JP7058989B2 - 中間転写ベルトの製造方法 - Google Patents

中間転写ベルトの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7058989B2
JP7058989B2 JP2017232835A JP2017232835A JP7058989B2 JP 7058989 B2 JP7058989 B2 JP 7058989B2 JP 2017232835 A JP2017232835 A JP 2017232835A JP 2017232835 A JP2017232835 A JP 2017232835A JP 7058989 B2 JP7058989 B2 JP 7058989B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thickness
belt
layer
volume resistivity
intermediate transfer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017232835A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019101271A (ja
JP2019101271A5 (ja
Inventor
茂樹 滝下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2017232835A priority Critical patent/JP7058989B2/ja
Publication of JP2019101271A publication Critical patent/JP2019101271A/ja
Publication of JP2019101271A5 publication Critical patent/JP2019101271A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7058989B2 publication Critical patent/JP7058989B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electrophotography Configuration And Component (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

本発明は、電子写真方式や静電記録方式を用いた複写機、プリンタ、ファクシミリ装置などの画像形成装置において用いられる中間転写ベルトの製造方法に関するものである。
電子写真方式などを用いた画像形成装置では、荷電したトナーを担持して搬送する像担持体など、最終的に紙などの記録媒体に画像を形成して出力するまでの過程で種々の画像形成用部材が用いられる。例えば、中間転写方式の画像形成装置では、第1の像担持体としての感光体から一次転写されたトナー像を記録媒体に二次転写するために担持して搬送する第2の像担持体としての中間転写体が用いられる。中間転写体としては、無端状のベルトで構成された中間転写ベルトが広く用いられている。
このような画像形成装置では、樹脂を用いて形成された例えば単層の中間転写ベルトに代えて、少なくとも一層の弾性層を有する中間転写ベルト(以下、「弾性中間転写ベルト」ともいう。)が用いられることがある(特許文献1)。弾性中間転写ベルトは、少なくとも一層の弾性層を有するため、柔らかく、転写部(一次転写部、二次転写部)でトナーに作用する圧力を低減できることから、中抜け現象を抑制する効果があることが知られている。また、二次転写部において紙との密着性がよいことから、一般的な紙に対しての転写効率の向上のみならず、厚紙に対する転写性や、凹凸を有する紙への転写性にも効果があることが知られている。
特開2015-222404号公報
上述のような弾性中間転写ベルトの効果を発揮させるためには、ゴムなどの弾性体で構成された弾性層が一定以上の厚さを有することが必要である。しかしながら、弾性層に厚さムラがあると、中間転写ベルトの体積抵抗率のムラ(以下、単に「抵抗ムラ」ともいう。)となって現れる。そして、この抵抗ムラがあると、例えば一次転写部での微小放電ムラを発生させ、画像不良の原因となることが知られている。
したがって、本発明の目的は、体積抵抗率のムラが低減された、弾性層を有する中間転写ベルトの製造方法を提供することである。
上記目的は本発明に係る中間転写ベルトの製造方法にて達成される。要約すれば、本発明の第の態様は、像担持体から一次転写されたトナー像を記録媒体に二次転写するために表面に担持して搬送する中間転写ベルトの製造方法において、基層を成形する第1の成形工程と、前記基層より前記表面の近くに積層するように弾性層を成形する第2の成形工程と、前記弾性層まで積層された積層体の複数の部分の体積抵抗率を測定する測定工程と、前記弾性層より前記表面の近くに積層するように上層を成形する第3の成形工程と、を有し、前記第3の成形工程は、前記測定工程で測定された体積抵抗率が第1の体積抵抗率である第1の部分に対応する前記上層の厚さを、第1の厚さとし、前記測定工程で測定された体積抵抗率が前記第1の体積抵抗率よりも高い第2の体積抵抗率である第2の部分に対応する前記上層の厚さを、前記第1の厚さよりも小さい第2の厚さとするように行うことを特徴とする中間転写ベルトの製造方法である。
また、本発明の第の態様は、像担持体から一次転写されたトナー像を記録媒体に二次転写するために表面に担持して搬送する中間転写ベルトの製造方法において、基層を成形する第1の成形工程と、前記基層より前記表面の近くに積層するように弾性層を成形する第2の成形工程と、前記弾性層まで積層された積層体の複数の部分の厚さを測定する測定工程と、前記弾性層より前記表面の近くに積層するように上層を成形する第3の成形工程と、を有し、前記第3の成形工程は、前記測定工程で測定された厚さが第3の厚さである第1の部分に対応する前記上層の厚さを、第1の厚さとし、前記測定工程で測定された厚さが前記第3の厚さよりも大きい第4の厚さである第2の部分に対応する前記上層の厚さを、前記第1の厚さよりも小さい第2の厚さとするように行うことを特徴とする中間転写ベルトの製造方法である。
本発明によれば、弾性層を有する中間転写ベルトの体積抵抗率のムラが低減される。また、本発明によれば、そ中間転写ベルトの製造方法が提供される。
中間転写ベルトの模式的な断面図である。 画像形成装置の概略断面図である。 基層に弾性層が積層されたベルトの体積抵抗率の測定結果を示すグラフ図である。 基層に弾性層が積層されたベルトの厚さと体積抵抗率との関係を示すグラフ図である。 中間層の厚さとベルトの体積抵抗率との関係を示すグラフ図である。 基層に弾性層が積層されたベルトのΔLogρvの3次元マップを示すグラフ図である。 中間層の塗工時の中間層の厚さと中子の回転速度との関係を示すグラフ図である。 中間層の塗工方法を説明するための模式図である。 基層、弾性層及び中間層が積層されたベルトの体積抵抗率の3次元マップを示すグラフ図である。 基層に弾性層が積層されたベルトの体積抵抗率の測定結果を示すグラフ図である。 基層に弾性層が積層されたベルトのΔLogρvの3次元マップを示すグラフ図である。 中間層の塗工時の中間層の厚さと塗工液の吐出量との関係を示すグラフ図である。 基層、弾性層及び中間層が積層されたベルトの体積抵抗率の3次元マップを示すグラフ図である。 中間層の厚さの制御方法の他の例を説明するためのグラフ図である。
以下、本発明に係る中間転写ベルトの製造方法を図面に則して更に詳しく説明する。
[第1の実施形態]
<画像形成用部材>
(層構成)
本実施形態では、本発明の画像形成用部材は、電子写真方式の画像形成装置において用いられる、中間転写体としての中間転写ベルト(弾性中間転写ベルト)に適用される。
図1は、本実施形態の画像形成用部材(中間転写ベルト)7の層構成を示す模式的な断面図である。画像形成用部材7は、少なくとも基層11、弾性層12、表面層14の3層を有する積層体で構成される。あるいは、画像形成用部材(中間転写ベルト)7は、少なくとも基層11、弾性層12、中間層13、表面層14の4層を有する積層体で構成される。
(基層)
基層は、ロール状あるいはベルト状のシームレスタイプの円筒型のものである。基層の材料としては、耐熱性、機械的強度に優れる材料ならば特に制限はない。ロール状のものであれば、基層の材料としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、ニッケルなどの金属、ステンレス、真鍮などの合金、アルミナ、炭化珪素などのセラミックスなどが挙げられる。ベルト状のものであれば、基層の材料としては、これら材料の他に、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイドなどの樹脂材料が挙げられる。
なお、基層用の樹脂には、必要に応じて、金属粉末、導電性酸化物粉末、導電性カーボンなどの導電性粉体を添加して導電性を付与してよい。本実施形態では、基層の材料としては、機械強度及び導電性の観点から、カーボンブラックを添加したポリイミドフィルムが特に好ましい。
基層の厚さは、10μm以上、500μm以下が好ましく、30μm以上、150μm以下がより好ましい。
(弾性層)
弾性層は、記録媒体の表面形状に追従するために、適度な弾性率を有することが重要である。弾性層の材料としては、適度な弾性率を有していれば特に制限はない。弾性層の材料としては、天然ゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、エチレン・プロピレンゴム、クロロスルホン化ゴム、アクリレートゴム、エピクロルヒドリンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどが挙げられる。このうち、低温から高温まで特性を発揮できる観点から、及び耐オゾン性に優れることから、シリコーンゴムが特に好ましい。
弾性層の厚さ(膜厚)は、100μm以上、1000μm以下が好ましく、200μm以上、500μm以下がより好ましい。100μm未満であると、記録媒体の表面形状に追従しにくくなる。1000μmより大きいと、重さによる装置本体に対する負荷が大きくなり過ぎることが懸念される。
弾性層は、本発明の効果を損なわない範囲で、電子導電剤やイオン導電剤を含んでいてよい。電子導電剤としては、アセチレンブラックやケッチェンブラックのような導電性カーボンブラック、グラファイト、グラフェン、カーボン繊維、カーボンナノチューブや、銀、銅、ニッケルなどの金属粉や、導電性亜鉛華、導電性炭酸カルシウム、導電性酸化チタン、導電性酸化錫、導電性マイカなどが挙げられる。このうち、電気抵抗の制御のしやすさの観点から、導電性カーボンブラックが好ましい。イオン導電剤としては、リチウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩などのイオン液体が挙げられる。このうち、耐環境変動の観点から、アンモニウム塩が好ましい。弾性層の材料に対する導電剤の配合処方は、機械強度の観点から、弾性層の基材(シリコーンゴムなど)の100質量部に対して35質量部以下が好ましく、25質量部以下であることがより好ましい。これにより、弾性層の基材に、中間転写ベルト、転写定着ベルトなどに適した安定した導電性が付与される。
また、弾性層は、上記の他にも、充填剤、架橋促進剤、架橋遅延剤、架橋助剤、スコーチ防止剤、老化防止剤、軟化剤、熱安定剤、難燃剤、難燃助剤、紫外線吸収剤、防錆剤などの添加剤を含んでいてよい。特に、充填剤としては、ヒュームドシリカ、結晶性シリカ、湿式シリカ、ヒュームド酸化チタン、セルロースナノファイバーなどの補強性充填剤が挙げられる。補強性充填剤は、シリコーンゴム中に分散されやすいなどの観点から、オルガノアルコキシシラン、オルガノハロシラン、オルガノシラザン、分子鎖両末端がシラノール基で封鎖されたジオルガノシロキサンオリゴマー、環状オルガノシロキサンなどの有機ケイ素化合物により表面改質されていてよい。
(中間層)
本発明の画像形成用部材は、弾性層と表面層との間に中間層が設けられていてよい。中間層は、弾性層の弾性率と表面層の弾性率との中間程度の弾性率を有していることが好ましい。これにより、弾性層が変形した際に、中間層が変形することで、表面層が割れることなどを抑制することができる。中間層の材料としては、弾性層の弾性率と表面層の弾性率との間の弾性率を有していれば特に制限はない。中間層の材料としては、フッ素樹脂、含フッ素ウレタン樹脂、フッ素ゴム、シロキサン変性ポリイミドなどが挙げられる。このうち、弾性層の弾性機能を損なわない観点から、含フッ素ウレタン樹脂が特に好ましい。
中間層の厚さ(膜厚)は、1μm以上、15μm以下が好ましく、3μm以上、12μm以下がより好ましい。1μm未満であると、摩耗により消失しやすく、15μmより大きいと、弾性層の弾性機能を阻害することが懸念される。
中間層は、必要に応じて、弾性層について上述したものと同様の導電剤を含んでいてよい。中間層の材料における導電剤の量としては、付着性や機械強度の観点から、上述のような中間層の基材の100質量部に対して30質量部以下であることが好ましい。また、中間層の材料の電気抵抗は、弾性層の材料の電気抵抗と同じかそれよりも高いことが望ましい。各材料の電気抵抗は、所定のサイズの試験片の体積抵抗率で比較すればよい。
また、本発明の画像形成用部材は、必要に応じて、弾性層と中間層との間にプライマー層が設けられていてもよい。プライマー層の厚さ(膜厚)は、弾性機能を阻害しない観点から、0.5μm以上、15μm以下が好ましく、1μm以上、10μm以下がより好ましい。
(中間層の厚さの制御方法)
画像形成用部材の体積抵抗率を調整するために厚さを変化させる層は、電気抵抗の分かっている(すなわち、後述するように電気抵抗に関する情報が取得される)層より外側の(すなわち、表面に近い)層であれば、中間層でも表面層でもよい。ただし、制御できる厚さが十分に大きい層であることが好ましい。
典型的には、中間層の塗工工程で中間層の厚さを部分的に制御することにより、画像形成用部材の体積抵抗率を部分的に制御することができる。中間層の材料の電気抵抗が弾性層の材料の電気抵抗と同じかそれよりも高いことで、中間層の厚さを制御することにより、その厚さを制御した部分だけ画像形成用部材の体積抵抗率を変えることができる。厚さを制御することがきれば、中間層の塗工方法は特に制限されない。ただし、厚さの制御の簡便性から、中間層の塗工方法としては、スプレー塗工、ミニディップ方式が好ましい。ここで、ミニディップ方式とは、円筒形の中子にベルトを挿入し、リングコート装置の吐出口とベルトとのギャップの間にゴム溜まりを作ってコートする方式である。
(表面層)
本発明の画像形成用部材は、その表面を形成する表面層が設けられていてよい。表面層は、その表面に担持されたトナーをそこから紙に転写し、またトナーをそこから離型するための層であり、低付着性を有することが重要である。表面層の材料としては、十分な低付着性を有していれば特に制限はない。表面層の材料としては、フッ素樹脂、含フッ素ウレタン樹脂、フッ素ゴム、シロキサン変性ポリイミドなどが挙げられる。このうち、弾性層の弾性機能を損なわない観点から、含フッ素ウレタン樹脂が好ましい。
表面層の厚さ(膜厚)は、1μm以上、4μm以下が好ましく、1μm以上、3μm以下がより好ましい。1μm未満であると、摩耗により消失しやすく、4μmより大きいと、弾性層の弾性機能を阻害することが懸念される。
表面層は、必要に応じて、弾性層について上述したものと同様の導電剤を含んでいてよい。表面層の材料における導電剤の量としては、付着性や機械強度の観点から、上述のような表面層の基材の100質量部に対して30質量部以下であることが好ましい。
また、本発明の画像形成用部材は、必要に応じて、弾性層と表面層との間にプライマー層が設けられていてもよい。プライマー層の厚さ(膜厚)は、弾性機能を阻害しない観点から、0.5μm以上、15μm以下が好ましく、1μm以上、10μm以下がより好ましい。
(画像形成用部材の電気抵抗)
画像形成用部材を、例えば中間転写体として用いる場合、画像形成用部材の電気抵抗の好適な範囲は、次のとおりである。体積抵抗率は、1.0×10Ω・cm以上、1.0×1014Ω・cm以下であることが好ましく、1.0×10Ω・cm以上、1.0×1013Ω・cm以下であることがより好ましい。また、表面(トナーを担持する面)側から測定した表面抵抗率は、1.0×10Ω/□以上、1.0×1014Ω/□以下であることが好ましく、1.0×10Ω/□以上、1.0×1013Ω/□以下であることがより好ましい。電子写真用部材の電気抵抗を上記のような半導電領域の範囲内に設定することによって、該電子写真用部材を中間転写体として用いた場合に、トナー像の一次転写及び二次転写を安定して行うことができる。
<画像形成装置>
次に、本発明の画像形成用部材を中間転写ベルトとして用いた画像形成装置の例について説明する。図2は、本例の画像形成装置100の概略断面図である。本例の画像形成装置100は、電子写真方式を用いてフルカラー画像の形成が可能な、中間転写方式を採用したタンデム型のカラーレーザープリンタである。
本例の画像形成装置100は、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を形成する4個の画像形成部PY、PM、PC、PKを有する。これら4個の画像形成部PY、PM、PC、PKは、中間転写ベルト7の平坦部分に沿って並んで配置されている。各画像形成部PY、PM、PC、PKにおける同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、いずれかの色用の要素であることを表す符号の末尾のY、M、C、Kを省略して総括的に説明することがある。本例では、画像形成部Pは、後述する感光ドラム1、帯電ローラ2、露光装置3、現像器4、一次転写ローラ5などを有して構成される。
画像形成装置100は、第1の像担持体としての、回転可能なドラム型(円筒形)の電子写真感光体(感光体)である感光ドラム1を有する。本例では、感光ドラム1は、アルミニウム製のシリンダを基体として、その上に電荷発生層、電荷輸送層及び表面保護層を順に積層して形成したものである。感光ドラム1は、図中矢印R1方向に回転駆動される。回転する感光ドラム1の表面は、帯電手段としてのローラ型の帯電部材(接触帯電部材)である帯電ローラ2によって、所定の極性(本例では負極性)の所定の電位に一様に帯電処理される。帯電工程時に、帯電ローラ2には、所定の条件の帯電バイアスが印加される。帯電処理された感光ドラム1の表面は、露光手段としての露光装置3によって画像情報に応じて走査露光され、感光ドラム1上に静電像(静電潜像)が形成される。本例では、露光装置3は、光源として半導体レーザーを用いたレーザースキャナーである。感光ドラム1上に形成された静電像は、現像手段としての現像器4によって現像剤としてのトナーが供給されて現像(可視化)され、感光ドラム1上にトナー像が形成される。現像器4は、トナーを感光ドラム1との対向部へと搬送する現像剤担持体としての現像ローラを有する。現像工程時に、現像ローラには、所定の条件の現像バイアスが印加される。本例では、感光ドラム1上の、一様に帯電処理された後に露光されることで電位の絶対値が低下したイメージ部に、感光ドラム1の帯電極性と同極性(本例では負極性)に帯電したトナーが付着する。本例では、現像時のトナーの正規の帯電極性であるトナーの正規の帯電極性は負極性である。
4個の感光ドラム1と対向するように、第2の像担持体としての、無端状のベルトで構成された中間転写体である中間転写ベルト7が配置されている。中間転写ベルト7は、複数の張架ローラ(支持部材)としての駆動ローラ71、テンションローラ72、及び二次転写対向ローラ(二次転写内ローラ)73に張架されている。中間転写ベルト7は、駆動ローラ71が回転駆動されることによって、図中矢印R2方向に回転(循環移動、周回移動)する。中間転写ベルト7の内周面(裏面)側には、各感光ドラム1に対応して、一次転写手段としてのローラ型の一次転写部材である一次転写ローラ5が配置されている。一次転写ローラ5は、中間転写ベルト7を介して感光ドラム1に向けて押圧され、感光ドラム1と中間転写ベルト7とが接触する一次転写部T1を形成する。上述のように感光ドラム1上に形成されたトナー像は、一次転写部T1において、一次転写ローラ5の作用によって、回転している中間転写ベルト7上に転写(一次転写)される。一次転写工程時に、一次転写ローラ5には、トナーの正規の帯電極性とは逆極性(本例では正極性)の直流電圧である一次転写バイアスが印加される。例えばフルカラー画像の形成時には、各感光ドラム1上に形成されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像が、各一次転写部T1において、重ね合わされるようにして順次中間転写ベルト7上に転写される。
中間転写ベルト7の外周面(表面)側において、二次転写対向ローラ73と対向する位置には、二次転写手段としてのローラ型の二次転写部材である二次転写ローラ(二次転写外ローラ)8が配置されている。二次転写ローラ8は、中間転写ベルト7を介して二次転写対向ローラ73に向けて押圧され、中間転写ベルト7と二次転写ローラ8とが接触する二次転写部T2を形成する。上述のように中間転写ベルト7上に形成されたトナー像は、二次転写部T2において、二次転写ローラ8の作用により、中間転写ベルト7と二次転写ローラ8とに挟持されて搬送される紙などの転写材(記録媒体、シート)S上に転写(二次転写)される。二次転写工程時に、二次転写ローラ8には、トナーの正規の帯電極性とは逆極性(本例では正極性)の直流電圧である二次転写バイアスが印加される。
転写材Sは、転写材Sが収納されているカセット12から、ピックアップローラ13によって搬送路に供給される。搬送路に供給された転写材Sは、搬送ローラ対14及びレジストローラ対15によって、中間転写ベルト7上のトナー像とタイミングが合わされて二次転写部T2まで搬送される。また、トナー像が転写された転写材Sは、定着手段としての定着器9へと搬送される。定着器9は、加熱手段を備えた定着ローラ91と、定着ローラ91に圧接する加圧ローラ92と、を有し、未定着のトナー像を担持した転写材Sを加熱及び加圧することで、転写材Pにトナー像を定着させる。トナー像が定着された転写材Sは、搬送ローラ対16、排出ローラ対17などによって画像形成装置100の装置本体の外部に排出(出力)される。
一方、一次転写部T1において中間転写ベルト7に転写されずに感光ドラム1上に残留した一次転写残トナーは、帯電ローラ2によって帯電させられた後に、現像器4で感光ドラム1上から除去されて回収される。また、中間転写ベルト7の外周面側において、駆動ローラ71と対向する位置には、中間転写体クリーニング手段としてのベルトクリーニング装置11が配置されている。二次転写部T2において転写材Sに転写されずに中間転写ベルト7上に残留した二次転写残トナーは、ベルトクリーニング装置11によって中間転写ベルト7上から除去されて回収される。
以上のように感光ドラム1から中間転写ベルト7、中間転写ベルト7から転写材Pへのトナー像の電気的転写プロセスが繰り返し行われる。また、多数の転写材Pに対する画像形成を繰り返すことで、電気的転写プロセスが更に繰り返し行われることになる。例えば、二次転写においては、通常、十分な転写率を確保するために数kVの転写電圧を印加するが、その際に転写部の近傍において放電が発生することがある。この放電が中間転写ベルト7の表面特性の低下の一因となっている。
このような画像形成装置100における中間転写ベルト7として、本発明の画像形成用部材を用いることにより、中間転写ベルト7から紙などの転写材Pへのトナー像の二次転写の効率の経時的な変化が抑制される。その結果、高品位な電子写真画像を長期間にわたって形成することができる。
<測定方法>
(層構造の評価)
中間転写ベルトの層構造の評価は、走査型電子顕微鏡(商品名:S-4800、(株)日立ハイテクノロジーズ製)を用いて行った。評価方法としては、中間転写ベルトの裏面から試料をカミソリの刃で切り、相分離構造を有する固体膜の断面を出現させ、断面において観察を行った。
ベルトの総厚さ(総膜厚)の測定は、次のようにして行った。レーザー測長器を用いて、基準位置から、芯金に張架したベルトの表面までの距離を、中間転写ベルトの周方向に1mmピッチで測定した。そして、10点移動平均を総厚さとし、ベルトの1周の1147点における、ベルトの幅方向の中央及び中央から両端部方向に115mm(中央±115mm)の3点での総厚さを測定した。
(体積抵抗率の測定)
周長1147mmの円筒状のベルトの周方向において、20mm間隔で58点の体積抵抗率を測定した際の平均値をベルトの体積抵抗率と定義する。また、ベルトの体積抵抗率のバラつきは、ベルトの周方向における58点で測定した体積抵抗率のうちの最大値と最小値とから、次式「最大値÷最小値」で算出される値として定義する。
体積抵抗率の測定には、二重電極法(ハイレスタMCP-HT450、三菱化学アナリテック社製)を用いた。弾性層塗工後の二次焼成後のベルト(後述)の体積抵抗率は、URプローブを用いて、1000V/10秒印加時の値を用いた。また、表面層塗工後の完成した中間転写ベルトの体積抵抗率は、1000V/10秒印加時の値を用いた。
<実施例1>
以下、本実施形態に従う、より具体的な実施例について説明する。各実施例において、混合分散液の材料は、溶剤により希釈・分散されているものがあるが、各材料の使用量(質量部)は、特に示さない限り不揮発分に関する量であって、溶剤(揮発分)が除かれた量を意味する。なお、本実施例では、中間転写ベルトの周長は1147mm、幅は420mmである。
(基層の成形)
下記の材料を、2軸混練機((株)池貝製 PCM30)を用いて混練し、ペレット体を得た。
・ポリエーテルエーテルケトン(ビクトレックス社製 VICTREX(登録商標)PEEK450G)
・アセチレンブラック(デンカ(株)製 デンカブラック(登録商標)粒状品)
ポリエーテルエーテルケトンが80質量%、アセチレンブラックが20質量%となるよう、重量フィーダを用いてそれぞれを2軸混練機に投入した。2軸混練機のシリンダ設定温度は、材料投入部を320℃とし、シリンダ下流及びダイは360℃とした。2軸混練機のスクリュー回転数は300rpmとし、材料供給量は8kg/hとした。
次いで、得られたペレットを用い、円筒押出成形することでベルトを得た。円筒押出成形は、単軸押出機((株)プラスチック工学研究所製 GT40)、及び直径300mm、隙間1mmの円形開口部を有する円筒ダイを用いて行った。重量フィーダを用い、ペレットを4kg/hの供給量で単軸押出機に供給した。単軸押出機のシリンダ設定温度は、材料投入部を320℃とし、シリンダ下流及び円筒ダイは380℃とした。単軸押出機から吐出された熔融樹脂は、ギアポンプを経て、円筒ダイから押し出され、円筒引取機により、厚さ80μmとなる速度にて引き取られた。熔融樹脂は、引き取られる過程において、円筒ダイと円筒引取機との間に設けられた冷却マンドレルと接触することで冷却・固化された。固化した樹脂を、円筒引取機の下部に設置された円筒切断機によって幅420mmとなるように切断して、結晶性熱可塑性樹脂ベルトを得た。
(弾性層の成形)
導電剤としてシロキサン変性イオン液体を用いた。付加硬化型液状シリコーンゴム(TSE3450 A/B、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)100質量部に対し、上記ポリシロキサン変性イオン液体を0.2質量部の割合で添加し、遊星撹拌脱泡装置(HM-500、キーエンス社製)で撹拌・脱泡して液状シリコーンゴム混合液を得た。続いて、上記基材(基層(結晶性熱可塑性樹脂ベルト))を円筒形の中子に取り付け、更に中子と同軸上にゴム吐出用のリングノズルを取り付けた。送液ポンプを用いて上記液状シリコーンゴム混合液をリングノズルに供給し、スリットから吐出することで、上記基材上に混合液を塗布した。この際、硬化後のシリコーンゴム層が280μmの厚さになるように、リングノズルの基材に対する相対移動速度、及び送液ポンプ吐出量を調整した。
ここで、スリットのギャップ、中子とリングノズルとのアライメントの状態により、例えばベルトの周方向における弾性層の厚さムラが発生し、後述するようにこの厚さムラがベルトの抵抗ムラとして現れることが分かった。この厚さムラは塗工装置のセットアップの条件で決定され、アライメントとリングノズルとのギャップに依存するため、調整をしない限り厚さムラは変化しない。
次に、弾性層が塗布されたベルトを中子に取り付けた状態で加熱炉に入れ、130℃で15分加熱し(一次焼成)、更に140℃で180分加熱し(二次焼成)、ゴム架橋を行った。冷却後、ベルトを中子から取外し、基層に弾性層が積層されたベルト(ここでは、単に「二次焼成後のベルト」ともいう。)を得た。
なお、基材にゴムを塗布する際に、塗工装置の正面になるベルトの位置にマーキングを行い、体積抵抗率の測定の基準位置とした。
(弾性層の抵抗測定)
二次焼成後のベルト(基層に弾性層が積層されたベルト)の体積抵抗率の測定を、次のようにして行った。上述のように、塗工装置の正面になる位置を基準位置とし、ベルトの周方向において20mmピッチで58点の体積抵抗率を測定した。ベルトの周方向の各点においては、ベルトの幅方向の中央及び中央から両端部方向に115mm(中央±115mm)の3点で体積抵抗率を測定した。なお、測定点数は上記の条件に限定されるものではなく、任意に設定することが可能である。
本実施例における二次焼成後のベルトの体積抵抗率の測定結果の一例を図3に示す。図3の横軸はベルトの周方向の位置(基準位置(0°)に対する位相)を示し、縦軸は体積抵抗率(Logρvで表記)を示す。図3に示すように、二次焼成後のベルトには、その周方向における抵抗ムラが生じることがあることがわかる。すなわち、二次焼成後のベルトには、その周方向における体積抵抗率の増減(典型的には周期的な増減)が生じることがあることがわかる。また、二次焼成後のベルトには、その幅方向においても抵抗ムラが生じることがあることがわかる。
また、図4は、基層上に弾性層をその厚さを振って塗工し、二次焼成後のベルトの総厚さとベルトの体積抵抗率との関係を調べた結果を示すグラフ図である。図4の横軸は二次焼成後のベルトの総厚さを示し、縦軸は体積抵抗率(Logρvで表記)を示す。図4に示すように、二次焼成後のベルトの厚さに対して二次焼成後のベルトの体積抵抗率はほぼリニアに変化する。
ここで、二次焼成後のベルトの体積抵抗率のうち弾性層の体積抵抗率が支配的であるので、弾性層の体積抵抗率の測定結果(特にその高低を示す情報)は、二次焼成後のベルトの体積抵抗率の測定結果(特にその高低を示す情報)で代用することができる。つまり、図4に示す二次焼成後のベルトの体積抵抗率の変化においては、弾性層の厚さによる体積抵抗率の変化が支配的であるため、図4から、弾性層の厚さに対して弾性層の体積抵抗率がほぼリニアに変化することがわかる。
このように、図3、図4の結果から、上述のような弾性層の塗工装置のアライメントなどに起因して、二次焼成後のベルトの周方向において、弾性層の厚さムラが生じ、該方向における抵抗ムラが生じることがあることがわかる。すなわち、二次焼成後のベルトの周方向において、弾性層の厚さの増減(典型的には周期的な増減)が生じ、該方向における体積抵抗率の増減(典型的には周期的な増減)が生じることがあることがわかる。また、二次焼成後のベルトの幅方向においても、弾性層の厚さムラが生じ、該方向における抵抗ムラが生じることがあることがわかる。
(中間層の厚さと抵抗率の関係)
本実施例において中間層の材料に使用した水性ウレタンゴム液は、弾性層上に塗布された場合に、その厚さに比例して体積抵抗率が大きくなる電気抵抗特性を示す。
図5は、弾性層上に中間層をその厚さを振って塗工し、中間層の厚さの変化による体積抵抗率の変化量を算出した結果を示すグラフ図である。図5の横軸は中間層の厚さの変化量(厚さ10μmを基準とする。)を示し、縦軸は体積抵抗率(Logρvで表記)の変化量(中間層の厚さが基準の厚さの場合の体積抵抗率を基準とする。)。
図5に示すように、中間層の厚さに対してベルトの体積抵抗率はほぼリニアに変化する。そのため、中間層の厚さを変化させることによって、中間転写ベルトの体積抵抗率を制御することができる。
なお、上述のように、塗工装置の設定が調整されない限り、弾性層の厚さムラは実質的に変化せず、したがって弾性層の厚さムラ、抵抗ムラは実質的に変化しないことが多い。したがって、二次焼成後のベルトの体積抵抗率の測定は、例えば二次転写ベルトのロットごとなど、弾性層の厚さムラ、抵抗ムラが変化する可能性のある単位ごとに行うことができる。そして、その測定結果を二次転写ベルトの個体ごとについての、二次焼成後のベルトの体積抵抗率の測定結果として用いることができる。
(中間層の塗工)
中間層は、基材(二次焼成後のベルト)を円筒形の中子に取り付け、中子を回転させながら基材の表面にスプレー塗工を行うことで成形した。中子の回転軸にはエンコーダーが設けられており、1周期を正確に測ることができる。中子を回転駆動するモーターとしてはステッピングモーターが使用され、回転速度を任意に変化させることができる。
中間層を形成する塗工液(塗料)には、水性ウレタンゴム液であるポリウレタン樹脂液(商品名:ハイドラン 201、DIC社製)を用いた。また、中間層の塗工前に、弾性層の表面にエキシマUVを照射し、弾性層の表面を親水化処理した。上記親水化処理後の基材にスプレーガン(W-101、アネスト岩田社製)を用いて上記塗工液を塗工した。スプレーガンの設定を次のように設定し、制御することにより、中間層の厚さは平均値(平均膜厚)で約10μmとすることができた。
・ガン距離:100mm
・パターン:60mm
・トラバース速度:12mm/s
・回転数:60rpm
霧化量はエア流量で制御し、塗工液の吐出量はニードルの絞りを制御して管理した。そして、本実施例では、一定の吐出量に設定した上で、中子の回転速度を二次焼成後のベルトの抵抗ムラの位置に応じて制御した。これにより、中間層の厚さを8μmから12μmの間で制御し、抵抗ムラを制御した。
(中間層の塗工量の計算)
本実施例では、上述のように二次焼成後のベルトの体積抵抗率を測定し、二次焼成後のベルトの幅方向の中央及び中央±115mm×1周期分の体積抵抗率データを3次元マップ化する。本実施例では、この3次元マップ化を行う際に、スムージングのために体積抵抗率データの3点移動平均を行った。
下記式で示すように、上記体積抵抗率データの平均値(「Ave抵抗」)に対する、各点(周方向をX方向、幅方向をY方向とした場合の各X、Y座標位置)の体積抵抗率の差分(「ΔLogρv」)を計算する。なお、より精度を上げるために、ベルトの体積抵抗率の測定をベルトの幅方向の3点以上で行ってもよい。
Ave抵抗-各X、Y座標位置の抵抗=ΔLogρv
そして、ベルトの幅方向の中央及び中央±115mmの3点のデータから、ベルトの幅全域(中央±220mmの領域)を補完して、ベルトの体積抵抗率の3次元マップを作成する。本実施例におけるΔLogρvの3次元マップの一例を図6に示す。
本実施例では、上述のようにして得たΔLogρvの3次元マップに基づいて、ベルトの各点での中間層の厚さの、基準に対する狙いの変化量を算出する。つまり、図7は、中子の回転速度に対する中間層の厚さの変化量の実験結果を示すグラフ図である。図7の横軸は中間層の厚さの変化量(中子の回転速度が100%の場合厚さを基準とする。)を示し、縦軸は中子の回転速度の変化量(基準の回転速度を100%とする。)を示す。この中子の回転速度に対する中間層の厚さの変化量のデータと、上述のΔLogρvの3次元マップと、に基づいて、演算処理装置(図示せず)によって、中間層の厚さの、基準に対する狙いの変化量を得るために必要な中子の回転速度を計算する。典型的には、上記ΔLogρvを十分に小さくするように、必要な中子の回転速度を求める。そして、その回転速度となるように中子を回転駆動するステッピングモーターを制御する。
(中間層の塗工量の調整)
本実施例では、上述のように、二次焼成後のベルトの体積抵抗率の測定結果に基づいて、図6、図7を参照して説明した演算処理を行い、中間層の厚さの基準(本実施例では10μm)に対する中間層の厚さの狙いの変化量(塗工量)を求める。概略、二次焼成後のベルトの体積抵抗率が狙いの体積抵抗率よりも高い位置については、中間層の厚さを薄くして体積抵抗率を下げるようにする。一方、二次焼成後のベルトの体積抵抗率が狙いの体積抵抗率よりも低い位置については、中間層の厚さを厚くして体積抵抗率を上げるようにする。換言すれば、概略、二次焼成後のベルトの厚さ(弾性層の厚さ)が狙いの厚さよりも厚い位置については、中間層の厚さを薄くして体積抵抗率を下げるようにする。一方、二次焼成後のベルトの厚さ(弾性層の厚さ)が狙いの厚さよりも薄い位置については、中間層の厚さを厚くして体積抵抗率を上げるようにする。
図8は、中間層の塗工装置50の模式図である。塗工装置50は、二次焼成後のベルトに挿入される中子51と、中子51を回転駆動するモーター52と、中子51の回転軸に設けられたエンコーダー53と、スプレーガン54と、制御部55と、を有する。エンコーダー53は、中子51の回転方向の位置に関する情報を制御部55に入力する。スプレーガン54は、中子51に取り付けられたベルトの幅方向に移動可能とされていると共に、該方向の位置に関する情報を制御部55に入力する。制御部55は、エンコーダー53による中子の回転方向の位置に関する情報及びスプレーガン54の移動方向の位置に関する情報に基づいて、モーター52による中子51の回転速度を制御することができるようになっている。
本実施例では、中間層の厚さの制御は、塗工液の吐出量は変えずに、中子の回転軸に設けられたエンコーダーで位置を確認しながら中子の回転速度を制御することで行う。本実施例では、平均値で約10μmの厚さに中間層を塗工するために、スプレーガンをベルトの幅方向に移動させながら、ベルトの幅方向の同じ位置を5パス分塗工する。このとき、概略、二次焼成後のベルトの体積抵抗率が狙いの体積抵抗率よりも低い位置がスプレーガンによる塗工液の塗布位置を通過中は中子の回転速度を遅くして該塗工液を厚塗りする。一方、二次焼成後のベルトの体積抵抗率が狙いの体積抵抗率よりも高い位置がスプレーガンによる塗工液の塗布位置を通過中は中子の回転速度を速くして該塗工液を薄く塗る。換言すれば、概略、二次焼成後のベルトの厚さ(弾性層の厚さ)が狙いの厚さよりも薄い位置がスプレーガンによる塗工液の塗布位置を通過中は中子の回転速度を遅くして該塗工液を厚塗りする。一方、二次焼成後のベルトの厚さ(弾性層の厚さ)が狙いの厚さよりも厚い位置がスプレーガンによる塗工液の塗布位置を通過中は中子の回転速度を速くして該塗工液を薄く塗る。
上述のようにして、ベルトの幅420mmを走査して、ベルトの全面に中間層を塗工する。中間層の塗工後、ベルトを中子に嵌め合せた状態で、200rpmで15分間回転させて、自然乾燥を行った。
ここで、通常は、表面層を塗工した後に実施するが、次の条件で最終焼成を行った。中間層を塗工後風乾したベルトを130℃の加熱炉に入れ、30分間放置した。このベルトを加熱炉から取出し、冷却して、基層、弾性層及び中間層が積層されたベルト1を得た。
この基層、弾性層及び中間層が積層されたベルト1の体積抵抗率を測定し、該ベルト1の幅方向の中央及び中央±115mm×1周期分の体積抵抗率データを3次元マップ化した(図9)。該3次元マップにおいて、Logρvごとに領域を区別した場合、大半の領域はLogρv10.24~10.26(Ω・cm)、Logρv10.26~10.28(Ω・cm)の領域となり、わずかにLogρv10.28~10.30(Ω・cm)の領域があった。また、二次焼成後のベルトの抵抗ムラと、ベルト1の抵抗ムラとを比較した結果を後掲表1に示す。ここで、抵抗ムラは、ベルトの1周にわたるベルトの幅方向の中央±115mmの領域における体積抵抗率(Logρvで表記)のうちの、最大値と最小値とから、下記式で算出される値として定義する。下記式中、「ΔMaxLogρv」は、抵抗ムラである。また、「MaxLogρv」は、体積抵抗率の最大値である。また、「MinLogρv」は、体積抵抗率の最小値である。
ΔMaxLogρv=MaxLogρv-MinLogρv
(表面層の形成)
ポリウレタンディスパージョンにポリテトラフルオロエチレンが分散された含フッ素ポリウレタン樹脂液(商品名:Emralon T-861、ヘンケルジャパン社製)を用意した。基材(基層、弾性層及び中間層が積層されたベルト)を中子に嵌め合わせ、200rpmで回転させながら、スプレーガン(商品名:W-101、アネスト岩田社製)を用いて上記ウレタン樹脂液(塗工液)を塗布した。塗布時の塗工液の吐出量は、表面層の乾燥後の厚さが3μmとなるように設定した。塗布後、130℃の加熱炉に入れ、30分間放置した。加熱炉から取出し、冷却後、弾性中間転写ベルトを得た。
<実施例2>
本実施例は、中間層の厚さの調整方法が実施例1と異なる。
(中間層の厚さの調整)
中間層は、基材(二次焼成後のベルト)を円筒形の中子に取り付け、中子を回転させながら基材の表面にスプレー塗工を行うことで成形した。中子の回転軸にはエンコーダーが設けられており、1周期を正確に測ることができる。
親水処理後の基材にスプレーガンを用いて水性ウレタンゴム液(塗工液)を塗工した。スプレーガンの設定を次のように設定し、制御することにより、中間層の厚さは平均値で約10μmとすることができた。
・ガン距離:100mm
・パターン:60mm
・トラバース速度:12mm/s
・回転数:60rpm
霧化量はエア流量計で制御し、塗工液の吐出量はニードルの絞りを制御して管理した。そして、本実施例では、一定の中子の回転速度に設定した上で、ニードルの絞りによる塗工液の吐出量を二次焼成後のベルトの抵抗ムラの位置に応じて制御した。これにより、中間層の厚さを8μmから12μmの間で制御し、抵抗ムラを制御した。
本実施例では、実施例1同様に、二次焼成後のベルトの体積抵抗率を測定し、二次焼成後のベルトの幅方向の中央及び中央±115mm×1周期分の体積抵抗率データを3次元マップ化した。本実施例における二次焼成後のベルトの体積抵抗率の測定結果の一例を図10に示す。また、本実施例におけるΔLogρvの3次元マップの一例を図11に示す。
本実施例では、実施例1と同様に、ΔLogρvの3次元マップに基づいて、ベルトの各点での中間層の厚さの、基準に対する狙いの変化量を算出した。つまり、図12は、塗工液の吐出量に対する中間層の厚さの変化量の実験結果を示すグラフ図である。図12の横軸は中間層の厚さの変化量(吐出量が100%の場合厚さを基準とする。)を示し、縦軸は塗工液の吐出量の変化量(基準の吐出量を100%とする。)を示す。この塗工液の吐出量に対する中間層の厚さの変化量のデータと、上述のΔLogρvの3次元マップと、に基づいて、演算処理装置(図示せず)によって、中間層の厚さの、基準に対する狙いの変化量を得るために必要な塗工液の吐出量を計算する。典型的には、上記ΔLogρvを十分に小さくするように、必要な塗工液の吐出量を求める。そして、その吐出量となるようにスプレーガンを制御する。
つまり、本実施例では、上述のように、二次焼成後のベルトの体積抵抗率の測定結果に基づいて、図11、図12を参照して説明した演算処理を行い、中間層の厚さの基準(本実施例では10μm)に対する中間層の厚さの狙いの変化量(塗工量)を求める。本実施例では、中間層の厚さの制御は、中子の回転速度は変えずに、中子の回転軸に設けられたエンコーダーで位置を確認しながら塗工液の吐出量を制御することで行う。平均値で約10μmの厚さに中間層を塗工するために、スプレーガンをベルトの幅方向に移動させながら、ベルトの幅方向の同じ位置を5パス分塗工する。このとき、概略、二次焼成後のベルトの体積抵抗率が狙いの体積抵抗率よりも低い位置がスプレーガンによる塗工液の塗布位置を通過中は該塗工液の吐出量を多くして該塗工液を厚塗りする。一方、二次焼成後のベルトの体積抵抗率が狙いの体積抵抗率よりも高い位置がスプレーガンによる塗工液の塗布位置を通過中は該塗工液の吐出量を少なくして該塗工液を薄く塗る。換言すれば、概略、二次焼成後のベルトの厚さ(弾性層の厚さ)が狙いの厚さよりも薄い位置がスプレーガンによる塗工液の塗布位置を通過中は該塗工液の吐出量を多くして該塗工液を厚塗りする。一方、二次焼成後のベルトの厚さ(弾性層の厚さ)が狙いの厚さよりも厚い位置がスプレーガンによる塗工液の塗布位置を通過中は該塗工液の吐出量を少なくして該塗工液を薄く塗る。
上述のようにして、ベルトの幅420mmを走査し、ベルトの全面に中間層を塗工する。中間層の塗工後、ベルトを中子に嵌め合せた状態で、200rpmで15分間回転させて、自然乾燥を行った。
ここで、通常は表面層を塗工した後に実施するが、次の条件で最終焼成を行った。中間層を塗工後風乾したベルトを130℃の加熱炉に入れ、30分間放置した。このベルトを加熱炉から取出し、冷却後、基層、弾性層及び中間層が積層されたベルト2を得た。
この基層、弾性層及び中間層が積層されたベルト2の体積抵抗率を測定し、該ベルト2の幅方向の中央及び中央±115mm×1周期分の体積抵抗率データを3次元マップ化した(図13)。該3次元マップにおいて、Logρvごとに領域を区別した場合、大半の領域はLogρv10.22~10.24(Ω・cm)の領域となり、わずかにLogρv10.20~10.22(Ω・cm)、logρv10.24~10.26(Ω・cm)の領域があった。また、二次焼成後のベルトとベルト2とで抵抗ムラ(ΔMaxLogρv)を比較した結果を後掲表1に示す。
<効果>
Figure 0007058989000001
実施例1、実施例2では、二次焼成後のベルトの体積抵抗率が高い部分では中間層の厚さを薄くし、二次焼成後のベルトの体積抵抗率が低い部分では中間層の厚さを厚くする。このように、弾性層よりも外側の(すなわち、表面に近い)層である中間層の厚さを変化させることで、表1からわかるように、中間転写ベルトの全体の抵抗ムラを低減することが可能となる。つまり、二次焼成後のベルトの抵抗ムラΔMaxLogρvが0.20~0.28(Ω・cm)であったのに対して、基層、弾性層及び中間層が積層されたベルトの抵抗ムラΔMaxLogρvは、0.06~0.07(Ω・cm)まで低減された。
本発明者の検討によれば、例えば一次転写部での微小放電ムラの発生を抑制する観点などから、基層、弾性層及び中間層が積層されたベルトの抵抗ムラΔMaxLogρvは0.1(Ω・cm)以下が好ましく、0.7(Ω・cm)以下であることがより好ましい。この抵抗ムラΔMaxLogρvは、可及的に小さくすることが好ましく、0(Ω・cm)であってもよいが、0.05(Ω・cm)以上程度となることが多い。
このように、本実施形態では、中間転写ベルト7は、基層11と、基層11より中間転写ベルト7の表面の近くに積層された弾性層12と、弾性層12より中間転写ベルト7の表面の近くに積層された上層(中間層)13と、を有する。この中間転写ベルト7は、弾性層12の体積抵抗率が第1の体積抵抗率である第1の部分に対応する上層13の厚さは、第1の厚さである。そして、弾性層12の体積抵抗率が第1の体積抵抗率よりも高い第2の体積抵抗率である第2の部分に対応する上層13の厚さは、第1の厚さよりも小さい第2の厚さである。換言すると、この中間転写ベルト7は、弾性層12の厚さが第3の厚さである第1の部分に対応する上層13の厚さは、第1の厚さである。そして、弾性層12の厚さが第3の厚さよりも大きい第4の厚さである第2の部分に対応する上層13の厚さは、第1の厚さよりも小さい第2の厚さである。特に、この中間転写ベルト7は、周回移動させられて使用されるものである。そして、上記第1の部分と上記第2の部分とは、上記周回移動方向と略平行な第1の方向において異なる位置、第1の方向と略直交する第2の方向において異なる位置、又は第1の方向及び第2の方向の両方において異なる位置である。
また、本実施形態では、中間転写ベルト7の製造方法は、次の各工程を有する。まず、基層11を成形する第1の成形工程である。また、基層11より中間転写ベルト7の表面の近くに積層するように弾性層12を成形する第2の成形工程である。また、弾性層13まで積層された積層体の複数の部分の体積抵抗率を測定する測定工程である。また、弾性層12より中間転写ベルト7の表面の近くに積層するように上層(中間層)13を成形する第3の成形工程である。そして、第3の成形工程は、測定工程で測定された体積抵抗率が第1の体積抵抗率である第1の部分に対応する上層13の厚さを、第1の厚さとするように行う。また、第3の成形工程は、測定工程で測定された体積抵抗率が第1の体積抵抗率よりも高い第2の体積抵抗率である第2の部分に対応する上層13の厚さを、第1の厚さよりも小さい第2の厚さとするように行う。典型的には、第3の成形工程は、スプレー塗工により行う。
以上説明したように、本実施形態によれば、弾性層を有する中間転写ベルト(弾性中間転写ベルト)の抵抗ムラを低減することができる。そのため、弾性中間転写ベルトの抵抗ムラに起因する、例えば一次転写部での微小放電ムラの発生による画像不良を抑制することができる。
[他の実施形態]
次に、本発明の他の実施形態について説明する。なお、中間転写ベルトの基本的な構成、製造方法、測定方法は、第1の実施形態と同様である。
第1の実施形態では、中間転写ベルトの周方向及び幅方向の両方において、弾性層(二次焼成後のベルト)の抵抗ムラに応じて中間層の厚さを変化させた。別法として、中間転写ベルトの周方向における弾性層(二次焼成後のベルト)の抵抗ムラに応じて、中間層の厚さを変化させてもよい。つまり、第1の実施形態と同様に、二次焼成後のベルトの体積抵抗率を測定する。図14(a)にその測定結果の一例を示す。この体積抵抗率は、二次焼成後のベルトの幅方向における1箇所で測定してもよいし、複数箇所で測定して平均値を求めるなどしてもよい。そして、二次焼成後のベルトの周方向における抵抗ムラを低減するために必要な中間層の厚さを求める。図14(a)に、二次焼成後のベルトの周方向において変化させる中間層の厚さの一例を示す。この中間層の厚さは、第1の実施形態と同様に、体積抵抗率の測定結果をスムージング(例えば3点移動平均)した結果に基づいて、第1の実施形態と同様にΔLogρvを十分に小さくするように求めることができる。そして、第1の実施形態と同様にして、二次焼成後のベルトの周方向の各位置における中間層の厚さが上記求めた厚さとなるように、中間層の塗工の際に中子の回転速度(実施例1)、あるいは塗工液の吐出量(実施例2)を制御する。図14(b)に、基層、弾性層及び中間層が積層されたベルトの体積抵抗率の測定結果の一例を示す(代表してベルトの幅方向の中央の測定結果のみ示す。)。図14(a)、(b)から、ベルトの周方向における抵抗ムラが低減されることがわかる。なお、この場合、ベルトの幅方向のいずれかの位置(複数位置の平均値でもよい。)における抵抗ムラΔMaxLogρvが、前述の範囲となることが好ましい。
このように、周回移動させられて使用される中間転写ベルト7は、次のような構成を有していてよい。基層11と、基層11より中間転写ベルト7の表面の近くに積層された弾性層12と、弾性層12より中間転写ベルト7の表面の近くに積層された上層(中間層)13と、を有する。そして、上層13は、上記周回移動方向と略直交する方向の少なくとも一部に、上記周回移動方向と略平行な方向において厚さが漸増又は漸減する領域を有する。特に、上記周回移動方向と略平行な方向において、上層13の上記領域の厚さの増減関係は、弾性層12の上記領域に対応する領域の体積抵抗率の増減関係とは逆の増減関係(典型的には反比例の関係)を有する。換言すれば、上記周回移動方向と略平行な方向において、上層13の上記領域の厚さの増減関係は、弾性層12の上記領域に対応する領域の厚さの増減関係とは逆の増減関係(典型的には反比例の関係)を有する。
また、同様に、中間転写ベルトの幅方向における弾性層(二次焼成後のベルト)の抵抗ムラに応じて、中間層の厚さを変化させてもよい。なお、この場合、ベルトの周方向のいずれかの位置(複数位置の平均値でもよい。)における抵抗ムラΔMaxLogρvが、前述の範囲となることが好ましい。
また、前述のように、弾性層(二次焼成後のベルト)の厚さと弾性層(二次焼成後のベルト)の体積抵抗率とは相関(略比例)するので、体積抵抗率の測定結果から厚さの測定結果に変換することができる。したがって、第1の実施形態における弾性層(二次焼成後のベルト)の抵抗ムラの測定結果を、弾性層(二次焼成後のベルト)の厚さムラの測定結果に変換することができる。あるいは、第1の実施形態で説明したように弾性層(二次焼成後のベルト)の厚さを直接的に測定して、厚さムラを測定してもよい。なお、例えば第1の実施形態で説明した製造方法などでは、二次焼成後のベルトの厚さの変動のうち弾性層の厚さの変動が支配的である。そのため、弾性層の厚さの測定結果(特にその大小を示す情報)は、二次焼成後のベルトの厚さの測定結果(特にその大小を示す情報)で代用することができる。図14(c)は、二次焼成後のベルトの厚さの測定結果の一例を示す。そして、測定した弾性層(二次焼成後のベルト)の厚さムラに応じて、中間層の厚さを変化させてもよい。この場合も、中間層の厚さの変更は、以上で説明した中間転写ベルトの周方向、幅方向、又は周方向及び幅方向の厚さムラのいずれに応じて行うようにしてもよい。
つまり、中間転写ベルト7の製造方法は、次の各工程を有していてよい。まず、基層11を成形する第1の成形工程である。また、基層11より中間転写ベルト7の表面の近くに積層するように弾性層12を成形する第2の成形工程である。また、弾性層12まで積層された積層体の複数の部分の厚さを測定する測定工程である。また、弾性層12より中間転写ベルト7の表面の近くに積層するように上層(中間層)13を成形する第3の成形工程である。そして、第3の成形工程は、測定工程で測定された厚さが第3の厚さである第1の部分に対応する上層13の厚さを、第1の厚さとするように行う。また、第3の成形工程は、測定工程で測定された厚さが第3の厚さよりも大きい第4の厚さである第2の部分に対応する上層13の厚さを、第1の厚さよりも小さい第2の厚さとするように行う。この場合も、典型的には、第3の成形工程は、スプレー塗工により行う。
また、第1の実施形態では、画像形成用部材は中間転写ベルトであったが、本発明はトナー又はトナーで画像が形成される記録媒体と接触する表面を有する画像形成用部材であれば、画像形成装置において用いられる他の部材にも適用することができる。例えば、トナー像を記録媒体に定着させる定着器においてトナー又は記録媒体に接触する定着部材、記録媒体を担持して搬送する搬送部材、転写部において像担持体との間で記録媒体を挟持してトナー像を記録媒体に転写させる転写部材が挙げられる。これらいずれの部材も、ロール状又は無端ベルト状のものであってよい。
7 中間転写ベルト
11 基層
12 弾性層
13 中間層
14 表面層
100 画像形成装置

Claims (3)

  1. 像担持体から一次転写されたトナー像を記録媒体に二次転写するために表面に担持して搬送する中間転写ベルトの製造方法において、
    基層を成形する第1の成形工程と、
    前記基層より前記表面の近くに積層するように弾性層を成形する第2の成形工程と、
    前記弾性層まで積層された積層体の複数の部分の体積抵抗率を測定する測定工程と、
    前記弾性層より前記表面の近くに積層するように上層を成形する第3の成形工程と、
    を有し、
    前記第3の成形工程は、前記測定工程で測定された体積抵抗率が第1の体積抵抗率である第1の部分に対応する前記上層の厚さを、第1の厚さとし、前記測定工程で測定された体積抵抗率が前記第1の体積抵抗率よりも高い第2の体積抵抗率である第2の部分に対応する前記上層の厚さを、前記第1の厚さよりも小さい第2の厚さとするように行うことを特徴とする中間転写ベルトの製造方法。
  2. 像担持体から一次転写されたトナー像を記録媒体に二次転写するために表面に担持して搬送する中間転写ベルトの製造方法において、
    基層を成形する第1の成形工程と、
    前記基層より前記表面の近くに積層するように弾性層を成形する第2の成形工程と、
    前記弾性層まで積層された積層体の複数の部分の厚さを測定する測定工程と、
    前記弾性層より前記表面の近くに積層するように上層を成形する第3の成形工程と、
    を有し、
    前記第3の成形工程は、前記測定工程で測定された厚さが第3の厚さである第1の部分に対応する前記上層の厚さを、第1の厚さとし、前記測定工程で測定された厚さが前記第3の厚さよりも大きい第4の厚さである第2の部分に対応する前記上層の厚さを、前記第1の厚さよりも小さい第2の厚さとするように行うことを特徴とする中間転写ベルトの製造方法。
  3. 前記第3の成形工程は、スプレー塗工により行うことを特徴とする請求項又はに記載の中間転写ベルトの製造方法。
JP2017232835A 2017-12-04 2017-12-04 中間転写ベルトの製造方法 Active JP7058989B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017232835A JP7058989B2 (ja) 2017-12-04 2017-12-04 中間転写ベルトの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017232835A JP7058989B2 (ja) 2017-12-04 2017-12-04 中間転写ベルトの製造方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2019101271A JP2019101271A (ja) 2019-06-24
JP2019101271A5 JP2019101271A5 (ja) 2021-01-21
JP7058989B2 true JP7058989B2 (ja) 2022-04-25

Family

ID=66973581

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017232835A Active JP7058989B2 (ja) 2017-12-04 2017-12-04 中間転写ベルトの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7058989B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7027231B2 (ja) * 2017-05-12 2022-03-01 キヤノン株式会社 電子写真用部材、電子写真用部材の製造方法および電子写真画像形成装置

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001290376A (ja) 2000-04-10 2001-10-19 Bando Chem Ind Ltd 電子写真装置用転写搬送ベルト
JP2007025096A (ja) 2005-07-14 2007-02-01 Ricoh Co Ltd 転写ベルト、転写装置及び画像形成装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11344025A (ja) * 1998-06-01 1999-12-14 Mitsubishi Chemical Corp シームレスチューブ及びその製造方法
JP4578900B2 (ja) * 2004-09-07 2010-11-10 富士フイルム株式会社 光学フイルム、偏光板及び液晶表示装置
US20100300604A1 (en) * 2009-05-29 2010-12-02 William Krebs Goss Image transfer belt with controlled surface topography to improve toner release

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001290376A (ja) 2000-04-10 2001-10-19 Bando Chem Ind Ltd 電子写真装置用転写搬送ベルト
JP2007025096A (ja) 2005-07-14 2007-02-01 Ricoh Co Ltd 転写ベルト、転写装置及び画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019101271A (ja) 2019-06-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5899852B2 (ja) 画像形成装置用ベルト、及びそれを用いた画像形成装置
US10831126B2 (en) Developing roller having crown-shaped electro-conductive layer with outer surface providing electrically insulating first regions adjacent to second regions having higher conductivity
US9733596B1 (en) Conductive member for image-forming apparatus, transfer unit for image-forming apparatus, and image-forming apparatus
CN110874038A (zh) 显影辊、电子照相处理盒和电子照相图像形成设备
JP2010076205A (ja) 導電性ローラの製造方法、導電性ローラ、帯電ローラ及び電子写真装置
JP7058989B2 (ja) 中間転写ベルトの製造方法
JP2014145817A (ja) 中間転写ベルト、画像形成装置、及び、中間転写ベルトの製造方法
JP7254504B2 (ja) 中間転写ベルト及び画像形成装置
JP2008304738A (ja) 画像形成装置
JP5693203B2 (ja) 画像形成装置
JP5365732B2 (ja) 帯電装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2019032463A (ja) 中間転写ベルト及び画像形成装置
JP3760735B2 (ja) 導電性ロール
JP2006084707A (ja) 電子写真装置の転写ベルト、電子写真装置
JP7183026B2 (ja) 中間転写ベルト及び画像形成装置
JP6333445B2 (ja) 画像形成装置
JP2006267240A (ja) 搬送ベルト及びこれを用いた画像形成装置
JP7175742B2 (ja) 中間転写ベルト及び画像形成装置
JP7533289B2 (ja) 中間転写ベルトおよびそれを用いた画像形成装置
JP2021089394A (ja) 中間転写ベルト及び画像形成装置
US11474444B2 (en) Intermediate transfer belt and image forming apparatus
JP5505543B2 (ja) 導電性ロールの製造装置
JP6922191B2 (ja) 画像形成装置用導電性部材、画像形成装置用転写ユニット及び画像形成装置
JP5230186B2 (ja) 弾性部材及びその製造方法
JP2007121553A (ja) 転写ロール、及び画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201203

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201203

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210909

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210928

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211129

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220315

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220413

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7058989

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151