JP7064838B2 - 階高さの異なる複数の家屋の階段構造および複数の家屋の階段の施工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、家屋の階段構造、および、家屋の階段の施工方法に関する。
家屋の階段の施工性を向上するために、予め工場で作られた階段ユニットを現場で組み立てる技術が従来から広く知られている。
たとえば特開2014-25334号公報(特許文献1)では、建物の基準寸法であるモジュールに基づいてそれぞれ形成され、なおかつ互いに組み合わせ自在な直階段ユニット、廻り階段ユニット及び踊り場ユニットを少なくとも1つずつ備える階段セットから、少なくとも2つ以上のユニットを組み合わせ、躯体内に設置することにより階段を施工する階段の施工方法が開示されている。
また特開平6-108599号公報(特許文献2)では、左右の側板間に複数の段板を平行に組み付けてなる下側直階段ユニットおよび上側直階段ユニットと、その間に接続され、軸組の上に方向を直角に転換する複数の段板を組み付けてなる回り階段ユニットと、同じく軸組の上に平板を組み付けてなる踊場ユニットと、回り階段ユニットの下面を支持する軸組ユニットと、下側および上側の両直階段ユニット間を仕切る仕切壁ユニットとを備えた回り階段が開示されている。
特開2014-25334号公報 特開平6-108599号公報
工業化住宅などの家屋においては、家屋の階高さに合わせて複数の階段プランが設計され、その階段プランに従って、上述のような階段ユニットが工場等において事前に作成される。また、階段プランに従って、階段を構成する側桁や踏板などの部品を工場等においてプレカットしておき、現場でこれらのプレカット部品を組み立てることも、従来から行われている。
このように、家屋の階段プランは階高さに応じて設計されるため、たとえば、家屋の階高さを既存の階高さ(たとえば標準の階高さ)よりも高く設定する場合には、新たな階段プランを設計し、この階段プランに従って階段ユニットまたはプレカット部品を作らなければならない。しかしながら、階段プランごとに階段ユニット等を準備しようとすると、多大な部品設計および品番展開を伴う。また、階段ユニット等を用いずに、別注対応することも考えられるが、その場合においては、個別に階段プランの企画設計および部品設計を行わなければならないため、負荷が大きくなる。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、家屋の階高さを既存の階高さよりも高く設定する場合においても、企画設計および部品設計の負担を軽減することのできる家屋の階段構造を提供することである。
この発明のある局面に従う家屋の階段構造は、第1階の床面から第2階の床面までの階高さが所定の高さである家屋の階段構造であって、所定の階高さよりも低く、第1階の床面との間に間隔をあけて配置される階段本体と、第1階の床面と階段本体との間に配置されるスペーサ部材とを備える。スペーサ部材の最上面は、階段本体が載置される載置領域と、踏み面となる踏み面領域とを有している。
好ましくは、スペーサ部材は、最上面の踏み面領域を最上段とし、各上面に踏み面が形成された複数の段を含む。
スペーサ部材の各段の高さは、階段本体の蹴上高さと異なっていてもよい。
スペーサ部材の複数の段は、スペーサ部材の上に位置する階段本体の昇降動線と交差するように設けられていることが望ましい。
好ましくは、スペーサ部材の各段の上面には、第1階の床面と同じ仕上材が施されている。
好ましくは、家屋の階段構造は、第1階の床面に立設される第1側壁と、第1側壁に交差する交差壁とをさらに備える。この場合、階段本体は、第1側壁に沿って配置され、かつ、交差壁から離れて配置されており、スペーサ部材は、第1側壁と交差壁とのコーナー部に配置されることが望ましい。
より好ましくは、家屋の階段構造は、第1側壁と略平行であって、交差壁から離れて配置される第2側壁をさらに備える。この場合、階段本体は、第1側壁および第2側壁に沿って配置され、スペーサ部材は、第2側壁を受入れる切欠き部を有していることが望ましい。
この発明の他の局面に従う家屋の階段の施工方法は、第1階の床面から第2階の床面までの階高さが所定の高さである家屋の階段の施工方法であって、踏み面となる踏み面領域と載置領域とを最上面に有するスペーサ部材を、第1階の床面上に設置する工程と、スペーサ部材の最上面の載置領域に、所定の階高さよりも低い階段本体を載置する工程とを備える。
本発明によれば、家屋の階高さを既存の階高さよりも高く設定する場合においても、既存の階高さ用に設計された階段本体を流用することができるため、企画設計および部品設計の負担を軽減することができる。
本発明の実施の形態に係る家屋の階段構造の概略構成を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態に係る家屋の階段構造を示す平面図である。 本発明の実施の形態に係る家屋の階段構造の要部を示す斜視図である。 本発明の実施の形態におけるスペーサ部材の上面図である。 本発明の実施の形態に係る家屋の階段構造の施工手順を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態におけるスペーサ部材の下地ユニットを示す斜視図である。 図5のフローチャートの工程P1を示す図である。 図5のフローチャートの工程P2を示す図である。 図5のフローチャートの工程P3を示す図である。 図5のフローチャートの工程P4を示す図である。 本発明の実施の形態おいて、スペーサ部材の最上面の踏み面領域で進行方向が略90度方向転換することを概念的に示す平面図である。 家屋の階段構造の他の構成例を示す平面図である。 家屋の階段構造のさらに他の構成例を示す平面図である。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
本実施の形態においては、1階床面から2階床面までの階高さが所定の高さである家屋における階段構造について説明する。なお、本実施の形態に係る階段構造は、上下方向において互いに隣接する第1階および第2階の間の階段構造であればよく、たとえば2階床面と3階床面との間の階段構造であってもよい。
工業化住宅などの家屋は、建築上の基準長さを1モジュール(1P)とし、このモジュールに基づいてプランニングされている。そのため、このような家屋の階段は、このモジュールに基づいて規格化された階段ユニットあるいはプレカット部品によって組み立てられる。1モジュールの長さは、たとえば、910mmまたは1000mmである。
今般の住宅においては、家屋の天井高を、標準の天井高よりも高くしたいという要望が多くなってきている。天井高を高くするには、階高さも標準の階高さよりも高くする必要がある。しかしながら、家屋の階高さに合わせて新たな階段プランを設計し、この階段プランに従って階段ユニットまたはプレカット部品を規格化するためには、多大な部品設計および品番展開を伴うため、階高さの高い家屋を建てる場合には、別注対応で階段の企画設計および部品設計を行っているのが現状である。
これに対し、本実施の形態では、家屋の実際の階高さと標準の階高さとの差分を埋めるスペーサ部材を用いることで、標準の階高さ用に規格化された階段本体(階段ユニットまたはプレカット部品)を、標準の階高さよりも高い階高さの家屋の階段に流用できるようにしている。以下に、このような家屋の階段構造について、詳細に説明する。
(階段構造について)
図1~図3を参照して、本実施の形態に係る家屋の階段構造1について説明する。図1は、家屋の階段構造1の概略構成を模式的に示す図である。図2は、家屋の階段構造1を示す平面図である。図3は、家屋の階段構造1の要部を示す斜視図である。
図1を参照して、家屋の1階床面11から2階床面12までの階高さH1は、所望の天井高さH3を実現するために、標準の階高さ(H0)よりも高く設定されている。標準の階高さH0は、たとえば2700~2900程度であり、家屋の階高さH1は、たとえば3100~3300程度である。
階段構造1は、標準の階高さH0と略同じ高さを有する階段本体2を備えている。つまり、階段本体2は、家屋の所定の階高さH1よりも低い。
階段本体2は、たとえば、2×2モジュールの階段室用に規格化された階段であり、下側の直線階段ユニット21と、廻り階段ユニット22と、上側の直線階段ユニット23とで構成されている。この場合、直線階段ユニット21,22の幅寸法L32が略1モジュールに対応する。
階段ユニット21~23の蹴上高さh1は一定であり、たとえば200mm程度である。また、直線階段ユニット21,22の踏み面20の奥行き寸法L31は、典型的には、蹴上高さh1と同じ長さか若干それよりも長い。
階段本体2を構成するこれらのユニット21,22,23は、組み立てた際に全体の高さが標準の階高さH0となるように、予め工場等において形成されている。なお、階段本体2は、このような複数のユニット21,22,23で構成されるものに限定されず、側桁および踏み板などのプレカット部品を現場で組み付けて構成されるものであってもよい。プレカット部品もまた、組み付けた際に全体の高さが標準の階高さH0となるように、予め工場等において形成されている。
階段本体2の上端は2階の床に連結され、階段本体2は2階床面12に連なるように配置される。そのため、階段本体2は、1階床面11から上方に間隔をあけて配置される。この間隔の高さ寸法は、家屋の実際の階高さH1と標準の階高さH0との差分H2に相当する。差分H2は、200~500mmであり、ここでは300mm程度であると仮定する。
本実施の形態に係る家屋の階段構造1は、1階床面11と階段本体2との間に配置されるスペーサ部材3をさらに備えている。つまり、階段本体2の下側の直線階段ユニット21がスペーサ部材3の上に載置され、スペーサ部材3によって、家屋の実際の階高さH1と標準の階高さH0との差分H2が埋められている。
階段本体2は、スペーサ部材3の最上面40の一部に載置され、最上面40の残りは露出する。つまり、スペーサ部材3の最上面40は、階段本体2が載置される載置領域41と、踏み面となる踏み面領域42とを有している。なお、スペーサ部材3の最上面40は、後述のようにスペーサ部材3が複数の段を有する場合に、最上段の上面であることを示している。また、スペーサ部材3が1段のみを有する場合には、その段の上面が最上面40を構成する。
スペーサ部材3と、その上に位置する下側の直線階段ユニット21との位置関係について、図2を参照して説明する。
図2に示されるように、1階床面11上には、階段室を仕切る間仕切りパネルとして、第1側壁91、第2側壁93、および交差壁92が立設されている。第1側壁91と第2側壁93とは互いに平行に配置されている。第1側壁91は交差壁92と直交(交差)しているのに対し、第2側壁93は交差壁92から離れて配置されている。なお、第1側壁91は、下側の直線階段ユニット21と上側の直線階段ユニット23との間に位置し、第2側壁93は、1階の室内空間に面している。
階段本体2の下側の直線階段ユニット21は、第1および第2側壁91,93に沿って配置されている。下側の直線階段ユニット21は、第1側壁91および第2側壁93に挟まれる部分にのみ配置されており、直線階段ユニット21の一対の側桁21aは、第1および第2側壁91,93に面接触して固定されている。なお、直線階段ユニット21の最下段の蹴込面の位置は、第2側壁93の交差壁92側の端面と略同じ位置である。
このような階段室において、スペーサ部材3は、第1側壁91と交差壁92とのコーナー部に配置されている。本実施の形態において、スペーサ部材3は、略直方体形状に形成されており、スペーサ部材3が、第1側壁91と交差壁92とに突き当たるように配置されている。平面視において、階段本体2から交差壁92までの間隔が、スペーサ部材3によって埋められている。つまり、スペーサ部材3の最上面40の踏み面領域42が、階段本体2とそれに対面する交差壁92との間に形成される。
これにより、第2側壁93と交差壁92との間の開口から、スペーサ部材3への昇降が可能となる。したがって、1階床面11からスペーサ部材3の最上面40の踏み面領域42へと至る昇降動線A1は、スペーサ部材3の上に位置する階段本体2の昇降動線A2と直行するように形成される。階段本体2の昇降動線A2の方向は、第1および第2側壁91,93に沿う方向であり、スペーサ部材3の上に直接載置される下側の直線階段ユニット21の延在方向を示す。なお、スペーサ部材3の最上面40の載置領域41および踏み面領域42は、階段本体2の昇降動線A2に沿って互いに隣接して位置する。
階段本体2または第2側壁93と交差壁92との間の間隔L10は、略1モジュールに相当していることが望ましい。この間隔L10は、最上面40の踏み面領域42の基本の幅寸法に相当する。なお、この間隔L10は、略1モジュールに限定されないが、直線階段ユニット21の踏み面20の幅寸法L32以上であることが望ましく、省スペース化の観点からすれば、踏み面20の幅寸法L32の2倍以下であることも望ましい。
スペーサ部材3の構成例については、図4の上面図を参照しながら説明する。図4には、理解を容易にするために、スペーサ部材3の昇降動線A1の方向と、スペーサ部材3の上に載置される直線階段ユニット21の昇降動線A2の方向とが、矢印で示されている。また、最上面40における載置領域41と踏み面領域42との境界位置が、一点鎖線で示されている。また、スペーサ部材3の骨組み構造が破線で示されている。
スペーサ部材3は、1階の室内空間側から見て、正面の第1側壁91に面接触する側面部30Aと、交差壁92に面接触する右側面部30Bと、少なくとも一部が階段本体2の下方に配置される左側面部30Dと、右側面部30Bおよび左側面部30Dに交差し、1階の室内空間に露出する側面部30Cとを有している。つまり、上記昇降動線A1は側面部30Cを通過する。
スペーサ部材3は、図1に示されるように、踏み面領域42を最上段とし、各上面に踏み面が形成された複数の段(たとえば2段)を含む。複数の段による段差は、側面部30C側に表れるように設けられている。本実施の形態では、スペーサ部材3は、下段31および上段32を含み、上段32の踏み面が上記踏み面領域42によって実現される。なお、複数の段は、2段に限定されず、3段以上であってもよい。
図2を参照して、1階の室内空間側から見て、上段32の踏み面の奥行き寸法L11は、階段本体2の幅寸法L32よりも大きい。そのため、スペーサ部材3の下段31の踏み面の全部、および上段32の踏み面のうち手前側の端部(以下「拡張踏み面」という)が、間仕切りパネルとしての第2側壁93よりも、1階の室内空間側へ張り出して配置されている。第2側壁93から1階の室内空間側への張り出し長さは、1/2モジュール以下(500mm以下)である。
さらに、上段32の拡張踏み面の幅寸法L21(図4)は、階段本体2または第2側壁93と交差壁92との間の間隔L10すなわち、上段32の踏み面の基本の幅寸法よりも若干大きい。
下段31の踏み面の幅寸法L2は、上段32の拡張踏み面の幅寸法L21よりもさらに大きく、スペーサ部材3全体の幅寸法に相当する。下段31の踏み面は、交差壁92の反対側に向かって拡張されている。さらに、下段31の踏み面は、第2側壁93に接するように、平面視において略L字状に形成されている。これにより、1階の室内空間側から見たときの階段構造1の意匠性を向上させることができる。
この場合、図4に示されるように、スペーサ部材3の側面部30D側には、第2側壁93を受け入れるための切欠き部33が予め形成されていることが望ましい。切欠き部33は、第2側壁93の壁厚分の隙間を形成する。これにより、階段構造1の施工を容易に行うことができる。
図2に示されるように、下段31の踏み面の奥行き寸法L12は、上段32の踏み面の奥行き寸法L11よりも小さい。具体的には、下段31の踏み面の奥行き寸法L12は、上段32の踏み面の奥行き寸法L11の1/2以下であることが望ましく、1/3以下であることがより望ましい。ただし、下段31の踏み面の奥行き寸法L12は、階段本体2の直線階段ユニット21における踏み面20の奥行き寸法L31以上であることが望ましい。
スペーサ部材3の各段31,32の高さ(蹴上高さ)は互いに等しいことが望ましい。スペーサ部材3の蹴上高さh2は、階段本体2の蹴上高さh1と異なっていてもよい。本実施の形態では、スペーサ部材3の蹴上高さh2は、階段本体2の蹴上高さh1よりも小さい。
上述のように、スペーサ部材3の上段32の踏み面の奥行き寸法L11は、階段本体2の基本の幅寸法L32よりも大きく、具体的には1モジュール以上である。これにより、図11に示されるように、上段32の踏み面において、2ステップ(4歩)以上確保できるため、居住者は、上段32の踏み面において、進行方向を無理なく転換することができる。つまり、階段本体2を上る前に、上段32の踏み面上において身体の向きを階段本体2に真っ直ぐ向き合う状態とすることができる。
したがって、上段32の踏み面において昇降リズムをリセットできるため、スペーサ部材3の蹴上高さh2が階段本体2の蹴上高さh1と異なっていても、転倒などが起き難く、安全性を確保することができる。なお、スペーサ部材3の蹴上高さh2と階段本体2の蹴上高さh1とは、互いに等しくてもよい。
(家屋の階段の施工方法について)
図5を参照して、家屋の階段の施工方法について説明する。図5は、家屋の階段構造1の施工手順を示すフローチャートである。
はじめに、家屋の1階床面11上に、スペーサ部材3を設置する(工程P1)。具体的には、たとえば、スペーサ部材3の骨組みを構成する下地ユニットを1階床面11上に載置し、その後、各段31,32の上面を構成する板状の仕上げ材を施工する。
図6には、スペーサ部材3の下地ユニット5の構成例が示されている。下地ユニット5は、たとえば、複数の根太51~55と、複数の木桟56~60とで構成される。根太51~55は、一定方向に沿って配置され、木桟56~60は、根太51~55に直交するように配置される。図4に示されるように、根太51~55の延在方向は、スペーサ部材3の昇降動線A1の方向に対応し、木桟56~60の延在方向は、直線階段ユニット21の昇降動線A2の方向に対応する。
木桟60は、スペーサ部材3の上段32の拡張踏み面の縁部を構成する部材である。奥の木桟57は、この木桟(以下「中間の木桟」という)60と同じ高さに配置され、手前の木桟59は、中間の木桟60よりも低い位置に配置される。残りの(奥に位置する)木桟56と(手前に位置する)木桟58は、下地ユニット5の下端位置に配置される。これにより、中間の木桟60と奥の木桟56,57との間に上段32が形成され、中間の木桟60と手前の木桟58,59との間に下段31が形成される。
根太51の長さ寸法は、スペーサ部材3全体の奥行き寸法L1(図4)に相当する。根太51は、全ての木桟56~60に接続されており、その長さ方向において、高さの高い部分と低い部分とを有している。根太51は、木桟56~60の延在方向、すなわちスペーサ部材3の幅方向に沿って、互いに間隔をあけて複数設けられている。幅方向一方端に位置する根太51の外側面によって側面部30Bが形成される。
根太55は、高さの高い部分のみを有しており、奥の木桟56,57にのみ接続されている。根太55は、幅方向他方端に位置し、その外側面によって側面部30Dの一部が形成される。根太55は、直線階段ユニット21の側桁21a(図1)の荷重を受ける。
根太54は、高さの低い部分のみを有しており、手前の木桟58,59にのみ接続されている。根太54は、奥行き方向位置が根太55と重ならないように配置されており、根太54と根太55との間の隙間によって上述の切欠き部33が形成されている。本実施の形態では、根太54は、根太55よりもさらに外側(幅方向他方側)に配置されており、根太54の外側面によって側面部30Dの残りの部分が形成される。根太54の長さ寸法は、第2側壁93からのスペーサ部材3の張り出し長さに相当する。
根太53は、高さの高い部分のみを有しており、根太51と根太55との間に配置される。根太53もまた、奥の木桟56,57にのみ接続されている。根太53は、第2側壁93の突き当たり面を構成する。つまり、設置状態において、根太53の手前側端部の側面は第2側壁93の端面と面接触する。
根太52は、幅方向において根太51と根太54との間に位置している。根太52の長さは、根太54と略同じ長さであるが、根太52は、高さの高い部分と高さの低い部分とを有しており、手前の木桟58,59と中間の木桟60との双方に接続されている。本実施の形態では、根太52は、第2側壁93の位置決め機能も果たす根太53の位置よりも若干外側に配置されている。
このような下地ユニット5は、予め工場等において製造されていることが望ましい。これにより、現場での施工を簡略化することができる。
図7に示されるように、このような下地ユニット5を、1階床面11上に載置した後に、下地ユニット5の各段の上面に、下地合板61および床仕上材62を貼り付ける。図7に示されるように、下地ユニット5は、1階床の下地面11a上に載置されて、下地ユニット5に隣接するように床仕上材71が配置されてもよい。
スペーサ部材3の床仕上材62は、1階床面11を構成する床仕上材71と同じである。つまり、図3に示されるように、スペーサ部材3の各段31,32の上面には、1階床面11と同じ仕上材が施されていることが望ましい。これにより、視覚上においても、階段本体2の踏み面20とスペーサ部材3の踏み面とを区別できるため、スペーサ部材3の蹴上高さh1と階段本体2の蹴上高さh2とが異なる場合であっても、安全性を向上させることができる。
なお、スペーサ部材3の上面には、階段本体2の踏み面と同じ仕上材を施してもよい。この場合、視覚上において、スペーサ部材3を階段の一部のように見せることができる。
スペーサ部材3が所定位置に設置されると、階段室を区画する間仕切りパネルを施工する(工程P2)。つまり、上記した第1側壁91および交差壁92を、スペーサ部材3の2つの側面部30A,30Bと当接するように、1階床面11上に立設する。また、第2側壁93を、スペーサ部材3に設けられた切欠き部33に嵌め入れて、1階床面11上に立設する。このような状態が、図8に示されている。なお、第1側壁91および交差壁92の少なくとも一方は、スペーサ部材3の設置前に施工されてもよい。
間仕切りパネルの施工が終わると、図9に示されるように、スペーサ部材3の上に、階段本体2を設置する(工程P3)。つまり、家屋の階高さH1よりも低い階段本体2が、スペーサ部材3の最上面40のうちの載置領域41に載置される。より特定的には、下側の直線階段ユニット21の一対の側桁21aが、載置領域41に載置される。
階段本体2の施工が完了した段階で、周辺部の仕上げ、施工が行われる(工程P4)。具体的には、図10に示されるように、スペーサ部材3の各段31,32の蹴込面に、石膏ボードなどの化粧板63を貼り付ける。また、階段本体2の昇降補助のための手すり81を、たとえば第1側壁91に固定する。さらに、図2および図10に示されるように、スペーサ部材3から階段本体2への回り込みを補助するための手すり82を第2側壁93に取り付けてもよい。手すり82は、第2側壁93の端面に、縦向きに固定される。
上述のような手順を経ることで、家屋の階段構造1が完成する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、スペーサ部材3を用いることにより、1階床面の位置を嵩上げすることができる。したがって、家屋の階高さ(H1)を既存の階高さ(H0)よりも高く設定する場合においても、既存の階高さ用に設計された階段本体2を流用することができるため、企画設計および部品設計の負担を軽減することができる。
また、今後想定し得る階高さと既存の階高さとの差分H2ごとに、スペーサ部材3を下地ユニット5のようにユニット化しておくことで、様々な階高さの家屋に、既存の階段本体2を流用できる。また、この場合、平面計画への影響を最小限に抑えながら階段プランを拡充できるため、顧客への階段プランの提案力を向上させることができる。
なお、下地ユニット5は、根太および木桟により構成される例に限定されず、たとえば、大引きと、大引きを下方から支持する束とによって構成されてもよい。
(階段構造の変形例)
上記実施の形態では、図11に示されるように、1階床面11から2階床面12までの全体の昇降動線が略S字状になるようなスペーサ部材3の配置例を示したが、限定的ではなく、スペーサ部材3は、その昇降動線とスペーサ部材3の上に載置される階段の昇降動線とが略直交するように配置されていればよい。
たとえば、図12の階段構造1Aのように、1階床面11から2階床面12までの全体の昇降動線が略螺旋状になるように、スペーサ部材3Aを配置してもよい。スペーサ部材3の上には、上記と同じ2×2モジュールの階段室用に規格化された階段本体2が載置されている。
あるいは、図13の階段構造1Bのように、直線階段のみで構成される階段本体2Aの下に、スペーサ部材3Bを配置し、1階床面11から2階床面12までの全体の昇降線が略L字状になるようにしてもよい。階段本体2Aは、たとえば、1×3モジュールの階段室用に規格化された階段である。
なお、上記実施の形態では、階段室が間仕切りパネルにより区画される例を示したが、限定的ではない。上述の第1側壁91、交差壁92、および第2側壁93は、各々、空間を仕切る部材であればよく、たとえば縦格子などによって構成されていてもよい。あるいは、スペーサ部材3が複数の段を有するような場合には、スペーサ部材3の昇降動線A1は複数の段を通過するように規定されるため、交差壁92を省略してもよい。
また、上記実施の形態では、階段本体が、階段ユニットまたはプレカット部品により構成されることとしたが、限定的ではなく、階段本体は、現場で切断された部品によって組み立てられるものであってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,1A,1B 階段構造、2,2A 階段本体、21~23 階段ユニット、3,3A,3B スペーサ部材、5 下地ユニット、11 1階床面、12 2階床面、20 踏み面、21a 側桁、31 下段、32 上段、33 切欠き部、40 最上面、41 載置領域、42 踏み面領域、51~55 根太、56~60 木桟、61 下地合板、62,71 床仕上材、63 化粧板、81,82 手すり、91 第1側壁、93 第2側壁、92 交差壁、A1,A2 昇降動線。

Claims (6)

  1. 第1階の床面から第2階の床面までの階高さが第1の高さであり、前記第1の高さに適合した第1の階段本体を備える第1の家屋の階段構造と、
    第1階の床面から第2階の床面までの階高さが前記第1の高さよりも高い第2の高さであり、前記第1の階段本体と同じ高さを有する第2の階段本体と、前記第1の高さと前記第2の高さとの差に対応する高さを有し、前記第2の階段本体と第1階の床面との間に配置されるスペーサ部材とを備える第2の家屋の階段構造と、
    前記第1階の床面に立設される第1側壁と、
    前記第1側壁に交差する交差壁と、
    前記第1側壁と略平行であって、前記交差壁から離れて配置される第2側壁とを備え、
    前記階段本体は、前記第1側壁および前記第2側壁に沿って配置され、かつ、前記交差壁から離れて配置されており、
    前記第2の家屋の前記スペーサ部材は、前記第1側壁と前記交差壁とのコーナー部に配置され、前記第2側壁を受入れる切欠き部を有しており、
    記スペーサ部材の最上面は、前記第2の階段本体が載置される載置領域と、踏み面となる踏み面領域とを有している、階高さの異なる複数の家屋の階段構造。
  2. 前記スペーサ部材は、前記最上面の踏み面領域を最上段とし、各上面に踏み面が形成された複数の段を含む、請求項1に記載の階高さの異なる複数の家屋の階段構造。
  3. 前記スペーサ部材の前記各段の高さは、前記階段本体の蹴上高さと異なっている、請求項2に記載の階高さの異なる複数の家屋の階段構造。
  4. 前記スペーサ部材の前記複数の段は、前記スペーサ部材の上に位置する前記階段本体の昇降動線と交差するように設けられている、請求項2または3に記載の階高さの異なる複数の家屋の階段構造。
  5. 前記スペーサ部材の前記各段の上面には、前記第1階の床面と同じ仕上材が施されている、請求項2~4のいずれかに記載の階高さの異なる複数の家屋の階段構造。
  6. 第1階の床面から第2階の床面までの階高さが第1の高さである第1の家屋の階段構造と、
    第1階の床面から第2階の床面までの階高さが前記第1の高さよりも高い第2の高さであり、前記第1階の床面に立設される第1側壁と、前記第1側壁に交差する交差壁と、前記第1側壁と略平行であって、前記交差壁から離れて配置される第2側壁とを備える第2の家屋の階段構造とを施工する方法であって、
    前記第1の家屋の階段構造に対しては、前記第1の高さに適合した階段高さを有する第1の階段本体を前記第1階の床面上に設置し、
    前記第2の家屋の階段構造に対しては、前記第2側壁を受入れる切欠き部を有し、前記第1の高さと前記第2の高さとの差に対応する高さを有するスペーサ部材を前記第1側壁および前記交差壁のコーナー部に設置し、
    前記スペーサ部材上に、前記第1の高さと同じ高さを有する第2の階段本体を設置し、
    前記第2側壁は前記切欠き部に嵌め込むように設置される、複数の家屋の階段の施工方法。
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