JP7059675B2 - 半導体発光装置およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体発光装置およびその製造方法に関する。
従来、半導体発光素子と、半導体発光素子を収容するパッケージと、を備える半導体発光装置が知られている。パッケージは、ステム(基台)と、ステムに形成された開口部(貫通穴)に通されたリードピンと、を備える。半導体発光素子は、ワイヤによってリードピンと電気的に接続される。また、リードピンは、ステムとの絶縁をとるために、開口部の内部においてガラスからなる絶縁部材を介してステムに固定される。
このような半導体発光装置の放熱性を向上させるため、例えば特許文献1、2には、ステムの材料として、熱伝導率の高い無酸素銅や銅を主成分とする銅合金を用いる点が開示されている。
特許文献1には、ステムとシリコン酸化物を成分に含む絶縁部材との間に緩衝部材を介在させることで、ステムと絶縁部材とが直接接することを防止し、ステムの材料として銅を用いた場合に生じる窒化物半導体発光素子の特性劣化を抑制する点が開示されている。また、特許文献2には、Si-O結合を含まないシールド部材によって、ガラスからなる絶縁部材を被覆することで、Siを含む脱離ガスがパッケージ内へ侵入することを抑制し、窒化物半導体発光素子の特性劣化を抑制する点が開示されている。
特許第5866530号公報 特許第6037293号公報
しかしながら、上記各特許文献には、窒化物半導体発光素子の特性劣化を抑制するための構造が開示されているだけで、パッケージ内部の収容空間の気密性を確保するための構造については開示されていない。例えば、絶縁部材融着の高温加熱の際にステムが軟化し、ステム材料から絶縁部材への圧縮が十分に働かない場合、ステムと絶縁部材との界面において隙間が発生し、上記収容空間の気密が取れなくなるという問題がある。
そこで、本発明は、半導体発光素子を収容する収容空間の気密性を確保することができる半導体発光装置およびその製造方法を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、本発明に係る半導体発光装置の一態様は、半導体発光素子と、前記半導体発光素子を収容するパッケージと、を備え、前記パッケージは、前記半導体発光素子を保持し、貫通穴を有するステムと、前記ステムに固定され、前記ステムとともに前記半導体発光素子を収容する収容空間を形成するキャップと、前記貫通穴を通り、前記半導体発光素子と電気的に接続されたリードピンと、前記貫通穴に埋め込まれ、前記ステムと前記リードピンとを絶縁する絶縁部材と、前記貫通穴の内部に設けられ、前記絶縁部材と前記貫通穴の壁面との間を気密にする気密部材と、を備え、前記絶縁部材における前記収容空間側の表面の少なくとも一部は、前記収容空間に対して露出し、前記気密部材は、前記絶縁部材における前記収容空間側の面上であって、前記半導体発光素子から放射される光が直接照射されない位置に設けられている。
このように、絶縁部材とステムの貫通穴の壁面との間を気密にする気密部材を設けることで、半導体発光素子を収容する収容空間の気密性を確保することができる。その結果、収容空間内に水分等が侵入することを防止し、半導体発光素子の劣化を適切に抑制することができる。
さらに、気密部材は、絶縁部材における収容空間側の面上であっても、半導体発光素子から放射される光が直接照射されない位置に設けられるため、光照射による劣化が抑制される。ここで、半導体発光素子から放射される光が直接照射されない位置は、半導体発光素子から放射された光や、半導体発光素子から放射され光取り出し窓等によって反射される最も光強度の強い一次反射光線が照射されない位置とすることができる。
また、上記の半導体発光装置において、前記貫通穴は、第1の穴部と、前記第1の穴部よりも径が小さく、前記第1の穴部と段差部を介して連通された第2の穴部と、を含み、前記絶縁部材は、前記第1の穴部に埋め込まれ、前記気密部材は、前記第1の穴部において前記絶縁部材と前記段差部との間に配置されていてもよい。
このように、ステムに形成された貫通穴が径の異なる第1の穴部と第2の穴部とを有する場合、気密部材を第1の穴部における絶縁部材と段差部との間に配置してもよい。例えば径の大きい第1の穴部がステムにおける収容空間側に設けられている場合、気密部材は、絶縁部材における収容空間とは反対側の面上に配置されるため、光照射による気密部材の劣化を防止することができる。また、この場合、径の小さい第2の穴部がステムにおける収容空間とは反対側に設けられるため、ステムの収容空間とは反対側の面の面積を広くとることができ、放熱の面で有利となる。
さらに、上記の半導体発光装置において、前記第1の穴部は、前記ステムにおける前記収容空間とは反対側に設けられていてもよい。
このように、径の大きい第1の穴部がステムにおける収容空間とは反対側に設けられている場合、気密部材は、絶縁部材における収容空間側の面上に配置されるが、段差部の背面に配置されることになる。そのため、当該段差部がひさしとなって、気密部材には半導体発光素子から放射される光が直接照射されない。したがって、光照射による気密部材の劣化を防止することができる。
また、上記の半導体発光装置において、前記ステムは、鉄よりも熱伝導率が高い材料により構成されていてもよい。この場合、半導体発光装置の放熱性を適切に向上させることができる。
さらに、上記の半導体発光装置において、前記ステムは、銅または銅を主成分とする合金を含んでいてもよい。この場合、半導体発光装置の放熱性を適切に向上させることができる。また、このように銅または銅を主成分とする合金のような軟化しやすい材料によってステムを構成した場合であっても、気密部材により収容空間の気密性を適切に確保することができる。
また、上記の半導体発光装置において、前記ステムにおける前記キャップとの接触部は、前記キャップとの非接触部に比べて熱伝導率が低い金属材料により構成されていてもよい。
この場合、ステムにおけるキャップとの接触部は、抵抗溶接が可能な抵抗溶接部とすることができる。抵抗溶接によりキャップをステムに固定することが可能となることで、ステムとキャップとの間の気密性を十分に確保することができる。
さらにまた、上記の半導体発光装置において、前記半導体発光素子は、半田層を介して前記ステムの素子載置面に固定されており、前記気密部材は、前記半田層よりも高い融点を有する材料により構成されていてもよい。
半導体発光素子をステムの素子載置面に固定する場合、半田を加熱により溶融させて接着するダイボンディングを行う。気密部材が半田層よりも高い融点を有していれば、ダイボンディング時に気密部材までもが溶融、劣化してしまうことを防止することができる。
また、上記の半導体発光装置において、前記気密部材は、ポリイミド樹脂、シリコン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アリル樹脂、フッ素樹脂、ポリフェニレンスルファイド樹脂、フラン樹脂およびエポキシ樹脂のいずれかにより構成されていてもよい。
このように、気密部材は、半田材料の融点以上の耐熱性を有する樹脂部材により構成することができる。したがって、射出成形により比較的容易に気密部材を所望の位置へ配置することができる。
さらに、上記の半導体発光装置において、前記絶縁部材は、ガラスにより構成されていてもよい。このように、絶縁部材を耐熱性に優れたガラスにより構成することで、発光時にダイボンディング時等の熱により絶縁部材が劣化することを適切に防止することができる。
また、上記の半導体発光装置において、前記半導体発光素子は、波長550nm以上700nm以下の光を出射してもよい。このように、赤色光のような比較的長波長の光を出射する半導体発光装置とすることができる。
さらに、本発明に係る半導体発光装置の製造方法の一態様は、半導体発光素子と、前記半導体発光素子を収容するパッケージと、を備える半導体発光装置の製造方法であって、ステムに形成された貫通穴に絶縁部材を埋め込み、リードピンを通す工程と、前記貫通穴に埋め込まれた前記絶縁部材を溶融する工程と、前記貫通穴の内部に、前記絶縁部材と前記貫通穴の壁面との間を気密にする気密部材を形成する工程と、前記ステムに前記半導体発光素子を固定する工程と、前記半導体発光素子と前記リードピンとを電気的に接続する工程と、前記ステムに、前記半導体発光素子を覆うようにキャップを固定し、前記ステムと前記キャップとにより前記半導体発光素子を収容する収容空間を形成する工程と、を含み、前記気密部材を形成する工程では、前記絶縁部材における前記収容空間側の表面の少なくとも一部が、前記収容空間に対して露出するように、前記絶縁部材における前記収容空間側の面上であって、前記半導体発光素子から放射される光が直接照射されない位置に前記気密部材を配置する。
これにより、絶縁部材とステムの貫通穴の壁面との間を気密にする気密部材を設けることができ、半導体発光素子を収容する収容空間の気密性を確保することができる。その結果、収容空間内に水分等が侵入することを防止し、半導体発光素子の劣化を適切に抑制することができる。
本発明によれば、絶縁部材とステムの貫通穴の壁面との間を気密にする気密部材を設けるので、ステムと絶縁部材との界面において発生し得る隙間を塞ぎ、半導体発光素子を収容する収容空間の気密性を適切に確保することができる。
本実施形態における半導体発光装置の構成例を示す斜視図である。 キャップ封止後の半導体発光装置の構成例を示す斜視図である。 半導体発光装置の断面図である。 半導体発光装置の製造工程を示す図である。 半導体発光装置の製造工程を示す図である。 半導体発光装置の製造工程を示す図である。 半導体発光装置の製造工程を示す図である。 半導体発光装置の別の例を示す断面図である。 気密部材の配置位置の説明図である。 半導体発光装置の別の例を示す断面図である。 半導体発光装置の別の例を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態における半導体発光装置100の構成例を示す図である。半導体発光装置100は、ステムベース101と、ステムブロック102と、半導体発光素子103と、キャップ104と、リードピン105と、ワイヤ106と、を備える。
本実施形態では、半導体発光装置100が半導体レーザ装置であり、半導体発光素子103がレーザチップである場合について説明する。半導体発光素子103は、所定の注入電流が供給されて所定の発振波長を有するレーザ光を出射する。ここで、半導体発光素子103が発するレーザ光は、発振波長が例えば550nm以上700nm以下の赤色レーザ光とすることができる。なお、半導体発光素子103が発するレーザ光の発振波長は上記に限定されるものではない。
ステムブロック102は、円盤状のステムベース101の円形状の上面101aの中央部近傍に設けられている。ステムベース101とステムブロック102とは、高放熱金属材料である銅、無酸素銅またはこれらを主成分とする合金を含んで構成されている。なお、ステムベース101およびステムブロック102の材料は、鉄もしくは鉄系材料よりも熱伝導率が高い材料により構成されていればよい。
ステムベース101とステムブロック102とは、一体であっても別体であってもよい。ステムベース101とステムブロック102とが一体の場合も、ステムベース101とステムブロック102とが別体の場合も、両者を含めて「ステム」という。
ステムブロック102は、ステムベース101の上面101aから立ち上がった側面の一部に素子載置面102aを有する。この素子載置面102aには、半導体発光素子103が載置されたサブマウント103aが接合される。例えば、サブマウント103aは、半導体発光素子103から出射されるレーザ光の出射方向が、ステムベース101の上面101aに対して垂直な方向に一致するよう、ステムブロック102に接合される。また、このときサブマウント103aは、半導体発光素子103の発光点がステムベース101の上面101aの中央に位置するよう、ステムブロック102に接合されてもよい。
なお、半導体発光素子103は、ステムブロック102に直接接合されてもよいが、本実施形態ではサブマウント103aが用いられるものとして説明する。発光時に半導体発光素子103が発する熱は、サブマウント103aを介してステムブロック102に伝達され、さらにステムベース101に伝達され、放熱される。
円筒状のキャップ104には、円形の開口部104aが形成され、その開口部104aにはガラスからなる光取出し窓104bが設けられている。
キャップ104は、図2に示すように、ステムベース101に固定され、図1に示すステムブロック102、半導体発光素子103およびサブマウント103aを、周辺のリードピン105やワイヤ106と共に覆う。つまり、キャップ104は、ステムベース101に固定され、ステムベース101とともに半導体発光素子103を収容する収容空間を形成する。このキャップ104は、半導体発光素子103やワイヤ106等を外部からの接触による破損や塵埃等の異物付着から保護することを目的として装着される。キャップ104は、例えば金属製である。
半導体発光素子103から発せられたレーザ光は、光取出し窓104bを透過して収容空間外に出射される。なお、光取出し窓104bは、平面ガラスに限らず、球面や非球面のレンズであってもよい。
図3は、半導体発光装置100の断面図である。
この図3に示すように、ステムベース101の上面101aの一部には、抵抗溶接部107が設けられている。この抵抗溶接部107は、ステムベース101の上面101aにおけるキャップ104との接触部に設けられ、ステムベース101の上面101aにおけるキャップ104との非接触部に比べて熱伝導率が低い材料により構成されている。例えば上記非接触部が銅により構成されている場合、抵抗溶接部107は鉄系材料等により構成する。本実施形態では、抵抗溶接部107は、リング状の金属部材であり、銀ロウ107aによってステムベース101の上面101aに取り付けられている。
このように、本実施形態におけるステムは、銅または銅を主成分とする合金よりも熱伝導率が低い材料を一部に含んで構成されている。
キャップ104は、抵抗溶接によりステムベース101に固定されている。なお、ステムベース101の上面101aが全て銅により構成されている場合、ステムベース101のキャップ104との接触部の熱伝導率が高いために、キャップ104の抵抗溶接が困難となる。本実施形態では、ステムベース101のキャップ104との接触部に上記の抵抗溶接部107を設けることで、キャップ104を抵抗溶接によりステムベース101に適切に固定することができる。したがって、ステムベース101とキャップ104との間の気密性を十分に確保することができる。
また、ステムベース101には、上面101aに直交する方向に貫通した複数の貫通穴101bが形成されている。貫通穴101bは、リードピン105にそれぞれ対応して形成されており、本実施形態では、2本のリードピン105に対応して2つの貫通穴101bが形成されている。
リードピン105は、貫通穴101bを通り、一端がキャップ104で覆われた内側(半導体発光素子103の収容空間)に突き出している。リードピン105の上記一端は、ワイヤ106によって半導体発光素子103に電気的に接続されている。また、貫通穴101bには、ステムベース101とリードピン105とを絶縁する絶縁部材108が埋め込まれている。ここで、絶縁部材108は、ガラスにより構成されている。
さらに、貫通穴101bには、絶縁部材108と貫通穴101bの壁面との間を気密にする絶縁性の気密部材109が設けられている。具体的には、気密部材109は、絶縁部材108の半導体発光素子103から遠い側の面上に形成されている。つまり、気密部材109は、絶縁部材108における上記収容空間とは反対側の面上に設けられており、絶縁部材108における収容空間側の表面は、収容空間に対して露出している。
気密部材109は、ステムへのダイボンディング時の温度まで耐熱性を有する。ダイボンディングとは、ステムブロック102とサブマウント103aとの間に半田を配置した状態で、半田を加熱により溶融させ、ステムブロック102の素子載置面102aにサブマウント103aを接着することをいう。ダイボンディング時には、半田とともにステムベース101も加熱されるため、気密部材109までもが溶融および劣化することのないように、気密部材109は、ダイボンディングに使用される半田材料の融点以上の耐熱性を有する材料により構成する。
気密部材109は、例えば樹脂により構成することができる。例えば、半田がAu-20Sn半田(融点約280℃)である場合は、気密部材109として、ポリイミド樹脂(耐熱約500℃)、シリコン樹脂(約300℃)などを使用することができる。
また、Sn-3.5Ag半田、Au-90Sn半田、Sn-3Ag-0.5Cu半田(融点約220℃)の場合は、気密部材109として、上記に加え、ポリアミドイミド樹脂(約275℃)、アリル樹脂(約270℃)、フッ素樹脂(約260℃)を使用することができる。
さらに、Pb-63Sn半田(融点180℃)の場合は、気密部材109として、上記に加え、ポリフェニレンスルファイド樹脂(約220℃)、フラン樹脂(約200℃)、エポキシ樹脂(約200℃)を使用することができる。
なお、樹脂部材での絶縁性は、リードピンに接触する場合は、1×10-7Ω以上、気密性(Heリーク量)は1×10-7Pa・m3/sec以下を満たすことが望ましい。
以下、本実施形態における半導体発光装置100の製造方法について説明する。
まず図4に示すように、リードピン105が挿通される貫通穴101bが形成されたステムベース101を準備する。ステムベース101の上面101aには、ステムブロック102を設ける。そして、ステムベース101の上面101aに、リング状の抵抗溶接部107を銀ロウ107aにより接着する。このとき、同時もしくは連続して、貫通穴101b内にリング状の絶縁部材108を埋め込み、続いて絶縁部材108の中心にリードピン105を通す(第1の工程)。その後、加熱して、貫通穴101bに埋め込まれた絶縁部材108を溶融し、絶縁部材108を介してリードピン105をステムベース101に固定する(第2の工程)。
次に、図5に示すように、所定の治具200を用いて、ステムベース101の貫通穴101bの内部に気密部材109を構成する樹脂を射出し、気密部材109を配置する(第3の工程)。本実施形態では、気密部材109は、絶縁部材108におけるステムベース101の上面101aとは反対側の面上に形成される。
次に、図6に示すように、ステムブロック102に、ダイボンディングにより半導体発光素子103が搭載されたサブマウント103aを接着する。つまり、ステムに半導体発光素子103を固定する(第4の工程)。また、ワイヤボンディングにより、半導体発光素子103とリードピン105とを電気的に接続する(第5の工程)。
次に、図7に示すように、半導体発光素子103を覆うようにキャップ104をステムベース101に固定し、収容空間を形成する(第6の工程)。本実施形態では、抵抗溶接によりキャップ104をステムベース101の上面101aに固定する。
具体的には、先ず、キャップ104のフランジ部104cにおける上面101aと対向する面に形成された突起部(プロジェクション)104dと抵抗溶接部107とを接触させるようにキャップ104を配置する。そして、不図示の封止電極によってキャップ104のフランジ部104cとステムベース101とを挟み込み、封止電極間に電圧を印加し、突起部104dに電流を集中させて溶接する。これにより、キャップ104とステムベース101とで仕切られた収容空間は、気密空間となる。
以上の工程により、図3に示す半導体発光装置100が製造される。
以上説明したように、本実施形態における半導体発光装置100は、半導体発光素子103と、半導体発光素子103を収容するパッケージと、を備える。ここで、当該パッケージは、ステムベース101と、ステムブロック102と、キャップ104と、リードピン105と、絶縁部材108と、気密部材109と、を備える。
ここで、半導体発光装置100のステム(ステムベース101)は、鉄よりも熱伝導率が高い材料、例えば銅または銅を主成分とする合金を含んで構成されている。したがって、例えばステムを鉄により構成した場合と比較して、ステムの放熱性を適切に向上させることができる。その結果、半導体発光素子103から発生する熱を、ステムを通じて効率良く逃がすことができ、光出力低下を抑制することができる。
ところで、ステムを、銅または銅を主成分とする合金を含んで構成した場合、絶縁部材(ガラス)融着の高温加熱の際にステムが軟化し、ステムと絶縁部材との界面において隙間が生じるおそれがある。つまり、絶縁部材(ガラス)をステムの貫通穴に埋め込む際、絶縁部材を高温で溶かしてリードピンの周囲に充填する。絶縁部材を溶かす際には、ステムの温度も必然的に上がるため、ステムが上記の銅等により構成されている場合、ステムが軟化して絶縁部材を締め付ける力が弱まり(ステムから絶縁部材への圧縮が十分に働かなくなり)、ステムと絶縁部材との界面において隙間が生じるおそれがある。ステムと絶縁部材との界面において隙間が生じると、収容空間の気密性が損なわれ、収容空間に水分等が侵入し、半導体発光素子が劣化するおそれがある。
これに対して、本実施形態における半導体発光装置100は、絶縁部材108とステム(ステムベース101)の貫通穴101bの壁面との間を気密にする気密部材109を備える。したがって、ステムベース101が銅等の軟化しやすい材料により構成されている場合であっても、絶縁部材108と貫通穴101bの内壁面との間に隙間が生じることを防止することができる。その結果、収容空間の気密性を確保することができる。
また、気密部材109を、絶縁部材108における収容空間とは反対側の面上に設けることで、気密部材109に、半導体発光素子103から放射される光が照射されないようにすることができる。そのため、光照射による気密部材109の劣化を防止することができ、収容空間の気密性を確保することができる。さらに、気密部材109が樹脂材料等により構成されていたとしても、気密部材109に上記光が照射されないようにすることで、収容空間が有機物質によって汚染させることを防止することができる。
さらに、本実施形態における半導体発光素子103は、波長550nm以上700nm以下の光を出射する。例えば波長550nmよりも短い短波長の光が収容空間に露出する絶縁部材に照射されると、絶縁部材が光分解されて不純物が発生する場合がある。本実施形態では、半導体発光素子103は、比較的長波長の光を出射するため、上記の不純物の発生を抑制することができる。
また、気密部材109は、貫通穴101bの内部に配置し、ステムベース101の下面(上面101aとは反対側の面)から飛び出さないようにする。これにより、ステムベース101の下面から飛び出た気密部材109が、半導体発光装置100を実装する際の邪魔にならないようにすることができる。
さらに、気密部材109は、ダイボンディングに使用される半田層よりも高い融点を有する材料に構成する。これにより、ダイボンディング時に、半田を溶融させるための熱によって気密部材109までもが溶融、劣化してしまうことを防止することができる。
また、ステムにおけるキャップ104との接触部を、キャップ104との非接触部に比べて熱伝導率が低い金属材料により構成することで、抵抗溶接によりキャップ104をステムに固定することが可能となる。したがって、ステムとキャップ104との間の気密をとることができ、収容空間の気密性を十分に確保することができる。
(変形例)
上記実施形態においては、気密部材109を絶縁部材108の半導体発光素子103から遠い側の面上に配置する場合について説明したが、気密部材109の配置位置は上記に限定されるものではない。
例えば、図8に示すように、絶縁部材108における半導体発光素子103に近い側の面上に気密部材109を配置してもよい。この場合、ステムベース101は、リードピン105が挿通される貫通穴として、上面101a側とは反対側に設けられた第1の穴部101cと、上面101a側に設けられた第2の穴部101dとを含む貫通穴を有する構成とする。ここで、第2の穴部101dは、第1の穴部101cよりも径が小さく、第1の穴部101cと段差部を介して連通されている。
そして、第1の穴部101cに、絶縁部材108と気密部材109とを配置する。気密部材109は、絶縁部材108における半導体発光素子103に近い側の面上で、絶縁部材108と上記段差部との間に配置する。つまり、絶縁部材における収容空間側の表面の一部は、収容空間に対して露出する。
この場合にも、気密部材109は、絶縁部材108と第1の穴部101cの内壁面との間を気密にすることができるので、収容空間の気密性を確保することができる。なお、図8に示す構成の場合、気密部材109はリードピン105に接触しないため、気密部材109の絶縁性は必ずしも必要ではない。
また、この場合、図9に示すように、第1の穴部101cと第2の穴部101dとの間の段差部がひさしとなって、気密部材109に半導体発光素子103から放射される光Lが直接照射されないようにすることができる。ここで、光Lは、半導体発光素子103から放射され、光取り出し窓104bによって反射される最も光強度の強い一次反射光線を含む。このように、気密部材109に半導体発光素子103からの光が直接照射されない構成とすることで、気密部材109が当該光の照射により劣化することを抑制できる。
なお、図8に示す例では、絶縁部材108および気密部材109が配置される第1の穴部101cを、ステムベース101の上面101aとは反対側に設ける場合について説明した。しかしながら、図10に示すように、第1の穴部101cは、ステムベース101の上面101a側に設けられていてもよい。
この場合にも、気密部材109は、第1の穴部101cにおいて、絶縁部材108と段差部との間に配置される。このような構成により、気密部材109によって絶縁部材108と第1の穴部101cの内壁面との間の隙間を塞ぐことができるので、収容空間の気密性を確保することができる。
また、この場合、気密部材109は、絶縁部材108における半導体発光素子103から遠い側の面上に配置されるため、気密部材109には半導体発光素子103から放射される光が照射されない。そのため、当該光の照射による気密部材109の劣化を防止することができる。さらに、この場合、ステムベース101の裏面(下面)の面積が、図8に示す構成と比較して大きくなるため、放熱面で有利である。
なお、第1の穴部101cをステムベース101の上面101a側に設け、気密部材109を絶縁部材108における半導体発光素子103から遠い側の面上に配置する場合、図11に示すように、気密部材109は、絶縁部材109の全面に配置されていてもよい。
(その他の変形例)
なお、上記実施形態においては、気密部材109は、絶縁部材108の一方の面上に配置されている場合について説明したが、絶縁部材108の両方の面上にそれぞれ配置されていてもよい。
また、上記実施形態においては、ステムベース101を銅等の高熱伝導率の材料で構成する場合について説明したが、温度特性がさほど重要とならない半導体発光装置においては、ステムブロック102のみを銅等により構成し、ステムベース101は鉄等により構成してもよい。
さらに、上記実施形態においては、半導体発光装置100が2本のリードピン105を備える場合について説明したが、3本以上のリードピンを備える場合にも同様の構成とすることができる。
また、上記実施形態においては、ステムベース101の上面101aに抵抗溶接部107を設け、抵抗溶接によりキャップ104とステムベース101とを固定する場合について説明した。しかしながら、キャップ104とステムベース101との固定方法は、収容空間の気密性が確保できる方法であればよく、上記に限定されない。例えば、キャップ104とステムベース101とは、接着剤により固定されていてもよい。
100…半導体発光装置、101…ステムベース、101a…上面、101b…貫通穴、102…ステムブロック、103…半導体発光素子、103a…サブマウント、104…キャップ、105…リードピン、106…ワイヤ、107…抵抗溶接部、108…絶縁部材、109…気密部材

Claims (11)

  1. 半導体発光素子と、
    前記半導体発光素子を収容するパッケージと、を備え、
    前記パッケージは、
    前記半導体発光素子を保持し、貫通穴を有するステムと、
    前記ステムに固定され、前記ステムとともに前記半導体発光素子を収容する収容空間を形成するキャップと、
    前記貫通穴を通り、前記半導体発光素子と電気的に接続されたリードピンと、
    前記貫通穴に埋め込まれ、前記ステムと前記リードピンとを絶縁する絶縁部材と、
    前記貫通穴の内部に設けられ、前記絶縁部材と前記貫通穴の壁面との間を気密にする気密部材と、を備え、
    前記絶縁部材における前記収容空間側の表面の少なくとも一部は、前記収容空間に対して露出し
    前記気密部材は、前記絶縁部材における前記収容空間側の面上であって、前記半導体発光素子から放射される光が直接照射されない位置に設けられていることを特徴とする半導体発光装置。
  2. 前記貫通穴は、
    第1の穴部と、
    前記第1の穴部よりも径が小さく、前記第1の穴部と段差部を介して連通された第2の穴部と、を含み、
    前記絶縁部材は、前記第1の穴部に埋め込まれ、
    前記気密部材は、前記第1の穴部において前記絶縁部材と前記段差部との間に配置されていることを特徴とする請求項に記載の半導体発光装置。
  3. 前記第1の穴部は、前記ステムにおける前記収容空間とは反対側に設けられていることを特徴とする請求項に記載の半導体発光装置。
  4. 前記ステムは、鉄よりも熱伝導率が高い材料により構成されていることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の半導体発光装置。
  5. 前記ステムは、銅または銅を主成分とする合金を含むことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の半導体発光装置。
  6. 前記ステムにおける前記キャップとの接触部は、前記キャップとの非接触部に比べて熱伝導率が低い金属材料により構成されていることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の半導体発光装置。
  7. 前記半導体発光素子は、半田層を介して前記ステムの素子載置面に固定されており、
    前記気密部材は、前記半田層よりも高い融点を有する材料により構成されていることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の半導体発光装置。
  8. 前記気密部材は、ポリイミド樹脂、シリコン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アリル樹脂、フッ素樹脂、ポリフェニレンスルファイド樹脂、フラン樹脂およびエポキシ樹脂のいずれかにより構成されていることを特徴とする請求項に記載の半導体発光装置。
  9. 前記絶縁部材は、ガラスにより構成されていることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の半導体発光装置。
  10. 前記半導体発光素子は、波長550nm以上700nm以下の光を出射することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の半導体発光装置。
  11. 半導体発光素子と、前記半導体発光素子を収容するパッケージと、を備える半導体発光装置の製造方法であって、
    ステムに形成された貫通穴に絶縁部材を埋め込み、リードピンを通す工程と、
    前記貫通穴に埋め込まれた前記絶縁部材を溶融する工程と、
    前記貫通穴の内部に、前記絶縁部材と前記貫通穴の壁面との間を気密にする気密部材を形成する工程と、
    前記ステムに前記半導体発光素子を固定する工程と、
    前記半導体発光素子と前記リードピンとを電気的に接続する工程と、
    前記ステムに、前記半導体発光素子を覆うようにキャップを固定し、前記ステムと前記キャップとにより前記半導体発光素子を収容する収容空間を形成する工程と、を含み、
    前記気密部材を形成する工程では、
    前記絶縁部材における前記収容空間側の表面の少なくとも一部が、前記収容空間に対して露出するように、前記絶縁部材における前記収容空間側の面上であって、前記半導体発光素子から放射される光が直接照射されない位置に前記気密部材を配置することを特徴とする半導体発光装置の製造方法。
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