JP7059103B2 - シート・フィルム延伸装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シートやフィルム等の薄膜状の延伸対象物を延伸させるシート・フィルム延伸装置に関する。
従来、シートやフィルム等の薄膜状の延伸対象物の両縁部をクリップチェーンで把持した状態でクリップチェーンを走行させることにより、延伸対象物を搬送しつつ、延伸対象物を延伸させるシート・フィルム延伸装置が知られている。
例えば、特許文献1に記載されたフィルム延伸装置は、フィルムを保持するクリップと、クリップの間隔を調整するクリップ間隔調整機構とを交互に配して環状に形成されるクリップチェーンを備えている。特許文献1に記載されたフィルム延伸装置では、クリップによってフィルムを保持した状態でクリップチェーンを走行させつつ、隣り合うクリップの間隔をクリップ間隔調整機構によって調整することにより、フィルムの長手方向と幅方向の引っ張りの度合いを適切に調整しながらフィルムを延伸させることができる。
特許第5371523号公報
ここで、クリップチェーンは環状に形成されるため、フィルム等の延伸対象物の搬送時に延伸対象物を把持し、搬送方向における上流側から下流側に移動する部分と、延伸対象物を把持せずに搬送方向における下流側から上流側に戻る部分とを有している。このうち、延伸対象物を把持せずに搬送方向における下流側から上流側に戻る部分は、延伸対象物の延伸を行わないため、隣り合うクリップの間隔をクリップ間隔調整機構によって調整する必要がなく、クリップの間隔を調整することなく各クリップを下流側から上流側に移動させることができる。
しかしながら、隣り合うクリップ同士は、間隔が変化することができるように配置されているため、クリップの間隔を調整することなく移動するように構成した場合、隣り合うクリップ同士の間隔が小さくなり過ぎ、隣り合うクリップ同士やクリップ間隔調整機構同士、または互いに接続されるクリップとクリップ間隔調整機構とが接触する虞がある。これらのように、クリップチェーンを構成する部材同士が接触すると、接触時に衝突音のような音が発生することがある。また、延伸対象物の搬送時に、クリップチェーンを構成する部材同士が継続的に接触した場合、接触時の音も継続的に発生することになる。隣り合うクリップ同士の間隔を調整することができるようにクリップチェーンを構成することに伴って発生するこのような音は、延伸対象物を搬送しながら延伸する際における騒音の原因になるため、改良の余地があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、延伸対象物の搬送時における音の発生を抑制することのできるシート・フィルム延伸装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るシート・フィルム延伸装置は、延伸対象物の幅方向両端に配置され、且つ、前記延伸対象物を把持して延伸するためのクリップチェーンを移動経路に沿って走行させる一対の把持装置を備えたシート・フィルム延伸装置であって、前記クリップチェーンは、前記延伸対象物を把持する複数の把持機構と、隣り合う2つの前記把持機構同士の間に配置され、隣り合う前記把持機構同士を連結するジョイント機構と、隣り合う前記把持機構同士の間隔を調整する間隔調整機構と、隣り合う前記把持機構が互いに離れる方向の力を前記把持機構に対して付与する離間力付与部と、を備える。
本発明に係るシート・フィルム延伸装置は、延伸対象物の搬送時における音の発生を抑制することができる、という効果を奏する。
実施形態に係るシート・フィルム延伸装置が適用される2軸延伸フィルム製造装置の全体概要図。 実施形態に係るシート・フィルム延伸装置の平面模式図。 図2に示すクリップチェーンの構成を示す平面図。 図2のf3線に沿う断面図。 図2のf4線に沿う断面図。 図2のf5線に沿う断面図。 図2のf6線に沿う断面図。 図6に示すクリップチェーンの平面図。 離間力付与部が設けられていない把持機構に対して、隣り合う把持機構同士を近付かせる方向の力が作用した場合の説明図。 実施形態に係るシート・フィルム延伸装置が有する把持機構に対して、隣り合う把持機構同士を近付かせる方向の力が作用した場合の説明図。 実施形態に係るシート・フィルム延伸装置の変形例であり、取付部材を介して把持機構に圧縮ばねを取り付ける離間力付与部についての説明図。 実施形態に係るシート・フィルム延伸装置の変形例であり、離間力付与部に磁石が用いられる場合の説明図。
以下に、本開示に係るシート・フィルム延伸装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能、且つ、容易に想到できるもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態]
図1は、実施形態に係るシート・フィルム延伸装置1が適用される2軸延伸フィルム製造装置の全体概要を示している。2軸延伸フィルム製造装置は、押出機101と、メルト管102によって押出機101に接続されたTダイ103と、冷却ロール104等を含むキャスティング部105と、多数のロール106による縦延伸部107と、横延伸部108と、引取・巻取部109とを一列に有している。
Tダイ103より流出する溶融樹脂は、キャスティング部105にてシート或いはフィルム等の延伸対象物5に成形される。その後、延伸対象物5は、縦延伸部107にて縦延伸され、横延伸部108にて横延伸され、引取・巻取部109によって引き取り、巻き取とりされる。本実施形態に係るシート・フィルム延伸装置1は、横延伸部108に適用される。
図2は、実施形態に係るシート・フィルム延伸装置1の平面模式図である。シート・フィルム延伸装置1は、延伸対象物5を搬送しつつ、延伸対象物5の搬送方向及び搬送方向に直交する方向に延伸する。なお、ここでいう「延伸」は、引き延ばす方向の動作・状態のみでなく、縮める方向の動作・状態も含む。即ち、引き延ばす方向の延伸をプラス延伸とし、縮める方向の延伸をマイナス延伸とする場合、本実施形態でいう延伸は、いずれの方向の延伸も含む。また、以下の説明では、第1方向X及び第2方向Yは、水平面上において互いに直交する方向であり、第1方向X及び第2方向Yと直交する方向を第3方向Zと定義する。第1方向Xは、シート・フィルム延伸装置1によってシートやフィルム等の延伸対象物5を搬送する際における、搬送方向に直交する方向であり、第2方向Yは、シート・フィルム延伸装置1によって延伸対象物5を搬送する際における搬送方向に沿った方向である。これらの第1方向Xと第2方向Yは、シート・フィルム延伸装置1を任意の設置場所に設置して通常の使用形態で使用する際における水平方向である。第3方向Zは、シート・フィルム延伸装置1を任意の設置場所に設置して通常の使用形態で使用する際における上下方向、或いは重力方向である。また、以下の説明では、シート・フィルム延伸装置1を通常の使用形態で使用する際における重力方向における上側をシート・フィルム延伸装置1の上側として説明し、重力方向における下側をシート・フィルム延伸装置1の下側として説明する。
<シート・フィルム延伸装置1の概要>
本実施形態に係るシート・フィルム延伸装置1は、第1方向Xに離間した一対の移動経路である、左移動経路1Lと、右移動経路1Rとを有する。左移動経路1Lは、往路2と復路3とを交差させることなく無端状に接続させた、一連の左レール構造体4Lを有する。右移動経路1Rは、往路2と復路3とを交差させることなく無端状に接続させた、一連の右レール構造体4Rを有する。
左移動経路1Lは、往路2と復路3とが概ね第2方向Yに延在する向きで配設されている。右移動経路1Rは、左移動経路1Lと同様に往路2と復路3とが概ね第2方向Yに延在する向きで配設されている。また、右移動経路1Rは、往路2が左移動経路1Lの往路2と対向し、復路3が、左移動経路1Lの復路3と対向する。左移動経路1Lの往路2と右移動経路1Rの往路2との間の範囲は、シート・フィルム延伸装置1によって延伸対象物5を搬送する際における搬送エリア1Aになっている。
第1方向Xにおいて搬送エリア1Aの中心が位置する側を内側とし、第1方向Xにおける搬送エリア1Aの中心が位置する側の反対側を外側とする場合、左移動経路1Lの往路2と右移動経路1Rの往路2とは、搬送エリア1Aの両外側に配置され、第2方向Yにおいて搬送エリア1Aに沿っている。また、左移動経路1Lの復路3は、第1方向Xにおける左移動経路1Lの往路2の外側に沿って構成されており、右移動経路1Rの復路3は、第1方向Xにおける右移動経路1Rの往路2の外側に沿って構成されている。
シート・フィルム延伸装置1によって搬送する延伸対象物5としては、例えば、熱可塑性樹脂を一定の方向に沿って帯状に連続させた長尺物を想定することができる。シート・フィルム延伸装置1は、長尺物である延伸対象物5の長手方向が第2方向Yに沿った向きで搬送する。つまり、左移動経路1Lを構成する左レール構造体4Lと、右移動経路1Rを構成する右レール構造体4Rとは、第1方向Xにおける延伸対象物5の両側に、互いに対向させて配置されている。左レール構造体4Lと右レール構造体4Rとが対向する領域では、左レール構造体4Lと右レール構造体4Rとは、双方の往路2が互いに対向するように配置されている。
左移動経路1Lと右移動経路1Rとは、第1方向Xにおいて対称な構造を有している。つまり、左レール構造体4Lと右レール構造体4Rとは、第1方向Xにおいて対称な構造を有している。以下の説明では、左移動経路1L、左レール構造体4Lを中心として説明するが、右移動経路1R、右レール構造体4Rについても同様の構造を有しており、左移動経路1L、左レール構造体4Lを用いて説明する構造は、右移動経路1R、右レール構造体4Rについても適用される。
左移動経路1Lの往路2と復路3は、延伸対象物5を搬送する際における延伸対象物5の入口側に位置する入口側スプロケット6と、延伸対象物5の出口側に位置する出口側スプロケット7を経由して、互いに無端状に連続されている。なお、入口側スプロケット6と出口側スプロケット7とは、左移動経路1L側と右移動経路1R側とにそれぞれ配設されている。左移動経路1Lの往路2と復路3、及び右移動経路1Rの往路2と復路3は、それぞれの移動経路1L,1R側に配設される入口側スプロケット6と出口側スプロケット7とを経由して、それぞれ無端状に連続されている。例えば、左移動経路1Lにおいて往路2は、入口側スプロケット6から出口側スプロケット7に至るまでの領域に構成されており、復路3は、出口側スプロケット7から入口側スプロケット6に至るまでの領域に構成されている。
入口側スプロケット6と出口側スプロケット7とのうち、出口側スプロケット7は、駆動部として用いられるモータ(図示省略)によって回転駆動され、入口側スプロケット6は、回転フリーに構成される。即ち、モータは、出口側スプロケット7に対して駆動力を付与する。なお、左移動経路1Lと右移動経路1R側とにそれぞれ配設される一対の出口側スプロケット7は、1つのモータで回転駆動のシャフトを介して回転させてもよく、それぞれ個別にモータを備えて、それぞれのモータによって回転させてもよい。また、入口側スプロケット6も、出口側スプロケット7と同様に、駆動部として用いられるモータ(図示省略)によって回転駆動させてもよい。
左移動経路1Lには、左移動経路1Lに沿って無端状に連続して形成され、左レール構造体4Lに沿って移動可能なクリップチェーン8が設けられている。クリップチェーン8は、延伸対象物5の縁部を把持可能に構成されている。左移動経路1Lに設けられるクリップチェーン8は、左移動経路1L側に配設される入口側スプロケット6及び出口側スプロケット7と噛み合っている。これにより、左移動経路1Lに設けられるクリップチェーン8は、モータによって出口側スプロケット7を回転させることにより、左移動経路1Lを循環させることができる。
右移動経路1Rにも同様に、右移動経路1Rに沿って無端状に連続して形成され、右レール構造体4Rに沿って移動可能なクリップチェーン9が設けられており、クリップチェーン9は、延伸対象物5の縁部を把持可能に構成されている。左レール構造体4Lと、クリップチェーン8と、モータ(図示省略)によって回転駆動され、クリップチェーン8を移動させる出口側スプロケット7は、左把持装置50Lを構成している。右レール構造体4Rと、クリップチェーン9と、モータ(図示省略)によって回転駆動され、クリップチェーン9を移動させる出口側スプロケット7は、右把持装置50Rを構成している。このため、シート・フィルム延伸装置1は、一対の把持装置50L,50Rを備えている。
また、左移動経路1Lの往路2と右移動経路1Rの往路2とが対向する領域には、延伸対象物5の搬送時に延伸対象物5が通るエリアである一連の搬送エリア1Aが構成されている。搬送エリア1Aは、シート・フィルム延伸装置1によって延伸対象物5を搬送する際における搬送方向Yの上流側から下流側に亘って搬送方向Yに沿って連続して構成されている。搬送エリア1Aは、入口側リターンゾーンZ1と、予熱ゾーンZ2と、延伸ゾーンZ3と、熱処理ゾーンZ4と、弛緩ゾーンZ5と、冷却ゾーンZ6と、出口側リターンゾーンZ7と、を有している。
予熱ゾーンZ2、延伸ゾーンZ3、熱処理ゾーンZ4、弛緩ゾーンZ5、冷却ゾーンZ6は、延伸対象物5の搬送方向Yにおける搬送エリア1Aの上流端側に位置する入口側リターンゾーンZ1と、延伸対象物5の搬送方向Yにおける搬送エリア1Aの下流端側に位置する出口側リターンゾーンZ7との間に設けられている。換言すると、搬送方向Yの上流側から下流側に向かって、入口側リターンゾーンZ1、予熱ゾーンZ2、延伸ゾーンZ3、熱処理ゾーンZ4、弛緩ゾーンZ5、冷却ゾーンZ6、出口側リターンゾーンZ7が、この順番で配置されている。
このうち、予熱ゾーンZ2は、左移動経路1Lの往路2と右移動経路1Rの往路2とが、互いに平行に構成されており、延伸対象物5に対する延伸処理は行われずに延伸対象物5に対して予熱する処理が行われるゾーンになっている。
延伸ゾーンZ3は、シート・フィルム延伸装置1によって搬送する延伸対象物5を第1方向Xに延伸するゾーンになっている。なお、以下の説明では、第1方向Xを、延伸対象物5の幅方向Xとしても説明する。延伸ゾーンZ3は、左移動経路1Lの往路2と右移動経路1Rの往路2との幅方向Xにおける間隔が、搬送方向Yにおける予熱ゾーンZ2側から熱処理ゾーンZ4側に向かうに従って、連続的、且つ、徐々に大きくなっていくように設定されている。
熱処理ゾーンZ4は、幅方向Xに延伸された延伸対象物5に対して熱処理が行われるゾーンになっている。熱処理ゾーンZ4では、左移動経路1Lの往路2と右移動経路1Rの往路2とが、互いに平行に構成されており、幅方向Xにおける往路2同士の間隔が一定になっている。
弛緩ゾーンZ5は、延伸対象物5に付与される張力を低減し、延伸対象物5を幅方向X及び搬送方向Yに収縮(マイナス延伸)させるrelaxゾーンになっている。このため、弛緩ゾーンZ5は、左移動経路1Lの往路2と右移動経路1Rの往路2との幅方向Xにおける間隔が、熱処理ゾーンZ4側から冷却ゾーンZ6側に向かうに従って、連続的、且つ、徐々に小さくなっていくように設定されている。
冷却ゾーンZ6は、延伸対象物5に対して冷却処理が行われるゾーンになっている。冷却ゾーンZ6では、左移動経路1Lの往路2と右移動経路1Rの往路2とが、互いに平行に構成されており、幅方向Xにおける往路2同士の間隔が一定になっている。
入口側リターンゾーンZ1には、入口側スプロケット6が回転可能に配置されており、出口側リターンゾーンZ7には、出口側スプロケット7が回転可能に配置されている。モータから付与される駆動力によって回転する出口側スプロケット7は、クリップチェーン8,9が往路2に沿って入口側リターンゾーンZ1側から出口側リターンゾーンZ7側に向かって移動し、復路3に沿って出口側リターンゾーンZ7側から入口側リターンゾーンZ1側に向かって移動する方向に回転する。
このため、出口側スプロケット7は、往路2に沿って入口側リターンゾーンZ1側から出口側リターンゾーンZ7側に向かって移動したクリップチェーン8,9を、復路3に向かわせることができる。本実施形態では、出口側スプロケット7から復路3に移行する部分には、出口側傾斜部7pが設けられている。出口側スプロケット7の直径は、出口側スプロケット7が配設されている部分以外の部分の往路2と復路3との間隔よりも大きくなっているため、出口側傾斜部7pは、往路2と復路3との間隔を、出口側スプロケット7から離れるに従って漸減させることができるように、復路3を往路2に対して傾斜させている。
クリップチェーン8,9の移動に伴って回転する入口側スプロケット6は、復路3に沿って出口側リターンゾーンZ7側から入口側リターンゾーンZ1側に向かって移動したクリップチェーン8,9を、往路2に向かわせることができる。本実施形態では、復路3から入口側スプロケット6に移行する部分には、入口側傾斜部6pが設けられている。入口側スプロケット6の直径は、入口側スプロケット6が配設されている部分以外の部分の往路2と復路3との間隔よりも大きくなっているため、入口側傾斜部6pは、往路2と復路3との間隔を、入口側スプロケット6から離れるに従って漸減させることができるように、復路3を往路2に対して傾斜させている。
さらに、搬送エリア1Aには、加熱装置が設けられている。加熱装置は、オーブン30と、オーブン30の温度を制御する温度制御部(図示省略)と、を備えている。搬送エリア1Aが有する複数のゾーンのうち、予熱ゾーンZ2、延伸ゾーンZ3、熱処理ゾーンZ4、弛緩ゾーンZ5、冷却ゾーンZ6は、往路2と復路3との双方がオーブン30で覆われている。つまり、左移動経路1L及び右移動経路1Rの搬送方向Yにおける、延伸対象物5に対して加熱または保温を行う領域は、往路2と復路3との双方が、延伸対象物5に対して加熱または保温を行うオーブン30によって覆われている。
オーブン30は、複数の加熱保温室T1~T10を有している。予熱ゾーンZ2、延伸ゾーンZ3、熱処理ゾーンZ4、弛緩ゾーンZ5、冷却ゾーンZ6には、1または複数の加熱保温室が割り振られている。本実施形態では、予熱ゾーンZ2には、3つの加熱保温室T1~T3が割り振られ、弛緩ゾーンZ5には、1つの加熱保温室T8が割り振られている。なお、図2では、加熱保温室T1~T10は、第2方向Yの大きさがほぼ同じ大きさになっているが、加熱保温室T1~T10は、延伸対象物5の種類や延伸仕様等に応じて、第2方向Yの大きさが互いに異なっていてもよい。
温度制御部は、加熱保温室T1~T10毎に温度制御を行う。温度制御部は、加熱保温室が割り振られるゾーンZ2,Z3,Z4,Z5,Z6毎に、加熱保温室T1~T10の内部を、予め設定された温度まで加熱したり、或いは、一定の温度に保持したりする。
<左レール構造体4L、右レール構造体4R>
左レール構造体4Lと右レール構造体4Rとは、それぞれ往路レールユニット10と復路レールユニット11と、を有している。左レール構造体4Lと右レール構造体4Rとの双方の往路レールユニット10は、第1方向Xにおける搬送エリア1Aの両外側に沿って配置されている。左レール構造体4Lと右レール構造体4Rとの双方の復路レールユニット11は、第1方向Xにおける往路レールユニット10の両外側に沿って配置されている。これらの往路レールユニット10と復路レールユニット11とは、入口側リターンゾーンZ1の入口側傾斜部6pを含む範囲と出口側リターンゾーンZ7の出口側傾斜部7pを含む範囲を除いた領域に設けられている。
さらに、往路レールユニット10と復路レールユニット11とは、それぞれ複数のブロック構造を連結することにより構成されている。図3は、図2に示すクリップチェーン8,9の構成を示す平面図である。図4は、図2のf3線に沿う断面図であり、固定ブロック16が配置された位置での断面図である。具体的には、往路レールユニット10は、一方のブロック構造である往路ブロック13(図4)を連結することにより構成されている。復路レールユニット11は、他方のブロック構造である復路ブロック14(図4)を連結することにより構成されている。これらの往路ブロック13と復路ブロック14とは、入口側リターンゾーンZ1と出口側リターンゾーンZ7との間に亘って、それぞれ複数が搬送方向Yに沿って並べて配置される。
また、本実施形態に係るシート・フィルム延伸装置1では、弛緩ゾーンZ5から出口側リターンゾーンZ7に亘る範囲に、間隔調整機構27が適用されている。間隔調整機構27は、一方のブロック構造である往路ブロック13に対する、他方のブロック構造である復路ブロック14の位置関係を調整することが可能になっている。
<往路レールユニット10>
往路レールユニット10は、左移動経路1L及び右移動経路1Rごとに設けられており、左移動経路1L及び右移動経路1Rの往路2に沿って、連続的に構成されている。往路レールユニット10は、予熱ゾーンZ2、延伸ゾーンZ3、熱処理ゾーンZ4、弛緩ゾーンZ5、冷却ゾーンZ6の5つのゾーン(図2参照)に亘って設けられている。往路レールユニット10は、第3方向Z、即ち、重力方向Zにおいて、対称な構造を有している。詳しくは、往路レールユニット10は、上側基準レール10aと、下側基準レール10bと、を備えており(図4参照)、上側基準レール10aは、重力方向Zにおいて下側基準レール10bの上側に位置している。上側基準レール10aと下側基準レール10bとは、重力方向Zに沿って上下に一定の距離だけ離間させた状態において、互いに平行に対向させて配置されている。
上側基準レール10aは、往路2に沿って連続的に敷設されている。上側基準レール10aは、複数の上側レールエレメント10Eaから構成されている。複数の上側レールエレメント10Eaは、搬送方向Yに沿って並べられる複数の往路ブロック13に1つずつ固定されており、往路2に沿って一列に並べられる。
下側基準レール10bも同様に、往路2に沿って連続的に敷設されている。下側基準レール10bは、複数の下側レールエレメント10Ebから構成されている。複数の下側レールエレメント10Ebは、搬送方向Yに沿って並べられる複数の往路ブロック13に1つずつ固定されており、往路2に沿って一列に並べられる。
往路レールユニット10は、クリップチェーン8,9が有する移動機構20(図3参照)が移動可能に構成されている。移動機構20は、走行ユニット25と転動ユニット26とを有している。走行ユニット25は、上側走行ベアリング25aと下側走行ベアリング25bとを有し、転動ユニット26は、上側転動ベアリング26aと下側転動ベアリング26bとを有している。これらの移動機構20の詳細については、後述する。
往路レールユニット10には、走行ユニット25が有する上側走行ベアリング25aが走行可能な走行面として上側走行面10Taが構成され、下側走行ベアリング25bが走行可能な走行面として下側走行面10Tbが構成されている(図4参照)。これらの往路レールユニット10の上側走行面10Ta及び下側走行面10Tbは、重力方向Zにおいて、上側基準レール10aと下側基準レール10bとが互いに対向する対向面に構成されており、互いに平行に形成されている。上側走行ベアリング25aは、重力方向Zにおける上側走行面10Taの下方側から上側走行面10Taに接触し、下側走行ベアリング25bは、重力方向Zにおける下側走行面10Tbの上方側から下側走行面10Tbに接触する。
さらに、往路レールユニット10には、転動ユニット26が有する上側転動ベアリング26aが転動可能な転動面として上側転動面10Raが構成され、下側転動ベアリング26bが転動可能な転動面として下側転動面10Rbが構成されている。このうち、上側転動面10Raは上側基準レール10aに構成され、下側転動面10Rbは下側基準レール10bに構成されている。詳しくは、往路レールユニット10の上側転動面10Raは、幅方向Xにおける上側基準レール10aの、一方側10S-1aと他方側10S-2aとの両側に平行に対峙させて構成されている。同様に、往路レールユニット10の下側転動面10Rbは、幅方向Xにおける下側基準レール10bの、一方側10S-1bと他方側10S-2bとの両側に平行に対峙させて構成されている。
なお、往路レールユニット10における上側基準レール10aの一方側10S-1aと下側基準レール10bの一方側10S-1bは、クリップチェーン8,9における延伸対象物5を把持する部分であるクリップ18pに対峙する側として規定される。また、往路レールユニット10における上側基準レール10aの他方側10S-2aと下側基準レール10bの他方側10S-2bは、クリップチェーン8,9におけるクリップ18pの反対側として規定される。
<復路レールユニット11>
復路レールユニット11は、左移動経路1L及び右移動経路1Rごとに設けられており、左移動経路1L及び右移動経路1Rの復路3に沿って、連続的に構成されている。復路レールユニット11は、予熱ゾーンZ2、延伸ゾーンZ3、熱処理ゾーンZ4、弛緩ゾーンZ5、冷却ゾーンZ6の5つのゾーン(図2参照)に亘って設けられている。復路レールユニット11は、第3方向Z、即ち、重力方向Zにおいて、対称な構造を有している。詳しくは、復路レールユニット11は、上側基準レール11aと、下側基準レール11bと、を備えており(図4参照)、上側基準レール11aは、重力方向Zにおいて下側基準レール11bの上側に位置している。上側基準レール11aと下側基準レール11bとは、重力方向Zに沿って上下に一定の距離だけ離間させた状態において、互いに平行に対向させて配置されている。
上側基準レール11aは、復路3に沿って、連続的に敷設されている。上側基準レール11aは、複数の上側レールエレメント11Eaから構成されている。複数の上側レールエレメント11Eaは、搬送方向Yに沿って並べられる複数の復路ブロック14に1つずつ固定されており、復路3に沿って一列に並べられる。
下側基準レール11bも同様に、復路3に沿って連続的に敷設されている。下側基準レール11bは、複数の下側レールエレメント11Ebから構成されている。複数の下側レールエレメント11Ebは、搬送方向Yに沿って並べられる複数の復路ブロック14に1つずつ固定されており、復路3に沿って一列に並べられる。
復路レールユニット11は、クリップチェーン8,9が有する移動機構20(図3参照)が移動可能に構成されている。復路レールユニット11には、走行ユニット25が有する上側走行ベアリング25aが走行可能な走行面として上側走行面11Taが構成され、下側走行ベアリング25bが走行可能な走行面として下側走行面11Tbが構成されている(図4参照)。これらの復路レールユニット11の上側走行面11Ta及び下側走行面11Tbは、重力方向Zにおいて、上側基準レール11aと下側基準レール11bとが互いに対向する対向面に構成されており、互いに平行に形成されている。上側走行ベアリング25aは、重力方向Zにおける上側走行面11Taの下方側から上側走行面11Taに接触し、下側走行ベアリング25bは、重力方向Zにおける下側走行面11Tbの上方側から下側走行面11Tbに接触する。
さらに、復路レールユニット11には、転動ユニット26が有する上側転動ベアリング26aが転動可能な転動面として上側転動面11Raが構成され、下側転動ベアリング26bが転動可能な転動面として下側転動面11Rbが構成されている。このうち、上側転動面11Raは上側基準レール11aに構成され、下側転動面11Rbは下側基準レール11bに構成されている。詳しくは、復路レールユニット11の上側転動面11Raは、幅方向Xにおける上側基準レール11aの、一方側11S-1aと他方側11S-2aとの両側に平行に対峙させて構成されている。同様に、復路レールユニット11の下側転動面11Rbは、幅方向Xにおける下側基準レール11bの、一方側11S-1bと他方側11S-2bとの両側に平行に対峙させて構成されている。
なお、復路レールユニット11における上側基準レール11aの一方側11S-1aと下側基準レール11bの一方側11S-1bは、クリップチェーン8,9における延伸対象物5を把持する部分であるクリップ18pに対峙する側として規定される。また、復路レールユニット11における上側基準レール11aの他方側11S-2aと下側基準レール11bの他方側11S-2bは、クリップチェーン8,9におけるクリップ18pの反対側として規定される。
<レールブロック12、往路ブロック13、復路ブロック14>
本実施形態に係るシート・フィルム延伸装置1は、複数のレールブロック12を有している。1つのレールブロック12には、往路ブロック13と復路ブロック14とからなる1組のブロック構造が設けられている(図4参照)。左レール構造体4Lと右レール構造体4Rとは、複数のレールブロック12を左移動経路1Lや右移動経路1Rに沿って並べることで、往路2と復路3を無端状に接続させた一連の左レール構造体4L及び右レール構造体4Rが構成されている。
なお、レールブロック12は、延伸対象物5の種類や、その延伸仕様等に基づき、往路レールユニット10が有する上側基準レール10aと下側基準レール10bの配置が調整されるように、レール台(図示省略)やフレーム(図示省略)の上で移動可能に取り付けられる。
また、左移動経路1Lや右移動経路1Rに沿って並べられる複数のレールブロック12は、用途や使用目的に応じて、互いに同一の大きさに設定してもよいし、或いは、互いに異なる大きさに設定してもよい。間隔調整機構27が適用されることにより往路ブロック13に対する復路ブロック14の位置関係を調整することが可能な範囲27b-Z(図2参照)には、左移動経路1Lや右移動経路1Rに沿って、互いに長さの異なる複数のレールブロック12が配置されている。間隔調整機構27が適用される範囲27b-Zには、互いに長さの異なる複数のレールブロック12が配置されることにより、複数の調整レール調整区間CB1,CB2,CB3,CB4,CB5が設定されている。
レールブロック12は、往路ブロック13と復路ブロック14とが、幅方向Xにおいて互いに対向して配置されている(図4参照)。往路ブロック13と復路ブロック14とは、往路ブロック13における復路ブロック14側に位置する面である背面13aと、復路ブロック14における往路ブロック13側に位置する面である背面14aとが、幅方向Xにおいて互いに対向している。往路ブロック13の背面13aと復路ブロック14の背面14aとは、互いに平行に形成されている。
また、レールブロック12は、左移動経路1Lや右移動経路1Rの延在方向に見た場合における断面形状が、往路ブロック13及び復路ブロック14を囲むように構成されて往路ブロック13が位置する側が開口側となるコ字状、或いは、U字状となる枠体構造を有している。
なお、本実施形態においては、1組の往路ブロック13と復路ブロック14とを、左移動経路1Lや右移動経路1Rの延在方向における長さがこれらの往路ブロック13や復路ブロック14と同じ長さのレールブロック12で囲むようにしているが、レールブロック12は、これ以外の構成であってもよい。レールブロック12は、例えば、長さが往路ブロック13や復路ブロック14の長さよりも短いレールブロック12を複数用いて、複数のレールブロック12の間隔を開けて、複数箇所で1組の往路ブロック13と復路ブロック14とを囲むようにしてもよい。
レールブロック12は、上部ベース12aと、下部ベース12bと、支持ベース12cと、を備えている。このうち、上部ベース12aは、レールブロック12における上部側の壁部を構成し、下部ベース12bは、レールブロック12における下部側の壁部を構成している。また、支持ベース12cは、レールブロック12の断面形状であるコ字状、或いは、U字状の閉塞側の壁部を構成しており、幅方向Xにおける搬送エリア1Aの中心が位置する側の反対側に位置し、重力方向Zに沿って形成されている。上部ベース12aは、重力方向Zにおける支持ベース12cの上端側に支持され、下部ベース12bは、重力方向Zにおける支持ベース12cの下端側に支持されている。
往路ブロック13及び復路ブロック14は、上部ベース12aと下部ベース12bとの間に配置されている。往路ブロック13は、上部ベース12a及び下部ベース12bの幅方向Xにおける支持ベース12cによって支持されている側の反対側の端部側において、上部ベース12aと下部ベース12bとの間に挟まれた状態で固定されている。往路ブロック13の固定方法は、例えば、往路ブロック13を上部ベース12a及び下部ベース12bに対してネジ止めする方法を適用することができる。
復路ブロック14は、位置調整構造によって、往路ブロック13に対する位置関係を調整可能に構成されている。位置調整構造は、上部スライダ15aと、下部スライダ15bと、支持スライダ15cと、を有している。このうち、上部スライダ15aは、重力方向Zにおける位置調整構造の上端部分を構成し、下部スライダ15bは、重力方向Zにおける位置調整構造の下端部分を構成しており、上部スライダ15aと下部スライダ15bとは、重力方向Zにおいて上下に一定に距離だけ離間させた状態において、互いに平行に対向させて配置されている。
また、支持スライダ15cは、上部スライダ15aや下部スライダ15bに対して、幅方向Xおけるレールブロック12の支持ベース12cが位置する側の端部側に位置しており、重力方向Zに沿って形成されている。上部スライダ15aは、重力方向Zにおいて支持スライダ15cの上端側に支持され、下部スライダ15bは、重力方向Zにおいて支持スライダ15cの下端側に支持されている。
上部スライダ15aは、重力方向Zにおける復路ブロック14の上側に取り付けられており、下部スライダ15bは、重力方向Zにおける復路ブロック14の下側に取り付けられている。上部スライダ15aと下部スライダ15bとにおける、復路ブロック14に取り付けられる側の端部側は、復路ブロック14に備えられるアーム部14pに取り付けられている。復路ブロック14のアーム部14pは、重力方向Zにおける復路ブロック14の両側2箇所に配設されており、2箇所のアーム部14pは、重力方向Zにおける復路ブロック14の背面14a上端付近、及び下端付近の位置から、幅方向Xにおける往路ブロック13が位置する方向の反対方向に平行に突出している。
復路ブロック14は、上部スライダ15aと下部スライダ15bとの間に挟まれた状態で、上部スライダ15aと下部スライダ15bとに固定されている。復路ブロック14の固定方法は、例えば、復路ブロック14を上部スライダ15a及び下部スライダ15bに対してネジ止めする方法を適用することができる。
復路ブロック14は、上部スライダ15a及び下部スライダ15bに固定された状態で、レールブロック12の上部ベース12aと下部ベース12bとの間に配置されている。その向きは、上部スライダ15aが重力方向Zにおいてレールブロック12の上部ベース12aに対向し、下部スライダ15bが重力方向Zにおいてレールブロック12の下部ベース12bに対向する向きで配置されている。また、支持スライダ15cは、上部スライダ15a及び下部スライダ15bに固定される復路ブロック14と、レールブロック12の支持ベース12cとの間に位置する。
位置調整構造は、上部スライダ15a及び下部スライダ15bに復路ブロック14を取り付けた状態で、レールブロック12に対して移動可能に構成されている。詳しくは、上部スライダ15aは、上部ベース12aにおける上部スライダ15aに対向する側の面である上部ガイド面12Gaに沿って、幅方向Xに移動可能に構成されている。また、下部スライダ15bは、下部ベース12bにおける下部スライダ15b側の面である下部ガイド面12Gbに沿って幅方向Xに移動可能に構成されている。
レールブロック12の上部ベース12aと下部ベース12bとの間における、幅方向Xにおいて支持ベース12cが位置する側の反対側の端部寄りには、往路ブロック13が配置され、支持ベース12c寄りには、上部スライダ15aと下部スライダ15bとに固定された復路ブロック14が配置されている。このため、レールブロック12の支持ベース12cと、支持スライダ15cとは、幅方向Xにおいて互いに平行に対向し、往路ブロック13の背面13aと、復路ブロック14の背面14aとも、幅方向Xにおいて平行に対向する。
復路ブロック14は、上部スライダ15a及び下部スライダ15bが、上部ガイド面12Gaや下部ガイド面12Gbに沿って幅方向Xに移動することにより、復路ブロック14も幅方向Xに移動可能になっている。これにより、往路ブロック13と復路ブロック14とは、双方の間の幅方向Xにおける位置関係を調整することが可能になっており、即ち、往路ブロック13と復路ブロック14との幅方向Xにおける間隔を調整することが可能になっている。
往路ブロック13及び復路ブロック14の構成について具体的に説明する。往路ブロック13における復路ブロック14が位置する側の面を背面13a、往路ブロック13における復路ブロック14が位置する側の反対側の面を正面13bとする場合に、往路ブロック13は、正面13bが、シート・フィルム延伸装置1によって延伸対象物5を搬送する際における延伸対象物5側に向けて配置されている。
また、往路ブロック13は、重力方向Zにおける往路ブロック13の両側2箇所に、アーム部13pを備えている。2箇所のアーム部13pは、重力方向Zにおける往路ブロック13の背面13a上端付近、及び下端付近の位置から、正面13b側に向けて突出している。
往路ブロック13に固定される上側レールエレメント10Eaは、2箇所のアーム部13pのうち、重力方向Zにおける上側のアーム部13pに取り付けられる。また、往路ブロック13に固定される下側レールエレメント10Ebは、2箇所のアーム部13pのうち、重力方向Zにおける下側のアーム部13pに取り付けられる。
復路ブロック14は、復路ブロック14における往路ブロック13が位置する側の面を背面14a、復路ブロック14における往路ブロック13が位置する側の反対側の面を正面14bとする場合に、復路ブロック14は、正面14bが、シート・フィルム延伸装置1によって延伸対象物5を搬送する際における延伸対象物5が位置する側の反対側に向けて配置されている。
復路ブロック14の重力方向Zにおける上下2箇所に備えられるアーム部14pは、復路ブロック14の背面14a側から正面14b側に向けて突出している。
復路ブロック14に固定される上側レールエレメント11Eaは、2箇所のアーム部14pのうち、重力方向Zにおける上側のアーム部14pに取り付けられる。復路ブロック14に固定される下側レールエレメント11Ebは、2箇所のアーム部14pのうち、重力方向Zにおける下側のアーム部14pに取り付けられる。
図5は、図2のf4線に沿う断面図であり、固定ブロック16によって往路ブロック13と復路ブロック14との間隔が一定の間隔となる位置での断面図である。なお、図4及び図5は、図2において符号12-P1で示された1つのレールブロック12の断面図になっている。予熱ゾーンZ2、延伸ゾーンZ3、熱処理ゾーンZ4では、往路ブロック13と復路ブロック14とは、双方の間の間隔が、固定ブロック16によって予め設定された間隔で配設されている。
レールブロック12-P1のように、往路ブロック13と復路ブロック14とが固定ブロック16によって予め設定された間隔で配設されたレールブロック12では、往路ブロック13の背面13aと復路ブロック14の背面14aとの間に、固定ブロック16(図4参照)が配置されて固定されている。レールブロック12-P1には、1つのレールブロック12-P1に、予め設定された個数の固定ブロック16が配置されている。固定ブロック16は、例えば、左移動経路1Lや右移動経路1Rに沿った方向におけるレールブロック12-P1の両端付近の2箇所(図2のf3線の位置)に配置されている。固定ブロック16は、複数のボルト17によって、往路ブロック13の背面13a、及び復路ブロック14の背面14aに固定されている。
なお、固定ブロック16の大きさや形状は、例えば、往路ブロック13と復路ブロック14との間の間隔、或いは、往路ブロック13及び復路ブロック14の大きさや形状等に応じて、適宜設定される。また、固定ブロック16の材質としては、例えば、弾性変形し難い高剛性の金属材料を適用することが好ましい。
固定ブロック16は、往路ブロック13や復路ブロック14の重力方向Zにおける中央部分付近に固定される。具体的には、固定ブロック16は、上側基準レール10a,11aと、下側基準レール10b,11bとの相互間の重力方向Zにおける距離を2等分した位置で、往路ブロック13や復路ブロック14に固定するのが好ましい。
固定ブロック16によって、予め設定された間隔で配設される往路ブロック13と復路ブロック14とは、往路ブロック13や復路ブロック14の重力方向Zにおける中央部分付近の双方に、固定ブロック16が固定されるため、常に安定して一定の位置関係で配設される。また、往路ブロック13は、レールブロック12の上部ベース12aと下部ベース12bとに固定されている。往路ブロック13の固定方法としては、例えば、往路ブロック13を上部ベース12aや下部ベース12bに対してネジ止めする方法を適用することができる。
図6は、図2のf5線に沿う断面図であり、間隔調整機構27が配置された位置での断面図である。図7は、図2のf6線に沿う断面図であり、間隔調整機構27によって往路ブロック13と復路ブロック14との間隔が一定の間隔となる位置での断面図である。なお、図6及び図7は、図2において符号12-P2で示された1つのレールブロック12の断面図になっている。弛緩ゾーンZ5、冷却ゾーンZ6、及び出口側リターンゾーンZ7の一部の範囲27b-Z(図2参照)では、往路ブロック13と復路ブロック14とは、双方の間の間隔を、間隔調整機構27によって調整可能になっている。
レールブロック12-P2のように、往路ブロック13と復路ブロック14とが、間隔調整機構27によって予め設定された間隔で配置されたレールブロック12では、往路ブロック13と復路ブロック14との間に、間隔調整機構27を構成する調整ブロック27a(図6参照)が配置されている。調整ブロック27aが配置されるレールブロック12-P2には、1つのレールブロック12-P2に、予め設定された個数の調整ブロック27aが配置されている。調整ブロック27aは、例えば、左移動経路1Lや右移動経路1Rに沿った方向におけるレールブロック12-P2の両端付近の2箇所(図2のf5線の位置)に配置されている。調整ブロック27aは、複数のボルト28によって、復路ブロック14の背面14aに固定されている。
また、往路ブロック13における、復路ブロック14に固定される調整ブロック27aに対向する位置には、間隔調整機構27を構成する調整通路27dが形成されている。調整通路27dは、往路ブロック13を幅方向Xに貫通する孔として形成されており、調整ブロック27aを挿通可能になっている。復路ブロック14に固定される調整ブロック27aは、往路ブロック13に形成される調整通路27dに入り込んでいる。
レールブロック12-P2における、幅方向Xにおいて支持ベース12cが位置する側には、間隔調整機構27を構成する調整ネジ27eが配設されている。支持ベース12cには、調整ネジ27eに形成されたネジ部と螺合するネジ孔が形成されており、調整ネジ27eは、支持ベース12cに形成されたネジ孔にネジ部が螺合することにより、支持ベース12cを幅方向Xに貫通して支持ベース12cに支持されている。また、支持スライダ15cには軸受29が取り付けられており、調整ネジ27eの先端側は、当該軸受29を介して支持スライダ15cに連結されている。これにより、調整ネジ27eは、支持スライダ15cに対して回動自在に連結されている。一方、調整ネジ27eにおける反対側の端部、即ち、調整ネジ27eの基端側は、オーブン30の外側に位置している(図2参照)。調整ネジ27eは、このように一部がオーブン30の外側に位置しており、オーブン30の外側から操作可能になっている。
<クリップチェーン8,9>
シート・フィルム延伸装置1は、左移動経路1Lや右移動経路1Rに沿って移動可能な無端状のクリップチェーン8,9を有している。クリップチェーン8,9は、互いに同一の構成を有している。左移動経路1L側のクリップチェーン8と、右移動経路1R側のクリップチェーン9とは、互いに同一の構成を有している。
クリップチェーン8,9は、延伸対象物5を把持する複数の把持機構18と、複数のジョイント機構19と、複数の移動機構20と、を備えている(図3参照)。クリップチェーン8,9は、把持機構18とジョイント機構19とを1つずつ交互に無端状に連結させて構成されている。さらに、複数の移動機構20は、把持機構18に1つずつ搭載されている。移動機構20は、把持機構18を往路レールユニット10及び復路レールユニット11に沿って移動させることが可能に構成されている。
左移動経路1Lの往路2及び右移動経路1Rの往路2(図2参照)は、把持機構18で把持する延伸対象物5を搬送する際の搬送方向Yにおける上流側から下流側に、把持機構18を移動させる経路になっている。左移動経路1Lの復路3及び右移動経路1Rの復路3は、搬送方向Yにおける下流側から上流側に、把持機構18を移動させる経路になっている(図2参照)。
<把持機構18>
把持機構18は、把持本体18aと、クリップ18pと、を備えている(図3参照)。把持本体18aは、延伸対象物5の幅方向Xにおける両縁部を支持可能な部分である支持面18Sa(図4参照)を備えている。支持面18Saは、凹凸の無い平坦面状に構成されている。支持面18Saは、クリップチェーン8,9が、左移動経路1Lや右移動経路1Rに沿って移動する状態において、全ての把持本体18aの支持面18Saが、第1方向X及び第2方向Yに沿った同一の水平面上に位置している。
また、クリップ18pは、把持本体18aに対して回動可能に把持本体18aに支持されている(図4参照)。把持本体18aにおけるクリップ18pを支持している部分は、重力方向における支持面18Saの上方に位置しており、把持本体18aは、回動軸の方向が左移動経路1Lや右移動経路1Rに沿った方向になる形態で、クリップ18pを回動可能に支持している。把持本体18aに支持されるクリップ18pは、支持面18Sa側に位置する回動先端に、把持面18Spを有している。把持面18Spは、幅方向Xにおいて把持本体18aから離れた位置よりも、把持本体18a寄りの位置の方が、回動軸からの距離が大きくなって形成されている。クリップ18pは、把持面18Spと支持面18Saとの間に延伸対象物5を挟持することにより、延伸対象物5の両縁部を把持することが可能になっている。
また、把持本体18aは、把持機構18の移動方向に把持本体18aを見た場合における断面形状が、幅方向Xにおいて支持面18Saが位置する側が閉塞側になり、支持面18Saが位置する側の反対側が開口側となるコ字状の形状で形成されている。把持本体18aの重力方向Zにおける幅は、往路レールユニット10の上側走行面10Taと下側走行面10Tbとの距離や、復路レールユニット11の上側走行面11Taと下側走行面11Tbとの距離よりも、僅かに小さくなっている。
また、把持機構18において、把持本体18aの支持面18Saは、移動機構20や、往路レールユニット10及び復路レールユニット11における重力方向Zの上下両側に対称な構造を、重力方向Zにおいて2等分した位置に設定される。具体的には、把持機構18において、把持本体18aの支持面18Saは、重力方向Zにおける上側基準レール10a,11aと下側基準レール10b,11bとの中央となる位置に位置付けられている。
<ジョイント機構19>
ジョイント機構19は、搬送方向Y、或いは、クリップチェーン8,9の移動方向に沿って隣り合う2つの把持機構18同士の間に配置されている(図3参照)。即ち、複数の把持機構18と複数のジョイント機構19とは、1つずつ交互に無端状に連結されており、隣り合う2つの把持機構18同士は、ジョイント機構19を介して連結されている。ジョイント機構19は、隣り合う把持機構18同士の間隔を調整する機能を有している。ここで、説明の都合上、搬送方向Yに沿って隣り合う2つの把持機構18のうち、一方の把持機構18を第1把持機構18-1とし、他方の把持機構18を第2把持機構18-2として説明する。
ジョイント機構19は、第1継手部材19-1と、第2継手部材19-2と、を備えている。この場合、第1継手部材19-1及び第2継手部材19-2の重心は、例えば、把持本体18aの支持面18Saに一致した位置に設定されている。なお、第1継手部材19-1及び第2継手部材19-2の重心とは、第1継手部材19-1や第2継手部材19-2を、重力方向Zに沿って2等分した位置として設定される。
第1継手部材19-1は、所定の長さを有する部材になっており、長さ方向における一端が、重力方向Zに延びる第1枢軸部21を介して、第1把持機構18-1の把持本体18aに回動自在に連結されている。詳しくは、第1継手部材19-1は、把持機構18の移動方向に把持本体18aを見た場合における断面形状がコ字状の形状で形成される把持本体18aの内側部分に配置され、把持本体18aに回動自在に連結されている。即ち、第1継手部材19-1は、重力方向Zにおける把持本体18aの中央付近に位置しており、把持本体18aに連結される部分の重力方向Zにおける両側が、把持本体18aによって囲われた状態で配置されている。また、第1継手部材19-1の長さ方向における他端は、重力方向Zに延びる中継軸部22を介して、第2継手部材19-2に回動自在に連結されている。
第2継手部材19-2は、所定の長さを有する第2継手本体部19-3と、突出部23と、を有している。第2継手部材19-2が有する第2継手本体部19-3の一端は、重力方向Zに延びる第2枢軸部24を介して、第2把持機構18-2の把持本体18aに回動自在に連結されている。詳しくは、第2継手部材19-2は、把持機構18の移動方向に把持本体18aを見た場合における断面形状がコ字状の形状で形成される把持本体18aの内側部分に配置され、把持本体18aに回動自在に連結されている。即ち、第2継手部材19-2は、重力方向Zにおける把持本体18aの中央付近に位置しており、把持本体18aに連結される部分の重力方向Zにおける両側が、把持本体18aによって囲われた状態で配置されている。また、第2継手部材19-2が有する第2継手本体部19-3の他端は、中継軸部22を介して、第1継手部材19-1に回動自在に連結されている。
また、突出部23は、第2継手本体部19-3における、第2枢軸部24を介して第2把持機構18-2に連結される側の端部から、幅方向Xにおいてクリップ18pが位置する側の反対側に突出しており、第2継手本体部19-3と一体となって構成されている。詳しくは、突出部23は、第2継手本体部19-3における第2把持機構18-2に連結される側の端部から、幅方向Xにおいてクリップ18pが位置する側の反対側に突出し、さらに、第1把持機構18-1が位置する方向に湾曲して形成されている。突出部23における、第2継手本体部19-3が位置する側の端部の反対側の端部には、間隔調整機構27を構成する調整ベアリング27cが回転自在に取り付けられている。調整ベアリング27cは、回転軸が重力方向Zに沿った方向になる向きで突出部23に取り付けられており、外周面である回転面が、突出部23からはみ出した状態で回転可能に構成されている。
ジョイント機構19は、第1枢軸部21を介して第1継手部材19-1が第1把持機構18-1に回動自在に連結され、第2枢軸部24を介して第2継手部材19-2が第2把持機構18-2に回動自在に連結され、第1継手部材19-1と第2継手部材19-2とが、中継軸部22を介して相対的に回動自在に連結されている。このため、第1把持機構18-1と第2把持機構18-2とは、ジョイント機構19の第1継手部材19-1と第2継手部材19-2とが第1把持機構18-1や第2把持機構18-2に対して回動し、第1継手部材19-1と第2継手部材19-2とが相対的に回動することにより、第1把持機構18-1と第2把持機構18-2の間隔が変化することができるようになっている。つまり、ジョイント機構19は、搬送方向Yに隣り合う2つの把持機構18同士の間隔を変化させることができるように、隣り合う2つの把持機構18を連結している。
なお、第2把持機構18-2の突出部23に取り付けられる調整ベアリング27cの重心と、第1継手部材19-1及び第2継手部材19-2の重心とは、重力方向Zにおいて、互いに同一平面上に設定されている。調整ベアリング27cの重心とは、調整ベアリング27cを、重力方向Zに沿って2等分した位置と、調整ベアリング27cの回転中心との交点として規定される。
<移動機構20>
移動機構20は、重力方向Zにおける把持機構18の上側と下側との双方に配置される走行ユニット25及び転動ユニット26を有している(図3参照)。移動機構20は、把持機構18に1つずつ搭載されている。移動機構20は、重力方向Zにおいて上下両側に対称な構造を有して構成されており、把持機構18を、左移動経路1Lや右移動経路1Rに沿って移動させることが可能になっている。移動機構20は、往路レールユニット10や復路レールユニット11に沿って移動する際に、重力方向Zに拘束されつつ、幅方向Xにも拘束される。これにより、移動機構20は、移動機構20を搭載する把持機構18の移動姿勢を、一定に維持することができる。
具体的に説明すると、移動機構20が有する走行ユニット25及び転動ユニット26は、重力方向Zにおける把持機構18の上側と下側との双方に配置されるため、移動機構20は、重力方向Zにおける位置が、隣り合う把持機構18同士を連結するジョイント機構19の両側に位置している(図4参照)。換言すると、ジョイント機構19は、重力方向Zにおける位置が、重力方向Zにおいて把持機構18の上側に位置する移動機構20と把持機構18の下側に位置する移動機構20との間に位置している。走行ユニット25と転動ユニット26とは、往路レールユニット10の上側基準レール10a及び下側基準レール10bや、復路レールユニット11の上側基準レール11a及び下側基準レール11bに沿って転がりながら移動可能になっている。
走行ユニット25が有する上側走行ベアリング25aは、把持機構18の移動方向に把持本体18aを見た場合における断面形状がコ字状の形状で形成される把持本体18aの、重力方向Zにおける上側の壁部に配置されている。また、走行ユニット25が有する下側走行ベアリング25bは、把持本体18aの、重力方向Zにおける下側の壁部に配置されている。これらの上側走行ベアリング25aと下側走行ベアリング25bとは、いずれも回転軸が、把持機構18の移動方向と重力方向Zとの双方に直交する方向に延びる向きで配置されている。
上側走行ベアリング25aは、往路レールユニット10の上側走行面10Taや復路レールユニット11の上側走行面11Taに対して下側から接触し、転がりながら移動可能に構成されている。下側走行ベアリング25bは、往路レールユニット10の下側走行面10Tbや復路レールユニット11の下側走行面11Tbに対して上側から接触し、転がりながら移動可能に構成されている。これにより、走行ユニット25は、重力方向Zに拘束されつつ、往路レールユニット10及び復路レールユニット11に沿って移動することが可能になっている。
転動ユニット26が有する上側転動ベアリング26aは、重力方向Zにおける把持本体18aの上面側に配置され、下側転動ベアリング26bは、重力方向Zにおける把持本体18aの下面側に配置されている。これらの上側転動ベアリング26aと下側転動ベアリング26bとは、いずれも回転軸が重力方向Zに延びる向きで配置されている。上側転動ベアリング26aは、往路レールユニット10の上側転動面10Raや復路レールユニット11の上側転動面11Raに対して、水平方向における側方から接触し、上側転動面10Ra,11Raに沿って転がりながら移動可能に構成されている。下側転動ベアリング26bは、往路レールユニット10の下側転動面10Rbや復路レールユニット11の下側転動面11Rbに対して、水平方向における側方から接触し、下側転動面10Rb,11Rbに沿って転がりながら移動可能に構成されている。
具体的には、上側転動ベアリング26aは、1つの把持本体18aに4つが配置されており、4つの上側転動ベアリング26aは、上側基準レール10a,11aの厚さ方向における両側に配置されている。4つの上側転動ベアリング26aは、上側基準レール10a,11aの厚さ方向における両側に、2つずつが配置されており、二対の上側転動ベアリング26aで、上側基準レール10a,11aを厚さ方向に挟み込む位置関係で配置されている。
把持本体18aの下面に配置される下側転動ベアリング26bも同様に、1つの把持本体18aに4つが配置されており、4つの下側転動ベアリング26bは。下側基準レール10b,11bの厚さ方向における両側に配置されている。4つの下側転動ベアリング26bは、下側基準レール10b,11bの厚さ方向における両側に、2つずつが配置されており、二対の下側転動ベアリング26bで、下側基準レール10b,11bを厚さ方向に挟み込む位置関係で配置されている。
4つの上側転動ベアリング26aは、上側転動面10Ra,11Raを、上側基準レール10a,11aの厚さ方向における両側から挟んだ状態で転がりながら移動可能になっている。4つの下側転動ベアリング26bは、下側転動面10Rb,11Rbを、下側基準レール10b,11bの厚さ方向における両側から挟んだ状態で転がりながら移動可能になっている。これにより、転動ユニット26は、上側基準レール10a,11aや下側基準レール10b,11bの厚さ方向、即ち、幅方向Xに拘束されつつ、往路レールユニット10及び復路レールユニット11に沿って移動することが可能になっている。
<離間力付与部40>
把持機構18には、隣り合う把持機構18同士が互いに離れる方向の力を把持機構18に対して付与する離間力付与部40が取り付けられている(図3参照)。離間力付与部40は、隣り合う把持機構18同士が互いに離れる方向の力である離間力を弾性力によって発生する圧縮ばね41と、圧縮ばね41を把持機構18の把持本体18aに取り付ける固定ボルト42と、と有している。このうち、圧縮ばね41は、隣り合う把持機構18同士の間に位置しており、長さ方向における両端が、隣り合う把持機構18のそれぞれの把持機構18の把持本体18aに固定ボルト42によって取り付けられている。詳しくは、把持本体18aには、左移動経路1Lや右移動経路1Rに沿った方向に面する側面に、開口部の大きさが圧縮ばね41の直径よりも大きく、圧縮ばね41の端部が入り込むことが可能な有底の孔が形成されている。
また、把持本体18aには、重力方向Zに沿った面、例えば、重力方向Zにおける上面に、圧縮ばね41の端部が入り込む孔と交差し、固定ボルト42と螺合することが可能なネジ孔が形成されている。圧縮ばね41は、長さ方向が左移動経路1Lや右移動経路1Rに沿った向きで配置され、長さ方向における両端を、把持本体18aに形成される圧縮ばね41用の孔に入り込ませる。さらに、この孔と交差するネジ孔に固定ボルト42に螺合させて、圧縮ばね41に固定ボルト42を押し付けることにより、圧縮ばね41を把持本体18aに固定する。
隣り合う2つの把持機構18は、把持機構18同士の間隔がジョイント機構19によって変化することができるように連結しているが、圧縮ばね41は、隣り合う把持機構18の間隔が最も大きくなる状態において、長さ方向における長さが自由長となる状態か、或いは、僅かに圧縮された状態で取り付けられる。この圧縮ばね41は、長さ方向に圧縮された際における反力を、隣り合う2つの把持機構18の双方に対して付与することにより、隣り合う把持機構18同士が互いに離れる方向の力を、把持機構18に対して付与する。また、圧縮ばね41は、重力方向Zにおける位置が、ジョイント機構19が有する第1継手部材19-1や第2継手部材19-2の重力方向Zにおける位置とは異なる位置に配置されている。
<間隔調整機構27>
間隔調整機構27は、隣り合う把持機構18同士の間隔を調整することが可能になっており、範囲27b-Z(図2参照)に亘って設けられている。この範囲27b-Zは、弛緩ゾーンZ5から、少なくとも把持解除点18p-OFFまでの範囲に設定される。把持解除点18p-OFFは、把持機構18によって延伸対象物5を把持しながら搬送方向Yに搬送する際における把持機構18での把持を解除する位置になっている。シート・フィルム延伸装置1での延伸対象物5の搬送時には、当該範囲27b-Zでは、幅方向Xに沿った延伸対象物5の収縮に追従させる横方向弛緩処理と、搬送方向Yに沿った延伸対象物5の収縮に追従させる縦方向弛緩処理とが行われる。間隔調整機構27は、これらの処理のうちの縦方向弛緩処理に供される。間隔調整機構27は、往路2において搬送方向Yに隣り合う把持機構18同士の間隔を調整することにより、縦方向弛緩処理を行う。
間隔調整機構27は、調整ブロック27aと、調整レール27bと、調整ベアリング27cと、調整通路27dと、調整ネジ27eと、を有している(図6参照)。この場合、間隔調整機構27を構成する各構成部材は、重力方向Zにおける位置が、往路レールユニット10、復路レールユニット11、及び移動機構20の重力方向Z方向における中間の部分とほぼ同じ位置に配置されている。
間隔調整機構27を構成する調整ブロック27aの重心、調整レール27bの重心、調整ベアリング27cの重心、調整通路27dの重心、調整ネジ27eの回転中心は、重力方向Zにおいて、互いに同一平面上に設定されている。ここで、調整ブロック27aの重心、調整レール27bの重心、調整ベアリング27cの重心、調整通路27dの重心は、例えば、これらの構成要素を、重力方向Zに沿って2等分した位置として規定される。
調整ブロック27aは、上述したように、予め設定された個数の調整ブロック27aが、複数のボルト28によって復路ブロック14の背面14aに固定されている。
調整レール27bは、位置決めブロック31に設けられている。位置決めブロック31は、調整ブロック27aにおける、幅方向Xにおいて復路ブロック14に固定される側の反対側に支持されている。調整レール27bは、調整ブロック27aに支持される位置決めブロック31に対して、ジョイント機構19の第2継手部材19-2に取り付けられる調整ベアリング27cに対向させるように配置されている。即ち、調整レール27bは、位置決めブロック31における、幅方向Xにおいて調整ブロック27aに支持される側の反対側に配置されており、調整ベアリング27cに接触することができるように配置されている。また、調整レール27bは、重力方向Zにおける幅が、重力方向Zにおける調整ベアリング27cの厚さよりも大きくなっている。これらにより、調整レール27bは、ジョイント機構19の第2継手部材19-2に取り付けられる調整ベアリング27cに対して、幅方向Xにおいて把持機構18の支持面18Saやクリップ18pが位置する方向への押圧力を作用させることが可能になっている。
調整通路27dは、往路ブロック13における、復路ブロック14に固定される調整ブロック27aや位置決めブロック31に対向する位置に、往路ブロック13を幅方向Xに貫通する孔として形成されている。調整通路27dは、調整ブロック27aのみでなく、位置決めブロック31も挿通可能に構成されており、調整ブロック27aや位置決めブロック31は、往路ブロック13に形成される調整通路27dに入り込んでいる。
調整ネジ27eは、上述したように、支持ベース12cに形成されたネジ孔にネジ部が螺合することにより支持ベース12cに支持されており、先端側が、支持スライダ15cに取り付けられた軸受29を介して支持スライダ15cに連結されている。また、調整ネジ27eにおける支持スライダ15cに連結されている側の端部の反対側の端部は、オーブン30の外側に位置している。このように構成される調整ネジ27eは、隣り合う把持機構18同士の間隔を間隔調整機構27によって調整する際に操作をする間隔調整部材として設けられている。
<シート・フィルム延伸装置1の動作>
本実施形態に係るシート・フィルム延伸装置1は、以上のような構成からなり、以下、その動作について説明する。シートやフィルム等の薄膜状の延伸対象物5を、シート・フィルム延伸装置1で延伸させる際には、縦延伸部107(図1参照)側から搬送される延伸対象物5を、入口側リターンゾーンZ1側から搬送エリア1Aに位置させる(図2参照)。その際に、延伸対象物5は、延伸対象物5の長手方向がシート・フィルム延伸装置1の第2方向Yになり、延伸対象物5の長手方向と厚さ方向との双方に直交する幅方向がシート・フィルム延伸装置1の第1方向Xになる向きで、搬送エリア1Aに位置させる。
なお、左レール構造体4Lや右レール構造体4Rを構成するレールブロック12は、往路レールユニット10が有する上側基準レール10aと下側基準レール10bとの幅方向における位置が、延伸対象物5の幅に応じた位置になるように、幅方向Xにおける位置が調整される。
シート・フィルム延伸装置1の前工程で用いる縦延伸部107等の装置から、搬送エリア1Aにおける入口側リターンゾーンZ1に送り込まれた延伸対象物5は、往路2における把持開始点18p-ONで、幅方向Xにおける両縁部が順次、把持機構18で把持される。ここでいう把持開始点18p-ONは、クリップチェーン8,9を構成する把持機構18によって延伸対象物5を把持しながら、延伸対象物5を入口側リターンゾーンZ1側から出口側リターンゾーンZ7側に向けて搬送する際に、把持機構18による延伸対象物5の把持を開始する位置になっている。
把持機構18によって延伸対象物5の両縁部を把持する際には、把持本体18aに回動可能に支持されているクリップ18pを回動させる(図4参照)。詳しくは、延伸対象物5は、クリップ18pの把持面18Spが、把持本体18aの支持面18Saから離れている状態で支持面18Sa上に延伸対象物5の縁部付近を位置させる。この状態で、クリップ18pの把持面18Spが把持本体18aの支持面18Saに近付く方向にクリップ18pを回動させる。これにより、クリップ18pの把持面18Spと把持本体18aの支持面18Saとは、延伸対象物5に対して厚さ方向における両側から圧接する。このため、延伸対象物5は、幅方向Xにおける両縁部付近が、クリップ18pの把持面18Spと把持本体18aの支持面18Saとに挟持され、延伸対象物5は、幅方向Xにおける両縁部付近が把持機構18によって把持される。
延伸対象物5の搬送は、クリップチェーン8,9を構成する把持機構18によって延伸対象物5を把持している状態で、左移動経路1L側に配置される出口側スプロケット7に対して駆動力を付与するモータと、右移動経路1R側に配置される出口側スプロケット7に対して駆動力を付与するモータとを駆動させる(図2参照)。これにより、左移動経路1Lに設けられるクリップチェーン8は、出口側スプロケット7から伝達される駆動力によって左移動経路1Lを循環し、右移動経路1Rに設けられるクリップチェーン9は、出口側スプロケット7から伝達される駆動力によって右移動経路1Rを循環する。
クリップチェーン8,9の循環方向は、左移動経路1Lや右移動経路1Rの往路2では、クリップチェーン8,9が入口側リターンゾーンZ1側から出口側リターンゾーンZ7側に向かって移動し、左移動経路1Lや右移動経路1Rの復路3では、クリップチェーン8,9が出口側リターンゾーンZ7側から入口側リターンゾーンZ1側に向かって移動する方向になっている。延伸対象物5は、左移動経路1Lや右移動経路1Rの往路2の位置で、幅方向Xにおける両縁部が把持機構18に把持されるため、クリップチェーン8,9が循環することにより、延伸対象物5は、往路2に位置するクリップチェーン8,9によって、往路2におけるクリップチェーン8,9の移動方向に移動する。このため、延伸対象物5は、搬送エリア1Aを搬送方向Yにおける入口側リターンゾーンZ1側から出口側リターンゾーンZ7側に向かって移動する。即ち、延伸対象物5は、幅方向Xにおける両縁部を把持する把持機構18を有するクリップチェーン8,9によって、搬送方向Yにおける入口側リターンゾーンZ1側から出口側リターンゾーンZ7側に搬送される。
搬送エリア1Aで搬送される延伸対象物5は、入口側リターンゾーンZ1から、予熱ゾーンZ2、延伸ゾーンZ3、熱処理ゾーンZ4、弛緩ゾーンZ5、冷却ゾーンZ6、出口側リターンゾーンZ7の順で各ゾーンを通って搬送される。延伸対象物5は、このように各ゾーンを通って搬送される間に、加熱されながら幅方向Xに延伸される。これにより、延伸対象物5は、出口側リターンゾーンZ7まで搬送され、出口側リターンゾーンZ7から送り出される際には、延伸済みの延伸対象物5が送り出される。
具体的には、搬送エリア1Aを搬送方向Yに搬送される延伸対象物5は、まず、入口側リターンゾーンZ1から予熱ゾーンZ2に搬送される。予熱ゾーンZ2では、延伸対象物5を延伸可能な温度にオーブン30によって予熱するが、延伸対象物5の延伸は行われない。また、予熱ゾーンZ2においては、加熱保温室T1、T2,T3が割り振られており、オーブン30によって延伸対象物5の予熱を行う際の温度制御は、加熱保温室T1、T2,T3ごとに行う。
予熱ゾーンZ2で予熱された延伸対象物5は、予熱ゾーンZ2から延伸ゾーンZ3に搬送される。延伸ゾーンZ3では、幅方向Xにおける延伸対象物5の両側に位置する往路2同士の間隔が、予熱ゾーンZ2側から熱処理ゾーンZ4側に向かうに従って大きくなっているため、延伸ゾーンZ3を搬送される延伸対象物5は、予熱ゾーンZ2側から熱処理ゾーンZ4側に向かう従って、幅方向Xにおける幅が大きくなる方向に延伸される。また、延伸ゾーンZ3には、加熱保温室T4、T5が割り振られており、加熱保温室T4、T5ごとに、延伸対象物5の延伸に適した温度にオーブン30の温度制御を行う。
延伸ゾーンZ3で幅方向Xに延伸された延伸対象物5は、延伸ゾーンZ3から熱処理ゾーンZ4に搬送される。熱処理ゾーンZ4では、幅方向Xにおける延伸対象物5の両側に位置する往路2同士の間隔が一定の間隔になっている。熱処理ゾーンZ4では、幅方向Xにおける間隔が一定となる往路2に沿って延伸対象物5を搬送しつつ、延伸対象物5を一定の温度で保温する。熱処理ゾーンZ4には、加熱保温室T6、T7が割り振られており、加熱保温室T6、T7ごとに、延伸対象物5の保温に適した温度にオーブン30の温度制御を行う。
熱処理ゾーンZ4で保温された延伸対象物5は、熱処理ゾーンZ4から弛緩ゾーンZ5に搬送される。弛緩ゾーンZ5は、延伸対象物5の収縮、例えば、熱収縮や延伸処理後の残留応力の解消による収縮(以下、収縮と言う)に追従するように、把持機構18による延伸対象物5の拘束状態が緩められるゾーンになっている。これを実現するために、弛緩ゾーンZ5では、幅方向Xにおける延伸対象物5の両側に位置する往路2同士の間隔が、熱処理ゾーンZ4側から冷却ゾーンZ6側に向かうに従って小さくなっている。これにより、弛緩ゾーンZ5では、把持機構18による延伸対象物5の幅方向Xの拘束が緩められる。さらに、弛緩ゾーンZ5では、隣り合う把持機構18同士の間隔を間隔調整機構27によって小さくすることにより、延伸対象物5の搬送方向Yの拘束も緩められる。つまり、弛緩ゾーンZ5では、延伸対象物5が収縮した際に延伸対象物5に生じる幅方向Xの引っ張り力の増加と、搬送方向Yの引っ張り力の増加を抑えるように、双方向の拘束が緩められる。
ここで、隣り合う把持機構18同士の間隔を間隔調整機構27(図6参照)によって調節する手法について説明する。把持機構18同士の間隔を間隔調整機構27によって調節する際には、間隔調整機構27を構成する調整ネジ27eを回転させることにより行う。例えば、調整ネジ27eを一方向に正回転させると、調整ネジ27eは、支持スライダ15cに対して軸受29を介して回動自在に連結されている側の端部である先端が位置する側に調整ネジ27e全体が移動する方向に、幅方向Xに沿って移動する。なお、以下の説明では、調整ネジ27eが、先端が位置する方向に移動する運動を、前進運動とし、調整ネジ27eが、基端が位置する方向に移動する運動を、後退運動として説明する。
調整ネジ27eを正回転させることにより、調整ネジ27eが前進運動をすると、調整ネジ27eの前進運動は、調整ネジ27eが連結される支持スライダ15cに伝わり、支持スライダ15cから上部スライダ15a及び下部スライダ15bに伝わる。これにより、上部スライダ15aや下部スライダ15bが、調整ネジ27eに追従して調整ネジ27eの移動方向と同じ方向に移動し、これに伴い、上部スライダ15aや下部スライダ15bが取り付けられる復路ブロック14が、往路ブロック13が位置する側に向かって移動する。復路ブロック14には、調整ブロック27aが固定されているため、復路ブロック14が移動する際には、調整ブロック27aも一体となって復路ブロック14と共に移動する。調整ネジ27eを正回転させることにより、復路ブロック14と共に調整ブロック27aを予め設定された距離だけ移動させたら、調整ネジ27eの回転を停止させる。
調整ブロック27aが、往路ブロック13が位置する側に向かって移動した場合、調整ブロック27aに支持される位置決めブロック31、及び位置決めブロック31に設けられる調整レール27bも、往路ブロック13が位置する側に向かって移動する。調整レール27bは、重力方向Zにおける重心の位置が、ジョイント機構19の第2継手部材19-2に取り付けられる調整ベアリング27cの重力方向Zにおける重心の位置と同じ位置になっている。このため、調整レール27bが、往路ブロック13が位置する側に向かって移動した場合には、調整レール27bは、調整ベアリング27cに接触する。
図8は、図6に示すクリップチェーン8,9の平面図であり、調整ベアリング27cに調整レール27bが接触している状態を示す説明図である。調整レール27bが調整ベアリング27cに接触すると、調整レール27bから調整ベアリング27cに押圧力が作用する。調整レール27bから調整ベアリング27cに作用する押圧力は、調整ベアリング27cに対して、幅方向Xにおいて、当該調整ベアリング27cが取り付けられるジョイント機構19が連結される把持機構18が有するクリップ18pが位置する側に調整ベアリング27cを移動させる力として作用する。調整ベアリング27cに対して、幅方向Xにおいてクリップ18pが位置する側への力が作用した場合、調整ベアリング27cが取り付けられるジョイント機構19-1の第2継手部材19-2は、第2枢軸部24を中心として回動する。これにより、第2継手部材19-2は、第2継手本体部19-3における中継軸部22が位置する側の端部が幅方向Xにおいてクリップ18pが位置する側に移動する方向に、第2継手部材19-2全体が回動する。
第2継手部材19-2の回動により、中継軸部22が幅方向Xにおけるクリップ18pが位置する側に移動すると、中継軸部22を介して第2継手部材19-2に連結される第1継手部材19-1も、第1枢軸部21を中心として第1継手部材19-1全体が回動する。このため、ジョイント機構19は、第1継手部材19-1と、第2継手部材19-2の第2継手本体部19-3とが、中継軸部22が幅方向Xにおいてクリップ18pが位置する側に移動する方向に、中継軸部22を中心として折れ曲がる。
中継軸部22を中心として第1継手部材19-1と第2継手部材19-2とが折れ曲がると、第1継手部材19-1を第1把持機構18-1に連結する第1枢軸部21と、第2継手部材19-2を第2把持機構18-2に連結する第2枢軸部24とが互いに接近し、第1枢軸部21と第2枢軸部24との距離が小さくなる。これにより、第1枢軸部21と第2枢軸部24とを介してジョイント機構19に連結される第1把持機構18-1と第2把持機構18-2との距離も小さくなる。即ち、隣り合う2つの把持機構18同士の間隔が小さくなる。
なお、隣り合う把持機構18同士の間には、離間力付与部40を構成する圧縮ばね41が配置されているが、圧縮ばね41は、弾力性を有するため、隣り合う把持機構18同士の間隔が変化する場合でも、圧縮ばね41は、その変化に追従することができる。
これに対し、調整ネジ27eを他方向に逆回転させると、調整ネジ27eは後退運動をする。調整ネジ27eが後退運動をすると、調整ネジ27eが前進運動する場合と同様に、調整ネジ27eの運動は、支持スライダ15c、上部スライダ15aや下部スライダ15bを介して、復路ブロック14に伝わる。調整ネジ27eの後退運動は、調整ネジ27eが往路ブロック13から幅方向Xに離間する方向への移動であるため、調整ネジ27eの後退運動が伝わった復路ブロック14は、往路ブロック13から離れる方向に移動する。これにより、復路ブロック14に固定されている調整ブロック27a、及び調整ブロック27aに支持される位置決めブロック31と調整レール27bも、往路ブロック13から離れる方向に移動する。調整ネジ27eを逆回転させることにより、復路ブロック14や調整ブロック27aを、予め設定された距離だけ移動させたら、調整ネジ27eの回転を停止させる。
調整ネジ27eの後退運動により、幅方向Xにおいて往路ブロック13から離れる方向に調整レール27bが移動すると、調整レール27bは、調整ベアリング27cに対して、接触しない非接触状態、または接触圧が弱まった弱接触状態になる。調整レール27bが、調整ベアリング27cに対して非接触状態になると、調整ベアリング27cには、調整レール27bからの押圧力が作用しなくなる。
クリップチェーン8,9における往路2に位置する部分には、出口側スプロケット7に付与される駆動力により、入口側リターンゾーンZ1側から出口側リターンゾーンZ7側に引っ張られる方向の張力が作用する。このため、調整ベアリング27cに対して押圧力が作用しない場合は、ジョイント機構19の第1継手部材19-1と第2継手部材19-2は、この張力により、第1枢軸部21と第2枢軸部24とが搬送方向Yに離間し、第1枢軸部21と第2枢軸部24と中継軸部22とが直線上に位置する状態になる(図3参照)。換言すると、第1継手部材19-1と、第2継手部材19-2の第2継手本体部19-3とが、展開した状態になる。これにより、第1枢軸部21と第2枢軸部24とを介してジョイント機構19に連結される第1把持機構18-1と第2把持機構18-2との距離も大きくなる。このように、出口側スプロケット7に付与される駆動力によって、隣り合う把持機構18同士の間隔が大きくなる方向への張力が付与され、調整ベアリング27cに対して調整レール27bからの押圧力が作用しない状態では、隣り合う把持機構18同士の間隔が最大となる。
一方、調整ベアリング27cに対する調整レール27bの接触状態が、弱接触状態である場合は、調整レール27bから調整ベアリング27cに作用する押圧力が小さくなる。この状態では、ジョイント機構19の第1継手部材19-1と、第2継手部材19-2の第2継手本体部19-3との折れ曲がり量は、調整レール27bから調整ベアリング27cに作用する押圧力が大きい状態における折れ曲がり量よりも小さくなる。これにより、隣り合う把持機構18同士の間隔も、調整レール27bから調整ベアリング27cに作用する押圧力が大きい状態における間隔と、調整レール27bが調整ベアリング27cに接触しない状態における間隔との間の大きさになる。
間隔調整機構27による、隣り合う把持機構18同士の間隔の調節は、このように、調整ネジ27eを、正回転させたり逆回転させたりすることにより行う。これにより、間隔調整機構27は、搬送方向Yに沿って隣り合う2つの把持機構18同士の間隔を、大きくしたり小さくしたりすることができる。また、往路2における、予熱ゾーンZ2、延伸ゾーンZ3、熱処理ゾーンZ4では、間隔調整機構27による、隣り合う把持機構18同士の間隔を調節が行われないため、隣り合う把持機構18同士は、間隔が最大の状態が維持される。
なお、調整ネジ27eを回転させることによる、隣り合う把持機構18同士の間隔の調整は、手動調整によって行ってもよく、自動調整によって行ってもよい。手動調整では、作業者が目視確認できるような目盛を調整ネジ27eに設けることが好ましい。一方、自動調整では、調整ネジ27eに連結可能なモータと、モータの回転角度等の回転状態を検出可能な検出装置と、を設けることが好ましい。
弛緩ゾーンZ5では、このように、隣り合う把持機構18同士の間隔を調節することができる間隔調整機構27によって把持機構18同士の間隔を小さくすることにより、延伸対象物5の幅方向Xにおける拘束を低減するのみでなく、延伸対象物5の搬送方向Yにおける拘束も低減する。即ち、間隔調整機構27が適用される範囲27b-Zのうち、弛緩ゾーンZ5に対応する範囲27b-Z1(図2参照)では、間隔調整機構27によって把持機構18同士の間隔を小さくし、延伸対象物5の搬送方向Yにおける拘束を低減する。
これにより、延伸対象物5が収縮した際に延伸対象物5に生じる引っ張り力を、幅方向Xのみでなく搬送方向Yにおいても抑え、延伸対象物5が収縮した際に延伸対象物5に生じる引っ張り状態を、幅方向Xと搬送方向Yとの双方向で緩める。つまり、弛緩ゾーンZ5では、隣り合う把持機構18同士の間隔を、間隔調整機構27によって小さくすることにより、把持機構18同士の間隔を延伸対象物5の搬送方向Yの収縮に追従させる。また、弛緩ゾーンZ5には、加熱保温室T8が割り振られており、加熱保温室T8の温度が、弛緩ゾーンZ5での延伸対象物5の収縮に適した温度になるように、オーブン30の温度制御を行う。
弛緩ゾーンZ5で収縮した延伸対象物5は、弛緩ゾーンZ5から冷却ゾーンZ6に搬送される。冷却ゾーンZ6は、幅方向Xにおける両側の往路2が、互いに平行に構成されており、冷却ゾーンZ6では、引っ張り状態が緩められた延伸対象物5に対して冷却処理が行われる。冷却処理としては、例えば、熱処理ゾーンZ4の温度よりも低い温度で、延伸対象物5の保温を行う。これにより、予熱ゾーンZ2、延伸ゾーンZ3、熱処理ゾーンZ4で、延伸に適した温度に加熱された延伸対象物5は、冷却ゾーンZ6で冷却される。冷却ゾーンZ6には、加熱保温室T9、T10が割り振られており、加熱保温室T9、T10ごとに、延伸対象物5の冷却に適した温度にオーブン30の温度制御を行う。
また、冷却ゾーンZ6では、弛緩ゾーンZ5において、収縮した延伸対象物5に生じる引っ張り力を緩める目的で、間隔調整機構27によって小さくした把持機構18同士の間隔を維持する。即ち、冷却ゾーンZ6においても、間隔調整機構27による把持機構18同士の間隔の調整が、弛緩ゾーンZ5と同様に行われる。
冷却ゾーンZ6で冷却された延伸対象物5は、冷却ゾーンZ6から出口側リターンゾーンZ7に搬送される。出口側リターンゾーンZ7に搬送された延伸対象物5は、出口側リターンゾーンZ7に位置する把持解除点18p-OFFで、両縁部が把持機構18から解放される。即ち、延伸対象物5を把持しながら移動する各把持機構18は、把持解除点18p-OFFに到達した際に、延伸対象物5の把持を解除する。これにより、シート・フィルム延伸装置1によって延伸された延伸対象物5は、延伸の後工程で用いる、引取・巻取部109(図1参照)等の装置に送り出される。
また、出口側リターンゾーンZ7における冷却ゾーンZ6から把持解除点18p-OFFまでの範囲では、冷却ゾーンZ6と同様に、弛緩ゾーンZ5で間隔調整機構27によって小さくした把持機構18同士の間隔を維持する。つまり、間隔調整機構27が適用される範囲27b-Zのうち、冷却ゾーンZ6から把持解除点18p-OFFに対応する範囲27b-Z2では、間隔調整機構27によって調整する把持機構18同士の間隔の調整量を、弛緩ゾーンZ5で調整した把持機構18同士の間隔の調整量に維持する。このように、間隔調整機構27による把持機構18同士の間隔の調整は、間隔調整機構27が適用される範囲27b-Zを延伸対象物5が移動している間、継続して行われ、この範囲27b-Zでは、隣り合う把持機構18同士の間隔が小さくなった状態が維持される。
一方、把持解除点18p-OFFで延伸対象物5の把持を解除したクリップチェーン8,9の把持機構18は、出口側スプロケット7の回転によって出口側スプロケット7まで到達した後、出口側スプロケット7から復路3側に送り出される。復路3に送り出された把持機構18は、復路3を通って出口側リターンゾーンZ7側から入口側リターンゾーンZ1側に移動し、入口側リターンゾーンZ1で入口側スプロケット6を経由して再び往路2に移動し、把持開始点18p-ONで延伸対象物5を把持する。把持機構18は、延伸対象物5を把持した状態で往路2を入口側リターンゾーンZ1側から出口側リターンゾーンZ7側に向かって移動することにより、延伸対象物5の搬送を行う。
ここで、把持機構18が出口側スプロケット7から復路3側に送り出された場合、把持機構18は、出口側スプロケット7側から入口側スプロケット6側に把持機構18を押し出す方向の力によって、復路3を移動する。このため、各把持機構18には、隣り合う把持機構18同士を近付かせる方向の力が作用し、特に、復路3における出口側スプロケット7の近傍の位置では、隣り合う把持機構18同士を近付かせる方向の大きな力が作用する。また、間隔調整機構27が有する調整レール27bは、調整ブロック27a及び位置決めブロック31を介して復路ブロック14に取り付けられるため、往路2を移動する把持機構18同士を連結するジョイント機構19に取り付けられる調整ベアリング27cに対してのみ、押圧力を作用させることができる。従って、間隔調整機構27は、復路3を移動する把持機構18同士の間隔については、調整することが不可能になっている。このため、把持機構18に対して、隣り合う把持機構18同士を近付かせる方向の力が作用すると、把持機構18同士を連結するジョイント機構19が、この力によって動作をする。
図9は、離間力付与部40が設けられていない把持機構18に対して、隣り合う把持機構18同士を近付かせる方向の力が作用した場合の説明図である。隣り合う把持機構18同士は、双方の間隔が変化することができるようにジョイント機構19によって連結されているため、隣り合う把持機構18同士を近付かせる方向の力が、把持機構18に対して作用した場合、把持機構18同士の間隔が小さくなる。つまり、隣り合う把持機構18同士を近付かせる方向の力が把持機構18に対して作用すると、ジョイント機構19は、第1枢軸部21、第2枢軸部24、中継軸部22を中心として、第1継手部材19-1と第2継手部材19-2とが相対的に回動する。これにより、第1継手部材19-1と、第2継手部材19-2の第2継手本体部19-3とが、中継軸部22を中心として折れ曲がり、把持機構18同士の間隔が小さくなる。
この場合、第2継手部材19-2は、中継軸部22が、幅方向Xにおいてクリップ18pが位置する側に移動する方向に第2枢軸部24を中心として回動するが、この回動により、第2継手部材19-2が有する突出部23も、第2枢軸部24を中心として回動する。突出部23は、幅方向Xにおいてクリップ18pが位置する側の反対側に突出しているため、幅方向Xにおいてクリップ18pが位置する側に中継軸部22が移動する方向に第2継手部材19-2が第2枢軸部24を中心として回動した場合は、突出部23は、第1継手部材19-1が位置する側に近付く方向に回動する。
ここで、1つのジョイント機構19よって連結される2つの把持機構18は、別のジョイント機構19によって、他の把持機構18とも連結されている。このため、ジョイント機構19よって連結される2つの把持機構18のうち、第1継手部材19-1が連結される側の把持機構18-1には、他のジョイント機構19の第2継手部材19-2が連結されている。このため、隣り合う把持機構18同士を近付かせる方向の力が把持機構18に対して作用することにより、突出部23が、第1継手部材19-1が位置する側に近付く方向に第2継手部材19-2が回動した場合は、突出部23は、先端に取り付けられる調整ベアリング27cが、他のジョイント機構19の第2継手部材19-2に近付くことになる。
また、第2継手部材19-2が回動するということは、隣り合う把持機構18同士の間隔が小さくなるため、把持機構18を介して隣り合うジョイント機構19同士の第2継手部材19-2同士の間隔も小さくなる。このため、第2枢軸部24を中心として第2継手部材19-2が回動することにより、第1継手部材19-1が位置する側に近付く方向に回動した突出部23は、先端に取り付けられる調整ベアリング27cが、他のジョイント機構19の第2継手部材19-2が有する突出部23に接触する(図9・C部参照)。これにより、接触時に音が発生する。
このような、第2継手部材19-2の突出部23に取り付けられる調整ベアリング27cが、他のジョイント機構19の第2継手部材19-2に接触することによって発生する音は、特に、出口側スプロケット7から復路3に移行する部分に形成される出口側傾斜部7p(図2参照)で発生し易くなっている。つまり、出口側傾斜部7pでは、復路3を移動するクリップチェーン8,9の移動状態に関わらず、出口側スプロケット7から出口側傾斜部7pに対して次々に把持機構18が送り出されるため、隣り合う把持機構18同士を近付かせる方向の大きな力が作用し易くなり、把持機構18同士の間隔が小さくなり易くなっている。このため、出口側傾斜部7pでは、隣り合うジョイント機構19同士の第2継手部材19-2同士が接触する際の音が発生し易くなっている。
シート・フィルム延伸装置1の運転時は、クリップチェーン8,9は左移動経路1Lや右移動経路1Rに沿って循環し、クリップチェーン8,9が有する把持機構18は、出口側スプロケット7から復路3側に順次送り出されるため、隣り合うジョイント機構19同士の第2継手部材19-2同士が接触する際の音も、継続的に発生する。また、第2継手部材19-2が有する突出部23に取り付けられる調整ベアリング27cが、他のジョイント機構19の第2継手部材19-2に接触した場合、接触時に鉄粉が発生したり、調整ベアリング27cが破損したりする虞がある。
これに対し、本実施形態に係るシート・フィルム延伸装置1では、隣り合う把持機構18が互いに離れる方向の力を把持機構18に対して付与する離間力付与部40が、把持機構18に取り付けられているため、第2継手部材19-2同士の接触を抑制することができる。図10は、実施形態に係るシート・フィルム延伸装置1が有する把持機構18に対して、隣り合う把持機構18同士を近付かせる方向の力が作用した場合の説明図である。本実施形態に係るシート・フィルム延伸装置1においても、把持機構18が、出口側スプロケット7から復路3に送り出されることにより、隣り合う把持機構18同士を近付かせる方向の力が把持機構18に対して作用した場合には、ジョイント機構19を構成する第1継手部材19-1と第2継手部材19-2とが回動することにより、把持機構18同士の間隔が小さくなる。
ここで、本実施形態に係るシート・フィルム延伸装置1では、圧縮ばね41を有する離間力付与部40が、把持機構18に取り付けられている。離間力付与部40を構成する圧縮ばね41は、隣り合う把持機構18同士の間隔が最も大きくなる状態において、長さ方向における長さが自由長となる状態か、或いは、僅かに圧縮された状態で取り付けられている。
このため、隣り合う把持機構18同士を近付かせる方向の力によって、隣り合う把持機構18同士の間隔が小さくなった場合には、離間力付与部40を構成する圧縮ばね41は、長さ方向、即ち、搬送方向Yに圧縮され、その反力が、双方の把持機構18に対して作用する。即ち、圧縮ばね41が圧縮された際の反力は、隣り合う把持機構18同士を搬送方向Yに離間させる方向の力として、隣り合う把持機構18の双方に対して作用する。
これにより、隣り合う把持機構18同士は、双方を近付かせる方向の力が作用した場合でも、間隔が小さくなり過ぎることが抑制され、これに伴い、ジョイント機構19の第2継手部材19-2が、第2枢軸部24を中心として大きく回動することが抑制される。このため、第2継手部材19-2は、第2継手部材19-2が有する突出部23が、第1継手部材19-1が位置する側に近付く方向に大きく回動することが抑制され、突出部23の先端に取り付けられる調整ベアリング27cが、他のジョイント機構19の第2継手部材19-2が有する突出部23に接触することが抑制される。即ち、圧縮ばね41を有する離間力付与部40は、隣り合う把持機構18同士の間隔が小さくなった際に、隣り合うジョイント機構19同士の第2継手部材19-2同士が衝突することを抑制する、緩衝装置として機能し、圧縮ばね41は、緩衝部材として用いられる。
<実施形態の作用・効果>
上述したように、本実施形態に係るシート・フィルム延伸装置1では、延伸対象物5の搬送時に延伸対象物5を把持する把持機構18に、隣り合う把持機構18同士が互いに離れる方向の力を把持機構18に対して付与する離間力付与部18が取り付けられている。このため、把持機構18が、出口側スプロケット7から復路3に送り出されることにより、隣り合う把持機構18同士を近付かせる方向の力が把持機構18に対して作用した場合でも、把持機構18同士の間隔が小さくなり過ぎることを抑制することができる。これにより、把持機構18を介して隣り合うジョイント機構19同士の第2継手部材19-2同士が接触することを抑制することができ、接触時における音の発生を抑制することができる。この結果、延伸対象物5の搬送時における音の発生を抑制することができる。
また、第2継手部材19-2同士が接触することを抑制できるため、接触時に鉄粉が発生することを抑制でき、延伸対象物5に鉄粉が付着することを抑制することができる。また、第2継手部材19-2同士が接触することを抑制できるため、第2継手部材19-2に取り付けられる調整ベアリング27cが、度重なる接触によって破損することを抑制することができる。これらの結果、延伸対象物5の品質を確保することができると共に、シート・フィルム延伸装置1を構成する部材の耐久性を確保することができる。
また、離間力付与部40は、隣り合う把持機構18の双方に対して、圧縮時の反力を付与する圧縮ばね41を備えるため、隣り合う把持機構18同士が互いに離れる方向の力を、把持機構18に対して容易に付与することができる。この結果、延伸対象物5の搬送時における音の発生を、容易に抑制することができる。
また、間隔調整機構27は、ジョイント機構19の第2継手部材19-2が有する突出部23に対して作用させる押圧力を調整することにより、隣り合う把持機構18同士の間隔を調整するため、隣り合う把持機構18同士の間隔を、延伸対象物5の収縮に合わせて、より容易に調整することができる。この結果、隣り合う把持機構18同士の間隔を、延伸対象物5の収縮により容易に追従させることができ、延伸対象物5の品質を、より容易に確保することができる。
また、第2継手部材19-2が有する突出部23には、先端に調整ベアリング27cが取り付けられており、隣り合う把持機構18同士の間隔を間隔調整機構27によって調整する際には、調整レール27bからの押圧力を調整ベアリング27cに対して作用させるため、調整レール27bからの押圧力を、第2継手部材19-2に対してスムーズに伝えることができる。この結果、隣り合う把持機構18同士の間隔を、延伸対象物5の収縮にスムーズに追従させることができる。
また、ジョイント機構19は、重力方向Zにおける位置が、把持機構18の上側に位置する移動機構20と把持機構18の下側に位置する移動機構20との間に位置するため、複数の把持機構18と複数のジョイント機構19とが無端状に連結されることにより構成されるクリップチェーン8,9の重力方向Zにおける高さを低く抑えることができる。この結果、シート・フィルム延伸装置1のコンパクト化を図ることができる。
また、左移動経路1L及び右移動経路1Rにおける、延伸対象物5に対して加熱または保温を行う領域は、往路2と復路3との双方がオーブン30によって覆われているため、同じ移動経路1L,1Rの幅方向Xにおける往路2と復路3との間隔を抑えることができる。この結果、シート・フィルム延伸装置1のコンパクト化を図ることができる。
また、間隔調整機構27は、隣り合う把持機構18同士の間隔を調整する際に操作をする間隔調整部材である調整ネジ27eの一部が、オーブン30の外側に位置しているため、オーブン30の外側から調整ネジ27eを操作することより、隣り合う把持機構18同士の間隔を調整することができる。これにより、隣り合う把持機構18同士の間隔を延伸対象物5の収縮に合わせて調整する際に、より容易に調整することができる。この結果、隣り合う把持機構18同士の間隔を、延伸対象物5の収縮により容易に追従させることができ、延伸対象物5の品質を、より容易に確保することができると
[変形例]
なお、上述した実施形態に係るシート・フィルム延伸装置1では、離間力付与部40を構成する圧縮ばね41は、把持機構18に対して直接取り付けられているが、圧縮ばね41は、把持機構18に直接取り付けられていなくてもよい。図11は、実施形態に係るシート・フィルム延伸装置1の変形例であり、取付部材44を介して把持機構18に圧縮ばね41を取り付ける離間力付与部40についての説明図である。離間力付与部40は、例えば、図11に示すように、取付部材44を介して把持機構18に圧縮ばね41を取り付けてもよい。
この場合における取付部材44には、上述した実施形態において把持本体18aに形成される、圧縮ばね41の端部が入り込む有底の孔と同様の孔が形成され、この孔と交差し、固定ボルト42と螺合することが可能なネジ孔が形成される。圧縮ばね41は、長さ方向における両端を、取付部材44に形成される圧縮ばね41用の孔に入り込ませ、この孔と交差するネジ孔に固定ボルト42に螺合させて、圧縮ばね41に固定ボルト42を押し付けることにより、圧縮ばね41を取付部材44に固定する。
また、把持本体18aには、取付部材44を固定するための固定ボルト45用のネジ孔を形成し、取付部材44を挟んだ状態で、把持本体18aのネジ孔と固定ボルト45とを螺合することにより、取付部材44を把持本体18aに取り付ける。これにより、圧縮ばね41を、把持機構18に取り付ける。このように、取付部材44を介して把持機構18に圧縮ばね41を取り付けることにより、既存のシート・フィルム延伸装置1に対しても、把持本体18aに固定ボルト45用のネジ孔を加工するのみで、離間力付与部40を取り付けることができる。この結果、既存のシート・フィルム延伸装置1においても、延伸対象物5の搬送時における音の発生を容易に抑制することができる。
また、上述した実施形態に係るシート・フィルム延伸装置1では、離間力付与部40を構成する圧縮ばね41は、隣り合う把持機構18同士の双方に固定されているが、圧縮ばね41は、隣り合う把持機構18同士のうちの、少なくとも一方に固定されていればよい。圧縮ばね41は、隣り合う把持機構18同士の間隔が小さくなることによって圧縮された際の反力が、隣り合う把持機構18の双方に対して付与されることにより、把持機構18同士の間隔が小さくなり過ぎることを抑制できればよいため、必ずしも双方の把持機構18に固定されていなくてもよい。この場合、隣り合う把持機構18同士のうち、圧縮ばね41が固定されていない側の把持機構18と圧縮ばね41とは、隣り合う把持機構18同士の間隔が最大付近の状態においては、互いに接触していても接触していなくてもよい。
また、上述した実施形態に係るシート・フィルム延伸装置1では、離間力付与部40は、隣り合う把持機構18同士が互いに離れる方向の力を発生する部材として、圧縮ばね41を用いているが、隣り合う把持機構18同士が互いに離れる方向の力を発生する部材は、圧縮ばね41以外を用いてもよい。図12は、実施形態に係るシート・フィルム延伸装置1の変形例であり、離間力付与部40に磁石47が用いられる場合の説明図である。離間力付与部40は、例えば、図12に示すように、隣り合う把持機構18同士が互いに離れる方向の力を発生する部材として磁石47を用いてもよい。離間力付与部40が備える磁石47は、隣り合う把持機構18の双方にそれぞれ配置される。それぞれの把持機構18に配置される磁石47は、隣り合う把持機構18における、互いに対向する面に取り付けられる。また、隣り合う把持機構18に取り付けられる双方の磁石47は、同じ磁極が互いに対向する向きで取り付けられる。
さらに、離間力付与部40は、磁石47の近傍に、把持機構18に取り付けられている位置からの高さが磁石47よりも高い磁石保護部48を有している。磁石保護部48は、例えば、幅方向Xにおける磁石47の両側に配置され、いずれの磁石保護部48も、把持機構18に取り付けられている位置からの高さが磁石47の高さよりも高くなっている。
離間力付与部40に磁石47を用いる際には、隣り合う把持機構18の双方に配置する磁石47を、同じ磁極が互いに対向する向きで配置することにより、磁石47同士の間で、互いに離間する方向の力である反発力を発生させることができる。離間力付与部40に磁石47を用いた場合には、この磁石47同士の反発力により、隣り合う把持機構18同士が互いに離れる方向の力を把持機構18に対して付与することができる。これにより、把持機構18が、出口側スプロケット7から復路3に送り出されることにより、隣り合う把持機構18同士を近付かせる方向の力が把持機構18に対して作用した場合でも、把持機構18同士の間隔が小さくなり過ぎることを抑制することができる。この結果、把持機構18を介して隣り合うジョイント機構19同士の第2継手部材19-2同士が接触することを抑制することができ、延伸対象物5の搬送時における音の発生を抑制することができる。
また、磁石47の両側に、把持機構18に取り付けられている位置からの高さが磁石47の高さよりも高い磁石保護部48を配置しているため、隣り合う把持機構18同士を近付かせる方向の力が磁石47同士の反発力よりも大きくなり、隣り合う把持機構18同士の間隔が小さくなった場合でも、磁石47同士が接触することを抑制することができる。つまり、隣り合う把持機構18同士の間隔が小さくなった場合には、把持機構18に取り付けられている位置からの高さが磁石47の高さよりも高い磁石保護部48同士が接触するため、磁石47同士が接触することを抑制することができる。この結果、磁石47同士が接触することに起因して磁石47が破損することを抑制することができる。
また、離間力付与部40において、隣り合う把持機構18同士が互いに離れる方向の力を把持機構18に付与する部材は、圧縮ばね41や磁石47以外を用いてもよく、例えば、板ばねや、空気を圧縮させた際の反発力を用いるエアシリンダー等を用いてもよい。隣り合う把持機構18同士が互いに離れる方向の力を把持機構18に付与する部材は、把持機構18同士の間隔が小さくなることに起因する、把持機構18やジョイント機構19を構成する部材同士の接触を抑制することができ、音の発生を抑止することができるものであれば、その構成は問わない。
また、上述した実施形態に係るシート・フィルム延伸装置1では、移動機構20が有する転動ユニット26の上側転動ベアリング26aと下側転動ベアリング26bとは、1つの把持本体18aにそれぞれ合計4つが設けられているものとして説明したが、1つの把持本体18aに設けられる上側転動ベアリング26aと下側転動ベアリング26bとは、4つ以外であってもよい。上側転動ベアリング26aは、例えば、上側基準レール10a,11aの厚さ方向における一方側に2つが配置され、他方側に1つが配置されることにより、1つの把持本体18aに3つが設けられていてもよい。同様に、下側転動ベアリング26bは、例えば、下側基準レール10b,11bの厚さ方向における一方側に2つが配置され、他方側に1つが配置されることにより、1つの把持本体18aに3つが設けられていてもよい。上側転動ベアリング26aと下側転動ベアリング26bとは、上側基準レール10a,11aや下側基準レール10b,11bの厚さ方向における両側に配置され、これらのレールを厚さ方向に挟むことができるように構成されていれば、その数は問わない。
また、上述した実施形態に係るシート・フィルム延伸装置1では、調整レール27bが取り付けられる位置決めブロック31は、復路ブロック14に固定される調整ブロック27aと一体構造になっているが、位置決めブロック31は調整ブロック27aとは別体とし、調整ブロック27aに固定するようにしてもよい。
また、上述した実施形態に係るシート・フィルム延伸装置1では、ジョイント機構19は、重力方向Zにおける位置が、把持機構18の上側に位置する移動機構20と把持機構18の下側に位置する移動機構20との間に位置するが、ジョイント機構19は、これ以外の位置に配置してもよい。ジョイント機構19は、例えば、重力方向Zにおいて、把持機構18の上側に位置する移動機構20の上側に配置してもよく、把持機構18の下側に位置する移動機構20の下側に配置してもよい。または、ジョイント機構19は、重力方向Zにおいて、把持機構18の上側に位置する移動機構20の上側の位置と、把持機構18の下側に位置する移動機構20の下側の位置との双方に配置してもよい。ジョイント機構19の位置に関わらず、間隔調整機構27は、第2継手部材19-2の突出部23に対して押圧力を作用させることにより、隣り合う把持機構18同士の間隔を調整することができ、離間力付与部40によって、把持機構18同士の間隔が小さくなり過ぎることを抑制することができれば、ジョイント機構19の位置は問わない。
また、上述した実施形態に係るシート・フィルム延伸装置1では、弛緩ゾーンZ5では、幅方向Xにおける延伸対象物5の拘束の緩和と、搬送方向Yにおける延伸対象物5の拘束の緩和とを、延伸対象物5の搬送方向Yにおける同じ位置から行っているが、幅方向Xにおける拘束の緩和と搬送方向Yにおける拘束の緩和とは、異なる位置から開始してもよい。例えば、実施形態に係るシート・フィルム延伸装置1において、弛緩ゾーンZ5の調整レール調整区間CB1(図2参照)では、間隔調整機構27による搬送方向Yにおける延伸対象物5の拘束の緩和は行わず、調整レール調整区間CB2から、搬送方向Yにおける延伸対象物5の拘束の緩和を行ってもよい。
つまり、弛緩ゾーンZ5では、往路レールユニット10同士の幅方向Xにおける間隔が、熱処理ゾーンZ4側から冷却ゾーンZ6側に向かうに従って小さくなるため、幅方向Xにおける延伸対象物5の拘束の緩和は継続的に行われるが、搬送方向Yにおける延伸対象物5の拘束の緩和は、調整レール調整区間CB1では行わずに調整レール調整区間CB2から行ってもよい。延伸対象物5の拘束を緩和する手法、即ち、延伸対象物5の引っ張り状態を緩和する手法は、延伸対象物5の種類や延伸仕様等に応じて適宜設定するのが好ましい。
また、上述した実施形態に係るシート・フィルム延伸装置1では、左移動経路1L及び右移動経路1Rにおける往路2と復路3との双方がオーブン30によって覆われているが、オーブン30は、往路2のみを覆うように構成されていてもよい。オーブン30は、往路2を移動する把持機構18で把持する延伸対象物5の加熱を行ったり、保温を行ったりするものであるため、少なくとも往路2と、往路2同士の間に位置する搬送エリア1Aとを覆っていればよい。
また、上述した実施形態に係るシート・フィルム延伸装置1では、加熱保温室としてT1~T10が設定され、調整レール調整区間としてCB1~CB5が設定されているが、これらの加熱保温室や調整レール調整区間は、延伸する延伸対象物5の種類や延伸仕様等に応じて、適宜設定するのが好ましい。
1…シート・フィルム延伸装置、1L…左移動経路、1R…右移動経路、2…往路、3…復路、5…延伸対象物、6…入口側スプロケット、7…出口側スプロケット、8、9…クリップチェーン、10…往路レールユニット、11…復路レールユニット、12…レールブロック、13…往路ブロック、14…復路ブロック、18…把持機構、18p…クリップ、19…ジョイント機構、19-1…第1継手部材、19-2…第2継手部材、20…移動機構、25…走行ユニット、26…転動ユニット、27…間隔調整機構、27a…調整ブロック、27b…調整レール、27c…調整ベアリング、27d…調整通路、27e…調整ネジ、30…オーブン、31…位置決めブロック、40…離間力付与部、41…圧縮ばね、44…取付部材、47…磁石、48…磁石保護部、50L…左把持装置、50R…右把持装置

Claims (5)

  1. 延伸対象物の幅方向両端に配置され、且つ、前記延伸対象物を把持して延伸するためのクリップチェーンを移動経路に沿って走行させる一対の把持装置を備えたシート・フィルム延伸装置であって、
    前記クリップチェーンは、
    前記延伸対象物を把持する複数の把持機構と、
    隣り合う2つの前記把持機構同士の間に配置され、隣り合う前記把持機構同士を連結するジョイント機構と、
    隣り合う前記把持機構同士の間隔を調整する間隔調整機構と、
    隣り合う前記把持機構が互いに離れる方向の力を前記把持機構に対して付与する離間力付与部と、を備え、
    前記離間力付与部は、隣り合う前記把持機構の双方に対して、圧縮時の反力を付与する圧縮ばねを備える、
    シート・フィルム延伸装置。
  2. 前記ジョイント機構は、隣り合う2つの前記把持機構のうち、一方の前記把持機構に回動自在に連結される第1継手部材と、他方の前記把持機構に回動自在に連結されると共に前記第1継手部材に回動自在に第2継手部材と、を備え、
    前記第2継手部材は、前記第2継手部材において前記第1継手部材に連結される第2継手本体部から突出する突出部を備え、
    前記間隔調整機構は、前記突出部に対して作用させる押圧力を調整することにより、前記第2継手部材の回動を調整し、隣り合う前記把持機構同士の間隔を調整する請求項1に記載のシート・フィルム延伸装置。
  3. 前記把持機構には、重力方向における前記把持機構の上側と下側とに、前記移動経路に沿って前記把持機構を移動させることが可能な移動機構が備えられ、
    前記ジョイント機構は、重力方向における位置が、前記把持機構の上側に位置する前記移動機構と前記把持機構の下側に位置する前記移動機構との間に位置する請求項1または2に記載のシート・フィルム延伸装置。
  4. 前記移動経路は、前記把持機構で把持する前記延伸対象物を搬送する際の搬送方向における上流側から下流側に前記把持機構を移動させる往路と、前記搬送方向における下流側から上流側に前記把持機構を移動させる復路と、を備え、
    前記移動経路の前記搬送方向における、前記延伸対象物に対して加熱または保温を行う領域は、前記往路と前記復路との双方が、前記延伸対象物に対して加熱または保温を行うオーブンによって覆われている請求項1~のいずれか1項に記載のシート・フィルム延伸装置。
  5. 前記間隔調整機構は、隣り合う前記把持機構同士の間隔を前記間隔調整機構によって調整する際に操作をする間隔調整部材の一部が、前記オーブンの外側に位置している請求項に記載のシート・フィルム延伸装置。
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