JP3192245U - 梱包材 - Google Patents

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Abstract

【課題】角部に衝撃が作用したとしても、その角部の内壁を押し広げようとする力を抑えることができる梱包材を提供する。【解決手段】矩形状の被梱包物Pを収納する収納凹部11が形成された収納容体10を少なくとも備えた梱包材1である。側壁14のうち、収納容体10の角部10aを含む角部側壁15の内壁面15aには、収納凹部11の深さ方向Dに沿って、被梱包物Pの角領域Ptを受ける一対の受け面を有した角稜部16が、これに隣接する被梱包物Pの側辺部Psに非接触となるように形成されている。角稜部16と、角部側壁15の外壁面15bに位置する収納容体10の角部10aとの間には、収納凹部11の開口部11aの端面11bの一部を構成する角部側壁15の端面15cから収納凹部11の深さ方向Dに沿って、肉抜き部18が形成されている。【選択図】図1

Description

本考案は、被梱包材を収納する収納凹部が形成された収納容体を備えた梱包材に係り、特に、矩形状の被梱包物の角部を保護するように被梱包物を梱包するに好適な梱包材に関する。
従来から、被梱包物を衝撃等から保護するために、被梱包物を梱包材で梱包することがなされている。たとえば、被梱包物が落下してしまった際、被梱包物の角領域に衝撃荷重として作用することがあるため、梱包材は、少なくとも被梱包物の角領域を覆うような形状となっている。
しかしながら、このような梱包材で被梱包物を梱包した状態で、被梱包物の角領域に衝撃荷重が作用した際には、被梱包物の角領域に接触している内壁部分から、梱包材を押し広げようとするため、梱包材の角部が破損することがあった。
このような点を鑑みて、たとえば、特許文献1には、互いに交差する2つの内壁面を有し、稜を形成する2つの内壁面に、被梱包物が接触する接触面を残して、薄肉部からなる肉盗みを設けた梱包材が形成されている。この梱包材によれば、薄肉部からなる肉盗みを設けることにより、衝撃荷重時に、薄肉部の変形により梱包材の角部の内壁面を押し広げようとする力を低減し、梱包材の角部からの破損を低減することができる。
さらに、特許文献2には、角稜部を有する被梱包物の角に接する角受け面と、角受け面から所定の長さの非接触部(薄肉部)を介して、被梱包物の壁面に接するリブとを、内壁面に設けた梱包材が開示されている。この梱包材によれば、角受け面の幅および非接触部分の肉厚等を所定の寸法に特定することにより、梱包材の角部からの破損を低減している。
実開平3−26146号公報 特開2003−221071号公報
しかしながら、いずれの特許文献1、2に示す梱包材であっても、梱包材の角部の内壁面に押し広げようとする力を、角部よりも肉厚の薄い薄肉部を設けることにより低減しようとするものであり、積極的に梱包材の角部の構造により低減したものではないため、その効果は十分なものではなかった。
本考案は、このような点を鑑みてなされたものであり、その目的とすることころは、角部に衝撃が作用したとしても、その角部の内壁を押し広げようとする力を抑えることができる梱包材を提供することにある。
前記課題を鑑みて、考案者らは鋭意検討を重ねた結果、角部に衝撃荷重が作用したときに、梱包材の角部の内壁を押し広げようとする変形を低減する、または、この変形に抗するような圧縮変形を作用させるように、角部の構造を積極的に改良することが重要であると考えた。
本考案は、このような考えに基づくものであり、第1の考案および第2の考案に係る梱包材は、矩形状の被梱包物を収納する収納凹部が形成された収納容体を少なくとも備えた梱包材であって、前記収納容体は、前記被梱包物を支持する底壁と、前記収納凹部を形成するように前記底壁の周縁から立設した側壁と、を備えており、該側壁のうち、前記収納容体の角部を含む角部側壁の内壁面には、前記収納凹部の深さ方向に沿って、前記被梱包物の角領域を受ける一対の受け面を有した角稜部が、これに隣接する前記被梱包物の側辺部に非接触となるように形成されていることを前提としている。
第1の考案に係る梱包材は、前記角部側壁の内壁面と、前記角部側壁の外壁面との間には、前記収納凹部の開口部の端面の一部を構成する前記角部側壁の端面から前記収納凹部の深さ方向に沿って、肉抜き部が形成されていることを特徴とする。
第1考案に係る梱包材によれば、角部側壁の内壁面と、角部側壁の外壁面と間に、角部側壁の端面から収納凹部の深さ方向に沿って、肉抜き部を形成したことにより、この肉抜き部近傍の角部側壁を積極的に変形させ、角稜部と収納容体の角部との間に作用する衝撃エネルギーを吸収することができる。
このような結果、角部側壁の角稜部に位置する内壁面(受け面)同士を押し広げようとする引張力を低減することができる。これにより、被梱包物を梱包した状態で梱包材が、角部からたとえば地面に落下したとしても、角部から梱包材が破損することを低減することができる。
第2の考案に係る梱包材は、角部側壁の外壁面に位置する前記収納容体の角部には、前記収納容体の高さ方向に沿って面取された面取り面が形成されており、該面取り面は、該面取り面の幅が前記角稜部の深さ方向に沿った両端縁間の距離以上となるように、形成されていることを特徴とする。
第2考案に係る梱包材によれば、収納容体の高さ方向に沿って面取りされた面取り面の幅が、角稜部の深さ方向に沿った両端縁間の距離以上となっているので、面取り面に作用した衝撃荷重により、角部側壁の角稜部に位置する内壁面(受け面)同士を押し広げようとする変形とは反対方向の圧縮変形を、角稜部およびその近傍の角部側壁に作用させることができる。これにより、被梱包物を梱包した状態で梱包材が、角部からたとえば地面に落下したとしても、角部から梱包材が破損することを低減することができる。
ここで、第1の梱包材に対して、第2の梱包材に係る面取り面を設けてもよく、第2の梱包材に対して、第1の梱包材に係る肉抜き面を設けてもよい。これにより、上述した角部から梱包材が破損することをより一層低減することができる。
ここで、梱包材に肉抜き部を設けた場合には、その形状は、衝撃エネルギーを低減することができるのであれば、特にその形状は限定されるものではない。より好ましい態様としては、肉抜き部は、開口が円形となるように収納凹部の深さ方向Dに沿って肉抜かれた肉抜きである。このような形状とすることにより、肉抜き部を形成する壁部が変形したとしても、この壁面が応力集中することを抑えることができる。また、梱包材の角部に衝撃荷重が作用することにより、角稜部から亀裂が発生し肉抜き部に達したとしても、円周面を有した肉抜き部により、この亀裂がさらに伸展することを抑えることができる。
さらに、梱包材は、前記収納容体の収納凹部を密閉するように覆う蓋体をさらに備えてもよく、この場合には、蓋体には、前記蓋体で収納凹部を覆った状態で、前記肉抜き部により肉抜きされた空間の一部を残すように、前記肉抜き部に嵌合する嵌合凸部が形成されていることが好ましい。
この態様によれば、蓋体の嵌合凸部を設けることにより、収納容体と蓋体とを嵌合させた状態で、収納凹部を密閉することができる。また、蓋体の嵌合凸部は肉抜きされた部分の一部を残すように収納容体に嵌合しているので、梱包材全体の変形を抑えるとともに、その内部において肉抜き部近傍の角部側壁を積極的に変形させ、角稜部と収納容体の角部との間に作用する衝撃エネルギーを吸収するようにクッション性を高めることもできる。
さらにより好ましい態様としては、側壁部の内壁面のうち、前記角稜部と離間した位置に、前記被梱包物の側辺部を受ける側辺受け部が形成されている。この態様によれば、角稜部と離間した位置において、被梱包物の側辺部を受ける側辺受け部が形成されているので、角稜部に作用する衝撃荷重の一部を側辺受け部に分散することができる。これにより、角稜部を押し広げようとする引張力が低減される。
さらにより好ましい態様としては、前記角稜部の前記一対の受け面には、前記角部側壁を保護する保護部材が被覆されている。この態様によれば、角稜部の受け面に、保護部材を設けることにより、角稜部に衝撃荷重が作用したとしても、受け面同士を押し広げようとする変形を拘束することができる。
ここで、前記保護部材が、前記収納容体を構成する材料よりも、硬質の材料からなる場合には、角稜部自体を、保護部材が直接的に保護することができる。特に、角稜部の受け面の面積を十分に確保できないときなどには、角稜部に集中して押し広げようとするせん断や曲げの力に抗するため、有効である。
一方、前記保護部材は、前記収納容体を構成する材料よりも軟質であり、かつ、破断延びが大きい材料である場合には、角稜部に衝撃荷重が作用したとしても、受け面同士を押し広げようとする変形(引張変形)を拘束または分散させ、広範囲の変形に変えることができる。
本考案によれば、角部に衝撃が作用したとしても、その角部の内壁を押し広げようとする力を抑え、収納容体の角割れを抑えることができる。
本考案の第1実施形態に係る梱包材の模式的斜視図である。 図1に示す蓋体を裏面側から見た模式的斜視図である。 図1に示す収納容体の側壁角部の正面図である。 蓋体を装着した状態の図3のA−A線矢視断面図である。 本考案の第2実施形態に係る梱包材の模式的斜視図である。 図5に示す収納容体の側壁角部の正面図である。 本考案の第3実施形態に係る収納容体の側壁角部の正面図である。 本考案の第4実施形態に係る収納容体の側壁角部の正面図である。 (a)は、本考案の第5実施形態に係る収納容体の側壁角部の正面図であり、(b),(c)は、その変形例を示した正面図である。 (a)は、本考案の第6実施形態に係る収納容体の側壁角部の正面図であり、(b)は、その変形例である。
以下に、図1〜図10を用いて、本考案に係る梱包材のいくつかの実施形態を説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本考案の第1実施形態に係る梱包材の模式的斜視図であり、図2は、図1に示す蓋体を裏面側から見た模式的斜視図である。図3は、図1に示す収納容体の側壁角部の正面図であり、図4は、蓋体を装着した状態の図3のA−A線矢視断面図である。
図1〜図3に示すように、梱包材1は、ガラスパネル等の複数枚の矩形状の被梱包物Pを重ねて梱包するための梱包材である。梱包材1は、収納容体10と蓋体20を備えている。収納容体10および蓋体20の材質としては、熱可塑性樹脂の発泡成形体であることが好ましい。熱可塑性樹脂には、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例えばポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂)、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、またはポリ乳酸)、またはポリカーボネート系樹脂などが挙げられ、単一の樹脂や複数の樹脂を複合したものを使用できる。被梱包物がガラスパネルや電子部品である場合には、帯電防止処理された発泡用原料が好ましく、例えば(公序良俗違反につき、不掲載)などを挙げることができる。
図1に示すように、収納容体10は、底壁13と、底壁13の周りから立ち上がった側壁14と、を有しており、底壁13の外面(底面)と、側壁14の外側面とには、梱包時に蓋体20のバンド溝22と連続するように、バンド溝12,12,…が形成されている。
また、収納容体10の中央には、底壁13および側壁14により、被梱包物Pを収納するための収納凹部11が形成されている。収納凹部11の開口部11aの端面11bのうち外側縁は、後述する蓋体の嵌合凸縁21に嵌合するように、凹んでいる。側壁14のうち、収納容体10の外壁の稜線となる角部10aには、被梱包物の角領域Ptを含む部分を保護するために角部側壁15が形成されている。
角部側壁15の内壁面15aには、収納凹部11の深さ方向Dに沿って、被梱包物Pの角領域Ptを受ける一対の受け面16a,16bを有した角稜部16が、これに隣接する各側辺部Ps,Psに非接触になるように形成されている。すなわち、本実施形態では、角稜部16は、内壁面15aから突出するように形成されており、角稜部16,16同士の間には、被梱包物Pを梱包時に、被梱包物Pの側辺部Psと非接触となる凹部が形成されることになる。
さらに、角部側壁15の内壁面15aと、角部側壁15の外壁面15bとの間に、収納凹部11の開口部11aの端面11bの一部を構成する角部側壁15の端面15cから収納凹部11の深さ方向Dに沿って、肉抜き部18が形成されている。本実施形態では、肉抜き部18は、開口が円形となるように収納凹部11の深さ方向Dに沿って肉抜かれた肉抜きであり、図4に示すように、肉抜き部18の深さは、収納凹部11の深さと一致している。
一方、蓋体20は、短手方向および長手方向の寸法が、収納容体10の寸法と一致しており、蓋体20には、その短手方向に沿った表面20aおよび厚さ方向に沿った側面20bに、複数のバンド溝22,22,…が形成されている。
図2に示すように、蓋体20の裏面20cの周縁には、収納容体10の収納凹部11を密閉するように開口部11aに嵌合する嵌合凸縁21が形成されており、さらに、収納容体10に嵌合する円柱状の嵌合凸部23が形成されている。嵌合凸部23は、蓋体20で収納凹部11を覆った状態で、肉抜き部18により肉抜きされた空間の一部を残すように、肉抜き部18に嵌合する長さ(高さ)となっている。
本実施形態の梱包材1によれば、角部側壁15の内壁面15aに形成された角稜部16と、角部側壁15の外壁面15bに位置する収納容体10の角部10aとの間に、角部側壁15の端面15cから収納凹部11の深さ方向Dに沿って、肉抜き部18を形成したことにより、この肉抜き部18近傍の角部側壁15を積極的に変形させ、角稜部16と収納容体10の角部10aとの間に作用する衝撃エネルギーを吸収することができる。
特に、肉抜き部18を円柱状としたことにより、これを形成する壁部が変形したとしても、この壁面が応力集中することを抑えることができる。このような結果、角部側壁15の角稜部16に位置する内壁面(受け面)16a,16b同士を押し広げようとする引張力を低減することができる。これにより、被梱包物Pを梱包した状態で梱包材1が、角部10aからたとえば地面に落としたとしても、角部10aから梱包材1が破損することを低減することができる。
また、収納容体10の角部10aに衝撃荷重が作用することにより、角稜部16から亀裂が発生し肉抜き部18に達したとしても、円柱状の肉抜き部により、この亀裂がさらに伸展することを抑えることができる。
さらに、蓋体20の嵌合凸部23を設けることにより、収納容体10と蓋体20とを嵌合させた状態で、収納凹部11を密閉することができる。また、蓋体20の嵌合凸部23は肉抜きされた部分の一部を残すように収納容体10に嵌合しているので、肉抜き部18近傍の角部側壁15を積極的に変形させ、角稜部16と収納容体10の角部10aとの間に作用する衝撃エネルギーを吸収する機能も維持することができる。なお、嵌合凸部23の長さを調整することにより、蓋体20と収納容体10とが嵌合状態で、肉抜き部18の残りの部分の大きさを調整することができる。これにより、肉抜き部18による衝撃エネルギーの吸収度合を調整することができる。
〔第2実施形態〕
図5は、本考案の第2実施形態に係る梱包材の模式的斜視図である。図6は、図5に示す収納容体の側壁角部の正面図である。
第2実施形態に係る梱包材が第1実施形態のものと相違する点は、収納容体の角部側壁の詳細な形状である。したがって、第1実施形態と同じ構成には、同じ符号を付して、詳細な説明を一部省略する。
図5に示すように、本実施形態に係る梱包材1Aは、矩形状の被梱包物Pを収納する収納凹部11が形成された収納容体10を少なくとも備えた梱包材である。収納容体10は、被梱包物Pを支持する底壁13と、前記収納凹部11を形成するように前記底壁13の周縁13aから立設した側壁14と、を備えている。
側壁14のうち、収納容体10の角部10aを含む角部側壁15の内壁面15aには、収納凹部11の深さ方向Dに沿って、被梱包物Pの角領域Ptを受ける受け面16a,16bを有した角稜部16が、これに隣接する各側辺部Ps,Psに非接触になるように形成されている。ここまでの基本構成は、第1実施形態と同じ構成である。
ここで、本実施形態では、角部側壁15の外壁面15bに位置する収納容体10の角部10aには、前記収納容体10の高さ方向Hに沿って面取された面取り面17が形成されている。ここで、図6に示すように、面取り面17は、面取り面17の幅Bが角稜部16の深さ方向Dに沿った両端縁16c,16d間の距離T(B≧T)以上となるように、形成されている。なお、両端縁16c,16dの各稜縁16c(16d)は、角稜部16の受け面16a(16b)と、内壁面15aから立ち上がった面とによりなす稜線に相当する。
本実施形態に係る梱包材1Aによれば、収納容体10Aの高さ方向Hに沿って面取りされた面取り面17の幅Bが、角稜部16の深さ方向Dに沿った両端縁16c,16d間の距離T以上となっているので、面取り面17に作用した衝撃荷重により、角部側壁15の角稜部16に位置する受け面16a,16b同士を押し広げようとする変形とは反対方向の変形である圧縮変形を、角稜部16およびその近傍の角部側壁15(具体的には図6の破線で挟まれた領域)に作用させることができる。これにより、被梱包物Pを梱包した状態で梱包材1Aが、収納容体10の角部10aからたとえば地面に落としたとしても、角部10aから梱包材1が破損することを低減することができる。
〔第3実施形態〕
図7は、本考案の第3実施形態に係る収納容体の側壁角部の正面図である。第3実施形態に係る梱包材が第1実施形態のものと相違する点は、収納容体の角部側壁の詳細な形状である。したがって、第1実施形態と同じ構成には、同じ符号を付して、詳細な説明を省略する。
本実施形態では、第1の実施形態に係る梱包材に対して、第2の実施形態に係る梱包材の面取り面と同様の面取り面17を設けている。このような結果、角部10aに衝撃荷重が作用した際に、第1実施形態で示したように、肉抜き部18による衝撃エネルギーを吸収する効果に加え、第2実施形態で示したように、角部側壁15の角稜部16の受け面16a,16b同士を押し広げようとする変形(引張)とは反対方向の変形である圧縮変形を、角稜部16およびその近傍の角部側壁15(具体的には図7の破線で挟まれた領域)に作用させることができる。
〔第4実施形態〕
図8は、本考案の第4実施形態に係る収納容体の側壁角部の正面図である。第4実施形態に係る梱包材が第1実施形態のものと相違する点は、収納容体の角部側壁の詳細な形状である。したがって、第1実施形態と同じ構成には、同じ符号を付して、詳細な説明を省略する。
本実施形態では、図8に示すように、側壁14の内壁面のうち、角稜部16と離間した位置に、被梱包物Pの側辺部Psを受ける側辺受け部(リブ)19が形成されており、角稜部16と、側辺受け部19との間には、非接触領域が形成されている。
このように、側辺受け部(リブ)19を設けることにより、角稜部16に作用する衝撃荷重の一部を側辺受け部19に分散することができる。これにより、角稜部16の受け面16a,16bを押し広げようとする引張力が低減される。
また、角稜部16と側辺受け部19との間は非接触であるため、これらの間の側壁14には、外側に向かって張り出すように溝が形成されことになり、これを被梱包物Pを取り出すために利用することができる。
〔第5実施形態〕
図9(a)は、本考案の第5実施形態に係る収納容体の側壁角部の正面図であり、(b),(c)は、その変形例を示した正面図である。第5実施形態に係る梱包材が第4実施形態のものと相違する点は、角稜部の受け面に保護部材を設けた点である。したがって、第4実施形態と同じ構成には、同じ符号を付して、詳細な説明を一部省略する。
本実施形態では、図9(a)に示すように、角稜部16の受け面16a,16bに、保護部材30が被覆されている。保護部材30が、収納容体10を構成する材料よりも、硬質の材料からなる場合には、角稜部16自体を、保護部材が直接的に保護することができ、角部側壁15の角稜部16に位置する受け面16a,16b同士を押し広げようとする引張力に対する補強部材として作用させることができる。このような硬質材料としては、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ゴムなどの非発泡の板材、または、鉄、アルミなどの金属からなる板材などを挙げることができ、これらの材料が複数種積層された板材であってもよい。
一方、保護部材30が、収納容体10を構成する材料よりも軟質であり、かつ、破断延びが大きい材料である場合には、角稜部16に衝撃荷重が作用したとしても、受け面同士を押し広げようとする変形を拘束するばかりでなく、その変形時に生じる引張力を吸収することができる。このような軟質の材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂からなるテープなどを挙げることができる。また、これらの材料を被覆した上に、さらに、上述した硬質の保護部材を被覆してもよい。
また、図9(a)では、受け面16a,16bのみに、保護部材30を被覆したが、たとえば、図9(b)に示すように、角稜部16の受け面16a,16bおよび側辺受け部19の受け面19a,19aを被覆するように、保護部材30Aを配置してもよく、図9(c)に示すように、角稜部16の受け面16a,16bを含む内壁面15aの全体を覆うように、保護部材30Bを配置してもよい。このようにして、受け面同士を押し広げようとする変形を抑制することができる。
〔第6実施形態〕
図10(a)は、本考案の第6実施形態に係る収納容体の側壁角部の正面図であり、(b)は、その変形例である。第4実施形態に係る梱包材が第6実施形態のものと相違する点は、肉抜き部を設けた点である。したがって、第6実施形態と同じ構成には、同じ符号を付して、詳細な説明を一部省略する。
図10(a)に示すように、本実施形態では、角稜部16のうち、被梱包物Pを受ける部分が薄肉となるように、受け面の形状に沿って、開口がL字状となるように収容凹部11の深さ方向に沿って肉抜かれた肉抜き部18Cが形成されている。このような肉抜き部18Cを設けることにより、被梱包物Pを受ける部分が薄肉部16eとして形成され、薄肉部16eで被梱包物Pの角部からの荷重を吸収することができる。また、図10(b)に示すように、収納容体の角部側の開口縁の形状が円弧となるように、肉抜き部18Dを設けてもよい。
さらに、これらの肉抜き部18C,18Dの開口から挿入して、肉抜き部18C,18Dの内壁に嵌合する補強部材を設けてもよい。このような補強部材を挿入することにより、薄肉部16eを補強することができる。また、嵌合部材は、肉抜き部18C,18Dの内壁の形状の応じた中空部材であってもよく、嵌合部材の材料を選択することにより、収納容体の角部のクッション性を調整してもよい。
以上、本考案の実施の形態を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態及び実施例に限定されるものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲における設計変更があっても、それらは本考案に含まれるものである。
第1〜第4実施形態の収納容体の角稜部の受け面に、さらに、第5実施形態に示した保護部材を被覆してもよく、第6実施形態の収納容体の肉抜き部に嵌合するような嵌合凸部を蓋体の裏面に設けてもよい。
1,1A:梱包材、10,10A:収納容体、10a:角部、11:収納凹部、11a:開口部、11b:端面、12:バンド溝、13:底壁、13a:周縁、14:側壁、15:角部側壁、15a:内壁面、15b:外壁面、15c:端面、16:角稜部、16a,16b:受け面、16c,16d:稜縁、16e:薄肉部、17:面取り面、18,18C,18D:肉抜き部、19:側辺受け部、20,20A:蓋体、20a:表面、20b:側面、20c:裏面、21:嵌合凸縁、22:バンド溝、23:嵌合凸部、30,30A,30B:保護部材、D:深さ方向、H:高さ方向、P:被梱包物、Pt:角領域、Ps:側辺部
図1〜図3に示すように、梱包材1は、ガラスパネル等の複数枚の矩形状の被梱包物Pを重ねて梱包するための梱包材である。梱包材1は、収納容体10と蓋体20を備えている。収納容体10および蓋体20の材質としては、熱可塑性樹脂の発泡成形体であることが好ましい。熱可塑性樹脂には、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例えばポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂)、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、またはポリ乳酸)、またはポリカーボネート系樹脂などが挙げられ、単一の樹脂や複数の樹脂を複合したものを使用できる。被梱包物がガラスパネルや電子部品である場合には、帯電防止処理された発泡用原料が好まし

Claims (9)

  1. 矩形状の被梱包物(P)を収納する収納凹部(11)が形成された収納容体(10)を少なくとも備えた梱包材(1)であって、
    前記収納容体(10)は、前記被梱包物(P)を支持する底壁(13)と、前記収納凹部(11)を形成するように前記底壁(13)の周縁(13a)から立設した側壁(14)と、を備えており、
    該側壁(14)のうち、前記収納容体(10)の角部(10a)を含む角部側壁(15)の内壁面(15a)には、前記収納凹部(11)の深さ方向(D)に沿って、前記被梱包物(P)の角領域(Pt)を受ける一対の受け面(16a,16b)を有した角稜部(16)が、これに隣接する前記被梱包物(P)の側辺部(Ps)に非接触となるように形成されており、
    前記角部側壁(15)の内壁面(15a)と、前記角部側壁(15)の外壁面(15b)との間には、前記収納凹部(11)の開口部(11a)の端面(11b)の一部を構成する前記角部側壁(15)の端面(15c)から前記収納凹部(11)の深さ方向(D)に沿って、肉抜き部(18)が形成されていることを特徴とする梱包材。
  2. 矩形状の被梱包物(P)を収納する収納凹部(11)が形成された収納容体(10)を少なくとも備えた梱包材(1)であって、
    前記収納容体(10)は、前記被梱包物(P)を支持する底壁(13)と、前記収納凹部(11)を形成するように前記底壁(13)の周縁(13a)から立設した側壁(14)と、を備えており、
    該側壁(14)のうち、前記収納容体(10)の角部(10a)を含む角部側壁(15)の内壁面(15a)には、前記収納凹部(11)の深さ方向(D)に沿って、前記被梱包物(P)の角領域(Pt)を受ける一対の受け面(16a,16b)を有した角稜部(16)が、これに隣接する前記被梱包物(P)の側辺部(Ps)に非接触となるように形成されており、
    前記角部側壁(15)の外壁面(15b)に位置する前記収納容体(10)の角部(10a)には、前記収納容体(10)の高さ方向(H)に沿って面取された面取り面(17)が形成されており、
    該面取り面(17)は、該面取り面(17)の幅(B)が前記角稜部(16)の深さ方向(D)に沿った両端縁(16c,16d)間の距離(T)以上となるように、形成されていることを特徴とする梱包材。
  3. 前記角部側壁(15)の内壁面(15a)に形成された角稜部(16)と、前記角部側壁(15)の外壁面(15b)に位置する前記収納容体(10)の角部(10a)との間には、前記収納凹部(11)の開口部(11a)の端面(11b)の一部を構成する前記角部側壁(15)の端面(15c)から前記収納凹部(11)の深さ方向(D)に沿って、肉抜き部(18)が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の梱包材。
  4. 前記肉抜き部(18)は、開口が円形となるように前記収納凹部(11)の深さ方向(D)に沿って肉抜かれた肉抜きであることを特徴とする請求項1または3に記載の梱包材。
  5. 前記梱包材(1)は、前記収納容体(10)の収納凹部(11)を密閉するように覆う蓋体(20)をさらに備えており、
    該蓋体(20)には、前記蓋体(20)で収納凹部(11)を覆った状態で、前記肉抜き部(18)により肉抜きされた空間の一部を残すように、前記肉抜き部(18)に嵌合する嵌合凸部(23)が形成されていることを特徴とする請求項1、3、または4に記載の梱包材。
  6. 前記側壁部(14)の内壁面のうち、前記角稜部(16)と離間した位置において、前記被梱包物(P)の側辺部(Ps)を受ける側辺受け部(19)が形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の梱包材。
  7. 前記角稜部(16)の前記一対の受け面(16a,16b)には、前記角部側壁(15)を保護する保護部材(30)が被覆されていることを請求項1〜6のいずれかに記載の梱包材。
  8. 前記保護部材(30)は、前記収納容体を構成する材料よりも、硬質の材料からなることを特徴とする請求項7に記載の梱包材。
  9. 前記保護部材(30)は、前記収納容体を構成する材料よりも軟質であり、かつ、破断延びが大きい材料であることを特徴とする請求項7に記載の梱包材。
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