JP7063574B2 - 染色されたメタ型全芳香族ポリアミド繊維および紡績糸および布帛および繊維製品 - Google Patents

染色されたメタ型全芳香族ポリアミド繊維および紡績糸および布帛および繊維製品 Download PDF

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Description

本発明は、高強力かつ染色性に優れた、染色されたメタ型全芳香族ポリアミド繊維および紡績糸および布帛および繊維製品に関する。
メタ型全芳香族ポリアミド繊維は、優れた耐熱性と寸法安定性を有しているため、産業用途のみならず、耐炎性と防炎性とを活かした寝具、衣料、インテリア等の分野でも展開されている。特に衣料分野においては、耐炎性および防炎性に加えて、さらに、染色性および耐酸性についても、重要な性能として求められている。
一方、メタ型全芳香族ポリアミド繊維は、その剛直なポリマー分子鎖に起因して、通常の方法では染色が困難であるという問題があった。
そこで、メタ型全芳香族ポリアミド繊維の染色性を向上させる方法として、易染成分を紡糸液に添加する方法や、スキンコアを有しない凝固形態のもとで紡糸し易染構造を形成する方法などが提案されている(例えば、特許文献1、2)。
しかしながら、繊維物性、特に高い強度物性が要求される用途に使用できるメタ型全芳香族ポリアミド繊維や布帛はこれまであまり提案されてない。
特開平08-81827号公報 特開2010-84237号公報
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、高強力かつ染色性に優れた、染色されたメタ型全芳香族ポリアミド繊維および紡績糸および布帛および繊維製品を提供することにある。
本発明者は上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、特定の製法により高強力かつ染色性に優れた、染色されたメタ型全芳香族ポリアミド繊維が得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「染色されたメタ型全芳香族ポリアミド繊維であり、破断強度が6.0cN/dtex以上であり、かつ繊維断面において染料が繊維表層部に偏在することを特徴とする染色されたメタ型全芳香族ポリアミド繊維。」が提供される。
その際、シルクファクターが31以上であることが好ましい。ただし、シルクファクターは、破断強度St(cN/dtex)、破断伸度EI(%)とするときSt√EIである。また、複屈折率が0.18~0.22、結晶化度が45~55%、結晶サイズが35~45Åであることが好ましい。また、繊維直径をDm(μm)、繊維断面において染料が存在する繊維表面からの平均深さをDp(μm)とするとき下記式を満たすことが好ましい。
2×Dp/Dm≦0.3
また、結晶配向度が90~95%であることが好ましい。
また、本発明によれば、前記の染色されたメタ型全芳香族ポリアミド繊維を含み、強度が2.5cN/dtex以上である紡績糸が提供される。
その際、単繊維の繊維長が40mm以上、単繊維繊度が1.5dtex以上、撚数Ta(回/2、54cm)と単糸紡績糸の英式綿番手Naから算出される撚係数Ka=Ta×√(5905.42/Na)が250以上であることが好ましい。
また、本発明によれば、前記の染色されたメタ型全芳香族ポリアミド繊維または紡績糸を含む布帛が提供される。
その際、明度指数L値が45以下であることが好ましい。また、JIS L0849 II型乾摩擦堅牢度が3級以上であることが好ましい。
また、本発明によれば、前記の布帛を用いてなり、消防服、防火服、執務服、モータースポーツ用レーシングスーツ、作業服、手袋、帽子、およびベストからなる群より選択されるいずれかの繊維製品が提供される。
本発明によれば、高強力かつ染色性に優れた、染色されたメタ型全芳香族ポリアミド繊維および紡績糸および布帛および繊維製品が得られる。
実施例1で得られた染色されたメタ型全芳香族ポリアミド繊維の繊維断面の図面代用写真である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。まず、本発明の染色されたメタ型全芳香族ポリアミド繊維において、破断強度が6.0cN/dtex以上(好ましくは6.0~9.0cN/dtex)である。該破断強度が6.0cN/dtex未満の場合、高い強度物性が要求される用途に使用できないおそれがあり好ましくない。
また、前記メタ型全芳香族ポリアミド繊維において、破断伸度としては20~40%の範囲内であることが好ましい。
また、前記メタ型全芳香族ポリアミド繊維において、シルクファクターが31以上(より好ましくは31~40)であると大きなタフネスを示し好ましい。ただし、シルクファクターは、破断強度St(cN/dtex)、破断伸度EI(%)とするときSt√EIである。
また、前記メタ型全芳香族ポリアミド繊維において、0.18~0.22(より好ましくは0.19~0.21)の複屈折率を有することが好ましい。このことは該繊維が非常に高度の分子配向を有することを示す。また、該繊維は従来のメタ型全芳香族ポリアミド繊維に比べて顕著に高い結晶化度すなわち45~55%(より好ましくは48~53%)の結晶化度を有することが好ましい。さらに、従来のメタ型全芳香族ポリアミド繊維に比べて小さい結晶サイズ、すなわち35~45Å(より好ましくは38~43Å)の結晶サイズを有することが好ましい。
複屈折率が0.18未満では、繊維の結晶化度が45%以上となり難く、所望の破断強度、タフネス等を有するものとはならないおそれがある。一方、複屈折率が0.22を超えると、結晶化度が55%より大となり、繊維の伸度が低くなり繊維がもろくなるおそれがある。また、結晶化度が45%より小さいと繊維は十分な強度を発現しないおそれがあり、逆に結晶化度が55%を超えると繊維の伸度が低くなりもろい繊維となるおそれがある。
さらに、結晶サイズが35Åより小さいと、繊維における結晶部と非晶部との区分が不明確となり繊維の寸法安定性が悪くなるおそれがあり、結晶サイズが45Åより大きいと、繊維内部において結晶が繊維軸の方向に揃い難くなり、繊維物性が低下するおそれがある。
また、前記メタ型全芳香族ポリアミド繊維において、90~95%の結晶配向度を有することが好ましい。
前記メタ型全芳香族ポリアミド繊維は、耐フイブリル性にもすぐれており、ポリパラフエニレンテレフタラミド繊維のように、使用中に繊維がフイブリル化するという問題はない。また、耐熱性も良好であり、300℃における収縮率が7%以下であり、熱に対する寸法安定性にも優れている。
なお、前記メタ型全芳香族ポリアミド繊維において、ポリマーの全末端の20%以上がアニリン等の一官能性化合物によって封鎖したメタ型全芳香族ポリアミド系重合体からなる繊維は特に高温時に長時間保持した場合の強度維持率も優れたものとなる。
前記メタ型全芳香族ポリアミド繊維の繊維断面において、強力物性を受けもつ内層と染色を受けもつ外層の2層構造を有する。特に、繊維直径をDm(μm)、繊維断面において染料が存在する繊維表面からの平均深さをDp(μm)とするとき下記式を満たすことが好ましい。これは高強度、高タフネスを発現する部分がより繊維内層にあることを意味する。
2×Dp/Dm≦0.3
前記メタ型全芳香族ポリアミド繊維は例えば、以下の製造方法により製造することができる。まず、ポリマー繰返し単位の少なくとも95モル%がメタ型全芳香族ポリアミドからなりかつポリマー濃度0.5g/100mlの無水N-メチル-2-ピロリドン溶液にて30℃の温度で測定した固有粘度[η]が0.7~2.5であるメタ型全芳香族ポリアミド系重合体を準備する。前記ポリマーは、メタ型全芳香族ポリアミド単独重合体であることが好ましいが、ポリマー繰返し単位の95モル%以上、好ましくは98モル%以上がメタ型全芳香族ポリアミドである重合体であればよく、5モル%以下、好ましくは2モル%以下の第3成分を共重合したものでもよい。第3成分が5モル%を超えると、繊維の結晶化度が低下し、破断強度やタフネス等の物性も悪化する。5モル%以下の割合で共重合し得る第3成分としては、例えばテレフタル酸、パラフエニレンジアミン、メタキシリレンジアミン等があげられる。
ここで、繊維とした後の固有粘度を[η]fとするとき、繊維を構成するメタ型全芳香族ポリアミド系重合体の重合度は、該重合体を脱水したN-メチル-2-ピロリドンにポリマー濃度0.5g/100mlとなるように溶解し30℃で測定した固有粘度[η]fにして、0.7~2.5(より好ましくは1.2~2.0)の範囲内にあることが好ましい。[η]fが0.7未満では、繊維の分子配向度、結晶化度、結晶サイズ等を前述のように調整しても、破断強度およびタフネスの大きな繊維とはならないおそれがある。一方、[η]fが2.5を超えるものは、紡糸ドープの粘度が異常に高くなり、紡糸ドープの粘度を紡糸可能な粘度の限界内に抑えようとすると紡糸ドープのポリマー濃度を極端に小さくしなければならず良好な生産性にて紡糸することが困難になるおそれがある。
前記重合体には、必要に応じ、着色剤、紫外線吸収剤、耐光性安定剤、難燃剤等の各種添加剤を含有してもよい。
次いで、前記重合体を有機溶媒に溶解して紡糸ドープとなし、該紡糸ドープを塩化カルシウムを含む水性凝固浴中に押出し、水洗、膨潤延伸、乾燥、乾熱延伸してメタ型全芳香族ポリアミド系繊維を製造する方法において、紡糸して得た未延伸繊維を、(イ)第1次水洗工程に賦して繊維中の有機溶媒含有率を15~30重量%に調整し、(ロ)次いで第1次水浴延伸工程に賦して繊維中の有機溶媒含有率が15~30重量%の状態において少なくとも1段で、1.1~1.5倍に延伸し、(ハ)引続き第2次水洗工程に賦して繊維中の有機溶媒含有率を15重量%未満に調整した後、(ニ)第2次水浴延伸工程に賦して少くとも1段にて1.1倍以上に延伸し、(ホ)次いで乾燥し、(ヘ)しかる後乾熱延伸工程に賦して全延伸倍率が4.0~7.0倍となる倍率で延伸することを特徴とする方法である。
この倍率を下回ると十分なタフネスが得られないばかりか、繊維表層に染着領域が形成されないおそれがある。逆に、この倍率を上回る延伸では糸切れが発生するおそれがある。
次いで、染色加工を施す。染色加工については、従来提案された方法が用いられる。特にキャリア剤を用いることが濃色化、堅牢度維持のため好ましい。染料は分散染料、カチオン染料が用いられる。なお、かかる染色加工は後記のような紡績糸または布帛の段階で行ってもよい。
かくして得られた染色されたメタ型全芳香族ポリアミド繊維において、繊維の形態はマルチフィラメント(長繊維)、ステープルファイバー(短繊維)の何れでもよい。単繊維繊度や断面形状も限定されないが、単繊維繊度は1~10dtexの範囲が好ましい。ステープルファイバーとしては後述する紡績糸としての使用から単繊維繊度1.5~2.5dtexの範囲が好ましい。断面形状は、円形、だ円形、三角形、まゆ形その他任意の形状をとることができる。
次に、本発明の紡績糸は前記のメタ型全芳香族ポリアミド繊維を含む紡績糸である。かかる紡績糸に前記のメタ型全芳香族ポリアミド繊維が紡績糸重量対比80重量%以上含まれることが好ましい。かかる紡績糸に他の繊維を混紡させる場合、他の繊維としては、パラ型全芳香族ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、アクリル系またはナイロン系導電性繊維などが例示される。
かかる紡績糸は、前記のメタ型全芳香族ポリアミド繊維を含むため高強力かつ染色性に優れる。かかる紡績糸において、引張強度が2.5cN/dtex以上(より好ましくは2.5~4.0cN/dtex)であることが好ましい。また、引張強力としては400cN以上(より好ましくは400~800cN)であることが好ましい。
また、前記紡績糸において、単繊維の繊維長が40mm以上(より好ましくは40~60mm)、単繊維繊度が1.5dtex以上、撚数Ta(回/2,54cm)と単糸紡績糸の英式綿番手Naから算出される撚係数Ka=Ta×√(5905.42/Na)が250以上(より好ましくは250~350)であると、前記のような引張強度や引張強力が得られやすく好ましい。
次に本発明の布帛は、前記メタ型全芳香族ポリアミド繊維または紡績糸を含む布帛である。かかる布帛は、前記メタ型全芳香族ポリアミド繊維または紡績糸を含むため、高強力かつ染色性に優れる。
前記布帛において、明度指数L値が45以下(より好ましくは5~45)であることが好ましい。また、JIS L0849 II型乾摩擦堅牢度が3級以上であることが好ましい。
また、前記布帛において、布帛の組織は特に限定されず、織物、編物、不織布いずれでもよいが、難燃性、耐炎性、布帛強度などの点で織物が好ましい。その際、織物組織としては、平組織、綾組織、朱子組織、二重織物などが好ましい。
織物の密度としては、優れた強力を得る上で、経密度50本/2.54cm以上かつ緯密度50本/2.54cm以上(より好ましくは経密度60本/2.54cm以上かつ緯密度60本/2.54cm以上、特に好ましくは経密度60~80本/2.54cmかつ緯密度60~80本/2.54cm以上)であることが好ましい。
また、前記のメタ型芳香族ポリアミド繊維または紡績糸が織物の経糸および緯糸の全てに配されていると、強力が向上し好ましい。
本発明の布帛は、前記のメタ型芳香族ポリアミド繊維または紡績糸を用いて常法により製編織することができる。その際、単糸または双糸にてレピア織機などを用いて、綾織、平織などの組織に製織することが好ましい。
製編織に次いで後加工を施すことが好ましい。具体的な後加工工程としては、精練、乾燥、リラックス、毛焼、染色および機能化処理などの工程を例示できる。
次に、本発明の繊維製品は、前記の布帛を用いてなり、消防服、防火服、執務服、モータースポーツ用レーシングスーツ、作業服、手袋、帽子、およびベストからなる群より選択されるいずれかの繊維製品である。かかる繊維製品は前記の布帛を用いているため、高強力かつ染色性に優れる。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
(a)固有粘度([η]、[η]f)
固有粘度はポリマーの分子量を表わす目安となるもので、本発明では、無水N-メチル-2-ピロリドン100mlにポリマーまたは繊維0.5gを溶解した溶液の30℃における固有粘度で表わす。なお、原料ポリマーの固有粘度を[η]、繊維とした後の固有粘度を[η]fとする。
(b)結晶化度
通常のX線測定法による。ただし、結晶部、非晶部の算出は、以下の通りとする。
(i)2θの範囲は、12°から32°までとする。
(ii)非晶部2θ=17°から2θ=30°まで直線を引き、この線分と2θ<17°、2θ>30°の子午回折曲線とからなる曲線を非晶散乱曲線とし、これと無配向近似曲線との間の部分(C)が結晶の寄与、これと空気散乱曲線との間の部分(A)が非晶の寄与とする。
結晶化度=C/T(1-12.7/100)
但し、T=A+C
(c)結晶サイズ
理学電機社のX線発生装置(Cat.No.4032A2)、広角回折計及び計数回路ユニツトを使用する。試料は約2.2g/cmの幅密度になるように4.5cm長のホルダーに装着し回折計のスキヤン軸に対して、延伸方向(長さ方向)を垂直にする。Cu-Kα線(λ=1.5418Å)を使用する。結晶サイズDはÅ単位で次式により計算される。
D=0.94λ/(B-b)cosθ
(この式は広く高分子X線回折学の本に記述してある。)
0.94はシエラー定数と呼ばれるもの、Bはラジアン単位で表わした測定ピーク(2θ=27.3℃)の半価幅。bは装置のブロードニング定数(ラジアン単位)であり、上記装置の場合0.0017rad(約0.1℃)である。
BをX線回折チヤートから求めるには次の手順による。赤道上に二つの重なつた主要ピークが存在する場合はそれぞれのピークがガウス曲線の形をしていると仮定して、各ピークを分離する。次に、子午方向の回折曲線から求められる、ピークのない所の高さを点綴した曲線をベースラインとして採用し、ピーク頂点とベースラインの中点よりベースラインに平行に直線を引き測定ピークの交点の幅(半価値)をラジアン単位で求め、これをBとする。
二つの主要ピークが重なつている場合と、実質上一つしか主要ピークが認められない場合とでは本発明で特定したDの範囲は異なる。二つの主要ピークが重なつていて、2θの小さい方のピークをガウス曲線として取り出して測定した場合はDは55Å以下であるべきであり、実質上一つしか主要ピークが認められず、そのピークからDを計算した場合のは33Å以下であるべきことが分った。二つの場合のDの範囲が異なる理由は、おそらく、実質上一つしか観測されないピークも本来は二つのピークから成立すべきものであり、共重合効果のため、あたかも一つのピークのみとして観測されるであろう。
なお、詳細な測定条件は下記の通りである。
電圧 50kv
電流 80mA
タイムコンスタント 1sec
掃引スピード 2°/min
チャートスピード 2cm/min
試料面上の照射直径 2.8mmφ
(d)結晶配向度
結晶サイズを測定したものと同一のX線発生装置、広角回折計及び計数回路ユニツトを使用するが、新たに方位角方向に測定出来る繊維回転試料台を取りつける。サンプルの試料密度も同様である。赤道線上で最大のピークを有する2θ値を保ったまま方位角方向に繊維を回転して配向回折ピークを得る。ベースラインを見出すことは容易であり、このベースラインに頂点から下した垂線の中点からベースラインに平行な直線を引きピークの肩との交点を求める。この交点の作る線分の長さ(半価幅)をH(度)とすると配向度fは次式で求められる。
f=(180-H)/180×100(%)
この方法は一般の高分子X線回折の文献に紹介されている。なお、その他の測定条件は結晶サイズの場合と同じである。
(e)破断時の強度、伸度、紡績糸の強度
JIS L-1015(1992)の「化学繊維ステープルの試験方法」により、引張強さ、伸び率を求めた。また、JIS L-1015(1992)の「化学繊維ステープルの試験方法」により紡績糸の引張強さを求めた。
(f)シルクファクター
次式により算出する。
シルクファター=強度(cN/dtex)×√伸度(%)
(g)繊維中の有機溶媒含有率
特公昭53-10173号公報第4欄に記載の残留溶媒量Sの測定法による。
(h)水洗浴、延伸浴中の有機溶媒濃度
繊維中の有機溶媒含有率は次の手順により測定することができる。
(1)糸条約5grを採取し、精秤する。この重さをW1とする。
(2)水分率既知の標準メタノール1リットルにて60℃1日間試料を抽出する。
(3)抽出メタノールの水分をカールフイツシヤー法で測定し、抽出させた水分をW2とする。
(4)抽出メタノールを蒸発乾固する(次第に高い温度で行い、最終的には300℃とし、全体で5時間行う)。
(5)残渣を秤量し、この重さをW3とする。
(6)抽出後の試料を130℃で1時間乾燥し、秤量する。この重さをW4とする。
(7)次式により残留触媒量Bを算出する。
B=(W1-W2-W3-W4)/W4×100(%)
[実施例1~3]
イソフタル酸クロライド(mp44.5~45.0℃)14.2gを金属ナトリウムにて脱水したテトラヒドロフラン100mlに溶解し、これを3枚の回転刃を有するワーリングブレンダーに入れ、毎分約300回転の攪拌を行いながらメタフエニレンジアミン(mp62.0~63.0℃)7.41gを脱水したテトラヒドラフラン100mlに溶解した溶液を細流として徐々に加えていくと白濁した乳化液が得られる。攪拌を約5分間継続した後、攪拌速度を毎分約1500回転とした所へ炭酸ソーダ14.8g及び食塩28.0gを300mlの水に溶かした水溶液を速やかに加え、約5分間攪拌を続行する。
反応系は数秒後に粘度が増大し、再び低下白色の懸濁系が得られる。静置により透明な水溶液層が分離するので、これを取除き、濾過によって白色重合体16.4g(収率98%)が得られた固有粘度[η]1.45のポリメタ型全芳香族ポリアミド重合体をN-メチル-2-ピロリドンからなる溶媒に20.5重量%の濃度で溶解して紡糸ドープを調製し、この紡糸ドープを用いて特公昭48-17551号公報に記載の湿式紡糸法に従つて、孔径0.07mmの紡糸孔を10000個設けた紡糸口金から塩化カルシウム濃度45%、温度90℃の塩化カルシウム水溶液からなる凝固浴中に紡糸した。
凝固した未延伸繊維は、凝固浴から引出された段階で45重量%の溶媒を含んでいた。
この未延伸繊維を、表1に示す製糸条件で水洗、延伸した。
続いて表1に示す条件で紡績、製織、染色を行った。染色条件は表2に従った。染色後、繊維を抜出し、切断後断面を透過光で拡大観察し、直径に対する、染着領域比を算出した。結果を表1に示す。また、実施例1で得られた染色されたメタ型全芳香族ポリアミド繊維の繊維断面写真を図1に示す。
[比較例1]
従来の方法によりポリメタ型全芳香族ポリアミド繊維を製造した。即ち、固有粘度[η]が1.35のポリメタ型全芳香族ポリアミドを用いて実施例1に準じて湿式紡糸し、凝固浴上りの未延伸繊維を表1比較例に示す製糸条件で水洗、延伸した。
続いて表1に示す条件で紡績、製織、染色を行った。染色条件は表2に従った。染色後、繊維を抜出し、切断後断面を透過光で拡大観察し、直径に対する、染着領域比を算出した。結果を表1に示す。
Figure 0007063574000001
Figure 0007063574000002
本発明によれば、高強力かつ染色性に優れた、染色されたメタ型全芳香族ポリアミド繊維および紡績糸および布帛および繊維製品が提供され、その工業的価値は極めて大である。

Claims (5)

  1. 染色されたメタ型全芳香族ポリアミド繊維であり、破断強度が6.0~9.0cN/dtex、単繊維繊度が1.5~2.5dtexであり、かつ繊維断面において、繊維直径をDm(μm)、繊維断面において染料が存在する繊維表面からの平均深さをDp(μm)とするとき下記式を満たすように染料が繊維表層部に偏在し、かつ繊維長が40~60mmであることを特徴とする染色されたメタ型全芳香族ポリアミド繊維を含み、撚数Ta(回/2.54cm)と単糸紡績糸の英式綿番手Naから算出される撚係数Ka=Ta×√(5905.42/Na)が250~350であり、強度が2.5cN/dtex~4.0cN/dtexである紡績糸。
    2×Dp/Dm≦0.3
  2. 請求項1に記載の紡績糸を含む布帛。
  3. 明度指数L値が45以下である、請求項2に記載の布帛。
  4. JIS L0849 II型乾摩擦堅牢度が3級以上である、請求項2または請求項3に記載の布帛。
  5. 請求項2~4のいずれかに記載の布帛を用いてなり、消防服、防火服、執務服、モータースポーツ用レーシングスーツ、作業服、手袋、帽子、およびベストからなる群より選択されるいずれかの繊維製品。
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