JP7060165B2 - 粘着剤組成物及び表面保護フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、粘着剤組成物及び表面保護フィルムに関する。
各種部材の表面の汚れや傷付きを防止することを目的として、表面保護フィルムが用いられている。前記表面保護フィルムは、例えば、表示装置の製造工程において、光学部材等に貼り付けられ、表面の保護が不要になった段階で光学部材等から剥離される。
こうした表面保護フィルムに用いられる粘着剤としては、アクリル樹脂をイソシアネート系架橋剤と金属キレート系架橋剤を特定の比率で混合して架橋させたアクリル系粘着剤が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003-114331号公報
しかしながら、従来から知られる特許文献1の粘着剤を表面保護フィルムに使用すると、高温高湿下においた場合、表面保護フィルムの被着体に白い点状の汚れが残る場合があった。本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、高温高湿下に保管した場合においても、表面保護フィルムの被着体の汚れを抑制することが可能な粘着剤組成物を提供する事を目的とする。
本発明の粘着剤組成物は、アクリル樹脂(A)と、硬化剤(B)と、フッ素系添加剤(C)とを含み、前記硬化剤(B)が、多官能イソシアネート化合物を含み、前記アクリル樹脂(A)が、ヒドロキシル基を有するものであり、前記多官能イソシアネート化合物の含有量が、前記アクリル樹脂(A)100質量部に対して、1質量部以上であり、前記フッ素系添加剤(C)の含有量が、前記アクリル樹脂(A)100質量部に対して、0.01質量部以上、6質量部以下である。
本発明の粘着剤組成物を用いた表面保護フィルムは、被着体に貼着し高温高湿下においた後でも、被着体の汚れを抑制することができる。
本発明の粘着剤組成物は、アクリル樹脂(A)と、硬化剤(B)と、フッ素系添加剤(C)とを含む。
前記アクリル樹脂(A)は、ヒドロキシル基を有するものであり、好ましくは、ヒドロキシル基を有する単量体(a1)と(メタ)アクリル酸エステル(a2)とを含む単量体(混合物)の(共)重合体であることが好ましい。
なお本発明において、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及び/又はメタクリルを表し、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及び/又はメタクリレートを表すものとする。
前記ヒドロキシル基を有する単量体(a1)としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸1,4-シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールモノメタクリレート等が挙げられる。中でも、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチルが好ましい。
前記ヒドロキシル基を有する単量体(a1)の含有量は、前記単量体(混合物)の合計100質量部中、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上、さらに好ましくは3質量部以上であり、好ましくは30質量部以下、より好ましくは15質量部以下、さらに好ましくは12質量部以下である。
前記(メタ)アクリル酸エステル(a2)としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、n-ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリエート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n-ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n-デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、n-オクタデシル(メタ)アクリレート、イソオクタデシル(メタ)アクリレート等の脂肪族(メタ)アクリル酸エステル;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリル酸エステル;メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキレングリコール(メタ)アクリレート;メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
中でも、脂肪族(メタ)アクリル酸エステル及びアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。
前記脂肪族(メタ)アクリル酸エステル又は脂環式(メタ)アクリル酸エステルの(メタ)アクリロキシ基に置換する炭化水素基の炭素数は、好ましくは1以上であり、好ましくは20以下、より好ましくは14以下、さらに好ましくは10以下、特に好ましくは8以下である。
中でも、前記脂肪族(メタ)アクリル酸エステルは、炭素原子数4以上14以下(より好ましくは炭素原子数10以下、さらに好ましくは炭素原子数8以下)の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートを含むことが好ましく、n-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレートを含むことがさらに好ましい。前記炭素原子数4以上14以下の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、炭素原子数4以上14以下の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基を有するアルキルアクリレートが好ましい。
特に、前記アルキル基が分岐鎖状アルキル基である場合、その炭素原子数は12以上20以下であってもよい。直鎖状アルキル基の炭素原子数が多くなると(例えば12以上)結晶性が発現し、粘着性能が発現し難くなるが、分岐鎖状アルキル基であれば、炭素原子数が多くとも結晶性の発現が抑制されうる。
また、前記(メタ)アクリル酸エステル(a2)は、炭素原子数1以上3以下(より好ましくは炭素原子数2以下)のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを含むことが好ましく、メチル(メタ)アクリレートを含むことがより好ましい。前記炭素原子数1以上3以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、アルキルメタクリレートが好ましい。
前記炭素原子数1以上3以下のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートの含有量は、前記炭素原子数4以上14以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレート(a2)100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上であり、好ましくは50質量部以下、より好ましくは40質量部以下である。
前記(メタ)アクリル酸エステル(a2)の含有率は、前記単量体混合物の全量中、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上であり、好ましくは99質量%以下、より好ましくは98質量%以下である。
前記単量体(混合物)は、さらに、カルボキシル基を有する単量体(a3)を含むことが好ましい。
前記カルボキシ基を有する単量体(a3)としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、(メタ)アクリル酸等の不飽和モノカルボン酸;(メタ)アクリル酸β-カルボキシエチル、2-(メタ)アクリロイルプロピオン酸等のモノカルボン酸の(メタ)アクリルエステル;クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、サクシン酸等の不飽和ジカルボン酸;前記不飽和ジカルボン酸のハーフ(メタ)アクリル酸エステル;前記不飽和ジカルボン酸の無水物;前記不飽和ジカルボン酸のカルボキシ基の少なくとも1つに(メタ)アクリロキシアルキル基(好ましくは(メタ)アクリロキシエチル基)が付加した化合物などが挙げられる。中でも、不飽和モノカルボン酸が好ましく、アクリル酸が特に好ましい。
前記カルボキシ基を有する単量体(a3)の含有量は、単量体(混合物)100質量部中、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.05質量部以上であり、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、さらに好ましくは1質量部以下である。
前記単量体(混合物)は、前記ヒドロキシル基を有する単量体(a1)、(メタ)アクリル酸エステル(a2)、カルボキシル基を有する単量体(a3)以外に、その他の単量体(a4)を含んでいてもよい。前記その他の単量体(a4)としては、窒素官能基を有する単量体、ケト基を有する単量体、シリル基を有する単量体、リン酸基を有する単量体等が挙げられる。
前記窒素官能基は、窒素原子を含む官能基であり、前記窒素官能基を有する単量体としては、例えば、N-ビニルピロリドン、N-ビニルピペリドン、N-ビニルモルホリノン、N-ビニルカプロラクタム、N-シクロヘキシルマレイミド、N-ブチルマレイミド、N-フェニルマレイミド、N-(メタ)アクリロイルモルホリン、N-(メタ)アクリロイルピロリドン、N-(メタ)アクリロイルピペリジン、N-(メタ)アクリロイルピロリジン、N-(メタ)アクリロイル-4-ピペリドン等の環状アミド;(メタ)アクリロニトリル;(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の置換(メタ)アクリルアミド;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t-ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
前記ケト基を有する単量体としては、例えば、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
前記シリル基を有する単量体としては、例えば、3-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
前記リン酸基を有する単量体としては、例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートのリン酸エステル(例えば、SIPOMER PAM-100(ローディア日華(株)製))等が挙げられる。
前記その他の単量体(a4)の含有率は、前記単量体混合物の全量中、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、よりいっそう好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下、よりさらに好ましくは0.1質量%以下、特に好ましくは0質量%である。
前記アクリル樹脂(A)は、前記単量体混合物を重合することにより製造することができる。前記重合方法としては、ラジカル重合法、アニオン重合法、カチオン重合法等が挙げられ、ラジカル重合法が好ましい。前記ラジカル重合法としては、具体的には、前記単量体混合物と、重合開始剤と、必要に応じて用いる有機溶剤とを混合、撹拌し、重合反応を進行させる方法が挙げられる。
前記重合開始剤としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、過酸化物開始剤、アゾ開始剤等が挙げられる。
前記過酸化物開始剤としては、ジラウロイルパーオキサイド、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、ジサクシン酸パーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(2-エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t-ブチル-パーオキシイソブチレート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-アミルパーオキシイソブチレート、t-アミルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ヘキシルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ヘキシルパーオキシピバレート、ジ(3-メチルベンゾイル)パーオキサイド、ベンゾイル(3-メチルベンゾイル)パーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド等が挙げられる。
前記アゾ開始剤としては、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)等が挙げられる。
前記重合の際、ラウリルメルカプタン、グリシジルメルカプタン、メルカプト酢酸、2-メルカプトエタノール、チオグリコール酸、チオグリコール酸2-エチルヘキシル、α-ピネン、β-ピネン、ターピノーレン、α-メチルスチレンダイマー等の連鎖移動剤を共存させてもよい。これらの連鎖移動剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
重合温度は、好ましくは20℃以上100℃以下である。特に、アゾ開始剤、過硫酸塩開始剤等の熱分解系開始剤を用いる場合、熱分解系開始剤の場合、重合温度としては、10時間半減期温度が反応温度内、または反応温度付近である熱分解系開始剤を選定することで反応をコントロールしやすくなり、反応終了時の未分解の残存開始剤量を少なくすることができる。
得られた前記アクリル樹脂(A)の重量平均分子量は、好ましくは接着性の観点から、10万以上、より好ましくは30万以上、さらに好ましくは50万以上であり、好ましくは200万以下、より好ましくは100万以下である。
本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い標準ポリスチレン換算して求めることができる。
乳化重合は溶剤重合と比較して、アクリル樹脂の製造時に水素引き抜きによる分岐構造が生じ分岐しやすいが、分岐度合いやGPC測定の際の選択したカラムの種類によっては分子量が正しく測定されないことがある。このような場合はGPCによる分子量測定で高分子側にショルダーとして現れる。アクリル樹脂の重量平均分子量は、GPC測定のピークが1山でかつ左右対称で上記分子量範囲にあることが好ましい。
前記硬化剤(B)は、多官能イソシアネート化合物を含む。前記多官能イソシアネート化合物としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えばトリレンジイソシアネート、クロロフェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート等のポリイソシアネート;これらのトリメチロールプロパン付加物;これらのイソシアヌレート体;これらのビュレット体;これらのアダクト体;ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートなどが挙げられる。
前記多官能イソシアネート化合物の含有量は、前記アクリル樹脂(A)100質量部に対して、1質量部以上、好ましくは2質量部以上であり、好ましくは10質量部以下、より好ましくは7質量部以下、さらに好ましくは5質量部以下である。
前記多官能イソシアネート化合物の含有率は、前記硬化剤(B)中、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上であり、好ましくは100質量%以下である。
前記硬化剤(B)は、さらに、金属キレート硬化剤及びエポキシ架橋剤からなる群より選ばれる1種以上を含むことが好ましい。
前記金属キレート硬化剤としては、1種又は2種以上を用いることができ、金属にキレート化剤が配位した化合物が挙げられる。前記金属としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロム、ジルコニウム等の多価金属が挙げられる。中でも、アルミニウム、チタン、ジルコニウム等が好ましい。
前記キレート化剤としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、β-ジカルボニル化合物、β位にヒドロキシル基やアミノ基を有するカルボニル化合物等が挙げられる。前記βジカルボニル化合物としては、例えば、アセチルアセトン、2,4-ヘキサンジオン、2,4-ヘプタンジオン、3,5-ヘプタンジオン、2,4-オクタンジオン、3,5-オクタンジオン、2,4-ノナンジオン、3,5-ノナンジオン、5-メチル-2,4-ヘキサンジオン等のβ-ジケトン化合物;アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸プロピル、アセト酢酸イソプロピル、アセト酢酸ブチル、アセト酢酸イソブチル、アセト酢酸s-ブチル、アセト酢酸t-ブチル、アセト酢酸2-エチルヘキシル、アセト酢酸ドデシル等のβ-ケトエステル化合物(好ましくは、アセト酢酸の炭素原子数1~20のアルキルエステル);マロン酸ジエチル等のβ-ジエステル化合物などが挙げられる。前記β位にヒドロキシル基やアミノ基を有するカルボニル化合物としては、例えば、ダイアセトンアルコール、ダイアセトンアミン、サリチルアルデヒド、サリチル酸メチル、N-メチルサリチルアミド等が挙げられる。中でも、β-ジカルボニル化合物が好ましく、β-ジケトン化合物が好ましい。
前記金属キレート硬化剤としては、アルミニウム、チタン、ジルコニウム等にβ-ジカルボニル化合物(好ましくはβ-ジケトン化合物)が配位した化合物が好ましい。
前記金属キレート硬化剤を含む場合、その含有量は、前記多官能イソシアネート化合物100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、さらに好ましくは1質量部以上であり、好ましくは10質量部以下、より好ましくは7質量部以下、さらに好ましくは5質量部以下である。
前記エポキシ硬化剤としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えばビスフェノールA・エピクロルヒドリン型のエポキシ樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエリスリトール、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-m-キシレンジアミン等が挙げられる。
前記エポキシ硬化剤を含む場合、その含有量は、前記多官能イソシアネート化合物100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、さらに好ましくは1質量部以上であり、好ましくは10質量部以下、より好ましくは7質量部以下、さらに好ましくは5質量部以下である。
前記硬化剤(B)は、前記多官能イソシアネート化合物、金属キレート硬化剤、エポキシ架橋剤以外に他の硬化剤を含んでいてもよい。前記他の硬化剤としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、多価金属塩硬化剤、ケト・ヒドラジド硬化剤、オキサゾリン硬化剤、シラン硬化剤、アジリジン硬化剤、メラミン硬化剤、アルデヒド硬化剤等が挙げられる。前記他の硬化剤の含有量は、前記硬化剤(B)の全量中、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下である。
前記硬化剤(B)の含有量は、前記アクリル樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは1.5質量部以上であり、好ましくは10質量部以下、より好ましくは8質量部以下、さらに好ましくは6質量部以下である。
前記フッ素系添加剤(C)は、好ましくは、フッ素系界面活性剤が挙げられ、より好ましくは疎水性基としてフッ化炭化水素基を有する界面活性剤が挙げられ、さらに好ましくは、フッ化炭化水素基を有するアニオン性界面活性剤、フッ化炭化水素基を有するノニオン性界面活性剤、フッ化炭化水素基を有する両性界面活性剤等が挙げられる。前記フッ化炭化水素基としては、炭素原子数1~10のフルオロアルキル基、炭素原子数1~10のフルオロアルケニル基が好ましい。
前記フッ化炭化水素基を有するアニオン性界面活性剤としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、フッ化炭化水素基と水酸基とを有するアニオン性界面活性剤、フッ化炭化水素基とカルボキシル基とを有するアニオン性界面活性剤、フッ化炭化水素基とスルホン酸基とを有する界面活性剤等が挙げられる。
前記フッ化炭化水素基を有するノニオン性界面活性剤としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、フッ化炭化水素のアルキレンオキサイド(好ましくはエチレンオキサイド)及び/又はアルキレンスルフィド付加物、フッ化炭化水素のアルキレンオキサイド(好ましくはエチレンオキサイド)及び/又はアルキレンスルフィド付加物のアルキルエーテル等が挙げられる。
前記フッ素系添加剤(C)は、オルガノシリル基及び/又はジアルキルシロキサン鎖を有するものであってもよい。
前記フッ素系添加剤(C)の含有量は、前記アクリル樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.03質量部以上であり、好ましくは6質量部以下、より好ましくは3質量部以下、さらに好ましくは2質量部以下である。
本発明の粘着剤組成物は、さらに酸化防止剤(D)を含むことが好ましい。前記酸化防止剤(D)としては、例えば、ラジカルを捕捉するフェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤等の一次酸化防止剤;過酸化物を分解するリン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等の二次酸化防止剤などを用いることができる。
前記フェノール系酸化防止剤としては、例えば、トリエチレングリコール-ビス-[3-(3-t-ブチル-5-メチル-4ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、オクタデシル[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ベンゼンプロパン酸-3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-C7-C9側鎖アルキルエステル、4,6-ビス(ドデシルチオメチル)-o-クレゾール、N-フェニルベンゼンアミンと2,4,4-トリメチルペンテンとの反応生成物、2-t-ブチル-6-(3-t-ブチル-2-ヒドロキシ-5-メチルベンジル)-4-メチルフェニルアクリレート、3,9-ビス[2-〔3-(t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕-1,1-ジメチルエチル]2,4,8,10-テトラオキサスピロ〔5・5〕ウンデカン、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、2,5-ジ-tert-アミルハイドロキノン等を用いることができる。
前記アミン系酸化防止剤としては、例えば、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、1,2,3,4-テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルオキシカルボニル)ブタン、コハク酸ジメチル-1-(2-ヒドロキシルエチル-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン重縮合体、1-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-1,1-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルオキシカルボニル)ペンタン、N,N-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン、4-ベンゾイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、ビス(オクチロン-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)[[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート等を用いることができる。
前記リン系酸化防止剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン、ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)=エチル=ホスフィット、トリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4-ジブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4-ジブチル-5-メチルフェニル)ホスファイト、トリス〔2-第三ブチル-4-(3-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニルチオ)-5-メチルフェニル〕ホスファイト、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モノフェニルホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6-ジブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6-トリブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(トリデシル)-4,4’-n-ブチリデンビス(2-ブチル-5-メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)-1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、テトラキス(2,4-ジブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、9,10-ジハイドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナンスレン-10-オキサイド、2,2’-メチレンビス(4,6-ブチルフェニル)-2-エチルヘキシルホスファイト、2,2’-メチレンビス(4,6-ブチルフェニル)-オクタデシルホスファイト、2,2’-エチリデンビス(4,6-ジブチルフェニル)フルオロホスファイト、トリス(2-〔(2,4,8,10-テトラキスブチルジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェピン-6-イル)オキシ〕エチル)アミン、2-エチル-2-ブチルプロピレングリコールと2,4,6-トリブチルフェノールのホスファイト等を用いることができる。
前記イオウ系酸化防止剤としては、例えば、ジドデシル-3,3’-チオプロピオネート、ジラウリル-3,3’-チオジプロピオネート、ラウジリルチオジチオネート、ジトリデシル-3,3’-チオジプロピオネート、ジミリスチル-3,3’-チオジプロピオネート、ジステアリル-3,3’-チオジプロピオネート、テトラキス-メチレン-3-ラウリルチオプロピオネートメタン、ジステアリル-3,3’-メチル-3,3’-チオジプロピオネート、ラウリルステアリル-3,3’-チオジプロピオネート、ビス[2-メチル-4-(3-n-アルキルチオプロピオニルオキシ)-5-t-ブチルフェニル]スルフィド、β-ラウリルチオプロピオネート、2-メルカプトベンゾイミダゾール、2-メルカプト-5-メチルベンゾイミダゾール、ジオクタデシル-3,3’-チオジプロチオネート等を用いることができる。
中でも、前記酸化防止剤(D)としては、一次酸化防止剤が好ましく、フェノール系酸化防止剤がより好ましい。前記一次酸化防止剤(好ましくはフェノール系酸化防止剤)の含有量は、前記酸化防止剤(D)中、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上であり、100質量%以下である。
前記酸化防止剤(D)を含む場合、その含有量は、前記アクリル樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.03質量部以上であり、好ましくは2質量部以下、より好ましくは1質量部以下、さらに好ましくは0.5質量部以下である。
本発明の粘着剤組成物は、さらに、溶剤(E)を含んでいてもよい。前記溶剤(E)としては、1種又は2種以上を用いることができ、イソシアネート系架橋剤との反応を妨げないものが好ましく、例えば、トルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン等の芳香族炭化水素溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、シクロヘキサノン、3-ペンタノン等のケトン溶剤;ヘキサンヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素溶剤等が挙げられる。
前記溶剤(E)の含有量は、前記アクリル重合体(A)100質量部に対して、好ましくは10質量部以上であり、好ましくは2,000質量部以下である。
本発明の粘着剤組成物は、さらに、粘着付与樹脂、顔料・染料等の着色剤、可塑剤、軟化剤、酸化防止剤、充填剤、皮膜形成補助剤、レベリング剤、濡れ剤、増粘剤(粘度調整剤)、撥水剤、消泡剤等のその他の添加剤を含んでいてもよい。前記樹脂組成物が前記その他の添加剤を含む場合、その含有量は、前記アクリル樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは0質量部超30質量部以下である。
本発明の粘着剤組成物から形成される粘着層及び該粘着層を含む粘着フィルム又は粘着シートも本発明の技術的範囲に包含される。前記粘着フィルム又は粘着シートとしては、基材層と、本発明の粘着剤組成物から形成される粘着層とを有するものであることが好ましく、基材層と、前記粘着層と、離型フィルム層とを有するもの(好ましくは、この順に積層されたもの)であることがより好ましい。
前記基材層としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリオレフィン;ポリ(メタ)アクリレート;ポリ塩化ビニル;ポリエチレン;ポリプロピレンエチレンビニルアルコール;ポリウレタン;ポリアミド;ポリイミド等のプラスチック基材が好ましく、シート状又はフィルム状であってもよい。前記基材層の表面には、離型処理、帯電防止処理、コロナ処理等が施されていてもよい。前記基材層の厚さは、好ましくは2μm以上200μm以下である。
前記粘着フィルム又は粘着シートの製造方法としては、例えば、前記粘着剤組成物をプラスチック基材上に塗工し、乾燥・硬化させることにより粘着層を得、必要に応じて、該粘着層上に離型フィルムを貼り合せる方法が挙げられる。
本発明の樹脂組成物、粘着剤組成物及び粘着シートを表面保護フィルムに使用すると、高温高湿下においた場合でも、表面保護フィルムによる被着体の汚れを抑制することが可能である。そのため本発明の樹脂組成物、粘着剤組成物及び粘着シートは、自動車、電子機器、家電などの各種工業用途に好適に使用でき、特に、電子機器(携帯電子端末やPCタブレット等)に使用されるガラスの加工工程時の表面保護フィルムとして有用である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
[合成例1]
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、を備えた反応容器に、2-エチルヘキシルアクリレート692質量部、メチルアクリレート250質量部、4-ヒドロキシブチルアクリレート56質量部、アクリル酸2.0質量部、酢酸エチル1330質量部を仕込み、攪拌下、窒素を吹き込みながら70℃まで昇温した。その後、予め酢酸エチルにて溶解したアゾビスイソブチロニトリル溶液20質量部(固形分5質量%)を添加した。その後、攪拌下72℃にて8時間ホールドした後、酢酸エチル980質量部を添加し内容物を冷却した後200メッシュ金網にて濾過した。不揮発分29.9質量%、粘度10600mPa・sであるアクリル重合体(A-1)溶液を得た。
[合成例2]
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、を備えた反応容器に、2-エチルヘキシルアクリレート785質量部、メトキシポリエチレングリコール#400アクリレート(新中村化学工業株式会社製「NKエステル AM-90G」)145質量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート70質量部、酢酸エチル1200質量部を仕込み、攪拌下、窒素を吹き込みながら70℃まで昇温した。その後、予め酢酸エチルにて溶解したアゾビスイソブチロニトリル溶液20質量部(固形分5質量%)を添加した。その後、攪拌下72℃にて8時間ホールドした後、酢酸エチル280質量部を添加し内容物を冷却した後200メッシュ金網にて濾過した。不揮発分40.0質量%、粘度1300mPa・sであるアクリル重合体(A-2)溶液を得た。
[合成例3]
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、を備えた反応容器に、2-エチルヘキシルアクリレート898質量部、アクリル酸2.0質量部、4-ヒドロキシブチルアクリレート100質量部、酢酸エチル730質量部、メチルエチルケトン250質量部を仕込み、攪拌下、窒素を吹き込みながら70℃まで昇温した。その後、予め酢酸エチルにて溶解したアゾビスイソブチロニトリル溶液20質量部(固形分5質量%)を添加した。その後、攪拌下72℃にて8時間ホールドした後、酢酸エチル220質量部を添加し内容物を冷却した後200メッシュ金網にて濾過した。不揮発分45.0質量%、粘度1900mPa・sであるアクリル重合体(A-3)溶液を得た。
[実施例1]
合成例1のアクリル重合体(A-1)100質量部に対し、酸化防止剤としてIrganox1010を0.1質量部添加した。これに粘着フィルムを製造する直前に、フッ素系添加剤としてMegaface F-562を1.5質量部と、架橋剤として旭化成株式会社製「デュラネートTKA-100」を2.0質量部添加し、粘着剤(1)とした。
[実施例2]
合成例1のアクリル重合体(A-1)100質量部に対し、粘着フィルムを製造する直前に、フッ素系添加剤としてMegafaceF-562を0.1質量部と、架橋剤として旭化成株式会社製「デュラネートTKA-100」を3.0質量部、アルミニウム-トリスアセチルアセトネートを0.05質量部添加し、粘着剤(2)とした。
[実施例3]
合成例1のアクリル重合体(A-1)100質量部に対し、酸化防止剤としてIrganox1010を0.1質量部添加した。これに、粘着フィルムを製造する直前に、フッ素系添加剤としてMegafaceF-562を0.2質量部と、架橋剤として旭化成株式会社製「デュラネートTSS-100」を2.5質量部、アルミニウム-トリスアセチルアセトネートを0.1質量部添加し、粘着剤(3)とした。
[実施例4]
合成例1のアクリル重合体(A-1)100質量部に対し、酸化防止剤としてIrganox1010を0.1質量部添加した。これに、粘着フィルムを製造する直前に、フッ素系添加剤としてMegafaceF-562を0.1質量部と、架橋剤としてDIC株式会社製「バーノックD-750」を3.5質量部、アルミニウム-トリスアセチルアセトネートを0.1質量部添加し、粘着剤(4)とした。
[実施例5]
合成例1のアクリル重合体(A-1)100質量部に対し、酸化防止剤としてIrganox1010を0.1質量部添加した。これに、粘着フィルムを製造する直前に、フッ素系添加剤としてMegafaceF-562を0.2質量部と、架橋剤として旭化成株式会社製「デュラネートTKA-100」を2.0質量部、三菱ガス化学株式会社製「TETRAD-X」を0.05質量部添加し、粘着剤(5)とした。
[実施例6]
合成例2のアクリル重合体(A-2)100質量部に対し、粘着フィルムを製造する直前に、フッ素系添加剤としてMegafaceF-562を0.05質量部と、架橋剤として旭化成株式会社製「デュラネートTKA-100」を3.0質量部、アルミニウム-トリスアセチルアセトネートを0.1質量部添加し、粘着剤(6)とした。ただし、実施例6は参考例である。



[実施例7]
合成例3のアクリル重合体(A-3)100質量部に対し、酸化防止剤としてIrganox1010を0.1質量部添加した。これに、粘着フィルムを製造する直前に、フッ素系添加剤としてMegafaceF-562を0.2質量部と、架橋剤として旭化成株式会社製「デュラネートTKA-100」を5.0質量部、アルミニウム-トリスアセチルアセトネートを0.1質量部添加し、粘着剤(7)とした。
[比較例1]
合成例1のアクリル重合体(A-1)100質量部に対し、粘着フィルムを製造する直前に、架橋剤として旭化成株式会社製「デュラネートTKA-100」を3.0質量部添加し、粘着剤(X1)とした。
[比較例2]
合成例1のアクリル重合体(A-1)100質量部に対し、粘着フィルムを製造する直前に、MegafaceF-562を7質量部と、DIC株式会社製「バーノックD-750」を4質量部添加し、粘着剤(X2)とした。
[比較例3]
合成例1のアクリル重合体(A-1)100質量部に対し、粘着フィルムを製造する直前に、信越化学工業株式会社製「KS-7002」を0.3質量部と、旭化成株式会社製「デュラネートTSS-100」を4質量部添加し、粘着剤(X3)とした。
[粘着フィルムの加工方法]
厚さ6μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの表面に、架橋剤を混合した粘着剤(1)~(7)、(X1)~(X3)を、乾燥後における膜厚が6μmとなるように塗布し、80℃で3分間乾燥した。これに表面が離型処理された厚さ38μmのPETフィルムを貼り合せ、40℃で3日間養生し、試験片を得た。
[高温試験後の被着体汚染状況確認方法]
前述の方法で作成した試験片をガラス板の両面に貼り付けた。200℃で1時間、常温で30分、100℃で1時間、常温で30分、140℃で45分の熱処理を行った後、23℃環境下で30分間放置した。ガラス板から粘着フィルムを剥離し、ガラス板の下部よりLEDライトを照射し、以下の評価基準で汚染状況を確認した。
<評価基準>
○: ガラス板に汚染がない
△: ガラス板の一部に汚染が確認される。
×: ガラス板の全面が汚染されている。
[接着力の測定方法]
前述の方法で作成した試験片を25mm幅に切ったものを試験片とした。これをガラス板に対し、接着面積が25mm×60mmとなるように2kgロール×2往復にて貼付けた。貼り付け20分後に23℃、50%RHの雰囲気下で180度剥離強度を測定し、これを初期接着力とした。
Figure 0007060165000001
Figure 0007060165000002
実施例1~7は、本発明の実施例であり、いずれも汚染(白霧・白点)が抑制されていた。これに対して、比較例1、3は、フッ素系添加剤を含まない例であり、比較例2は、フッ素系添加剤の含有量が本発明で規定する範囲より多い例であり、いずれも耐汚染性に劣るものであった。

Claims (7)

  1. アクリル樹脂(A)と、硬化剤(B)と、フッ素系添加剤(C)とを含み、前記フッ素系添加剤(C)はフッ化炭化水素基を有するノニオン性界面活性剤であり、前記フッ化炭化水素基としては、炭素原子数1~10のフルオロアルキル基を含有するものであり、前記硬化剤(B)が、多官能イソシアネート化合物を含み、前記アクリル樹脂(A)が、ヒドロキシル基を有する単量体(a1)と(メタ)アクリル酸エステル(a2)とカルボキシル基(a3)とを含む単量体混合物の共重合体であり、前記カルボキシル基を有する単量体(a3)の含有率が、前記単量体混合物中、0.05質量%以上0.2質量%以下であり、前記多官能イソシアネート化合物の含有量が、前記アクリル樹脂(A)100質量部に対して、1質量部以上であり、前記フッ素系添加剤(C)の含有量が、前記アクリル樹脂(A)100質量部に対して、0.01質量部以上、6質量部以下である粘着剤組成物。
  2. 前記硬化剤(B)が、さらに、金属キレート硬化剤及びエポキシ硬化剤からなる群より選ばれる1種以上を含む請求項1記載の粘着剤組成物。
  3. 前記金属キレート系硬化剤及びエポキシ硬化剤の合計の含有量が、前記多官能イソシアネート化合物100質量部に対して、1質量部以上5質量部以下である請求項2記載の粘着剤組成物。
  4. 記ヒドロキシル基を有する単量体(a1)の含有率が、前記単量体混合物中、0.5質量%以上15質量%以下である請求項1~3のいずれか1項記載の粘着剤組成物。
  5. さらに、酸化防止剤(D)を含む請求項1~4のいずれか1項記載の粘着剤組成物。
  6. 請求項1~5のいずれか1項記載の粘着剤組成物から形成される粘着フィルム又は粘着シート。
  7. 請求項6記載のフィルム又はシートを含む表面保護フィルム。
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