以下、図1~図9を用い、実施形態に係る画像処理装置を説明する。画像処理装置として、複合機100を例に挙げて説明する。複合機100は画像データに基づく印刷や送信ができる。複合機100は画像形成装置の一種である。本実施形態の説明に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定せず単なる説明例にすぎない。
(複合機100)
図1を用いて、実施形態に係る複合機100を説明する。図1は、実施形態に係る複合機100の一例を示す図である。
図1に示すように、複合機100は、制御部1、記憶部2、原稿搬送部3、画像読取部4、操作パネル5、印刷部6、通信部7を含む。
制御部1は、複合機100の動作を制御する。制御部1は、コピーや送信のようなジョブでの動作を制御する。制御部1は、制御回路11、画像データ生成部8、画像処理部12を含む。制御回路11は、例えば、CPUである。制御回路11は、ジョブに関する処理、演算を行う。画像データ生成部8は、画像読取部4が原稿を読み取って出力したアナログ画像信号を処理して画像データを生成する。画像処理部12は、画像データの画像処理を行う。
記憶部2はRAM20(記憶装置に相当)を含む。また、記憶部2は、ROM21、ストレージ22(HDD又はSSD)を含む。制御部1は、記憶部2のプログラムやデータに基づき、各部を制御する。原稿搬送部3、画像読取部4は、原稿を読み取って画像データを生成する(詳細は後述)。
操作パネル5は使用者の設定を受け付ける。操作パネル5は、表示パネル51、タッチパネル52、ハードキー53を含む。制御部1は、メッセージや、設定用画面を表示パネル51に表示させる。制御部1は、操作用画像を表示パネル51に表示させる。操作用画像は、例えば、ボタン、キー、タブである。タッチパネル52の出力に基づき、制御部1は、操作された操作用画像を認識する。ハードキー53は、スタートキーやテンキーを含む。タッチパネル52、ハードキー53は使用者の設定操作(ジョブに関する操作)を受け付ける。例えば、操作パネル5は、原稿の読取のモードの設定を受け付ける。制御部1は操作パネル5の出力に基づき、設定内容を認識する。
印刷部6は、給紙部6a、用紙搬送部6b、画像形成部6c、定着部6dを含む。印刷ジョブのとき、制御部1は用紙を給紙部6aに供給させる。制御部1は用紙を用紙搬送部6bに搬送させる。用紙搬送部6bは印刷済み用紙を機外に排出する。制御部1は画像データに基づくトナー像を画像形成部6cに形成させる。制御部1は搬送用紙へのトナー像の転写を画像形成部6cに行わせる。制御部1は転写されたトナー像の用紙への定着を定着部6dに行わせる。
通信部7は通信用のハードウェア(通信回路)とソフトウェアを含む。通信部7はコンピューター200やFAX装置300と通信する。コンピューター200は、例えば、PCやサーバーである。操作パネル5は宛先の設定を受け付ける。制御部1は、設定された宛先に向けて、原稿の読み取りに基づく画像データを通信部7に送信させる(スキャン送信、FAX送信)。また、通信部7は、コンピューター200やFAX装置300からの印刷用データを受信する。制御部1は、受信した印刷用データに基づき印刷部6に印刷させる(プリントジョブ、FAX受信印刷)。
(原稿搬送部3、画像読取部4)
次に、図2~図4を用いて、実施形態に係る原稿搬送部3と画像読取部4を説明する。図2、図3は、実施形態に係る画像読取部4の一例を示す図である。図4は実施形態に係る複合機100での画像データの生成の一例を示す図である。図2は、実施形態に係る画像読取部4を複合機100の正面方向から見た図である。
原稿搬送部3はセットされた原稿を搬送する。原稿搬送部3はDPやADFと略称されることもある。送り読取を行いたいとき、使用者は原稿を原稿搬送部3にセットする。原稿搬送部3はセットされた原稿を1枚ずつ搬送する。原稿搬送部3は送り読取用コンタクトガラス4a(読み取り位置)に向けて原稿を搬送する。画像読取部4は搬送される原稿を読み取る(送り読取)。
送り読取用コンタクトガラス4aは画像読取部4の上面に設けられる。送り読取用コンタクトガラス4aは透明である。原稿搬送部3は、原稿搬送方向上流側から順に、原稿トレイ3a、供給ローラー3b、原稿搬送路3c、複数の搬送ローラー対3d、排出ローラー対3e、排出トレイ3fを含む。原稿は原稿搬送路3cを通る。供給ローラー3b、複数の搬送ローラー対3d、排出ローラー対3eは原稿を1枚ずつ排出トレイ3fに向けて搬送する。原稿トレイ3aには、原稿セットセンサー3gが設けられる。
図3に示すように、原稿搬送制御部30が原稿搬送部37内に設けられる。原稿搬送制御部30はCPUやメモリーを含む基板である。原稿セットセンサー3gの出力は原稿搬送制御部30に入力される。原稿セットセンサー3gの出力に基づき、原稿搬送制御部30は、原稿トレイ3a上の用紙の有無を認識する。また、原稿搬送制御部30は、原稿搬送を制御する。
次に、画像読取部4を説明する。画像読取部4の上面右側に原稿台4b(テーブル読取用コンタクトガラス)が配される。原稿台4bは透明な板(ガラス板)である。テーブル読取を行うとき、使用者は原稿台4bの一面(上側の面)に原稿をセットする。原稿台4bには、読み取る原稿が置かれる。例えば、搬送できない原稿が原稿台4bにセットされる。複合機100の正面側(手前側)を上下に振って、原稿搬送部3を開閉することができる。図2は、原稿搬送部3が閉じられた状態を示す。
なお、原稿搬送部3の下面には、押さえ板3iが取り付けられる。押さえ板3iは、例えば、白色の板である。原稿搬送部3を閉じたとき、押さえ板3iは原稿台4bを上から覆う。押さえ板3iは、原稿台4bにセットされた原稿を上から押さえる。原稿搬送部3は原稿を押さえるカバーとして機能する。
図3に示すように、画像読取部4は読取制御部40を含む。読取制御部40は画像読取部4の動作を制御する基板である。読取制御部40はCPUやメモリーを含む制御基板である。読取制御部40は、制御部1からの指示信号を受ける。指示に基づき、読取制御部40は原稿読取を制御する。
画像読取部4は、筐体41内に、キャリッジ42、白基準板43、移動機構44を含む。移動機構44は、ベルト44a、プーリー44b、プーリー44c、移動用モーター44dを含む。キャリッジ42はCIS方式のスキャンユニットである。画像読取部4は、CCD方式のスキャンユニットを有してもよい。
ベルト44aは無端状である。ベルト44aは各プーリー44bにかけ回される。ベルト44aとキャリッジ42は接続される。移動用モーター44dが画像読取部4に設けられる(図4参照)。移動用モーター44dはプーリー44b又はプーリー44cを回転させる。移動用モーター44dは正逆回転可能である。キャリッジ42を移動させるとき、読取制御部40は移動用モーター44dを回転させる。これにより、ベルト44aが周回する。ベルト44aの周回にあわせ、キャリッジ42は水平方向(副走査方向、主走査方向と垂直な方向、図2の左右方向)で移動する。キャリッジ42は、原稿台4bの他面側(下側)で移動する。原稿台4bと送り読取用コンタクトガラス4aの間に白基準板43が設けられる。
キャリッジ42はランプ45とイメージセンサー46を含む。また、キャリッジ42は反射光をイメージセンサー46の各受光素子に導くレンズも含む。ランプ45は読取対象に光を照射する。ランプ45は、例えば、光源と導光管を含む。光源はLEDである。導光管の一端、又は、両端にLEDが取り付けられる。導光管は、端部から入手された光を管の長手方向(主走査方向)で均等に分散する。導光管は分散した光を原稿に向けて照射する。なお、ランプ45には、LED以外の光源が用いられてもよい。
イメージセンサー46は原稿台4bに置かれた原稿、又は、搬送される原稿を読み取る。イメージセンサー46はカラーで原稿を読み取る。イメージセンサー46は複数の受光素子(光電変換素子、画素)を含む。受光素子は、読取対象で反射された光を受光する。読取対象は、例えば、白基準板43、原稿、又は、押さえ板3iである。受光素子は列状に並べられる。イメージセンサー46は、ラインセンサーである。受光素子が並ぶ方向が主走査方向である。読取対象で反射された光は、受光素子に入射される。各受光素子は、受光量(反射光量)に応じたアナログ画像信号を出力する。各受光素子は、読取期間の受光量が多いほど、大きいアナログ画像信号を出力する。
制御部1(コントロール基板)には、画像データ生成部8が設けられる。ケーブルにより、イメージセンサー46と画像データ生成部8が接続される。アナログ画像信号は、ケーブルにより、位置的に離れた場所に伝送される。イメージセンサー46から出力され、ケーブルを介して入力されたアナログ画像信号に基づき、画像データ生成部8は画像データを生成する。
画像データ生成部8は複数の回路を含む。画像データ生成部8は、例えば、増幅回路81、A/D変換回路82、補正回路83を含む。増幅回路81は、イメージセンサー46が出力したアナログ画像信号を増幅する。増幅がなされたアナログ画像信号は、A/D変換回路82に入力される。A/D変換回路82は、入力されたアナログ画像信号をディジタルの画像信号に変換する。つまり、A/D変換回路82は、画像データを生成する。
生成された画像データは補正回路83に入力される。ランプ45、イメージセンサー46、画像データ生成部8の特性に起因して、画像データに歪みが含まれることがある。補正回路83は歪みを補正する回路である。例えば、補正回路83は、シェーディング補正回路を含む。シェーディング補正回路はシェーディング補正を行う。補正回路83は他種の補正用回路を含んでもよい。
複合機100は、圧縮処理部84(圧縮回路)を含む。圧縮処理部84は、画像データ生成部8が生成した画像データを圧縮し、圧縮画像データD1を生成する。圧縮処理部84は回路(ハードウェア)として設けられてもよい。また、圧縮処理部84は、CPU、RAM20、画像処理部12のようなハードウェアと、圧縮用ソフトウェアを用いて実現されてもよい。
圧縮処理部84は、所定のアルゴリズムを用いて、画像データを圧縮する。例えば、圧縮処理部84は、ハフマン符号化を行う。また、圧縮処理部84は、ランレングス符号化も行ってもよい。ハフマン符号化とランレングス符号化以外の圧縮アルゴリズムが用いられてもよい。但し、圧縮処理部84は、解凍したとき、画像データに含まれる画素数が圧縮前よりも減らないように圧縮する。
本実施形態の圧縮処理部84は、どのような原稿でも、圧縮率が一定値以下となるように圧縮を行う。圧縮率が一定値以下となるように、圧縮アルゴリズムが組み立てられている。ここで、圧縮率とは、圧縮後の画像データ(圧縮画像データD1)を、圧縮前の画像データサイズで除して得られる比率である。例えば、一定値は30%程度とされる。細かい地図は、一般に圧縮しづらい。圧縮処理部84は、このような原稿でも、圧縮前の画像データのサイズに対し、30%に圧縮できるように、圧縮プロセス(圧縮アルゴリズム)が構築されている。原稿によっては、30%よりもさらに圧縮できる場合がある。例えば、圧縮率が10%未満となる場合もある。
制御部1は、圧縮画像データD1を記憶部2のRAM20に記憶させる。制御部1は、ページ記憶領域91をRAM20に1つ設定する。制御部1は、ページ記憶領域91に1ページ分の圧縮画像データD1を記憶させる。なお、制御部1は、ページ記憶領域91をRAM20に複数設定してもよい。なお、RAM20には、プログラム、ファームウェア、ソフトウェア、アプリケーション、画像データ以外のデータも記憶される。
(読取モードの選択)
次に、図5を用いて、実施形態に係る複合機100が有する読取モードの一例を説明する。図5は、実施形態に係る複合機100が有する読取モードの一例を示す図である。
複合機100では、原稿を読み取るモードとして、オートクロップモード(第1モードに相当)とノーマルモード(第2モードに相当)を利用することができる。所定の操作がなされたとき、制御部1は、読取モードの選択画面54を表示パネル51に表示させる。図5は、この選択画面54の一例を示す。操作パネル5は、モードの選択を受け付ける。言い換えると、複合機100は、オートクロップモード(第1モード)とノーマルモード(第2モード)のうち、使用するモードの選択を受け付ける操作パネル5を含む。
オートクロップモードで読み取りを行いたいとき、使用者は、操作パネル5でオートクロップモードを選択する。具体的には、使用者はオートクロップモードボタンB1を操作する。ノーマルモードで読み取りを行いたいとき、使用者は、操作パネル5でノーマルモードを選択する。具体的には、ノーマルモードボタンB2を操作する。操作されたボタンに基づき、制御部1は、操作パネル5で選択されたモードを認識する。
オートクロップモードは、特別原稿を読み取るためのモードである。複合機100における特別原稿には、カード原稿、パスポート、名刺の何れか1つ、又は、複数が含まれる。カード原稿は、例えば、IDカード、クレジットカード、キャッシュカード、メンバーズカード、各種証明用カードのようなカード型の原稿である。また、特別原稿は、パスポート、健康保険証、免許証のような身分証明に用いられるものでもよい。また、特別原稿は、カードに限らなくてもよい。例えば、写真やレシートを特別原稿と扱ってもよい。このように、特別原稿は、カードケースに収まるようなサイズの原稿である。オートクロップモードは、カードのような小さい原稿を読み取るためのモードである。原稿搬送部3で搬送可能な原稿の最小サイズよりも小さい原稿を読み取るためのモードともいえる。
オートクロップモードでは、テーブル読み取りのみが行われる。オートクロップモードでは、制御部1は、読み取り可能な最大サイズでの読み取りを画像読取部4に行わせる。これにより、原稿台4bのどこに特別原稿をセットしても特別原稿を読み取ることができるようにする。そして、オートクロップモードでは、制御部1は、原稿台4bのうち、予め定められたクロップ読取範囲の読み取りを画像読取部4に読み取りを行わせる。クロップ読取範囲は、例えば、画像読取部4が読み取り可能な原稿サイズのうち、最大サイズの原稿と同じ大きさである。なお、クロップ読取範囲は、最大サイズの原稿よりも小さくてもよい。
オートクロップモードのとき、制御部1(画像処理部12)はクロップ処理を行う。クロップ処理は、読み取りで得られた画像データのうち、特別原稿部分のみを抜き出す処理である。画像処理部12は、背景画像データにクロップ処理された画像データ(特別原稿の画像データ)を貼りつけた画像データを生成する。背景画像データは、例えば、定型(A4サイズ)である。背景画像データは、例えば、一面白色の画像データである。例えば、画像処理部12は、特別原稿の画像データの中心と、背景画像データの中心が一致するように、特別原稿の画像データを貼りつける(センタリング)。
ノーマルモードは、原稿搬送部3で搬送可能な原稿の最小サイズよりも大きい原稿を読み取るためのモードといえる。ノーマルモードでは、搬送読み取り又はテーブル読み取りが行われる。また、ノーマルモードではクロップ処理は行われない。
(ノーマルモードでの読み取り)
次に、図6を用いて、実施形態に係るノーマルモードでの読み取りの流れの一例を説明する。図6は実施形態に係るノーマルモードでの読み取りの流れの一例を示す図である。
図6のスタートは、ノーマルモードが選択された状態で、原稿を読み取るジョブの実行指示がなされた時点である(スタートキーの操作)。
まず、制御部1は、読み取る原稿のサイズを認識する(ステップ♯11)。操作パネル5は原稿のサイズ設定を受け付ける。操作パネル5でなされた設定に基づき、制御部1は、読み取る原稿のサイズを認識する。あるいは、原稿搬送部3(原稿トレイ3a)にセットされた原稿のサイズを検知するセンサーを設けてもよい。この場合、センサーの出力に基づき、制御部1は、原稿トレイ3aにセットされた原稿のサイズを自動的に認識する。
また、また、画像読取部4は、イメージセンサー46で置かれた原稿の一部を読み取って、原稿の主走査方向のサイズを認識してもよい。また、画像読取部4(原稿台4b)に置かれた原稿の副走査方向のサイズを検知するセンサーを設けてもよい。この場合、イメージセンサー46の読み取り結果とセンサーの出力に基づき、制御部1は、原稿台4bにセットされた原稿のサイズを自動的に認識する。
次に、制御部1は、読み取る原稿のサイズに応じたサイズのページ記憶領域91をRAM20に設定する(ステップ♯12)。具体的に、制御部1は、画像読取部4が読み取る範囲(認識した原稿サイズ)の画像データであって、圧縮前の画像データのサイズに第2比率R2を乗じたサイズのページ記憶領域91を設定する(ステップ♯12)。
記憶部2のROM21又はストレージ22は、第1比率R1と第2比率R2を不揮発的に記憶する(図1参照)。第1比率R1と第2比率R2はページ記憶領域91のサイズを設定するための比率である。第1比率R1と第2比率R2は0より大きく、1以下である。第1比率R1は、オートクロップモードでのページ記憶領域91のサイズを定めるための値である。第2比率R2はノーマルモードでのページ記憶領域91のサイズを定めるための値である。第1比率R1と第2比率R2は画像データの圧縮率と関係がある。第1比率R1は第2比率R2よりも小さい。
具体的に、例を挙げて説明する。読取解像度が600dpiとする。また、カラー(例えば、R、G、Bの3成分)で読み取るとする。また、1画素、1色のビット数を8ビット(1バイト)とする。1画素あたり24ビット(3バイト)となる。また、読み取る原稿のサイズ(制御部1が認識している原稿のサイズ)がリーガルサイズとする。なお、複合機100の画像読取部4で読み取り可能な原稿の最大サイズはリーガルサイズである。
リーガルサイズの短辺は8.5インチ(約215.9mm)である。短辺方向の画素数は5100となる。リーガルサイズの長辺は14インチ(約355.6mm)である。長辺方向の画素数は8400となる。
原稿がリーガルサイズの場合、圧縮前の画像データのサイズは、5100×8400×3=128.52Mバイトとなる。A4サイズのようにリーガルサイズより小さい原稿の場合、圧縮前の画像データのサイズは、128.52Mバイトより小さくなる。制御部1は、読み取る原稿のサイズと読み取り解像度に基づき、短辺方向の画素数と長辺方向の画素数を認識する。制御部1は、短辺方向の画素数と長辺方向の画素数と色成分の数を乗じて、圧縮前の画像データのサイズを求める。
ノーマルモードのとき、制御部1は、求めた圧縮前の画像データのサイズに第2比率R2を乗じた値を求める。制御部1は、求めた値をページ記憶領域91のサイズとする。圧縮処理部84は、圧縮前の画像データを最低でも30%のサイズまで圧縮できる。第2比率R2は、例えば、0.3(30%)とできる。例えば、圧縮前の画像データのサイズが128.52Mバイトのとき、制御部1は、ページ記憶領域91のサイズを38.556Mバイトとする。これにより、ページ記憶領域91からの圧縮画像データD1のオーバーフローを防ぐことができる。
制御部1は、画像読取部4に原稿の読み取りを開始させる(ステップ♯13)。このとき、制御部1は原稿トレイ3aにセットされた原稿があるか否かを確認する。原稿搬送制御部30から原稿ありの通知を受けているとき、制御部1は原稿搬送指示を原稿搬送制御部30に出す。制御部1は、搬送される原稿の読み取り指示を画像読取部4に出す。
原稿を搬送するとき、原稿搬送制御部30は原稿搬送モーター3hを駆動させる。原稿搬送モーター3hにより、供給ローラー3bや搬送ローラー対3dが回転する。そして原稿は読み取り位置に向けて搬送される。原稿は、送り読取用コンタクトガラス4aの上側(一方側)を通過する。送り読取用コンタクトガラス4aは、画像読取部48の上面に設けられる。通過の際、画像読取部48(第2読取ユニット83)が原稿の表面を読み取る(送り読み取り)。
原稿トレイ3aに原稿なしの通知を受けているとき、制御部1は原稿台4bに置かれた原稿の読み取り指示を画像読取部4に出す(テーブル読取)。指示に基づき、読取制御部40は、キャリッジ42を副走査方向に移動させる。読取制御部40は、ホームポジションからキャリッジ42を移動させる。ランプ45は原稿台4bに置かれた原稿に光を照射する。ランプ45は主走査方向に沿って光を照射する。これにより、読取制御部40は、読取ラインの位置を変化させつつ、原稿台4b上の原稿をキャリッジ42(イメージセンサー46)に読み取らせる。移動用モーター44dは、例えば、ステッピングモーターである。例えば、1ステップで、1ドット(1ライン)分、キャリッジ42が移動する。
制御部1は、認識している原稿サイズに応じた範囲で画像読取部4に読み取りを行わせる。セットされた又は置かれた原稿がA4の場合、制御部1は、A4用紙分の領域(原稿台4b)の読み取りを画像読取部4に行わせる。
イメージセンサー46が順次出力するアナログ画像信号に基づき、制御部1は、画像データの生成を画像データ生成部8に開始させる(ステップ♯14)。制御部1は、生成された画像データの圧縮を圧縮処理部84に行わせる(ステップ♯15)。制御部1は、圧縮処理部84が生成した圧縮画像データD1をページ記憶領域91に記憶させる(ステップ♯16)。これにより、原稿の読み取りと圧縮画像データD1の格納までの処理が完了する(エンド)。
(オートクロップモードでの読み取り)
次に、図7を用いて、実施形態に係るオートクロップモードでの読み取りの流れの一例を説明する。図7は実施形態に係るオートクロップモードでの読み取りの流れの一例を示す図である。
図7のスタートは、オートクロップモードが選択された状態で、原稿を読み取るジョブの実行指示がなされた時点である(スタートキーの操作)。
まず、制御部1は、オートクロップモードでのページ記憶領域91をRAM20に設定する(ステップ♯21)。制御部1は、ページ記憶領域91のサイズを、読み取りで得られる圧縮前の画像データのサイズに第1比率R1を乗じた大きさとする。
具体的に、例を挙げて説明する。読取解像度が600dpiとする。また、カラー(例えば、R、G、Bの3成分)で読み取るとする。また、1画素、1色のビット数を8ビット(1バイト)とする。1画素あたり24ビット(3バイト)となる。また、クロップ読取範囲がリーガルサイズとする。なお、複合機100の画像読取部4(原稿台4b)で読み取り可能な原稿の最大サイズはリーガルサイズである。リーガルサイズの短辺は8.5インチ(約215.9mm)である。短辺方向の画素数は5100となる。リーガルサイズの長辺は14インチ(約355.6mm)である。長辺方向の画素数は8400となる。クロップ読取範囲がリーガルサイズの場合、読み取りで得られる圧縮前(生の)画像データのサイズは、5100×8400×3=128.52Mバイトとなる。
オートクロップモードのとき、制御部1は、圧縮前の画像データのサイズに第1比率R1を乗じた値を求める。制御部1は、求めた値をオートクロップモードでのページ記憶領域91のサイズとする。第1比率R1は、例えば、0.1(10%)とできる。例えば、圧縮前の画像データのサイズが128.52Mバイトのとき、制御部1は、オートクロップモードでのページ記憶領域91のサイズを12.852Mバイトとする。なお、第1比率R1は、0.1より大きくてもよいし、小さくてもよい。第1比率R1の適切な値は、実験を繰り返して定めてもよい。但し、第1比率R1は、第2比率R2より小さい。
圧縮処理部84は、地図のような圧縮しづらい原稿でも、圧縮前の画像データを最低でも30%のサイズまで圧縮できる。さらに、オートクロップモードでは、読み取る原稿のサイズは、基本的に小さい。例えば、ISOの規格では、例えばIDカードのサイズは、85.6mm×53.98mmである。クロップ読取範囲を読み取って得られた画像データのうち、特別原稿以外の部分が広くなる。言い換えると、オートクロップモードで得られる原稿の画像データは、余白(空白)が多い画像データとなる。
押さえ板3iは白色(単一色)の板である。そのため、特別原稿以外の余白(空白)部分は濃度変化がない(白一色)。情報が記されていない。一般に、空白部分が多い画像データは、効率よく圧縮される。圧縮前の画像データを、30%よりもずっと圧縮することができる。例えば、圧縮画像データD1のサイズは、圧縮前の画像データのサイズの10%より小さくなる。そこで、第1比率R1は、例えば、0.1(10%)とできる。読み取り範囲のサイズが同じ場合、オートクロップモードではノーマルモードよりもページ記憶領域91のサイズを小さくすることができる。例えば1/3程度にすることができる。
次に、制御部1は、画像読取部4に原稿の読み取りを開始させる(ステップ♯22)。オートクロップモードのとき、制御部1は原稿台4bに置かれた特別原稿の読み取り指示を画像読取部4に出す(テーブル読取)。制御部1は、クロップ読取範囲の読み取りを画像読取部4に行わせる。指示に基づき、読取制御部40は、キャリッジ42を副走査方向に移動させる。テーブル読み取り自体の動作は、ノーマルモードと同様である。
さらに、イメージセンサー46が順次出力するアナログ画像信号に基づき、制御部1は、画像データの生成を画像データ生成部8に開始させる(ステップ♯23)。制御部1は、生成された画像データの圧縮を圧縮処理部84に行わせる(ステップ♯24)。制御部1は、圧縮処理部84が生成した圧縮画像データD1をページ記憶領域91に記憶させる(ステップ♯25)。これにより、オートクロップモードでの原稿の読み取りと圧縮画像データD1の格納までの処理が完了する(エンド)。
(ノーマルモードでのジョブ)
次に、図8を用いて、実施形態に係るノーマルモードでのジョブの流れの一例を説明する。図8は実施形態に係るノーマルモードでのジョブの流れの一例を示す図である。
図8のスタートは、ノーマルモードで圧縮画像データD1の格納が完了した時点である。まず、制御部1は、ノーマルモードでの作業領域92をRAM20に設定する(ステップ♯31)。制御部1は、解凍画像データD2を作業領域92に格納する(読み出す)(ステップ♯32)。解凍画像データD2は、圧縮画像データD1を解凍した画像データである。例えば、画像処理部12が解凍を行う。
制御部1は、作業領域92の画像データの画像処理を画像処理部12に行わせる(ステップ♯33)。制御部1は、ジョブの設定に応じた画像処理を画像処理部12に行わせる。例えば、濃度変換の設定がなされているとき、画像処理部12は各画素の画素値を変換する処理を行う。
操作パネル5は実行するジョブの種類の選択を受け付ける。制御部1は、選択に基づき、ジョブを実行する。画像データに基づきコピージョブを行うとき、画像処理部12は、網点処理等を行い、トナー像形成に用いる画像データを生成する。画像データに基づき送信又は保存ジョブを行うとき、画像処理部12は、所定のファイル形式の画像データを生成する。制御部1は、ジョブに用いる画像データを画像処理部12に生成させる(ステップ♯34)。
そして、制御部1は、画像処理部12が生成した画像データに基づき、ジョブを実行する(ステップ♯35)。コピージョブを行うとき、制御部1は、画像データに基づく印刷を印刷部6に実行させる。送信ジョブを行うとき、制御部1は、設定された宛先に向けて、画像データを通信部7に送信させる。保存ジョブを行うとき、制御部1は、設定された保存場所に画像データを記憶させる。
(オートクロップモードでのジョブ)
次に、図9を用いて、実施形態に係るオートクロップモードでのジョブの流れの一例を説明する。図9は、実施形態に係オートクロップモードでのジョブの流れの一例を示す図である。
図9のスタートは、オートクロップモードで圧縮画像データD1の格納が完了した時点である。まず、制御部1は、オートクロップモードでの作業領域92をRAM20に設定する(ステップ♯41)。ここで、オートクロップモードでは、回転処理がなされる。回転処理は、特別原稿部分の傾きを是正するために行われる。矩形の画像データの回転処理を行うと、画像データの上下方向の最大幅と左右方向の最大幅が広くなる。
例えば、正方形の画像データを45度回転させたとき、画像データの上下方向(縦方向)と左右方向(横方向)の幅は回転前のルート2倍になる。回転処理を行うとき、画像処理部12は、回転前の画像データの中心を基準に回転させる。回転処理を行う場合、上下、左右ともに、回転前の画像データのサイズよりも作業領域92のサイズを大きくしなければ、画像データの一部が欠ける。
そこで、制御部1は、ページ記憶領域91よりも大きい作業領域92を記憶装置に設定する。制御部1は、解凍画像データD2よりもサイズが大きく、矩形の領域を作業領域92とする。制御部1は、回転角度がどのような角度でも、解凍画像データD2が欠けないように、作業領域92のサイズを設定する。そして、制御部1は、解凍画像データD2を作業領域92に格納する(読み出す)(ステップ♯42)。
制御部1は、解凍画像データD2のうち、特別原稿部分を認識する(ステップ♯43)。特別原稿には一定の厚みがある。厚みによる原稿と原稿台4bとの段差は影となる。特別原稿の端縁は濃く(暗い)値となる。そこで、制御部1は、高濃度画素の直線を画像処理部12に抽出させる。例えは、制御部1は、ハフ変換処理を画像処理部12に行わせる。最も長い高濃度の直線を特別原稿の長辺と見なすことができる。制御部1は、4本の直線で囲まれた部分を特別原稿部分と認識してもよい。
また、制御部1は、解凍画像データD2のエッジ検出処理を画像処理部12に行わせてもよい。そして、制御部1は、画像処理部12に輪郭検出処理を行わせてもよい。制御部1は、最も大きな輪郭を特別原稿部分の端縁(特別原稿と空白の境界)と認識してもよい。また、制御部1は、解凍画像データD2のエッジ検出処理を画像処理部12に行わせてもよい。そして、制御部1は、エッジで囲まれる矩形の領域を特別原稿部分と認識してもよい。
続いて、制御部1は、特別原稿部分の傾きを認識する(ステップ♯44)。例えば、解凍画像データD2の左右方向を0度とする。制御部1は左右方向と特別原稿部分の長辺(短辺でもよい)がなす角度を認識する。また、制御部1は傾き方向を認識する。制御部1は、時計回り方向で傾いているか、反時計回り方向で傾いているかを判定する。
制御部1は、特別原稿部分の傾きが0になるように解凍画像データD2を画像処理部12に回転させる(ステップ♯45)。制御部1は、傾き方向と逆方向に、認識した傾き角度だけ、画像処理部12に回転させる。続いて、制御部1は、クロップ処理を画像処理部12に行わせる(ステップ♯46)。クロップ処理は、回転後の画像データから特別原稿部分のみを抜き出す処理である。なお、ノーマルモード(第2モード)では、制御部1は、クロップ処理を画像処理部12に行わせない。なお、ステップ#45~ステップ#46の処理手順は、この順序に限定されない。例えばステップ#44の傾き認識後、先にクロップ処理を行い、その後、画像処理部12は回転処理を行ってもよい。
そして、制御部1は、貼り付け画像データを画像処理部12に生成させる(ステップ♯47)。貼り付け画像データは、クロップ処理で抜き出した画像データを白紙(白地)の背景画像データに貼りつけたデータである。背景画像データは所定サイズのデータである。所定サイズは、A4サイズのようによく用いられるサイズでもよい。また、所定サイズは、複合機100が出力できる最小サイズでもよい。また、操作パネル5は、貼り付け画像データのサイズの設定を受け付けてもよい。この場合、制御部1は、設定されたサイズの背景画像データにクロップ処理で抜き出した画像データを貼りつける。例えば、制御部1は、クロップ処理で抜き出した画像データ(特別原稿部分の画像データ)の中心と、白紙の画像データの中心が一致するように、クロップ処理で抜き出した画像データを貼りつける(センタリング)。
次に、制御部1は、貼りつけ画像データの画像処理を画像処理部12に行わせる(ステップ♯48)。制御部1は、貼りつけ画像データを作業領域92に格納してもよい。制御部1は、クロップ処理の時点で、抜き出されなかった部分の画像データを破棄してもよい。制御部1は、ジョブの設定に応じた画像処理を画像処理部12に行わせる。
操作パネル5は実行するジョブの種類の選択を受け付ける。制御部1は、選択に基づき、ジョブを実行する。画像データに基づきコピージョブを行うとき、画像処理部12は、網点処理等を行い、トナー像形成に用いる画像データを生成する。画像データに基づき送信又は保存ジョブを行うとき、画像処理部12は、所定のファイル形式の画像データを生成する。貼りつけ画像データに基づき、制御部1は、制御部1は、ジョブに用いる画像データを画像処理部12に生成させる(ステップ♯49)。
制御部1は、画像処理部12が生成した画像データに基づき、ジョブを実行する(ステップ♯410)。コピージョブを行うとき、制御部1は、画像データに基づく印刷を印刷部6に実行させる。送信ジョブを行うとき、制御部1は、設定された宛先に向けて、画像データを通信部7に送信させる。保存ジョブを行うとき、制御部1は、設定された保存場所に画像データを記憶させる。
なお、制御部1は、ジョブの実行が開始されるまで、圧縮画像データD1をページ記憶領域91に保持しておいてもよい。言い換えると、ジョブの実行が開始されたとき、制御部1は、ジョブが開始された圧縮画像データD1を記憶するページ記憶領域91を消去してもよい。他の時点に、ページ記憶領域91(圧縮画像データD1)を消してもよい。
このようにして、実施形態に係る画像処理装置(複合機100)は、画像読取部4、画像データ生成部8、圧縮処理部84、画像処理部12、記憶装置、制御部1を含む。画像読取部4は、読み取る原稿が置かれる原稿台4bと、原稿台4bに置かれた原稿を読み取るイメージセンサー46を含む。画像データ生成部8は、イメージセンサー46が出力するアナログ画像信号に基づき画像データを生成する。圧縮処理部84は、画像データ生成部8が生成した画像データを圧縮し、圧縮画像データD1を生成する。画像処理部12は画像処理を行う。記憶装置はデータを記憶する。制御部1は、1ページ分の圧縮画像データD1をプールするためのページ記憶領域91を記憶装置に設定する。制御部1は、ページ記憶領域91に圧縮画像データD1を記憶させる。特別原稿を読み取るための第1モードでの読み取りのとき、制御部1は、ページ記憶領域91のサイズを、読み取りで得られる圧縮前の画像データのサイズに第1比率R1を乗じた大きさとする。第2モードでの読み取りのとき、制御部1は、ページ記憶領域91のサイズを、読み取りで得られる圧縮前の画像データのサイズに第2比率R2を乗じた大きさとする。第1比率R1は第2比率R2よりも小さい。第1モードのとき、画像処理部12は、圧縮画像データD1に基づき、特別原稿部分のみを抜き出すクロップ処理を行う。第2モードのとき、画像処理部12は、クロップ処理を行わない。
通常、カードのサイズは、定型サイズの用紙よりも小さい。通常、A4サイズやレターサイズほど大きいIDカードはない。特別原稿を読み取った場合、画像データのうち、余白部分(特別原稿以外の部分)は広くなる。余白部分は空白の領域である。空白が多い画像データは、空白が少ない画像データよりも、圧縮後のサイズが小さくなる。従って、読み取り範囲の大きさが同じでも、第2モードよりも第1モードの方が、圧縮画像データD1のサイズは小さくなるといえる。
そこで、読み取り範囲の大きさが同じでも、第1モード(オートクロップモード)のページ記憶領域91のサイズを、第2モード(ノーマルモード)でのページ記憶領域91のサイズを小さくする。第1モードでのページ記憶領域91のサイズを従来よりも少なくすることができる。第1モードで読み取りを行っても、記憶容量不足が生じ難くなる。記憶装置(RAM20)の記憶容量が小さい画像処理装置でも問題なく特別原稿(カード原稿)を読み取るモードを利用することができる。特別原稿(カード原稿)を読み取るモードで使用する記憶容量をへらすことができる。
第1モードは特別原稿を読み取るためのオートクロップモードである。第1モードのとき、制御部1は、原稿台4bのうち、予め定められたクロップ読取範囲の読み取りを画像読取部4に読み取りを行わせる。制御部1は、ページ記憶領域91のサイズを、クロップ読取範囲の読み取りで得られる圧縮前の画像データのサイズに第1比率R1を乗じた大きさとする。クロップ読取範囲を読み取って得られた圧縮前の画像データのサイズに基づき、ページ記憶領域91のサイズを設定することができる。また、第1モードでの圧縮前の画像データのサイズは、クロップ読取範囲の画素数(サイズ)に基づき定まる。従って、第1モードのとき、圧縮画像データD1が収まり、かつ、必要以上に大きすぎないように、ページ記憶領域91のサイズを設定することができる。
クロップ読取範囲は、画像読取部4が読み取り可能な原稿サイズのうち、最大サイズの原稿と同じ大きさでもよい。特別原稿が原稿台4bのどの場所に置かれても、特別原稿の全体を読み取ることができる。また、クロップ読取範囲が読み取り可能な最大サイズでも、ページ記憶領域91のサイズを抑えることができる。
第2モードはノーマルモードである。第2モードのとき、制御部1は、原稿サイズに応じた範囲で画像読取部4に読み取りを行わせる。制御部1は、ページ記憶領域91のサイズを、画像読取部4が読み取った範囲の画像データであって、圧縮前の画像データのサイズに第2比率R2を乗じた大きさとする。特別原稿の読み取りを目的としない第2モードのとき、原稿は余白が少ない場合がある。そのため、特別原稿を読み取った場合に比べ、画像データを圧縮できない場合がある。読み取り範囲のサイズに基づきページ記憶領域91のサイズを定めることができる。オーバーフローせず、かつ、大きすぎないように、ページ記憶領域91のサイズを適切に設定することができる。
第1モードのとき、制御部1は、クロップ処理を行うための記憶領域であってページ記憶領域91よりも大きい作業領域92を記憶装置に設定する。制御部1は、作業領域92に圧縮画像データD1を解凍した解凍画像データD2を記憶させる。画像処理部12は、解凍画像データD2、又は、解凍画像データD2から抜き出した特別原稿部分の傾きを正すための回転処理を施す。なお、画像処理部12が解凍画像データD2に回転処理に施したとき、画像処理部12は、回転処理後の解凍画像データD2から特別原稿部分を抜き出す。回転処理により画像の一部が欠けないようにするには、回転前の画像データのサイズよりも大きなサイズの作業領域92が必要となる。第1モードでは、ページ記憶領域91のサイズを抑えられるので、回転処理を含むクロップ処理を問題なく実行することができる。回転処理を含むクロップ処理を行っても、記憶容量不足は生じない。
第1モードと第2モードのうち、使用するモードの選択を受け付ける操作パネル5を含む。読み取りのモードを選択することができる。使用者は、所望のモードで読み取りを行うことができる。
特別原稿には、カード原稿、パスポート、名刺のうち、何れか1つ、又は、複数が含まれる。
また、本発明は、画像処理装置の制御方法と捉えることもできる。本発明に係る画像処理装置の制御方法は、読み取る原稿が置かれる原稿台4bにセットされた原稿を、イメージセンサー46を用いて読み取ること、イメージセンサー46が出力するアナログ画像信号に基づき画像データを生成すること、生成された画像データを圧縮し、圧縮画像データD1を生成すること、1ページ分の圧縮画像データD1をプールするためのページ記憶領域91を記憶装置に設定すること、ページ記憶領域91に圧縮画像データD1を記憶させること、特別原稿を読み取るための第1モードでの読み取りのとき、ページ記憶領域91のサイズを、読み取りで得られる圧縮前の画像データのサイズに第1比率R1を乗じた大きさとすること、第2モードでの読み取りのとき、ページ記憶領域91のサイズを、読み取りで得られる圧縮前の画像データのサイズに第2比率R2を乗じた大きさすること、第1比率R1は第2比率R2よりも小さいこと、第1モードのとき圧縮画像データD1に基づき、特別原稿部分のみを抜き出すクロップ処理を行うこと、第2モードのときクロップ処理を行わないこと、を含む。