JP7014959B2 - 庫内空気調節装置及びそれを備えたコンテナ用冷凍装置 - Google Patents

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本発明は、植物が収容される収納庫の庫内空気の組成を調節する庫内空気調節装置及びそれを備えたコンテナ用冷凍装置に関するものである。
従来、海上輸送等に用いられるコンテナの庫内空気を冷却するために、冷凍サイクルを行う冷媒回路を備えたコンテナ用冷凍装置が用いられている(例えば、特許文献1参照)。コンテナの庫内には、例えば、バナナやアボガド等の植物が積み込まれる。植物は、収穫後であっても空気中の酸素を取り込んで二酸化炭素を放出する呼吸を行う。植物が呼吸を行うと、植物に蓄えられた養分と水分とが減少し、鮮度が低下する。そのため、収容庫の庫内の酸素濃度は、呼吸障害が起きない程度に低い方が好ましい。
そこで、特許文献1のコンテナ用冷凍装置には、加圧すると空気中の窒素成分が吸着する吸着剤を用いて、空気よりも窒素濃度が高く酸素濃度が低い窒素濃縮空気を生成し、該窒素濃縮空気をコンテナの庫内に供給することにより、庫内空気の酸素濃度を低下させて植物の呼吸量を低減するガス供給装置が設けられている。特許文献1では、このようにガス供給装置によって窒素濃縮空気をコンテナの庫内に供給するガス供給動作を行うことにより、庫内空気の酸素濃度を低下させて植物の呼吸量を低減して植物の鮮度を維持しやすくしている。
特開2015-072103号公報
ところで、コンテナの庫内に積み込まれる植物の中には、レタスやバナナのように、庫内空気の酸素濃度を低く維持して呼吸量を減らすだけでなく、庫内空気の二酸化炭素濃度を低く維持することが鮮度を維持する上で重要となるものがある。
しかしながら、植物の積載量が多い場合や庫内空気の酸素濃度があまり低下していないガス供給動作の開始当初には、植物の呼吸量が多いため、庫内空気の二酸化炭素濃度の上昇速度が速い。庫内に窒素濃縮空気を供給すると、その分だけ庫内空気が庫外へ排出されるが、ガス供給動作によって二酸化炭素が庫外へ排出される量に対して、植物の呼吸によって二酸化炭素が庫内に放出される量の方が多い場合には、庫内空気の二酸化炭素濃度が徐々に増加することとなる。そのため、ガス供給動作を行って庫内空気の酸素濃度を目標酸素濃度まで低下させていく間に、植物の呼吸によって庫内空気の二酸化炭素濃度が所望の目標二酸化炭素濃度を超えることがあり、上述のように庫内空気の二酸化炭素濃度を低く維持することが好ましい植物が積み込まれた場合には、その植物の鮮度を低下させてしまうおそれがあった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、庫内空気調節装置及びそれを備えたコンテナ用冷凍装置において、ガス供給動作を行って庫内空気の酸素濃度を目標酸素濃度まで低下させる際に、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度を超えないように制御することにある。
第1の発明は、呼吸を行う植物(15)が収納される収納庫(11)の庫内に、窒素濃度が外気よりも高く酸素濃度が外気よりも低く二酸化炭素濃度が外気と同等の窒素濃縮空気を供給するガス供給動作と、外気を上記庫内に供給する外気導入動作とを切り換えて行うガス供給装置(30)と、上記収納庫(11)の庫内空気の組成が所望の組成になるように上記ガス供給装置(30)の動作を制御する制御部(55)とを備えた庫内空気調節装置であって、上記ガス供給装置(30)は、上記窒素濃縮空気の酸素濃度を複数段階に変更可能であり、上記庫内に供給するガスの酸素濃度が高い程、ガス供給量が増えるように構成され、上記制御部(55)は、上記ガス供給装置(30)に上記ガス供給動作を行わせて上記庫内空気の酸素濃度を目標酸素濃度まで低下させる際に、上記植物(15)の呼吸によって上記庫内空気の二酸化炭素濃度が外気の二酸化炭素濃度よりも高く目標二酸化炭素濃度未満の所定の第1高濃度まで上昇すると、上記ガス供給装置(30)が上記庫内に供給する上記窒素濃縮空気の酸素濃度を一段階上げる増量制御を行うように構成されている。
第1の発明では、制御部(55)が、窒素濃度が外気よりも高く酸素濃度が外気よりも低く二酸化炭素濃度が外気と同等の窒素濃縮空気を生成して植物(15)が収納される収納庫(11)の庫内に供給するガス供給動作と外気を庫内に供給する外気導入動作とを切り換えて行うガス供給装置(30)の動作を制御することにより、収納庫(11)の庫内空気の組成が所望の組成に調節される。
また、上記制御部(55)は、ガス供給装置(30)にガス供給動作を行わせて庫内空気の酸素濃度を目標酸素濃度まで低下させる際に、植物(15)の呼吸によって庫内空気の二酸化炭素濃度が外気の二酸化炭素濃度よりも高く目標二酸化炭素濃度未満の所定の第1高濃度まで上昇すると、ガス供給装置(30)が庫内に供給する窒素濃縮空気の酸素濃度を一段階上げる増量制御を行う。
ところで、庫内にガスが供給されると、その分だけ庫内空気が庫外へ押し出される。そのため、ガス供給動作を行うと、外気と同等で低い二酸化炭素濃度(0.03%)の窒素濃縮空気が庫内に供給され、その分、植物(15)の呼吸によって二酸化炭素濃度が外気よりも高くなった庫内空気が庫外へ排出されることとなる。つまり、ガス供給動作によって、庫内の二酸化炭素が庫外へ排出されることとなる。
また、ガス供給装置(30)は、ガス供給動作で庫内に供給する窒素濃縮空気の酸素濃度を複数段階に変更可能であり、庫内に供給するガスの酸素濃度が高い程、庫内へのガス供給量が増えるように構成されている。そのため、上記増量制御で、ガス供給装置(30)が庫内に供給する窒素濃縮空気の酸素濃度を一段階上げると、庫内に供給される窒素濃縮空気の供給量が増える。このように、増量制御によって窒素濃縮空気の供給量が増えると、庫内空気の排出量も増えるため、庫内からの二酸化炭素の排出量が増えることとなる。これにより、増量制御後のガス供給動作による二酸化炭素の排出量が、植物(15)の呼吸による二酸化炭素の増加量を上回ると、庫内空気の二酸化炭素濃度が上昇せずに低下することとなる。また、増量制御後のガス供給動作による二酸化炭素の排出量が、植物(15)の呼吸による二酸化炭素の増加量を下回っても、増量制御によって二酸化炭素の排出量が増えることにより、庫内空気の二酸化炭素濃度の上昇速度が低下し、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度に到達し難くなる。
第2の発明は、第1の発明において、上記制御部(55)は、上記増量制御の後、上記庫内空気の酸素濃度が上記目標酸素濃度まで低下する前に上記植物(15)の呼吸によって上記庫内空気の二酸化炭素濃度が上記目標二酸化炭素濃度まで上昇すると、上記ガス供給装置(30)に上記外気導入動作を行わせるように構成されている。
ところで、上記増量制御を行っても、植物(15)の呼吸量が多いために、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度まで低下する前に、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度まで上昇してしまう場合がある。庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度を超えると、収納庫(11)内の植物(15)が変色したり、鮮度が低下したりするおそれがある。
そこで、第2の発明では、増量制御の後、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度まで低下する前に植物(15)の呼吸によって庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度まで上昇すると、ガス供給装置(30)に外気導入動作を行わせて庫内に外気を導入することとしている。つまり、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度より高い場合には、庫内に酸素濃度が低い窒素濃縮空気を供給して庫内空気の酸素濃度を低下させたいところ、ガス供給装置(30)が庫内へ供給するガスとしてガス供給量が最も多い外気を選択して庫内から排出される庫内空気の排出量を最大にすることで、庫内空気の二酸化炭素濃度が速やかに低下するようにして庫内空気の二酸化炭素濃度がそれ以上上昇しないように抑制している。このように、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度まで上昇してしまった場合には、ガス供給装置(30)に外気導入動作を行わせることで、庫内空気の酸素濃度を低下させることよりも庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度を超えてしまわないようにすることを優先させている。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、上記制御部(55)は、上記増量制御の後、上記庫内空気の酸素濃度が上記目標酸素濃度まで低下する前に上記庫内空気の二酸化炭素濃度が下限値まで低下すると、上記ガス供給装置(30)に上記増量制御以前の上記ガス供給動作を行わせるように構成されている。
ところで、上記増量制御によって二酸化炭素の排出量が植物(15)の呼吸による二酸化炭素の増加量を上回るようになると、庫内空気の二酸化炭素濃度は徐々に低下する。そして、その二酸化炭素濃度の低下速度が速い場合、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度まで低下する前に、庫内空気の二酸化炭素濃度が下限値まで低下してしまう場合がある。庫内空気の二酸化炭素濃度が低くなりすぎると、収納庫(11)内の植物(15)が変色したり、鮮度が低下したりするおそれがある。
そこで、第3の発明では、増量制御の後、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度まで低下する前に庫内空気の二酸化炭素濃度が下限値まで低下すると、ガス供給装置(30)に増量制御以前のガス供給動作を行わせることとしている。つまり、ガス供給装置(30)によって庫内に供給されるガス供給量を、増量制御以前の比較的少ない供給量に戻すことにしている。これにより、庫内から排出される庫内空気の排出量が減り、庫内からの二酸化炭素の排出量が植物(15)の呼吸による二酸化炭素の増加量を下回る元の状態となる。つまり、庫内空気の二酸化炭素濃度が下限値を下回ることなく上昇することとなる。
第4の発明は、第1乃至第3のいずれか1つの発明において、上記制御部(55)は、上記増量制御の後、上記庫内空気の酸素濃度が上記目標酸素濃度まで低下する前に上記庫内空気の二酸化炭素濃度が上記第1高濃度よりも高く上記目標二酸化炭素濃度よりも低い所定の第2高濃度まで上昇すると、上記ガス供給装置(30)が上記庫内に供給する上記窒素濃縮空気の酸素濃度をさらに一段階上げる再増量制御を行うように構成されている。
ところで、上記増量制御を行って庫内からの二酸化炭素の排出量を増やすことができても、植物(15)の呼吸量が多いために、庫内における二酸化炭素の増加量が排出量を上回り、庫内空気の二酸化炭素濃度が上昇し続ける場合がある。二酸化炭素濃度の上昇が続くと、やがて目標二酸化炭素濃度を超え、収納庫(11)内の植物(15)が変色したり、鮮度が低下したりするおそれがある。
そこで、第4の発明では、増量制御の後、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度まで低下する前に庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度よりも低い所定の第2高濃度まで上昇すると、ガス供給装置(30)が庫内に供給する窒素濃縮空気の酸素濃度をさらに一段階上げる再増量制御を行うようにしている。このような再増量制御により、庫内に供給される窒素濃縮空気の供給量がさらに増え、庫内空気の排出量もさらに増えることとなる。これにより、庫内空気の二酸化炭素濃度が低下する、又は庫内空気の二酸化炭素濃度の上昇速度がさらに低下して目標二酸化炭素濃度に到達し難くなる。
第5の発明は、第1乃至第4のいずれか1つの発明において、上記制御部(55)は、上記ガス供給装置(30)の運転開始時に、上記庫内空気の二酸化炭素濃度が上記目標二酸化炭素濃度以上の所定の第3高濃度以上の場合には、上記ガス供給装置(30)に上記ガス供給動作を行わせる前に上記外気導入動作を行わせる起動時制御を行うように構成されている。
第5の発明では、ガス供給装置(30)の運転開始時に、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度以上の所定の第3高濃度以上の場合、制御部(55)によって、ガス供給装置(30)にガス供給動作を行わせる前に外気導入動作を行わせる起動時制御が実行される。これにより、外気が庫内に供給される一方、庫内に外気が供給された分だけ庫内空気が庫外へ排出される。つまり、二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度以上の庫内空気が外気に置換される。また、外気充填動作は、ガス供給装置(30)が庫内へ供給するガスとしてガス供給量が最も多い動作であるため、ガス供給動作ではなく外気充填動作を行うことにより、庫内から排出される庫内空気の排出量が最大になる。そのため、起動時制御においてこのような外気導入動作を行うことにより、庫内空気の二酸化炭素濃度が速やかに低下することとなる。
第6の発明は、第5の発明において、上記制御部(55)は、上記起動時制御の開始後、上記庫内空気の二酸化炭素濃度が上記目標二酸化炭素濃度以下の所定の低濃度より低い状態が所定時間継続されると、上記起動時制御を終了して上記ガス供給装置(30)に上記ガス供給動作を行わせるように構成されている。
第6の発明では、起動時制御の開始後、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度以下の所定の低濃度より低い状態が所定時間継続されると、制御部(55)は、起動時制御を終了してガス供給装置(30)にガス供給動作を行わせる。これにより、起動時制御によって運転開始時よりも酸素濃度が上昇した庫内空気が、徐々に窒素濃縮空気に置換され、庫内空気の酸素濃度が低下していく。
第7の発明は、第1乃至第6のいずれか1つの発明に係る庫内空気調節装置(60)と、冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)とを備え、上記収納庫(11)であるコンテナの庫内空気を冷却すると共に該庫内空気の組成を調節するコンテナ用冷凍装置である。
第1の発明によれば、ガス供給装置(30)にガス供給動作を行わせて庫内空気の酸素濃度を目標酸素濃度まで低下させる際に、植物(15)の呼吸によって庫内空気の二酸化炭素濃度が上昇し、外気の二酸化炭素濃度を超えて目標二酸化炭素濃度未満の所定の第1高濃度に達すると、ガス供給装置(30)が庫内に供給する窒素濃縮空気の酸素濃度を一段階上げる増量制御を行うようにした。この増量制御により、庫内に供給される窒素濃縮空気の供給量が増え、同時に、庫外へ排出される庫内空気の排出量も増える。窒素濃縮空気の二酸化炭素濃度は外気の二酸化炭素濃度と同等(0.03%)で低いため、増量制御によって二酸化炭素濃度の低い窒素濃縮空気の庫内への供給量を増やして二酸化炭素濃度の高い庫内空気の庫外への排出量を増やすことにより、庫内空気の二酸化炭素濃度の上昇を抑制することができる。具体的には、増量制御後のガス供給動作による二酸化炭素の排出量が、植物(15)の呼吸による二酸化炭素の増加量を上回った場合には、庫内空気の二酸化炭素濃度が上昇することなく低下するため、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度を越えない。一方、増量制御後のガス供給動作による二酸化炭素の排出量が、植物(15)の呼吸による二酸化炭素の増加量を下回った場合であっても、増量制御によって二酸化炭素の排出量が増えることにより、庫内空気の二酸化炭素濃度の上昇速度が低下するため、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度に到達し難くなる。従って、いずれの場合にも、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度まで低下する前に、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度を超えてしまわないように二酸化炭素濃度の上昇を抑制することができる。
また、第2の発明によれば、増量制御によって庫内空気の二酸化炭素濃度の上昇速度が低下しても、植物(15)の呼吸量が多いために、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度まで低下する前に、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度まで上昇してしまった場合に、ガス供給装置(30)に外気導入動作を行わせて庫内に外気を導入することとした。このようにガス供給装置(30)が庫内へ供給するガスとしてガス供給量が最も多くなる外気を選択して庫内から排出される庫内空気の排出量を最大にすることで、庫内空気の二酸化炭素濃度が速やかに低下するようにした。これにより、目標二酸化炭素濃度まで上昇した庫内空気の二酸化炭素濃度がそれ以上上昇しないように抑制することができる。このように庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度まで上昇してしまった場合には、ガス供給装置(30)に外気導入動作を行わせることで、酸素濃度の低い窒素濃縮空気を庫内に供給して庫内空気の酸素濃度を低下させることよりも、酸素濃度が高くてもガス供給量が最大の外気を庫内に供給することにより、庫内から二酸化炭素が迅速に大量に排出されるようにすることを優先させることで、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度を超えないようにすることができる。従って、収納庫(11)内の植物(15)が、庫内空気の二酸化炭素濃度が高すぎるために変色したり、鮮度が低下したりすることを防止することができる。
また、第3の発明によれば、増量制御によって庫内空気の二酸化炭素濃度が徐々に低下するようになり、その低下速度が速く、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度まで低下する前に、庫内空気の二酸化炭素濃度が下限値まで低下してしまった場合に、ガス供給装置(30)に増量制御以前のガス供給動作を行わせることとした。つまり、ガス供給装置(30)によって庫内に供給されるガス供給量を、増量制御以前の比較的少ない供給量に戻すことにした。このようにして、二酸化炭素の排出量が植物(15)の呼吸による二酸化炭素の増加量を下回る元の状態に戻すことで、庫内空気の二酸化炭素濃度を上昇させて下限値を下回らないようにすることができる。従って、収納庫(11)内の植物(15)が、庫内空気の二酸化炭素濃度が低すぎるために変色したり、鮮度が低下したりすることを防止することができる。
また、第4の発明によれば、増量制御によって庫内空気の二酸化炭素濃度の上昇速度が低下しても、植物(15)の呼吸量が多いために、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度まで低下する前に、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度よりも低い所定の第2高濃度まで上昇してしまった場合に、ガス供給装置(30)が庫内に供給する窒素濃縮空気の酸素濃度をさらに一段階上げる再増量制御を行うようにした。つまり、ガス供給装置(30)によって庫内に供給されるガス供給量をさらに増やして庫内空気の排出量をさらに増やすことにより、庫内からの二酸化炭素の排出量を格段に増やすことができる。このような再増量制御によって、庫内空気の二酸化炭素濃度を低下させる、又は庫内空気の二酸化炭素濃度の上昇速度をさらに低下させることにより、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度により到達し難くすることができる。従って、収納庫(11)内の植物(15)が、庫内空気の二酸化炭素濃度が高すぎるために変色したり、鮮度が低下したりすることを防止することができる。
第5及び第6の発明によれば、制御部(55)が、ガス供給装置(30)の運転開始時に、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度以上の所定の第3高濃度以上の場合には、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度より高い場合であっても、庫内空気の酸素濃度を低下させるガス供給動作を行う前に、まず、外気導入動作を行わせて庫内空気の二酸化炭素濃度を低下させる起動時制御を行うように構成されている。そのため、庫内空気の二酸化炭素濃度を低く維持することが好ましい植物(15)がコンテナ(11)の庫内に積み込まれている場合、ガス供給装置(30)の運転開始時に、コンテナ(11)の庫内が、庫内空気の二酸化炭素濃度が比較的高く、植物(15)の鮮度維持に不適な環境であっても、起動時制御によって、酸素濃度が高くてもガス供給量が最大の外気を庫内に供給して庫内から二酸化炭素を迅速に大量に排出することで、庫内空気の二酸化炭素濃度を迅速に植物(15)の鮮度維持に適した濃度まで低下させることができる。よって、このように、ガス供給装置(30)の運転開始時に、庫内空気の二酸化炭素濃度が比較的高い場合には、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度より高い場合であっても、庫内空気の酸素濃度を低下させるガス供給動作を行う前に、まず、外気導入動作を行わせて庫内空気の二酸化炭素濃度を低下させる起動時制御を行うことにより、植物(15)の鮮度低下を抑制することができる。
また、第7の発明によれば、庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度以下の濃度に維持しながら庫内空気の酸素濃度を低下させることができる庫内空気調節装置(60)を備えたコンテナ用冷凍装置を提供することができる。
図1は、実施形態1のコンテナ用冷凍装置を庫外側から見た斜視図である。 図2は、実施形態1のコンテナ用冷凍装置の概略構成を示す側面断面図である。 図3は、実施形態1の冷媒回路の構成を示す配管系統図である。 図4は、実施形態1のCA装置の構成を示す配管系統図であり、第1動作中の空気の流れを示すものである。 図5は、実施形態1のCA装置の構成を示す配管系統図であり、第2動作中の空気の流れを示すものである。 図6は、実施形態1のCA装置の構成を示す配管系統図であり、均圧動作中の空気の流れを示すものである。 図7は、実施形態1のCA装置の構成を示す配管系統図であり、ガス排出動作中の空気の流れを示すものである。 図8は、実施形態1のCA装置の構成を示す配管系統図であり、外気導入動作中の空気の流れを示すものである。 図9は、実施形態1のガス供給装置のガス生成動作における弁切換タイミングと吸着筒内の状態を示すタイムチャートである。 図10は、実施形態1のガス供給装置の酸素濃度5%モードにおける弁切換タイミングを示すタイムチャートである。 図11は、実施形態1のガス供給装置の酸素濃度8%モードにおける弁切換タイミングを示すタイムチャートである。 図12は、実施形態1のCA装置の濃度調節運転の酸素濃度低下モードにおける庫内空気の組成の時間変化と各動作モードの切換タイミングを示すグラフである。 図13は、実施形態2のガス供給装置の酸素濃度3%モードにおける弁切換タイミングを示すタイムチャートである。 図14は、実施形態3のCA装置の濃度調節運転の酸素濃度低下モードにおける庫内空気の組成の時間変化と各動作モードの切換タイミングを示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
《本発明の実施形態1》
図1及び図2に示すように、コンテナ用冷凍装置(10)は、海上輸送等に用いられるコンテナ(11)に設けられ、該コンテナ(11)の庫内空気を冷却するものである。コンテナ(11)の庫内には、植物(15)が箱詰めされた状態で収納されている。植物(15)は、空気中の酸素(O)を取り込んで二酸化炭素(CO)を放出する呼吸を行うものであり、例えば、バナナやアボカド等の青果物、野菜、穀物、球根、生花等である。
コンテナ(11)は、一方の端面が開口する細長い箱状に形成されている。コンテナ用冷凍装置(10)は、ケーシング(12)と、図3に示す冷媒回路(20)と、CA装置(庫内空気調節装置/Controlled Atmosphere System)(60)とを備え、コンテナ(11)の開口端を塞ぐように取り付けられている。
〈ケーシング〉
図2に示すように、ケーシング(12)は、コンテナ(11)の庫外側に位置する庫外壁(12a)と、コンテナ(11)の庫内側に位置する庫内壁(12b)とを備えている。庫外壁(12a)及び庫内壁(12b)は、例えば、アルミニウム合金によって構成されている。
庫外壁(12a)は、コンテナ(11)の開口端を塞ぐようにコンテナ(11)の開口の周縁部に取り付けられている。庫外壁(12a)は、下部がコンテナ(11)の庫内側へ膨出するように形成されている。
庫内壁(12b)は、庫外壁(12a)と対向して配置されている。庫内壁(12b)は、庫外壁(12a)の下部に対応して庫内側へ膨出している。庫内壁(12b)と庫外壁(12a)との間の空間には、断熱材(12c)が設けられている。
このように、ケーシング(12)の下部は、コンテナ(11)の庫内側に向かって膨出するように形成されている。これにより、ケーシング(12)の下部におけるコンテナ(11)の庫外側には庫外収納空間(S1)が形成され、ケーシング(12)の上部におけるコンテナ(11)の庫内側には庫内収納空間(S2)が形成されている。
図1に示すように、ケーシング(12)には、メンテナンス用の2つのサービス用開口(14)が幅方向に並んで形成されている。2つのサービス用開口(14)は、それぞれ開閉自在な第1及び第2サービス扉(16A,16B)によって閉塞されている。第1及び第2サービス扉(16A,16B)は、いずれもケーシング(12)と同様に、庫外壁と庫内壁と断熱材とによって構成されている。
図2に示すように、コンテナ(11)の庫内には、仕切板(18)が配置されている。この仕切板(18)は、略矩形状の板部材に構成され、ケーシング(12)のコンテナ(11)の庫内側の面と対向する姿勢で立設されている。この仕切板(18)によって、コンテナ(11)の庫内と庫内収納空間(S2)とが区画されている。
仕切板(18)の上端とコンテナ(11)内の天井面との間には吸込口(18a)が形成されている。コンテナ(11)の庫内空気は、吸込口(18a)を通って庫内収納空間(S2)に取り込まれる。
また、庫内収納空間(S2)には、水平方向に延びる区画壁(13)が設けられている。区画壁(13)は、仕切板(18)の上端部に取り付けられ、後述する庫内ファン(26)が設置される開口が形成されている。区画壁(13)は、庫内収納空間(S2)を、庫内ファン(26)の吸込側の1次空間(S21)と、庫内ファン(26)の吹出側の2次空間(S22)とに区画する。なお、本実施形態では、庫内収納空間(S2)は、区画壁(13)によって上下に区画され、吸込側の1次空間(S21)が上側、吹出側の2次空間(S22)が下側に形成されている。
コンテナ(11)内には、コンテナ(11)の底面との間に隙間を存して床板(19)が設けられている。床板(19)上には、箱詰めされた植物(15)が載置されている。コンテナ(11)内の底面と床板(19)との間には、床下流路(19a)が形成されている。仕切板(18)の下端とコンテナ(11)内の底面との間には隙間が設けられ、床下流路(19a)に連通している。
床板(19)におけるコンテナ(11)の奥側(図2で右側)には、コンテナ用冷凍装置(10)によって冷却された空気をコンテナ(11)の庫内へ吹き出す吹出口(18b)が形成されている。
〈冷媒回路等の構成と配置〉
図3に示すように、冷媒回路(20)は、圧縮機(21)と、凝縮器(22)と、膨張弁(23)と、蒸発器(24)とを、冷媒配管(20a)によって順に接続することによって構成された閉回路である。
凝縮器(22)の近傍には、庫外ファンモータ(25a)によって回転駆動され、コンテナ(11)の庫外空間の空気(外気)を庫外収納空間(S1)内へ誘引して凝縮器(22)へ送る庫外ファン(25)が設けられている。凝縮器(22)では、圧縮機(21)で加圧されて凝縮器(22)の内部を流れる冷媒と庫外ファン(25)によって凝縮器(22)に送られた外気との間で熱交換が行われる。本実施形態では、庫外ファン(25)は、プロペラファンによって構成されている。
蒸発器(24)の近傍には、庫内ファンモータ(26a)によって回転駆動され、コンテナ(11)の庫内空気を吸込口(18a)から誘引して蒸発器(24)へ吹き出す庫内ファン(26)が2つ設けられている(図1を参照)。蒸発器(24)では、膨張弁(23)によって減圧されて蒸発器(24)の内部を流れる冷媒と庫内ファン(26)によって蒸発器(24)に送られた庫内空気との間で熱交換が行われる。
図1に示すように、圧縮機(21)及び凝縮器(22)は、庫外収納空間(S1)に収納されている。凝縮器(22)は、庫外収納空間(S1)の上下方向の中央部分において、該庫外収納空間(S1)を下側の第1空間(S11)と上側の第2空間(S12)とに区画するように設けられている。第1空間(S11)には、上記圧縮機(21)と、該圧縮機(21)を可変速で駆動するための駆動回路が収納されたインバータボックス(29)と、CA装置(60)のガス供給装置(30)とが設けられている。一方、第2空間(S12)には、庫外ファン(25)と、電装品ボックス(17)とが設けられている。第1空間(S11)は、コンテナ(11)の庫外空間に対して開放される一方、第2空間(S12)は、庫外ファン(25)の吹出口のみが庫外空間に開口するように庫外空間との間が板状部材によって閉塞されている。
一方、図2に示すように、蒸発器(24)は、庫内収納空間(S2)の2次空間(S22)に収納されている。庫内収納空間(S2)における蒸発器(24)の上方位置には、ケーシング(12)の幅方向に並んで2つの庫内ファン(26)が設けられている。
〈CA装置〉
図4に示すように、CA装置(60)は、ガス供給装置(30)と、排気部(46)と、センサユニット(50)と、制御部(55)とを備え、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度とを調節するものである。なお、以下の説明で用いる「濃度」は、全て「体積濃度」を指す。
[ガス供給装置]
-ガス供給装置の構成-
ガス供給装置(30)は、外気から窒素濃度が外気よりも高く酸素濃度が外気よりも低く二酸化炭素濃度が外気と同等の窒素濃縮空気を生成し、コンテナ(11)の庫内に供給する装置である。本実施形態では、ガス供給装置(30)として、VPSA(Vacuum Pressure Swing Adsorption)方式の装置を用いている。また、ガス供給装置(30)は、図1に示すように、庫外収納空間(S1)の左下のコーナー部に配置されている。
図4に示すように、ガス供給装置(30)は、エアポンプ(31)と、第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)と、空気中の窒素成分を吸着するための吸着剤が設けられた第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)とが接続された空気回路(3)と、該空気回路(3)の構成部品が収納されたユニットケース(36)とを有している。このようにガス供給装置(30)は、構成部品がユニットケース(36)の内部に収納されることによって1つのユニットとして構成され、コンテナ用冷凍装置(10)に後付けすることができるように構成されている。
(エアポンプ)
エアポンプ(31)は、ユニットケース(36)内に設けられ、それぞれ空気を吸引して加圧して吐出する第1ポンプ機構(加圧部)(31a)及び第2ポンプ機構(減圧部)(31b)を有している。第1ポンプ機構(31a)及び第2ポンプ機構(31b)は、モータ(31c)の駆動軸に接続され、モータ(31c)によって回転駆動されることにより、それぞれ空気を吸引して加圧して吐出する。
第1ポンプ機構(31a)の吸込口は、ユニットケース(36)を内外に貫通するように設けられた外気通路(41)の一端が接続されている。外気通路(41)の他端には、通気性と防水性を有するメンブレンフィルタ(76)が設けられている。外気通路(41)は、可撓性を有するチューブによって構成されている。図示を省略するが、メンブレンフィルタ(76)が設けられた外気通路(41)の他端は、庫外収納空間(S1)の凝縮器(22)の上方の第2空間(S12)に設けられている。このような構成により、第1ポンプ機構(31a)は、外気通路(41)の他端に設けられたメンブレンフィルタ(76)を介してユニットケース(36)の外から中へ流入する際に水分が除去された外気を吸い込んで加圧する。一方、第1ポンプ機構(31a)の吐出口には吐出通路(42)の一端が接続されている。該吐出通路(42)の他端は、下流側において2つに分岐して第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)のそれぞれに接続されている。
第2ポンプ機構(31b)の吸込口には、吸引通路(43)の一端が接続されている。該吸引通路(43)の他端は、上流側において2つに分かれ、第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)のそれぞれに接続されている。一方、第2ポンプ機構(31b)の吐出口には、供給通路(44)の一端が接続されている。供給通路(44)の他端は、コンテナ(11)の庫内収納空間(S2)における庫内ファン(26)の吹出側の2次空間(S22)において開口している。供給通路(44)の他端部には、一端から他端へ向かう向きの空気の流通のみを許容し、空気の逆流を防止する逆止弁(65)が設けられている。
吐出通路(42)と吸引通路(43)とは、バイパス通路(47)によって接続されている。バイパス通路(47)は、エアポンプ(31)に取り込んだ外気を、そのままエアポンプ(31)の加圧力によってコンテナ(11)の庫内へ供給する外気導入動作を行うために設けられている。バイパス通路(47)は、外気導入動作を行う際に、エアポンプ(31)の第1ポンプ機構(31a)に取り込んだ外気を、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)をバイパスさせて第2ポンプ機構(31b)の吸込口へ導く。バイパス通路(47)には、制御部(55)によって開閉制御されるバイパス開閉弁(48)が設けられている。バイパス開閉弁(48)は、制御部(55)によって開閉制御される。バイパス開閉弁(48)は、外気導入動作時にのみ開かれ、それ以外は閉じられる。
エアポンプ(31)の第1ポンプ機構(31a)及び第2ポンプ機構(31b)は、潤滑用のオイルを使用しないオイルレスのポンプで構成されている。また、エアポンプ(31)の側方には、エアポンプ(31)に向かって送風することでエアポンプ(31)を冷却するための送風ファン(49)が2つ設けられている。
(方向制御弁)
第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)は、空気回路(3)におけるエアポンプ(31)と第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)との間に設けられ、エアポンプ(31)と第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)との接続状態を後述する4つの接続状態(第1~第4接続状態)に切り換えるものである。この切り換え動作は、制御部(55)によって制御される。
具体的に、第1方向制御弁(32)は、第1ポンプ機構(31a)の吐出口に接続された吐出通路(42)と、第2ポンプ機構(31b)の吸込口に接続された吸引通路(43)と、第1吸着筒(34)の一端部(加圧時の流入口)とに接続される。この第1方向制御弁(32)は、第1吸着筒(34)を第1ポンプ機構(31a)の吐出口に連通させて第2ポンプ機構(31b)の吸込口から遮断する第1状態(図4に示す状態)と、第1吸着筒(34)を第2ポンプ機構(31b)の吸込口に連通させて第1ポンプ機構(31a)の吐出口から遮断する第2状態(図5に示す状態)とに切り換わる。
第2方向制御弁(33)は、第1ポンプ機構(31a)の吐出口に接続された吐出通路(42)と、第2ポンプ機構(31b)の吸込口に接続された吸引通路(43)と、第2吸着筒(35)の一端部とに接続される。この第2方向制御弁(33)は、第2吸着筒(35)を第2ポンプ機構(31b)の吸込口に連通させて第1ポンプ機構(31a)の吐出口から遮断する第1状態(図4に示す状態)と、第2吸着筒(35)を第1ポンプ機構(31a)の吐出口に連通させて第2ポンプ機構(31b)の吸込口から遮断する第2状態(図5に示す状態)とに切り換わる。
第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)を共に第1状態に設定すると、空気回路(3)が、第1ポンプ機構(31a)の吐出口と第1吸着筒(34)とが接続され且つ第2ポンプ機構(31b)の吸込口と第2吸着筒(35)とが接続される第1接続状態に切り換わる(図4を参照)。この状態では、第1吸着筒(34)で外気中の窒素成分を吸着剤に吸着させる吸着動作が行われ、第2吸着筒(35)で吸着剤に吸着された窒素成分を脱着させる脱着動作が行われる。
第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)を共に第2状態に設定すると、空気回路(3)が、第1ポンプ機構(31a)の吐出口と第2吸着筒(35)とが接続され且つ第2ポンプ機構(31b)の吸込口と第1吸着筒(34)とが接続される第2接続状態に切り換わる(図5を参照)。この状態では、第2吸着筒(35)で吸着動作が行われ、第1吸着筒(34)で脱着動作が行われる。
第1方向制御弁(32)を第1状態に設定し、第2方向制御弁(33)を第2状態に設定すると、空気回路(3)が、第1ポンプ機構(31a)の吐出口と第1吸着筒(34)とが接続され且つ第1ポンプ機構(31a)の吐出口と第2吸着筒(35)とが接続される第3接続状態に切り換わる(図6を参照)。この状態では、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の両方が第1ポンプ機構(31a)の吐出口に接続され、第1ポンプ機構(31a)によって第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の両方に加圧された外気が供給される。
第1方向制御弁(32)を第2状態に設定し、第2方向制御弁(33)を第1状態に設定すると、空気回路(3)が、第2ポンプ機構(31b)の吸込口と第1吸着筒(34)とが接続され且つ第2ポンプ機構(31b)の吸込口と第2吸着筒(35)とが接続される第4接続状態に切り換わる(図8を参照)。この状態では、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の両方が第2ポンプ機構(31b)の吸込口に接続され、第1ポンプ機構(31a)の吐出口から遮断される。
(吸着筒)
第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)は、内部に吸着剤が充填された円筒部材によって構成されている。第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)に充填された吸着剤は、加圧下で窒素成分を吸着して、減圧下で吸着した窒素成分を脱着させる性質を有している。
第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)に充填された吸着剤は、例えば、窒素分子の分子径(3.0オングストローム)よりも小さく且つ酸素分子の分子径(2.8オングストローム)よりも大きな孔径の細孔を有する多孔体のゼオライトで構成されている。このような孔径のゼオライトで吸着剤を構成すれば、空気中の窒素成分を吸着することができる。
また、ゼオライトの細孔内には、陽イオンが存在しているために電場が存在し極性を生じているので、水分子などの極性分子を吸着する性質を有している。そのため、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)に充填されたゼオライトからなる吸着剤には、空気中の窒素だけでなく、空気中の水分(水蒸気)も吸着される。そして、吸着剤に吸着された水分は、脱着動作によって窒素成分と共に吸着剤から脱着される。そのため、水分を含んだ窒素濃縮空気がコンテナ(11)の庫内に供給されることとなり、庫内の湿度を上げることができる。さらに、吸着剤が再生されるので、吸着剤の長寿命化を図ることができる。
このような構成により、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)では、エアポンプ(31)から加圧された外気が供給されて内部が加圧されると、吸着剤に該外気中の窒素成分が吸着する。その結果、外気よりも窒素成分が少なくなることで外気よりも窒素濃度が低く且つ酸素濃度が高い酸素濃縮空気が生成される。一方、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)では、エアポンプ(31)によって内部の空気が吸引されて減圧されると、吸着剤に吸着されていた窒素成分が脱着する。その結果、外気よりも窒素成分を多く含むことで外気よりも窒素濃度が高く且つ酸素濃度が低い窒素濃縮空気が生成される。
第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の他端部(加圧時の流出口)には、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)において、第1ポンプ機構(31a)によって加圧された外気が供給されて生成された酸素濃縮空気を、コンテナ(11)の庫外へ導くための酸素排出通路(45)の一端が接続されている。酸素排出通路(45)の一端は、2つに分岐し、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の他端部のそれぞれに接続されている。酸素排出通路(45)の他端は、ガス供給装置(30)の外部、即ち、コンテナ(11)の庫外において開口している。酸素排出通路(45)の第1吸着筒(34)の他端部に接続された部分及び第2吸着筒(35)の他端部に接続された部分には、酸素排出通路(45)から第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)への空気の逆流を防止するための逆止弁(61)がそれぞれ設けられている。
酸素排出通路(45)の中途部には、逆止弁(62)とオリフィス(63)とが一端から他端に向かって順に設けられている。逆止弁(62)は、後述する排気用接続通路(71)からの窒素濃縮空気の第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)側への逆流を防止する。オリフィス(63)は、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)から流出した酸素濃縮空気が庫外へ排出される前に減圧する。
(給排切換機構)
空気回路(3)には、生成した窒素濃縮空気をコンテナ(11)の庫内に供給する後述するガス供給動作(図4及び図5を参照)と生成した窒素濃縮空気を庫外へ排出するガス排出動作(図7を参照)とを切り換えるための給排切換機構(70)が設けられている。給排切換機構(70)は、排気用接続通路(71)と、排気用開閉弁(72)と、供給側開閉弁(73)とを有している。
排気用接続通路(71)は、一端が供給通路(44)に接続され、他端が酸素排出通路(45)に接続されている。排気用接続通路(71)の他端は、酸素排出通路(45)のオリフィス(63)よりも庫外側に接続されている。
排気用開閉弁(72)は、排気用接続通路(71)に設けられている。排気用開閉弁(72)は、排気用接続通路(71)の中途部において、供給通路(44)から流入した窒素濃縮空気の流通を許容する開状態と、窒素濃縮空気の流通を遮断する閉状態とに切り換わる電磁弁によって構成されている。排気用開閉弁(72)の開閉動作は、制御部(55)によって制御される。
供給側開閉弁(73)は、供給通路(44)における排気用接続通路(71)が接続される接続部よりも他端側(庫内側)に設けられている。供給側開閉弁(73)は、供給通路(44)の排気用接続通路(71)の接続部よりも庫内側において、窒素濃縮空気の庫内側への流通を許容する開状態と、窒素濃縮空気の庫内側への流通を遮断する閉状態とに切り換わる電磁弁によって構成されている。供給側開閉弁(73)の開閉動作は、制御部(55)によって制御される。
このような給排切換機構(70)により、ガス供給装置(30)は、コンテナ(11)の庫内へ供給する窒素濃縮空気の酸素濃度を複数段階に変更可能に構成されている。なお、本実施形態では、ガス供給装置(30)は、コンテナ(11)の庫内へ供給する窒素濃縮空気の酸素濃度を2段階(酸素濃度5%、酸素濃度8%)に変更可能に構成されている。
(測定ユニット)
空気回路(3)には、生成した窒素濃縮空気の濃度を、コンテナ(11)の庫内に設けられた後述するセンサユニット(50)の酸素センサ(51)を用いて測定する給気測定動作を行うための測定ユニット(80)が設けられている。測定ユニット(80)は、分岐管(測定用通路)(81)と測定用開閉弁(82)とを備え、供給通路(44)を流れる窒素濃縮空気の一部を分岐させて酸素センサ(51)に導くように構成されている。
具体的には、分岐管(81)は、一端が供給通路(44)に接続され、他端が酸素センサ(51)の後述する酸素センサボックス(51a)に連結されている。なお、本実施形態では、分岐管(81)は、ユニットケース(36)内において供給通路(44)から分岐し、ユニットケースの内外に亘るように設けられている。分岐管(81)の他端部には、一端から他端へ向かう向きの空気の流通のみを許容し、空気の逆流を防止する逆止弁(64)が設けられている。
測定用開閉弁(82)は、分岐管(81)のユニットケースの内部に設けられている。測定用開閉弁(82)は、分岐管(81)における窒素濃縮空気の流通を許容する開状態と、分岐管(81)における窒素濃縮空気の流通を遮断する閉状態とに切り換わる電磁弁によって構成されている。測定用開閉弁(82)の開閉動作は、制御部(55)によって制御される。詳細については後述するが、測定用開閉弁(82)は、後述する給気測定動作が実行される際にのみ開状態となり、その他のモードでは閉状態となる。
-ガス供給装置の運転動作-
(ガス生成動作)
ガス供給装置(30)では、第1吸着筒(34)が加圧されると同時に第2吸着筒(35)が減圧される第1動作(図4を参照)と、第1吸着筒(34)が減圧されると同時に第2吸着筒(35)が加圧される第2動作(図5を参照)とが、所定の時間(例えば、14.5秒)ずつ交互に繰り返し行われることにより、窒素濃縮空気と酸素濃縮空気とが生成される。また、本実施形態では、第1動作と第2動作との各合間に、第1吸着筒(34)と第2吸着筒(35)のいずれもが加圧される均圧動作(図6を参照)が、所定の時間(例えば、1.5秒)行われる(図9を参照)。各動作の切り換えは、制御部(55)が第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)を操作することによって行われる。
《第1動作》
第1動作では、制御部(55)によって、第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)が共に、図4に示す第1状態に切り換えられる。これにより、空気回路(3)は、第1吸着筒(34)が第1ポンプ機構(31a)の吐出口に連通して第2ポンプ機構(31b)の吸込口から遮断され、且つ第2吸着筒(35)が第2ポンプ機構(31b)の吸込口に連通して第1ポンプ機構(31a)の吐出口から遮断された第1接続状態となる。
第1ポンプ機構(31a)は、加圧した外気を第1吸着筒(34)へ供給する。第1吸着筒(34)へ流入した空気に含まれる窒素成分は、第1吸着筒(34)の吸着剤に吸着される。このように、第1動作中、第1吸着筒(34)では、上記第1ポンプ機構(31a)から加圧された外気が供給されて該外気中の窒素成分が吸着剤に吸着されることにより、窒素濃度が外気よりも低く酸素濃度が外気よりも高い酸素濃縮空気が生成される。酸素濃縮空気は、第1吸着筒(34)から酸素排出通路(45)に流出する。
一方、第2ポンプ機構(31b)は、第2吸着筒(35)から空気を吸引する。その際、第2吸着筒(35)の吸着剤に吸着された窒素成分が、空気と共に第2ポンプ機構(31b)に吸引されて吸着剤から脱着する。このように、第1動作中、第2吸着筒(35)では、第2ポンプ機構(31b)によって内部の空気が吸引されて吸着剤に吸着された窒素成分が脱着することにより、吸着剤から脱着した窒素成分を含み、窒素濃度が外気よりも高く酸素濃度が外気よりも低い窒素濃縮空気が生成される。窒素濃縮空気は、第2ポンプ機構(31b)に吸い込まれ、加圧された後、供給通路(44)に吐出される。
《第2動作》
第2動作では、制御部(55)によって、第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)が共に、図5に示す第2状態に切り換えられる。これにより、空気回路(3)は、第1吸着筒(34)が第2ポンプ機構(31b)の吸込口に連通して第1ポンプ機構(31a)の吐出口から遮断され、且つ第2吸着筒(35)が第1ポンプ機構(31a)の吐出口に連通して第2ポンプ機構(31b)の吸込口から遮断された第2接続状態となる。
第1ポンプ機構(31a)は、加圧した外気を第2吸着筒(35)へ供給する。第2吸着筒(35)へ流入した空気に含まれる窒素成分は、第2吸着筒(35)の吸着剤に吸着される。このように、第2動作中、第2吸着筒(35)では、上記第1ポンプ機構(31a)から加圧された外気が供給されて該外気中の窒素成分が吸着剤に吸着されることにより、窒素濃度が外気よりも低く酸素濃度が外気よりも高い酸素濃縮空気が生成される。酸素濃縮空気は、第2吸着筒(35)から酸素排出通路(45)に流出する。
一方、第2ポンプ機構(31b)は、第1吸着筒(34)から空気を吸引する。その際、第1吸着筒(34)の吸着剤に吸着された窒素成分が、空気と共に第2ポンプ機構(31b)に吸引されて吸着剤から脱着する。このように、第2動作中、第1吸着筒(34)では、第2ポンプ機構(31b)によって内部の空気が吸引されて吸着剤に吸着された窒素成分が脱着することにより、吸着剤から脱着した窒素成分を含み、窒素濃度が外気よりも高く酸素濃度が外気よりも低い窒素濃縮空気が生成される。窒素濃縮空気は、第2ポンプ機構(31b)に吸い込まれ、加圧された後、供給通路(44)に吐出される。
《均圧動作》
図6に示すように、均圧動作では、制御部(55)によって、第1方向制御弁(32)が第1状態に切り換える一方、第2方向制御弁(33)が第2状態に切り換えられる。これにより、空気回路(3)は、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)が、共に第1ポンプ機構(31a)の吐出口に連通して第2ポンプ機構(31b)の吸込口から遮断された第3接続状態となる。
第1ポンプ機構(31a)は、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の両方に加圧した外気を供給する。第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)へ流入した空気に含まれる窒素成分は、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の吸着剤に吸着され、酸素濃縮空気が生成される。酸素濃縮空気は、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)から酸素排出通路(45)に流出する。
一方、第2ポンプ機構(31b)は、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)から遮断される。そのため、均圧動作中には、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)において新たに窒素濃縮空気が生成されることはなく、第2ポンプ機構(31b)は、吸引通路(43)に残存する窒素濃縮空気を吸引して加圧した後、供給通路(44)に吐出する。
ところで、上述したように、第1動作中には、第1吸着筒(34)では第1ポンプ機構(31a)によって加圧されて吸着動作が行われ、第2吸着筒(35)では第2ポンプ機構(31b)によって減圧されて脱着動作が行われる。一方、第2動作中には、第2吸着筒(35)では第1ポンプ機構(31a)によって加圧されて吸着動作が行われ、第1吸着筒(34)では第2ポンプ機構(31b)によって減圧されて脱着動作が行われる。そのため、上述の均圧動作を挟むことなく、第1動作から第2動作へ切り換える又は第2動作から第1動作へ切り換えると、切り換え直後は、切り換え前に脱着動作を行っていた吸着筒内の圧力が著しく低いため、該吸着筒内の圧力が上昇するのに時間がかかり、すぐには吸着動作が行われない。
そこで、本実施形態では、第1動作から第2動作へ切り換える際、及び第2動作から第1動作へ切り換える際に、空気回路(3)を第3接続状態に切り換え、第1吸着筒(34)と第2吸着筒(35)とを、第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)を介して連通させることとしている。これにより、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の互いの内部圧力が、速やかに等しくなる(互いの内部圧力の中間の圧力になる)。このような均圧動作により、切り換え前に第2ポンプ機構(31b)によって減圧されて脱着動作を行っていた吸着筒内の圧力が、速やかに上昇するため、第1ポンプ機構(31a)への接続後、速やかに吸着動作が行われる。
このようにして、ガス供給装置(30)では、均圧動作を挟みながら第1動作と第2動作とを交互に繰り返すことによって空気回路(3)において窒素濃縮空気と酸素濃縮空気とが生成される。
(ガス供給動作/ガス排出動作)
ガス供給装置(30)では、給排切換機構(70)によって、空気回路(3)において生成した窒素濃縮空気をコンテナ(11)の庫内に供給するガス供給動作と、脱着動作の開始時点から所定時間の間、生成した窒素濃縮空気をコンテナ(11)の庫内へ供給せずに排気するガス排出動作とが切り換えられる。
《ガス供給動作》
図4~図6に示すように、ガス供給動作では、制御部(55)によって、排気用開閉弁(72)が閉状態に制御され、供給側開閉弁(73)が開状態に制御される。これにより、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)において交互に生成された窒素濃縮空気が供給通路(44)を通ってコンテナ(11)の庫内へ供給され、酸素濃縮空気は酸素排出通路(45)を通って庫外へ排出される。
《ガス排出動作》
図7に示すように、ガス排出動作では、制御部(55)によって、排気用開閉弁(72)が開状態に制御され、供給側開閉弁(73)が閉状態に制御される。これにより、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)において交互に生成されて供給通路(44)に吐出された窒素濃縮空気は、供給通路(44)において供給側開閉弁(73)よりも庫内側への流通が阻止され、排気用接続通路(71)に流入する。排気用接続通路(71)に流入した窒素濃縮空気は、酸素排出通路(45)に流入し、酸素排出通路(45)を流れる酸素濃縮空気と共に庫外へ排出される。
(ガス供給装置の動作モード)
ガス供給装置(30)は、3つの動作モードを実行可能に構成されている。具体的には、ガス供給装置(30)は、酸素濃度5%モードと酸素濃度8%モードと外気導入モードとが実行可能に構成されている。これら3つの動作モードのうち、酸素濃度5%モードと酸素濃度8%モードは、窒素濃縮空気を庫内に供給するガス供給動作に関する動作モードであり、外気導入モードは、外気を庫内に充填する外気導入動作に関する動作モードである。
酸素濃度5%モードと酸素濃度8%モードとでは、コンテナ(11)の庫内に供給される窒素濃縮空気の酸素濃度が異なる。具体的には、酸素濃度5%モードは平均酸素濃度5%の窒素濃縮空気、酸素濃度8%モードは平均酸素濃度8%の窒素濃縮空気をそれぞれコンテナ(11)の庫内に供給する。
3つの動作モードは、酸素濃度5%モード、酸素濃度8%モード、外気導入モードの順に、庫内に供給するガスの酸素濃度が高くなり(5%→8%→21%)、且つ、ガス供給量も増える。ガス供給装置(30)は、このような動作モードを切換可能に構成されることにより、庫内へ供給する窒素濃縮空気の酸素濃度を複数段階に変更可能であり、庫内に供給するガスの酸素濃度が高い程、ガス供給量が増えるように構成されている。なお、本実施形態では、酸素濃度5%モードを標準モードとし、酸素濃度8%モードを酸素濃度5%モードよりもガス供給量が多い増量モードとしている。以下、各動作モードについて詳述する。
《酸素濃度5%モード》
図4~6,10に示すように、酸素濃度5%モードでは、制御部(55)は、第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)を切り換えて均圧動作を挟みながら第1動作と第2動作とを交互に繰り返し行い、窒素濃度が外気よりも高く酸素濃度が外気よりも低い窒素濃縮空気を生成する(ガス生成動作)。本実施形態では、第1動作及び第2動作の動作時間が14.5秒、均圧動作の動作時間が1.5秒に設定されている。
なお、第1動作及び第2動作の各動作において初期と末期とでは、生成される窒素濃縮空気の組成が異なる。具体的には、各動作の初期では、吸着筒や配管等に外気が残存しているために比較的酸素濃度の高い窒素濃縮空気が生成され、各動作の末期には、吸着筒内の圧力が初期よりも低下するために窒素成分が多く脱着され、比較的酸素濃度の低い窒素濃縮空気が生成される。
酸素濃度5%モードでは、図7,10に示すように、制御部(55)は、第1動作及び第2動作の初期の所定時間の間(本実施形態では、各動作の開始時から4秒経過するまでの間)、排気用開閉弁(72)を開状態、供給側開閉弁(73)を閉状態に制御して、ガス供給装置(30)にガス供給動作を行わせずにガス排出動作を行わせる。つまり、上記ガス生成動作によって生成される窒素濃縮空気のうち、比較的酸素濃度の高い窒素濃縮空気をコンテナ(11)の庫内に供給せずに庫外へ排出する。
そして、上記所定時間の終了後(ガス排出動作の終了後)、制御部(55)は、排気用開閉弁(72)を閉状態、供給側開閉弁(73)を開状態に制御して、ガス供給装置(30)にガス供給動作を行わせる。つまり、上記ガス生成動作によって生成された窒素濃縮空気のうち、比較的酸素濃度の低い窒素濃縮空気をコンテナ(11)の庫内に供給する。
酸素濃度5%モードでは、上述のように、ガス供給装置(30)において、ガス生成動作によって比較的酸素濃度の低い窒素濃縮空気が生成されるタイミングでガス供給動作を間欠的に行うことにより、コンテナ(11)の庫内には、比較的酸素濃度の低い窒素濃縮空気のみが供給されることとなる。具体的には、酸素濃度5%モードでは、コンテナ(11)の庫内には、平均窒素濃度(第1動作及び第2動作の各動作において、庫内に供給される窒素濃縮空気の窒素濃度の平均値)が95%、平均酸素濃度(第1動作及び第2動作の各動作において、庫内に供給される窒素濃縮空気の酸素濃度の平均値)が5%の窒素濃縮空気が供給されることとなる。
《酸素濃度8%モード》
酸素濃度8%モードにおいても、制御部(55)は、図11に示すように、酸素濃度5%モードと同様に、第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)を切り換えて均圧動作を挟みながら第1動作と第2動作とを交互に繰り返し行い、窒素濃度が外気よりも高く酸素濃度が外気よりも低い窒素濃縮空気を生成する(ガス生成動作)。
また、酸素濃度8%モードでは、図4~6,11に示すように、制御部(55)は、排気用開閉弁(72)を閉状態、供給側開閉弁(73)を開状態に制御して、ガス供給装置(30)にガス供給動作を行わせる。つまり、上記ガス生成動作によって生成された窒素濃縮空気をコンテナ(11)の庫内に供給する。
なお、酸素濃度8%モードでは、酸素濃度5%モードのようにガス排出動作は行われず、常時ガス供給動作が行われる。つまり、酸素濃度8%モードでは、第1動作及び第2動作の各動作において、生成された全ての窒素濃縮空気(比較的酸素濃度の高い窒素濃縮空気から比較的酸素濃度の低い窒素濃縮空気まで全て)がコンテナ(11)の庫内に供給される。これにより、酸素濃度8%モードでは、コンテナ(11)の庫内には、酸素濃度5%モードにおいてコンテナ(11)の庫内に供給した窒素濃縮空気よりも酸素濃度の高い平均窒素濃度92%、平均酸素濃度8%の窒素濃縮空気が供給されることとなる。
また、酸素濃度8%モードでは、酸素濃度5%モードのようにガス排出動作が行われず、ガス生成動作で生成された全ての窒素濃縮空気がコンテナ(11)の庫内に供給されるため、酸素濃度5%モードに比べて庫内への窒素濃縮空気の供給量(ガス供給量)が多くなる。
《外気導入モード》
外気導入モードでは、図8に示すように、制御部(55)によって、第1方向制御弁(32)が第2状態に切り換えられる一方、第2方向制御弁(33)が第1状態に切り換えられる。これにより、空気回路(3)は、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)が、共に第1ポンプ機構(31a)の吐出口から遮断されて第2ポンプ機構(31b)の吸込口に連通する第4接続状態となる。また、外気導入モードでは、制御部(55)によって、バイパス開閉弁(48)が開状態に制御される。
上述の制御により、第1ポンプ機構(31a)は、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)から遮断される。そのため、エアポンプ(31)の第1ポンプ機構(31a)に吸引されて加圧された外気は、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)に流入することなく、吐出通路(42)からバイパス通路(47)に流入する。バイパス通路(47)に流入した外気は、吸引通路(43)を流れて第2ポンプ機構(31b)に吸引される。第2ポンプ機構(31b)は、吸引した外気を加圧し、供給通路(44)に吐出する。このようにして、外気導入モードでは、エアポンプ(31)に取り込んだ外気を、そのままエアポンプ(31)の加圧力によってコンテナ(11)の庫内へ供給する外気導入動作が行われる。
また、外気導入動作では、ガス供給装置(30)に取り込んだ外気の全てをコンテナ(11)の庫内に導入するため、外気から生成した窒素濃縮空気及び酸素濃縮空気のうち、酸素濃縮空気を庫外へ排出して窒素濃縮空気のみを庫内に供給するガス供給動作(酸素濃度8%モードや酸素濃度5%モード)に比べて庫内へのガス供給量が多くなる。
[排気部]
-排気部の構成-
図2に示すように、排気部(46)は、庫内収納空間(S2)と庫外空間とを繋ぐ排気通路(46a)と、排気通路(46a)に接続された排気弁(46b)と、排気通路(46a)の流入端部(庫内側端部)に設けられたメンブレンフィルタ(46c)とを有している。排気通路(46a)は、ケーシング(12)を内外に貫通するように設けられている。排気弁(46b)は、排気通路(46a)の庫内側に設けられ、排気通路(46a)における空気の流通を許容する開状態と、排気通路(46a)における空気の流通を遮断する閉状態とに切り換わる電磁弁によって構成されている。排気弁(46b)の開閉動作は、制御部(55)によって制御される。
-排気部の運転動作-
庫内ファン(26)の回転の回転中に、制御部(55)によって排気弁(46b)を開くことによって、庫内に繋がる庫内収納空間(S2)の空気(庫内空気)が庫外へ排出される排気動作が行われる。
具体的には、庫内ファン(26)が回転すると、吹出側の2次空間(S22)の圧力が、庫外空間の圧力(大気圧)よりも高くなる。これにより、排気弁(46b)が開状態であるときには、排気通路(46a)の両端部の間で生じる圧力差(庫外空間と2次空間(S22)との間の圧力差)により、庫内に繋がる庫内収納空間(S2)の空気(庫内空気)が排気通路(46a)を通って庫外空間へ排出される。
[センサユニット]
-センサユニットの構成-
図2に示すように、センサユニット(50)は、庫内収納空間(S2)における庫内ファン(26)の吹出側の2次空間(S22)に設けられている。センサユニット(50)は、酸素センサ(51)と、二酸化炭素センサ(52)と、固定プレート(53)と、メンブレンフィルタ(54)と、連絡管(56)と、排気管(57)とを有している。
酸素センサ(51)は、内部にガルバニ電池式センサが収容された酸素センサボックス(51a)を有している。酸素センサ(51)は、ガルバニ電池式センサの電解液に流れる電流値を計測することによって、酸素センサボックス(51a)内の気体中の酸素濃度を測定する。酸素センサボックス(51a)は、固定プレート(53)に固定されている。酸素センサボックス(51a)の外面には開口が形成され、該開口には通気性と防水性を有するメンブレンフィルタ(54)が取り付けられている。また、酸素センサボックス(51a)には、連絡管(56)の一端が連結されている。さらに、酸素センサボックス(51a)には、上述した測定ユニット(80)の分岐管(81)が連結されている。
二酸化炭素センサ(52)は、二酸化炭素センサボックス(52a)を有し、二酸化炭素センサボックス(52a)内の気体に赤外線を放射し、二酸化炭素に固有の波長の赤外線の吸収量を計測することによって気体中の二酸化炭素濃度を測定する非分散型赤外線方式(NDIR:non dispersive infrared)のセンサである。二酸化炭素センサボックス(52a)には、連絡管(56)の他端が連結されている。また、二酸化炭素センサボックス(52a)には、排気管(57)の一端が連結されている。
固定プレート(53)は、酸素センサ(51)と二酸化炭素センサ(52)とが取り付けられた状態で、ケーシング(12)に固定されている。
連絡管(56)は、上述のように、酸素センサボックス(51a)と二酸化炭素センサボックス(52a)とに連結され、酸素センサボックス(51a)の内部空間と二酸化炭素センサボックス(52a)の内部空間とを連通させている。
排気管(57)は、上述のように、一端が二酸化炭素センサボックス(52a)に連結され、他端が庫内ファン(26)の吸込口の近傍において開口している。つまり、排気管(57)は、二酸化炭素センサボックス(52a)の内部空間と庫内収納空間(S2)の1次空間(S21)とを連通させている。
-濃度測定動作-
上述のように、庫内収納空間(S2)の2次空間(S22)と1次空間(S21)とは、メンブレンフィルタ(54)、酸素センサボックス(51a)の内部空間、連絡管(56)、二酸化炭素センサボックス(52a)の内部空間、及び排気管(57))によって形成される空気通路(58)を介して連通している。そのため、庫内ファン(26)の運転中には、1次空間(S21)の圧力が、2次空間(S22)の圧力よりも低くなる。この圧力差により、酸素センサ(51)と二酸化炭素センサ(52)とが接続された空気通路(58)において、2次空間(S22)側から1次空間(S21)側へ庫内空気が流れる。このようにして、庫内空気が酸素センサ(51)と二酸化炭素センサ(52)とを順に通過し、酸素センサ(51)において庫内空気の酸素濃度が測定され、二酸化炭素センサ(52)において庫内空気の二酸化炭素濃度が測定される。
[制御部]
制御部(55)は、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度及び二酸化炭素濃度を所望の濃度にする濃度調節運転を実行するように構成されている。具体的には、制御部(55)は、酸素センサ(51)及び二酸化炭素センサ(52)の測定結果に基づいて、コンテナ(11)の庫内空気の組成(酸素濃度及び二酸化炭素濃度)が所望の組成(例えば、酸素濃度5%、二酸化炭素濃度5%)になるように、ガス供給装置(30)及び排気部(46)の動作を制御する。
制御部(55)は、濃度調節運転において、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度に応じて、制御モードを切り換えるように構成されている。具体的には、制御部(55)は、酸素濃度低下モードで濃度調節運転を開始し、該酸素濃度低下モード中にコンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO以下になると空気組成調整モードに切り換え、該空気組成調整モード中にコンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPOに所定濃度V(本実施形態では、1.0%)を加えた上限濃度以上になると酸素濃度低下モードに戻すように構成されている。各制御モードの詳細については後述する。
本実施形態では、制御部(55)は、CA装置(60)の各要素を本願で開示するように制御するマイクロコンピュータと、実施可能な制御プログラムが記憶されたメモリやハードディスク等とを含んでいる。なお、上記制御部(55)は、CA装置(60)の制御部の一例であり、制御部(55)の詳細な構造やアルゴリズムは、本発明に係る機能を実行するどのようなハードウェアとソフトウェアとの組み合わせであってもよい。
-運転動作-
〈冷媒回路の運転動作〉
本実施形態では、図3に示すユニット制御部(100)によって、コンテナ(11)の庫内空気を冷却する冷却運転が実行される。
冷却運転では、ユニット制御部(100)によって、圧縮機(21)、膨張弁(23)、庫外ファン(25)及び庫内ファン(26)の動作が、図示しない温度センサの測定結果に基づいて庫内空気の温度が所望の目標温度になるように制御される。このとき、冷媒回路(20)では、冷媒が循環して蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる。そして、庫内ファン(26)によって庫内収納空間(S2)へ導かれたコンテナ(11)の庫内空気が、蒸発器(24)を通過する際に該蒸発器(24)の内部を流れる冷媒によって冷却される。蒸発器(24)において冷却された庫内空気は、床下流路(19a)を通って吹出口(18b)から再びコンテナ(11)の庫内へ吹き出される。これにより、コンテナ(11)の庫内空気が冷却される。
〈濃度調節運転〉
また、本実施形態では、図4に示す制御部(55)によって、CA装置(60)が、コンテナ(11)の庫内空気の組成(酸素濃度及び二酸化炭素濃度)を所望の組成(例えば、酸素濃度5%、二酸化炭素濃度5%)に調節する濃度調節運転を行う。濃度調節運転では、制御部(55)によって、酸素濃度低下モードと空気組成調整モードとが行われる。
具体的には、制御部(55)は、酸素濃度低下モードで濃度調節運転を開始し、該酸素濃度低下モード中にコンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO以下になると空気組成調整モードに切り換え、該空気組成調整モード中にコンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPOに所定濃度V(本実施形態では、1.0%)を加えた濃度以上になると酸素濃度低下モードに戻す。以下、酸素濃度低下モードと空気組成調整モードについて詳述する。
なお、濃度調節運転中は、いずれのモード中であっても、制御部(55)は、測定用開閉弁(82)を閉状態に制御し、ユニット制御部(100)と通信して庫内ファン(26)を回転させ、庫内と庫内収納空間(S2)との間において庫内空気を循環させる。これにより、庫内収納空間(S2)に設けられた酸素センサ(51)及び二酸化炭素センサ(52)に庫内空気が供給され、庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度とが測定される。
[酸素濃度低下モード]
上述のように、酸素濃度低下モードでは、制御部(55)は、基本的には、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度を目標酸素濃度SPO(本実施形態では、5.0%)まで低下させるために、ガス供給装置(30)において標準モードの酸素濃度5%モードでガス供給動作を行わせる一方、排気部(46)において排気動作を行わせる。これにより、平均窒素濃度95%、平均酸素濃度5%の窒素濃縮空気が庫内に供給される一方、庫内に窒素濃縮空気が供給された分だけ庫内空気が庫外へ排出される。なお、外気から生成される窒素濃縮空気の二酸化炭素濃度は、外気の二酸化炭素濃度と同等であり、0.03%程度である。そのため、庫内の外気が窒素濃縮空気に置換されることにより、庫内空気の酸素濃度が低下していく。
ところで、植物(15)の積載量が多い場合や庫内空気の酸素濃度があまり低下していないガス供給動作の開始当初には、植物(15)の呼吸量が多いため、庫内空気の二酸化炭素濃度の上昇速度が速い。庫内に窒素濃縮空気を供給すると、その分だけ庫内空気が庫外へ排出されるが、ガス供給動作によって二酸化炭素が庫外へ排出される量に対して、植物(15)の呼吸によって二酸化炭素が庫内に放出される量の方が多い場合には、庫内空気の二酸化炭素濃度が徐々に増加することとなる。そのため、ガス供給動作を行って庫内空気の酸素濃度を目標酸素濃度SPOまで低下させていく間に、植物(15)の呼吸によって庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度SPCOを超えることがある。コンテナ(11)に積み込まれた植物(15)が、レタスやバナナのように庫内空気の酸素濃度を低く維持することが好ましいものである場合、植物(15)の鮮度を低下させてしまうおそれがある。
そのため、制御部(55)は、このような庫内空気の二酸化炭素濃度を低く維持することが好ましい植物(15)に対応すべく、上述の標準モード(酸素濃度5%モード)でのガス供給動作によって、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPOまで低下する前に、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度SPCOに到達しそうになると、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度SPCOを超えないように、ガス供給装置(30)の動作モードを切り換えるように構成されている。
具体的には、ガス供給装置(30)を、標準モード(酸素濃度5%モード)で動作させて庫内空気の酸素濃度を低下させる際に、庫内に積載された植物(15)の呼吸によって庫内空気の二酸化炭素濃度が外気の二酸化炭素濃度(0.03%)よりも高く目標二酸化炭素濃度SPCO(5%)未満のの第1高濃度(本実施形態では、4.5%)まで上昇すると、ガス供給装置(30)が庫内に供給する窒素濃縮空気の酸素濃度を一段階上げる増量制御を行う。
増量制御は、本実施形態では、ガス供給装置(30)の動作モードを、上述の標準モード(酸素濃度5%モード)から増量モード(酸素濃度8%モード)に切り換えることによって行われる。これにより、標準モード(酸素濃度5%モード)において排気されていた比較的酸素濃度の高い第1動作及び第2動作の初期の窒素濃縮空気も庫内に供給することにより、庫内に供給するガス供給量が増量する。
増量制御によって庫内へのガス供給量が増えると、排気部(46)による庫内空気の排出量も増えるため、庫内からの二酸化炭素の排出量が増えることとなる。これにより、増量制御後の増量モード(酸素濃度8%モード)のガス供給動作に伴って庫外へ排出される二酸化炭素の排出量が、植物(15)の呼吸による二酸化炭素の増加量を上回ると、庫内空気の二酸化炭素濃度が上昇せずに低下することとなる。また、増量モード(酸素濃度8%モード)のガス供給動作に伴って庫外へ排出される二酸化炭素の排出量が、植物(15)の呼吸による二酸化炭素の増加量を下回っても、増量制御によって二酸化炭素の排出量が増えることにより、庫内空気の二酸化炭素濃度の上昇速度が低下し、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度SPCOに到達し難くなる。
また、上述の増量制御によって庫内へのガス供給量を増加させても植物(15)の呼吸量が依然として多いために、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPOまで低下する前に、庫内空気の二酸化炭素濃度が第1高濃度(4.5%)からさらに上昇して目標二酸化炭素濃度SPCO(5%)に到達してしまう場合がある。このような場合には、制御部(55)は、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度SPCOを超えないように、ガス供給装置(30)の動作モードを切り換えるように構成されている。
具体的には、増量制御の後、即ち、ガス供給装置(30)に増量モード(酸素濃度8%モード)のガス供給動作を行わせて庫内空気の酸素濃度を低下させる際に、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPOまで低下するまでの間に、庫内空気の二酸化炭素濃度が第1高濃度(4.5%)からさらに上昇して目標二酸化炭素濃度SPCO(5%)に到達すると、ガス供給装置(30)の動作モードを、増量モードから外気充填モードに切り換え、ガス供給装置(30)に庫内に外気を導入する外気導入動作を行わせることとしている。つまり、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPOより高い場合には、庫内に酸素濃度が低い窒素濃縮空気を供給して庫内空気の酸素濃度を低下させたいところ、ガス供給装置(30)が庫内へ供給するガスとしてガス供給量が最も多い外気を選択して庫内から排出される庫内空気の排出量を最大にすることで、庫内空気の二酸化炭素濃度が速やかに低下するようにして庫内空気の二酸化炭素濃度がそれ以上上昇しないように抑制している。このように、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度SPCO(5%)に到達してしまった場合には、ガス供給装置(30)に外気導入動作を行わせることで、庫内空気の酸素濃度を低下させることよりも庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度SPCO(5%)を超えてしまわないようにすることを優先させている。
一方、上述の増量制御によって庫内へのガス供給量を増加させることにより、庫内からの二酸化炭素の排出量が植物(15)の呼吸による二酸化炭素の増加量を上回るようになると、庫内空気の二酸化炭素濃度は徐々に低下する。そして、その二酸化炭素濃度の低下速度が速い場合、庫内空気の二酸化炭素濃度が下限値(本実施形態では、4%)まで低下してしまう場合がある。庫内空気の二酸化炭素濃度が低くなりすぎると、庫内の植物(15)が変色したり、鮮度が低下したりするおそれがある。
そこで、制御部(55)は、増量制御の後、庫内空気の二酸化炭素濃度が下限値(4%)まで低下すると、ガス供給装置(30)に増量制御以前のガス供給動作を行わせることとしている。つまり、ガス供給装置(30)の動作モードを、増量モード(酸素濃度8%モード)又は外気充填モードから標準モード(酸素濃度5%モード)に戻すこととしている。このように、ガス供給装置(30)によって庫内に供給されるガス供給量を、増量制御以前の比較的少ない供給量に戻すことにより、庫内から排出される庫内空気の排出量が減り、庫内からの二酸化炭素の排出量が植物(15)の呼吸による二酸化炭素の増加量を下回る元の状態となる。つまり、庫内空気の二酸化炭素濃度が下限値(4%)を下回ることなく上昇することとなる。
以上のような制御により、酸素濃度低下モードでは、庫内空気の二酸化炭素濃度を下限値(4%)以上で目標二酸化炭素濃度SPCO(5%)以下の範囲内に維持しつつ、庫内空気の酸素濃度を目標酸素濃度SPO(5%)まで低下させる。そして、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO(5%)まで低下すると、制御部(55)は、酸素濃度低下モードを終了する。具体的には、制御部(55)は、エアポンプ(31)を止めてガス供給装置(30)の動作を停止させ、排気弁(46b)を閉じて排気部(46)による排気動作を停止させる。
[空気組成調整モード]
《酸素濃度の調整》
空気組成調整モードでは、制御部(55)は、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO(5%)よりも所定濃度X(例えば、0.5%)だけ低い下限値(4.5%)を下回ると、ガス供給装置(30)に標準モード(酸素濃度5%モード)でガス供給動作を行わせると共に、排気部(46)に排気動作を行わせる。このようなガス供給動作と排気動作とにより、庫内空気が該庫内空気よりも酸素濃度の高い窒素濃縮空気(例えば、平均酸素濃度5%)に置換されるため、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が上昇する。
制御部(55)は、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO(5%)よりも所定濃度X(例えば、0.5%)だけ高い値(5.5%)以上になると、ガス供給動作と排気動作とを停止する。
なお、庫内空気の酸素濃度の調節は、ガス供給装置(30)に増量モード(酸素濃度8%モード)でガス供給動作を行わせると共に、排気部(46)に排気動作を行わせることとしてもよい。この場合、庫内空気が平均酸素濃度8%の窒素濃縮空気に置換されるため、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が速やかに上昇する。また、庫内空気の酸素濃度の調節は、ガス供給装置(30)に外気充填モードで外気導入動作を行わせると共に、排気部(46)に排気動作を行わせることとしてもよい。この場合、庫内空気が酸素濃度21%の外気に置換されるため、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が急速に上昇する。
《二酸化炭素濃度の調整》
また、空気組成調整モードにおいて、制御部(55)は、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度SPCO(5%)よりも所定濃度Y(例えば、0.5%)だけ高い上限値(5.5%)以上になると、ガス供給装置(30)に標準モード(酸素濃度5%モード)でガス供給動作を行わせると共に、排気部(46)に排気動作を行わせる。これにより、庫内空気が二酸化炭素濃度0.03%の窒素濃縮空気に置換されるため、コンテナ(11)の庫内空気の二酸化炭素濃度が低下する。
制御部(55)は、庫内空気の二酸化炭素濃度が、目標二酸化炭素濃度SPCO(5%)よりも所定濃度Y(例えば、0.5%)だけ低い値(4.5%)未満になると、ガス供給動作と排気動作とを停止する。
なお、庫内空気の二酸化炭素濃度の調節は、ガス供給装置(30)に増量モード(酸素濃度8%モード)でガス供給動作を行わせると共に、排気部(46)に排気動作を行わせることとしてもよい。この場合、ガス供給装置(30)に標準モード(酸素濃度5%モード)でガス供給動作を行わせる場合に比べてガス供給量が増えるため、庫内空気が速やかに二酸化炭素濃度0.03%の窒素濃縮空気に置換され、コンテナ(11)の庫内空気の二酸化炭素濃度が速やかに低下する。また、庫内空気の二酸化炭素濃度の調節は、ガス供給装置(30)に外気充填モードで外気導入動作を行わせると共に、排気部(46)に排気動作を行わせることとしてもよい。この場合、ガス供給装置(30)にガス供給動作を行わせる場合に比べてガス供給量が増える(増量モードのガス供給量よりも増える)ため、庫内空気が急速に二酸化炭素濃度0.03%の外気に置換され、コンテナ(11)の庫内空気の二酸化炭素濃度が急速に低下する。
〈酸素濃度低下モードの制御例〉
以下、酸素濃度低下モードにおける制御の一例について説明する。なお、一例として、目標酸素濃度SPOが5%、目標二酸化炭素濃度SPCOが5%、増量制御の指標となる第1高濃度が4.5%、庫内空気の二酸化炭素濃度の下限値が4.0%である例について説明する。
図12に示すように、コンテナ(11)の庫内へ植物(15)が積み込まれた後、CA装置(60)の電源がON状態に切り換えられ、濃度調節運転が開始される。このとき、コンテナ(11)の庫内空気はほぼ外気と同等の組成であり、酸素濃度21%、二酸化炭素濃度0.03%である。
CA装置(60)は、まず、ガス供給装置(30)において標準モードの酸素濃度5%モードでガス供給動作を行わせる一方、排気部(46)において排気動作を行わせる。これにより、庫内の外気と同等の組成の空気が、徐々に平均酸素濃度5%の窒素濃縮空気に置換され、庫内空気の酸素濃度が低下していく(図12の始点→点A’)。
一方、庫内に積み込まれた植物(15)の呼吸により、庫内空気の二酸化炭素濃度は上昇していく(図12の始点→点A)。ここで、植物(15)の呼吸量が多い場合、庫内空気の二酸化炭素の上昇速度が速く、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPOに到達するまでの間に、庫内空気の二酸化炭素濃度が、外気の二酸化炭素濃度(0.03%)よりも高く目標二酸化炭素濃度SPCO未満の第1高濃度(4.5%)に到達すると(点A)、制御部(55)は、ガス供給装置(30)が庫内に供給する窒素濃縮空気の酸素濃度を一段階上げる増量制御を行う。
具体的には、制御部(55)は、ガス供給装置(30)の動作モードを、標準モード(酸素濃度5%モード)から増量モード(酸素濃度8%モード)に切り換える。これにより、標準モード(酸素濃度5%モード)において排気されていた比較的酸素濃度の高い第1動作及び第2動作の初期の窒素濃縮空気も庫内に供給されるため、庫内へのガス供給量が増える。
増量制御によって庫内へのガス供給量が増えると、排気部(46)による庫内空気の排出量も増える。これにより、庫内からの二酸化炭素の排出量が増えるため、庫内空気の二酸化炭素濃度の上昇速度が増量制御前よりも低下する(点A→点B)。なお、増量制御によって、ガス供給装置(30)の動作モードを切り換えても、比較的酸素濃度の高い庫内空気が徐々に平均酸素濃度8%の窒素濃縮空気に置換されることにより、庫内空気の酸素濃度は低下していく(点A’→点B’)。
上記増量制御によってガス供給装置(30)の動作モードを切り換えて庫内へのガス供給量を増加させても、植物(15)の呼吸量が依然として多い場合、庫内空気の二酸化炭素濃度が第1高濃度(4.5%)からさらに上昇してしまう(点A→点B)。そして、増量制御の後、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPOまで低下する前に庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度SPCO(5%)に到達してしまうと、制御部(55)は、ガス供給装置(30)の動作モードを、増量モード(酸素濃度8%モード)から外気充填モードに切り換える。これにより、ガス供給装置(30)が庫内に外気を導入する外気導入動作を行う。外気導入動作では、エアポンプ(31)に取り込んだ全ての外気を庫外に排出することなく庫内に供給するため、取り込んだ外気から窒素濃縮空気と酸素濃縮空気とを生成し、酸素濃縮空気を庫外へ排出するガス供給動作に比べて、庫内へのガス供給量が格段に増えることとなる。
ガス供給装置(30)の動作モードを増量モード(酸素濃度8%モード)から外気充填モードに切り換えることによって庫内へのガス供給量が格段に増えると、庫内から排出される庫内空気の排出量が格段に増える。その結果、庫内からの二酸化炭素の排出量が植物(15)の呼吸による二酸化炭素の増加量を上回り、庫内空気の二酸化炭素濃度が徐々に低下していく(点B→点C)。このとき、外気充填動作と排気動作とにより、ある程度酸素濃度が低下した庫内空気が、酸素濃度21%の外気に置換されていくため、庫内空気の酸素濃度は上昇する(点B’→点C’)。
やがて、外気充填モードによって庫内空気の二酸化炭素濃度が徐々に低下し、下限値(本実施形態では、4%)まで低下すると、制御部(55)は、ガス供給装置(30)の動作モードを、外気充填モードから標準モード(酸素濃度5%モード)に戻す。これにより、庫内へのガス供給量が格段に減る分、庫内空気の排出量も減ることとなる。これにより、二酸化炭素の排出量が植物(15)の呼吸による二酸化炭素の増加量を下回る元の状態となり、庫内空気の二酸化炭素濃度が下限値(4%)を下回ることなく上昇する(点C→点D)。このとき、庫内にはガス供給動作によって平均酸素濃度5%の窒素濃縮空気が供給されて庫内空気が窒素濃縮空気に置換されていくため、庫内空気の酸素濃度が再び低下する(点C’→点D’)。
そして、この標準モードにおいて、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPOに到達するまでの間に、庫内空気の二酸化炭素濃度が、再び、第1高濃度(4.5%)に到達すると(点D)、制御部(55)は、ガス供給装置(30)が庫内に供給する窒素濃縮空気の酸素濃度を一段階上げる増量制御を行う。
具体的には、制御部(55)は、ガス供給装置(30)の動作モードを、標準モード(酸素濃度5%モード)から増量モード(酸素濃度8%モード)に切り換える。これにより、標準モード(酸素濃度5%モード)において排気されていた比較的酸素濃度の高い第1動作及び第2動作の初期の窒素濃縮空気も庫内に供給されるため、庫内へのガス供給量が増える。
増量制御によって庫内へのガス供給量が増えると、排気部(46)による庫内空気の排出量も増える。これにより、庫内からの二酸化炭素の排出量が増えるため、庫内空気の二酸化炭素濃度の上昇速度が増量制御前よりも低下する(点D→点E)。なお、増量制御によって、ガス供給装置(30)の動作モードを切り換えても、比較的酸素濃度の高い庫内空気が徐々に平均酸素濃度8%の窒素濃縮空気に置換されることにより、庫内空気の酸素濃度は低下していく(点D’→点F’)。
ところで、植物(15)の呼吸量は、庫内空気の酸素濃度の低下に伴って減る。そのため、増量モード(酸素濃度8%モード)でのガス供給動作に伴う庫内からの二酸化炭素の排出量が、植物(15)の呼吸による庫内における二酸化炭素の増加量を上回ると、庫内空気の二酸化炭素濃度が低下し始める(点E→点F)。
やがて、庫内空気の二酸化炭素濃度が再び下限値(本実施形態では、4%)まで低下すると、制御部(55)は、ガス供給装置(30)の動作モードを、増量モード(酸素濃度8%モード)から標準モード(酸素濃度5%モード)に戻す。これにより、二酸化炭素の庫外への排出量が減って植物(15)の呼吸による二酸化炭素の増加量を下回り、庫内空気の二酸化炭素濃度が下限値(4%)を下回ることなく上昇することとなる(点F→点G)。このとき、庫内にはガス供給動作によって平均酸素濃度5%の窒素濃縮空気が供給されて庫内空気が窒素濃縮空気に置換されていくため、庫内空気の酸素濃度は依然として低下する(点F’→点H’)。
庫内空気の酸素濃度がある程度低下すると、標準モード(酸素濃度5%モード)でのガス供給動作に伴う庫内からの二酸化炭素の排出量が、植物(15)の呼吸による庫内における二酸化炭素の増加量を上回り、庫内空気の二酸化炭素濃度は緩やかに低下し始める(点G→点H)。
このような制御が、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO(5%)に到達するまで繰り返され、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO(5%)に到達すると(点H’)、エアポンプ(31)を止めてガス供給装置(30)の動作を停止させ、排気弁(46b)を閉じて排気部(46)による排気動作を停止させ、酸素濃度低下モードを終了する(点H、点H’)。
このような制御により、上述の酸素濃度低下モードでは、庫内空気の二酸化炭素濃度が下限値(4%)以上で目標二酸化炭素濃度SPCO(5%)以下の範囲内に維持されながら、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO(5%)まで低下することとなる。
-実施形態1の効果-
以上のように、本実施形態1によれば、ガス供給装置(30)にガス供給動作を行わせて庫内空気の酸素濃度を目標酸素濃度SPO(5%)まで低下させる際に、植物(15)の呼吸によって庫内空気の二酸化炭素濃度が上昇し、外気の二酸化炭素濃度を超えて目標二酸化炭素濃度SPCO(5%)未満の所定の第1高濃度(4.5%)に達すると、ガス供給装置(30)が庫内に供給する窒素濃縮空気の酸素濃度を一段階上げる増量制御を行うようにした。この増量制御により、庫内に供給される窒素濃縮空気の供給量が増え、同時に、庫外へ排出される庫内空気の排出量も増える。窒素濃縮空気の二酸化炭素濃度は外気の二酸化炭素濃度と同等(0.03%)で低いため、増量制御によって二酸化炭素濃度の高い庫内空気の庫外への排出量を増やすことにより、庫内空気の二酸化炭素濃度の上昇を抑制することができる。具体的には、増量制御後のガス供給動作(酸素濃度8%モードのガス供給動作)による二酸化炭素の排出量が、植物(15)の呼吸による二酸化炭素の増加量を上回った場合には、庫内空気の二酸化炭素濃度が上昇することなく低下するため、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度SPCO(5%)を越えない。一方、増量制御後のガス供給動作(酸素濃度8%モードのガス供給動作)による二酸化炭素の排出量が、植物(15)の呼吸による二酸化炭素の増加量を下回った場合であっても、増量制御によって二酸化炭素の排出量が増えることにより、庫内空気の二酸化炭素濃度の上昇速度が低下するため、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度SPCO(5%)に到達し難くなる。従って、いずれの場合にも、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO(5%)まで低下する前に、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度SPCO(5%)を超えてしまわないように二酸化炭素濃度の上昇を抑制することができる。
また、本実施形態1によれば、増量制御によって庫内空気の二酸化炭素濃度の上昇速度が低下しても、植物(15)の呼吸量が多いために、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO(5%)まで低下する前に、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度SPCO(5%)まで上昇してしまった場合に、ガス供給装置(30)に外気導入動作を行わせて庫内に外気を導入することとした。このようにガス供給装置(30)が庫内へ供給するガスとしてガス供給量が最も多くなる外気を選択して庫内から排出される庫内空気の排出量を最大にすることで、庫内空気の二酸化炭素濃度が速やかに低下するようにした。これにより、目標二酸化炭素濃度SPCO(5%)まで上昇した庫内空気の二酸化炭素濃度がそれ以上上昇しないように抑制することができる。このように庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度SPCO(5%)まで上昇してしまった場合には、ガス供給装置(30)に外気導入動作を行わせることで、酸素濃度の低い窒素濃縮空気を庫内に供給して庫内空気の酸素濃度を低下させることよりも、酸素濃度が高くてもガス供給量が最大の外気を庫内に供給することにより、庫内から二酸化炭素が迅速に大量に排出されるようにすることを優先させることで、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度SPCO(5%)を超えないようにすることができる。従って、コンテナ(11)内の植物(15)が、庫内空気の二酸化炭素濃度が高すぎるために変色したり、鮮度が低下したりすることを防止することができる。
また、実施形態1によれば、増量制御によって庫内空気の二酸化炭素濃度が徐々に低下するようになり、その低下速度が速く、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO(5%)まで低下する前に、庫内空気の二酸化炭素濃度が下限値(4%)まで低下してしまった場合に、ガス供給装置(30)に増量制御以前のガス供給動作(酸素濃度5%モードのガス供給動作)を行わせることとした。つまり、ガス供給装置(30)によって庫内に供給されるガス供給量を、増量制御以前の比較的少ない供給量に戻すことにした。このようにして、二酸化炭素の排出量が植物(15)の呼吸による二酸化炭素の増加量を下回る元の状態に戻すことで、庫内空気の二酸化炭素濃度を上昇させて下限値(4%)を下回らないようにすることができる。従って、コンテナ(11)内の植物(15)が、庫内空気の二酸化炭素濃度が低すぎるために変色したり、鮮度が低下したりすることを防止することができる。
また、実施形態1によれば、庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度SPCO以下の濃度に維持しながら庫内空気の酸素濃度を低下させることができるCA装置(庫内空気調節装置)(60)を備えたコンテナ用冷凍装置(10)を提供することができる。
《本発明の実施形態2》
実施形態2は、実施形態1においてガス供給装置(30)の構成及び濃度調節運転の酸素濃度低下モードにおける制御を一部変更したものである。以下では、実施形態1と異なる部分を説明し、同様の部分については説明を省略する。
実施形態2では、ガス供給装置(30)は、4つの動作モードを実行可能に構成されている。具体的には、ガス供給装置(30)は、実施形態で実行可能に構成されていた3つの動作モード(酸素濃度5%モード、酸素濃度8%モード、外気導入モード)に加え、図13に示す酸素濃度3%モードが実行可能に構成されている。つまり、実施形態2では、ガス供給装置(30)は、コンテナ(11)の庫内へ供給する窒素濃縮空気の酸素濃度を3段階(酸素濃度3%、酸素濃度5%、酸素濃度8%)に変更可能に構成されている。
《酸素濃度3%モード》
酸素濃度3%モードは、図13に示すように、酸素濃度5%モード(図10を参照)において、ガス排出動作を行う動作時間(窒素濃縮空気の排出時間)を長くした(7秒にした)ものである。つまり、酸素濃度3%モードでは、図13に示すように、制御部(55)は、第1動作及び第2動作の初期の所定時間の間(各動作の開始時から7秒経過するまでの間)、排気用開閉弁(72)を開状態、供給側開閉弁(73)を閉状態に制御して、ガス供給装置(30)にガス供給動作を行わせずにガス排出動作を行わせる。つまり、上記ガス生成動作によって生成される窒素濃縮空気のうち、比較的酸素濃度の高い窒素濃縮空気をコンテナ(11)の庫内に供給せずに庫外へ排出する。そして、上記所定時間の終了後(ガス排出動作の終了後)、制御部(55)は、排気用開閉弁(72)を閉状態、供給側開閉弁(73)を開状態に制御して、ガス供給装置(30)にガス供給動作を行わせる。つまり、上記ガス生成動作によって生成された窒素濃縮空気のうち、比較的酸素濃度の低い窒素濃縮空気をコンテナ(11)の庫内に供給する。
なお、酸素濃度3%モードは、ガス排出動作を行う動作時間が酸素濃度5%モードよりも長いため、コンテナ(11)の庫内には、平均窒素濃度(第1動作及び第2動作の各動作において、庫内に供給される窒素濃縮空気の酸素濃度の平均値)が97%、平均酸素濃度(第1動作及び第2動作の各動作において、庫内に供給される窒素濃縮空気の窒素濃度の平均値)が3%の酸素濃度5%モードよりも酸素濃度の低い窒素濃縮空気が供給されることとなる。また、酸素濃度3%モードは、酸素濃度5%モードよりもガス排出量が多くなるため、庫内へのガス供給量が酸素濃度5%モードよりも少なくなる。
以上のようなガス供給装置(30)により、酸素濃度3%モード、酸素濃度5%モード及び酸素濃度8%モードによる3つのガス供給動作と、外気導入モードによる外気導入動作とが実行可能になる。そして、4つの動作モードにおいて、庫内に供給されるガスの酸素濃度は、「酸素濃度3%モード<酸素濃度5%モード<酸素濃度8%モード<外気導入モード」となり、庫内へのガス供給量も「酸素濃度3%モード<酸素濃度5%モード<酸素濃度8%モード<外気導入モード」となる。
なお、実施形態2では、酸素濃度3%モードを標準モードとし、酸素濃度5%モードが標準モードよりもガス供給量の多い第1増量モード、酸素濃度8%モードが増量モードよりもガス供給量の多い第2増量モードに設定されている。その他の構成は、実施形態1と同様である。
[酸素濃度低下モード]
実施形態2では、目標酸素濃度SPOが3%、目標二酸化炭素濃度SPCOが5%である場合について説明する。
制御部(55)は、基本的には、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度を目標酸素濃度SPO(本実施形態2では、3.0%)まで低下させるために、ガス供給装置(30)において標準モードの酸素濃度3%モードでガス供給動作を行わせる一方、排気部(46)において排気動作を行わせる。これにより、平均窒素濃度97%、平均酸素濃度3%の窒素濃縮空気が庫内に供給される一方、庫内に窒素濃縮空気が供給された分だけ庫内空気が庫外へ排出される。なお、外気から生成される窒素濃縮空気の二酸化炭素濃度は、外気の二酸化炭素濃度と同等であり、0.03%程度である。そのため、庫内の外気が窒素濃縮空気に置換されることにより、庫内空気の酸素濃度が低下していく。
実施形態2においても、制御部(55)は、上述の標準モード(酸素濃度3%モード)でのガス供給動作によって、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPOまで低下する前に、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度SPCOに到達しそうになると、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度SPCOを超えないように、ガス供給装置(30)の動作モードを切り換えるように構成されている。
具体的には、ガス供給装置(30)を、標準モード(酸素濃度3%モード)で動作させて庫内空気の酸素濃度を低下させる際に、庫内に積載された植物(15)の呼吸によって庫内空気の二酸化炭素濃度が外気の二酸化炭素濃度(0.03%)よりも高く目標二酸化炭素濃度SPCO(5%)未満のの第1高濃度(本実施形態では、4.5%)まで上昇すると、ガス供給装置(30)が庫内に供給する窒素濃縮空気の酸素濃度を一段階上げる増量制御を行う。
増量制御は、本実施形態では、ガス供給装置(30)の動作モードを、上述の標準モード(酸素濃度3%モード)から第1増量モード(酸素濃度5%モード)に切り換えることによって行われる。これにより、ガス供給量が増量し、これに伴って庫内空気の排出量が増えて庫内からの二酸化炭素の排出量が増えることとなる。よって、増量制御後の第1増量モード(酸素濃度5%モード)のガス供給動作に伴って庫外へ排出される二酸化炭素の排出量が、植物(15)の呼吸による二酸化炭素の増加量を上回ると、庫内空気の二酸化炭素濃度が上昇することなく低下することとなる。また、第1増量モード(酸素濃度5%モード)のガス供給動作に伴って庫外へ排出される二酸化炭素の排出量が、植物(15)の呼吸による二酸化炭素の増加量を下回っても、増量制御によって二酸化炭素の排出量が増えることにより、庫内空気の二酸化炭素濃度の上昇速度が低下することとなる。よって、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度SPCOに到達し難くなる。
また、実施形態2では、上述の増量制御によって庫内へのガス供給量を増加させても植物(15)の呼吸量が依然として多いために、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPOまで低下する前に、庫内空気の二酸化炭素濃度が第1高濃度(4.5%)からさらに上昇して第2高濃度(4.8%)に到達すると、制御部(55)は、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度SPCOを超えないように、ガス供給装置(30)が庫内に供給する窒素濃縮空気の酸素濃度をさらに一段階上げる再増量制御を行う。
再増量制御は、ガス供給装置(30)の動作モードを、第1増量モード(酸素濃度5%モード)から第2増量モード(酸素濃度8%モード)に切り換えることによって行われる。これにより、ガス供給量がさらに増量し、これに伴って庫内空気の排出量がさらに増えることとなる。よって、再増量制御後の第2増量モード(酸素濃度8%モード)のガス供給動作に伴って庫外へ排出される二酸化炭素の排出量が、植物(15)の呼吸による二酸化炭素の増加量を上回ると、庫内空気の二酸化炭素濃度が上昇することなく低下することとなる。また、第2増量モード(酸素濃度8%モード)のガス供給動作に伴って庫外へ排出される二酸化炭素の排出量が、植物(15)の呼吸による二酸化炭素の増加量を下回っても、再増量制御によって二酸化炭素の排出量が増えることにより、庫内空気の二酸化炭素濃度の上昇速度がさらに低下することとなる。よって、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度SPCOに到達し難くなる。
そして、上述の再増量制御によって庫内へのガス供給量を増加させても植物(15)の呼吸量が依然として多いために、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPOまで低下する前に、庫内空気の二酸化炭素濃度が第2高濃度(4.8%)からさらに上昇して目標二酸化炭素濃度SPCO(5%)に到達してしまう場合がある。このような場合には、制御部(55)は、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度SPCOを超えないように、ガス供給装置(30)の動作モードを切り換えるように構成されている。
具体的には、再増量制御の後、即ち、ガス供給装置(30)に第2増量モード(酸素濃度8%モード)のガス供給動作を行わせて庫内空気の酸素濃度を低下させる際に、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPOまで低下するまでの間に、庫内空気の二酸化炭素濃度が第2高濃度(4.8%)からさらに上昇して目標二酸化炭素濃度SPCO(5%)に到達すると、ガス供給装置(30)の動作モードを、第2増量モードから外気充填モードに切り換え、ガス供給装置(30)に外気導入動作を行わせて庫内に外気を導入することとしている。つまり、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPOより高い場合には、庫内に酸素濃度が低い窒素濃縮空気を供給して庫内空気の酸素濃度を低下させたいところ、ガス供給装置(30)が庫内へ供給するガスとしてガス供給量が最も多い外気を選択して庫内から排出される庫内空気の排出量を最大にすることで、庫内空気の二酸化炭素濃度が速やかに低下するようにして庫内空気の二酸化炭素濃度がそれ以上上昇しないように抑制している。このように、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度SPCO(5%)に到達してしまった場合には、ガス供給装置(30)に外気導入動作を行わせることで、庫内空気の酸素濃度を低下させることよりも庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度SPCO(5%)を超えてしまわないようにすることを優先させている。
一方、上述の増量制御又は再増量制御によって庫内へのガス供給量を増加させることにより、庫内からの二酸化炭素の排出量が植物(15)の呼吸による二酸化炭素の増加量を上回るようになると、庫内空気の二酸化炭素濃度は徐々に低下する。そして、その二酸化炭素濃度の低下速度が速い場合、庫内空気の二酸化炭素濃度が下限値(本実施形態では、4%)まで低下してしまう場合がある。庫内空気の二酸化炭素濃度が低くなりすぎると、庫内の植物(15)が変色したり、鮮度が低下したりするおそれがある。
このような場合に、制御部(55)は、ガス供給装置(30)に増量制御以前のガス供給動作を行わせることとしている。つまり、ガス供給装置(30)の動作モードを、第1増量モード(酸素濃度5%モード)、第2増量モード(酸素濃度8%モード)又は外気充填モードから標準モード(酸素濃度3%モード)に戻すこととしている。このように、ガス供給装置(30)によって庫内に供給されるガス供給量を、増量制御以前の比較的少ない供給量に戻すことにより、庫内へのガス供給に伴って庫内から排出される二酸化炭素の排出量が減り、二酸化炭素の排出量が植物(15)の呼吸による二酸化炭素の増加量を下回る元の状態となる。つまり、庫内空気の二酸化炭素濃度が下限値(4%)を下回ることなく上昇することとなる。
以上のような制御により、酸素濃度低下モードでは、庫内空気の二酸化炭素濃度を下限値(4%)以上で目標二酸化炭素濃度SPCO(5%)以下の範囲内に維持しつつ、庫内空気の酸素濃度を目標酸素濃度SPO(5%)まで低下させる。そして、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO(5%)まで低下すると、制御部(55)は、酸素濃度低下モードを終了する。
その他の制御は、実施形態1と同様である。このような実施形態2によっても実施形態1と同様の効果を奏することができる。
また、実施形態2によれば、増量制御(酸素濃度3%モード→酸素濃度5%モード)によって庫内空気の二酸化炭素濃度の上昇速度が低下しても、植物(15)の呼吸量が多いために、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO(3%)まで低下する前に、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度SPCO(5%)よりも低い所定の第2高濃度(4.8%)まで上昇してしまった場合に、ガス供給装置(30)が庫内に供給する窒素濃縮空気の酸素濃度をさらに一段階上げる再増量制御(酸素濃度5%モード→酸素濃度8%モード)を行うようにした。つまり、ガス供給装置(30)によって庫内に供給されるガス供給量をさらに増やして庫内空気の排出量をさらに増やすことにより、庫内からの二酸化炭素の排出量を格段に増やすことができる。このような再増量制御によって、庫内空気の二酸化炭素濃度を低下させる、又は庫内空気の二酸化炭素濃度の上昇速度をさらに低下させることにより、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度SPCO(5%)により到達し難くすることができる。従って、コンテナ(11)内の植物(15)が、庫内空気の二酸化炭素濃度が高すぎるために変色したり、鮮度が低下したりすることを防止することができる。
《本発明の実施形態3》
実施形態3は、実施形態1においてガス供給装置(30)の制御部(55)の構成を一部変更し、濃度調節運転の酸素濃度低下モードにおける制御を一部変更したものである。以下では、実施形態1と異なる部分を説明し、同様の部分については説明を省略する。
実施形態3では、制御部(55)は、実施形態1と同様に、酸素濃度低下モードで濃度調節運転を開始するが、その運転開始時に、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度SPCO(5%)以上の所定の第3高濃度(例えば、5.5%)以上の場合には、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO(5.0%)より高い場合であっても、ガス供給装置(30)にガス供給動作を行わせると共に排気部(46)に排気動作を行わせる通常制御を行う前に、ガス供給装置(30)に外気を導入する外気導入動作を行わせると共に排気部(46)に排気動作を行わせる起動時制御を行うように構成されている。また、制御部(33)は、起動時制御の開始後、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度SPCO(5%)以下の所定の低濃度(例えば、5.0%)より低い状態が所定時間ΔT(例えば、10分)継続されると、起動時制御を終了して通常制御を行うように構成されている。
実施形態3の通常制御は、実施形態1の制御とほぼ同様であるが、ガス供給装置(30)の動作モードを増量モードから外気充填モードに切り換えない点が異なる。具体的には、実施形態1では、増量制御の後、庫内空気の二酸化炭素濃度が第1高濃度(4.5%)からさらに上昇して目標二酸化炭素濃度SPCO(5%)に到達すると、ガス供給装置(30)の動作モードを、増量モードから外気充填モードに切り換え、ガス供給装置(30)に庫内に外気を導入する外気導入動作を行わせることとしていたが、実施形態3の通常制御では、この動作が行われない。つまり、増量制御の後、庫内空気の二酸化炭素濃度が下限値(4%)まで低下するまでは、ガス供給装置(30)の動作モードが増量モードに維持される。
なお、その他の構成は実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
上述のような構成により、実施形態3では、制御部(55)は、濃度調節運転の酸素濃度低下モードにおいて、実施形態1の制御のうち、ガス供給装置(30)の動作モードを、標準モード(酸素濃度5%モード)から増量モード(酸素濃度8%モード)に切り換える増量制御と、増量モード(酸素濃度8%モード)から標準モード(酸素濃度5%モード)に戻す制御とのみを行う通常制御を実行する。実施形態3の通常制御では、実施形態1の制御で行っていた増量モード(酸素濃度8%モード)から外気充填モードに切り換える制御と、外気充填モードから標準モード(酸素濃度5%モード)に戻す制御とは行われない。また、実施形態3では、濃度調節運転の運転開始時に、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度SPCO(5%)以上の所定の第3高濃度(例えば、5.5%)以上の場合には、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO(5.0%)より高い場合であっても、上述の通常制御を行う前に起動時制御が行われる。
具体的には、濃度調節運転の運転開始時に庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度SPCO(5%)以上の所定の第3高濃度(例えば、5.5%)以上である場合、制御部(55)は、酸素濃度低下モードにおいて、まず、ガス供給装置(30)の動作モードを外気充填モードにしてガス供給装置(30)に外気を導入する外気導入動作を行わせると共に、排気部(46)に排気動作を行わせる起動時制御を行う。これにより、外気が庫内に供給される一方、庫内に外気が供給された分だけ庫内空気が庫外へ排出される。なお、外気の二酸化炭素濃度は、0.03%程度であるため、二酸化炭素濃度が第3高濃度(例えば、5.5%)以上の庫内空気が外気に置換されることにより、庫内空気の二酸化炭素濃度が低下していく。
そして、制御部(55)は、起動時制御の開始後、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度SPCO(5%)以下の所定の低濃度(例えば、5.0%)より低い状態が所定時間ΔT(例えば、10分)継続されると、起動時制御を終了して上記通常制御を行う。
〈酸素濃度低下モードの制御例〉
以下、実施形態3において通常制御の前に起動時制御が実行される場合の酸素濃度低下モードの制御の一例について説明する。なお、一例として、目標酸素濃度SPOが5%、目標二酸化炭素濃度SPCOが5%、増量制御の指標となる第1高濃度が4.5%、庫内空気の二酸化炭素濃度の下限値が4.0%である例について説明する。
図14に示すように、コンテナ(11)の庫内へ植物(15)が積み込まれた後、CA装置(60)の電源がなかなかON状態に切り換えられず、OFF状態であった場合、庫内に積み込まれた植物(15)の呼吸により、庫内空気の酸素濃度は低下し(図14の始点→点A’)、庫内空気の二酸化炭素濃度は上昇する(図14の始点→点A)。そして、CA装置(60)の電源がON状態に切り換えられ、濃度調節運転が開始される。このとき、コンテナ(11)の庫内空気は、例えば、酸素濃度11%、二酸化炭素濃度10%であるとする。制御部(55)は、運転開始時に、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度SPCO(5%)以上の所定の第3高濃度(例えば、5.5%)以上の10%であることから、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO(5.0%)より高い11%であっても、庫内空気の酸素濃度を低下させる通常制御を行うのではなく、まず、庫内空気の二酸化炭素濃度を低下させる起動時制御を行う。
具体的には、CA装置(60)の制御部(55)は、まず、ガス供給装置(30)において外気充填モードで外気導入動作を行わせる一方、排気部(46)において排気動作を行わせる。外気導入動作では、エアポンプ(31)に取り込んだ全ての外気を庫外に排出することなく庫内に供給するため、取り込んだ外気から窒素濃縮空気と酸素濃縮空気とを生成し、酸素濃縮空気を庫外へ排出するガス供給動作に比べて、庫内へのガス供給量が格段に多い。このようにして多量の外気が庫内に供給されることにより、多量の庫内空気が庫外へ排出される。つまり、二酸化炭素濃度の高い庫内空気が大量に排出され、二酸化炭素濃度が極めて低い外気が大量に庫内に供給されることにより、庫内空気の二酸化炭素濃度が迅速に低下していく(点A→点C)。一方、ある程度酸素濃度が低下した庫内空気が酸素濃度21%の外気に置換されていくため、庫内空気の酸素濃度は上昇する(点A’→点C’)。
なお、上述のように、起動時制御では、庫内空気の酸素濃度を低下させたい場面において、庫内空気の酸素濃度を上昇させてしまうことになるが、庫内空気の二酸化炭素濃度を低く維持することが好ましい植物(15)がコンテナ(11)の庫内に積み込まれている場合、このように酸素濃度の低い窒素濃縮空気を庫内に供給して庫内空気の酸素濃度を低下させることよりも、酸素濃度が高くてもガス供給量が最大の外気を庫内に供給して庫内から二酸化炭素を迅速に大量に排出することを優先させることで、庫内空気の二酸化炭素濃度を迅速に植物(15)の鮮度維持に適した濃度まで低下させることができ、鮮度維持に繋がる。
制御部(55)は、このようにして起動時制御によって庫内空気の二酸化炭素濃度を迅速に低下させ、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度SPCO(5%)以下の所定の低濃度(例えば、5.0%)より低い状態が所定時間ΔT(例えば、10分)継続されると、起動時制御を終了して通常制御を行う(点B→点C)。
CA装置(60)の制御部(55)は、まず、ガス供給装置(30)において標準モードの酸素濃度5%モードでガス供給動作を行わせる一方、排気部(46)において排気動作を行わせる。これにより、起動時制御によって運転開始時よりも酸素濃度が上昇した庫内空気(図14では酸素濃度17%程度)が、徐々に平均酸素濃度5%の窒素濃縮空気に置換され、庫内空気の酸素濃度が低下していく(点C’→点D’)。
一方、庫内に積み込まれた植物(15)の呼吸により、庫内空気の二酸化炭素濃度は上昇していく(点C→点E)。ここで、植物(15)の呼吸量が多い場合、庫内空気の二酸化炭素の上昇速度が速く、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPOに到達するまでの間に、庫内空気の二酸化炭素濃度が、外気の二酸化炭素濃度(0.03%)よりも高く目標二酸化炭素濃度SPCO未満の第1高濃度(4.5%)に到達すると(点D)、制御部(55)は、ガス供給装置(30)が庫内に供給する窒素濃縮空気の酸素濃度を一段階上げる増量制御を行う。
具体的には、制御部(55)は、ガス供給装置(30)の動作モードを、標準モード(酸素濃度5%モード)から増量モード(酸素濃度8%モード)に切り換える。これにより、標準モード(酸素濃度5%モード)において排気されていた比較的酸素濃度の高い第1動作及び第2動作の初期の窒素濃縮空気も庫内に供給されるため、庫内へのガス供給量が増える。
増量制御によって庫内へのガス供給量が増えると、排気部(46)による庫内空気の排出量も増える。これにより、庫内からの二酸化炭素の排出量が増えるため、庫内空気の二酸化炭素濃度の上昇速度が増量制御前よりも低下する(点D→点E)。なお、増量制御によって、ガス供給装置(30)の動作モードを切り換えても、比較的酸素濃度の高い庫内空気が徐々に平均酸素濃度8%の窒素濃縮空気に置換されることにより、庫内空気の酸素濃度は低下していく(点D’→点F’)。
ところで、植物(15)の呼吸量は、庫内空気の酸素濃度の低下に伴って減る。そのため、増量モード(酸素濃度8%モード)でのガス供給動作に伴う庫内からの二酸化炭素の排出量が、植物(15)の呼吸による庫内における二酸化炭素の増加量を上回ると、庫内空気の二酸化炭素濃度が低下し始める(点E→点F)。
やがて、庫内空気の二酸化炭素濃度が下限値(本実施形態では、4%)まで低下すると、制御部(55)は、ガス供給装置(30)の動作モードを、増量モード(酸素濃度8%モード)から標準モード(酸素濃度5%モード)に戻す。これにより、二酸化炭素の庫外への排出量が減って植物(15)の呼吸による二酸化炭素の増加量を下回り、庫内空気の二酸化炭素濃度が下限値(4%)を下回ることなく上昇することとなる(点F→点G)。このとき、庫内にはガス供給動作によって平均酸素濃度5%の窒素濃縮空気が供給されて庫内空気が窒素濃縮空気に置換されていくため、庫内空気の酸素濃度は依然として低下する(点F’→点H’)。
庫内空気の酸素濃度がある程度低下すると、標準モード(酸素濃度5%モード)でのガス供給動作に伴う庫内からの二酸化炭素の排出量が、植物(15)の呼吸による庫内における二酸化炭素の増加量を上回り、庫内空気の二酸化炭素濃度は緩やかに低下し始める(点G→点H)。
このような制御が、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO(5%)に到達するまで繰り返され、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO(5%)に到達すると(点H’)、エアポンプ(31)を止めてガス供給装置(30)の動作を停止させ、排気弁(46b)を閉じて排気部(46)による排気動作を停止させ、酸素濃度低下モードを終了する(点H、点H’)。
このような制御により、上述の酸素濃度低下モードでは、庫内空気の二酸化炭素濃度が下限値(4%)以上で目標二酸化炭素濃度SPCO(5%)以下の範囲内になるように調整されながら、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO(5%)まで低下することとなる。
以上のように、実施形態3によっても、実施形態1と同様の効果を奏することができる。
また、実施形態3によれば、制御部(55)が、ガス供給装置(30)の運転開始時に、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度SPCO(5%)以上の所定の第3高濃度(例えば、5.5%)以上の場合には、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO(5.0%)より高い場合であっても、庫内空気の酸素濃度を低下させるガス供給動作(通常制御)を行う前に、まず、外気導入動作を行わせて庫内空気の二酸化炭素濃度を低下させる起動時制御を行うように構成されている。そのため、庫内空気の二酸化炭素濃度を低く維持することが好ましい植物(15)がコンテナ(11)の庫内に積み込まれている場合、ガス供給装置(30)の運転開始時に、コンテナ(11)の庫内が、庫内空気の二酸化炭素濃度が比較的高く、植物(15)の鮮度維持に不適な環境であっても、起動時制御によって、酸素濃度が高くてもガス供給量が最大の外気を庫内に供給して庫内から二酸化炭素を迅速に大量に排出することで、庫内空気の二酸化炭素濃度を迅速に植物(15)の鮮度維持に適した濃度まで低下させることができる。よって、このように、ガス供給装置(30)の運転開始時に、庫内空気の二酸化炭素濃度が比較的高い場合には、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO(5.0%)より高い場合であっても、庫内空気の酸素濃度を低下させるガス供給動作を行う前に、まず、外気導入動作を行わせて庫内空気の二酸化炭素濃度を低下させる起動時制御を行うことにより、植物(15)の鮮度低下を抑制することができる。
《その他の実施形態》
上記各実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態1,3では、ガス供給装置(30)は、2段階の酸素濃度の窒素濃縮空気を供給可能に構成され、3つの動作モードを実行可能に構成されていた。また、上記実施形態2では、ガス供給装置(30)は、3段階の酸素濃度の窒素濃縮空気を供給可能に構成され、4つの動作モードを実行可能に構成されていた。しかしながら、ガス供給装置(30)は、上記実施形態1~3のものに限られず、4段階以上の段階の酸素濃度の窒素濃縮空気を供給可能に構成され、その段階数に応じた5つ以上の動作モードを実行可能に構成されていてもよい。そして、酸素濃度低下モードにおいて、増量制御及び再増量制御だけでなく、庫内空気の二酸化炭素濃度の上昇に伴ってさらに多段階にガス供給量を増やすようにしてもよい。
一方、上記実施形態1~3では、増量制御又は再増量制御の後、庫内空気の二酸化炭素濃度が下限値(4%)まで低下すると、ガス供給装置(30)の動作モードを増量制御前の標準モードに戻すことでガス供給量を一気に低下させていた。しかしながら、このようなガス供給量の低下も、ガス供給量の増加と同様に段階的に行ってもよい。例えば、増量制御又は再増量制御の後、庫内空気の二酸化炭素濃度が第1項濃度(4.5%)まで低下すると、動作モードを現状の動作モードよりもガス供給量が少なく標準モードよりもガス供給量が多い動作モードに変更し、それでも庫内空気の二酸化炭素濃度が低下して下限値(4%)まで低下した場合に、標準モードに戻すこととしてもよい。
また、上記実施形態3における起動時制御の終了条件は、上述のものに限られない。例えば、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度SPCO(5%)以下の所定の低濃度(例えば、4.0%)より低くなると、起動時制御を終了するようにしてもよい。
また、上記実施形態1~3において説明した空気組成調整モードは、一例であり、上述の制御に限られない。さらに、上記実施形態1~3では、酸素濃度低下モードから空気組成調整モードに切り換えられる際に、制御部(55)は、エアポンプ(31)を止めてガス供給装置(30)の動作を停止させ、排気弁(46b)を閉じて排気部(46)による排気動作を停止させることとしていたが、ガス供給装置(30)の動作及び排気部(46)による排気動作は停止しなくてもよい。
上記実施形態1~3において説明した目標酸素濃度SPO及び目標二酸化炭素濃度SPCOは、一例であり、上述の値に限られない。
また、上記実施形態において説明した第1高濃度、第2高濃度、下限値として示した濃度はあくまで一例であり、本発明に係る第1高濃度、第2高濃度、下限値は、上記各実施形態において示した濃度に限定されない。
また、上記各実施形態では、ガス供給装置(30)において加圧下で窒素成分を吸着する吸着剤を用いて窒素濃縮空気を生成していたが、吸着剤として酸素成分を吸着させる活性炭を用いて窒素濃縮空気を生成することとしてもよい。
上記各実施形態では、1つのエアポンプ(31)が第1ポンプ機構(31a)と第2ポンプ機構(31b)とを有する構成としていたが、第1ポンプ機構(31a)と第2ポンプ機構(31b)とは、2つの個別のエアポンプによって構成されていてもよい。
また、上記各実施形態では、第1吸着部及び第2吸着部として、それぞれ1本の吸着筒を用いて窒素の吸着及び脱着を行うようにしていたが、各吸着部を構成する吸着筒の本数は1本に限定されない。例えば、各吸着部を3本の吸着筒で構成し、合計6本の吸着筒を用いることとしてもよい。
また、上記各実施形態では、海上輸送用のコンテナ(11)に設けられるコンテナ用冷凍装置(10)に本発明に係るCA装置(60)を適用した例について説明したが、本発明に係るCA装置(60)の用途はこれに限られない。本発明に係るCA装置(60)は、海上輸送用のコンテナの他、例えば、陸上輸送用のコンテナ、単なる冷凍冷蔵倉庫、常温の倉庫等の庫内空気の組成調節に用いることができる。
以上説明したように、本発明は、植物が収容される収納庫の庫内空気の組成を調節する庫内空気調節装置及びそれを備えたコンテナ用冷凍装置について有用である。
10 コンテナ用冷凍装置
11 コンテナ(収納庫)
15 植物
20 冷媒回路
30 ガス供給装置
55 制御部
60 CA装置(庫内空気調節装置)

Claims (7)

  1. 呼吸を行う植物(15)が収納される収納庫(11)の庫内に、窒素濃度が外気よりも高く酸素濃度が外気よりも低く二酸化炭素濃度が外気と同等の窒素濃縮空気を供給するガス供給動作と、外気を上記庫内に供給する外気導入動作とを切り換えて行うガス供給装置(30)と、
    上記収納庫(11)の庫内空気の組成が所望の組成になるように上記ガス供給装置(30)の動作を制御する制御部(55)とを備えた庫内空気調節装置であって、
    上記ガス供給装置(30)は、上記窒素濃縮空気の酸素濃度を複数段階に変更可能であり、上記庫内に供給するガスの酸素濃度が高い程、ガス供給量が増えるように構成され、
    上記制御部(55)は、上記ガス供給装置(30)に上記ガス供給動作を行わせて上記庫内空気の酸素濃度を目標酸素濃度まで低下させる際に、上記植物(15)の呼吸によって上記庫内空気の二酸化炭素濃度が外気の二酸化炭素濃度よりも高く目標二酸化炭素濃度未満の所定の第1高濃度まで上昇すると、上記ガス供給装置(30)が上記庫内に供給する上記窒素濃縮空気の酸素濃度を一段階上げる増量制御を行うように構成されている
    ことを特徴とする庫内空気調節装置。
  2. 請求項1において、
    上記制御部(55)は、上記増量制御の後、上記庫内空気の酸素濃度が上記目標酸素濃度まで低下する前に上記植物(15)の呼吸によって上記庫内空気の二酸化炭素濃度が上記目標二酸化炭素濃度まで上昇すると、上記ガス供給装置(30)に上記外気導入動作を行わせるように構成されている
    ことを特徴とする庫内空気調節装置。
  3. 請求項1又は2において、
    上記制御部(55)は、上記増量制御の後、上記庫内空気の酸素濃度が上記目標酸素濃度まで低下する前に上記庫内空気の二酸化炭素濃度が下限値まで低下すると、上記ガス供給装置(30)に上記増量制御以前の上記ガス供給動作を行わせるように構成されている
    ことを特徴とする庫内空気調節装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1つにおいて、
    上記制御部(55)は、上記増量制御の後、上記庫内空気の酸素濃度が上記目標酸素濃度まで低下する前に上記庫内空気の二酸化炭素濃度が上記第1高濃度よりも高く上記目標二酸化炭素濃度よりも低い所定の第2高濃度まで上昇すると、上記ガス供給装置(30)が上記庫内に供給する上記窒素濃縮空気の酸素濃度をさらに一段階上げる再増量制御を行うように構成されている
    ことを特徴とする庫内空気調節装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1つにおいて、
    上記制御部(55)は、上記ガス供給装置(30)の運転開始時に、上記庫内空気の二酸化炭素濃度が上記目標二酸化炭素濃度以上の所定の第3高濃度以上の場合には、上記ガス供給装置(30)に上記ガス供給動作を行わせる前に上記外気導入動作を行わせる起動時制御を行うように構成されている
    ことを特徴とする庫内空気調節装置。
  6. 請求項5において、
    上記制御部(55)は、上記起動時制御の開始後、上記庫内空気の二酸化炭素濃度が上記目標二酸化炭素濃度以下の所定の低濃度より低い状態が所定時間継続されると、上記起動時制御を終了して上記ガス供給装置(30)に上記ガス供給動作を行わせるように構成されている
    ことを特徴とする庫内空気調節装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1つに記載の庫内空気調節装置(60)と、
    冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)とを備え、
    上記収納庫(11)であるコンテナの庫内空気を冷却すると共に該庫内空気の組成を調節するコンテナ用冷凍装置。
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