以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施形態におけるグラインダー体感装置1001の上面図であり、図2は、グラインダー体感装置1001の側面図であり、図3(a)は、グラインダー体感装置1001の背面図である。また、図3(b)は、保持リング760及び仕切りゴム770の正面図である。
なお、図1では、砥石g3の一部の図示が省略される。また、図1から図3における矢印F-B,L-R,U-Dは、グラインダー体感装置1001の前後方向、左右方向、上下方向を示す。以下の図においても同様であるので、その説明は省略する。
図1から図3に示すように、グラインダー体感装置1001は、基部となるベース部材100と、被削材Wを固定する被削材固定体200と、グラインダーGを変位可能に保持する保持手段(ベース側フレーム300、グラインダー側フレーム400及び連結体500)と、グラインダーGの変位を所定範囲内に規制する規制体600と、グラインダーGの収容空間を区画するケース体700と、操作盤800とを備える。
グラインダーGは、モータ等の駆動機構が内部に収容されると共に、一般的な作業において作業者が把持する部位となる把持部g1と、その把持部g1に配設されるカバーg2と、そのカバーg2により外縁の一部が取り囲まれる砥石g3と、プラグ(図示せず)が先端側に配設され駆動機構へ電力を供給するための電気配線として形成されるコードg4とを備える。なお、図では、コードg4の先端側(プラグ側)及び電源スイッチの図示が省略される。
ベース部材100は、上面視略矩形の板状に形成される金属製の板部110と、その板部110の下面における角部4箇所に締結により配設される導電ゴム製のゴム足120とを備える。
被削材固定体200は、ベース部材100の板部110の上面に締結により配設される金属製の本体210と、その本体210の上面における3箇所に溶接固定され板状に形成される金属製の補強板220と、それら補強板220が配設される箇所にそれぞれ穿設され内周面にめねじが螺刻される複数(本実施形態では3箇所)のクランプレバー締結孔230と(図4参照)、それらのクランプレバー締結孔230にそれぞれ締結されるクランプレバー240とを備える。被削材固定体200は、本体210(補強板220)とクランプレバー240との間に挟持することで、3箇所に被削材Wを固定可能とされる。
保持手段は、ベース部材100の板部110の上面に配設されるベース側フレーム300と、グラインダーGを保持するグラインダー側フレーム400と、それらベース側フレーム300及びグラインダー側フレーム400を相対変位可能かつ分離可能に連結する連結体500とを備える。
ベース側フレーム300は、ベース部材100の板部110の上面に配設される金属製の第1フレーム310と、その第1フレーム310の前方側(矢印F方向側)の上面に配設される金属製の第2フレーム320とを備える。
グラインダー側フレーム400は、前後方向(矢印F-B方向)に長い板状に形成される金属製の第3フレーム410と、左右方向(矢印L-R方向)に長い板状に形成され第3フレーム410の上面に溶接固定により配設される金属製の第4フレーム420と、その第4フレーム420の上面に配設される樹脂製の挟持ベース430と、その挟持ベース430との間でグラインダーGの把持部g1を挟持する樹脂製の挟持カバー440と、第3フレーム410の後端(矢印B側の端部)に配設され円筒状に形成される樹脂製の把持部材450とを備える。なお、第4フレーム420、挟持ベース430及び挟持カバー440は、それぞれ複数個(本実施形態ではそれぞれ2個)配設される。
連結体500は、グラインダー側フレーム400の下面から下方(矢印D方向)へ向けて突出される突出部材510と、ベース側フレーム300の第1フレーム310の後方側(矢印B方向側)の上面から上方(矢印U方向)へ向けて突出され、突出部材510を変位可能かつ分離可能に支持する支持部材520とを備える。
規制体600は、正面視円形状の開口(図9参照)が形成されその開口にグラインダーGの把持部g1が挿通される金属製の本体610と、その本体610の開口の内周面に覆設されるゴム製の緩衝ゴム620とを備える。
ケース体700は、板状の前面板710と、その前面板710に対して所定間隔を隔てて対向配置される板状の背面板720と、それら前面板710及び背面板720の側縁を連結する板状の側面板730,740と、これら各板710~740の上縁を連結する板状の天面板750とを備え、5枚の各板710~750とベース部材100(板部110)とにより略立方体形状の空間(以下「配設空間」と称す)を区画する。各板710~750は、光透過性(透明)の樹脂材料から形成され、内部のグラインダーGが視認可能とされる。
背面板720には、上下方向(矢印U-D方向)に長い長円形状の開口が形成され、その開口には、シート状に形成されたゴム製の仕切りゴム770が配設される。仕切りゴム770には、複数のスリットが放射直線状に形成され、グラインダーGが出し入れ可能とされると共にグラインダー側フレーム400の第3フレーム410(把持部材450)の変位が許容される。
なお、背面板720には、縦長円環形状に形成される金属製の保持リング760が締結固定され、仕切りゴム770は、その外縁が、保持リング760と背面板720との間に挟持されることで、背面板720に配設される。
操作盤800は、箱状に形成されるボックス810と、そのボックス810の上面に配設されるスイッチ820と、ボックス810の側面に配設されグラインダーGのプラグ(図示せず)が接続されるコンセント830とを備え、ケース体700の前面板710よりも前方側(矢印F方向側)において、ベース部材100の板部110の上面に配設される。
スイッチ820は、モーメンタリ式のスイッチとして構成され、スイッチ820が押下されている間だけコンセント830が導通状態となる。即ち、スイッチ820の押下中のみグラインダーGへ電力が供給される。なお、図では、操作盤800へ電力を供給するための電気配線の先端側(プラグ側)の図示が省略される。
次いで、図4を参照して、被削材固定体200について説明する。図4(a)は、被削材固定体200の上面図であり、図4(b)は、図4(a)のIVb-IVb線における被削材固定体200の断面図であり、図4(c)は、図4(a)のIVc-IVc線における被削材固定体200の断面図である。
図4に示すように、被削材固定体200の本体210には、下面の2箇所に挿通孔211が穿設され、この挿通孔211に挿通されたボルト(図示せず)により被削材固定体200がベース部材100の板部110に締結固定される(図2参照)。
本体210及び補強板220には、内周面にめねじが螺刻されたクランプレバー締結孔230が穿設される。
3箇所のクランプレバー締結孔230は、前後方向(矢印F-B方向)においては同一位置に穿設され、隣接するクランプレバー締結孔230の配設間距離は、グラインダーGの砥石g3の直径寸法よりも小さく形成される(図1参照)。これにより、グラインダーGの砥石g3の移動軌跡上に複数のクランプレバー240(被削材W)を配設できる。
次いで、図5及び図6を参照して、ベース側フレーム300について説明する。図5(a)は、ベース側フレーム300の上面図であり、図5(b)は、図5(a)のVb-Vb線におけるベース側フレーム300の断面図である。図6(a)は、図5(a)のVIa-VIa線におけるベース側フレーム300の断面図であり、図6(b)は、図5(a)のVIb-VIb線におけるベース側フレーム300の断面図である。
図5及び図6に示すように、ベース側フレーム300の第1フレーム310は、上面視略矩形枠状に形成される天井部311と、その天井部311の角部4箇所に立設される脚部312と、天井部311の後方側(矢印B方向側)の上面に溶接固定され板状に形成される金属製の補強板313とを備える。
第1フレーム310には、下面の4箇所(脚部312)に挿通孔314が穿設され、この挿通孔314に挿通されたボルト(図示せず)によりベース側フレーム300(第1フレーム310)がベース部材100の板部110に締結固定される(図2参照)。
また、第1フレーム310には、上面の3箇所(天井部311)に挿通孔315,316が穿設される。挿通孔315に挿通されたボルト(図示せず)により連結体500(支持部材520)が、挿通孔316に挿通されたボルトにより第2フレーム320が、それぞれ第1フレーム310に締結固定される(図2参照)。なお、挿通孔315は、補強板313が配設される箇所に穿設されると共に、補強板313には、挿通孔315に対応する位置に貫通孔が穿設される。
第2フレーム320には、上面の2箇所に挿通孔321が穿設され、この挿通孔321に挿通されたボルト(図示せず)により規制体600(本体610)がベース側フレーム300(第2フレーム320)に締結固定される(図2参照)。
また、第2フレーム320には、下面の2箇所にボルト締結孔322が穿設される。ボルト締結孔322には、内周面にめねじが螺刻され、このボルト締結孔322に締結されるボルトにより第1フレーム310に第2フレーム320が締結固定される。
次いで、図7を参照して、グラインダー側フレーム400について説明する。図7(a)は、グラインダー側フレーム400の側面図であり、図7(b)は、図7(a)のVIIb-VIIb線におけるグラインダー側フレーム400の断面図であり、図7(c)は、グラインダー側フレーム400の下面図である。なお、図7(b)では、挟持ベース430に対して挟持カバー440が上方(矢印U方向)へ離間した状態が模式的に図示される。
図7に示すように、第4フレーム420には、内周面にめねじが螺刻されたボルト締結孔421が長手方向(矢印L-R方向)両側に穿設され、挟持ベース430及び挟持カバー440には、ボルト締結孔421に対応する位置に、挿通孔431,441が穿設される。挟持ベース430及び挟持カバー440の挿通孔431,441に挿通したボルトを第4フレーム420のボルト締結孔421に締結することで、挟持ベース430と挟持カバー440との間にグラインダーGの把持部g1を挟持することができる(図2参照)。
挟持ベース430及び挟持カバー440には、それらの対向面に正面視円弧状の凹部432,442が凹設され、その凹部432,442がグラインダーGの把持部g1を上下方向(矢印U-D方向)より挟み込むことで、異なる大きさの把持部g1(グラインダーG)をグラインダー側フレーム400に保持することができる。
突出部材510は、前後方向(矢印F-B方向)において第3フレーム410の前方側(矢印F方向側)に配設される。
次いで、図8を参照して、連結体500について説明する。図8(a)は、連結体500の側面図であり、図8(b)は、図8(a)のVIIIb-VIIIb線における連結体500の断面図である。
図8に示すように、連結体500の突出部材510は、球状に形成される金属製の球体511と、その球体511から上方(矢印U方向)へ突設され外周に刻設されたおねじによりグラインダー側フレーム400の第3フレーム410に締結されるボルト部512とを備える。
連結体500の支持部材520は、円柱状に形成される金属製の本体521と、その本体521の上面に配設される磁性部522とを備える。磁性部522は、少なくともその一部が磁石からなり、球体511の外径と略同一の内径を有し、下方(矢印D方向)へ向けて凸となる球面を形成する。よって、球体511は磁性部522の上面を摺動することにより、変位可能に支持される。また、磁性部522による吸着力により、ベース側フレーム300に対してグラインダー側フレーム400を所定の姿勢に維持できる。一方、磁性部522の吸着力を越える力が作用された場合(例えば、グラインダーGに過大な変位が発生した場合)には、磁性部522(支持部材520)から球体511(突出部材510)を分離させることができる。
なお、ボルト部512の軸と本体521の軸とを軸O上に位置する姿勢では、軸Oが球体511の中心を通過する。
このように、球体511(突出部材510)が磁性部522(支持部材520)に変位可能に支持されることで、グラインダーG(グラインダー側フレーム400)がベース部材100(ベース側フレーム300)に保持される(所定の姿勢を維持可能とされる)と共に、グラインダーG(グラインダー側フレーム400)のベース部材100(ベース側フレーム300)に対する遊動を許容することができる。これにより、体感者は、グラインダーGが多方向変位する挙動を体感できる。
次いで、図9を参照して、規制体600について説明する。図9(a)は、規制体600の正面図であり、図9(b)は、図9(a)のIXb-IXb線における規制体600の断面図である。
図9に示すように、規制体600は、本体610の開口が正面視円形に形成され、その開口の内周面の全周にわたって緩衝ゴム620が覆設される。緩衝ゴム620は、断面がコ字(溝)形状に形成され、本体610の開口の内縁に係合可能とされる。本体610の開口の内径は、グラインダーGのカバーg2、挟持ベース430及び挟持カバー440の外形よりも小さく形成される(図1参照)。
規制体600は、前後方向(矢印F-B方向)における挟持ベース430及び挟持カバー440とグラインダーGのカバーg2との間においてベース側フレーム300(第2フレーム320)にボルト(図示せず)により締結固定される。また、本体610の開口にはグラインダーGの把持部g1が挿通される(図1及び図2参照)。よって、本体610の開口の内周面とグラインダーGの把持部g1との当接によりグラインダーGの変位を抑制できる。なお、当接時には、緩衝ゴム620により衝撃が緩衝される。
本体610の開口の内径は、グラインダーGのカバーg2、及び、挟持ベース430及び挟持カバー440の外形よりも小さく形成されるため、グラインダーGのカバーg2と規制体600との当接により、グラインダーGの後方側(矢印B方向側)への変位を抑制できると共に、挟持ベース430及び挟持カバー440と規制体600との当接により、グラインダーGの前方側(矢印F方向側)への変位を抑制できる。
よって、グラインダーGの多方向への変位を許容しつつ、そのグラインダーGの変位を所定量に規制できる。これにより、グラインダー体感装置1001を小型化できる。また、グラインダーGがケース体700に当接し、ケース体700が破損することを抑制できる。よって、破損したケース体700の一部やグラインダーGが体感者に当接することを抑制でき、グラインダーGの挙動を安全に体感できる。
また、グラインダーGのカバーg2と規制体600とが当接することで、砥石g3と規制体600との当接が抑制でき、規制体600の破損を抑制できる。
図1から図3に戻ってグラインダー体感装置1001の体感方法について説明する。
グラインダー体感装置1001による体感は、グラインダーGをグラインダー側フレーム400に保持し、グラインダーGのプラグ(図示せず)を操作盤800のコンセント830に接続すると共にグラインダーGの電源スイッチをオンした状態で操作盤800のスイッチ820を押下する。これにより、砥石g3が回転を開始して、その砥石g3の回転反力や被削材Wとの接触に伴う反力により、グラインダーGの突然の変位や暴れを体感できる。即ち、電源スイッチをオンした状態のままでプラグをコンセント830に差し込んでしまい、グラインダーGが暴れる態様を模すことができる。
この場合、グラインダーG及び被削材Wは、ケース体700により区画された配設空間の内側に配設されるので、暴れたグラインダーGや発生する切粉から体感者を保護して、グラインダーGの挙動を安全に体感できる。また、ケース体700は光透過性を有するため、グラインダーGの挙動を多方面から体感者に視認させることができる。
なお、上述したように、磁性部522による球体511の吸着によりグラインダーGの姿勢を所定位置に維持できるので(図8参照)、上記動作(体感)を、グラインダーGの砥石g3を被削材Wに当接させた状態から開始しても良く、グラインダーGの砥石g3を被削材Wから離間させた状態から開始しても良い。前者の場合には、砥石g3の回転が開始される際の回転慣性の影響によるグラインダーGの挙動を体感でき、後者の場合には、被削材Wから砥石g3へ反発力が作用された際の、グラインダーGが変位する挙動を体感することができる。
ここで、グラインダー体感装置1001によれば、ケース体700の背面板720に形成された開口から把持部材450が配設空間の外側に配設(突出)されるため、把持部材450を体感者に把持させておくことで、かかる把持部材450を介してグラインダーGの挙動(暴れ)を体感させることもできる。
把持部材450の把持によるグラインダーGの体感方法としては、第1に、把持部材450を把持させた状態で、スイッチ820を押下することで、上述したように、電源スイッチをオンした状態のままでプラグ(図示せず)がコンセント830に差し込まれて、グラインダーGが突然暴れる態様を体感させる方法が例示される。特に、砥石g3を被削材Wに当接させた状態からスイッチ820を押下する場合には、被削材Wに当接している砥石g3が回転を開始することで、その反力によりグラインダーGが大きく弾かれる(急激に暴れる)挙動を体感させられる。
第2に、砥石g3を回転させた状態で、把持部材450の操作によりグラインダーGを変位させ、砥石g3の側面(外周面)を被削材Wに当接させることで、砥石g3の側面(外周面)を壁などに不用意に当ててしまい、グラインダーGが弾かれる態様を体感させる方法が例示される。なお、把持部材450の操作によりグラインダーGを変位させ、砥石g3の底面(軸方向端面)を被削材Wに当接させることで、適正な研削作業時の反力を体感させることもできる。
第3に、砥石g3に不具合がある状態(例えば、駆動軸に対して芯ずれした位置に砥石g3を取り付けた状態、或いは、一部が欠けた砥石g3を取り付けた状態)で動作させた際のグラインダーGの挙動(振動)を体感者に体感させる方法が例示される。即ち、不具合を備えたグラインダーGの挙動を体感者に体感させることができる。
この場合、被削材固定体200はグラインダーGが連結体500を支点として変位される際の砥石g3の移動軌跡上に複数のクランプレバー240が配設される。即ち、砥石g3の移動軌跡上に複数の被削材Wを固定できる。よって、例えば、中央(矢印L-R方向中央)のクランプレバー240により固定した被削材Wを、その両側のクランプレバー240により固定した被削材Wよりも上下方向(矢印U-D方向)に小さく(低く)することで、被削材Wの交換を必要とせずに、被削材Wに当接させる砥石g3の部位(底面や側面)を変更でき、グラインダーGの挙動の体感の種類を容易に増やすことができる。
また、把持部材450は、第3フレーム410の後端(矢印B側の端部)に配設され、突出部材510は、第3フレーム410の前方側(矢印F方向側)に配設される。即ち、砥石g3から突出部材510(連結体500)までの距離よりも、突出部材510(連結体500)から把持部材450までの距離を大きくすることができる。よって、砥石g3に作用する反発力が小さく、グラインダーGの変位が小さい場合でも、把持部材450の変位を大きくして、その分、把持部材450に作用する反発力を大きくでき、グラインダーGの挙動を十分に体感させることができる。
なお、グラインダーGに磁性部522の吸着力を越える力が作用された場合には、磁性部522(支持部材520)から球体511(突出部材510)が分離可能なため(図8参照)、例えば、砥石g3の側面(外周面)を被削材Wに当接させた際に、砥石g3が被削材Wの角や突起部分を乗り越えようとする場合には、上述した分離により、グラインダーGが大きく変位される挙動を体感させることができる。
一方、グラインダーGに作用する力が磁性部522の吸着力以下の場合には、グラインダーGが連結体500を介してベース側フレーム300(ベース部材100)に保持された状態において、グラインダーGの挙動を体感させることができる。
次いで、第2実施形態におけるグラインダー体感装置2001について説明する。なお、上述した第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図10は、本発明の第2実施形態におけるグラインダー体感装置2001の上面図であり、図11は、グラインダー体感装置2001の側面図であり、図12は、グラインダー体感装置2001の背面図である。図13は、図10の矢印XIII方向視における保持手段の側面図であり、図14は、図13の矢印XIV方向視における保持手段の正面図であり、図15(a)及び図15(b)は、第1フレーム2320に対する第3フレーム2410の回転態様を示す保持手段の部分拡大側面図である。また、図16(a)は、規制体2600の正面図であり、図16(b)は、図16(a)の矢印XVIb方向視における規制体2600の側面図であり、図16(c)は、図16(a)のXVIc-XVIc線における規制体2600の断面図である。
なお、図11では、遮蔽板2900の一部の図示が、図14では、グラインダーGの図示が、それぞれ省略される。
図10から図16に示すように、グラインダー体感装置2001は、基部となるベース部材2100と、グラインダーGを変位可能に保持する保持手段(ベース側フレーム2300、グラインダー側フレーム2400及び連結体2500)と、グラインダー側フレーム2400が当接することによりグラインダーGの変位を所定範囲内に規制する規制体2600と、グラインダーGの収容空間を区画するケース体2700と、遮蔽板2900と、操作盤800(図示せず)と、を備える。
ベース部材2100は、上面視略矩形の板状に形成される金属製の板部2110と、その板部2110の下面における角部4箇所に締結により配設される導電ゴム製のゴム足120とを備える。
板部2110には、開口2111,2112が開口形成される。開口2111は、板部2110の中央部に上面視略矩形の孔として、開口2112は、後述するスタンド2310を挟んだ両側に上面視円形の孔として、それぞれ開口形成される。グラインダーGのコードg4は、開口2112に挿通され、ゴム足120の嵩上げにより形成された空間を利用して外部のコンセントまで配線される。
被削材Wは、本実施形態では、板部2110にボルト(図示せず)による締結により直接固定される。
保持手段は、ベース部材2100の板部2110の上面に配設されるベース側フレーム2300と、グラインダーGを保持するグラインダー側フレーム2400と、それらベース側フレーム2300及びグラインダー側フレーム2400を相対変位可能に連結する連結体2500とを備える。
ベース側フレーム2300は、ベース部材2100の板部2110の上面に配設されるスタンド2310と、側面視くの字状に屈曲された板状に形成される金属製の第1フレーム2320と、その第1フレーム2320に前面へ張り出す態様で配設される第2フレーム2330と、スタンド2310に第1フレーム2320を変位(回転)可能に連結する軸受ユニット2340とを備える。
スタンド2310は、板部2110に締結固定される基台2311と、その基台2311から鉛直方向(矢印U-D方向)に立設され円柱状に形成される金属製の軸2312とを備える。軸受ユニット2340は、スタンド2310の軸2312が内輪に内嵌されるベアリング2341と、そのベアリング2341の外輪を保持すると共に第1フレーム2320に締結固定されるホルダ2342とを備える。これにより、第1フレーム2320が、ベース部材2100(板部2110)に対して、スタンド2310の軸2312を回転中心として回転可能とされる。
グラインダー側フレーム2400は、板状に形成される金属製の第3フレーム2410と、その第3フレーム2410の上面から立設される支柱2420と、その支柱2420を介して第3フレーム2410に配設される樹脂製の挟持カバー2430とを備える。
支柱2420は、その全長が調整(伸縮)可能に形成され、支柱2420の全長の調整により第3フレーム2410と挟持カバー2430との間でグラインダーGの把持部g1が挟持可能とされる。
連結体2500は、グラインダー側フレーム2400の第3フレーム2410の下面から下方(矢印D方向)へ向けて突出されるシャフトホルダ2510と、そのシャフトホルダ2510に水平姿勢(スタンド2310の軸2312に直交な姿勢)で固定され軸として形成される金属製のシャフト2520と、そのシャフト2520を回転可能に保持する軸受ユニット2530とを備える。
シャフト2520とスタンド2310の軸2312とは、互いに直交する姿勢で配設されるため、グラインダーG(グラインダー側フレーム2400)を多方向へ変位させることができる。
軸受ユニット2530は、シャフト2520が内輪に内嵌されるベアリング2531と、そのベアリング2531の外輪を保持すると共に第1フレーム2320に締結固定されるホルダ2532とを備える。これにより、グラインダー側フレーム2400(第3フレーム2410)が、ベース側フレーム2300(第1フレーム2320)に対して、シャフト2520を回転中心として回転可能とされる(図15参照)。
また、グラインダー側フレーム2400は、間隔調整機構2540と、コイルスプリング2550とを備える。間隔調整機構2540は、ベース側フレーム2300の第2フレーム2330の下面から立設され、グラインダー側フレーム2400の第3フレーム2410へ向けて縦姿勢で配設される支柱2541と、その支柱2541の立設先端が当接可能な位置においてグラインダー側フレーム2400の第3フレーム2410に配設されるストップピン2542とを備える。
支柱2541は、その全長が調整(伸縮)可能に形成され、支柱2541の全長の調整により、グラインダー側フレーム2400(第3フレーム2410)のベース側フレーム2300(第1フレーム2320)に対する可動範囲を規定できる。
コイルスプリング2550は、第2フレーム2330の下面に形成されるポスト2331に一端が、第3フレーム2410の上面に形成されるポスト2411に他端が、それぞれ係合され、弾性的に引張変形された状態で配設される。コイルスプリング2550の弾性回復力を利用して、グラインダーGの砥石g3を被削材Wに所定の力で押し付けることができる。
よって、グラインダーG、被削材Wまたは砥石g3の大きさや形状によらず、また、砥石g3が摩耗した場合でも、砥石g3を被削材Wに当接させることができる。即ち、グラインダーGの取り付け位置の調整やグラインダー側フレーム2400の傾斜角度の調整など、煩雑な作業を行うことなく、砥石g3と被削材Wとが当接した状態におけるグラインダーGの挙動を確実に体感できる。
なお、コイルスプリング2550の変更によりグラインダーGの砥石g3を被削材Wに押し付ける力の大きさを変更することで、押し付ける力の大きさを変更して、グラインダーGの挙動を調整することができる。
規制体2600は、ベース部材2100の板部2110にボルトにより締結固定される金属製の本体2610と、その本体2610にボルトにより締結固定されるゴム製の緩衝ゴム2620とを備え、緩衝ゴム2620をグラインダーGへ向けた姿勢で一対が配設される。
規制体2600はスタンド2310の軸2312を回転中心として第1フレーム2320が回転される際のグラインダー側フレーム2400の支柱2420が立設される領域の第3フレーム2410の側面の変位軌跡上に緩衝ゴム2620が重なる位置に配設される。緩衝ゴム2620は、第3フレーム2410の傾斜に対応して、同方向に傾斜した姿勢で配設される。
なお、第3フレーム2410の支柱2420及び挟持カバー2430が配設される領域は、支柱2420及び挟持カバー2430がリブとして機能することで、その剛性が高められる。よって、第3フレーム2410は、剛性が高められた領域の側面を規制体2600に当接させることができるので、規制体2600に当接された際の破損を抑制できる。従って、第3フレーム2410の板厚を小さくすることができ、その分、グラインダー体感装置2001の製品コストを抑制できる。
ケース体2700は、板状の前面板2710と、その前面板2710に対して所定間隔を隔てて対向配置される板状の背面板2720と、それら前面板2710及び背面板2720の側縁を連結する板状の側面板2730,2740と、これら各板2710~2740の上縁を連結する板状の天面板2750とを備え、5枚の各板2710~2750とベース部材2100(板部2110)とにより略立方体形状の空間を区画する。各板2710~2750は、光透過性(透明)の樹脂材料から形成され、内部のグラインダーGが視認可能とされる。
本実施形態では、枠状に形成される金属製のフレーム2760に側面板2730,2740及び天面板2750がそれぞれ保持され、フレーム2760どうしが連結される。また、前面板2710及び背面板2720も、枠状に形成される金属製のフレーム720aにそれぞれ保持され、そのフレーム720aがヒンジ2770を介してフレーム2760に連結される。よって、前面板2710及び背面板2720は、ヒンジ2770を回転中心として、開閉可能とされる。なお、前面板2710及び背面板2720には、ヒンジ2770と反対側に取手2780がそれぞれ配設される。
遮蔽板2900は、板状に形成される金属製の部材であり、前面板2710及び側面板2730に対面する位置において、ベース部材2100の板部2110から立設される。
グラインダー体感装置2001によれば、グラインダーGをグラインダー側フレーム2400に保持し、グラインダーGのプラグを操作盤800のコンセントに接続すると共にグラインダーGの電源スイッチをオンした状態で操作盤800のスイッチ820を押下する。これにより、砥石g3が回転を開始して、その砥石g3の回転反力や被削材Wとの接触に伴う反力により、グラインダーGの突然の変位や暴れ(ベース部材2100に対する第1フレーム2320(グラインダーG)の軸2312を回転中心とする回転)を体感できる。即ち、電源スイッチをオンした状態のままでプラグをコンセントに差し込んでしまい、グラインダーGが暴れる態様を模すことができる。
即ち、第2実施形態におけるグラインダー体感装置2001では、間隔調整機構2540(支柱2541の全長)の調整により、グラインダーGの砥石g3を被削材Wに当接させた状態で動作(スイッチ820の押下)を開始しても良く(図13参照)、間隔調整機構2540の支柱2541の立設先端とストップピン2542とを当接させ、第3フレーム2410(グラインダーG)の先端側(砥石g3)を上方(矢印U方向)へ持ち上げることで、グラインダーGの砥石g3を被削材Wから離間させた状態で動作(スイッチ820の押下)を開始しても良い。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
上記第1実施形態では、規制体600を連結体500に対してグラインダーGの砥石g3側(矢印F方向側)に設けたが、規制体600を連結体500に対して砥石g3と反対側(矢印B方向側)に設けても良い。これにより、規制体600と把持部材450との配設間距離を小さくでき、把持部材450の変位を所定量に規定できる。
上記第1実施形態では、規制体600を挟持ベース430及び挟持カバー440の前方側(矢印F方向側)に設けたが、規制体600を一対の挟持ベース430及び挟持カバー440の間に設けても良い。これにより、グラインダーGのカバーg2と規制体600とが当接することを抑制し、カバーg2の破損を抑制できる。
上記第1実施形態では、磁性部522を磁石から構成したが、球体511を磁石としても良い。この場合、球体511の少なくとも一部に磁石が配設されていれば良い。
上記第1実施形態に磁性部522を保護するためのカバーを設けても良い。これにより、磁性部522に切粉が付着した状態で球体511が摺動することが抑制でき、磁性部522の摩耗もしくは破損を抑制できる。
上記第1実施形態では、ベース側フレーム300及びグラインダー側フレーム400を連結体500により連結する場合を説明したが、他の構造を採用しても良い。他の構造としては、例えば、ボールジョイント、ユニバーサルジョイント、コイルスプリング等が例示される。
なお、コイルスプリングを採用する場合は、コイルスプリングの一端側をベース側フレーム300に、コイルスプリングの他端側をグラインダー側フレーム400に、それぞれ固着し、コイルスプリングの弾性変形を利用して、グラインダーGを変位可能とする。この場合、グラインダーGが大きく暴れ、ベース側フレーム300からグラインダー側フレーム400が離間する方向へ変位された際に、コイルスプリングの弾性回復力を、グラインダー側フレーム400に復元力として作用させることができる。また、ベース側フレーム300に対するグラインダー側フレーム400の離間量が大きくなるに従い復元力を大きくでき、グラインダーGが規制体600に当接する時の衝撃力を小さくできる。よって、グラインダーGまたは規制体600の破損を抑制できる。
上記第2実施形態において規制体2600の配設位置を調整可能としても良い。これにより、グラインダーGの挙動範囲を変更できる。
上記第2実施形態の間隔調整機構2540及びコイルスプリング2550を省略しても良い。この場合、グラインダーGの自重によりグラインダーGの砥石g3を被削材Wに当接させることができる。よって、グラインダー体感装置2001の構成を簡素化でき、製造コストを抑制できる。
上記各実施形態では、ケース体700の各板710~750及びケース体2700の各板2710~2750の全てが光透過性(透明)の樹脂材料から形成されたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、各板710~750及び各板2710~2750の内の少なくとも1枚が光透過性の樹脂材料から形成されていれば良い。また、いずれの場合においても、光透過性の樹脂材料から形成される各板710~750及び各板2710~2750は、全体が光透過性の樹脂材料から形成されている必要はなく、少なくとも一部が光透過性の樹脂材料から形成されていれば良い。これにより、グラインダー体感装置1001,2001の製造コストを抑制できる。