JP7064154B2 - 空気組成調整装置、冷凍装置、コンテナ、及び空気組成調整方法 - Google Patents
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Description
以下、本発明の実施形態1を図面に基づいて詳細に説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態は、空気組成調整装置(60)を備えた輸送用コンテナ(1)に関する。空気組成調整装置(60)は、外気とは異なる組成に調整した空気を対象空間に導入する。空気組成調整装置(60)は、ガス供給ユニット(30)と、センサユニット(50)とを備える。
輸送用コンテナ(1)は、コンテナ本体(2)と、輸送用冷凍装置(10)とを備える。輸送用コンテナ(1)は、海上輸送等に用いられる。輸送用冷凍装置(10)は、コンテナ本体(2)の庫内空間(対象空間)の空気を冷却する。
輸送用冷凍装置(10)は、冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)を備える。輸送用冷凍装置(10)は、コンテナ本体(2)の庫内空気を、冷媒回路(20)の蒸発器(24)で冷却する。
冷凍ケーシング(12)は、庫外壁(12a)と、庫内壁(12b)とを有する。庫外壁(12a)は、コンテナ本体(2)の庫外側に位置する。庫内壁(12b)は、コンテナ本体(2)の庫内側に位置する。庫外壁(12a)及び庫内壁(12b)は、例えば、アルミニウム合金によって構成される。
図3に示すように、冷媒回路(20)は、圧縮機(21)と、凝縮器(22)と、膨張弁(23)と、蒸発器(24)とを、冷媒配管(20a)で順に接続することで構成された閉回路である。ユニット制御部(100)は、圧縮機(21)、膨張弁(23)、庫外ファン(25)及び庫内ファン(26)の動作を制御する。
図4~図7に示すように、空気組成調整装置(60)は、ガス供給ユニット(30)と、排気部(46)と、センサユニット(50)と、制御部(55)とを備える。空気組成調整装置(60)は、コンテナ本体(2)の庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度とを調整する。なお、以下の説明で用いる「濃度」は、全て「体積濃度」を指す。
ガス供給ユニット(30)は、成分調整された空気を生成するためのユニットである。本実施形態では、ガス供給ユニット(30)は、コンテナ本体(2)の庫内に供給するための低酸素濃度の窒素濃縮空気を生成する。ガス供給ユニット(30)は、VPSA(Vacuum Pressure Swing Adsorption)によって構成される。ガス供給ユニット(30)は、図1に示すように、庫外収納空間(S1)の左下のコーナー部に配置される。
エアポンプ(31)は、第1ポンプ機構(31a)と、第2ポンプ機構(31b)とを有する。第1ポンプ機構(31a)は、吸引した空気を加圧して吐出する加圧ポンプ機構を構成する。第2ポンプ機構(31b)は、減圧ポンプ機構を構成する。第1ポンプ機構(31a)及び第2ポンプ機構(31b)は、モータ(31c)の駆動軸に接続される。
空気回路(3)には、エアポンプ(31)等の構成部品が接続される。空気回路(3)は、外気通路(41)、加圧通路(42)、減圧通路(43)、及び供給通路(44)を含む。
第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)は、空気回路(3)に設けられる。第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)は、エアポンプ(31)と、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)との間に配置される。第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)は、エアポンプ(31)と第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)との接続状態を、後述する2つの接続状態(第1又は第2接続状態)に切り換える。第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)の切り換え動作は、制御部(55)によって制御される。
第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)は、円筒部材で構成される。第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の内部には、吸着剤が充填される。吸着剤は、加圧下では窒素成分を吸着し、減圧下では吸着した窒素成分を脱着させる性質を有する。
空気回路(3)には、給排切換機構(70)が設けられる。給排切換機構(70)は、ガス供給動作と、ガス排出動作とを切り換える。ガス供給動作は、窒素濃縮空気を第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)からコンテナ本体(2)の庫内に供給する動作である。ガス排出動作は、窒素濃縮空気を第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)から庫外へ排出する動作である。給排切換機構(70)は、排気用接続通路(71)と、排気用開閉弁(72)と、供給用開閉弁(73)とを有する。
図2及び図4に示すように、排気部(46)は、排気通路(46a)と、排気弁(46b)と、メンブレンフィルタ(46c)とを有する。メンブレンフィルタ(46c)は、排気通路(46a)の流入端部(庫内側端部)に設けられる。
図2及び図4に示すように、センサユニット(50)は、庫内収納空間(S2)における庫内ファン(26)の吹出側の2次空間(S22)に設けられる。センサユニット(50)は、酸素センサ(51)と、二酸化炭素センサ(52)と、メンブレンフィルタ(54)と、排気管(57)とを有する。
センサケーシング(90)の内部には、酸素センサ(51)及び二酸化炭素センサ(52)が収容される。気液分離器(85)は、センサケーシング(90)に固定される。
制御部(55)は、コンテナ本体(2)の庫内空気の酸素濃度及び二酸化炭素濃度を所望の濃度に調整する濃度調整運転の制御を実行する。具体的に、制御部(55)は、酸素センサ(51)及び二酸化炭素センサ(52)の測定結果に基づいて、コンテナ本体(2)の庫内空気の組成(酸素濃度及び二酸化炭素濃度)が所望の組成(例えば、酸素濃度5%、二酸化炭素濃度5%)になるように、ガス供給ユニット(30)、排気部(46)及びセンサユニット(50)の動作を制御する。
〈冷媒回路の運転動作〉
本実施形態では、図3に示すユニット制御部(100)によって、コンテナ本体(2)の庫内空気を冷却する冷却運転が実行される。
(ガス生成動作)
ガス供給ユニット(30)では、第1生成動作と第2生成動作とが、所定の時間で交互に繰り返されることで、窒素濃縮空気と酸素濃縮空気とが生成される。第1生成動作は、第1吸着筒(34)が加圧されると同時に第2吸着筒(35)が減圧される動作(図4を参照)である。第2生成動作は、第1吸着筒(34)が減圧されると同時に第2吸着筒(35)が加圧される動作(図5を参照)である。各動作の切り換えは、制御部(55)が第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)を操作することによって行われる。
第1生成動作では、制御部(55)によって、第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)が両方とも、図4に示す第1状態に切り換えられる。これにより、空気回路(3)は、第1吸着筒(34)が第1ポンプ機構(31a)の吐出口に連通して第2ポンプ機構(31b)の吸込口から遮断され、且つ第2吸着筒(35)が第2ポンプ機構(31b)の吸込口に連通して第1ポンプ機構(31a)の吐出口から遮断された第1接続状態となる。
第2生成動作では、制御部(55)によって、第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)が両方とも、図5に示す第2状態に切り換えられる。これにより、空気回路(3)は、第1吸着筒(34)が第2ポンプ機構(31b)の吸込口に連通して第1ポンプ機構(31a)の吐出口から遮断され、且つ第2吸着筒(35)が第1ポンプ機構(31a)の吐出口に連通して第2ポンプ機構(31b)の吸込口から遮断された第2接続状態となる。この第2接続状態では、第1ポンプ機構(31a)によって加圧された外気が第2吸着筒(35)に供給される一方、第2ポンプ機構(31b)が、第1吸着筒(34)から窒素濃縮空気を吸引する。
ガス供給ユニット(30)では、給排切換機構(70)によって、ガス供給動作とガス排出動作とが切り換えられる。ガス供給動作は、空気回路(3)において生成した窒素濃縮空気をコンテナ本体(2)の庫内に供給する動作である。ガス排出動作は、脱着動作の開始時点から所定時間の間、生成した窒素濃縮空気をコンテナ本体(2)の庫内へ供給せずに排気する動作である。
本実施形態では、外気をコンテナ本体(2)の庫内へ導入する外気導入動作も可能である。図6に示す外気導入動作では、第1方向制御弁(32)が第1状態に設定され、第2方向制御弁(33)が第2状態に設定され、バイパス開閉弁(48)が開かれる。供給用開閉弁(73)は開かれ、分岐開閉弁(82)は閉じられる。この状態でエアポンプ(31)を起動すると、外気が、外気通路(41)と加圧通路(42)の一部とバイパス通路(47)と供給通路(44)の一部とにより構成された、太い実線で示した外気導入通路(40)を流れる。外気導入通路(40)の通路抵抗が、第1方向制御弁(32)、第2方向制御弁(33)、第1吸着筒(34)、及び第2吸着筒(35)を通る流路の通路抵抗よりも小さいためである。そして、外気導入通路(40)を流れる外気と組成の同じ空気が、コンテナ本体(2)の庫内へ押し込まれる。
本実施形態では、空気組成調整装置(60)は、制御部(55)によって、コンテナ本体(2)の庫内空気の組成(酸素濃度及び二酸化炭素濃度)を所望の組成(例えば、酸素濃度5%、二酸化炭素濃度5%)に調整する濃度調整運転を行う。濃度調整運転では、酸素センサ(51)及び二酸化炭素センサ(52)の測定結果に基づいて、コンテナ本体(2)の庫内空気の組成が所望の組成となるように、ガス供給ユニット(30)及び排気部(46)の動作が制御される。
本実施形態では、ユーザからの指令により又は定期的(例えば、10日毎)に、ガス供給ユニット(30)において生成された窒素濃縮空気の酸素濃度を測定する給気測定動作が行われる。給気測定動作は、上述の濃度調整運転や試運転等のガス供給動作中に庫内ファン(26)が停止した際に並行して行われる。
本実施形態では、外気をセンサユニット(50)に導入して酸素センサ(51)を校正する図7のセンサ校正動作を行うことができる。センサ校正動作は、例えば庫内を冷却しながら濃度調整を一旦停止して短時間(10分程度)で行い、その後に濃度調整運転に戻すことができる。
次に、酸素センサ(51)の劣化について説明する。
本実施形態の酸素センサ(51)は、ジルコニア式のセンサである。酸素センサ(51)の素子は、白金及びジルコニアで構成される。酸素センサ(51)は、白金及びジルコニアの固体電解質中を移動する酸素イオンの量を電気的に測定することで酸素濃度を測定する。
コンテナ本体(2)の庫内空間に収容された包装容器又は包装容器に梱包された生鮮物などから腐食成分が発生することがある。ここで、腐食成分とは、酸素センサ(51)を腐食させる成分のことである。腐食成分は、庫内の空気とともに輸送用コンテナ(1)内を循環する。
制御部(55)は、空気組成調整装置(60)及び輸送用冷凍装置(10)が運転された状態において、以下の制御を行う。
制御部(55)は、空気組成調整装置(60)が運転停止された状態で且つ輸送用冷凍装置(10)が運転された状態において、以下の制御を行う。
本実施形態の特徴によれば、組成が調整された空気が対象空間に搬送される。対象空間における空気中の成分の濃度がセンサ(51)で測定される。センサ(51)は、センサケーシング(90)に収容される。制御部(55)は、第1動作を実行する。第1動作は、空気組成調整装置(60)の運転停止動作に連動して、センサケーシング(90)の内部に外気を導入する動作である。
図11は、本実施形態2に係る輸送用冷凍装置の斜視図である。以下、前記実施形態1と同じ部分については同じ符号を付し、相違点についてのみ説明する。
前記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
10 輸送用冷凍装置(冷凍装置)
16C 回転蓋(開閉機構)
16D 換気口
31 エアポンプ(搬送部)
34 第1吸着筒(調整部)
35 第2吸着筒(調整部)
51 酸素センサ(センサ)
55 制御部
60 空気組成調整装置
75 第1通路
76 第2通路
90 センサケーシング
Claims (7)
- 外気とは異なる組成に調整した空気を対象空間に導入する空気組成調整装置であって、
空気の組成を調整する調整部(34,35)と、
前記対象空間に空気を搬送する搬送部(31)と、
前記対象空間における空気中の成分の濃度を測定するセンサ(51)と、
前記センサ(51)を収容するセンサケーシング(90)と、
前記空気組成調整装置(60)の運転停止動作に連動して、前記センサケーシング(90)の内部に外気を導入する第1動作を実行する制御部(55)とを備えた
ことを特徴とする空気組成調整装置。 - 請求項1において、
前記センサケーシング(90)の内部に外気を導入する通路(75,76)を備え、
前記制御部(55)は、前記第1動作において、前記通路(75,76)を通して前記センサケーシング(90)の内部に外気を導入するように、前記搬送部(31)を制御する
ことを特徴とする空気組成調整装置。 - 請求項1又は2に記載の空気組成調整装置(60)を備えた
ことを特徴とする冷凍装置。 - 請求項3において、
前記対象空間の内部と外部とを連通する換気口(16D)と、
前記換気口(16D)を開閉する開閉機構(16C)とを備え、
前記第1動作中に、前記開閉機構(16C)が開状態である
ことを特徴とする冷凍装置。 - 請求項3又は4において、
前記制御部(55)は、前記冷凍装置(10)の運転停止動作に連動して、前記センサケーシング(90)の内部に外気を導入する第2動作を実行する
ことを特徴とする冷凍装置。 - 請求項3乃至5のうち何れか1つに記載の冷凍装置(10)を備えた
ことを特徴とするコンテナ。 - 外気とは異なる組成に調整した空気を対象空間に導入する空気組成調整装置(60)を用いた空気組成調整方法であって、
前記空気組成調整装置(60)では、前記対象空間における空気中の成分の濃度を測定するセンサ(51)が、センサケーシング(90)に収容されており、
空気の組成を調整する工程と、
前記対象空間に空気を搬送する工程と、
前記空気組成調整装置(60)の運転停止動作に連動して、前記センサケーシング(90)の内部に外気を導入する工程とを備えた
ことを特徴とする空気組成調整方法。
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