[第1実施形態]
図1を用いて、第1実施形態の検査装置の構成例を説明する。第1実施形態では、検査対象の表示装置を、一例として反射型の液晶表示デバイスとする場合を説明する。
図1に示すように、第1実施形態の検査装置100は、光源101及び102と、撮像装置103及び104と、画像処理部111と、判定部112と、記録部113と、表示部114とを備える。光源101は第1実施形態における第1の光源である。光源102は第1実施形態における第2の光源である。撮像装置103は第1実施形態における第1の撮像装置である。撮像装置104は第1実施形態における第2の撮像装置である。
画像処理部111、及び、判定部112は、回路等のハードウェア、または、CPU(Central Processing Unit)により実行されるソフトウェア(コンピュータプログラム)のいずれかによって構成されていてもよいし、ハードウェアとソフトウェアとを組み合わせた構成としてもよい。記録部113として、ハードディスク、または、固体メモリ等の記録媒体を用いてもよい。表示部114として液晶表示モニタ等の表示装置を用いてもよい。なお、検査装置100は表示部114を備えていなくてもよく、外部の表示装置を用いてもよい。
図1に示すように、検査対象である液晶表示デバイス1は駆動基板2を有する。駆動基板2は複数の画素が配置されている画素領域3を有する。液晶表示デバイス1には、外部から画像データIDが入力される。駆動基板2は、画像データIDに対応する駆動電圧を各画素に印加することにより、液晶を画素ごとに駆動させる。これにより、画素領域3には画像データIDに対応する画像が表示される。
光源101は、赤色光成分と緑色光成分と青色光成分とを含む可視光の照明光ILV1を、液晶表示デバイス1の画素領域3に照射する。照明光ILV1は第1実施形態における第1の照明光である。光源101は、カラーフィルタ等の光学部材により、赤色光、緑色光、及び、青色光をそれぞれ照明光ILV1として液晶表示デバイス1に照射することができる。光源101として高圧水銀ランプを用いてもよい。
光源102は、赤外光の照明光ILF1を液晶表示デバイス1の画素領域3に照射する。照明光ILF1は第1実施形態における第2の照明光である。例えば、液晶表示デバイス1を構成する駆動基板2がシリコン基板である場合、照明光ILF1は、中心波長が1100nm±100nmの範囲内の赤外光であることが望ましく、中心波長が1100nmの赤外光であることがさらに望ましい。光源102としてハロゲンランプを用いてもよい。
撮像装置103は、照明光ILV1が照射されている状態の液晶表示デバイス1を可視光検査画像VIG1として撮像する。例えば、撮像装置103は、液晶表示デバイス1により反射された照明光ILV1を可視光検査画像VIG1として撮像する。撮像装置103として、可視光を撮像できるカメラを用いてもよい。画像データIDに基づいて画素領域3が黒表示となっている場合、撮像装置103は、画素領域3に表示されている黒画像の可視光検査画像VIG1を撮像する。
画像データIDに基づいて画素領域3が白表示となっている場合、撮像装置103は、画素領域3に表示されている白画像の可視光検査画像VIG1を撮像する。画像データIDに基づいて画素領域3が中間階調表示となっている場合、撮像装置103は、画素領域3に表示されている中間階調画像の可視光検査画像VIG1を撮像する。
画素領域3の各画素の階調数が256である場合、撮像装置103は、例えば、階調値が0である黒画像、階調値が255である白画像、及び、階調値が127である中間階調画像を可視光検査画像VIG1としてそれぞれ撮像する。画像データIDに基づいて画素領域3にパターン化された画像が表示されている場合、撮像装置103は、パターン化された画像を可視光検査画像VIG1として撮像する。撮像装置103は、可視光検査画像VIG1を画像処理部111へ出力する。
撮像装置104は、照明光ILF1が照射されている状態の液晶表示デバイス1を赤外光検査画像IRG1として撮像する。例えば、撮像装置104は、液晶表示デバイス1により反射された照明光ILF1を赤外光検査画像IRG1として撮像する。撮像装置104として、赤外光を撮像できるカメラを用いてもよい。光源102は、光量または光強度の異なる複数の赤外光を照明光ILF1として液晶表示デバイス1の画素領域3にそれぞれ照射するようにしてもよい。
撮像装置104は、液晶表示デバイス1により反射された光量または光強度の異なる複数の照明光ILF1を赤外光検査画像IRG1としてそれぞれ撮像する。撮像装置104は、赤外光検査画像IRG1を画像処理部111へ出力する。撮像装置103または104は、可視光検査画像VIG1または赤外光検査画像IRG1を分割して分割領域ごとに撮像してもよいし、分割せずに全画像として撮像してもよい。
図1は、液晶表示デバイス1の画素領域3に異物FMaと異物FMbとが付着している状態を示している。図2Aは可視光検査画像VIG1を示している。図2Bは赤外光検査画像IRG1を示している。図2Cは可視光検査画像VIG1と赤外光検査画像IRG1との差分DR1を示している。
例えば、駆動基板2がシリコン基板であり、異物FMaがシリコン、または、酸化シリコン等のシリコン化合物であり、異物FMbが金属または金属化合物である場合、図2Aに示すように、可視光検査画像VIG1には異物FMaと異物FMbとが撮像される。赤外光の照明光ILF1は異物FMa、及び、液晶表示デバイス1を透過する。従って、図2Bに示すように、赤外光検査画像IRG1には異物FMaは撮像されず、異物FMbのみが撮像される。
画像処理部111は、可視光検査画像VIG1、及び、赤外光検査画像IRG1を記録部113に記録する。画像処理部111は、図2Cに示すように、可視光検査画像VIG1と赤外光検査画像IRG1との差分DR1を検出する。画像処理部111は、可視光検査画像VIG1、赤外光検査画像IRG1、及び、差分DR1を判定部112へ出力する。画像処理部111は差分DR1を記録部113に記録してもよい。
判定部112は、可視光検査画像VIG1、赤外光検査画像IRG1、または、差分DR1に基づいて、液晶表示デバイス1の画素領域3に付着している異物FMa及びFMbを検出する。
判定部112は、可視光検査画像VIG1と赤外光検査画像IRG1とを比較する。例えば、異物FMaは可視光検査画像VIG1では撮像され、赤外光検査画像IRG1では撮像されていないため、差分DR1が生じる。判定部112は、差分DR1に基づいて、異物FMaが赤外光に対して透過性を有する材料であると判定する。
液晶表示デバイス1を製造する過程に基づいて、赤外光に対して透過性を有する材料を特定することができる。液晶表示デバイス1を製造する過程で生じる異物において、赤外光に対して透過性を有する材料は、例えばシリコン、または、酸化シリコン等のシリコン化合物である。判定部112は、差分DR1に基づいて、異物FMaがシリコン、または、酸化シリコン等のシリコン化合物であると判定する。
異物FMbは可視光検査画像VIG1、及び、赤外光検査画像IRG1に撮像されているため、差分DR1が生じない。判定部112は、差分DR1が抽出されないことから、異物FMbがシリコン及び酸化シリコン等のシリコン化合物以外の物質、例えば金属または金属化合物であると判定する。判定部112は、判定結果を表示部114に表示させる。
判定部112は、異物FMa及びFMbの検出頻度を計測する。判定部112は、所定の検出頻度以上の異物FMaまたはFMbを組織的な不良と判定し、表示部114に警告メッセージを表示させたり、警報を発信させたりするようにしてもよい。なお、画像処理部111が可視光検査画像VIG1と赤外光検査画像IRG1とを判定部112へ出力し、判定部112が差分DR1を検出するようにしてもよい。
図3に示すフローチャートを用いて、第1実施形態の検査装置100による液晶表示デバイス1の検査方法の一例を説明する。光源101は、図3に示すフローチャートのステップS11にて、可視光である照明光ILV1を、検査対象である液晶表示デバイス1の画素領域3に照射する。光源102は、ステップS12にて、赤外光である照明光ILF1を液晶表示デバイス1の画素領域3に照射する。ステップS11とステップS12とを任意のタイミングで実行してもよい。
撮像装置103は、ステップS13にて、照明光ILV1が照射されている状態の液晶表示デバイス1を可視光検査画像VIG1として撮像する。具体的には、撮像装置103は、液晶表示デバイス1により反射された照明光ILV1を可視光検査画像VIG1として撮像する。さらに撮像装置103は可視光検査画像VIG1を画像処理部111へ出力する。
撮像装置104は、ステップS14にて、照明光ILF1が照射されている状態の液晶表示デバイス1を赤外光検査画像IRG1として撮像する。具体的には、撮像装置104は、液晶表示デバイス1により反射された照明光ILF1を赤外光検査画像IRG1として撮像する。さらに撮像装置104は赤外光検査画像IRG1を画像処理部111へ出力する。ステップS13及びS14はステップS11及びS12のタイミングに応じて実行される。
画像処理部111は、ステップS15にて、可視光検査画像VIG1と赤外光検査画像IRG1との差分DR1を検出する。画像処理部111は、ステップS16にて、可視光検査画像VIG1、及び、赤外光検査画像IRG1を記録部113に記録する。画像処理部111は、可視光検査画像VIG1、赤外光検査画像IRG1、及び、差分DR1を判定部112へ出力する。なお、画像処理部111は、ステップS16にて、差分DR1を記録部113に記録してもよい。
判定部112は、ステップS17にて、可視光検査画像VIG1、赤外光検査画像IRG1、または、差分DR1に基づいて、液晶表示デバイス1の画素領域3に付着している異物FMa及びFMbを検出する。判定部112は、ステップS18にて、可視光検査画像VIG1と赤外光検査画像IRG1とを比較し、差分DR1に基づいて異物FMa及びFMbを特定する。判定部112は、ステップS19にて、判定結果を表示部114に表示させる。
オペレータは、ステップS17の検出結果またはステップS18の判定結果に応じて、ステップS20にて、液晶表示デバイス1が用いられる表示装置と同じ光学系を用いて、可視光検査画像VIG1をスクリー等へ投影し、目視で検査するようにしてもよい。検査装置100による検査とオペレータによる目視検査とを併用することにより、液晶表示デバイス1に対する検査精度を向上させることができる。
第1実施形態の検査装置100及び検査方法では、検査対象の液晶表示デバイス1に対して反射画像である可視光検査画像VIG1と赤外光検査画像IRG1とを撮像する。第1実施形態の検査装置100及び検査方法では、可視光検査画像VIG1と赤外光検査画像IRG1との差分DR1を抽出し、差分DR1に基づいて液晶表示デバイス1の画素領域3に付着している異物FMa及びFMbを特定する。従って、第1実施形態の検査装置100及び検査方法によれば、非破壊検査により異物を特定することで異物に対して早期に対策することができる。
[第2実施形態]
図4を用いて、第2実施形態の検査装置の構成例を説明する。第2実施形態では、検査対象の表示装置を、一例として反射型の液晶表示デバイスとする場合を説明する。
図4に示すように、第2実施形態の検査装置200は、光源201及び202と、撮像装置203及び204と、画像処理部211と、判定部212と、記録部213と、表示部214とを備える。光源201は第2実施形態における第1の光源である。光源202は第2実施形態における第2の光源である。撮像装置203は第2実施形態における第1の撮像装置である。撮像装置204は第2実施形態における第2の撮像装置である。
光源201及び202は光源101及び102に対応する。撮像装置203及び204は撮像装置103及び104に対応する。画像処理部211、判定部212、記録部213、及び、表示部214は、画像処理部111、判定部112、記録部113、及び、表示部114に対応する。第2実施形態の検査装置200は、第1実施形態の検査装置100と比較して、光源202と撮像装置204との位置関係が光源102と撮像装置104との位置関係と異なる。
画像処理部211、及び、判定部212は、回路等のハードウェア、または、CPUにより実行されるソフトウェア(コンピュータプログラム)のいずれかによって構成されていてもよいし、ハードウェアとソフトウェアとを組み合わせた構成としてもよい。記録部213として、ハードディスク、または、固体メモリ等の記録媒体を用いてもよい。表示部214として液晶表示モニタ等の表示装置を用いてもよい。なお、検査装置200は表示部214を備えていなくてもよく、外部の表示装置を用いてもよい。
液晶表示デバイス1には、外部から画像データIDが入力される。液晶表示デバイス1の駆動基板2は、画像データIDに対応する駆動電圧を各画素に印加することにより、液晶を画素ごとに駆動させる。これにより、画素領域3には画像データIDに対応する画像が表示される。
光源201は、赤色光成分と緑色光成分と青色光成分とを含む可視光である照明光ILV2を、検査対象である液晶表示デバイス1の画素領域3に照射する。照明光ILV2は第2実施形態における第1の照明光である。光源201は、カラーフィルタ等の光学部材により、赤色光、緑色光、及び、青色光をそれぞれ照明光ILV2として液晶表示デバイス1に照射することができる。光源201として高圧水銀ランプを用いてもよい。
光源202は、赤外光である照明光ILF2を液晶表示デバイス1の画素領域3に照射する。照明光ILF2は第2実施形態における第2の照明光である。例えば、液晶表示デバイス1を構成する駆動基板2がシリコン基板である場合、照明光ILF2は、中心波長が1100nm±100nmの範囲内の赤外光であることが望ましく、中心波長が1100nmの赤外光であることがさらに望ましい。光源202としてハロゲンランプを用いてもよい。
撮像装置203は、照明光ILV2が照射されている状態の液晶表示デバイス1を可視光検査画像VIG2として撮像する。例えば、撮像装置203は、液晶表示デバイス1により反射された照明光ILV2を可視光検査画像VIG2として撮像する。撮像装置203として、可視光を撮像できるカメラを用いてもよい。画像データIDに基づいて画素領域3が黒表示となっている場合、撮像装置203は、画素領域3に表示されている黒画像の可視光検査画像VIG2を撮像する。
画像データIDに基づいて画素領域3が白表示となっている場合、撮像装置203は、画素領域3に表示されている白画像の可視光検査画像VIG2を撮像する。画像データIDに基づいて画素領域3が中間階調表示となっている場合、撮像装置203は、画素領域3に表示されている中間階調画像の可視光検査画像VIG2を撮像する。
画素領域3の各画素の階調数が256である場合、撮像装置203は、例えば、階調値が0である黒画像、階調値が255である白画像、及び、階調値が127である中間階調画像を可視光検査画像VIG2としてそれぞれ撮像する。画像データIDに基づいて画素領域3にパターン化された画像が表示されている場合、撮像装置203は、パターン化された画像を可視光検査画像VIG2として撮像する。撮像装置203は、可視光検査画像VIG2を画像処理部211へ出力する。
撮像装置204は、照明光ILF2が照射されている状態の液晶表示デバイス1を赤外光検査画像IRG2として撮像する。赤外光である照明光ILF2は液晶表示デバイス1を透過する。例えば、撮像装置204は、液晶表示デバイス1を透過した照明光ILF2を赤外光検査画像IRG2として撮像する。撮像装置204として、赤外光を撮像できるカメラを用いてもよい。光源202は、光量または光強度の異なる複数の赤外光を照明光ILF2として液晶表示デバイス1の画素領域3にそれぞれ照射するようにしてもよい。
撮像装置204は、液晶表示デバイス1を透過した光量または光強度の異なる複数の照明光ILF2を赤外光検査画像IRG2としてそれぞれ撮像する。撮像装置204は、赤外光検査画像IRG2を画像処理部211へ出力する。撮像装置203または204は、可視光検査画像VIG2または赤外光検査画像IRG2を分割して分割領域ごとに撮像してもよいし、分割せずに全画像として撮像してもよい。
図4は、液晶表示デバイス1の画素領域3に異物FMaと異物FMbとが付着している状態を示している。図2Aは可視光検査画像VIG2を示している。図2Bは赤外光検査画像IRG2を示している。図2Cは可視光検査画像VIG2と赤外光検査画像IRG2との差分DR2を示している。
例えば、駆動基板2がシリコン基板であり、異物FMaがシリコン、または、酸化シリコン等のシリコン化合物であり、異物FMbが金属または金属化合物である場合、図2Aに示すように、可視光検査画像VIG2には異物FMaと異物FMbとが撮像される。赤外光の照明光ILF2は異物FMa、及び、液晶表示デバイス1を透過するため、図2Bに示すように、赤外光検査画像IRG2には異物FMaは撮像されず、異物FMbのみが撮像される。
画像処理部211は、可視光検査画像VIG2、及び、赤外光検査画像IRG2を記録部213に記録する。画像処理部211は、可視光検査画像VIG2と赤外光検査画像IRG2との差分DR2を検出する。画像処理部211は、可視光検査画像VIG2、赤外光検査画像IRG2、及び、差分DR2を判定部212へ出力する。画像処理部211は差分DR2を記録部213に記録してもよい。
判定部212は、可視光検査画像VIG2、赤外光検査画像IRG2、または、差分DR2に基づいて、液晶表示デバイス1の画素領域3に付着している異物FMa及びFMbを検出する。判定部212は、可視光検査画像VIG2と赤外光検査画像IRG2とを比較する。例えば、異物FMaは可視光検査画像VIG2では撮像され、赤外光検査画像IRG2では撮像されていないため、差分DR2が生じる。判定部212は、差分DR2に基づいて、異物FMaが赤外光に対して透過性を有する材料であると判定する。
液晶表示デバイス1を製造する過程に基づいて、赤外光に対して透過性を有する材料を特定することができる。液晶表示デバイス1を製造する過程で生じる異物において、赤外光に対して透過性を有する材料は、例えばシリコン、または、酸化シリコン等のシリコン化合物である。判定部212は、差分DR2に基づいて、異物FMaがシリコン、または、酸化シリコン等のシリコン化合物であると判定する。
異物FMbは可視光検査画像VIG2、及び、赤外光検査画像IRG2に撮像されているため、差分DR2が生じない。判定部212は、差分DR2が抽出されないことから、異物FMbがシリコン及び酸化シリコン等のシリコン化合物以外の物質、例えば金属または金属化合物であると判定する。判定部212は、判定結果を表示部214に表示させる。
判定部212は、異物FMa及びFMbの検出頻度を計測する。判定部212は、所定の検出頻度以上の異物FMaまたはFMbを組織的な不良と判定し、表示部214に警告メッセージを表示させたり、警報を発信させたりするようにしてもよい。なお、画像処理部211が可視光検査画像VIG2と赤外光検査画像IRG2とを判定部212に出力し、判定部212が差分DR2を検出するようにしてもよい。
図5に示すフローチャートを用いて、第2実施形態の検査装置200による液晶表示デバイス1の検査方法の一例を説明する。光源201は、図5に示すフローチャートのステップS31にて、可視光である照明光ILV2を、検査対象である液晶表示デバイス1の画素領域3に照射する。光源202は、ステップS32にて、赤外光である照明光ILF2を液晶表示デバイス1の画素領域3に照射する。ステップS31とステップS32とを任意のタイミングで実行してもよい。
撮像装置203は、ステップS33にて、照明光ILV2が照射されている状態の液晶表示デバイス1を可視光検査画像VIG2として撮像する。具体的には、撮像装置203は、液晶表示デバイス1により反射された照明光ILV2を可視光検査画像VIG2として撮像する。さらに撮像装置203は可視光検査画像VIG2を画像処理部211へ出力する。
撮像装置204は、ステップS34にて、照明光ILF2が照射されている状態の液晶表示デバイス1を赤外光検査画像IRG2として撮像する。具体的には、撮像装置204は、液晶表示デバイス1を透過した照明光ILF2を赤外光検査画像IRG2として撮像する。さらに撮像装置204は赤外光検査画像IRG2を画像処理部211へ出力する。ステップS33及びS34はステップS31及びS32のタイミングに応じて実行される。
画像処理部211は、ステップS35にて、可視光検査画像VIG2と赤外光検査画像IRG2との差分DR2を検出する。画像処理部211は、ステップS36にて、可視光検査画像VIG2、及び、赤外光検査画像IRG2を記録部213に記録する。画像処理部211は、可視光検査画像VIG2、赤外光検査画像IRG2、及び、差分DR2を判定部212へ出力する。なお、画像処理部211は、ステップS36にて、差分DR2を記録部213に記録してもよい。
判定部212は、ステップS37にて、可視光検査画像VIG2、赤外光検査画像IRG2、または、差分DR2に基づいて、液晶表示デバイス1の画素領域3に付着している異物FMa及びFMbを検出する。判定部212は、ステップS38にて、可視光検査画像VIG2と赤外光検査画像IRG2とを比較し、差分DR2に基づいて異物FMa及びFMbを特定する。判定部212は、ステップS39にて、判定結果を表示部214に表示させる。
オペレータは、ステップS37の検出結果またはステップS38の判定結果に応じて、ステップS40にて、液晶表示デバイス1が用いられる表示装置と同じ光学系を用いて、可視光検査画像VIG2をスクリー等へ投影し、目視で検査するようにしてもよい。検査装置200による検査とオペレータによる目視検査とを併用することにより、液晶表示デバイス1に対する検査精度を向上させることができる。
第2実施形態の検査装置200及び検査方法では、検査対象の液晶表示デバイス1に対して反射画像である可視光検査画像VIG2と透過画像である赤外光検査画像IRG2とを撮像する。第2実施形態の検査装置200及び検査方法では、可視光検査画像VIG2と赤外光検査画像IRG2との差分DR2を抽出し、差分DR2に基づいて液晶表示デバイス1の画素領域3に付着している異物FMa及びFMbを特定する。従って、第2実施形態の検査装置200及び検査方法によれば、非破壊検査により異物を特定することで異物に対して早期に対策することができる。
[第3実施形態]
図6を用いて、第3実施形態の検査装置の構成例を説明する。第3実施形態では、検査対象の表示装置を、一例として反射型の液晶表示デバイスとする場合を説明する。
図6に示すように、第3実施形態の検査装置300は、光源301及び302と、撮像装置303及び304と、画像処理部311と、判定部312と、記録部313と、表示部314とを備える。光源301は第3実施形態における第1の光源である。光源302は第3実施形態における第2の光源である。撮像装置303は第3実施形態における第1の撮像装置である。撮像装置304は第3実施形態における第2の撮像装置である。
光源301は光源101及び201に対応する。光源302は光源102及び202に対応する。撮像装置303は撮像装置103及び203に対応する。撮像装置304は撮像装置104及び204に対応する。画像処理部311は画像処理部111及び211に対応する。判定部312は判定部112及び212に対応する。記録部313は記録部113及び213に対応する。表示部314は表示部114及び214に対応する。
第2実施形態の検査装置200では撮像装置204が赤外光検査画像IRG2を透過画像として撮像するのに対し、第3実施形態の検査装置300では撮像装置304が赤外光検査画像IRG3を回折画像として撮像する。
画像処理部311、及び、判定部312は、回路等のハードウェア、または、CPUにより実行されるソフトウェア(コンピュータプログラム)のいずれかによって構成されていてもよいし、ハードウェアとソフトウェアとを組み合わせた構成としてもよい。記録部313として、ハードディスク、または、固体メモリ等の記録媒体を用いてもよい。表示部314として液晶表示モニタ等の表示装置を用いてもよい。なお、検査装置300は表示部314を備えていなくてもよく、外部の表示装置を用いてもよい。
液晶表示デバイス1には、外部から画像データIDが入力される。液晶表示デバイス1の駆動基板2は、画像データIDに対応する駆動電圧を各画素に印加することにより、液晶を画素ごとに駆動させる。これにより、画素領域3には画像データIDに対応する画像が表示される。
光源301は、赤色光成分と緑色光成分と青色光成分とを含む可視光である照明光ILV3を、検査対象である液晶表示デバイス1の画素領域3に照射する。照明光ILV3は第3実施形態における第1の照明光である。光源301は、カラーフィルタ等の光学部材により、赤色光、緑色光、及び、青色光をそれぞれ照明光ILV3として液晶表示デバイス1に照射することができる。光源301として高圧水銀ランプを用いてもよい。
光源302は、赤外光である照明光ILF3を液晶表示デバイス1の画素領域3に照射する。照明光ILF3は第3実施形態における第2の照明光である。例えば、液晶表示デバイス1を構成する駆動基板2がシリコン基板である場合、照明光ILF3は、中心波長が1100nm±100nmの範囲内の赤外光であることが望ましく、中心波長が1100nmの赤外光であることがさらに望ましい。光源302としてハロゲンランプを用いてもよい。
撮像装置303は、照明光ILV3が照射されている状態の液晶表示デバイス1を可視光検査画像VIG3として撮像する。例えば、撮像装置303は、液晶表示デバイス1により反射された照明光ILV3を可視光検査画像VIG3として撮像する。図2Aは可視光検査画像VIG3を示している。図2Aに示すように、可視光検査画像VIG3には異物FMaと異物FMbとが撮像される。撮像装置303として、可視光を撮像できるカメラを用いてもよい。画像データIDに基づいて画素領域3が黒表示となっている場合、撮像装置303は、画素領域3に表示されている黒画像の可視光検査画像VIG3を撮像する。
画像データIDに基づいて画素領域3が白表示となっている場合、撮像装置303は、画素領域3に表示されている白画像の可視光検査画像VIG3を撮像する。画像データIDに基づいて画素領域3が中間階調表示となっている場合、撮像装置303は、画素領域3に表示されている中間階調画像の可視光検査画像VIG3を撮像する。
画素領域3の各画素の階調数が256である場合、撮像装置303は、例えば、階調値が0である黒画像、階調値が255である白画像、及び、階調値が127である中間階調画像を可視光検査画像VIG3としてそれぞれ撮像する。画像データIDに基づいて画素領域3にパターン化された画像が表示されている場合、撮像装置203は、パターン化された画像を可視光検査画像VIG3として撮像する。撮像装置303は、可視光検査画像VIG3を画像処理部311へ出力する。
図7A及び図7Bは、液晶表示デバイス1の画素領域3の一部を拡大した平面図及び側面図である。図7Aまたは図7Bに示すように、液晶表示デバイス1の画素領域3には複数の画素電極4が配置されている。画素電極4は光反射性を有する。画素電極4の材料として、金、アルミニウム、または、アルミニウム合金等の金属材料を用いることができる。
図7A及び図7Bは、画素電極4の間隙GPに異物FMaと異物FMbとが付着している状態を示している。赤外光である照明光ILF3は液晶表示デバイス1を透過する。画素電極4の間隙GPに照射された照明光ILF3は回折され、液晶表示デバイス1を透過する。
例えば、駆動基板2がシリコン基板であり、異物FMaがシリコン、または、酸化シリコン等のシリコン化合物であり、異物FMbが金属または金属化合物である場合、図7Bに示すように、画素電極4の間隙GPに付着している異物FMaに照射された照明光ILF3は、異物FMaを透過するため、画素電極4の間隙GPに照射された照明光ILF3と同様の回折パターンを有して液晶表示デバイス1を透過する。
画素電極4の間隙GPに付着している異物FMbに照射された照明光ILF3は、異物FMbを透過しないため、画素電極4の間隙GPに照射された照明光ILF3とは異なる回折パターンを有する。
撮像装置304は、照明光ILF3が照射されている状態の液晶表示デバイス1を赤外光検査画像IRG3として撮像する。例えば、撮像装置304は、液晶表示デバイス1を透過した照明光ILF3を赤外光検査画像IRG3として撮像する。撮像装置304として、赤外光を撮像できるカメラを用いてもよい。光源302は、光量または光強度の異なる複数の赤外光を照明光ILF3として液晶表示デバイス1の画素領域3にそれぞれ照射するようにしてもよい。
撮像装置304は、液晶表示デバイス1を透過した光量または光強度の異なる複数の照明光ILF3を赤外光検査画像IRG3としてそれぞれ撮像する。撮像装置304は、赤外光検査画像IRG3を画像処理部311へ出力する。撮像装置303または304は、可視光検査画像VIG3または赤外光検査画像IRG3を分割して分割領域ごとに撮像してもよいし、分割せずに全画像として撮像してもよい。
画像処理部311は、可視光検査画像VIG3、及び、赤外光検査画像IRG3を記録部313に記録する。画像処理部311は、可視光検査画像VIG3、及び、赤外光検査画像IRG3を判定部312へ出力する。判定部312は、可視光検査画像VIG3または赤外光検査画像IRG3に基づいて、液晶表示デバイス1の画素領域3に付着している異物FMa及びFMbを検出する。
判定部312は、赤外光検査画像IRG3と予め設定されている検査基準画像とを比較する。具体的には、判定部312は、赤外光検査画像IRG3の回折パターンと予め設定されている検査基準画像の回折パターンとを比較する。判定部312は、比較結果と可視光検査画像VIG3とに基づいて異物FMa及びFMbを特定する。
例えば、異物FMaは可視光検査画像VIG2では撮像され、赤外光検査画像IRG3における異物FMaの回折パターンが検査基準画像の回折パターンと同じである。判定部312は、比較結果と可視光検査画像VIG3とに基づいて、異物FMaが赤外光に対して透過性を有する材料であると判定する。
液晶表示デバイス1を製造する過程に基づいて、赤外光に対して透過性を有する材料を特定することができる。液晶表示デバイス1を製造する過程で生じる異物において、赤外光に対して透過性を有する材料は、例えばシリコン、または、酸化シリコン等のシリコン化合物である。判定部312は、比較結果と可視光検査画像VIG3とに基づいて、異物FMaがシリコン、または、酸化シリコン等のシリコン化合物であると判定する。
異物FMbは可視光検査画像VIG2では撮像され、赤外光検査画像IRG3における異物FMbの回折パターンが検査基準画像の回折パターンと異なる。判定部312は、比較結果と可視光検査画像VIG3とに基づいて、異物FMbがシリコン及び酸化シリコン等のシリコン化合物以外の物質、例えば金属または金属化合物であると判定する。判定部312は、判定結果を表示部314に表示させる。
判定部312は、異物FMa及びFMbの検出頻度を計測する。判定部312は、所定の検出頻度以上の異物FMaまたはFMbを組織的な不良と判定し、表示部314に警告メッセージを表示させたり、警報を発信させたりするようにしてもよい。
図8に示すフローチャートを用いて、第3実施形態の検査装置300による液晶表示デバイス1の検査方法の一例を説明する。光源301は、図5に示すフローチャートのステップS51にて、可視光である照明光ILV3を、検査対象である液晶表示デバイス1の画素領域3に照射する。光源302は、ステップS52にて、赤外光である照明光ILF3を液晶表示デバイス1の画素領域3に照射する。ステップS51とステップS52とを任意のタイミングで実行してもよい。
撮像装置303は、ステップS53にて、照明光ILV3が照射されている状態の液晶表示デバイス1を可視光検査画像VIG3として撮像する。具体的には、撮像装置303は、液晶表示デバイス1により反射された照明光ILV3を可視光検査画像VIG3として撮像する。さらに撮像装置303は可視光検査画像VIG3を画像処理部311へ出力する。
撮像装置304は、ステップS54にて、照明光ILF3が照射されている状態の液晶表示デバイス1を赤外光検査画像IRG3として撮像する。具体的には、撮像装置304は、液晶表示デバイス1を透過した照明光ILF3を赤外光検査画像IRG3として撮像する。さらに撮像装置304は赤外光検査画像IRG3を画像処理部311へ出力する。ステップS53及びS54はステップS51及びS52のタイミングに応じて実行される。
画像処理部311は、ステップS55にて、可視光検査画像VIG3、及び、赤外光検査画像IRG3を記録部313に記録する。画像処理部311は、可視光検査画像VIG3と赤外光検査画像IRG3とを判定部312へ出力する。判定部312は、ステップS56にて、可視光検査画像VIG3または赤外光検査画像IRG3に基づいて、液晶表示デバイス1の画素領域3に付着している異物FMa及びFMbを検出する。
判定部312は、ステップS57にて、赤外光検査画像IRG3と予め設定されている検査基準画像とを比較する。具体的には、判定部312は、赤外光検査画像IRG3の回折パターンと予め設定されている検査基準画像の回折パターンとを比較する。判定部312は、比較結果と可視光検査画像VIG3とに基づいて異物FMa及びFMbを特定する。判定部212は、ステップS58にて、判定結果を表示部314に表示させる。
オペレータは、ステップS56の検出結果またはステップS57の判定結果に応じて、ステップS59にて、液晶表示デバイス1が用いられる表示装置と同じ光学系を用いて、可視光検査画像VIG3をスクリー等へ投影し、目視で検査するようにしてもよい。検査装置300による検査とオペレータによる目視検査とを併用することにより、液晶表示デバイス1に対する検査精度を向上させることができる。
第3実施形態の検査装置300及び検査方法では、検査対象の液晶表示デバイス1に対して反射画像である可視光検査画像VIG3と回折パターンを含む透過画像である赤外光検査画像IRG3とを撮像する。第3実施形態の検査装置300及び検査方法では、可視光検査画像VIG3または赤外光検査画像IRG3に基づいて、液晶表示デバイス1の画素領域3に付着している異物FMa及びFMbを検出する。
第3実施形態の検査装置300及び検査方法では、赤外光検査画像IRG3の回折パターンを検査基準画像の回折パターンと比較し、比較結果と可視光検査画像VIG3とに基づいて異物FMa及びFMbを特定する。従って、第3実施形態の検査装置300及び検査方法によれば、非破壊検査により異物を特定することで異物に対して早期に対策することができる。
本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。