JP7063927B2

JP7063927B2 - 容器および保護部材

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Publication number: JP7063927B2
Application number: JP2020035155A
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Inventors: 隆史内田
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Current assignee: Sharp Corp
Priority date: 2020-03-02
Filing date: 2020-03-02
Publication date: 2022-05-09
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Description

本発明は、容器に関し、例えば被収容物を運搬する際に好適に用いられる容器および容器に用いられる保護部材に関する。

例えば、表示パネルを運搬する際に用いられる梱包材（すなわち容器）が特許文献１および２に開示されている。特許文献１の容器は、表示パネルを収容する凹部の隅部に、容器本体に着脱自在に嵌合すると共に、被収容物である表示パネルの角部を保護する角部保護部材を有している。特許文献１および２によると、角部保護部材を用いることによって、回路基板が接続された表示パネル（以下、「表示パネルモジュール」ということがある。）および表示パネルのみのいずれを収容する場合にも、共通の容器本体および蓋を兼用することができる。

特開２０１４－９０２０号公報ＷＯ２０１９／０４９３１１パンフレット

しかしながら、特許文献１に記載の容器を用いると、例えば、表示パネルを運搬する際に大きな加速度が加わると、表示パネルの角部に割れが発生することがあった。本発明者の検討によると、この問題は、後に説明するように、角部保護部材に大きな加速度（力）が加わった際に、角部保護部材が回転することに起因している。

特許文献２に記載の容器を用いると、上述したような回転を防止してパネル割れを防ぐことができる。しかし、輸送時のパネル衝突による角部保護部材への荷重によって容器に割れが発生することがあった。このような容器の割れのために角部保護部材がズレやすくなり、その結果、表示パネルの角部における割れや欠けを生じさせてしまう可能性がある。

ここでは、表示パネルを収容する容器について説明したが、被収容物が表示パネルの場合に限られず、割れや欠けが発生し易い材料で形成された矩形の板状の被収容物（例えば、ガラス板またはプラスチック板）の場合にも起こり得る。

本発明は、被収容物に大きな加速度がかかった際の被収容物の角部における割れや欠けの発生を抑制することができる容器および保護部材を提供することを目的とする。

本発明の一実施形態に係る容器は、収容部材と２つの保護部材を有する。前記収容部材は、４つの隅部を有する収容空間の底面を規定する底面部材と前記収容空間の側面を規定する側面部材とを有しており、前記底面部材はｘｙ面を規定し、前記側面部材はｘｙ面に直交するｘｚ面およびｙｚ面を規定する。前記２つの保護部材の各々は、前記収容空間の前記４つの隅部の内の隣り合う２つの隅部に配置されている。前記側面部材は、ｘ方向に沿って伸びる第１側面部材と、ｙ方向に沿って伸びる第２側面部材を含み、前記２つの隅部のそれぞれにおいて前記第２側面部材からｘ方向に沿って突出した凸部が形成されている。前記２つの保護部材のそれぞれは、前記収容空間に収容されるべき被収容物と接する受容面を有する受容部と、前記受容部と一体に形成された支持部とを有している。前記受容部は、ｘｚ面に平行な第１平板部を有している。前記支持部は、前記第１側面部材の前記収容空間を向く側面と接する側面を有する当接部と、前記第１平板部と前記当接部とを連結するｙｚ面に平行な第２平板部とを有している。前記第１平板部の先端が、前記第２側面部材に嵌合されており、前記受容面において前記被収容物と接触されるべき接触領域の背面が、前記凸部のｘｚ面に平行な側面と接している。

本発明の一実施形態に係る保護部材は、上述した特徴を有する、上記容器に用いられる部材である。

本発明の実施形態によると、被収容物に大きな加速度がかかった際の角部における割れや欠けの発生を抑制することができる容器および保護部材が提供される。

（ａ）は、本発明の実施形態による容器１００の模式的な斜視図であり、（ｂ）は、容器１００に収容される液晶表示パネルモジュール２００の模式的な斜視図である。（ａ）は、複数の容器１００を重ねた状態を示す模式的な断面図であり、（ｂ）は、蓋を配置した状態を示す模式的な断面図である。容器１００の収容部材１０の凸部１５ａに保護部材２０ａが装着される様子を示す模式的な斜視図である。容器１００の収容部材１０の凸部１５ａに保護部材２０ａが装着された状態を示す模式的な平面図である。（ａ）は、上から見た保護部材２０ａの模式的な斜視図であり、（ｂ）は保護部材２０ａの模式的な上面図である。（ａ）～（ｄ）は保護部材２０ａの模式的な上面図である。（ａ）～（ｃ）は保護部材２０ａの模式的な上面図である。（ａ）～（ｃ）は保護部材２０ａの模式的な上面図であり、（ｄ）は保護部材２０ａの模式的な斜視図である。比較例の容器９００の模式的な平面図であり、保護部材９０ａに起因する問題点を説明するための図である。

まず、図９を参照して、特許文献１に記載されている角部保護部材を有する従来の容器における上記の問題点を説明する。図９は、特許文献１に記載されている角部保護部材と同様の構造を有する保護部材９０ａを有する容器９００の模式的な平面図である。

容器９００は、側面部材９４（９４ａ、９４ｂ）の切欠き部９５ａ内に、保護部材９０ａが着脱可能に配置されている。保護部材９０ａは、非発泡樹脂で一体に形成されており、２つの受容面ＲＳ１およびＲＳ２が、パネルモジュール２００の角部に接し、パネルモジュール２００がｘｙ面内で移動しないように、保持する。ここで、受容面ＲＳ１はｙｚ面に平行で、受容面ＲＳ２はｘｚ面に平行である。パネルモジュール２００は、例えば、ソースドライバー用回路基板２０４ａとゲートドライバー２０４ｂとを有している。

例えば、図９に示す様に、パネルモジュール２００に矢印Ａで示すｙ方向に加速度がかかると、保護部材９０ａには、矢印Ｂで示す様に反時計回りに回転させる力が作用する。保護部材９０ａは高い剛性を有するように成形されているので、一体として回転する（矢印Ｂ）。容器９００の側面部材９４ａは発泡樹脂で形成されており、保護部材９０ａの方が硬質の材料で形成されているので、側面部材９４ａが保護部材９０ａによって押し潰されることも起こり得る。保護部材９０ａが回転すると、保護部材９０ａの受容面ＲＳ２の部分が、パネルモジュール２００のゲートドライバーが実装してある辺に当り（矢印Ｃ）、パネルを構成するガラス基板の割れや欠けが発生する頻度が高くなる。

本発明による実施形態の容器は、被収容物に大きな加速度がかかった際の角部における割れや欠けの発生という問題点を解決することができる。

以下、図面を参照して、本発明の実施形態による容器を説明する。以下では、液晶表示パネルモジュールを収容するための容器の実施形態を例示するが、本発明の実施形態は、下記の例に限られない。ただし、本発明の実施形態は、液晶表示パネルモジュールのように、４辺で支持することができず、角部で支持せざるを得ない被収容物で、かつ、割れや欠けが発生しやすい材料（ガラスまたはプラスチック）で形成されている被収容物を収容する際に好適に用いられ、特に、液晶表示パネルモジュールを運搬する際の容器として好適に用いられる。

図１（ａ）に本発明の実施形態による容器１００の模式的な斜視図を示し、図１（ｂ）に容器１００に収容される液晶表示パネルモジュール（以下、「パネルモジュール」という。）２００の模式的な斜視図を示す。

容器１００は、収容空間１０ｓの底面を規定する底面部材１２と収容空間１０ｓの側面を規定する側面部材１４（１４ａ、１４ｂ、１４ｃ、１４ｄ）とを有する収容部材１０と、収容空間１０ｓ内に配置され、収容空間１０ｓに収容されるべき被収容物に接する受容面を有する保護部材２０ａ、２０ｂとを有している。収容空間１０ｓは４つの隅部を有し、側面部材１４は、隣り合う２つの隅部にそれぞれが面する２つの凸部１５ａ、１５ｂを有している。凸部１５ａ、１５ｂは、第１側面部材１４ａと第２側面部材１４ｄ、１４ｂとの間の隅部にて、第２側面部材１４ｄ、１４ｂから収容空間１０ｓに向けて突出している。ここでは、パネルモジュール２００の液晶表示パネル（以下、「パネル」という。）２０２のソースドライバー用回路基板２０４ａが実装してある辺を挟んで対向する２つの凸部１５ａ、１５ｂを有している。もちろん、４つの隅部のそれぞれに面する凸部を設けてもよい。保護部材２０ａ、２０ｂは、それぞれ対応する凸部１５ａ、１５ｂに嵌合するように隅部に配置されている。ここで、底面部材１２はｘｙ面を規定し、側面部材１４はｘｙ面に直交するｘｚ面およびｙｚ面を規定しているとする。すなわち、第１側面部材１４ａ、１４ｃはｘ方向に沿って伸び、第２側面部材１４ｄ、１４ｂはｙ方向に沿って伸び、凸部１５ａ、１５ｂは、ｘ方向に沿って突出している。

パネルモジュール２００は、容器１００の収容空間１０ｓに配置される。複数枚（例えば、１０枚～２０枚）のパネルモジュール２００を重ねて配置してもよい。このとき、パネルモジュール２００の間に、緩衝シート（例えば、発泡ポリエチレン（ＥＰＥ）シート、例えば、厚さ１ｍｍ）を挟んでもよい。緩衝シートは、パネル２０２の外形よりも数ｍｍから１０ｍｍ程度小さいものを用いることが好ましい。

図２（ａ）に示す様に、パネルモジュール２００を収容した容器１００－１の上に、さらに容器１００－２を重ねてもよい。容器１００の側面部材１４の下面は、ここで例示するように、側面部材１４の上面に設けられた段差１４ｓと噛み合う段差１４ｓｂを有していることが好ましい。段差１４ｓｂは、凹部の一部として形成され得る。また、図２（ｂ）に示す様に、必要に応じて、側面部材１４の上面に設けられた段差１４ｓと噛み合う段差７０ｓを有する蓋７０を用意してもよい。段差７０ｓは、凹部の一部として形成され得る。蓋７０は、収容部材１０と同じ材料で形成され得る。

次に、図３および図４を参照する。図３は、容器１００の収容部材１０の凸部１５ａに保護部材２０ａが装着される様子を示す模式的な斜視図であり、図４は、容器１００の収容部材１０の凸部１５ａに保護部材２０ａが装着された状態を示す模式的な平面図である。凸部１５ｂに装着される保護部材２０ｂは、保護部材２０ａと対称（対称面はｙｚ面に平行）な形状を有しているので、以下では、保護部材２０ａを例に説明する。

保護部材２０ａは、パネルモジュール２００に接する受容面２４を有する受容部２０Ｒと、受容部２０Ｒと一体に形成された支持部２０Ｓとを有している。

保護部材２０ａは、ｘｚ面およびｙｚ面に平行な側面を有している。保護部材２０ａは、ｘｚ面およびｙｚ面に平行な側面が、凸部１５ａが有するｘｚ面およびｙｚ面に平行な側面と接するように、隅部に配置される。

保護部材２０ａを凸部１５ａに装着すると、保護部材２０ａの内面が凸部１５ａの表面と接触する。そうすると、保護部材２０ａがパネルモジュール２００から受けた力は分散され、その結果、保護部材２０ａが側面部材１４を変形させる力が小さくなり、側面部材１４の変形が抑制され得る。

図５～図８を参照して、保護部材２０ａの構造を詳細に説明する。

図５（ａ）は上から見た保護部材２０ａの模式的な斜視図であり、図５（ｂ）は保護部材２０ａの模式的な上面図である。図６（ａ）～（ｄ）は保護部材２０ａの模式的な上面図である。図７（ａ）～（ｃ）は保護部材２０ａの模式的な上面図である。図８（ａ）～（ｃ）は保護部材２０ａの模式的な上面図であり、図８（ｄ）は図８（ａ）と同様の構成を有する保護部材２０ａの模式的な斜視図である。

まず、図５（ａ）および（ｂ）を参照する。

保護部材２０ａは、ｘｚ面に平行な受容面２４を有する受容部２０Ｒと、受容部２０Ｒと一体に形成され支持部２０Ｓとを有している。受容面２４においてパネルモジュール２００と接触されるべき接触領域には、オプショナルな保護シート２７がそれぞれ設けられている。保護シート２７は省略され得る。

支持部２０Ｓは、側面部材１４のｘｚ面に平行な側面に接するように配置されるｘｚ面に平行な当接部２０Ｓａと、受容面２４と交差し、ｙｚ面に平行な第２平板部２０Ｓｂとを有している。ここで、第２平板部２０Ｓｂのｙｚ面に平行な側面が凸部１５ａのｙｚ面に平行な側面と接している。

受容部２０Ｒは、受容面２４を有し、ｘｚ面に平行な第１平板部２０Ｒａと、第１平板部２０Ｒａの先端からｙ方向に沿って立ち上がる固定部２０Ｒｂとを有している。ここで、容器１００の収容部材１０の凸部１５ａに保護部材２０ａが装着された場合（図４参照）、第１平板部２０Ｒａの先端および固定部２０Ｒｂが、第２側面部材１４ｄに嵌合されており、接触領域の背面が、凸部１５ａのｘｚ面に平行な側面と接している。

第１平板部２０Ｒａの先端および固定部２０Ｒｂが、第２側面部材１４ｄに嵌合されていることにより、側面部材１４に固定された保護部材２０ａは、ｙ方向にかかる荷重に耐えることができる。また、第１平板部２０Ｒａの先端からｙ方向に立ち上がる固定部２０Ｒｂは、その側面が凸部１５ａの側面と接している場合、第２平板部２０Ｓｂとの間で凸部１５ａを挟持するので、側面部材１４に固定された保護部材２０ａは、ｘ方向にかかる荷重に耐えることができる。

さらに、接触領域の背面が凸部１５ａと接していることにより、受容部２０Ｒにかかる荷重を凸部１５ａが受け止める。このように、保護部材２０ａに対してｙ方向にかかる荷重は、凸部１５ａ（第２側面部材１４ｄ）に首尾よく分散される。

また、受容部２０Ｒは支持部２０Ｓと一体に形成されているため、第２平板部２０Ｓｂを経て当接部２０Ｓａへ伝えられた荷重は、第１側面部材１４ａに受け止められる。このように、保護部材２０ａに対してｙ方向にかかる荷重は、第１側面部材１４ａに分散される。ここで、当接部２０Ｓａが、第１側面部材１４ａと凸部１５ａとの間に嵌入されていることが好ましい。これにより、保護部材２０ａの側面部材１４への固定を強化することができる。第１側面部材１４ａと凸部１５ａとの間に嵌入される当接部２０Ｓａはその全部であっても一部であってもよい（図６（ａ）、（ｂ））。

この場合、保護部材２０ａと側面部材１４との間に隙間が生じていないことが好ましい。輸送時の振動に起因してパネルモジュール２００が容器１００に衝突し、その結果、容器１００の隅部に割れが生じることがある。保護部材２０ａと側面部材１４との間に隙間を生じさせないようにすることにより、このような割れの可能性を低減することができる。ｘｙ平面での断面において、第１側面部材１４ａの側面が当接部２０Ｓａの側面と重なっていれば、第２平板部２０Ｓｂを経て当接部２０Ｓａに伝えられる荷重が第１側面部材１４ａに首尾よく分散される。保護部材２０ａと第１側面部材１４ａおよび第２側面部材１４ｄとの間に不要な隙間を生じさせない限り、保護部材２０ａは、ｚ方向に沿って着脱可能な状態で隅部に配置されてもよい。

このような保護部材２０ａにおいて、受容面２４におけるパネルモジュール２００と接触されるべき接触領域には、オプショナルな保護シート２７がそれぞれ設けられていることが好ましいが、必ずしも必須ではない（図６（ｃ））。また、保持されるべきパネルモジュール２００のサイズに応じて受容面２４と保護シート２７との間にスペーサ２６が設けられていてもよい（図６（ｄ））。

なお、保護部材２０ａが不要な旋回を生じないように、ｘｚ平面上への接触領域の正射影は、ｘｚ平面上への当接部２０Ｓの正射影と重なることが好ましく、ｘｚ平面上への受容部２０Ｒおよび当接部２０Ｓの正射影におけるｘ方向での中点が、接触領域のｘｚ平面上への正射影と重なることがより好ましい。さらに、上記中点が、接触領域のｘｚ平面上への正射影におけるｘ方向での中点と一致する場合、ｘｚ平面を向く正面図において接触領域が保護部材２０ａの中央に配置されるので、ｙ方向にかかる荷重は、側面部材１４に首尾よく分散される。

上述したように、固定部２０Ｒｂが第１平板部２０Ｒａの先端から当接部２０Ｓａに近付くように立ち上がっていることにより、凸部１５ａの側面と接している第２平板部２０Ｓｂの側面との間で凸部１５ａが挟持されるので、側面部材１４に固定された保護部材２０ａは、ｘ方向にかかる荷重に耐えることができる。ただし、保護部材２０ａにおいて、固定部２０Ｒｂは第１平板部２０Ｒａの先端からｙ方向成分を有して伸びていればｘ方向にかかる荷重に耐えることができるので、固定部２０Ｒｂが当接部２０Ｓａから遠ざかるように伸びていてもよい（図７（ａ）～（ｃ））。図示するように、ｘｙ平面での固定部２０Ｒｂの形状は、円またはその一部であることが好ましい。この場合、固定部２０Ｒｂは、当接部２０Ｓａから徐々に遠ざかるように伸びていてもよく（図７（ｂ））、一旦近付いた後に遠ざかる様に伸びていてもよい（図７（ｃ））。このような形状を有していることにより、固定部２０Ｒｂの先端に作用する荷重のｙ方向成分を低減させることができるので、上述したような隅部での割れを回避しやすくなる。

当接部２０Ｓａの形状について、例えば、図８（ａ）～（ｄ）に示すように、当接部２０Ｓａの側面から第１平板部２０Ｒａまでのｙ方向での距離は、当接部２０Ｓａの端部へ向かうにつれて漸減することが好ましい。さらに好ましくは、ｘｙ平面での、容器１００の側面部材１４（第１側面部材１４ａ）に接する当接部２０Ｓａの側面の形状は円弧である。これにより、保護部材２０ａの受容面２４から当接部２０Ｓａを経て容器１００の側面部材１４（第１側面部材１４ａ）に伝えられる荷重を多方向に分散させることができ、当接部２０Ｓａと側面部材１４（第１側面部材１４ａ）との接点に作用する荷重のｙ方向成分を低減させることができる。

また、当接部２０Ｓａの側面の、ｘｙ平面での形状が円弧であることによって当接部２０Ｓａは撓みやすくなり、その結果、側面部材１４への荷重が低減される。なお、円弧の大きさや曲率は、受容部２０Ｒａから当接部２０Ｓａへ伝えられる荷重を、当接部２０Ｓａの側面の全領域において、側面部材１４の側面に対して垂直に作用させるように適宜設定すればよい。

固定部２０Ｒｂの形状について、例えば、図８（ａ）～（ｄ）に示すように、固定部２０Ｒｂの、ｘｙ平面での形状は円または円弧であることが好ましい。これにより、保護部材の受容面から第１平板部を経て固定部２０Ｒｂに伝えられる荷重を多方向に分散させることができ、固定部２０Ｒｂと側面部材との接点に作用する荷重のｙ方向成分を低減させることができる。特に、図８（ａ）～図８（ｃ）に示されるように、ｘｙ平面での固定部２０Ｒｂの形状は、第１平板部またはその延長上に中心が存在する円の一部であってもよく、その中心角は９０°以上、２７０°以下であることが好ましい。ｘｙ平面で固定部２０Ｒｂが図８（ａ）の形状を有している場合、固定部２０Ｒｂの先端にかかる荷重の向きは、衝突の方向から１８０°ずれており、ｘｙ平面で固定部２０Ｒｂが図８（ｂ）または図８（ｃ）の形状を有している場合、固定部２０Ｒｂの先端にかかる荷重の向きは、衝突の方向から９０°ずれているので、固定部２０Ｒｂの形状が図６（ｂ）である場合よりも、固定部２０Ｒｂの先端でのｙ方向成分が大きく低減され、固定部２０Ｒｂの先端での側面部材１４の割れを回避することができる。

なお、側面部材１４の割れを回避するために、当接部２０Ｓａおよび固定部２０Ｒｂの先端における端面は、図８（ｄ）に示されるように面取りされていることが好ましい。

当接部２０Ｓａ、第２平板部２０Ｓｂ、および第１平板部２０Ｒａの厚さは、それぞれ独立に、例えば、２ｍｍ以上３ｍｍ以下である。

当接部２０Ｓａ、第２平板部２０Ｓｂ、第１平板部２０Ｒａおよび固定部２０Ｒｂは同一の高さＺ１を有している。

支持部２０Ｓにおいて、当接部２０Ｓａ、第２平板部２０Ｓｂ、および第１平板部２０Ｒａは、略直方体の空間２５Ｓを規定する。空間２５Ｓ内には、凸部１５ａが充填され得る（例えば、図４参照）。

第２側面部材１４ｄからｘ方向に突出した凸部１５ａは、収容部材１０と同じ材料で、収容部材１０と一体に形成されている。凸部１５ａ自身が収容部材１０と一体に形成されているので、保護部材２０ａの変形および／または移動（回転）を抑制することができる。

図９を参照して説明したように、比較例の容器９００が有する保護部材９０ａは、高い剛性を有するように成形されているので、保護部材９０ａが一体として回転する結果、保護部材９０ａの受容面ＲＳ１の部分が、パネルモジュール２００の辺に当り、パネルを構成するガラス基板の割れや欠けが発生する頻度が高くなる。

次に、容器１００を構成する各部材の好ましい材料を説明する。以下に例示する材料は、パネルモジュール２００を運搬する容器１００として好適な材料の例示であり、これに限られるものではない。

収容部材１０（底面部材１２および側面部材１４）、および保護部材２０ａは、いずれもプラスチックで形成され得る。プラスチックとしては、公知の種々のプラスチック（熱可塑性樹脂）を好適に用いることができる。ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、またはポリスチレン、さらには、これらの混合物（ブレンド）を用いることができる。また、これらのプラスチックの発泡体を用いることもできる。

収容部材１０は、運搬の際の衝撃を吸収する効果が高い材料が好ましく、発泡プラスチックで形成されることが好ましい。保護部材２０ａは、パネルモジュール２００（パネル２０２）からの力を直接的に受けるので、収容部材１０よりも高い硬度を有することが好ましく、非発泡プラスチックで形成されることが好ましい。保護シート２７は、保護部材２０ａよりも硬質の非発泡プラスチックで形成されることが好ましい。

例えば、保護部材２０ａは、非発泡ポリエチレンを用いて形成されることが好ましく、硬度の観点からは、高密度ポリエチレンがさらに好ましい。保護部材２０ａは、ポリカーボネートを用いて形成されてもよい。保護シート２７は、パネルモジュール２００（パネル２０２）の例えばガラス基板と直接接触するので、耐摩耗性に優れた、ポリカーボネートまたは硬質ゴムで形成されていることが好ましい。

収容部材１０は、発泡ポリエチレン（ＥＰＥ）、発泡ポリプロピレン（ＥＰＰ）、または発泡ポリスチレン（ＥＰＳ、発泡スチロールとも呼ばれる）で形成されることが好ましい。これらの中で、価格性能比の観点からすると、発泡ポリスチレン（ＥＰＳ）が最も好ましい。ただし、パネルモジュール２００をより安全に運搬するためには、一般に広く用いられている発泡ポリスチレン（発泡倍率は７０倍程度）よりも発泡倍率が小さい、例えば、発泡倍率が２０倍～５０倍程度の発泡ポリスチレンを用いることが特に好ましい。なお、凸部１５ａは、収容部材１０と同じ材料を用いて形成され、底面部材１２と一体に形成されてもよい。

上述の材料の選定は、種々の材料を用いて試作した容器１００に、液晶表示パネルモジュール（７０型）を１１枚収容した状態を模擬した振動試験および衝撃試験を行った結果に基づいており、耐衝撃性が大きく向上するため、安全に液晶表示パネルモジュールを運搬することができる。すなわち、運搬中の液晶表示パネルモジュールの破損を抑制することができる。試験に用いた７０型液晶表示パネルモジュールのサイズは、約１５５０ｍｍ×約８８０ｍｍで、容器１００の外形は、約１７００ｍｍ～約１８００ｍｍ×約１０００ｍｍ～１１００ｍｍ、高さは、約１２０ｍｍ～約１５０ｍｍであった。強度を増大させるためには容器１００の外形を大きくし、輸送効率およびコストを低減するためには容器１００を小さくすればよい。用途に応じて、各部材について上記の材料から選択するとともに、サイズを最適化すればよい。

本発明の実施形態は、例えば被収容物を運搬する際に好適に用いられる容器として利用される。

１０：収容部材
１０ｓ：収容空間
１２：底面部材
１４、１４ａ、１４ｂ、１４ｃ、１４ｄ：側面部材
１５ａ、１５ｂ：凸部
２０ａ、２０ｂ：保護部材
２０Ｒ：受容部
２０Ｒａ：第１平板部
２０Ｓ：支持部
２０Ｓａ：当接部
２０Ｓｂ：第２平板部
２４：受容面
１００：容器
２００：液晶表示パネルモジュール
２０２：液晶表示パネル
２０４ａ：ソースドライバー用回路基板

Claims

４つの隅部を有する収容空間の底面を規定する底面部材と前記収容空間の側面を規定する側面部材とを有し、前記底面部材はｘｙ面を規定し、前記側面部材はｘｙ面に直交するｘｚ面およびｙｚ面を規定する、収容部材と、
前記収容空間の前記４つの隅部の内の隣り合う２つの隅部に配置された２つの保護部材を有し、
前記側面部材は、ｘ方向に沿って伸びる第１側面部材と、ｙ方向に沿って伸びる第２側面部材を含み、前記２つの隅部のそれぞれにおいて前記第２側面部材からｘ方向に沿って突出した凸部が形成されており、
前記２つの保護部材のそれぞれは、前記収容空間に収容されるべき被収容物と接する受容面を有する受容部と、前記受容部と一体に形成された支持部とを有し、
前記受容部は、ｘｚ面に平行な第１平板部を有し、前記支持部は、前記第１側面部材の前記収容空間を向く側面と接する側面を有する当接部と、前記第１平板部と前記当接部とを連結するｙｚ面に平行な第２平板部とを有し、
前記第１平板部の先端が、前記第２側面部材に嵌合されており、前記受容面において前記被収容物と接触されるべき接触領域の背面が、前記凸部のｘｚ面に平行な側面と接している、容器。
前記当接部の全部または一部が、前記第１側面部材と前記凸部との間に嵌入されている、請求項１に記載の容器。
ｘｚ平面上への前記接触領域の正射影が、ｘｚ平面上への前記当接部の正射影と重なる、請求項１または２に記載の容器。
ｘｚ平面上への前記受容部および前記当接部の正射影におけるｘ方向での中点が、前記接触領域のｘｚ平面上への正射影と重なる、請求項３に記載の容器。
前記受容部および前記当接部のｘｚ平面上への正射影におけるｘ方向での中点が、前記接触領域のｘｚ平面上への正射影におけるｘ方向での中点と一致する、請求項４に記載の容器。
前記受容部は、前記第１平板部の先端からｙ方向成分を有して伸びる固定部をさらに有している、請求項１～５のいずれか一項に記載の容器。
前記第２平板部のｙｚ面に平行な側面が、前記凸部のｙｚ面に平行な側面と接している、請求項６に記載の容器。
ｘｙ平面での前記固定部の形状が、円またはその一部である、請求項６または７に記載の容器。
前記当接部の前記側面から前記第１平板部までのｙ方向での距離は、前記当接部の端部へ向かうにつれて漸減する、請求項１～８のいずれか一項に記載の容器。
ｘｙ平面での前記当接部の側面が円弧状である、請求項９に記載の容器。
前記収容部材は、発泡プラスチックで形成されている、請求項１～１０のいずれか一項に記載の容器。
前記保護部材は、非発泡プラスチックで形成されている、請求項１～１１のいずれか一項に記載の容器。
前記保護部材の前記受容面の上に設けられた保護シートをさらに有し、前記保護シートは前記保護部材よりも硬質の非発泡プラスチックで形成されている、請求項１～１２のいずれか一項に記載の容器。
請求項１～１３のいずれか一項に記載の容器に用いられる前記保護部材。