JP7059764B2 - 積層体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、積層体の製造方法に関する。
電子機器の薄型化、軽量化に対する要求がますます強くなり、半導体パッケージやプリント配線板の薄型化、高密度化が進んでいる。薄型化、高密度化に対応して半導体パッケージやプリント配線板に電子部品を安定に実装するためには、実装時に生じるそりを抑えることが重要になる。電子部品の実装時における半導体パッケージやプリント配線板のそりを抑えるためには、半導体パッケージやプリント配線板に用いる積層体の熱膨張係数を電子部品の熱膨張係数に近付けること及び積層体の弾性率を高めること、すなわち積層体の寸法安定性に優れることが望まれる。
寸法安定性に優れたプリント配線板用の積層体としては、ガラスフィルムと、エポキシ樹脂及び銅箔からなる銅張積層板とを積層したものが提案されている(特許文献1)。
また、寸法安定性及び電気特性に優れたプリント配線板用の積層体としては、無機基板(ガラス基板、セラミック基板、半導体基板)と、フッ素樹脂フィルムと、ポリイミド及び銅箔からなる銅張積層板とを積層したものが提案されている(特許文献2)。
特表2004-512667号公報 特開2011-11457号公報
特許文献1に記載の積層体は、フッ素樹脂層を有さないため、電気特性が不充分である。そのため、特許文献1に記載の積層体を用いた半導体パッケージやプリント配線板は、高周波帯域の周波数に充分に対応できない。
特許文献2に記載の積層体は、フッ素樹脂フィルムを用いて製造されている。フッ素樹脂フィルムは、積層前の取扱性の点からある程度の厚さを有する必要がある。その結果、積層体が厚くなるため、半導体パッケージやプリント配線板の薄型化に対応できない、高価なフッ素樹脂の使用量が増えるため、半導体パッケージやプリント配線板の製造コストが高くなる、という問題が生じる。
本発明は、寸法安定性及び電気特性に優れる積層体を製造でき、フッ素樹脂層を薄くも厚くもできる積層体の製造方法を提供する。
本発明は、下記の態様を有する。
<1>25℃における抵抗率が10Ω・cm以上である無機層と、前記無機層の表面に設けられたフッ素樹脂層とを有する積層体を製造する方法であり、前記無機層を有する基材の前記無機層の表面に、下記フッ素樹脂パウダーを含む塗料を塗布し、前記フッ素樹脂パウダーを溶融して前記フッ素樹脂層を形成する、積層体の製造方法。
フッ素樹脂パウダー:テトラフルオロエチレンに基づく単位を有し、融点が150℃以上であり、溶融成形可能である含フッ素共重合体を主成分とする樹脂材料からなり、D50が0.1~100μmであるフッ素樹脂パウダー。
<2>前記塗料が、前記フッ素樹脂パウダーと、界面活性剤と、液状媒体とを含む液状組成物である、前記<1>の積層体の製造方法。
<3>前記無機層の表面に前記塗料を塗布する前に、前記無機層の表面を表面処理する、前記<1>又は<2>の積層体の製造方法。
<4>前記表面処理が、サンドブラスト処理、プラズマ処理及びウェット処理からなる群から選ばれる少なくとも1種である、前記<3>の積層体の製造方法。
<5>前記フッ素樹脂パウダーを、前記含フッ素共重合体の融点以上で、3~60分間加熱して溶融する、前記<1>~<4>のいずれかの積層体の製造方法。
<6>前記含フッ素共重合体が、カルボニル基含有基、ヒドロキシ基、エポキシ基、アミド基、アミノ基及びイソシアネート基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有する、前記<1>~<5>のいずれかの積層体の製造方法。
<7>前記無機層の材料が、ガラス、セラミックス又は半導体である、前記<1>~<6>のいずれかの積層体の製造方法。
<8>前記無機層の表面に前記フッ素樹脂層を形成した後、前記フッ素樹脂層の表面に金属箔を積層する、前記<1>~<7>のいずれかの積層体の製造方法。
本発明の積層体の製造方法によれば、寸法安定性及び電気特性に優れる積層体を製造でき、フッ素樹脂層を薄くも厚くもできる。
本発明における積層体の一例を示す断面図である。 本発明における積層体の他の例を示す断面図である。 本発明における積層体の他の例を示す断面図である。 本発明における積層体の他の例を示す断面図である。
以下の用語の定義は、本明細書及び特許請求の範囲にわたって適用される。
「溶融成形可能」であるとは、溶融流動性を示すことを意味する。
「溶融流動性を示す」とは、荷重49Nの条件下、樹脂の融点よりも20℃以上高い温度において、MFRが0.01~1000g/10分となる温度が存在することを意味する。
「MFR」は、JIS K 7210-1:2014(対応国際規格ISO 1133-1:2011)に規定されるメルトマスフローレイトである。
「融点」は、示差走査熱量測定(DSC)法で測定した融解ピークの最大値に対応する温度を意味する。
樹脂パウダーの「D50」は、レーザー回折・散乱法によって求められる体積基準累積50%径である。すなわち、レーザー回折・散乱法によって粒度分布を測定し、粒子の集団の全体積を100%として累積カーブを求め、その累積カーブ上で累積体積が50%となる点の粒子径である。
「樹脂パウダーのD90」は、レーザー回折・散乱法によって求められる体積基準累積90%径である。すなわち、レーザー回折・散乱法によって粒度分布を測定し、粒子の集団の全体積を100%として累積カーブを求め、その累積カーブ上で累積体積が90%となる点の粒子径である。
「比誘電率」は、ASTM D 150に準拠した変成器ブリッジ法にしたがい、温度を23℃±2℃の範囲内、相対湿度を50%±5%RHの範囲内に保持した試験環境において、絶縁破壊試験装置を用いて1MHzで求めた値である。高周波数帯では、SPDR(スプリットポスト誘電体共振器)法により、23℃±2℃、50±5%RHの範囲内の環境下にて、周波数20GHzで測定される値である。
「25℃における抵抗率」は、JIS K 7194-1994に準拠し、一直線状に等間隔に配列した探針間隔5mmのプローブを用い、試料の5点以上を測定した平均値である。
「ヘーズ」は、JIS K 7136:2000(対応国際規格ISO 14782:1999)に基づき測定される。
「算術平均粗さRa」は、JIS B 0601:2013(対応国際規格ISO 4287:1997,Amd.1:2009)に基づき測定される。算術平均粗さRaを求める際の、粗さ曲線用の基準長さlr(カットオフ値λc)は0.8mmとする。
「算術平均高さSa」は、ISO 25178-6:2010に基づき測定される。
「Ra(AFM)」は、原子間力顕微鏡(AFM)で測定したときの算術平均粗さRaである。Ra(AFM)は、Oxford Instruments社製のAFMを用いて、下記測定条件にて1μm範囲の表面について測定する。
プローブ:AC160TS-C3(先端R <7nm、バネ定数 26N/m)、測定モード:AC-Air、Scan Rate:1Hz。
「カルボニル基含有基」とは、構造中にカルボニル基(-C(=O)-)を有する基を意味する。
「酸無水物基」とは、-C(=O)-O-C(=O)-で表される基を意味する。
「単量体に基づく単位」は、単量体1分子が重合して直接形成される原子団と、該原子団の一部を化学変換して得られる原子団との総称である。本明細書において、単量体に基づく単位を、単に、単量体単位とも記す。
「単量体」とは、重合性炭素-炭素二重結合を有する化合物を意味する。
数値範囲を示す「~」は、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。
図1~図4における寸法比は、説明の便宜上、実際のものとは異なったものである。
<積層体>
本発明の製造方法で得られる積層体は、無機層と、無機層の表面に設けられたフッ素樹脂層とを有する。
積層体は、フッ素樹脂層の表面に設けられた金属層をさらに有することが好ましい。
積層体は、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて無機層、フッ素樹脂層及び金属層以外の層(以下、「他の層」とも記す。)を有していてもよい。
図1は、本発明における積層体の一例を示す断面図である。
積層体11は、無機層20と、無機層20の第1の面に設けられたフッ素樹脂層22とを有する。
図2は、本発明における積層体の他の例を示す断面図である。
積層体12は、無機層20と、無機層20の第1の面に設けられたフッ素樹脂層22と、フッ素樹脂層22の表面に設けられた金属層24とを有する。
図3は、本発明における積層体の他の例を示す断面図である。
積層体13は、無機層20と、無機層20の第1の面及び第2の面のそれぞれに設けられたフッ素樹脂層22とを有する。
図4は、本発明における積層体の他の例を示す断面図である。
積層体14は、無機層20と、無機層20の第1の面及び第2の面のそれぞれに設けられたフッ素樹脂層22と、フッ素樹脂層22の表面に設けられた金属層24とを有する。
(無機層)
無機層は、本発明の製造方法で用いた基材における無機層に由来する層である。
無機層には、スルーホール、ビアホール等の孔が形成されていてもよい。
無機層の25℃における抵抗率は、10Ω・cm以上であり、10Ω・cm以上が好ましく、10Ω・cm以上がより好ましい。無機層の25℃における抵抗率が前記範囲以上であれば、金属層が除外される。金属以外の無機材料からなる無機層は、半導体パッケージやプリント配線板における基板として好適に用いることができる。無機層の25℃における抵抗率は高ければ高いほどよく、上限値は限定されない。
無機層の材料としては、半導体パッケージやプリント配線板における基板として好適である点から、ガラス、セラミックス又は半導体が好ましく、ガラスがより好ましい。
ガラスとしては、ソーダライムガラス、ソーダカリガラス、ソーダアルミケイ酸塩ガラス、アルミノボレートガラス、アルミノボロシリケートガラス、低膨張ガラス、石英ガラス、ポーラスガラス等が挙げられる。
セラミックスとしては、アルミナ、ジルコニア、ムライト、コディライト、ステアタイト、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、窒化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素等が挙げられる。
半導体としては、シリコン、ゲルマニウム、セレン、錫、テルル、GeAs、GaP、GaSb、AlP、AlAs、AlSb、InP、InAs、InSb、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、AlGaAs、GaInAs、AlInAs、AlGaInAs等が挙げられる。
無機層の厚さは、0.001~10mmが好ましく、0.01~5mmがより好ましく、0.1~2mmがさらに好ましい。無機層の厚さが前記範囲の下限値以上であれば、積層体の寸法安定性がさらに優れる。無機層の厚さが前記範囲の上限値以下であれば、半導体パッケージやプリント配線板を充分に薄型化できる。
(フッ素樹脂層)
フッ素樹脂層は、本発明の製造方法で形成されるフッ素樹脂層である。
フッ素樹脂層は、特定の含フッ素共重合体(以下、「含フッ素共重合体A」とも記す。)を含む。
フッ素樹脂層は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて無機フィラー、含フッ素共重合体A以外の樹脂、添加剤等を含んでいてもよい。
フッ素樹脂層中の含フッ素共重合体Aの割合は、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。含フッ素共重合体Aの割合の上限値は100質量%である。含フッ素共重合体Aの割合が前記範囲の下限値以上であれば、積層体の電気特性がさらに優れる。
フッ素樹脂層の厚さは、0.2~300μmが好ましく、5~150μmがより好ましい。フッ素樹脂層の厚さが前記下限値以上であれば、積層体の電気特性がさらに優れる。フッ素樹脂層の厚さが前記上限値以下であれば、半導体パッケージやプリント配線板を充分に薄型化できる。
フッ素樹脂層の比誘電率(測定周波数:1MHz)は、2.0~3.5が好ましく、2.0~3.0がより好ましい。フッ素樹脂層の比誘電率が前記範囲の上限値以下であれば、低誘電率が求められる半導体パッケージやプリント配線板に積層体を好適に用いることができる。フッ素樹脂層の比誘電率が前記範囲の下限値以上であれば、フッ素樹脂層の電気特性及び接着性の双方に優れる。
フッ素樹脂層の表面のRa(AFM)は、3.0nm以上が好ましく、8.0nm以上がより好ましく、12nm以上がさらに好ましい。フッ素樹脂層の表面のRa(AFM)が前記範囲の下限値以上であれば、フッ素樹脂層と金属箔との接着性に優れる。Ra(AFM)は、1μm以下が好ましい。
含フッ素共重合体Aは、溶融成形可能である。含フッ素共重合体Aが溶融成形可能であることによって、後述する本発明の製造方法において、フッ素樹脂パウダーを溶融してフッ素樹脂層を形成しやすくなる。
溶融成形が可能な含フッ素共重合体Aとしては、荷重49Nの条件下、含フッ素共重合体Aの融点よりも20℃以上高い温度において、MFRが0.1~1000g/10分(好ましくは0.5~100g/10分、より好ましくは1~30g/10分、さらに好ましくは5~20g/10分)となる温度が存在するものが好ましい。MFRが前記範囲の下限値以上であれば、含フッ素共重合体Aの溶融成形性に優れ、フッ素樹脂層の表面平滑性、外観に優れる。MFRが前記範囲の上限値以下であれば、フッ素樹脂層の機械的強度に優れる。
含フッ素共重合体Aの融点は、150℃以上であり、170℃以上325℃以下が好ましく、250℃以上320℃以下がより好ましく、280℃以上315℃以下がさらに好ましい。含フッ素共重合体Aの融点が前記範囲の下限値以上であれば、積層体の耐熱性に優れる。含フッ素共重合体Aの融点が前記範囲の上限値以下であれば、積層体を製造する際に汎用的な装置を使用できる。
含フッ素共重合体Aのフッ素含有量は、70~80質量%が好ましく、70~78質量%がより好ましい。フッ素含有量は、含フッ素共重合体Aの総質量に対するフッ素原子の合計質量の割合である。フッ素含有量が前記下限値以上であれば、フッ素樹脂層の耐熱性に優れる。また、積層体の電気特性がさらに優れる。フッ素含有量が前記上限値以下であれば、含フッ素共重合体Aの溶融成形性に優れる。フッ素含有量は、19F-NMRによって求める。
含フッ素共重合体Aの比誘電率(測定周波数:1MHz)は、2.5以下が好ましく、2.4以下がより好ましく、2.0~2.4が特に好ましい。含フッ素共重合体Aの比誘電率が低いほど、積層体の電気特性がさらに優れる。比誘電率の下限値は、通常2.0である。含フッ素共重合体Aの比誘電率は、TFE単位の割合によって調整できる。
含フッ素共重合体Aは、テトラフルオロエチレン(以下、「TFE」とも記す。)に基づく単位を有する。含フッ素共重合体AがTFEに基づく単位を有することによって、積層体の電気特性に優れる。
含フッ素共重合体Aは、接着性官能基を有しない含フッ素共重合体Aであってもよく、接着性官能基を有する含フッ素共重合体Aであってもよい。フッ素樹脂層と無機層又は金属層との接着性に優れる点から、接着性官能基を有する含フッ素共重合体Aが好ましい。
接着性官能基を有しない含フッ素共重合体Aとしては、TFE-ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(PFA)、TFE-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン-TFE共重合体(ETFE)等が挙げられる。
接着性官能基を有する含フッ素共重合体Aとしては、接着性官能基を有する単位や接着性官能基を有する末端基を有する含フッ素共重合体Aが挙げられる。具体的には、接着性官能基を有するPFA、接着性官能基を有するFEP、接着性官能基を有するETFE等が挙げられる。
含フッ素共重合体Aとしては、変性ポリテトラフルオロエチレン(以下、ポリテトラフルオロエチレンを「PTFE」とも記す。)も挙げられる。変性PTFEとしては、(i)TFEと極微量のCH=CH(CFF又はCF=CFOCFとを共重合したもの、(ii)前記(i)にさらに極微量の接着性官能基を有する単量体を共重合したもの、(iii)TFEと極微量の接着性官能基を有する単量体とを共重合したもの、(iv)PTFEにプラズマ処理等で接着性官能基を導入したもの、(v)前記(i)にプラズマ処理等で接着性官能基を導入したもの等が挙げられる。
また、含フッ素共重合体Aとしては、溶融流動性を示すのであればPTFEも挙げられる。
接着性官能基を有する含フッ素共重合体Aにおける接着性官能基としては、カルボニル基含有基、ヒドロキシ基、エポキシ基、アミド基、アミノ基及びイソシアネート基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基が好ましい。含フッ素共重合体A中の接着性官能基は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
含フッ素共重合体A中の接着性官能基は、フッ素樹脂層と無機層又は金属層との接着性の点から、カルボニル基含有基であることが好ましい。
カルボニル基含有基としては、炭化水素基の炭素原子間にカルボニル基を有する基、カーボネート基、カルボキシ基、ハロホルミル基、アルコキシカルボニル基、酸無水物基等が挙げられる。
炭化水素基の炭素原子間にカルボニル基を有する基における炭化水素基としては、炭素数2~8のアルキレン基等が挙げられる。アルキレン基の炭素数は、カルボニル基の炭素原子を含まない炭素数である。アルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよい。
ハロホルミル基は、-C(=O)-X(ただし、Xはハロゲン原子である。)で表される。ハロホルミル基におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
アルコキシカルボニル基におけるアルコキシ基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよく、炭素数1~8のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基又はエトキシ基がより好ましい。
カルボニル基含有基としては、酸無水物基、カルボキシ基が好ましい。
含フッ素共重合体A中の接着性官能基の含有量は、含フッ素共重合体Aの主鎖炭素数1×10個に対し10~60000個が好ましく、100~50000個がより好ましく、100~10000個がさらに好ましく、300~5000個が特に好ましい。接着性官能基の含有量が前記範囲内であれば、フッ素樹脂層と無機層又は金属層との接着性がさらに優れる。
接着性官能基の含有量は、核磁気共鳴(NMR)分析、赤外吸収スペクトル分析等の方法によって測定できる。例えば、特開2007-314720号公報に記載のように赤外吸収スペクトル分析等の方法を用いて、含フッ素共重合体を構成する全単位中の接着性官能基を有する単位の割合(モル%)を求め、この割合から、接着性官能基の含有量を算出できる。
接着性官能基は、フッ素樹脂層と無機層又は金属層との接着性の点から、含フッ素共重合体Aの主鎖の末端基及び主鎖のペンダント基のいずれか一方又は両方として存在することが好ましい。
接着性官能基が主鎖の末端基及び主鎖のペンダント基のいずれか一方又は両方として存在する含フッ素共重合体Aは、単量体の重合の際に、接着性官能基を有する単量体を共重合させる、接着性官能基をもたらす連鎖移動剤や重合開始剤を使用して単量体を重合させる、等の方法で製造できる。これら方法を併用することもできる。特に、接着性官能基を有する単量体を共重合させることにより、その単量体単位を有する共重合体を製造して、接着性官能基が少なくとも主鎖のペンダント基として存在する含フッ素共重合体Aとすることが好ましい。
接着性官能基を有する単量体としては、カルボニル基含有基、ヒドロキシ基、エポキシ基、アミド基、アミノ基、又はイソシアネート基を有する単量体が好ましく、酸無水物基又はカルボキシ基を有する単量体が特に好ましい。具体的には、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、ウンデシレン酸等のカルボキシ基を有する単量体、無水イタコン酸(以下、「IAH」とも記す。)、無水シトラコン酸(以下、「CAH」とも記す。)、5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水物(以下、「NAH」とも記す。)、無水マレイン酸等の酸無水物基を有する単量体、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、エポキシアルキルビニルエーテル等が挙げられる。
接着性官能基をもたらす連鎖移動剤としては、カルボキシ基、エステル結合、水酸基等を有する連鎖移動剤が好ましい。具体的には、酢酸、無水酢酸、酢酸メチル、エチレングリコール、プロピレングリコール等が挙げられる。
接着性官能基をもたらす重合開始剤としては、ペルオキシカーボネート、ジアシルペルオキシド、ペルオキシエステル等の過酸化物重合開始剤が好ましい。具体的には、ジ-n-プロピルペルオキシジカーボネート、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、tert-ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ビス(4-tert-ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ジ-2-エチルヘキシルペルオキシジカーボネート等が挙げられる。
接着性官能基が少なくとも主鎖のペンダント基として存在する含フッ素共重合体Aとしては、接着性にさらに優れる点から、下記の含フッ素共重合体A1が特に好ましい。
含フッ素共重合体A1:TFEに由来する単位と、酸無水物基を有する環状炭化水素単量体(以下、「酸無水物単量体」とも記す。)に由来する単位と、含フッ素単量体(ただし、TFEを除く。)に由来する単位とを有する含フッ素共重合体。
以下、TFEに由来する単位を「TFE単位」、酸無水物単量体に由来する単位を「単位u2」、上記含フッ素単量体に由来する単位を「単位u3」とも記す。
酸無水物単量体としては、IAH、CAH、NAH、無水マレイン酸等が挙げられる。酸無水物単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
酸無水物単量体としては、IAH、CAH及びNAHからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。IAH、CAH及びNAHのいずれかを用いると、無水マレイン酸を用いた場合に必要となる特殊な重合方法(特開平11-193312号公報参照)を用いることなく、酸無水物基を有する含フッ素共重合体A1を容易に製造できる。
酸無水物単量体としては、フッ素樹脂層と無機層又は金属層との接着性接着性がさらに優れる点から、IAH、NAHが特に好ましい。
含フッ素共重合体A1には、単位u2における酸無水物基の一部が加水分解し、その結果、酸無水物単量体に対応するジカルボン酸(イタコン酸、シトラコン酸、5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸、マレイン酸等)の単位が含まれる場合がある。ジカルボン酸の単位が含まれる場合、ジカルボン酸の単位の含有量は、単位u2の含有量に含まれるものとする。
単位u3を構成する含フッ素単量体としては、重合性炭素-炭素二重結合を1つ有する含フッ素化合物が好ましく、フルオロオレフィン(クロロトリフルオロエチレン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン(以下、「HFP」とも記す。)、ヘキサフルオロイソブチレン等。ただし、TFEを除く。)、CF=CFORf1(ただし、Rf1は炭素数1~10のペルフルオロアルキル基、又は炭素数2~10のペルフルオロアルキル基の炭素原子間に酸素原子を含む基である。)(以下、「PAVE」とも記す。)、CF=CFORf2SO(ただし、Rf2は炭素数1~10のペルフルオロアルキル基、又は炭素数2~10のペルフルオロアルキル基の炭素原子間に酸素原子を含む基であり、Xはハロゲン原子又は水酸基である。)、CF=CFORf3CO(ただし、Rf3は炭素数1~10のペルフルオロアルキル基、又は炭素数2~10のペルフルオロアルキル基の炭素原子間に酸素原子を含む基であり、Xは水素原子又は炭素数1~3のアルキル基である。)、CF=CF(CFOCF=CF(ただし、pは1又は2である。)、CH=CX(CF(ただし、Xは水素原子又はフッ素原子であり、qは2~10の整数であり、Xは水素原子又はフッ素原子である。)(以下、「FAE」とも記す。)、環構造を有する含フッ素単量体(ペルフルオロ(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソール)、2,2,4-トリフルオロ-5-トリフルオロメトキシ-1,3-ジオキソール、ペルフルオロ(2-メチレン-4-メチル-1,3-ジオキソラン)等)等が挙げられる。
含フッ素単量体としては、含フッ素共重合体A1の溶融成形性、フッ素樹脂層の耐屈曲性等に優れる点から、HFP、PAVE及びFAEからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
PAVEとしては、CF=CFOCFCF、CF=CFOCFCFCF、CF=CFOCFCFCFCF、CF=CFO(CFF等が挙げられ、CF=CFOCFCFCF(以下、「PPVE」とも記す。)が好ましい。
FAEとしては、CH=CF(CFF、CH=CF(CFF、CH=CF(CFF、CH=CF(CFF、CH=CF(CFF、CH=CF(CFH、CH=CF(CFH、CH=CF(CFH、CH=CF(CFH、CH=CF(CFH、CH=CH(CFF、CH=CH(CFF、CH=CH(CFF、CH=CH(CFF、CH=CH(CFF、CH=CH(CFF、CH=CH(CFH、CH=CH(CFH、CH=CH(CFH、CH=CH(CFH、CH=CH(CFH等が挙げられる。
FAEとしては、CH=CH(CFq1(ただし、q1は、2~6であり、2~4が好ましい。)が好ましく、CH=CH(CFF、CH=CH(CFF、CH=CH(CFF、CH=CF(CFH、CH=CF(CFHがより好ましく、CH=CH(CFF(以下、「PFBE」とも記す。)、CH=CH(CFF(以下、「PFEE」とも記す。)がさらに好ましい。
含フッ素共重合体A1は、TFE単位、単位u2及び単位u3に加えて、非フッ素単量体(ただし、酸無水物単量体を除く。)に由来する単位をさらに有していてもよい。
非フッ素単量体としては、重合性炭素-炭素二重結合を1つ有する非フッ素化合物が好ましく、たとえば、オレフィン(エチレン、プロピレン、1-ブテン等)、ビニルエステル(酢酸ビニル等)等が挙げられる。非フッ素単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
含フッ素共重合体A1の好ましい具体例としては、下記のものが挙げられる。
TFE単位とNAH単位とPPVE単位とを有する共重合体、
TFE単位とIAH単位とPPVE単位とを有する共重合体、
TFE単位とCAH単位とPPVE単位とを有する共重合体、
TFE単位とIAH単位とHFP単位とを有する共重合体、
TFE単位とCAH単位とHFP単位とを有する共重合体、
TFE単位とIAH単位とPFBE単位とエチレン単位とを有する共重合体、
TFE単位とCAH単位とPFBE単位とエチレン単位とを有する共重合体、
TFE単位とIAH単位とPFEE単位とエチレン単位とを有する共重合体、
TFE単位とCAH単位とPFEE単位とエチレン単位とを有する共重合体、
TFE単位とIAH単位とHFP単位とPFBE単位とエチレン単位とを有する共重合体等。
含フッ素共重合体A1としては、耐熱性が良好である点から、TFE単位とNAH単位とPPVE単位とを有する共重合体が好ましい。
含フッ素共重合体A1がTFE単位と単位u2と単位u3とからなる場合の各単位の好ましい割合は下記のとおりである。
TFE単位の割合は、全単位のうち、50~99.89モル%が好ましく、90~99.49モル%がより好ましく、95~98.95モル%がさらに好ましい。
単位u2の割合は、全単位のうち、0.01~5モル%が好ましく、0.01~3モル%がより好ましく、0.05~1モル%がさらに好ましい。
単位u3の割合は、全単位のうち、0.1~49.99モル%が好ましく、0.5~9.99モル%がより好ましく、1~4.95モル%がさらに好ましい。
各単位の割合が前記範囲内であれば、フッ素樹脂層の耐熱性、耐薬品性、高温での弾性率が優れる。単位u2の割合が前記範囲内であれば、含フッ素共重合体A1における酸無水物基の量が適切になり、接着性がさらに優れる。単位u3の割合が前記範囲内であれば、含フッ素共重合体A1の溶融成形性に優れ、また、フッ素樹脂層の耐屈曲性に優れる。
含フッ素共重合体A1がTFE単位と単位u2と単位u3と非フッ素単量体に由来する単位とからなり、非フッ素単量体に由来する単位がエチレン単位である場合の各単位の好ましい割合は下記のとおりである。
TFE単位の割合は、全単位のうち、25~80モル%が好ましく、40~65モル%がより好ましく、45~63モル%がさらに好ましい。
単位u2の割合は、全単位のうち、0.01~5モル%が好ましく、0.03~3モル%がより好ましく、0.05~1モル%がさらに好ましい。
単位u3の割合は、全単位のうち、0.2~20モル%が好ましく、0.5~15モル%がより好ましく、1~12モル%がさらに好ましい。
エチレン単位の割合は、全単位のうち、20~75モル%が好ましく、35~50モル%がより好ましく、37~55モル%がさらに好ましい。
各単位の含有量が前記範囲内であれば、フッ素樹脂層の耐薬品性等に優れる。単位u2の割合が前記範囲内であれば、含フッ素共重合体A1における酸無水物基の量が適切になり、接着性がさらに優れる。単位u3の割合が前記範囲内であれば、含フッ素共重合体A1の溶融成形性に優れ、また、フッ素樹脂層の耐屈曲性等に優れる。
各単位の割合は、含フッ素共重合体A1の溶融NMR分析、フッ素含有量分析、赤外吸収スペクトル分析等によって算出できる。
含フッ素共重合体A1は、常法により製造できる。例えば、TFEと酸無水物単量体と含フッ素単量体とを重合することによって含フッ素共重合体A1を製造できる。
単量体の重合に際しては、ラジカル重合開始剤を用いることが好ましい。
重合方法としては、塊状重合法、有機溶媒(フッ化炭化水素、塩化炭化水素、フッ化塩化炭化水素、アルコール、炭化水素等)を用いる溶液重合法、水性媒体と必要に応じて適当な有機溶媒とを用いる懸濁重合法、水性媒体と乳化剤とを用いる乳化重合法が挙げられ、溶液重合法が好ましい。
含フッ素共重合体A1を製造する際、酸無水物単量体の重合中の濃度は、全単量体に対して0.01~5モル%が好ましく、0.1~3モル%がより好ましく、0.1~2モル%がさらに好ましい。酸無水物単量体の濃度が前記範囲内であれば、重合速度が適度なものになる。酸無水物単量体の濃度が高すぎると、重合速度が低下する傾向がある。
酸無水物単量体が重合で消費されるにしたがって、消費された量を連続的又は断続的に重合槽内に供給し、酸無水物単量体の濃度を前記範囲内に維持することが好ましい。
(金属層)
金属層は、本発明の製造方法で用いた金属箔に由来する層である。金属層は、金属箔そのものであってもよく、金属箔に由来する導体回路であってもよい。
金属箔の材料としては、銅、銅合金、ステンレス鋼、ニッケル、ニッケル合金(42合金も含む。)、アルミニウム、アルミニウム合金等が挙げられる。半導体パッケージやプリント配線板においては、圧延銅箔、電解銅箔等の銅箔が多用されており、本発明においても銅箔が好適である。
金属箔の表面には、防錆層(クロメート等の酸化物皮膜等)、耐熱層等が形成されていてもよい。
金属箔の表面には、接着層との接着性を高めるための表面処理(カップリング剤処理等)が施されていてもよい。
導体回路としては、金属箔をエッチング等によって所定のパターンに加工したもの、金属箔を用いたセミアディティブ法(SAP法)又はモディファイドセミアディティブ法(MSAP法)による電解めっきによって形成されたもの等が挙げられる。
(他の層)
積層体における他の層としては、特定のフッ素樹脂層以外の樹脂層(保護層、接着層、層間絶縁膜、ソルダーレジスト、カバーレイフィルム等)、特定の無機層以外の無機層、フッ素樹脂層の表面に設けられていない金属層、繊維強化樹脂層等が挙げられる。積層体における他の層は、本発明の製造方法で用いた無機層を有する基材における無機層以外の層に由来する層であってもよい。
積層体における他の層は、無機層の表面に設けられていてもよく、フッ素樹脂層の表面に設けられていてもよく、フッ素樹脂層と金属層との間に設けられていてもよく、金属層の表面に設けられていてもよい。
積層体には、電子部品(抵抗、インダクタ、コンデンサ等)等が設けられていてもよい。
<積層体の製造方法>
本発明の積層体の製造方法は、無機層を有する基材(以下、「塗布対象基材」とも記す。)の無機層の表面に、フッ素樹脂パウダーを含む塗料を塗布し、フッ素樹脂パウダーを溶融してフッ素樹脂層を形成する方法である。
塗布対象基材が無機層のみを有する場合、又は塗布対象基材の両方の最表層に無機層を有する場合、塗布対象基材の両面に、フッ素樹脂パウダーを含む塗料を塗布し、フッ素樹脂パウダーを溶融してフッ素樹脂層を形成してもよい。
本発明の積層体の製造方法においては、無機層の表面に塗料を塗布する前に、無機層の表面を表面処理することが好ましい。
本発明の積層体の製造方法においては、無機層の表面にフッ素樹脂層を形成した後、フッ素樹脂層の表面に金属箔を積層することが好ましい。
(塗料)
塗料としては、液状組成物又は粉体塗料が挙げられる。
液状組成物は、特定のフッ素樹脂パウダーと、界面活性剤と、液状媒体とを含む。
液状組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて無機フィラー、特定のフッ素樹脂パウダー以外の樹脂パウダー、液状媒体に溶解し得る樹脂(以下、「溶解性樹脂」とも記す。)、界面活性剤以外の添加剤等を含んでいてもよい。
粉体塗料は、特定のフッ素樹脂パウダーを含む。
粉体塗料は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて無機フィラー、特定のフッ素樹脂パウダー以外の樹脂パウダー等を含む粉体組成物であってもよい。
分散媒である液状媒体は、25℃で液状の不活性な成分である。
液状媒体は、液状組成物に含まれる液状媒体の以外の成分よりも低沸点であり、加熱等によって揮発し除去できるものが好ましい。
液状媒体としては、水、アルコール(メタノール、エタノール等)、含窒素化合物(N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン等)、含硫黄化合物(ジメチルスルホキシド等)、エーテル(ジエチルエーテル、ジオキサン等)、エステル(乳酸エチル、酢酸エチル等)、ケトン(メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等)、グリコールエーテル(エチレングリコールモノイソプロピルエーテル等)、セロソルブ(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等)等が挙げられる。液状媒体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。液状媒体としては、フッ素樹脂パウダーと反応しないものが好ましい。
フッ素樹脂パウダーは、含フッ素共重合体Aを含むパウダー材料からなる。
パウダー材料は、含フッ素共重合体Aを主成分とすることが好ましい。含フッ素共重合体Aが主成分であれば、フッ素樹脂層の比誘電率及び誘電正接をさらに低くできる。また、嵩密度の高いフッ素樹脂パウダーが得られやすい。フッ素樹脂パウダーの嵩密度が大きいほど、ハンドリング性に優れる。含フッ素共重合体Aを主成分とするパウダー材料とは、パウダー材料中の含フッ素共重合体Aの割合が80質量%以上であることを意味する。パウダー材料中の含フッ素共重合体Aの割合は、85質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、100質量%が特に好ましい。
フッ素樹脂パウダーのD50は、0.1~100μmである。フッ素樹脂パウダーのD50が前記範囲であれば、フッ素樹脂層の外観に優れる。
液状組成物におけるフッ素樹脂パウダーのD50は、0.3~6.0μmが好ましく、0.4~5.0μmがより好ましく、0.5~4.5μmがさらに好ましく、0.7~4.0μmがよりさらに好ましく、1.0~3.5μmが特に好ましい。液状組成物におけるフッ素樹脂パウダーのD50が前記範囲の下限値以上であれば、フッ素樹脂パウダーの流動性が充分で取り扱いが容易である。液状組成物におけるフッ素樹脂パウダーのD50が前記範囲の上限値以下であれば、フッ素樹脂パウダーの液状媒体への分散性に優れる。また、フッ素樹脂層へのフッ素樹脂パウダーの充填率を高くでき、フッ素樹脂層の比誘電率及び誘電正接をさらに低くできる。また、フッ素樹脂層の厚さを薄くできる。
液状組成物におけるフッ素樹脂パウダーのD90は、8.0μm以下が好ましく、6.0μm以下がより好ましく、1.5~5.0μmがさらに好ましい。液状組成物におけるフッ素樹脂パウダーのD90が前記範囲の上限値以下であれば、フッ素樹脂パウダーの液状媒体への分散性に優れる。液状組成物におけるフッ素樹脂パウダーのD90は、フッ素樹脂層の均一性に優れる点から、D50に近づけることが好ましい。
粉体塗料におけるフッ素樹脂パウダーのD50は、10~80μmが好ましく、20~50μmがより好ましい。粉体塗料におけるフッ素樹脂パウダーのD50が前記範囲であれば、フッ素樹脂層の外観に優れる。
フッ素樹脂パウダーの疎充填嵩密度は、0.05g/mL以上が好ましく、0.05~0.5g/mLがより好ましく、0.08~0.5g/mLが特に好ましい。
フッ素樹脂パウダーの密充填嵩密度は、0.05g/mL以上が好ましく、0.05~0.8g/mLがより好ましく、0.1~0.8g/mLが特に好ましい。
疎充填嵩密度又は密充填嵩密度が前記範囲の下限値以上であれば、フッ素樹脂パウダーのハンドリング性がさらに優れる。また、フッ素樹脂層へのフッ素樹脂パウダーの充填率を高くできる。疎充填嵩密度又は密充填嵩密度が前記範囲の上限値以下であれば、汎用的なプロセスで用いることができる。
パウダー材料は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて含フッ素共重合体A以外の成分をさらに含んでいてもよい。含フッ素共重合体A以外の成分としては、含フッ素共重合体A以外の樹脂、無機フィラー、ゴム等が挙げられる。含フッ素共重合体A以外の樹脂としては、芳香族ポリエステル、ポリアミドイミド、熱可塑性ポリイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンオキシド等が挙げられる。
フッ素樹脂パウダーは、例えば、下記の方法によって製造できる。
・溶液重合法、懸濁重合法又は乳化重合法によって含フッ素共重合体Aを得て、有機溶媒又は水性媒体を除去して粒状の含フッ素共重合体Aを回収し、必要に応じて粒状の含フッ素共重合体Aを粉砕し、必要に応じて粉砕物を分級する方法。
・含フッ素共重合体A、必要に応じて他の成分を溶融混練し、混練物を粉砕し、必要に応じて粉砕物を分級する方法。
界面活性剤は、液状媒体へのフッ素樹脂パウダーの分散安定性を向上させる。また、無機層とフッ素樹脂層との界面において、無機層の表面張力と含フッ素共重合体Aの表面張力を緩和して無機層とフッ素樹脂層との接着性を向上させる。
界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤等が挙げられる。界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤が好ましい。界面活性剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤としては、含フッ素基及び親水性基を有するフッ素系界面活性剤が好ましい。フッ素系界面活性剤を用いることによって、液状媒体の表面張力を低下させ、フッ素樹脂パウダーの表面に対する濡れ性を向上させてフッ素樹脂パウダーの分散性を向上させるとともに、含フッ素基がフッ素樹脂パウダーの表面に吸着し、親水性基が液状媒体中に伸長し、親水性基の立体障害によってフッ素樹脂パウダーの凝集を防止して分散安定性をさらに向上させる。フッ素系界面活性剤としては、下記のものが挙げられる。
ネオス社製のフタージェントMシリーズ、フタージェントFシリーズ、フタージェントGシリーズ、フタージェントP・Dシリーズ、フタージェント710FL、フタージェント710FM、フタージェント710FS、フタージェント730FL、フタージェント730LM、フタージェント610FM、フタージェント601AD、フタージェント601ADH2、フタージェント602A、フタージェント650AC、フタージェント681。
AGCセイミケミカル社製のサーフロンシリーズ(サーフロンS-386等)。
DIC社製のメガファックシリーズ(メガファックF-553、メガファックF-555、メガファックF-556、メガファックF-557、メガファックF-559、メガファックF-562、メガファックF-565等)。
ダイキン工業社製のユニダインシリーズ(ユニダインDS-403N等)。
液状組成物が含んでもよい溶解性樹脂は、非硬化性樹脂であってもよく、熱硬化性樹脂であってもよい。
非硬化性樹脂としては、熱溶融性樹脂、非溶融性樹脂が挙げられる。熱溶融性樹脂としては、熱可塑性ポリイミド等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、多官能シアン酸エステル樹脂、多官能マレイミド-シアン酸エステル樹脂、多官能性マレイミド樹脂、ビニルエステル樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラニン樹脂、グアナミン樹脂、メラミン-尿素共縮合樹脂、反応性基を有するフッ素樹脂(ただし、含フッ素共重合体Aを除く。)、熱硬化性ポリイミド、その前駆体であるポリアミック酸等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、プリント配線板に有用な点から、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ビスマレイミド樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、熱硬化性ポリイミド、その前駆体であるポリアミック酸が好ましく、エポキシ樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、熱硬化性ポリイミド、その前駆体であるポリアミック酸がより好ましい。熱硬化性樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
液状組成物中のフッ素樹脂パウダーの割合は、5~60質量%が好ましく、30~50質量%がより好ましく、35~45質量%がさらに好ましい。フッ素樹脂パウダーの割合が前記範囲の下限値以上であれば、フッ素樹脂層の比誘電率及び誘電正接をさらに低くできる。フッ素樹脂パウダーの割合が前記範囲の上限値以下であれば、液状組成物においてフッ素樹脂パウダーが均一に分散しやすく、またフッ素樹脂層が機械的強度に優れる。
液状組成物中の液状媒体の割合は、15~65質量%が好ましく、25~50質量部がより好ましい。液状媒体の割合が前記範囲内であれば、液状組成物の塗布性が良好となる。液状媒体の割合が前記範囲の上限値以下であれば、液状媒体の使用量が少ないため、乾燥不良に由来するフッ素樹脂層の外観不良が起こりにくい。
液状組成物中の界面活性剤の割合は、0.1~30質量%が好ましく、3~20質量部がより好ましく、5~10質量部がさらに好ましい。界面活性剤の割合が前記範囲の下限値以上であれば、液状組成物においてフッ素樹脂パウダーが均一に分散しやすい。界面活性剤の割合が前記範囲の上限値以下であれば、フッ素樹脂層の比誘電率及び誘電正接をさらに低くできる。
液状組成物が溶解性樹脂を含む場合、液状組成物中の溶解性樹脂の割合は、1~50質量%が好ましく、5~30質量部がより好ましい。溶解性樹脂の割合が前記範囲の下限値以上であれば、フッ素樹脂層が機械的強度に優れる。溶解性樹脂の割合が前記範囲の上限値以下であれば、フッ素樹脂層の比誘電率及び誘電正接をさらに低くできる。
粉体塗料中のフッ素樹脂パウダーの割合は、85質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、100質量%が特に好ましい。
(塗布対象基材)
塗布対象基材は、無機層を有する。
塗布対象基材は、無機層のみを有する単層基材(ガラス基材、セラミックス基材、半導体基材等)であってもよく、無機層と無機層以外の層とを有する積層基材であってもよい。
無機層以外の層としては、フッ素樹脂層が形成される側とは反対側の表面に設けられた、特定のフッ素樹脂層以外の樹脂層(保護層、接着層、層間絶縁膜、ソルダーレジスト、カバーレイフィルム等)、特定の無機層以外の無機層、フッ素樹脂層の表面に設けられていない金属層、繊維強化樹脂層等が挙げられる。
無機層にスルーホール、ブラインドホール等の孔を形成してもよい。
孔は、例えば、レーザー加工法又は放電補助式レーザー加工法によって形成される。
孔の形状は、特に限定されない。例えば、COレーザーを用いる場合、レーザー光が照射される側の表面(第1の表面)に形成される開口の直径(上孔径)は、40~150μmが好ましく、50~100μmがより好ましく、60~90μmがさらに好ましい。COレーザーを用いる場合、レーザー光が照射される側とは反対側の表面(第2の表面)に形成される開口の直径(下孔径)は、10~60μmが好ましく、20~50μmがより好ましく、30~40μmがさらに好ましい。また、UVレーザーを用いる場合、上孔径は、1~30μmが好ましく、5~20μmがより好ましく、10~15μmがさらに好ましい。UVレーザーを用いる場合、下孔径は、1~10μmが好ましく、1~5μmがより好ましく、1~3μmがさらに好ましい。
(無機層の表面処理)
塗布対象基材の無機層の表面を表面処理することによって、無機層とフッ素樹脂層との接着性がさらに優れる。
表面処理としては、サンドブラスト処理、プラズマ処理(大気圧プラズマ処理、真空プラズマ処理)、ウェット処理、コロナ処理、UVオゾン処理、エキシマ処理等が挙げられる。
無機層に対する表面処理としては、無機層とフッ素樹脂層との接着性がさらに優れる点から、サンドブラスト処理、プラズマ処理及びウェット処理からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
サンドブラスト処理は、無機層の表面に投射材を投射して、無機層の表面を投射材で削り取り、粗面化する処理である。
サンドブラスト処理としては、ウェットサンドブラスト処理、エアブラスト処理、ショットブラスト処理等が挙げられる。
ウェットサンドブラスト処理においては、水及び投射材を含むスラリーを圧縮空気によって投射する。
エアブラスト処理においては、投射材を圧縮空気によって投射する。
ショットブラスト処理においては、投射材を投射する動力として、モータの回転によって高速で回転するブレードを用いる。
投射材としては、砂、酸化アルミニウム粒子、酸化ジルコニウム粒子、窒化ケイ素粒子、炭化ケイ素粒子、炭化タングステン粒子等が挙げられる。
真空プラズマ処理の方式としては、高周波誘導方式、容量結合型電極方式、コロナ放電電極-プラズマジェット方式、平行平板方式、リモートプラズマ方式、ICP型高密度プラズマ方式等が挙げられる。真空プラズマ処理に用いるガスとしては、酸素ガス、窒素ガス、希ガス(アルゴンガス等)、水素ガス、アンモニアガス等が挙げられ、希ガス又は窒素ガスが好ましい。ガスは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。例えば、アルゴンガス100体積%であってもよく、水素ガス/窒素ガスが70/30(体積比)の混合ガスでもよく、水素ガス/窒素ガス/アルゴンガスが35/15/50(体積比)の混合ガスでもよい。
真空プラズマ処理の雰囲気としては、希ガス又は窒素ガスの体積分率が50体積%以上の雰囲気が好ましく、70体積%以上の雰囲気がより好ましく、90体積%以上の雰囲気がさらに好ましく、100体積%の雰囲気が特に好ましい。希ガス又は窒素ガスの体積分率が前記範囲の下限値以上であれば、処理対象の表面を充分に粗面化できる。
真空プラズマ処理におけるガス流量、真空度、処理時間は、表面処理される無機層の組成や真空プラズマ処理装置の構造により適宜選択される。
大気圧プラズマ処理は、公知の装置を用いて実施できる。
大気圧プラズマ処理においては、0.8~1.2気圧下において不活性ガス(アルゴンガス、窒素ガス、ヘリウムガス等)下で放電することで、グロー放電を発生させる。不活性ガス中には微量の活性ガス(酸素ガス、水素ガス、炭酸ガス、エチレン、4フッ化エチレン等)を混合する。ガスとしては、処理対象の表面を充分に粗面化できる点から、窒素ガスに水素ガスを混合したガスが好ましい。
ウェット処理は、無機層の表面にウェット処理液を接触させ、以下の効果の1つ以上を発現する処理である。効果としては、表面清浄化、表面修飾、表面粗面化が挙げられる。無機層に孔が形成されている場合、プラズマ処理や紫外線照射では孔の内壁面を活性化しにくいため、ウェット処理が好適に用いられる。なお、粗面化し過ぎると無機層での伝送ロスが発生するため、粗面化処理については算術平均粗さRaが1μm以下となるウェット処理を選択するのが好ましい。
表面清浄化に用いるウェット処理液は、汚れの対象(油分、フラックス、研磨剤、離型剤、微粒子等)に応じて適宜選定される。ウェット処理液は、水系ウェット処理液であってもよく、非水系ウェット処理液であってもよい。水系ウェット処理液は、中性であってもよく、アルカリ性であってもよく、酸性であってもよい。非水系ウェット処理液としては、炭化水素系ウェット処理液、フッ素系ウェット処理液、臭素系ウェット処理液、アルコール系ウェット処理液等が挙げられる。ウェット処理液は、界面活性剤等を含んでいてもよい。
表面修飾は、フッ素樹脂層の接着性官能基と化学的に結合し得る反応性官能基(シラノール基、アミノ基、炭化水素基等)を無機層の表面に導入する目的で行われる。表面修飾は、無機層の表面をエッチングする、無機層の表面に表面処理剤を付着させる、等によって行われる。表面修飾に用いるウェット処理液としては、公知のガラスのエッチング液(アルカリ水溶液、フッ酸水溶液等)、表面処理剤(シランカップリング剤、カチオンポリマー、キレート剤等)を含む液等が挙げられる。
表面修飾に用いるエッチング液は、無機層の材料に応じて公知のエッチング液の中から適宜選択すればよい。エッチング液としては、フッ酸、硫酸、硝酸、過塩素酸等を含む溶液、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリを含む溶液等が挙げられる。無機層の材料がガラスである場合、表面の粗面化が進みすぎないpH11~14のアルカリ水溶液が好ましい。
表面修飾に用いるエッチング液は、キレート剤を含むことが好ましい。エッチング液がキレート剤を含むことによって、ウェット処理後の無機層の表面にキレート剤が配位し、無機層とフッ素樹脂層との接着性がさらに優れる。エッチング液中のキレート剤の割合は、0.1質量%以上が好ましい。エッチング液に用いるキレート剤としては、特開2016-60862号公報に記載のアルカリ性のキレート剤等が挙げられる。
表面修飾に用いるシランカップリング剤としては、アミノシラン、メルカプトシラン、ビニルシラン、エポキシシラン、メタクリルシラン、ウレイドシラン、アルキルシラン等が挙げられる。
表面修飾に用いるカチオンポリマーとしては、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ジシアンジアミド-ジエチレントリアミン縮合体等のアミンタイプのカチオンポリマー、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリ(ジメチルアミノエチルアクリレートメチルクロライド4級塩)、ポリ(ジメチルアミノエチルメタクリレートメチルクロライド4級塩)、トリメチルアンモニウムアルキルアクリルアミド重合体塩、ジメチルアミンエピクロルヒドリン縮合体塩等の4級アンモニウムタイプのカチオンポリマー等が挙げられる。
表面修飾に用いるキレート剤としては、グルコン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸、ニトリロトリスメチレンホスホン酸、グルコン酸、エチレンジアミン四酢酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、マロン酸、シュウ酸等が挙げられる。
表面粗面化は、無機層の表面を粗面化してアンカー効果で接着性を上げる処理である。 表面粗面化に用いるウェット処理液としては、公知のガラスのエッチング液(アルカリ水溶液、フッ酸水溶液等)が挙げられる。
塗布対象基材が透明である場合、表面処理後の塗布対象基材のヘーズは、0~10%が好ましく、0~5%がより好ましい。塗布対象基材のヘーズが前記範囲の下限値以上であれば、無機層の表面が充分に粗面化され、無機層とフッ素樹脂層との接着性がさらに優れる。塗布対象基材のヘーズが前記範囲の上限値以下であれば、無機層の機械的強度の低下が抑えられる。
表面処理後の無機層の表面の算術平均粗さRaは、0.5~35μmが好ましく、1~10μmがより好ましい。無機層の表面の算術平均粗さRaが前記範囲の下限値以上であれば、無機層の表面が充分に粗面化され、無機層とフッ素樹脂層との接着性がさらに優れる。無機層の表面の算術平均粗さRaが前記範囲の上限値以下であれば、無機層の機械的強度の低下が抑えられる。
表面処理後の無機層の表面の算術平均高さSaは、0.5~35μmが好ましく、1~10μmがより好ましい。無機層の表面の算術平均高さSaが前記範囲の下限値以上であれば、無機層の表面が充分に粗面化され、無機層とフッ素樹脂層との接着性がさらに優れる。無機層の表面の算術平均高さSaが前記範囲の上限値以下であれば、無機層の機械的強度の低下が抑えられる。
(フッ素樹脂層の形成)
無機層の表面に塗料を塗布する方法としては、液状組成物を用いたウェットコーティング法、粉体塗料を用いた粉体塗装法等が挙げられ、薄く、均一なフッ素樹脂層を形成しやすい点から、ウェットコーティング法が好ましい。
ウェットコーティング法としては、スプレー法、ロールコート法、スピンコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、グラビアオフセット法、ナイフコート法、キスコート法、バーコート法、ダイコート法、ファウンテンメイヤーバー法、スロットダイコート法等が挙げられる。
粉体塗装法としては、静電塗装法、静電吹付法、静電浸漬法、噴霧法、流動浸漬法、吹付法、スプレー法、溶射法等が挙げられ、装置の簡便性の点から、粉体塗装ガンを用いた静電塗装法が好ましい。
液状組成物を塗布した塗布対象基材を乾燥し、焼成することによって、フッ素樹脂パウダーが溶融し、フッ素樹脂層が形成される。
粉体塗料を塗布した塗布対象基材を焼成することによって、フッ素樹脂パウダーが溶融し、フッ素樹脂層が形成される。
乾燥においては、液状媒体を完全に揮発させる必要はなく、塗膜が膜形状を安定して維持できる程度まで揮発させればよい。乾燥においては、液状組成物に含まれていた液状媒体のうち、50質量%以上を揮発させることが好ましい。
乾燥は、1段階で実施してもよく、異なる温度にて2段階以上で実施してもよい。
乾燥温度は、50~150℃が好ましく、80~100℃がより好ましい。乾燥温度は、雰囲気の温度である。
乾燥時間は、0.1~30分間が好ましく、0.5~20分間がより好ましい。
焼成は、塗料の塗布と同時であってもよく、塗料の塗布の後であってもよく、塗料の塗布及び焼成を繰り返してもよい。
焼成温度は、含フッ素共重合体Aの融点以上が好ましく、180~400℃がより好ましく、200~360℃がさらに好ましい。焼成温度は、雰囲気の温度である。
焼成時間は、3~60分間が好ましく、5~30分間がより好ましい。
(金属箔の積層)
フッ素樹脂層の表面に金属箔を積層する前に、フッ素樹脂層の表面を表面処理することが好ましい。フッ素樹脂層に対する表面処理としては、無機層に対する表面処理と同様の表面処理が挙げられ、フッ素樹脂層と金属層との接着性がさらに優れる点から、上述した真空プラズマ処理が好ましい。
フッ素樹脂層の表面に金属箔を積層する方法としては、熱圧着による方法が挙げられる。熱圧着としては、熱プレス等が挙げられる。
圧着時の温度は、含フッ素共重合体Aの融点以上が好ましく、融点より10℃以上高い温度がより好ましく、融点より20℃以上高い温度がさらに好ましく、融点より40℃以上高い温度が特に好ましい。圧着時の温度は、融点より3℃高い温度を超えないことが好ましい。圧着時の温度が前記範囲内であれば、含フッ素共重合体Aの熱劣化を抑制しつつ、フッ素樹脂層と金属箔とを充分に接着できる。圧着時の温度は、熱盤の温度である。
圧着時の圧力は、0.2MPa以上が好ましく、0.5MPa以上がより好ましく、1.0MPa以上がさらに好ましい。圧着時の圧力は、10.0MPa以下が好ましい。圧着時の圧力が前記範囲内であれば、無機層を破損することなく、フッ素樹脂層と金属箔とを充分に接着できる。また、無機層の孔への樹脂充填も可能となる。
熱圧着は真空雰囲気下で行うことが好ましい。真空度は100kPa以下が好ましく、50kPa以下がより好ましく、20kPa以下がさらに好ましい。真空度が前記範囲内であれば、積層体を構成するフッ素樹脂層、無機層及び金属層のそれぞれの界面への気泡混入を抑制できると同時に、酸化による劣化も抑制できる。
また、前記真空度に到達したのちに昇温することが好ましい。前記真空度に到達する前に昇温すると、フッ素樹脂層が軟化された状態、すなわち一定程度の流動性、密着性がある状態にて圧着されてしまい、気泡の原因となる。
(作用機序)
以上説明した本発明の積層体の製造方法にあっては、無機層を有する基材を用いているため、寸法安定性に優れる積層体を製造できる。
また、本発明の積層体の製造方法にあっては、無機層の表面に、TFEに基づく単位を有する含フッ素共重合体Aを含むフッ素樹脂層を形成しているため、電気特性に優れる積層体を製造できる。
また、本発明の積層体の製造方法にあっては、無機層を有する基材の無機層の表面に、D50が0.1~100μmであるフッ素樹脂パウダーを含む塗料を塗布し、フッ素樹脂パウダーを溶融して前記フッ素樹脂層を形成しているため、フッ素樹脂層を薄くできる。無論、フッ素樹脂層を厚くすることもできる。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
例1~4は実施例である。
(含フッ素共重合体における各単位の割合)
NAH単位の割合は、赤外吸収スペクトル分析によって求めた。NAH単位以外の単位の割合は、溶融NMR分析及びフッ素含有量分析によって求めた。
(赤外吸収スペクトル分析)
含フッ素共重合体をプレス成形して厚さ200μmのフィルムを得た。フィルムを赤外分光法によって分析して赤外吸収スペクトルを得た。赤外吸収スペクトルにおいて、含フッ素共重合体中のNAH単位の吸収ピークは1778cm-1に現れる。この吸収ピークの吸光度を測定し、NAHのモル吸光係数20810mol-1・L・cm-1を用いて、含フッ素共重合体におけるNAH単位の割合を求めた。
(融点)
示差走査熱量計(セイコーインスツル社製、DSC-7020)を用い、含フッ素共重合体を10℃/分の速度で昇温したときの融解ピークを記録し、極大値に対応する温度(℃)を融点とした。
(MFR)
メルトインデクサー(テクノセブン社製)を用い、372℃、49N荷重下で、直径2mm、長さ8mmのノズルから10分間に流出する含フッ素共重合体の質量(g)を測定してMFRとした。
(比誘電率)
ASTM D 150に準拠した変成器ブリッジ法にしたがい、温度を23℃±2℃の範囲内、相対湿度を50%±5%RHの範囲内に保持した試験環境において、絶縁破壊試験装置(ヤマヨ試験機社製、YSY-243-100RHO)を用いて1MHzで求めた値を比誘電率とした。また、さらに高周波数帯では、SPDR(スプリットポスト誘電体共振器)法により、23℃±2℃、50±5%RHの範囲内の環境下にて、周波数20GHzで測定した。
(含フッ素共重合体のD50)
上から順に、2.000メッシュ篩(目開き2.400mm)、1.410メッシュ篩(目開き1.705mm)、1.000メッシュ篩(目開き1.205mm)、0.710メッシュ篩(目開き0.855mm)、0.500メッシュ篩(目開き0.605mm)、0.250メッシュ篩(目開き0.375mm)、0.149メッシュ篩(目開き0.100mm)、受け皿を重ねた。一番上の篩に含フッ素共重合体を入れ、30分間振とう器で篩分けした。各篩の上に残った含フッ素共重合体の質量を測定し、各目開き値に対する通過質量の累計をグラフに表し、通過質量の累計が50%となる粒子径を求め、これを含フッ素共重合体のD50とした。
(樹脂パウダーのD50及びD90)
レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所社製、LA-920測定器)を用い、樹脂パウダーを水中に分散させ、粒度分布を測定し、樹脂パウダーのD50及びD90を算出した。
(疎充填嵩密度及び密充填嵩密度)
樹脂パウダーの疎充填嵩密度、密充填嵩密度は、国際公開第2016/017801号の段落[0117]、[0118]に記載の方法によって測定した。
(抵抗率)
基材の25℃における抵抗率は、抵抗率計(三菱ケミカルアナリテック社製、ロレスタMCP-T250)を用いて測定した。
(ヘーズ)
ヘーズ測定装置(村上色彩技術研究所社製、HM-150L2)を用い、基材のヘーズを測定した。
(算術平均粗さRa、算術平均高さSa)
走査型白色干渉顕微鏡(日立ハイテクサイエンス社製、Vertscan R3300G Lite)を用い、基材の表面の算術平均粗さRa、算術平均高さSaを測定した。
(接着性)
JIS K 5600-5-6:1999「塗料一般試験法-第5部:塗膜の機械的性質-第6節:付着性(クロスカット法)」(対応国際規格ISO 2409:1992)に基づき、ガラス基材に対するフッ素樹脂層の接着性を下記分類にて評価した。表中、「クロスカット2.0」は切り傷の間隔が2mmであり、「クロスカット1.0」は切り傷の間隔が1mmである。
分類0:どの格子の目もはがれがない。
分類1:カットの交差点における小さな剥がれ。
分類2:カットの交差点において剥がれている。
分類3:カットの線に沿って部分的又は全体的に剥がれている。
分類4:カットの線に沿って部分的又は全体的に大きなはがれを生じている。
分類5:分類4以上のはがれ。
(含フッ素共重合体Aの製造)
TFE、NAH(日立化成社製、無水ハイミック酸)、PPVE(旭硝子社製)を用いて、国際公開第2016/017801号の段落[0123]に記載の手順で含フッ素共重合体A1-1を製造した。含フッ素共重合体A1-1における各単位の割合は、NAH単位/TFE単位/PPVE単位=0.1/97.9/2.0(モル%)であった。含フッ素共重合体A1-1の融点は300℃であり、MFRは17.6g/10分であり、比誘電率は2.1(測定周波数:1MHz)であり、フッ素含有量は75質量%であり、含フッ素共重合体A1-1の主鎖炭素数1×10個に対する接着性官能基の含有量は1000個であり、D50は1554μmであった。
(フッ素樹脂パウダーの製造)
ジェットミル(セイシン企業社製、シングルトラックジェットミル FS-4型)を用い、粉砕圧力:0.5MPa、処理速度:1kg/時間の条件で、含フッ素共重合体A1-1を粉砕してフッ素樹脂パウダーX-1を得た。フッ素樹脂パウダーX-1のD50は2.58μmであり、D90は7.1μmであった。フッ素樹脂パウダーX-1の疎充填嵩密度は0.278g/mLであり、密充填嵩密度は0.328g/mLであった。
(液状組成物の調製)
樹脂パウダーX-1の120gに、ノニオン性界面活性剤(ネオス社製、フタージェント710FL)の9g、メチルエチルケトンの234gを徐々に添加し、ラボスターラー(ヤマト科学社製、型式:LT-500)を用いて60分間撹拌して液状組成物を得た。
(例1)
液状組成物をガラス基材(旭硝子社製、FL3.0、厚さ:3.0mm、25℃における抵抗率:1010Ω・cm)の表面に塗布し、100℃で10分間乾燥した後、不活性ガス雰囲気下、350℃で30分間焼成した。徐冷して厚さ5μmのフッ素樹脂層を形成し、積層体を得た。フッ素樹脂層中の界面活性剤の残存量を示差熱-熱重量測定(TG-DTA)装置を用いて測定したところ、0.3質量%であった。接着性の評価結果を表1に示す。
積層体のフッ素樹脂層と、銅箔(三井金属鉱業社製、HS1-VSP、厚さ:18μm)の粗面化処理面とが接触するように、積層体と銅箔とを重ね、プレス温度:350℃、プレス圧力:3.0MPa、プレス時間:15分間の条件で真空熱プレスしてフッ素樹脂層の表面に金属箔を積層した。
(例2~4)
ガラス基材の表面を、投射材として酸化アルミニウム粒子を用い、表1に示す条件でウェットサンドブラスト処理し、ガラス基材の表面処理した面に液状組成物を塗布した以外は、例1と同様にして積層体を得た。接着性の評価結果を表1に示す。
Figure 0007059764000001
本発明の製造方法で得られた積層体は、半導体パッケージやプリント配線板に用いる基板等として有用である。
11 積層体、
12 積層体、
13 積層体、
14 積層体、
20 無機層、
22 フッ素樹脂層、
24 金属層。

Claims (10)

  1. 25℃における抵抗率が10Ω・cm以上であり、表面の算術平均粗さ(Ra)が0.5~35μmであり、かつ表面の算術平均高さ(Sa)が0.5~35μmである無機層と、前記無機層の表面に設けられた、厚さが0.2~300μmであるフッ素樹脂層とを有する積層体を製造する方法であり、
    前記無機層を有する基材の前記無機層の表面に、下記フッ素樹脂パウダーを含む液状組成物である塗料をウェットコーティング法にて塗布し、前記フッ素樹脂パウダーを溶融して前記フッ素樹脂層を形成する、積層体の製造方法。
    フッ素樹脂パウダー:
    テトラフルオロエチレンに基づく単位を有し、融点が150℃以上であり、溶融成形可能である含フッ素共重合体の割合が80質量%以上である樹脂材料からなり、D50が0.1~100μmであるフッ素樹脂パウダー。
  2. 前記液状組成物が、前記フッ素樹脂パウダーと、界面活性剤と、液状媒体とを含む、請求項1に記載の積層体の製造方法。
  3. 前記無機層の表面に前記塗料を塗布する前に、前記無機層の表面を表面処理する、請求項1又は2に記載の積層体の製造方法。
  4. 前記表面処理が、サンドブラスト処理、プラズマ処理及びウェット処理からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項3に記載の積層体の製造方法。
  5. 前記フッ素樹脂パウダーを、前記含フッ素共重合体の融点以上で、3~60分間加熱して溶融する、請求項1~4のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
  6. 前記含フッ素共重合体が、カルボニル基含有基、ヒドロキシ基、エポキシ基、アミド基、アミノ基及びイソシアネート基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
  7. 前記無機層の材料が、ガラス、セラミックス又は半導体である、請求項1~6のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
  8. 前記無機層の表面に前記フッ素樹脂層を形成した後、前記フッ素樹脂層の表面に金属箔を積層する、請求項1~7のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
  9. 前記無機層を有する基材が、単層基材であり、前記単層基材が、ガラス基材、セラミックス基材又は半導体基材である、請求項1~8のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
  10. 前記積層体が、半導体パッケージ又はプリント配線板に用いる基板である、請求項1~9のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
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