を駆動させることで、建物1の各部屋を換気することができる。よって、第1給気装置10及び第1排気装置11も駆動させた場合と比較して、消費電力を少なくすることができ、省エネルギー化を図ることができる。
一方、第1換気モードにおいては、各部屋の空気が他の部屋を通過して、第2の部屋R2から排気される。例えば、第1の部屋R1内の空気は、ドアDを通じて廊下Pに流出し、廊下Pから第2の部屋R2へ流入したあと、第2排気口220から室外へ排気される。このため、任意の部屋で発生した、臭気、浮遊菌、及び粉塵などの汚染物質が他の部屋へ拡散されつつ排気されることとなる。また、任意の部屋内の空気中の水分が他の部屋へ拡散されつつ排気され、部屋内の湿度が維持し難くなる。
<第2換気モード>
次に、第1の部屋R1で発生した汚染物質又は空気中の水分が、他の部屋へ拡散することを抑制する第2換気モードの動作について、パターン1~パターン3に分けて説明する。
(パターン1)
図4は、実施の形態1に係る換気システムにおける第2換気モードのパターン1の動作を示す説明図である。
図4に示すように、第2換気モードのパターン1において、第1給気口210から室内へ給気される風量を、第1給気量Sa21と定義する。また、第1排気口211から室外へ排気される風量を、第1排気量Ea21と定義する。また、第3給気口230から室内へ給気される風量を、第3給気量Sb21と定義する。また、第4連通口240から室内へ給気される風量を、第4給気量Sc21と定義する。また、第2排気口220から室外へ排気される風量を、第2排気量Ex21と定義する。
第2換気モードのパターン1において、制御装置100は、第1給気装置10、第1排気装置11及び第2排気装置20を駆動させる。また、制御装置100は、第1給気量Sa21と第1排気量Ea21とが同じになるように、第1給気装置10及び第1排気装置11の動作を制御する。
第1給気装置10が駆動することにより、第1の部屋R1の第1給気口210から室外の空気が給気される。第1の部屋R1へ給気された空気は、第1排気装置11によって第1排気口211から室外へ排気される。また、第1給気量Sa22と第1排気量Ea22とが同じであるため、第1の部屋R1内へ給気された空気が、ドアDの隙間を通じて他の部屋へ流出することなく室外へ排気される。また、全熱交換器12によって、第1排気口211から排気された空気と、第1給気口210へ給気される空気との間で全熱交換が行われる。
第2排気装置20が駆動することにより、第3の部屋R3の第3給気口230及び第4の部屋R4の第4連通口240から室外の空気が給気される。第3の部屋R3及び第4の部屋R4へ給気された空気は、各部屋のドアDの隙間を通じて第2の部屋R2へと流入する。第2の部屋R2へ流入した各部屋の空気は、第2排気装置20によって第2排気口220から室外へ排気される。
即ち、第2換気モードのパターン1においては、各部屋の風量の関係は、「Sa21=Ea21」、「Ex21=Sb21+Sc21」となる。
以上のように第2換気モードのパターン1においては、第1給気装置10及び第1排気装置11を駆動させることで、第1の部屋R1で発生した汚染物質又は空気中の水分が他の部屋へ拡散されることを抑制できる。また、第2排気装置20を駆動させることで、第1の部屋R1以外の各部屋を換気することができる。
また、第1給気量Sa21と第1排気量Ea21とが同じであるため、第1の部屋R1内へ給気された空気が、ドアDの隙間を通じて他の部屋へ流出し難くすることができる。
また、全熱交換器12によって、第1の部屋R1から排気される空気と第1の部屋R1へ給気される空気とが全熱交換されるため、第1の部屋R1内の温度及び湿度の変化を抑制することができる。また、第1給気量Sa21と第1排気量Ea21とが同じであるため、全熱交換器12における全熱交換を効率よく行うことができ、省エネルギー化を図ることができる。
なお、第2換気モードのパターン1において、制御装置100は、第2排気量Ex21が、第1換気モードにおける第2排気量Ex1よりも少なくなるように第2排気装置20の動作を制御しても良い。
第1換気モードと比較して、第1の部屋R1の給気及び排気を第2排気装置20によって行わないため、「第2排気量Ex21<第2排気量Ex1」の関係としても、第1の部屋R1以外の各部屋の換気を十分に行うことができる。従って、第1換気モードと比較して、第2排気装置20による集中排気によって、室外に排気される排気量を低下させることができる。よって、例えば、空調機などによって各部屋を空調した場合であっても、空調した空気が室外に排出される風量が低下することとなり、省エネルギー化を図ることができる。
(パターン2)
第2換気モードのパターン2は、パターン1と比較して、第1の部屋R1内の空気質をより速く向上させる動作である。
図5は、実施の形態1に係る換気システムにおける第2換気モードのパターン2の動作を示す説明図である。
図5に示すように、第2換気モードのパターン2において、第1給気口210から室内へ給気される風量を、第1給気量Sa22と定義する。また、第1排気口211から室外へ排気される風量を、第1排気量Ea22と定義する。また、第3給気口230から室内へ給気される風量を、第3給気量Sb22と定義する。また、第4連通口240から室内へ給気される風量を、第4給気量Sc22と定義する。また、第2排気口220から室外へ排気される風量を、第2排気量Ex22と定義する。
第2換気モードのパターン2において、制御装置100は、第1給気装置10、第1排気装置11及び第2排気装置20を駆動させる。また、制御装置100は、第1給気量Sa22と第1排気量Ea22とが同じになるように、第1給気装置10及び第1排気装置11の動作を制御する。更に、制御装置100は、第1給気量Sa22を、第1換気モードにおける第1給気量Sa1よりも多くする。
第1給気装置10が駆動することにより、第1の部屋R1の第1給気口210から室外の空気が給気される。第1の部屋R1へ給気された空気は、第1排気装置11によって第1排気口211から室外へ排気される。また、第1給気量Sa22と第1排気量Ea22とが同じであるため、第1の部屋R1内へ給気された空気が、ドアDの隙間を通じて他の部屋へ流出することなく室外へ排気される。また、全熱交換器12によって、第1排気口211から排気された空気と、第1給気口210へ給気される空気との間で全熱交換が行われる。更に、第1給気量Sa22が第1換気モードにおける第1給気量Sa1よりも多いため、パターン1と比較して、第1の部屋R1内の換気量が大きくなる。
第2排気装置20が駆動することにより、第3の部屋R3の第3給気口230及び第4の部屋R4の第4連通口240から室外の空気が給気される。第3の部屋R3及び第4の部屋R4へ給気された空気は、各部屋のドアDの隙間を通じて第2の部屋R2へと流入する。第2の部屋R2へ流入した各部屋の空気は、第2排気装置20によって第2排気口220から室外へ排気される。
即ち、第2換気モードのパターン2においては、各部屋の風量の関係は、「Sa22=Ea22」、「Sa1<Sa22」、「Ex22=Sb22+Sc22」となる。
以上のように第2換気モードのパターン2においては、第1給気装置10及び第1排気装置11を駆動させることで、第1の部屋R1で発生した汚染物質又は空気中の水分が他の部屋へ拡散されることを抑制できる。また、第2排気装置20を駆動させることで、第1の部屋R1以外の各部屋を換気することができる。さらに、更に、パターン1と比較して、第1の部屋R1内の空気質をより速く改善させることができる。
なお、第2換気モードのパターン2においても、制御装置100は、第2排気量Ex21が、第1換気モードにおける第2排気量Ex1よりも少なくなるように第2排気装置20の動作を制御しても良い。
(パターン3)
第2換気モードのパターン3は、パターン1及びパターン2と比較して、第1の部屋R1で発生した汚染物質又は空気中の水分の、他の部屋への拡散をより抑制する動作を行う。
図6は、実施の形態1に係る換気システムにおける第2換気モードのパターン3の動作を示す説明図である。
図6に示すように、第2換気モードのパターン3において、第1給気口210から室内へ給気される風量を、第1給気量Sa23と定義する。また、第1排気口211から室外へ排気される風量を、第1排気量Ea23と定義する。また、第3給気口230から室内へ給気される風量を、第3給気量Sb23と定義する。また、第4連通口240から室内へ給気される風量を、第4給気量Sc23と定義する。また、第2排気口220から室外へ排気される風量を、第2排気量Ex23と定義する。また、第1の部屋R1のドアDから第1の部屋R1内へ給気される風量を、室内給気量Sa_reと定義する。
第2換気モードのパターン3において、制御装置100は、第1給気装置10、第1排気装置11及び第2排気装置20を駆動させる。また、制御装置100は、第1給気量Sa23が第1排気量Ea23よりも少なくなるように、第1給気装置10及び第1排気装置11の動作を制御する。
第1給気装置10が駆動することにより、第1の部屋R1の第1給気口210から室外の空気が給気される。また、第1給気量Sa23が第1排気量Ea23よりも少ないため、第1の部屋R1内は負圧となり、廊下PからドアDの隙間を通じて他の部屋からの空気が供給される。第1の部屋R1へ給気された空気は、第1排気装置11によって第1排気口211から室外へ排気される。また、全熱交換器12によって、第1排気口211から排気された空気と、第1給気口210へ給気される空気との間で全熱交換が行われる。
第2排気装置20が駆動することにより、第3の部屋R3の第3給気口230及び第4の部屋R4の第4連通口240から室外の空気が給気される。第3の部屋R3及び第4の部屋R4へ給気された空気は、一部が第1の部屋R1に流入し、他の一部が第2の部屋R2へと流入する。第2の部屋R2へ流入した各部屋の空気は、第2排気装置20によって第2排気口220から室外へ排気される。
即ち、第2換気モードのパターン3においては、各部屋の風量の関係は、「Sa23+Sa_re=Ea23」、「Ex23+Ea23=Sa23+Sb23+Sc23」となる。
以上のように第2換気モードのパターン3においては、第1給気量Sa23が第1排気量Ea23よりも少なくなるように、第1給気装置10及び第1排気装置11を駆動させることで、第1の部屋R1で発生した汚染物質又は空気中の水分が他の部屋へ拡散されることを抑制できる。また、第2排気装置20を駆動させることで、第1の部屋R1以外の各部屋を換気することができる。
なお、第2換気モードのパターン3においても、制御装置100は、制御装置100は、第1給気量Sa23を、第1換気モードにおける第1給気量Sa1よりも多くしても良い。これにより、パターン1と比較して、第1の部屋R1内の換気量が大きくなり、第1の部屋R1内の空気質をより速く向上させることができる。
第2換気モードのパターン3は、特に、第1の部屋R1が寝室として使用され、冬の低湿度時期に、高い効能を奏する。すなわち、冬場の暖房により、第1の部屋R1が低湿度となると、睡眠中の使用者の喉及び肌への悪影響が大きくなる。このため、第1の部屋R1で発生する水分を逃がさず、外気の取り込み量を減らし、また低騒音化のために暖房及び換気の風量を低減することが求められる。第2換気モードのパターン3では、高い空気清浄性能を維持しつつ、外気の取り込み量を減らし、廊下Pを通じた空気が第1の部屋R1に導入される。廊下Pを通じて第1の部屋R1へ流入する空気は、もともとは外気であるが、他の部屋を通過することによって、通過した部屋内の蓄熱及び蓄湿分を利用して高いエンタルピー状態で第1の部屋R1に流入する。よって、第1の部屋R1の空調及び加湿の負荷を減らし、使用者によってより快適な睡眠環境を形成することができる。なお、上述した第2換気モードのパターン1においても、第1の部屋R1が寝室として使用された場合、第1の部屋R1内で発生した呼気由来の湿度を、全熱交換器12によって第1の部屋R1に戻せるため、睡眠時の換気システムとして有効であることは言うまでもない。
なお、第2換気モードのパターン3において、制御装置100は、第2排気量Ex23を、第1排気量Ea23よりも少なくなるように第2排気装置20の動作を制御しても良い。第2換気モードのパターン3においては、第3の部屋R3及び第4の部屋R4へ給気された空気のうち、一部が第1の部屋R1に流入し、他の一部が第2の部屋R2へと流入する。このため、「第2排気量Ex23<第1排気量Ea23」の関係としても、第1の部屋R1以外の各部屋の換気を十分に行うことができる。従って、第2排気装置20による集中排気によって、室外に排気される排気量を低下させることができる。よって、例えば、空調機などによって各部屋を空調した場合であっても、空調した空気が室外に排出される風量が低下することとなり、省エネルギー化を図ることができる。
なお、第2換気モードのパターン3においても、制御装置100は、第2排気量Ex21が、第1換気モードにおける第2排気量Ex1よりも少なくなるように第2排気装置20の動作を制御しても良い。
[切り替え動作]
次に、上述した第1換気モード、及び第2換気モードのパターン1~パターン3の切り替え動作について説明する。
図7は、実施の形態1に係る換気システムの切り替え動作を示すフローチャートである。以下、図7の各ステップに基づき、換気システム2の切り替え動作を説明する。
制御装置100は、空気質検知手段110によって測定された空気質の検出値を取得する(ステップS1)。制御装置100は、空気質の検出値が、所定の値の一例である第1閾値を下回るか否かを判定する(ステップS2)。空気質の検出値が第1閾値を下回る状態においては、制御装置100は、第1換気モードを実行する(ステップS3)。
空気質の検出値が第1閾値以上である場合、制御装置100は、空気質の検出値が、第2閾値を下回るか否かを判定する(ステップS4)。ここで、第2閾値は、第1閾値よりも大きい値である。空気質の検出値が第2閾値を下回る状態においては、制御装置100は、第2換気モードのパターン1を実行する(ステップS5)。
空気質の検出値が第2閾値以上である場合、制御装置100は、所定の運転条件を満たすか否かを判定する(ステップS6)。
ここで、所定の運転条件とは、例えば、外気が所定の温度及び湿度を下回るか否かを条件とする。この場合、外気の温度及び湿度を検知する温湿度センサを設け、制御装置100は、温湿度センサの検出値に基づき運転条件を判定する。また例えば、所定の運転条件とは、現在の日付が予め設定した冬期の日付に含まれるか否かを条件とする。即ち、制御装置100は、ステップS6において、外気が低温低湿度となる運転状態であるか否かを判定する。
また例えば、所定の運転条件とは、現在の時刻が予め設定した夜間の時間に含まれるか否かを条件とする。即ち、制御装置100は、例えば第1の部屋R1が寝室として使用される場合に、使用者が睡眠中である時間であるか否かを判定する。
制御装置100は、所定の運転状態を満たさない場合、第2換気モードのパターン2を実行する(ステップS7)。一方、所定の運転状態を満たす場合、第2換気モードのパターン3を実行する(ステップS8)。
即ち、制御装置100は、空気質が第1閾値を下回る状態において、第1換気モードを実行し、空気質が第1閾値以上の状態において、第2換気モードを実行する。
また、空気質の値が、第2閾値を下回る場合には、第2換気モードのパターン1を実行し、第2閾値以上の場合、換気量がパターン1よりも大きいパターン2又はパターン3を実行する。つまり、空気質の値が大きい程、第1排気装置11が第1排気口211から排気する風量である第1排気量を増加させる。
なお、上記の説明では、空気質検知手段110によって測定された空気質の検出値に基づいて、切り替え動作を行う場合を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、制御装置100は、操作部120からの入力に応じて、第1換気モード、第2換気モードのパターン1~パターン3をそれぞれ切り替えるようにしても良い。即ち、制御装置100は、操作部120からの入力に応じて、第1排気装置11が第1排気口211から排気する風量である第1排気量を可変するようにしても良い。
以上のように本実施の形態1においては、制御装置100は、各部屋から給気された空気を第2排気口220から集中排気する第1換気モードと、第1の部屋R1を個別排気させ、他の部屋から給気された空気を第2排気口220から集中排気させる第2換気モードとを切り替える。
このため、第1換気モードにおいては、消費電力を少なくした集中排気を行うことで省エネルギー化を図ることができ、第2換気モードにおいては、第1の部屋R1において発生した汚染物質又は空気中の水分の、他の部屋への拡散を抑制することができる。
なお、本実施の形態1においては、第3の部屋R3の第3給気口230及び第4の部屋R4の第4連通口240に給気装置を設けない第3種換気方式の構成を説明したが、本発明はこれに限定されない。第3の部屋R3の第3給気口230及び第4の部屋R4の第4連通口240に給気装置を設け、送風機の動力によって給気を行っても良い。即ち第1種換気方式の構成を適用しても良い。ここで、第2換気モードにおいて、第1給気装置10及び第1排気装置11を動作させた場合であっても、第3の部屋R3及び第4の部屋R4への給気量が第2排気装置20の排気量と比較して少ない場合、第1の部屋R1内の空気が他の部屋へ漏出する懸念がある。このため、第1種換気方式を採用し、第3の部屋R3及び第4の部屋R4への給気を給気装置によって行うことで、第3の部屋R3及び第4の部屋R4からドアDを通じて押し出された空気が、第2の部屋R2へと流れる風路が形成され、第1の部屋R1からの汚染物質及び水分の拡散を抑制することができる。
実施の形態2.
以下、実施の形態2における換気システムの構成及び動作について、上記実施の形態1との相違点を中心に説明する。なお、上記実施の形態1と同じ構成には同一の符号を付し説明は省略する。
図8は、実施の形態2に係る換気システムとそれが設置された建物の概略構成図である。
図8に示すように、換気システム2は、上記実施の形態1の構成に加え、第3給気口230に設置された第3給気装置30を備える。第3給気装置30は、送風機により構成されている。第3給気装置30は、室外の空気を第3の部屋R3へと給気する。
また、換気システム2は、第3の部屋R3に設置された空調機ACを備える。空調機ACは、第3の部屋R3内の空気を吸込み、空気調和した後、第3の部屋R3へ吹き出す。制御装置100は、第3給気装置30及び空調機ACの動作を制御する。
制御装置100は、第3換気モードを実行する。第3換気モードとは、第1給気口210から給気された空気を第1排気口211から排気させ、第3給気口230から給気された空気を第1排気口211及び第2排気口220から排気させる運転モードである。即ち、第3換気モードとは、第1の部屋R1においては第1種換気方式の換気を行い、その他の部屋においては第2種換気方式の換気を行う運転モードである。また、第3換気モードとは、第1の部屋R1においては個別排気を行い、その他の部屋においては集中排気を行う、個別集中併用の運転モードである。以下、第3換気モードにおける換気動作の詳細を説明する。
<第3換気モード>
図8に示すように、第3換気モードにおいて、第1給気口210から室内へ給気される風量を、第1給気量Sa3と定義する。また、第1排気口211から室外へ排気される風量を、第1排気量Ea3と定義する。また、第3給気口230から室内へ給気される風量を、第3給気量Sb3と定義する。また、第4連通口240から室外へ排気される風量を、第4排気量Ec3と定義する。また、第2排気口220から室外へ排気される風量を、第2排気量Ex3と定義する。
第3換気モードにおいて、制御装置100は、第1給気装置10、第1排気装置11、第2排気装置20及び第3給気装置30を駆動させる。また、制御装置100は、第1給気量Sa3が第1排気量Ea3よりも少なくなるように、第1給気装置10及び第1排気装置11の動作を制御する。
第3給気装置30が駆動することにより、第3の部屋R3の第3給気口230から室外の空気が給気される。第3の部屋R3へ給気された空気は、空調機ACによって空気調和されている室内の空気と混合した後、ドアDの隙間を通じて廊下P及び他の部屋へ流出する。
第1給気装置10が駆動することにより、第1の部屋R1の第1給気口210から室外の空気が給気される。また、第1給気量Sa3が第1排気量Ea3よりも少ないため、第1の部屋R1内は負圧となり、廊下PからドアDの隙間を通じて第3の部屋R3からの空気が供給される。第1の部屋R1へ給気された空気は、第1排気装置11によって第1排気口211から室外へ排気される。また、全熱交換器12によって、第1排気口211から排気された空気と、第1給気口210へ給気される空気との間で全熱交換が行われる。
第2排気装置20が駆動することにより、第3の部屋R3からの空気の一部が第2の部屋R2に流入する。第2の部屋R2へ流入した空気は、第2排気装置20によって第2排気口220から室外へ排気される。
また、第3の部屋R3からの空気の他の一部は、廊下P及びドアDの隙間を通じて第4の部屋R4へ流入し、第4連通口240から室外へ排出される。
即ち、第3換気モードにおいては、各部屋の風量の関係は、「Sa3+Sb3=Ea3+Ex3+Ec3」、「Sa3<Ea3」となる。
以上のように第3換気モードにおいては、第1給気量Sa3が第1排気量Ea3よりも少なくなるように、第1給気装置10及び第1排気装置11を駆動させることで、第1の部屋R1で発生した汚染物質又は空気中の水分が他の部屋へ拡散されることを抑制できる。
また、第3の部屋R3に空調機ACを設け、第3給気装置30によって給気した空気を空気調和された空気と混合させたあと、各部屋へ流出させる。このため、建物1内の各部屋を空調機ACによって空気調和することができる。即ち、建物1の各部屋の外皮性能が十分に高く、室内の熱負荷が均等な場合に、各部屋の温度差が少なく均一な換気空調が可能である。
また、全熱交換器12によって、第1の部屋R1から排気される空気と第1の部屋R1へ給気される空気とが全熱交換されるため、第1の部屋R1内の温度及び湿度の変化を抑制することができる。
なお、制御装置100は、第1排気量Ea3が大きい程、空調機ACの空調能力を増加させるようにしても良い。これにより、空調機ACによって空気調和された空気が多く排出される場合であっても、各部屋の温度及び湿度の変化を抑制することが可能となる。
なお、上記実施の形態1の構成においても、第3の部屋R3に空調機ACを設け、制御装置100は、第1排気量Ea3が大きい程、空調機ACの空調能力を増加させるようにしても良い。
実施の形態3.
以下、実施の形態3における換気システムの構成及び動作について、上記実施の形態1及び2との相違点を中心に説明する。なお、上記実施の形態1及び2と同じ構成には同一の符号を付し説明は省略する。
図9は、実施の形態3に係る換気システムとそれが設置された建物の概略構成図である。
図10は、実施の形態3に係る換気システムの全館換気空調装置の概略構成図である。
図9及び図10に示すように、換気システム2は、上記実施の形態1の構成に加え、全館換気空調装置300を備えている。全館換気空調装置300は、第2全熱交換器310と、第2空調機320とを備えている。
第2全熱交換器310は、第2排気口220から排気された戻り空気RAの一部と、室外から給気した外気OAとの間で全熱交換を行う。全熱交換後の戻り空気RAは、排気EAとして室外へ排気される。
第2空調機320は、第2排気口220から排気された戻り空気RAの他の一部と第2全熱交換器310を通過した外気OAとを混合した空気を空気調和する。第2空調機320は、空気調和した空気を供給空気SAとして建物1の各部屋へと供給する。第2空調機320は、室外機330から供給される冷媒と、空気とを熱交換する熱交換器によって構成される。
なお、図10に示すように、第2全熱交換器310に付設して、外気OAを吸い込む送風機311と排気EAを排出させる送風機312とを設けても良い。また、第2空調機320に付設して、供給空気SAを各部屋へ送出させる送風機321を設けても良い。
建物1の各部屋と全館換気空調装置300とは、ダクト又は床下の風路等によって連結されている。具体的には、全館換気空調装置300は、第1の部屋R1に形成された第2給気口212と、第2の部屋R2に形成された第2排気口220と、第3の部屋R3に形成された第3給気口230と、第4の部屋R4に形成された第4連通口240と、それぞれ連結されている。
[換気動作]
次に、本実施の形態3における換気システム2の換気動作について説明する。
本実施の形態3における換気システム2は、上記実施の形態1又は2の換気動作に加え、全館換気空調装置300による各部屋の換気及び空調を行う。
図9に示すように、第1給気口210から室内へ給気される風量を、第1給気量Sa41と定義する。第2給気口212から室内へ給気される風量を、第2給気量Sa42と定義する。また、第3給気口230から室内へ給気される風量を、第3給気量Sb4と定義する。また、第4連通口240から室内へ給気される風量を、第4給気量Sc4と定義する。また、第2排気口220から室外へ排気される風量を、第2排気量Ex4と定義する。
制御装置100は、第1給気装置10、第1排気装置11及び第2排気装置20を駆動させる。また、制御装置100は、第1給気量Sa41と第2給気量Sa42との和が、第1排気量Ea4以下となるように、第1給気装置10及び第1排気装置11の動作を制御する。また、制御装置100は、全館換気空調装置300の第2空調機320、並びに送風機311、送風機312及び送風機321を駆動させる。
第2排気装置20によって第2排気口220から排気された戻り空気RAは、ダクト等によって連結された全館換気空調装置300へ流入する。全館換気空調装置300へ流入した戻り空気RAの一部は、第2全熱交換器310によって、室外から給気した外気OAとの間で全熱交換が行われた後、排気EAとして室外へ排気される。室外から全館換気空調装置300へ流入した外気OAは、第2全熱交換器310によって、戻り空気RAの一部と全熱交換が行われた後、全館換気空調装置300へ流入した戻り空気RAの他の一部と混合され、第2空調機320によって空気調和される。
第2空調機320によって空気調和された供給空気SAは、ダクト等によって連結された第2給気口212から第1の部屋R1へ供給される。また、供給空気SAは、ダクト等によって連結された第3給気口230から第3の部屋R3へ供給される。また、供給空気SAは、ダクト等によって連結された第4連通口240から第4の部屋R4へ供給される。
第1の部屋R1には、第1給気口210からの室外の空気と、第2給気口212からの全館換気空調装置300の供給空気SAとが給気される。第1給気量Sa41と第2給気量Sa42との和が、第1排気量Ea4以下であるため、第1の部屋R1内へ給気された空気が、ドアDの隙間を通じて他の部屋へ流出することなく室外へ排気される。また、全熱交換器12によって、第1排気口211から排気された空気と、第1給気口210へ給気される空気との間で全熱交換が行われる。
全館換気空調装置300から第3の部屋R3及び第4の部屋R4へ給気された供給空気SAは、各部屋のドアDの隙間を通じて第2の部屋R2へと流入する。第2の部屋R2へ流入した各部屋の空気は、第2排気装置20によって第2排気口220から排気され、全館換気空調装置300へ流入する。
即ち、各部屋の風量の関係は、「Ea4≧Sa41+Sa42」、「Sa41<Ea4」、「Ex4=Sb4+Sc4」となる。
以上のように本実施の形態3においては、建物1の各部屋の換気及び空調を行う全館換気空調装置300を備えるので、建物1から空気が排出されることで発生する熱ロスを抑制しつつ、建物1の各部屋の換気及び空調を行うことができる。
また、制御装置100は、第1給気量Sa41と第2給気量Sa42との和が、第1排気量Ea4以下となるように、第1給気装置10及び第1排気装置11の動作を制御する。このため、第1の部屋R1において発生した汚染物質又は空気中の水分の、他の部屋への拡散を抑制することができる。
1 建物、2 換気システム、10 第1給気装置、11 第1排気装置、12 全熱交換器、20 第2排気装置、30 第3給気装置、50 局所排気装置、100 制御装置、110 空気質検知手段、120 操作部、210 第1給気口、211 第1排気口、212 第2給気口、220 第2排気口、230 第3給気口、240 第4連通口、250 第5排気口、300 全館換気空調装置、310 第2全熱交換器、311 送風機、312 送風機、320 第2空調機、321 送風機、330 室外機、AC 空調機、B 浴槽、D ドア、K キッチン、P 廊下、T トイレ、R1 第1の部屋、R2 第2の部屋、R3 第3の部屋、R4 第4の部屋、R5 第5の部屋。

Claims (14)

  1. 室外と連通する第1給気口、及び室外と連通する第1排気口が形成されている第1の部屋と、
    室外と連通する第2排気口が形成され、前記第1の部屋と連通している第2の部屋と、
    室外と連通する第3給気口が形成され、前記第1の部屋及び前記第2の部屋と連通している第3の部屋と、を換気する換気システムであって、
    前記第1給気口に設置された第1給気装置と、
    前記第1排気口に設置された第1排気装置と、
    前記第2排気口に設置された第2排気装置と、
    前記第1給気装置、前記第1排気装置、及び前記第2排気装置の動作を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    前記第1給気装置及び前記第1排気装置を停止させ、前記第2排気装置を駆動させ、前記第1給気口及び前記第3給気口から給気された空気を前記第2排気口から排気する第1換気モードと、
    前記第1給気装置、前記第1排気装置及び前記第2排気装置を駆動させ、前記第1給気口から給気された空気を前記第1排気口から排気させ、前記第3給気口から給気された空気を前記第2排気口から排気させる第2換気モードと、を切り替え、
    前記第2換気モードにおいて、
    前記第1給気装置が前記第1給気口から給気する風量である第1給気量と、前記第1排気装置が前記第1排気口から排気する風量である第1排気量と、を同じにすると共に、
    前記第2排気装置が前記第2排気口から排気する風量である第2排気量を、前記第1換気モードにおける前記第2排気量よりも少なくする
    換気システム。
  2. 前記制御装置は、
    前記第2換気モードにおける前記第1給気量を、前記第1換気モードにおける前記第1給気量よりも多くする
    請求項1に記載の換気システム。
  3. 室外と連通する第1給気口、及び室外と連通する第1排気口が形成されている第1の部屋と、
    室外と連通する第2排気口が形成され、前記第1の部屋と連通している第2の部屋と、
    室外と連通する第3給気口が形成され、前記第1の部屋及び前記第2の部屋と連通している第3の部屋と、を換気する換気システムであって、
    前記第1給気口に設置された第1給気装置と、
    前記第1排気口に設置された第1排気装置と、
    前記第2排気口に設置された第2排気装置と、
    前記第1給気装置、前記第1排気装置、及び前記第2排気装置の動作を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    前記第1給気装置及び前記第1排気装置を停止させ、前記第2排気装置を駆動させ、前記第1給気口及び前記第3給気口から給気された空気を前記第2排気口から排気する第1換気モードと、
    前記第1給気装置、前記第1排気装置及び前記第2排気装置を駆動させ、前記第1給気口から給気された空気を前記第1排気口から排気させ、前記第3給気口から給気された空気を前記第2排気口から排気させる第2換気モードと、を切り替え、
    前記第2換気モードにおいて、
    前記第1給気装置が前記第1給気口から給気する風量である第1給気量を、前記第1排気装置が前記第1排気口から排気する風量である第1排気量よりも少なくし、且つ、前記第2排気装置が前記第2排気口から排気する風量である第2排気量を、前記第1排気量よりも少なくする
    換気システム。
  4. 前記第2排気口から排気された空気の一部と、室外から給気した空気との間で全熱交換を行う第2全熱交換器と、
    前記第2排気口から排気された空気の他の一部と、前記第2全熱交換器を通過した空気とを混合した空気を空気調和し、前記第1の部屋及び前記第3の部屋に供給する第2空調機と、を備えた
    請求項1~の何れか一項に記載の換気システム。
  5. 前記第3の部屋内の空気を空気調和する空調機を備え、
    前記制御装置は、
    前記第1排気装置が前記第1排気口から排気する風量である第1排気量が大きい程、前記空調機の空調能力を増加させる
    請求項1~の何れか一項に記載の換気システム。
  6. 前記第1の部屋の空気質を測定する空気質検知手段を備え、
    前記制御装置は、
    前記空気質が所定の値を下回る状態において、前記第1換気モードを実行し、
    前記空気質が前記所定の値以上の状態において、前記第2換気モードを実行する
    請求項1~の何れか一項に記載の換気システム。
  7. 前記制御装置は、
    前記第2換気モードにおいて、
    前記空気質の値が大きい程、前記第1排気装置が前記第1排気口から排気する風量である第1排気量を増加させる
    請求項6に記載の換気システム。
  8. 使用者からの操作を入力する操作部を備え、
    前記制御装置は、
    前記操作部からの入力に応じて、前記第1換気モードと前記第2換気モードとを切り替える
    請求項1~の何れか一項に記載の換気システム。
  9. 前記制御装置は、
    前記操作部からの入力に応じて、前記第1排気装置が前記第1排気口から排気する風量である第1排気量を可変する
    請求項に記載の換気システム。
  10. 前記第3給気口に設置された第3給気装置を備え、
    前記制御装置は、
    前記第1給気装置、前記第1排気装置、前記第2排気装置及び前記第3給気装置を駆動させ、
    前記第1給気口から給気された空気を前記第1排気口から排気させ、前記第3給気口から給気された空気を前記第1排気口及び前記第2排気口から排気させる第3換気モードを実行する
    請求項1~の何れか一項に記載の換気システム。
  11. 前記制御装置は、
    前記第3換気モードにおいて、
    前記第1給気装置が前記第1給気口から給気する風量である第1給気量を、前記第1排気装置が前記第1排気口から排気する風量である第1排気量よりも少なくする
    請求項10に記載の換気システム。
  12. 前記第1排気装置が前記第1排気口から排気する空気と、前記第1給気装置が前記第1給気口へ給気する空気との間で全熱交換を行う全熱交換器を備えた
    請求項1~11の何れか一項に記載の換気システム。
  13. 室外空間と連通する第1給気口、及び室外空間と連通する第1排気口が形成されている第1の部屋と、
    室外空間と連通する第2排気口が形成され、前記第1の部屋と連通している第2の部屋と、
    室外空間と連通する第3給気口が形成され、前記第1の部屋及び前記第2の部屋と連通している第3の部屋と、を備え、
    請求項1~12の何れか一項に記載の換気システムが配置される
    建物。
  14. 第1の部屋と室外とを連通する第1給気口に設置された第1給気装置と、前記第1の部屋と室外とを連通する第1排気口に設置された第1排気装置と、前記第1の部屋に連通している第2の部屋と室外とを連通する第2排気口に設置された第2排気装置と、を備え、前記第1の部屋、前記第2の部屋、及び、室外空間と連通する第3給気口が形成され、前記第1の部屋及び前記第2の部屋と連通している第3の部屋を換気する換気システムを制御する、換気システムの制御装置であって、
    前記第1給気装置及び前記第1排気装置を停止させ、前記第2排気装置を駆動させ、前記第1給気口及び前記第3給気口から給気された空気を前記第2排気口から排気する第1換気モードと、
    前記第1給気装置、前記第1排気装置及び前記第2排気装置を駆動させ、前記第1給気口から給気された空気を前記第1排気口から排気させ、前記第3給気口から給気された空気を前記第2排気口から排気させる第2換気モードと、を切り替え、
    前記第2換気モードにおいて、
    前記第1給気装置が前記第1給気口から給気する風量である第1給気量と、前記第1排気装置が前記第1排気口から排気する風量である第1排気量と、を同じにすると共に、
    前記第2排気装置が前記第2排気口から排気する風量である第2排気量を、前記第1換気モードにおける前記第2排気量よりも少なくする
    換気システムの制御装置。
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