JP7059961B2 - ショット処理装置、マスキング治具、ショット処理方法 - Google Patents
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Description
そこでなされた本発明の目的は、ショット非処理領域のマスキングを容易かつ確実におこないつつ、作業効率の上昇、コスト低減を図ることのできるショット処理装置、マスキング治具、ショット処理方法を提供することである。
すなわち、本発明のショット処理装置は、長手方向にショット処理領域、及びショット非処理領域を有する長尺のワークを収納するマスキング治具と、前記マスキング治具に収納された前記ワークに対してショット材を投射してショットピーニング処理又はショットブラスト処理を行う投射部と、を備え、前記マスキング治具は、前記投射部に向けて前記ショット処理領域を露出させた状態で前記ワークを収納可能とする長溝を備えた鞘部材と、前記長溝の長手方向の一部に開閉自在に設けられ、前記長溝を閉じたときに前記長溝内に収納された前記ワークの前記ショット非処理領域を覆う蓋体と、を備えることを特徴とする。
マスキング治具でショット非処理領域のマスキングを行うには、鞘部材の長溝にワークを収容して蓋体を開閉するのみでよい。したがって、マスキング治具に対するワークの着脱を容易に行うことができる。また、複数のワークに順次ショット処理を行う場合であっても、マスキング治具に対するワークの着脱と、ショット処理とを繰り返し行えばよく、作業効率にも優れる。また、ワークのショット非処理領域に対する蓋体によるマスキング精度も高まる。さらに、マスキング治具は、鞘部材と、鞘部材の長溝を開閉する蓋体と、からなる簡易な構成であり、低コストで製作できる。
このようにして、ショット非処理領域のマスキングを容易かつ確実に行いつつ、作業効率の上昇、コスト低減を図ることが可能となる。
このようにして、ショット非処理領域のマスキングを容易かつ確実に行いつつ、作業効率の上昇、コスト低減を図ることが可能となる。
図1に示すように、ショット処理装置1は、投射部2と、マスキング治具10と、制御部8と、を主に備えている。このショット処理装置1は、ワーク100に対し、ショットピーニング処理又はショットブラスト処理を施す。なお、以下の説明においては、ショットピーニング処理又はショットブラスト処理を、単にショット処理と称する。
図2に示すように、本実施形態において、ワーク100は、長手方向D1に沿って延びる長尺の部材である。このワーク100は、例えばラックギヤであり、長手方向D1に沿って延びるギヤ本体101と、ギヤ本体101の一部に形成されたギヤ部102と、を有している。ギヤ本体101は、例えば長手方向D1に延びる中心軸に直交する断面形状が円形をなしている。ギヤ部102は、ギヤ本体101の長手方向D1の一部に形成されている。本実施形態において、ギヤ部102は、長手方向D1におけるワーク100の中央部100cに対して一方の側に形成されている。ギヤ部102は、長手方向D1に沿って等間隔で形成された、複数の平歯状のギヤ歯102gを有している。
図3、図4に示すように、マスキング治具10は、保持するワーク100の長手方向D1に沿って延びている。マスキング治具10は、鞘部材20と、蓋体50と、を備えている。
なお、以下の説明において、マスキング治具10から見て投射部2のノズル6側を「上方」、その反対側を「下方」とする。ただし、投射部2のノズル6からのショット材の投射方向は、鉛直上下方向に限らず、水平方向や斜め方向であってもよい。したがって、実際のショット材の投射方向によっては、以下におけるマスキング治具10の「上方」や「下方」が、鉛直上下方向と一致しない場合がある。
ベース部材21は、図1に示す進退駆動部5のアクチュエータロッド5bの先端部に接続されている。ベース部材21は、長手方向D1に沿って延び、長手方向D1に直交する方向(ショット材の投射方向D2)に沿った厚みが、アクチュエータロッド5b側から離れるにしたがって、漸次小さくなるように形成されている。
また、鞘本体22には、一対の支持傾斜面25でワーク100を支持した状態で、長溝24の溝底面24bとワーク100との間に、空間27が形成され、ワーク100が溝底面24bに直接接触しないようになっている。
図6は、上記マスキング治具に設けられたワーク押圧部の構成を示す図であり、図4のX2-X2矢視断面図である。
図3、図6に示すように、ワーク押圧部31は、鞘本体22の基端部22aに設けられている。図6に示すように、ワーク押圧部31は、ブラケット33と、押圧プレート34と、付勢部材35と、を備えている。
図3、図4、図7、図8に示すように、ワーク保持部32は、鞘本体22の先端部22bに設けられている。図7、図8に示すように、ワーク保持部32は、キャップ37と、当て板38と、を備えている。
図3、図9に示すように、このような鞘部材20の長溝24に対し、ワーク100は、ショット処理領域A1であるギヤ部102を、上方の投射部2に向けて収納される。
ここで、上記ショット材を投射するノズル6の位置は、ショット材を投射する起点を意味する。
この実施の形態では、ショット材の投射をノズル6を有する投射部2により行うように構成しているが、ショット材の投射をインペラで行うように構成した場合には、インペラからショット材が投射される際に、ショット材がインペラから離れる位置がショット材を投射する起点となる。
図3、図7、図9、図10に示すように、下部カバー23は、鞘部材20の下方に設けられている。下部カバー23は、長手方向D1において、ベース部材21に対し、鞘部材20の先端部22b側に設けられている。図10に示すように、下部カバー23は、鞘部材20の下面22gに、ボルト23xによって着脱可能に取り付けられている。
このような複数の排出孔26は、鞘本体22に形成された上部排出孔26aと、下部カバー23及びベース部材21に形成された連通溝26bと、下部カバー23及びベース部材21に形成された下部排出孔26cと、によって形成されている。
当接面51は、後述するヒンジ部60に対し、長溝24を挟んで反対側に設けられている。当接部51は、鞘本体22の上面22fに当接する。
図11は、上記マスキング治具の蓋体に形成された突状部を示す図であり、図3のX6-X6矢視断面図である。
一対の突状部53は、蓋体50の長手方向D1の両端部に形成されている。図11に示すように、各突状部53は、頂角部54と、一対の外部傾斜面55と、を有している。頂角部54は、長手方向D1に交差する断面形状が上方に向かって凸となるよう形成されている。一対の外部傾斜面55は、頂角部54の両側に形成されている。頂角部54で一対の外部傾斜面55同士が交差する角度θは、ショット材の安息角よりも小さく設定されている。これにより、蓋体50の両端部の突状部53上に、投射部2から投射されたショット材が堆積することが抑えられる。
図12に示すように、ヒンジ部60は、蝶番部品61、62と、シャフト63と、パイプ64と、を備えている。蝶番部品61は、鞘本体22にボルト61xにより締結されている。蝶番部品62は、蓋体50に一体に形成されている。蝶番部品61、62は、それぞれ、長手方向D1に延びる筒状のシャフト挿通部61h、62hを有している。蝶番部品61のシャフト挿通部61hと、蝶番部品62のシャフト挿通部62hは、長手方向D1において互いに向き合っている。
ロックアーム70は、先端部70b側を上方に回動させ、その全体が鞘部材20の側面20sよりも上方に退避すると、蓋体50の閉状態への拘束が解除され、蓋体50は開閉可能となる。
進退駆動部5は、アクチュエータ本体5aでアクチュエータロッド5bを進退させることによって、ワーク100を保持したマスキング治具10を、ハウジング4内で長手方向D1に沿って進退駆動させる。これにより、投射部2のノズル6から投射されるショット材の投射流路Rに対し、長溝24内に収納したワーク100のショット処理領域A1を臨ませた状態で、ワーク100が長手方向D1に進退する。これにより、ワーク100のショット処理領域A1にショット材を衝突させながら、長手方向D1にそって連続的にショット処理を行う。
図13は、本実施形態におけるショット処理方法の流れを示すフローチャートである。図14は、上記マスキング治具の蓋体を開き、長溝にワークをセットする状態を示す側面図である。図15は、上記マスキング治具の蓋体を閉じた状態を示す側面図である。図16は、上記マスキング治具の蓋体をロックアームにより拘束した状態を示す側面図である。
これには、図14に示すように、ハウジング4内のマスキング治具10の蓋体50を開く。この状態で、マスキング治具10の長溝24に、ワーク100を収納する。このとき、ワーク100は、一端部100aをワーク押圧部31(図6参照)の押圧プレート34に押し付け、付勢部材35の付勢力に抗して押圧プレート34を押し込む。この状態で、ワーク100の他端部100b側を下方に移動させ、他端部100bをワーク保持部32(図7、図8参照)の凹部37a内に収める。ワーク100から手を離すと、付勢部材35により、押圧プレート34を介してワーク100が他端部100b側に押圧され、他端部100bがワーク保持部32の当て板38に突き当たる。これによって、ワーク100が長溝24内に収納されて拘束される。
この状態で、マスキング治具10に保持されたワーク100は、ショット処理領域A1のみが上方の投射部2側に露出し、それ以外のショット非処理領域A2は、鞘部材20及び蓋体50によって覆われる。
図17に示すように、投射部2におけるショット材の投射流路Rが、ワーク100のショット処理領域A1に対し、長手方向D1の他方の外側の所定位置P2まで到達したら、制御部8は、投射部2によるショット材の投射を停止させる(工程S7、ステップS14)。また、制御部8は、進退駆動部5によるマスキング治具10の移動を停止させる。
しかる後、ワーク100をマスキング治具10の長溝24から取り外す(工程S10)。
このような構成によれば、鞘部材20の長溝24にワーク100を収容し、蓋体50を閉じれば、蓋体50によってワーク100のショット非処理領域A2が覆われ、ショット処理領域A1のみが投射部2に向けて露出される。この状態で、投射部2によりショット材を投射すると、ワーク100のショット処理領域A1にのみショット材が投射される。これにより、ワーク100のショット処理領域A1のみにショット材によるショットピーニング処理又はショットブラスト処理が施される。
鞘部材20の長溝24にワーク100を収容し、蓋体50を開閉するのみで、ワーク100のショット非処理領域A2のマスキングを行うことができる。また、マスキング治具10に対するワーク100の着脱も容易に行うことができる。さらに、複数のワーク100に順次ショット処理を行う場合であっても、マスキング治具10に対するワーク100の着脱と、ショット処理とを繰り返し行えばよく、作業性、及び作業効率に優れる。また、ワーク100のショット非処理領域A2に対する蓋体50によるマスキング精度も高まる。さらに、マスキング治具10は、鞘部材20と、鞘部材20の長溝24を開閉する蓋体50と、からなる簡易な構成であり、低コストで製作できる。
このようにして、ショット非処理領域A2のマスキングを容易かつ確実に行いつつ、作業効率の上昇、コスト低減を図ることが可能となる。
このような構成によれば、ワーク100のショット処理領域A1に沿ってショット材の投射範囲(投射流路R)を相対的に移動させることができる。これにより、ショット材の投射範囲よりも広いショット処理領域A1に対し、ショット処理を連続的に施すことができる。
このような構成によれば、ワーク100は、一対の支持傾斜面25に対し、投射部2に臨む側とは反対側で、周方向の二個所で線接触する。これにより、ワーク100が安定的に支持される。
このような構成によれば、長手方向D1の一端部100a側に設けられたワーク押圧部31により、ワーク100を長手方向D1の他端部100b側に押圧し、長手方向D1の他端部100b側に設けられたワーク保持部32でワーク100の一端部100aを保持する。これにより、ワーク100は、長手方向D1及び長手方向D1に交差する方向への変位が拘束された状態で、鞘部材20の長溝24に高い位置精度で位置決めされて収容される。その結果、蓋体50によるワーク100のショット非処理領域A2のマスキングを、容易かつ高精度に行うことができる。さらに、長溝24に対するワーク100の着脱に、ネジ等を用いる必要がなく、ワーク100の着脱作用を容易かつ効率的に行うことができる。
このような構成によれば、投射部2から投射されたショット材が、ワーク100のショット処理領域A1で反射しても、ショット材は、投射部2に対して傾斜した方向に反射する。これにより、ショット処理領域A1で反射したショット材によって、投射部2からのショット材の投射が妨げられるのを抑えることができる。
このような構成によれば、長溝24に対してワーク100を着脱する際等に、長溝24内にショット材が入り込んだ場合、入り込んだショット材を、排出孔26を通して鞘部材20の外部に排出することができる。これにより、長溝24内に残るショット材が、鞘部材20とワーク100との間に挟み込まれ、ショット材に傷等がつくのを抑えることができる。
このような構成によれば、投射部2から投射され、マスキング治具10に対して投射部2とは反対側で跳ね返ったショット材が、排出孔26の外側開口26fから排出孔26に入り込んでも、そのショット材は、排出孔26の溝側開口26eまで到達しにくくなる。これにより、投射後に跳ね返ったショット材が、排出孔26を通して長溝24内のワーク100に衝突し、ショット処理領域A1以外の部分を傷つけるのを抑えることができる。
このような構成によれば、投射部2のノズル6から投射されたショット材の投射範囲(投射流路R)内で、鞘部材20が直接露出しない。これにより、投射部2から投射されたショット材が、鞘部材20に直接衝突するのを抑えることができ、鞘部材20の傷つきや摩耗や変形を抑えることができる。
このような構成によれば、長溝24が形成された鞘本体22のみを交換することができる。これにより、メンテナンスや仕様変更等の際に、ベース部材21はそのまま利用し続けながら、鞘本体22のみを交換すればよく、マスキング治具10の製作コストを低減することができる。
このような構成によれば、投射されたショット材が、蓋体50の少なくとも両端部の突状部53に堆積するのを抑えることができる。これにより、蓋体50の開閉時に、蓋体50に堆積していたショット材が溝内に入り込むのを抑えることができる。したがって、溝内に入り込んだショット材によって、ショット処理領域A1以外でワーク100が傷つくのを抑えることができる。
このような構成によれば、蓋体50と長溝24内に収容されたワーク100のショット非処理領域A2との隙間G1にショット材が張り込むのを抑えることができる。これにより、隙間G1にショット材が入り込んでショット非処理領域A2を傷つけてしまうのを抑えることができる。
このような構成によれば、長溝24に対してワーク100を着脱する際には、蓋体50を、ヒンジ部60を中心として開閉すればよい。また、蓋体50は、長溝24を挟んでヒンジ部60とは反対側で、手指により容易に開閉することができる。これにより、蓋体50を鞘部材20に着脱したりスライドさせることで長溝24を開閉する構成に比較し、開閉動作を容易に行うことができる。
このような構成によれば、ヒンジ部60の蓋体50と鞘部材20との隙間G2にショット材が入り込むのを抑え、ヒンジ部60における蓋体50の開閉動作が損なわれるのを抑えることができる。
このような構成によれば、ショット材の投射中に蓋体50が不用意に開くのを抑え、閉じた状態を容易に維持することができる。
このような構成によれば、ワーク100のショット処理領域A1に対するショット処理を、自動的に行うことができる。
このような構成によれば、ショット材の投射が安定してからショット処理領域A1にショット材を投射することで、ワーク100のショット処理領域A1に対するショット材の投射を、均一な品質で良好に行うことができる。
このような構成によれば、蓋体50でワーク100のショット非処理領域A2を確実に覆った状態で、ショット処理を行うことができる。これにより、蓋体50を閉め忘れた状態でショット処理を行ってしまうことを抑えることができる。
このような構成によれば、蓋体50でワーク100のショット非処理領域A2を確実に覆い、かつ蓋体50がロックアーム70によって拘束された状態で、ショット処理を行うことができる。これにより、蓋体50が閉状態で拘束されていない状態でショット処理を行ってしまうことを抑えることができる。
このような構成によれば、鞘部材20の長溝24にワーク100を収容し、蓋体50を開閉するのみで、ワーク100のショット非処理領域A2のマスキングを行うことができるので、マスキング治具10に対するワーク100の着脱も容易に行うことができる。また、複数のワーク100に順次ショット処理を行う場合であっても、マスキング治具10に対するワーク100の着脱と、ショット処理とを繰り返し行えばよく、作業性、及び作業効率に優れる。また、ワーク100のショット非処理領域A2に対する蓋体50によるマスキング精度も高まる。さらに、マスキング治具10は、鞘部材20と、鞘部材20の長溝24を開閉する蓋体50と、からなる簡易な構成であり、低コストで製作できる。
このようにして、ショット非処理領域A2のマスキングを容易かつ確実に行いつつ、作業効率の上昇、コスト低減を図ることが可能となる。
このような構成によれば、ショット非処理領域A2のマスキングを容易かつ確実に行いつつ、作業効率の上昇、コスト低減を図ることができるマスキング治具10を用い、ワーク100のショット処理領域A1に対するショット材の投射を、均一な品質で良好に行うことができる。
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の各実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、蓋体50は、ヒンジ部60を中心として回動することで開閉動作するにしたが、これに限らない。例えば、鞘本体20の基端部22a側にヒンジ部を設け、幅方向D3に延びる軸周りに蓋体50を回動させるようにしてもよい。さらに、蓋体50は、例えば、鞘部材20に対してスライドさせることで、開閉動作を行うようにしてもよい。
上記実施形態では、図1の投射部2として噴射式の例を示したが、インペラ式を採用しても良い。その場合、投射部2は、円盤状のディスク(図示無し)と、ディスクの周方向に設けられた複数枚のインペラ(図示無し)と、を有した投射部材(図示無し)を備える。投射部材は、モータ(図示無し)等によって回転駆動され、遠心力を発生し、ショット材を、ワークへ投射する。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
2 投射部
5 進退駆動部
6 ノズル
8 制御部
10 マスキング治具
20 鞘部材
20e 外周縁部
20f 鞘外周面
21 ベース部材
22 鞘本体
24 長溝
24b 溝底面
25 支持傾斜面
26 排出孔
26e 溝側開口
26f 外側開口
31 ワーク押圧部
32 ワーク保持部
50 蓋体
53 突状部
54 頂角部
57 ウェイト部
60 ヒンジ部
70 ロックアーム
81 センサ
100 ワーク
100a 一端部
100b 他端部
A 投影範囲
A1 ショット処理領域
A2 ショット非処理領域
D1 長手方向
D2 投射方向
G1 隙間
G2 隙間
Kf 仮想面(面)
R 投射流路
θ 角度
Claims (20)
- 長手方向にショット処理領域、及びショット非処理領域を有する長尺のワークを収納するマスキング治具と、
前記マスキング治具に収納された前記ワークに対してショット材を投射してショットピーニング処理又はショットブラスト処理を行う投射部と、を備え、
前記マスキング治具は、
前記投射部に向けて前記ショット処理領域を露出させた状態で前記ワークを収納可能とする長溝を備えた鞘部材と、
前記長溝の長手方向の一部に開閉自在に設けられ、前記長溝を閉じたときに前記長溝内に収納された前記ワークの前記ショット非処理領域を覆う蓋体と、を備える
ことを特徴とするショット処理装置。 - 前記長溝内に収納した前記ワークの前記ショット処理領域を前記ショット材の投射流路に臨ませた状態で、前記鞘部材を前記投射流路に直交する方向に進退動作させる進退駆動部をさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載のショット処理装置。 - 前記鞘部材は、前記長手方向に直交する断面において、前記投射部から離間するにしたがって互いに漸次接近するようV字状に配置されるとともに、前記長手方向に連続し、前記ワークを、前記投射部に臨む側とは反対側で支持する一対の支持傾斜面を有している
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のショット処理装置。 - 前記鞘部材は、
前記ワークの前記長手方向の一端部を、前記ワークの前記長手方向の他端部側に向かって押圧するワーク押圧部と、
前記ワークの前記長手方向の他端部を、前記ワークの前記一端部から他端部に向かう方向への変位、及び前記長手方向に交差する方向への変位を拘束した状態で保持するワーク保持部と、を有する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のショット処理装置。 - 前記長溝は、前記ワークの前記ショット処理領域を、前記投射部からの前記ショット材の投射方向に直交する面に対して傾斜させた状態で、前記ワークを収納する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のショット処理装置。 - 前記鞘部材は、前記長溝において前記投射部側を向く溝底面と、前記鞘部材において前記投射部とは反対側の鞘外周面とを連通し、前記長溝内に入り込んだ前記ショット材を前記鞘部材の外部に排出する排出孔を有している
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のショット処理装置。 - 前記排出孔は、前記溝底面に開口する溝側開口と、前記鞘部材の前記鞘外周面に開口する外側開口とが、前記投射部からの前記ショット材の投射方向に交差する方向で互いにずれた位置に配置されている
ことを特徴とする請求項6に記載のショット処理装置。 - 前記鞘部材は、前記投射部において前記ショット材を投射する起点と前記ワークの外周縁部とを結ぶ投影範囲の内側に設けられている
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のショット処理装置。 - 前記鞘部材は、
ベース部材と、
前記長溝が形成され、前記ベース部材に対して着脱可能に設けられた鞘本体と、を備える
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のショット処理装置。 - 前記蓋体は、少なくとも前記長手方向の両端部に、前記長手方向に交差する断面形状が前記投射部側に向かって凸となり、前記ショット材の安息角よりも小さい角度の頂角部を有した突状部が形成されている
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載のショット処理装置。 - 前記蓋体は、前記長溝を閉じた状態で、前記長溝内に収容された前記ワークの前記ショット非処理領域との間に、定められた寸法以下の隙間を隔てて配置される
ことを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載のショット処理装置。 - 前記蓋体は、前記長溝を挟んで一方の側に設けられたヒンジ部により、前記鞘部材に対し、前記長溝方向の軸線周りに回動自在に連結されている
ことを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載のショット処理装置。 - 前記ヒンジ部における前記蓋体と前記鞘部材との隙間は、前記ショット材の平均粒径よりも小さい
ことを特徴とする請求項12に記載のショット処理装置。 - 前記蓋体は、前記長溝を挟んで前記ヒンジ部とは反対側に、自重により前記蓋体を閉方向に回動するように付勢するウェイト部が設けられている
ことを特徴とする請求項12または13に記載のショット処理装置。 - 前記投射部における前記ショット材の投射、及び前記投射部の前記ショット材の投射流路に対する前記マスキング治具の移動を制御する制御部をさらに備える
ことを特徴とする請求項1から14のいずれか一項に記載のショット処理装置。 - 前記制御部は、
前記長手方向における前記ワークのショット処理領域の一方の外側で、前記投射部により前記ショット材の投射を開始させるステップと、
前記投射部における前記ショット材の投射が安定した後、前記投射部における前記ショット材の投射流路に対し、前記鞘部材を前記長手方向に移動させるステップと、
前記投射部における前記ショット材の投射流路が、前記長手方向において前記ワークのショット処理領域の他方の外側に到達したときに、前記投射部による前記ショット材の投射を停止させるステップと、
を順次実行する
ことを特徴とする請求項15に記載のショット処理装置。 - 前記蓋体が閉状態にあるか否かを検出するセンサをさらに備え、
前記制御部は、前記センサからの検出信号に基づいて、前記投射部における前記ショット材の投射、及び前記投射部の前記ショット材の投射流路に対する前記マスキング治具の移動を制御する
ことを特徴とする請求項15又は16に記載のショット処理装置。 - 前記蓋体を閉状態に拘束するロックアームをさらに備え、
前記センサは、前記ロックアームの有無を検出することで、前記蓋体が閉状態にあるか否かを検出する
ことを特徴とする請求項17に記載のショット処理装置。 - 長手方向にショット処理領域、及びショット非処理領域を有する長尺のワークを収納する長溝を備えた鞘部材と、
前記長溝の長手方向の一部に開閉自在に設けられ、前記長溝を閉じたときに前記長溝内に収納された前記ワークの前記ショット非処理領域を覆う蓋体と、を備える
ことを特徴とするマスキング治具。 - 請求項1から18のいずれか一項に記載のショット処理装置におけるショット処理方法であって、
前記長手方向における前記ワークのショット処理領域の一方の外側で、前記投射部により前記ショット材の投射を開始させる工程と、
前記投射部における前記ショット材の投射が安定した後、前記投射部における前記ショット材の投射流路に対し、前記鞘部材を前記長手方向に移動させる工程と、
前記投射部における前記ショット材の投射流路が、前記長手方向において前記ワークのショット処理領域の他方の外側に到達したときに、前記投射部による前記ショット材の投射を停止させる工程と、
を備えることを特徴とするショット処理方法。
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