JP2022040583A - 空気組成調整装置、冷凍装置、及び輸送用コンテナ - Google Patents

空気組成調整装置、冷凍装置、及び輸送用コンテナ Download PDF

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【課題】腐食成分によるセンサの劣化を抑制する。【解決手段】空気組成調整装置(60)は、空気の組成を調整する調整部(34,35)と、調整部(34,35)で調整した空気を庫内へ搬送する搬送部(31)と、庫内の空気中の成分の濃度を測定するセンサ(51)と、センサ(51)を収容するセンサケーシング(90)と、センサケーシング(90)内に収容される加熱部(H)とを備えている。【選択図】図9

Description

本開示は、空気組成調整装置、冷凍装置、及び輸送用コンテナに関する。
従来、生鮮物を輸送するコンテナが知られている。特許文献1には、空気組成調整装置を備えた冷凍コンテナが開示されている。空気組成調整装置は、コンテナの庫内空間の酸素濃度や二酸化炭素濃度を調整する。特許文献1の空気組成調整装置は、空気の組成を測定するセンサを有する。
特開平8-168号公報
特許文献1に記載のような庫内空間では、貨物などの冷却対象物から腐食成分が発生することがある。センサをセンサケーシングに収容する構成では、センサケーシング内に庫内の空気とともに腐食成分が流入する。センサを非通電状態にすると、センサの温度が下がり、センサケーシング内の空気の温度も下がる。この結果、センサケーシング内の空気の相対湿度が高くなる。センサケーシング内の空気の相対湿度が高くなると、腐食成分に起因してセンサが劣化してしまうという問題があった。
本開示の目的は、腐食成分によるセンサの劣化を抑制することである。
本開示の第1の態様は、空気組成調整装置(60)を対象とする。空気組成調整装置(60)は、空気の組成を調整する調整部(34,35)と、前記調整部(34,35)で調整した空気を庫内へ搬送する搬送部(31)と、庫内の空気中の成分の濃度を測定するセンサ(51)と、前記センサ(51)を収容するセンサケーシング(90)と、前記センサケーシング(90)内に収容される加熱部(H)とを備えている。
第1の態様では、センサケーシング(90)内に供給された庫内の空気が加熱部(H)によって温められる。これにより、センサケーシング(90)内の相対湿度の上昇を抑制でき、腐食成分によるセンサ(51)の劣化を抑制できる。
本開示の第2の態様は、第1の態様において、前記センサ(51)の非通電中に、前記加熱部(H)が作動状態である。
センサ(51)が通電している場合、センサ(51)は発熱し高温になっている。第2の態様では、センサ(51)が非通電中で発熱していない場合に、加熱部(H)が作動状態であるので、加熱部(H)によってセンサケーシング(90)内の空気が温められる。これにより、センサケーシング(90)内の相対湿度の上昇を抑制でき、腐食成分によるセンサ(51)の劣化を抑制できる。
本開示の第3の態様は、第2の態様において、前記加熱部(H)を制御する制御部(55)を更に備え、前記制御部(55)は、前記センサ(51)を通電状態から非通電状態に切り替える第1動作に連動して、前記加熱部(H)を作動させる。
第3の態様では、制御部(55)が第1動作に連動して加熱部(H)を作動させるため、センサ(51)の温度が低下するタイミングに合わせて、センサケーシング(90)内の空気を温められる。これにより、センサケーシング(90)内の相対湿度の上昇を抑制でき、腐食成分によるセンサ(51)の劣化を抑制できる。
本開示の第4の態様は、第3の態様において、前記制御部(55)は、前記加熱部(H)を作動させた後に、前記第1動作を実行する。
第4の態様では、制御部(55)が加熱部(H)を作動させてセンサケーシング(90)内の空気を温めた後に、第1動作を実行する。これにより、センサケーシング(90)内の空気の温度の低下を抑制して、相対湿度の上昇を抑制できる。
本開示の第5の態様は、第3又は第4の態様において、前記センサケーシング(90)は、庫外に配置され、前記制御部(55)は、外気の温度に応じて前記加熱部(H)の加熱能力を調節する。
第5の態様では、センサケーシング(90)は庫外に配置されるので、センサケーシング(90)内の空気は、外気の温度の影響を受けやすい。制御部(55)は、外気の温度に応じて加熱部(H)の加熱能力を調節するので、外気の温度を考慮して加熱部(H)の加熱能力を設定できる。
本開示の第6の態様は、第1~第4の態様のいずれか1つにおいて、前記センサケーシング(90)は、前記庫内に配置され、前記センサケーシング(90)には、断熱材(I)が設けられている。
第6の態様では、センサケーシング(90)に断熱材(I)が設けられているため、加熱部(H)の熱が庫内に伝わることを抑制できる。
本開示の第7の態様は、第1~第4の態様のいずれか1つにおいて、前記センサケーシング(90)は、庫外に配置されている。
第7の態様では、センサケーシング(90)が庫外に配置されているため、加熱部(H)の熱が庫内に伝わることを抑制できる。
本開示の第8の態様は、第1~第7の態様のいずれか1つにおいて、前記センサケーシング(90)には、前記庫内の空気が導入される第1導入口(94a)が形成され、前記加熱部(H)は、前記第1導入口(94a)より低い位置にある。
第8の態様では、庫内から第1導入口(94a)を介してセンサケーシング(90)内に導入された空気は、加熱部(H)によって温められやすくなる。これにより、センサケーシング(90)内の温度の低下を抑制できる。
本開示の第9の態様は、第1~第8の態様のいずれか1つにおいて、前記センサケーシング(90)には、外気が導入される第2導入口(94b)が形成されている。
第9の態様では、外気が第2導入口(94b)を介してセンサケーシング(90)内に導入されても、外気に含まれる腐食成分によるセンサ(51)の劣化を抑制できる。
本開示の第10の態様は、第1~第9の態様のいずれか1つにおいて、前記センサケーシング(90)の内部の空気を庫外へ排出する通路(79)と、前記通路(79)を開閉する開閉機構(M)と、前記加熱部(H)が作動しているときに、前記開閉機構(M)を開状態とする開閉機構制御部(55a)とを備えている。
第10の態様では、加熱部(H)が作動しているときに開閉機構(M)が開状態なので、センサケーシング(90)内の温度の高い空気を、通路(79)を介して庫外へ排出できる。
本開示の第11の態様は、第1~第10の態様のいずれか1つに記載の空気組成調整装置(60)を備えている冷凍装置である。
本開示の第12の態様は、第11の態様において、前記庫内の空気の温度を調節し且つ前記調整部(34,35)で調整した空気を前記庫内へ供給しない第1モードと、前記庫内の空気の温度を調節せず且つ前記調整部(34,35)で調整した空気を前記庫内へ供給しない第2モードとにおいて、前記加熱部(H)を作動させる制御部(55)を備えている。
第12の態様では、第1モード及び第2モードにおいて、加熱部(H)が作動することでセンサケーシング(90)内の空気が温められる。これにより、センサケーシング(90)内の相対湿度の上昇を抑制でき、腐食成分によるセンサ(51)の劣化を抑制できる。
本開示の第13の態様は、第11又は第12の態様に記載の冷凍装置(10)と、コンテナ本体(2)とを備えている輸送用コンテナである。
図1は、本発明の実施形態1に係る輸送用冷凍装置を庫外側から見た斜視図である。 図2は、図1の輸送用冷凍装置の概略構成を示す側面断面図である。 図3は、図1の輸送用冷凍装置の冷媒回路の構成を示す配管系統図である。 図4は、図1の輸送用冷凍装置のCA装置の空気回路を示す配管系統図であり、第1動作における空気の流れを示す。 図5は、図1の輸送用冷凍装置のCA装置の空気回路を示す配管系統図であり、第2動作における空気の流れを示す。 図6は、図1の輸送用冷凍装置のCA装置の空気回路を示す配管系統図であり、外気導入動作における空気の流れを示す。 図7は、図1の輸送用冷凍装置のCA装置の空気回路を示す配管系統図であり、センサ校正動作における空気の流れを示す。 図8は、輸送用冷凍装置のケーシングの背面側斜視図であり、センサユニットの配置を示す。 図9は、センサケーシングの縦断面図である。 図10は、制御部、及び制御部と通信線を介して接続する機器を示すブロック図である。 図11は、ヒータの制御に係るフローチャートである。 図12は、実施形態2に係る図1に相当する図である。 図13は、実施形態2に係る図4に相当する図である。 図14は、実施形態2の変形例1に係る加熱動作に係るフローチャートである。 図15は、その他の実施形態の第1変形例に係る図4に相当する図である。
以下、本開示の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《実施形態1》
実施形態1について説明する。
〈全体構成〉
本実施形態は、対象空間の空気の組成を調整する空気組成調整装置(60)を備えた輸送用コンテナ(1)に関する。空気組成調整装置(60)は、ガス供給ユニット(30)とセンサユニット(50)を備える。ガス供給ユニット(30)は、空気を搬送する搬送部(後述のエアポンプ(31))と、空気の組成を調整する調整部(後述の第1,第2吸着筒(34,35))と、搬送部によって空気を調整部に導入し、組成を調整した空気を対象空間へ供給する空気回路(3)とを有する。センサユニット(50)は、対象空間に配置されて空気の組成を測定するセンサ(51,52)を有する。
〈輸送用コンテナ〉
輸送用コンテナ(1)は、図1及び図2に示すように、コンテナ本体(2)と輸送用冷凍装置(10)とを備える。輸送用コンテナ(1)は、海上輸送等に用いられる。輸送用冷凍装置(10)は、コンテナ本体(2)の庫内(対象空間)の空気を冷却する。コンテナ本体(2)の庫内空間(対象空間)には、生鮮物(植物(15))が箱詰めされた状態で収納される。植物(15)は、例えば、バナナやアボカド等の青果物、野菜、穀物、球根、生花等である。植物(15)は、空気中の酸素(O2)を取り込んで二酸化炭素(CO2)を放出する呼吸を行う。
コンテナ本体(2)は、一方の端面が開口する細長い直方体の箱状に形成されている。輸送用冷凍装置(10)は、ケーシング(12)と、冷媒回路(20)と、CA装置(空気組成調整装置/Controlled Atmosphere System)(60)とを備える。輸送用冷凍装置(10)のケーシング(12)は、コンテナ本体(2)の開口端を塞ぐように取り付けられている。
〈輸送用冷凍装置〉
輸送用冷凍装置(10)は、冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)を備える。輸送用冷凍装置(10)は、コンテナ本体(2)の庫内空気を冷媒回路(20)の蒸発器(24)で冷却する。
〈ケーシング〉
図2に示すように、輸送用冷凍装置(10)のケーシング(12)は、庫外壁(12a)と、庫内壁(12b)とを備えている。庫外壁(12a)は、コンテナ本体(2)の庫外側に位置する。庫内壁(12b)は、コンテナ本体(2)の庫内側に位置する。庫外壁(12a)及び庫内壁(12b)は、例えば、アルミニウム合金によって構成される。
庫外壁(12a)は、コンテナ本体(2)の開口端を塞ぐようにコンテナ本体(2)の開口の周縁部に取り付けられている。庫外壁(12a)は、下部がコンテナ本体(2)の庫内側へ膨出している。
庫内壁(12b)は、庫外壁(12a)と対向して配置されている。庫内壁(12b)は、庫外壁(12a)の下部に対応して庫内側へ膨出している。庫内壁(12b)と庫外壁(12a)との間の空間には、断熱材(12c)が設けられる。
このように、ケーシング(12)の下部は、コンテナ本体(2)の庫内側に向かって膨出している。これにより、ケーシング(12)の下部におけるコンテナ本体(2)の庫外側に庫外収納空間(S1)が形成され、ケーシング(12)の上部におけるコンテナ本体(2)の庫内側に庫内収納空間(S2)が形成されている。
図1に示すように、ケーシング(12)には、メンテナンス用の2つのサービス用開口(14)が幅方向に並んで形成されている。2つのサービス用開口(14)は、それぞれ開閉自在な第1及び第2サービス扉(16A,16B)によって閉塞されている。第2サービス扉(16B)には、換気口(16D)が形成されている。換気口(16D)は、中心軸に対して回転する回転蓋(16C)によって開閉可能である。
図2に示すように、コンテナ本体(2)の庫内には、仕切板(18)が配置される。この仕切板(18)は、略矩形状の板部材で構成される。仕切板(18)は、ケーシング(12)の庫内側の面と対向して配置されている。この仕切板(18)によって、コンテナ本体(2)の庫内の植物(15)が収納される庫内空間(対象空間)と、庫内収納空間(S2)とが区画される。
仕切板(18)の上端とコンテナ本体(2)内の天井面との間には、吸込口(18a)が形成される。コンテナ本体(2)の庫内空気は、吸込口(18a)を通って庫内収納空間(S2)に取り込まれる。
庫内収納空間(S2)には、水平方向に延びる区画壁(13)が設けられる。区画壁(13)は、仕切板(18)の上端部に取り付けられる。区画壁(13)は、後述の庫内ファン(26)が設置される開口を有する。区画壁(13)は、庫内収納空間(S2)を、庫内ファン(26)の吸込側の1次空間(S21)と、庫内ファン(26)の吹出側の2次空間(S22)とに区画する。本実施形態では、1次空間(S21)が上側に配置され、2次空間(S22)が下側に配置されている。
コンテナ本体(2)内には、コンテナ本体(2)の底面の上方に、床板(19)が設けられる。床板(19)は、箱詰めされた植物(15)が載置される。コンテナ本体(2)内の底面と床板(19)との間には、床下流路(19a)が形成される。仕切板(18)の下端とコンテナ本体(2)内の底面との間には隙間が設けられ、庫内収納空間(S2)が床下流路(19a)に連通している。
床板(19)におけるコンテナ本体(2)の奥側(図2で右側)には、吹出口(18b)が形成されている。吹出口(18b)は、輸送用冷凍装置(10)によって冷却された空気をコンテナ本体(2)の庫内へ吹き出す。
〈冷媒回路の構成と機器配置〉
図3に示すように、冷媒回路(20)は、その構成要素である圧縮機(21)と凝縮器(22)と膨張弁(23)と蒸発器(24)とを、冷媒配管(20a)によって順に接続することによって構成された閉回路である。
凝縮器(22)の近傍には、庫外ファン(25)が設けられる。庫外ファン(25)は、庫外ファンモータ(25a)によって回転駆動される。庫外ファン(25)は、コンテナ本体(2)の庫外空間の空気(外気)を凝縮器(22)へ送る。凝縮器(22)では、圧縮機(21)で加圧されて凝縮器(22)の内部を流れる冷媒と、庫外ファン(25)によって凝縮器(22)に送られた外気との間で熱交換が行われる。
蒸発器(24)の近傍には、庫内ファン(26)が2つ設けられる。庫内ファン(26)は、庫内ファンモータ(26a)によって回転駆動される。庫内ファン(26)は、コンテナ本体(2)の庫内空気を吸込口(18a)から吸引して蒸発器(24)へ吹き出す。蒸発器(24)では、膨張弁(23)で減圧されて蒸発器(24)の内部を流れる冷媒と、庫内ファン(26)によって蒸発器(24)に送られた庫内空気との間で熱交換が行われる。
図1に示すように、圧縮機(21)及び凝縮器(22)は、庫外収納空間(S1)に収納される。凝縮器(22)は、庫外収納空間(S1)の上下方向の中央部分に配置される。凝縮器(22)は、庫外収納空間(S1)を下側の第1空間(S11)と上側の第2空間(S12)とに区画する。第1空間(S11)には、圧縮機(21)と、インバータボックス(29)と、CA装置(60)のガス供給ユニット(30)とが設けられる。インバータボックス(29)には、圧縮機(21)を可変速で駆動する駆動回路が収納されている。第2空間(S12)には、庫外ファン(25)と電装品ボックス(17)とが設けられる。
図2に示すように、蒸発器(24)は、庫内収納空間(S2)の2次空間(S22)に収納されている。庫内収納空間(S2)の蒸発器(24)の上方には、上述の2つの庫内ファン(26)がケーシング(12)の幅方向に並んで配置される(図1参照)。
〈空気組成調整装置〉
図4~図7に示すように、コンテナ本体(2)に設けられているCA装置(60)は、ガス供給ユニット(30)と、排気部(46)と、センサユニット(50)と、制御部(55)とを備える。CA装置(60)は、コンテナ本体(2)の庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度とを調整する。なお、以下の説明で用いる「濃度」は、全て「体積濃度」を指す。
〈ガス供給ユニット〉
ガス供給ユニット(30)は、コンテナ本体(2)の庫内に供給するための成分調整された空気を生成するユニットである。本実施形態においては、ガス供給ユニット(30)は、コンテナ本体(2)の庫内に供給するための低酸素濃度の窒素濃縮空気を生成する装置である。本実施形態では、ガス供給ユニット(30)は、VPSA(Vacuum Pressure Swing Adsorption)によって構成されている。ガス供給ユニット(30)は、図1に示すように、庫外収納空間(S1)の左下のコーナー部に配置される。
図4に示すように、ガス供給ユニット(30)は、空気回路(3)を有する。空気回路(3)には、エアポンプ(31)と、第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)と、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)とが接続されている。第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)は、空気中の窒素成分を吸着するための吸着剤が内部に設けられている。空気回路(3)の構成部品は、ユニットケース(36)に収容されている。
(エアポンプ)
エアポンプ(31)は、第1ポンプ機構(加圧ポンプ機構)(31a)及び第2ポンプ機構(減圧ポンプ機構)(31b)を有する。第1ポンプ機構(31a)及び第2ポンプ機構(31b)は、空気を吸引して加圧して吐出する。第1ポンプ機構(31a)及び第2ポンプ機構(31b)は、モータ(31c)の駆動軸に接続されている。
(空気回路)
エアポンプ(31)等の構成部品が接続される空気回路(3)は、外気通路(41)、加圧通路(42)、減圧通路(43)、及び供給通路(44)を含む。
第1ポンプ機構(31a)の吸込口には、外気通路(41)の一端が接続される。外気通路(41)は、ユニットケース(36)を内外に貫通する。外気通路(41)の他端には、メンブレンフィルタ(37)が設けられる。メンブレンフィルタ(37)は、通気性と防水性を有する。図示していないが、外気通路(41)の他端は、庫外収納空間(S1)の凝縮器(22)の上方の第2空間(S12)に配置される。
第1ポンプ機構(31a)の吐出口には、加圧通路(42)の一端が接続される。加圧通路(42)の他端は2つに分岐して、第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)に接続される。
第2ポンプ機構(31b)の吸込口には、減圧通路(43)の一端が接続される。減圧通路(43)の他端は2つに分岐して、第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)に接続される。第2ポンプ機構(31b)の吐出口には、供給通路(44)の一端が接続される。供給通路(44)の他端は、コンテナ本体(2)の庫内収納空間(S2)において、庫内ファン(26)の吹出側の2次空間(S22)に開口する。供給通路(44)の他端部には、逆止弁(65)が設けられる。逆止弁(65)は、庫内収納空間(S2)へ向かう空気の流通を許容し、空気の逆流を防止する。
エアポンプ(31)の側方には、送風ファン(49)が2つ設けられている。送風ファン(49)は、エアポンプ(31)に向かって送風することでエアポンプ(31)を冷却する。
加圧ポンプ機構である第1ポンプ機構(31a)は、吸着動作を行う。吸着動作は、一方の吸着筒(34,35)に加圧した空気を供給することによって、その吸着筒(34,35)において加圧空気中の窒素成分を吸着剤に吸着する。減圧ポンプ機構である第2ポンプ機構(31b)は、脱着動作(窒素濃縮空気を生成する動作)を行う。脱着動作は、他方の吸着筒(35,34)内から空気を吸引することによって、その吸着筒(35,34)の吸着剤に吸着している窒素成分を脱着する。
供給通路(44)は、吸着筒(34,35)において吸着動作と脱着動作とを交互に行って、脱着動作で生成した窒素濃縮空気をコンテナ本体(2)の庫内に供給する通路である。
加圧通路(42)の加圧ポンプ機構(31a)の出口部(加圧ポンプ機構(31a)と方向制御弁(32,33)との間)と、供給通路(44)の減圧ポンプ機構(31b)の出口部は、バイパス通路(47)で接続されている。バイパス通路(47)には、バイパス開閉弁(48)が設けられている。バイパス開閉弁(48)は、制御部(55)によって開閉制御される。
外気通路(41)と、加圧通路(42)の一部と、バイパス開閉弁(48)を有するバイパス通路(47)と、供給通路(44)の一部とにより、外気導入通路(40)が構成されている。外気導入通路(40)は、加圧ポンプ機構(31a)を通過した加圧空気(外気と組成の等しい空気)を庫内へ供給する。外気導入通路(40)には、ユニットケース(36)の外部の空間を通る冷却部(40a)が設けられる。
(方向制御弁)
第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)は、空気回路(3)に設けられる。第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)は、エアポンプ(31)と第1,第2吸着筒(34,35)との間に配置される。第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)は、エアポンプ(31)と第1,第2吸着筒(34,35)との接続状態を、後述する2つの接続状態(第1,第2の接続状態)に切り換える。この切り換え動作は、制御部(55)によって制御される。
第1方向制御弁(32)は、第1ポンプ機構(31a)の吐出口に接続された加圧通路(42)と、第2ポンプ機構(31b)の吸込口に接続された減圧通路(43)と、第1吸着筒(34)の一端部(加圧時の流入口)とに接続される。第1方向制御弁(32)は、第1状態(図4に示す状態)と、第2状態(図5に示す状態)とに切り換わる。第1方向制御弁(32)の第1状態は、第1吸着筒(34)を第1ポンプ機構(31a)の吐出口に連通させて第2ポンプ機構(31b)の吸込口から遮断する。第1方向制御弁(32)の第2状態は、第1吸着筒(34)を第2ポンプ機構(31b)の吸込口に連通させて第1ポンプ機構(31a)の吐出口から遮断する。
第2方向制御弁(33)は、第1ポンプ機構(31a)の吐出口に接続された加圧通路(42)と、第2ポンプ機構(31b)の吸込口に接続された減圧通路(43)と、第2吸着筒(35)の一端部とに接続される。第2方向制御弁(33)は、第1状態(図4に示す状態)と、第2状態(図5に示す状態)とに切り換わる。第2方向制御弁(33)の第1状態は、第2吸着筒(35)を第2ポンプ機構(31b)の吸込口に連通させて第1ポンプ機構(31a)の吐出口から遮断する。第2方向制御弁(33)の第2状態は、第2吸着筒(35)を第1ポンプ機構(31a)の吐出口に連通させて第2ポンプ機構(31b)の吸込口から遮断する。
第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)を共に第1状態に設定すると、空気回路(3)が、第1の接続状態に切り換わる(図4を参照)。第1の接続状態では、第1ポンプ機構(31a)の吐出口と第1吸着筒(34)とが接続され、第2ポンプ機構(31b)の吸込口と第2吸着筒(35)とが接続される。この状態では、第1吸着筒(34)では外気中の窒素成分を吸着剤に吸着させる吸着動作が行われ、第2吸着筒(35)では吸着剤に吸着された窒素成分を脱着させる脱着動作が行われる。
第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)を共に第2状態に設定すると、空気回路(3)が、第2の接続状態に切り換わる(図5を参照)。第2の接続状態では、第1ポンプ機構(31a)の吐出口と第2吸着筒(35)とが接続され、第2ポンプ機構(31b)の吸込口と第1吸着筒(34)とが接続される。この状態では、第2吸着筒(35)で吸着動作が行われ、第1吸着筒(34)で脱着動作が行われる。
(吸着筒)
第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)は、内部に吸着剤が充填された円筒部材で構成されている。第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)に充填された吸着剤は、加圧下では窒素成分を吸着し、減圧下では、吸着した窒素成分を脱着させる性質を有する。
第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)に充填された吸着剤は、例えば、窒素分子の分子径(3.0オングストローム)よりも小さく且つ酸素分子の分子径(2.8オングストローム)よりも大きな孔径の細孔を有する多孔体のゼオライトである。このような孔径のゼオライトを吸着剤に用いると、空気中の窒素成分を吸着することができる。
第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)では、エアポンプ(31)から加圧された外気が供給されて内部が加圧されると、吸着剤に該外気中の窒素成分が吸着する。その結果、外気よりも窒素成分が少なくなることで外気よりも窒素濃度が低く酸素濃度が高い酸素濃縮空気が生成される。一方、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)では、エアポンプ(31)によって内部の空気が吸引されて減圧されると、吸着剤に吸着されていた窒素成分が脱着する。その結果、外気よりも窒素成分を多く含むことで外気よりも窒素濃度が高く酸素濃度が低い窒素濃縮空気が生成される。本実施形態では、例えば、窒素濃度92%、酸素濃度8%の成分比率の窒素濃縮空気が生成される。
第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の他端部(加圧時の流出口)には、酸素排出通路(45)の一端が接続される。酸素排出通路(45)は、加圧された外気から生成された酸素濃縮空気をコンテナ本体(2)の庫外へ導くための通路である。酸素排出通路(45)の一端は、2つに分岐し、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の他端部のそれぞれに接続される。酸素排出通路(45)の他端は、ガス供給ユニット(30)の外部、即ち、コンテナ本体(2)の庫外で開口する。酸素排出通路(45)が第1吸着筒(34)に接続された部分及び第2吸着筒(35)に接続された分岐部分には、逆止弁(61)がそれぞれ設けられる。この逆止弁(61)は、酸素排出通路(45)から第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)への空気の逆流を防止する。
酸素排出通路(45)の途中には、逆止弁(62)とオリフィス(63)とが一端から他端に向かって順に設けられる。逆止弁(62)は、後述する排気用接続通路(71)からの窒素濃縮空気の第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)側への逆流を防止する。オリフィス(63)は、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)から流出した酸素濃縮空気を庫外への排出前に減圧する。
吸着筒(34,35)から酸素濃縮空気を庫外へ排出する通路である酸素排出通路(45)には、圧力センサ(66)が設けられる。圧力センサ(66)は、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の合流点(P0)と逆止弁(62)との間に配置される。
排気用接続通路(71)は、減圧ポンプ機構(31b)の吐出口を圧力センサ(66)の下流側で酸素排出通路(45)に接続する通路である。前記逆止弁(62)は、第1接続点(P1)と第2接続点(P2)との間に設けられる。第1接続点(P1)は、圧力センサ(66)と酸素排出通路(45)とが接続されている。第2接続点(P2)は、酸素排出通路(45)と排気用接続通路(71)とが接続されている。逆止弁(62)は、第1接続点(P1)から第2接続点(P2)への空気の流れを許容し、逆方向への空気の流れを禁止する。
(給排切換機構)
空気回路(3)には、ガス供給動作とガス排出動作とを切り換える給排切換機構(70)が設けられる。ガス供給動作は、窒素濃縮空気を第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)からコンテナ本体(2)の庫内に供給する動作である。ガス排出動作は、窒素濃縮空気を第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)から庫外へ排出する動作である。給排切換機構(70)は、排気用接続通路(71)と、排気用開閉弁(72)と、供給用開閉弁(73)とを有する。
排気用接続通路(71)は、一端が供給通路(44)に接続され、他端が酸素排出通路(45)に接続される。排気用接続通路(71)の他端は、酸素排出通路(45)にオリフィス(63)よりも庫外側で接続される。
排気用開閉弁(72)は、排気用接続通路(71)に設けられる。排気用開閉弁(72)は、排気用接続通路(71)の中途部に配置された電磁弁で構成される。排気用開閉弁(72)は、開状態と閉状態とに切り換わる。排気用開閉弁(72)の開状態は、供給通路(44)から流入した窒素濃縮空気の流通を許容する。排気用開閉弁(72)の閉状態は、窒素濃縮空気の流通を遮断する。排気用開閉弁(72)の開閉動作は、制御部(55)によって制御される。
供給用開閉弁(73)は、供給通路(44)に設けられる。供給用開閉弁(73)は、供給通路(44)と排気用接続通路(71)の接続部よりも庫内側に配置される。供給用開閉弁(73)は、開状態と閉状態とに切り換わる電磁弁で構成される。供給用開閉弁(73)の開状態は、庫内側への空気の流通を許容する。供給用開閉弁(73)の閉状態は、庫内側への空気の流通を遮断する。供給用開閉弁(73)の開閉動作は、制御部(55)によって制御される。
〈排気部〉
図2,図4に示すように、排気部(46)は、庫内収納空間(S2)と庫外空間とを繋ぐ排気通路(46a)と、排気通路(46a)に接続された排気弁(46b)と、排気通路(46a)の流入端部(庫内側端部)に設けられたメンブレンフィルタ(46c)とを有する。排気通路(46a)は、ケーシング(12)を内外に貫通している。排気弁(46b)は、排気通路(46a)の庫内側に設けられる。排気弁(46b)は、開状態と閉状態とに切り換わる電磁弁で構成される。排気弁(46b)の開状態は、排気通路(46a)における空気の流通を許容する。排気弁(46b)の閉状態は、排気通路(46a)における空気の流通を遮断する。排気弁(46b)の開閉動作は、制御部(55)によって制御される。
庫内ファン(26)の回転中に制御部(55)によって排気弁(46b)を開くと、庫内空間に繋がる庫内収納空間(S2)の空気(庫内空気)が庫外へ排出される排気動作が行われる。
具体的には、庫内ファン(26)が回転すると、吹出側の2次空間(S22)の圧力が、庫外空間の圧力(大気圧)よりも高くなる。これにより、排気弁(46b)が開状態であるときには、排気通路(46a)の両端部の間で生じる圧力差(庫外空間と2次空間(S22)との間の圧力差)により、庫内空間に繋がる庫内収納空間(S2)の空気(庫内空気)が排気通路(46a)を通って庫外空間へ排出される。
〈センサユニットの回路構成〉
図2,図4に示すように、センサユニット(50)は、庫内収納空間(S2)における庫内ファン(26)の吹出側の2次空間(S22)に設けられる。センサユニット(50)は、酸素センサ(51)と、二酸化炭素センサ(52)と、メンブレンフィルタ(54)と、排気管(57)と、センサケーシング(90)とを有する。センサケーシング(90)には、酸素センサ(51)と二酸化炭素センサ(52)とが収容される。センサケーシング(90)は、後述の導入口(94)が形成されている。メンブレンフィルタ(54)は、導入口(94)に装着される。
酸素センサ(51)は、ジルコニア式センサで構成される。二酸化炭素センサ(52)は、非分散型赤外線方式(NDIR:non dispersive infrared)のセンサで構成される。排気管(57)の一端は、センサケーシング(90)に連結される。排気管(57)の他端は、庫内ファン(26)の吸込側の空間の近傍で開口する。
庫内収納空間(S2)の2次空間(S22)と1次空間(S21)とは、連通路(58)を介して連通している。連通路(58)は、メンブレンフィルタ(54)、酸素センサ(51)、二酸化炭素センサ(52)、及び排気管(57)によって形成される。庫内ファン(26)の運転中には、1次空間(S21)の圧力が2次空間(S22)の圧力よりも低くなるので、この圧力差により、酸素センサ(51)と二酸化炭素センサ(52)とを含む連通路(58)において、2次空間(S22)側から1次空間(S21)側へ庫内空気が流れる。庫内ファン(26)の運転中は、庫内空気が酸素センサ(51)と二酸化炭素センサ(52)とを順に通過する。このように、庫内空気が酸素センサ(51)を通過することで、酸素センサ(51)において庫内空気の酸素濃度が測定される。庫内空気が二酸化炭素センサ(52)を通過することで、二酸化炭素センサ(52)において庫内空気の二酸化炭素濃度が測定される。
空気回路(3)には、センサ回路(80)が設けられている。センサ回路(80)は、第1,第2吸着筒(34,35)で生成した窒素濃縮空気の濃度を酸素センサ(本開示のセンサ)(51)で測定する後述の給気測定動作を行うための回路である。センサ回路(80)は、分岐管(81)と分岐開閉弁(82)とを備える。センサ回路(80)は、供給通路(44)を流れる空気の一部を分岐させて酸素センサ(51)及び二酸化炭素センサ(52)に導く。
分岐管(81)は、一端が供給通路(44)に接続され、他端がセンサケーシング(90)に連結される。分岐管(81)は、ユニットケース(36)内において供給通路(44)から分岐して庫内空間に連通している。分岐管(81)の他端部(庫内部分)には、逆止弁(64)が設けられている。逆止弁(64)は、一端から他端へ向かう空気の流れを許容し、空気の逆流を防止する。
分岐開閉弁(82)は、ユニットケース(36)の内部に設けられている。分岐開閉弁(82)は、開状態と閉状態とに切り換わる電磁弁で構成される。
分岐開閉弁(82)の開状態は、分岐管(81)の空気の流通を許容する。分岐開閉弁(82)の閉状態は、分岐管(81)の空気の流通を遮断する。分岐開閉弁(82)の開閉動作は、制御部(55)によって制御される。
庫内ファン(26)の運転停止中に給気測定動作を行うとき、ガス供給ユニット(30)で生成された窒素濃縮空気が、分岐管(81)を介して酸素センサ(51)に導かれる。これにより、酸素センサ(51)において窒素濃縮空気の酸素濃度が測定される。
酸素センサ(51)は、所定のタイミングで外気を導入して校正が行われる。酸素センサ(51)の校正中には、後述するようにエアポンプ(31)で加圧された外気が第1,第2吸着筒(34,35)をバイパスして分岐管(81)を通り、酸素センサ(51)に導入される。
空気回路(3)は、第1通路(75)と第2通路(76)とを有する。第1通路(75)は、エアポンプ(31)により外気を第1,第2吸着筒(34,35)に導入する。第1通路(75)は、外気通路(41)及び加圧通路(42)で構成される。第2通路(76)は、エアポンプ(31)と第1,第2吸着筒(34,35)の間で第1通路(75)から分岐してセンサケーシング(90)に連通する。第2通路(76)は、バイパス通路(47)及び分岐管(81)で構成される。
第2通路(76)には、気液分離器(85)が設けられている。気液分離器(85)は、酸素センサ(51)に導入される空気の水分を除去する。気液分離器(85)には、空気から分離された水分を排出するドレン管(77)が接続されている。
〈センサケーシング〉
センサケーシング(90)の配置と構造について説明する。なお、センサケーシング(90)の構造の説明における「上」「下」「右」「左」「前」「後」は、それぞれ輸送用冷凍装置(10)を背面から見たときの方向を意味する。
図2及び図8に示すように、センサケーシング(90)は、輸送用冷凍装置(10)のケーシング(12)に固定されている。センサケーシング(90)は、庫内に配置されている。
(ボックス本体、カバー、ブラケット)
図9に示すように、センサケーシング(90)は、ボックス本体(91)と、カバー(92)と、2つのブラケット(93)とを有する。
ボックス本体(91)は、前側の一面が開放された箱状に形成されている。ボックス本体(91)は、高さ方向(上下方向)の長さが幅方向(左右方向)の長さよりも長く、幅方向の長さが奥行方向(前後方向)の長さよりも長い直方体である。
カバー(92)は、ボックス本体(91)の開口を塞ぐように取り付けられている。カバー(92)は、矩形状に形成されている。カバー(92)の前側面には、気液分離器(85)が固定されている。
各ブラケット(93)は、ボックス本体(91)の上下にそれぞれ固定されている。センサケーシング(90)は、2つのブラケット(93)を介して、ケーシング(12)の庫内壁(12b)に固定される。
(センサ)
酸素センサ(51)と二酸化炭素センサ(52)は、センサケーシング(90)内に収容されている。酸素センサ(51)は、センサケーシング(90)内の上部に配置されている。二酸化炭素センサ(52)は、センサケーシング(90)内における酸素センサ(51)と概ね同じ高さに配置されている。
(ヒータ)
センサユニット(50)は、ヒータ(h)を有する。ヒータ(h)は、本開示の加熱部(H)に対応する。図9に示すように、ヒータ(h)は、センサケーシング(90)内に収容される。ヒータ(h)は、センサケーシング(90)の下部に配置される。本実施形態においてヒータ(h)は、1つ設けられている。なお、ここで示すヒータ(h)の数は、単なる一例である。ヒータ(h)の数量は、2つ以上であってもよい。
ヒータ(h)は、棒状に形成されている。ヒータ(h)は、ボックス本体(91)の底面(91a)の幅方向(左右方向)に沿って配置される。ヒータ(h)は、酸素センサ(51)及び二酸化炭素センサ(52)よりも低い位置にある。ヒータ(h)は、センサケーシング(90)を上から見て、酸素センサ(51)と重なるように配置されている。
ヒータ(h)が作動すると、ヒータ(h)は発熱する。言い換えると、ヒータ(h)がオフからオンに切り替わると、ヒータ(h)に電流が流れ、ヒータ(h)が発熱する。ヒータ(h)が発熱すると、センサケーシング(90)内の空気が加熱される。
(断熱材)
センサケーシング(90)には、断熱材(I)が設けられている。具体的には、断熱材(I)は、ボックス本体(91)の底面(91a)における上端面とヒータ(h)との間に設けられている。断熱材(I)は、矩形板状に形成されている。断熱材(I)は、ボックス本体(91)の底面における上端面を覆うように配置されている。断熱材(I)は、ボックス本体(91)の底面(91a)以外の面及びカバー(92)に配置されてもよい。ボックス本体(91)に断熱材(I)を設けることによって、ヒータ(h)の熱がコンテナ本体(2)の庫内へ熱が伝わりにくくなる。
(導入口、導出口)
センサケーシング(90)には、導入口(94)と、導出口(95)とが形成されている。導入口(94)は、センサケーシング(90)内へ空気を導入するための開口である。導出口(95)は、センサケーシング(90)内の空気を外部へ導出するための開口である。
導入口(94)は、第1導入口(94a)と、第2導入口(94b)とを含む。第1導入口(94a)は、庫内の空気をセンサケーシング(90)内へ導入する開口である。第2導入口(94b)は、外気(庫外の空気)をセンサケーシング(90)内へ導入する開口である。図9に示すように、第1導入口(94a)は、センサケーシング(90)の後側面における中央に設けられている。
第1導入口(94a)は、庫内収納空間(S2)に開放されている。第2導入口(94b)は、センサケーシング(90)における右側面の中央に設けられている。第2導入口(94b)は、分岐管(81)(第2通路(76))が接続される。第1導入口(94a)及び第2導入口(94b)には、それぞれ、空気を通すメンブレンフィルタが装着される。メンブレンフィルタ(54)は、六角形状の締結部材の通気孔に設けられる。
第1導入口(94a)及び第2導入口(94b)は、いずれも酸素センサ(51)及び二酸化炭素センサ(52)の下方に配置されている。第1導入口(94a)及び第2導入口(94b)は、いずれもヒータ(h)の上方に配置されている。言い換えると、ヒータ(h)は、第1導入口(94a)及び第2導入口(94b)よりも低い位置にある。
導出口(95)は、センサケーシング(90)における左側面の上部に設けられている。導出口(95)には、排気管(57)が接続される。本実施形態の導出口(95)は、センサケーシング(90)内の空気を庫内へ導出するための開口である。
(気液分離器)
図8に示すように、センサケーシング(90)には、ブラケット(図示省略)を用いて気液分離器(85)が固定されている。気液分離器(85)は、筒状の容器である。気液分離器(85)には、第2通路(76)の一部である分岐管(81)が接続されている。気液分離器(85)には、ドレン管(77)が接続されている。ドレン管(77)は、輸送用冷凍装置(10)のドレンパン(28)に水分を排出するように、気液分離器(85)から下方へ延びている。ドレンパン(28)は、輸送用冷凍装置(10)で発生するドレン水を受けるためにケーシング(12)に設けられている。センサケーシング(90)に接続された排気管(57)は、庫内ファン(26)の吸込側の空間に開口している。
〈制御部〉
制御部(55)は、コンテナ本体(2)の庫内空気の酸素濃度及び二酸化炭素濃度を所望の濃度にする濃度調整運転の制御を実行する。具体的には、制御部(55)は、酸素センサ(51)及び二酸化炭素センサ(52)の測定結果に基づいて、コンテナ本体(2)の庫内空気の組成(酸素濃度及び二酸化炭素濃度)が所望の組成(例えば、酸素濃度5%、二酸化炭素濃度5%)になるように、ガス供給ユニット(30)、排気部(46)及びセンサユニット(50)の動作を制御する。
制御部(55)は、ヒータ(h)を制御する。具体的には、制御部(55)は、酸素センサ(51)の非通電中(測定モニタリングの停止中)に、ヒータ(h)を作動させる。言い換えると、酸素センサ(51)の非通電中にヒータ(h)は作動状態である。本実施形態では、制御部(55)は、酸素センサ(51)を通電状態から非通電状態に切り替える切替動作に連動して、ヒータ(h)を作動させる。切替動作は、本開示の第1動作に対応する。
制御部(55)は、例えば、CA装置(60)の各要素を制御するマイクロコンピュータと、実施可能な制御プログラムが記憶されたメモリやディスク等の記憶媒体とを含む。制御部(55)の詳細な構造やアルゴリズムは、どのようなハードウェアとソフトウェアとの組み合わせであってもよい。
図10に示すように、制御部(55)は、第1通信線を含む。制御部(55)及びユニット制御部(100)は、第1通信線を介して信号の授受を行う。第1通信線は、有線である。第1通信線は、無線であってもよい。制御部(55)は、各弁と、エアポンプ(31)と、酸素センサ(51)と、二酸化炭素センサ(52)と、ヒータ(h)とを接続する複数の第2通信線を含む。
制御部(55)は、ユニット制御部(100)の指令、及び各センサの検出値が入力される入力部を有する。制御部(55)は、各弁、エアポンプ(31)、ヒータ(h)、及びユニット制御部(100)に制御信号を出力する出力部を有する。
-運転動作-
〈冷媒回路の運転動作〉
本実施形態では、図3に示すユニット制御部(100)によって、コンテナ本体(2)の庫内空気を冷却する冷却運転が実行される。
冷却運転では、ユニット制御部(100)により、圧縮機(21)、膨張弁(23)、庫外ファン(25)及び庫内ファン(26)の動作が、図示しない温度センサの測定結果に基づいて庫内空気の温度が所望の目標温度になるように制御される。冷媒回路(20)では、冷媒が循環して蒸気圧縮式冷凍サイクルが行われる。庫内ファン(26)によって庫内収納空間(S2)へ導かれたコンテナ本体(2)の庫内空気は、蒸発器(24)を通過する際に該蒸発器(24)の内部を流れる冷媒によって冷却される。蒸発器(24)で冷却された庫内空気は、床下流路(19a)を通って吹出口(18b)から再びコンテナ本体(2)の庫内へ吹き出される。これにより、コンテナ本体(2)の庫内空気が冷却される。
〈ガス供給ユニットの動作〉
(ガス生成動作)
ガス供給ユニット(30)では、第1吸着筒(34)が加圧されると同時に第2吸着筒(35)が減圧される第1動作(図4を参照)と、第1吸着筒(34)が減圧されると同時に第2吸着筒(35)が加圧される第2動作(図5を参照)とが、所定の時間で交互に繰り返され、窒素濃縮空気と酸素濃縮空気とが生成される。各動作の切り換えは、制御部(55)が第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)を操作することによって行われる。
《第1動作》
第1動作では、制御部(55)によって、第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)が共に、図4に示す第1状態に切り換えられる。これにより、空気回路(3)は、第1吸着筒(34)が第1ポンプ機構(31a)の吐出口に連通して第2ポンプ機構(31b)の吸込口から遮断され、且つ第2吸着筒(35)が第2ポンプ機構(31b)の吸込口に連通して第1ポンプ機構(31a)の吐出口から遮断された第1接続状態となる。この第1接続状態では、第1ポンプ機構(31a)によって加圧された外気が第1吸着筒(34)に供給される一方、第2ポンプ機構(31b)が、第2吸着筒(35)から窒素濃度が外気よりも高く酸素濃度が外気よりも低い窒素濃縮空気を吸引する。
具体的には、第1ポンプ機構(31a)は、外気通路(41)を介して外気を吸い込んで加圧し、加圧した外気(加圧空気)を加圧通路(42)に吐出する。加圧通路(42)に吐出された加圧空気は、加圧通路(42)を流れる。そして、加圧空気が加圧通路(42)を介して第1吸着筒(34)へ供給される。
このようにして、第1吸着筒(34)には、加圧空気が流入し、該加圧空気に含まれる窒素成分が吸着剤に吸着される。第1動作中に、第1吸着筒(34)では、第1ポンプ機構(31a)から加圧された外気が供給されて該外気中の窒素成分が吸着剤に吸着されることにより、窒素濃度が外気よりも低く酸素濃度が外気よりも高い酸素濃縮空気が生成される。酸素濃縮空気は、第1吸着筒(34)から酸素排出通路(45)に流出する。
第2ポンプ機構(31b)は、第2吸着筒(35)から空気を吸引する。その際、第2吸着筒(35)の吸着剤に吸着された窒素成分が、空気と共に第2ポンプ機構(31b)に吸引されて吸着剤から脱着する。このように、第1動作中に、第2吸着筒(35)では、第2ポンプ機構(31b)によって内部の空気が吸引されて、吸着剤に吸着された窒素成分が脱着する。このことにより、吸着剤から脱着した窒素成分を含み、窒素濃度が外気よりも高く酸素濃度が外気よりも低い窒素濃縮空気が生成される。窒素濃縮空気は、第2ポンプ機構(31b)に吸い込まれ、加圧された後、供給通路(44)に吐出される。
《第2動作》
第2動作では、制御部(55)によって、第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)が共に、図5に示す第2状態に切り換えられる。これにより、空気回路(3)は、第1吸着筒(34)が第2ポンプ機構(31b)の吸込口に連通して第1ポンプ機構(31a)の吐出口から遮断され、且つ第2吸着筒(35)が第1ポンプ機構(31a)の吐出口に連通して第2ポンプ機構(31b)の吸込口から遮断された第2接続状態となる。この第2接続状態では、第1ポンプ機構(31a)によって加圧された外気が第2吸着筒(35)に供給される一方、第2ポンプ機構(31b)が、第1吸着筒(34)から窒素濃縮空気を吸引する。
具体的には、第1ポンプ機構(31a)は、外気通路(41)を介して外気を吸い込んで加圧し、加圧した外気(加圧空気)を加圧通路(42)に吐出する。加圧通路(42)に吐出された加圧空気は、加圧通路(42)を流れる。そして、第1動作と同様に、加圧空気が加圧通路(42)を介して第2吸着筒(35)へ供給される。
このようにして、第2吸着筒(35)には、加圧空気が流入し、該加圧空気に含まれる窒素成分が吸着剤に吸着される。第2動作中に、第2吸着筒(35)では、第1ポンプ機構(31a)から加圧された外気が供給されて該外気中の窒素成分が吸着剤に吸着されることにより、窒素濃度が外気よりも低く酸素濃度が外気よりも高い酸素濃縮空気が生成される。酸素濃縮空気は、第2吸着筒(35)から酸素排出通路(45)に流出する。
第2ポンプ機構(31b)は、第1吸着筒(34)から空気を吸引する。その際、第1吸着筒(34)の吸着剤に吸着された窒素成分が、空気と共に第2ポンプ機構(31b)に吸引されて吸着剤から脱着する。このように、第2動作中に、第1吸着筒(34)では、第2ポンプ機構(31b)によって内部の空気が吸引されて、吸着剤に吸着された窒素成分が脱着する。このことにより、吸着剤から脱着した窒素成分を含み、窒素濃度が外気よりも高く酸素濃度が外気よりも低い窒素濃縮空気が生成される。窒素濃縮空気は、第2ポンプ機構(31b)に吸い込まれ、加圧された後、供給通路(44)に吐出される。
(ガス供給動作/ガス排出動作)
ガス供給ユニット(30)では、給排切換機構(70)によって、空気回路(3)において生成した窒素濃縮空気をコンテナ本体(2)の庫内に供給するガス供給動作と、脱着動作の開始時点から所定時間の間、生成した窒素濃縮空気をコンテナ本体(2)の庫内へ供給せずに排気するガス排出動作とが切り換えられる。
図4,図5に示すように、ガス供給動作では、制御部(55)によって、排気用開閉弁(72)が閉状態に制御され、供給用開閉弁(73)が開状態に制御される。これにより、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)において交互に生成された窒素濃縮空気が供給通路(44)を通ってコンテナ本体(2)の庫内へ供給され、酸素濃縮空気は酸素排出通路(45)を通って庫外へ排出される。
図示を省略するが、ガス排出動作では、制御部(55)によって、排気用開閉弁(72)が開状態に制御され、供給用開閉弁(73)が閉状態に制御される。これにより、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)において交互に生成されて供給通路(44)に吐出された窒素濃縮空気は、排気用接続通路(71)から酸素排出通路(45)に流入し、酸素排出通路(45)を流れる酸素濃縮空気と共に庫外へ排出される。
(外気導入動作)
本実施形態では、外気をコンテナ本体(2)の庫内へ導入する外気導入動作も可能である。図6に示す外気導入動作では、第1方向制御弁(32)が第1状態に設定され、第2方向制御弁(33)が第2状態に設定され、バイパス開閉弁(48)が開かれる。供給用開閉弁(73)は開かれ、分岐開閉弁(82)は閉じられる。この状態でエアポンプ(31)を起動すると、外気が、外気通路(41)と加圧通路(42)の一部とバイパス通路(47)と供給通路(44)の一部とにより構成された、太い実線で示した外気導入通路(40)を流れる。外気導入通路(40)の通路抵抗が、方向制御弁(32,33)及び吸着筒(34,35)を通る流路の通路抵抗よりも小さいためである。そして、外気導入通路(40)を流れる外気と組成の同じ空気がコンテナ本体(2)の庫内へ押し込まれる。
〈CA装置の濃度調整運転〉
本実施形態では、CA装置(60)は、制御部(55)によって、コンテナ本体(2)の庫内空気の組成(酸素濃度及び二酸化炭素濃度)を所望の組成(例えば、酸素濃度5%、二酸化炭素濃度5%)に調整する濃度調整運転を行う。濃度調整運転では、酸素センサ(51)及び二酸化炭素センサ(52)の測定結果に基づいて、コンテナ本体(2)の庫内空気の組成が所望の組成となるように、ガス供給ユニット(30)及び排気部(46)の動作が制御される。
濃度調整運転中は、制御部(55)は、分岐開閉弁(82)を閉状態に制御する。また、濃度調整運転中、制御部(55)は、ユニット制御部(100)と通信し、該ユニット制御部(100)によって庫内ファン(26)を回転させる。これにより、酸素センサ(51)及び二酸化炭素センサ(52)には、庫内ファン(26)によって庫内空気が供給され、庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度とが測定される。言い換えると、濃度調整運転中では、酸素センサ(51)及び二酸化炭素センサ(52)は、庫内空気の酸素濃度及び二酸化炭素濃度をモニタリングしている。
濃度調整運転中、第1動作及び第2動作を交互に繰り返してガス供給動作を行い、庫内の酸素濃度を調整する。このとき、排気部(46)の排気弁(46b)を開状態に制御して、ガス供給動作によって窒素濃縮空気をコンテナ本体(2)の庫内に供給した分だけ庫内空気を庫外へ排出する。庫内空気の酸素濃度が所定値(例えば8%ま)で低下すると、制御部(55)は、ガス供給ユニット(30)の運転を停止してガス供給動作を停止すると共に、排気弁(46b)を閉じて排気動作を停止する。コンテナ本体(2)の庫内では、植物(15)が呼吸を行うため、コンテナ本体(2)の庫内空気の酸素濃度が減少し、やがて目標酸素濃度の5%に至る。
庫内空気の酸素濃度を上昇させる運転は、バイパス開閉弁(48)を開いて、エアポンプ(31)に吸引した外気を、第1及び第2吸着筒(34,35)をバイパスさせてコンテナ本体(2)の庫内に供給する外気導入動作で行うことができる。このとき、外気は冷却部(40a)を通るので、庫内空気の温度上昇が抑えられる。
また、詳細は省略するが、庫内空気の酸素濃度(及び二酸化炭素濃度)の調整は、ガス供給動作、ガス排出動作、及び外気導入動作を適宜切り換えて行うこともできる。
(給気測定動作)
本実施形態では、ユーザからの指令により又は定期的(例えば、10日毎)に、ガス供給ユニット(30)において生成された窒素濃縮空気の酸素濃度を測定する給気測定動作を行える。給気測定動作は、上述の濃度調整運転や試運転等のガス供給動作中に庫内ファン(26)が停止した際に並行して行われる。
制御部(55)は、ガス供給動作中に、分岐開閉弁(82)を開状態に制御すると共に供給用開閉弁(73)を閉状態に制御する。これにより、供給通路(44)を流れる窒素濃縮空気の全てが分岐管(81)に流入する。分岐管(81)に流入した窒素濃縮空気は、酸素センサ(51)に導入され、酸素濃度が測定される。言い換えると、給気測定動作では、酸素センサ(51)は、窒素濃縮空気の酸素濃度をモニタリングしている。
このように、ガス供給ユニット(30)において生成された窒素濃縮空気の酸素濃度を測定することにより、ガス供給ユニット(30)において生成された窒素濃縮空気の組成(酸素濃度、窒素濃度)が所望の状態であるかを確認することができる。
(センサ校正動作)
本実施形態では、センサユニット(50)に外気を導入しながら酸素センサ(51)を校正する図7のセンサ校正動作を行うことができる。センサ校正動作は、例えば庫内を冷却しながら濃度調整を一旦停止して短時間(10分程度)で行い、その後に濃度調整運転に戻すことができる。
センサ校正動作では、第1方向制御弁(32)が第1状態に設定され、第2方向制御弁(33)が第2状態に設定され、バイパス開閉弁(48)が開かれる。供給用開閉弁(73)は閉じられ、分岐開閉弁(82)は開かれる。この状態でエアポンプ(31)を起動すると、外気が、第1通路(75)と第2通路(76)を流れ、センサユニット(50)に導入される。酸素センサ(51)は、検出値が外気の酸素濃度を示すように校正される。センサ校正動作では、酸素センサ(51)は、外気の酸素濃度をモニタリングする。
センサ校正動作中に、外気は気液分離器(85)を通過する。そのため、酸素センサ(51)には、水分の少なくとも一部が除去された外気が接触する。
-センサの劣化-
次に、酸素センサ(51)の劣化について説明する。
(酸素センサの構造)
本実施形態の酸素センサ(51)は、ジルコニア式のセンサである。酸素センサ(51)の素子は、白金及びジルコニアで構成される。酸素センサ(51)は、白金及びジルコニアの固体電解質中を移動する酸素イオンの量を電気的に測定することで酸素濃度を測定する。
酸素センサ(51)の白金及びジルコニアには、それぞれに接合補助剤として微量の金属酸化物が添加されている。白金とジルコニアとの界面で接合補助剤同士が結合することで、白金及びジルコニアが接合されている。
(酸素センサの劣化の課題)
コンテナ本体(2)の庫内空間に収容された包装容器又は包装容器に梱包された生鮮物などから腐食成分が発生することがある。ここで、腐食成分とは、酸素センサ(51)を腐食させる成分のことである。この腐食成分は、庫内の空気とともに、輸送用コンテナ(1)内を循環する。
本実施形態の酸素センサ(51)が通電状態の場合、酸素センサ(51)は発熱し高温になる。一方、酸素センサ(51)が通電状態から非通電状態に切り替わると、酸素センサ(51)は発熱しなくなるので、その温度が下がる。酸素センサ(51)の温度が下がると、センサケーシング(90)内の空気の温度が低下し、センサケーシング(90)内の空気の相対湿度が上昇する。センサケーシング(90)内の空気の相対湿度が上昇すると、空気中の水分が結露して、酸素センサ(51)の表面に水膜が形成される。
庫内の空気とともにセンサケーシング(90)に流入した腐食成分が酸素センサ(51)の表面の水膜中に侵入すると、水膜内で腐食成分と酸素センサ(51)の接合補助剤とが反応する。腐食成分と酸素センサ(51)の接合補助剤とが反応すると、接合補助剤の結合力が弱まり、白金とジルコニアの接合力が低下して、酸素センサ(51)の出力が低下する。その結果、酸素センサ(51)が劣化してしまう。
ここで、腐食成分は、硫黄成分を含む。水膜中に侵入しやすい腐食成分としては、硫化水素や硫酸イオンが挙げられる。硫化水素及び硫酸イオンは、包装容器である段ボールから発生する。この硫酸イオンは、水膜に溶け込むと、酸素センサ(51)の接合補助剤の結合力を弱める。
-ヒータの制御-
次に、ヒータ(h)の制御について、図11を参照しながら説明する。
制御部(55)は、CA装置(60)が運転され、酸素センサ(51)が通電状態(濃度をモニタリング中の状態)において、以下の制御を行う。なお、酸素センサ(51)が通電状態の場合、酸素センサ(51)は高温(例えば、約50℃)になっている。
ステップST1において、制御部(55)は、酸素センサ(51)のモニタリングの停止指令を受けたかを判定する。制御部(55)がモニタリングの停止指令を受けた場合、制御部(55)は、ステップST2の処理を行う。一方、制御部(55)がモニタリングの停止指令を受けていない場合、制御部(55)は、再びステップST1の処理を行う。
ここで、酸素センサ(51)のモニタリングは、例えば、CA装置(60)において濃度調整運転の終了した場合、給気測定動作の終了した場合、及びセンサ校正動作の終了した場合に停止する。
ステップST2において、制御部(55)は、加熱動作を行う。具体的には、制御部(55)は、ヒータ(h)をオンする。
次に、制御部(55)は、ステップST3の処理を行う。ステップST3において、制御部(55)は、所定時間が経過したかを判定する。所定時間が経過していれば、制御部(55)はステップST4の処理を行う。一方、所定時間が経過していなければ、制御部(55)は、再びステップST3の処理を行う。このように、ステップST3において、所定時間が経過したかを判定することで、所定時間の間にセンサケーシング(90)内の空気をヒータ(h)によって温めることができる。
ステップST4において、制御部(55)は、酸素センサ(51)を通電状態から非通電状態に切り替える切替動作を行う。酸素センサ(51)が非通電状態になると、酸素濃度のモニタリングが停止し、酸素センサ(51)の温度が低下する。
このように、センサケーシング(90)内の空気が温められた後に、酸素センサ(51)が非通電状態に切り替わるので、酸素センサ(51)の温度が下がっても酸素センサ(51)周辺の空気の温度が下がりにくく、センサケーシング(90)内の空気の相対湿度の上昇を抑制できる。
また、ステップST1における酸素センサ(51)のモニタリングの停止指令の判定は、輸送用冷凍装置(10)のユニット制御部(100)から送られる信号に基づいて行われてもよい。具体的には、輸送用冷凍装置(10)の運転モードが第1運転モード又は停止モードであることがユニット制御部(100)から制御部(55)へ送信された場合、制御部(55)は、酸素センサ(51)のモニタリングの停止指令を受けたと判断する。第1運転モードは、本開示の第1モードに対応する。停止モードは、本開示の第2モードに対応する。
第1運転モードは、庫内の空気の温度を調節し且つ調整部(34,35)で調整した空気を庫内へ供給しないモードである。停止モードは、庫内の空気の温度を調節せず且つ調整部(34,35)で調整した空気を庫内へ供給しないモードである。言い換えると、輸送用冷凍装置(10)の運転モードにおいて、庫内の空気の温度を調節するか否かにかかわらず、CA装置(60)が組成を調整した空気を庫内へ供給しないモードである場合に、制御部(55)は酸素センサ(51)のモニタリングの停止指令を受けたと判断する。
本実施形態では、制御部(55)が、ヒータ(h)を作動させた後に、酸素センサ(51)を通電状態から非通電状態に切り替えるので、酸素センサ(51)が非通電状態になることで酸素センサ(51)の温度が下がっても、センサケーシング(90)内の空気は温められている。このため、センサケーシング(90)内の相対湿度の上昇が抑えられ、酸素センサ(51)の結露が抑制される。その結果、腐食成分と酸素センサ(51)の反応が抑制され、酸素センサ(51)の劣化を抑制できる。
-センサケーシング内の空気の流れ-
通常の運転時は、庫内空気がセンサケーシング(90)の第1導入口(94a)からセンサケーシング(90)内へ流入する。第1導入口(94a)から流入した庫内空気は、センサケーシング(90)内を満たしつつ導出口(95)へ向かう。本実施形態では、センサケーシング(90)において、ヒータ(h)は、第1導入口(94a)より低い位置にある。これにより、庫内から第1導入口(94a)を介してセンサケーシング(90)内に導入された空気は、ヒータ(h)によって温められやすくなる。また、本実施形態では、ヒータ(h)は、センサケーシング(90)の下部に配置される。センサケーシング(90)の内部では、ヒータ(h)の熱が対流によって上昇する。これにより、センサケーシング(90)内の空気が全体的に温められる。
給気測定動作時やセンサ校正動作時は、庫外の空気がセンサケーシング(90)の第2導入口(94b)からセンサケーシング(90)内へ流入する。この空気は、給気測定動作時は、吸着筒(34,35)で組成が調整された空気であり、センサ校正動作時は、吸着筒(34,35)をバイパスした外気である。これらの空気は、センサケーシング(90)内を満たしつつ導出口(95)へ向かう。本実施形態では、センサケーシング(90)において、ヒータ(h)は、第2導入口(94b)より低い位置にある。第2導入口(94b)からセンサケーシング(90)内に空気が流入する場合も、第1導入口(94a)から流入する場合と同様に、第2導入口(94b)から流入した空気は、ヒータ(h)によって温められやすくなる。
ここで、通常の運転時には、冷却された庫内の空気が酸素センサ(51)に供給されるため、センサケーシング(90)内の空気の温度は、庫内の温度に応じて低下している。特に、本実施形態では、センサケーシング(90)は庫内に配置されているので、庫内の温度の影響を受けて、センサケーシング(90)内の空気の温度は低下している。給気測定動作時やセンサ校正動作時においては、上記のように内部の空気の温度が低下した状態のセンサケーシング(90)に、水分を含む庫外の空気が供給されることがある。このような場合、センサケーシング(90)内の空気の相対湿度が上昇しやすい。本実施形態では、センサケーシング()内にヒータ()が収容されているので、ヒータ(h)によって加熱された庫外の空気を酸素センサ(51)に供給できる。これにより、腐食成分による酸素センサ(51)の劣化を抑制できる。
-実施形態1の特徴-
本実施形態の特徴(1)は、空気組成調整装置(60)が、センサケーシング(90)内に収容されるヒータ(h)を備えていることである。
本実施形態の特徴(1)によれば、センサケーシング(90)内に供給された庫内の空気がヒータ(h)によって温められる。これにより、センサケーシング(90)内の相対湿度の上昇を抑制でき、腐食成分による酸素センサ(51)の劣化を抑制できる。
具体的には、センサケーシング(90)内の相対湿度の上昇を抑制することで、酸素センサ(51)の周囲の空気中の水分が結露することを抑制できる。この結果、酸素センサ(51)の表面に水膜が形成されにくくなる。これにより、水膜中での腐食成分と酸素センサ(51)との反応を抑制でき、腐食成分による酸素センサ(51)の劣化を抑制できる。
本実施形態の特徴(2)は、酸素センサ(51)の非通電中に、ヒータ(h)が作動状態である。
本実施形態の特徴(2)によれば、酸素センサ(51)が非通電中で発熱していない場合に、ヒータ(h)が作動状態であるので、ヒータ(h)によってセンサケーシング(90)内の空気が温められる。これにより、センサケーシング(90)内の相対湿度の上昇を抑制でき、腐食成分による酸素センサ(51)の劣化を抑制できる。
本実施形態の特徴(3)は、制御部(55)は、酸素センサ(51)を通電状態から非通電状態に切り替える切替動作に連動して、ヒータ(h)を作動させる。
本実施形態の特徴(3)によれば、制御部(55)が切替動作に連動してヒータ(h)を作動させるため、酸素センサ(51)の温度が低下するタイミングに合わせて、センサケーシング(90)内の空気を温められる。これにより、センサケーシング(90)内の相対湿度の上昇を抑制でき、腐食成分による酸素センサ(51)の劣化を抑制できる。
本実施形態の特徴(4)は、制御部(55)は、ヒータ(h)を作動させた後に、切替動作を実行する。
本実施形態の特徴(4)によれば、制御部(55)がヒータ(h)を作動させてセンサケーシング(90)内の空気を温めた後に、切替動作を実行する。切替動作が行われて、酸素センサ(51)の温度が低下しても、センサケーシング(90)内の空気が温められているので、センサケーシング(90)内の空気の温度の低下を抑制して、相対湿度の上昇を抑制できる。
本実施形態の特徴(5)は、センサケーシング(90)は庫内に配置され、センサケーシング(90)には断熱材(I)が設けられている。
本実施形態の特徴(5)によれば、センサケーシング(90)に断熱材(I)が設けられているので、ヒータ(h)の熱が庫内に伝わることを抑制できる。
本実施形態の特徴(6)は、センサケーシング(90)には、庫内の空気が導入される第1導入口(94a)が形成され、ヒータ(h)は、第1導入口(94a)より低い位置にある。
センサケーシング(90)の内部では、ヒータ(h)の熱が対流によって上昇する。本実施形態の特徴(6)では、ヒータ(h)が第1導入口(94a)より低い位置にあるため、庫内から第1導入口(94a)を介してセンサケーシング(90)内に導入された空気は、ヒータ(h)によって温められやすくなる。これにより、センサケーシング(90)内の温度の低下を抑制できる。
本実施形態の特徴(7)は、センサケーシング(90)には、外気が導入される第2導入口(94b)が形成されている。
本実施形態の特徴(7)によれば、外気が第2導入口(94b)を介してセンサケーシング(90)内に導入されても、外気に含まれる腐食成分による酸素センサ(51)の劣化を抑制できる。
本実施形態の特徴(8)は、庫内の空気の温度を調節し且つ調整部(34,35)で調整した空気を庫内へ供給しない第1運転モードと、庫内の空気の温度を調節せず且つ調整部(34,35)で調整した空気を庫内へ供給しない停止モードとにおいて、ヒータ(h)を作動させる制御部(55)を備えている。
本実施形態の特徴(8)によれば、第1運転モード及び停止モードにおいて、ヒータ(h)が作動することでセンサケーシング(90)内の空気が温められる。これにより、センサケーシング(90)内の相対湿度が下がり、酸素センサ(51)の劣化を抑制できる。
-実施形態1の変形例-
〈変形例1〉
本実施形態の空気組成調整装置(60)では、ヒータ(h)の制御において、制御部(55)は、酸素センサ(51)のモニタリングの停止指令を受けた後、酸素センサ(51)の切替動作を行うと同時に、ヒータ(h)をオンしてもよい。
このように制御すると、酸素センサ(51)の切替動作に伴って酸素センサ(51)の温度が低下し始めると同時に、ヒータ(h)がオンされてセンサケーシング(90)の空気が加熱され始める。これにより、センサケーシング(90)内の空気の相対湿度の上昇が抑制され、酸素センサ(51)の周囲の空気中の水分が結露することを抑制できる。その結果、腐食成分による酸素センサ(51)の劣化を抑制できる。
〈変形例2〉
本実施形態の空気組成調整装置(60)では、ヒータ(h)の制御において、制御部(55)は、酸素センサ(51)のモニタリングの停止指令を受けた後、酸素センサ(51)の切替動作を行い、その後にヒータ(h)をオンしてもよい。
このように制御すると、酸素センサ(51)の切替動作に伴って酸素センサ(51)の温度が低下しても、ヒータ(h)がオンされてセンサケーシング(90)の空気が加熱される。これにより、変形例1と同様に、センサケーシング(90)内の空気の相対湿度の上昇が抑制され、酸素センサ(51)の周囲の空気中の水分が結露することを抑制できる。その結果、腐食成分による酸素センサ(51)の劣化を抑制できる。
《実施形態2》
実施形態2について説明する。本実施形態の空気組成調整装置(60)は、実施形態1の空気組成調整装置(60)において、センサケーシング(90)の配置と構造を変更したものである。ここでは、本実施形態のセンサケーシング(90)の配置と構造について、実施形態1のセンサケーシング(90)と異なる点を説明する。
図12に示すように、センサケーシング(90)は、庫内空間ではなく、庫外空間に配置されている。具体的には、センサケーシング(90)は、庫外収納空間(S1)の第2空間(S12)における電装品ボックス(17)の左側に配置される。ここで、「左側」は、輸送用冷凍装置(10)を正面から見たときの方向を意味する。
図13に示すように、センサケーシング(90)は、給気管(78)を介してメンブレンフィルタ(54)と接続される。メンブレンフィルタ(54)は、庫内の2次空間(S22)に配置される。具体的には、センサケーシング(90)の第1導入口(94a)には、給気管(78)の一端が接続されている。給気管(78)の他端は、メンブレンフィルタ(54)を介して、庫内の2次空間(S22)に開口する。給気管(78)は、庫内空気をセンサケーシング(90)内部に導入している。
-実施形態2の特徴-
本実施形態の特徴は、センサケーシング(90)が庫外に配置されていることである。本実施形態の特徴によれば、ヒータ(h)を有するセンサケーシング(90)が庫外に配置されているため、庫内から離れているので、ヒータ(h)の熱が庫内に伝わることを抑制できる。
-実施形態2の変形例-
〈変形例1〉
本実施形態の空気組成調整装置(60)では、制御部(55)は、外気の温度に応じてヒータ(h)の加熱能力を調節してもよい。具体的には、空気組成調整装置(60)は、外気の温度を測定する温度センサを備える。制御部(55)は、ヒータ(h)の制御における加熱動作において、温度センサから取得される外気の温度に応じてヒータ(h)のオンとオフを切り替える。
(加熱動作)
図11のステップST2の加熱動作について、図14を参照しながら説明する。
制御部(55)が酸素センサ(51)のモニタリングの停止指令を受けると、ステップST11において、制御部(55)は、外気温度Tが第1値T1より低いかを判定する。外気温度が第1値よりも低い場合(T<T1)、制御部(55)は、ステップST12の処理を行う。一方、外気温度Tが第1値T1以上の場合(T≧T1)、制御部(55)は、再びステップST11の処理を行う。
ステップST12において、制御部(55)は、ヒータ(h)をオンする。
次に、制御部(55)は、ステップST13の処理を行う。ステップST13において、制御部(55)は、外気温度Tが第2値T2より高いかを判定する。なお、第2値T2は、第1値T1以上である(T1≦T2)。外気温度Tが第2値T2より高い場合(T>T2)、制御部(55)は、ステップST13の処理を行う。一方、外気温度Tが第2値T2以下の場合(T≦T2)、制御部(55)は、再びステップST13の処理を行う。
ステップST14において、制御部(55)は、ヒータ(h)をオフする。ヒータ(h)をオフした後、制御部(55)は、ステップST11を行う。
(変形例1の特徴)
本変形例の特徴は、センサケーシング(90)は庫外に配置され、制御部(55)は外気の温度に応じてヒータ(h)の加熱能力を調節する。
本変形例の特徴によれば、センサケーシング(90)は庫外に配置されるので、センサケーシング(90)内の空気は、外気の温度の影響を受けやすい。制御部(55)は、外気の温度に応じてヒータ(h)の加熱能力を調節するので、外気の温度を考慮してヒータ(h)の加熱能力を設定できる。
具体的には、外気の温度が高い場合、センサケーシング(90)内の空気の温度はあまり低下しない。このような場合には、酸素センサ(51)が通電状態から非通電状態に切り替わることで酸素センサ(51)の温度が低下しても、センサケーシング(90)内の温度が低下しにくく、酸素センサ(51)の周囲の空気中の水分が結露しにくい。このため、制御部(55)はヒータ(h)を作動させない。これにより、センサケーシング(90)内の空気を過剰に加熱することを抑制でき、CA装置(60)の消費電力を削減できる。
また、制御部(55)における外気温度は、温度センサの出力以外の方法で取得してもよい。例えば、制御部(55)は、気象データに基づいて推定された外気温度を取得してもよい。
〈変形例2〉
本実施形態の変形例1において、制御部(55)は、ヒータ(h)の加熱能力を段階的に調節するように制御してもよい。具体的には、制御部(55)は、外気の温度が高い場合には、ヒータ(h)の加熱能力を小さく設定し、外気の温度が低い場合には、ヒータ(h)の加熱能力を大きく設定する。言い換えると、制御部(55)は、センサケーシング(90)内の温度が所定温度になるようにヒータ(h)の加熱能力を調節する。
制御部(55)は、ヒータ(h)に電流を流す時間又は頻度を変更することで、ヒータ(h)の加熱能力を変更してもよい。また、制御部(55)は、ヒータ(h)に電流を流し続け、その電流の大きさを連続的に変更することでヒータ(h)の加熱能力を変更してもよい。
このようにすることで、外気の温度に応じてヒータ(h)の加熱能力を調節して、センサケーシング(90)内の空気を過剰に加熱することをより抑制できる。これにより、CA装置(60)の消費電力を削減できる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
-第1変形例-
上記各実施形態のセンサケーシング(90)における導出口(95)は、第1導出口(95a)と第2導出口(95b)とを含んでもよい。そして、上記各実施形態の空気組成調整装置(60)は、庫外排出通路(79)と、庫外排出用開閉弁(79a)と、開閉機構制御部(55a)とを備えててもよい。
具体的には、図15に示すように、第1導出口(95a)は、センサケーシング(90)内の空気を庫内へ導出するための開口であり、第2導出口(95b)は、センサケーシング(90)内の空気を庫外へ排出するための開口である。第1導出口(95a)は排気管(57)に接続される。
庫外排出通路(79)は、センサケーシング(90)の内部の空気を庫外へ排出する通路である。庫外排出通路(79)の一端は、庫外に開口する。庫外排出通路(79)の他端は、センサケーシング(90)の第2導出口(95b)に接続される。
庫外排出用開閉弁(79a)は、庫外排出通路(79)を開閉する。庫外排出用開閉弁(79a)は、本開示の開閉機構に対応する。庫外排出用開閉弁(79a)は、庫外排出通路(79)に設けられる。
開閉機構制御部(55a)は、庫外排出用開閉弁(79a)の開閉を制御する。空気組成調整装置(60)の制御部(55)は、開閉機構制御部(55a)を含む。開閉機構制御部(55a)は、ヒータ(h)が作動しているときに、庫外排出用開閉弁(79a)を開状態にする。これにより、センサケーシング(90)内部の温度の高い空気を、庫外へ排出することができる。
開閉機構(M)は、弁に限られない。例えば開閉機構(M)は、シャッタでもよく、ダンパでもよい。開閉機構(M)がシャッタの場合、シャッタは第2導出口(95b)に設けられる。開閉機構(M)がダンパの場合、ダンパは庫外排出通路(79)に設けられる。
-第2変形例-
上記各実施形態の空気組成調整装置(60)の加熱部は、ヒータ(h)に限られず、センサケーシング(90)内の空気を加熱できるものであればよい。例えば、輸送用冷凍装置(10)の冷媒回路(20)から放出される熱によって温められた空気をセンサケーシング(90)内へ導入してもよい。
-その他変形例-
前記実施形態では、腐食成分による劣化を抑える対象の酸素センサ(51)としてジルコニア式のセンサについて説明したが、対象のセンサはジルコニア式のセンサには限定されない。例えば、ガルバニ電池式のセンサでもよい。
前記実施形態では、腐食成分による劣化を抑える対象のセンサとして酸素センサ(51)について説明したが、対象のセンサは酸素センサ(51)には限定されない。対象のセンサは、庫内空気の成分の濃度を測定するセンサであればよい。例えば、酸素センサ(51)の代わりに、あるいは酸素センサ(51)に加えて、二酸化炭素センサ(52)を対象としてもよい。また、対象のセンサは、エチレン濃度を検知するエチレンセンサ、あるいは庫内への冷媒漏れを検知する漏洩検知センサでもよい。また、他のセンサが用いられる構成でそのセンサが腐食成分による劣化のおそれがある場合はそのセンサを対象としてもよい。
前記実施形態では、腐食成分として硫化水素及び硫酸イオンを例示したが、これ以外の硫黄成分、リン酸、リン酸イオン、カルシウム、又は塩素などを含む他の腐食成分に対しても各実施形態の加熱部(H)を設けることができる。
前記実施形態では、1つのエアポンプ(31)が第1ポンプ機構(31a)と第2ポンプ機構(31b)とを有する構成としていたが、第1ポンプ機構(31a)と第2ポンプ機構(31b)とは、2つの個別のエアポンプによって構成されていてもよい。
前記実施形態の搬送部は、送風機を用いて構成してもよい。
前記各実施形態では、第1吸着部及び第2吸着部として、それぞれ1本の吸着筒を用いて窒素の吸着及び脱着を行うようにしていたが、各吸着部を構成する吸着筒の本数は1本に限定されない。例えば、各吸着部を3本の吸着筒で構成し、合計6本の吸着筒を用いることとしてもよい。
前記実施形態の調整部(34,35)は、ゼオライトなどの吸着剤を用いる構成に限定されず、例えば窒素の透過率と酸素(及び二酸化炭素)の透過率が異なるガス分離膜を用いて窒素濃縮空気及び酸素濃縮空気を生成し、これらの濃縮空気により庫内空気の組成を調整する構成であってもよい。
また、前記各実施形態では、海上輸送用のコンテナ本体(2)に設けられる輸送用冷凍装置(10)に本発明に係るCA装置(60)を適用した例について説明したが、本発明に係るCA装置(60)の用途はこれに限られない。本発明に係るCA装置(60)は、海上輸送用のコンテナの他、例えば、陸上輸送用のコンテナ、単なる冷凍冷蔵倉庫、常温の倉庫等の庫内空気の組成の調整に用いることができる。冷凍装置は、輸送用でなく、定置型の貯蔵庫(冷凍冷蔵倉庫)の庫内空間を冷却する装置であってもよい。
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態、変形例、及びその他の実施形態は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
以上に述べた「第1」、「第2」、「第3」…という記載は、これらの記載が付与された語句を区別するために用いられており、その語句の数や順序までも限定するものではない。
以上説明したように、本開示は、空気組成調整装置、冷凍装置、及び輸送用コンテナについて有用である。
1 輸送用コンテナ
2 コンテナ本体
10 輸送用冷凍装置(冷凍装置)
31 エアポンプ(搬送部)
34 第1吸着筒(調整部)
35 第2吸着筒(調整部)
51 酸素センサ(センサ)
55 制御部
55a 開閉機構制御部
60 CA装置(空気組成調整装置)
79 庫外排出通路(通路)
90 センサケーシング
94a 第1導入口
94b 第2導入口
H 加熱部
I 断熱材
M 開閉機構

Claims (13)

  1. 空気の組成を調整する調整部(34,35)と、
    前記調整部(34,35)で調整した空気を庫内へ搬送する搬送部(31)と、
    庫内の空気中の成分の濃度を測定するセンサ(51)と、
    前記センサ(51)を収容するセンサケーシング(90)と、
    前記センサケーシング(90)内に収容される加熱部(H)とを備えている
    ことを特徴とする空気組成調整装置。
  2. 請求項1において、
    前記センサ(51)の非通電中に、前記加熱部(H)が作動状態である
    ことを特徴とする空気組成調整装置。
  3. 請求項2において、
    前記加熱部(H)を制御する制御部(55)を更に備え、
    前記制御部(55)は、前記センサ(51)を通電状態から非通電状態に切り替える第1動作に連動して、前記加熱部(H)を作動させる
    ことを特徴とする空気組成調整装置。
  4. 請求項3において、
    前記制御部(55)は、前記加熱部(H)を作動させた後に、前記第1動作を実行する
    ことを特徴とする空気組成調整装置。
  5. 請求項3又は4において、
    前記センサケーシング(90)は、庫外に配置され、
    前記制御部(55)は、外気の温度に応じて前記加熱部(H)の加熱能力を調節する
    ことを特徴とする空気組成調整装置。
  6. 請求項1~4のいずれか1つにおいて、
    前記センサケーシング(90)は、前記庫内に配置され、
    前記センサケーシング(90)には、断熱材(I)が設けられている
    ことを特徴とする空気組成調整装置。
  7. 請求項1~4のいずれか1つにおいて、
    前記センサケーシング(90)は、庫外に配置されている
    ことを特徴とする空気組成調整装置。
  8. 請求項1~7のいずれか1つにおいて、
    前記センサケーシング(90)には、前記庫内の空気が導入される第1導入口(94a)が形成され、
    前記加熱部(H)は、前記第1導入口(94a)より低い位置にある
    ことを特徴とする空気組成調整装置。
  9. 請求項1~8のいずれか1つにおいて、
    前記センサケーシング(90)には、外気が導入される第2導入口(94b)が形成されている
    ことを特徴とする空気組成調整装置。
  10. 請求項1~9のいずれか1つにおいて、
    前記センサケーシング(90)の内部の空気を庫外へ排出する通路(79)と、
    前記通路(79)を開閉する開閉機構(M)と、
    前記加熱部(H)が作動しているときに、前記開閉機構(M)を開状態とする開閉機構制御部(55a)とを備えている
    ことを特徴とする空気組成調整装置。
  11. 請求項1~10のいずれか1つに記載の空気組成調整装置(60)を備えている
    ことを特徴とする冷凍装置。
  12. 請求項11において、
    前記庫内の空気の温度を調節し且つ前記調整部(34,35)で調整した空気を前記庫内へ供給しない第1モードと、前記庫内の空気の温度を調節せず且つ前記調整部(34,35)で調整した空気を前記庫内へ供給しない第2モードとにおいて、前記加熱部(H)を作動させる制御部(55)を備えている
    ことを特徴とする冷凍装置。
  13. 請求項11又は12に記載の冷凍装置(10)と、コンテナ本体(2)とを備えている
    ことを特徴とする輸送用コンテナ。
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