JP7056498B2 - アミド硫酸の定量方法 - Google Patents
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Description
本発明は、アミド硫酸の定量方法に関する。
アミド硫酸は例えばめっき液の錯化剤等、各種用途で用いられている。
具体的には例えば、アミド硫酸を含有するニッケルめっき液が、基材表面等にニッケル合金薄膜を形成するために使用されている。
近年、タッチパネルを備えたディスプレイの大画面化に伴い、静電容量式タッチパネルに用いられる導電層の材料として、透明導電材料であるITO(Indium Tin Oxide)に替えて、電気抵抗の小さい銅等の金属を用いることが検討されている。しかし、金属は金属光沢を有していることから、反射によりディスプレイの視認性が低下するという問題がある。
そこで、導電層の表面に、黒色の材料により構成される層を形成する黒化処理を施した導電性基板が検討されており、係る黒化処理に用いるめっき液として、ニッケル黒化めっき液が検討されている。
ニッケル黒化めっき液は、例えばニッケルイオン、pH調整剤、アミド硫酸、その他銅イオンや鉄イオン等の金属イオンを含み、pHが0.5以上5.8以下に維持される。しかし、めっき中のめっき液の持ち出しや揮発、めっき浴の陽極表面におけるアミド硫酸の分解等によって、めっき液中のアミド硫酸濃度は低下する。ニッケル黒化めっき液内のアミド硫酸の濃度の低下により、形成されるニッケル合金薄膜の黒色が維持できなくなる場合があるので、該めっき液中のアミド硫酸の濃度管理は重要である。このため、めっき液等のアミド硫酸を含む水溶液のアミド硫酸の濃度や、含有量を測定できるように、アミド硫酸の定量方法が求められていた。
水溶液中のアミド硫酸を定量する方法として、例えば日本工業規格であるJIS K 8587(1994)において、水酸化ナトリウムによる滴定が記されている。しかしながら、係る方法によれば、例えばpHが0.5以上5.8以下に維持されたニッケル銅黒化めっき液中のアミド硫酸を定量することはできず、用途が限定されていた。
以上のように従来知られているアミド硫酸を含む水溶液のアミド硫酸の定量方法によれば、適用できる用途が限られていた。このため、アミド硫酸を含む水溶液の、新たなアミド硫酸の定量方法が求められていた。
上記従来技術が有する問題に鑑み、本発明の一側面では、アミド硫酸を含む水溶液の、アミド硫酸の定量方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため本発明の一態様によれば、
アミド硫酸を含む水溶液の、アミド硫酸の定量方法であって、
前記アミド硫酸を含む水溶液に、亜硝酸イオンを含む溶液を添加し、混合溶液を形成する混合溶液調製工程と、
前記混合溶液内の亜硝酸イオン濃度を測定する測定工程と、
前記混合溶液調製工程で添加した前記亜硝酸イオンを含む溶液の添加量と、前記測定工程において測定した亜硝酸イオン濃度とを用いて、前記アミド硫酸を含む水溶液内のアミド硫酸の量を算出する算出工程とを有するアミド硫酸の定量方法を提供する。
アミド硫酸を含む水溶液の、アミド硫酸の定量方法であって、
前記アミド硫酸を含む水溶液に、亜硝酸イオンを含む溶液を添加し、混合溶液を形成する混合溶液調製工程と、
前記混合溶液内の亜硝酸イオン濃度を測定する測定工程と、
前記混合溶液調製工程で添加した前記亜硝酸イオンを含む溶液の添加量と、前記測定工程において測定した亜硝酸イオン濃度とを用いて、前記アミド硫酸を含む水溶液内のアミド硫酸の量を算出する算出工程とを有するアミド硫酸の定量方法を提供する。
本発明の一態様によればアミド硫酸を含む水溶液の、アミド硫酸の定量方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について説明するが、本発明は、下記の実施形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、下記の実施形態に種々の変形および置換を加えることができる。
[アミド硫酸の定量方法]
本実施形態ではまず、アミド硫酸の定量方法の一構成例について説明する。
[アミド硫酸の定量方法]
本実施形態ではまず、アミド硫酸の定量方法の一構成例について説明する。
本実施形態のアミド硫酸の定量方法は、アミド硫酸を含む水溶液の、アミド硫酸の定量方法であって、以下の工程を有することができる。
アミド硫酸を含む水溶液に、亜硝酸イオンを含む溶液を添加し、混合溶液を形成する混合溶液調製工程。
混合溶液内の亜硝酸イオン濃度を測定する測定工程。
混合溶液調製工程で添加した亜硝酸イオンを含む溶液の添加量と、測定工程において測定した亜硝酸イオン濃度とを用いて、アミド硫酸を含む水溶液内のアミド硫酸の量を算出する算出工程。
混合溶液内の亜硝酸イオン濃度を測定する測定工程。
混合溶液調製工程で添加した亜硝酸イオンを含む溶液の添加量と、測定工程において測定した亜硝酸イオン濃度とを用いて、アミド硫酸を含む水溶液内のアミド硫酸の量を算出する算出工程。
以下、各工程について説明する。
(1)混合溶液調製工程
混合溶液調製工程では、アミド硫酸を含む水溶液に、亜硝酸イオンを含む溶液を添加し、混合溶液を調製することができる。
(アミド硫酸を含む水溶液について)
アミド硫酸を含む水溶液は、被測定試料であり、アミド硫酸以外の成分については特に限定されるものではない。ただし、既述の様に、アミド硫酸はめっき液の錯化剤として用いられる場合が多い。このため、例えばアミド硫酸を含む水溶液は、めっき液とすることができる。
(1)混合溶液調製工程
混合溶液調製工程では、アミド硫酸を含む水溶液に、亜硝酸イオンを含む溶液を添加し、混合溶液を調製することができる。
(アミド硫酸を含む水溶液について)
アミド硫酸を含む水溶液は、被測定試料であり、アミド硫酸以外の成分については特に限定されるものではない。ただし、既述の様に、アミド硫酸はめっき液の錯化剤として用いられる場合が多い。このため、例えばアミド硫酸を含む水溶液は、めっき液とすることができる。
アミド硫酸を含む水溶液がめっき液の場合、アミド硫酸を含む水溶液は、例えばニッケルイオンと、錯化剤としてのアミド硫酸とを含むことが好ましい。
既述の様に、近年、タッチパネルを備えたディスプレイの大画面化に伴い、静電容量式タッチパネルに用いられる導電層の材料として、銅等の金属を用いることが検討されている。そして、該金属による導電層表面での光の反射を抑制するため、導電層の表面に黒色の材料により構成される層を形成する黒化処理を行うことが検討されている。
係る黒化処理用のめっき液としてニッケル黒化めっき液が検討されており、本実施形態のアミド硫酸の定量方法に供するアミド硫酸を含む水溶液の用途の1つとして、係るニッケル黒化めっき液が挙げられる。このため、本実施形態のアミド硫酸を含む水溶液の定量方法に供するアミド硫酸を含む水溶液は、ニッケルイオンを含有することが好ましい。
その他に任意の成分として、例えば銅イオン、亜鉛イオン、鉄イオンから選択された1種類以上の金属イオンを含むこともできる。また、めっき液に一般的に用いられるその他の添加剤、例えばレベラー成分や、ポリマー成分、ブライトナー成分等を含むこともできる。
アミド硫酸を含む水溶液がめっき液の場合、pHや各成分の濃度は、用途等により選択することができ、特に限定されるものではない。
めっき液のpHは、例えば0.5以上5.8以下とすることが好ましい。また、例えばニッケルイオン濃度は、2.0g/L以上20.0g/L以下であることが好ましく、2.0g/L以上15.0g/L以下であることがより好ましい。
アミド硫酸の濃度は1.0g/L以上50.0g/L以下であることが好ましく、5.0g/L以上20.0g/L以下であることがより好ましい。
これは、本実施形態のアミド硫酸の定量方法に供するアミド硫酸を含む水溶液が、ニッケル黒化めっき液の場合、アミド硫酸の濃度を上記範囲とすることで、導電層表面での光の反射を抑制するために適した色の黒化層を形成でき、好ましいからである。
なお、アミド硫酸を含む水溶液がめっき液の場合であって、上述のように銅イオン、亜鉛イオン、鉄イオンから選択された1種類以上の金属イオンをさらに含有する場合、銅イオン濃度は、0.005g/L以上1.0g/L以下であることが好ましく、0.005g/L以上0.5g/L以下であることがより好ましい。また、亜鉛イオン濃度は0.005g/L以上1.0g/L以下であることが好ましく、0.005g/L以上0.5g/L以下であることがより好ましい。鉄イオン濃度は、0.05g/L以上2.5g/L以下であることが好ましく、0.1g/L以上2.0g/L以下であることがより好ましい。
(亜硝酸イオンを含む溶液について)
亜硝酸イオンを含む溶液としては、亜硝酸イオン濃度が既知の溶液であれば特に限定されず用いることができる。例えば、亜硝酸イオンを含む溶液を調製する際の亜硝酸イオン供給源として、JIS K 0102(2013)に従い亜硝酸ナトリウムを用いることができる。
(亜硝酸イオンを含む溶液について)
亜硝酸イオンを含む溶液としては、亜硝酸イオン濃度が既知の溶液であれば特に限定されず用いることができる。例えば、亜硝酸イオンを含む溶液を調製する際の亜硝酸イオン供給源として、JIS K 0102(2013)に従い亜硝酸ナトリウムを用いることができる。
この場合、亜硝酸イオンを含む溶液として、例えば所定量の亜硝酸ナトリウムを純水に溶解して調製した亜硝酸ナトリウム水溶液を好適に使用できる。また、亜硝酸イオンを含む溶液として、市販の亜硝酸ナトリウム標準液を純水で希釈して使用することもできる。
後述するようにアミド硫酸を含む水溶液に、亜硝酸イオンを含む溶液を添加し、亜硝酸イオンを含む溶液の添加量や、混合溶液内の亜硝酸イオン濃度により、アミド硫酸を含む水溶液中のアミド硫酸の量や、アミド硫酸の濃度を算出できる。このため、用いる亜硝酸イオンを含む溶液中の亜硝酸イオン濃度は正確に把握しておくことが好ましい。
亜硝酸イオンを含む溶液中の亜硝酸イオン濃度の定量方法は、特に限定されない。例えば、ナフチルエチレンジアミン吸光光度法、イオンクロマトグラフ法、およびナフチルエチレンジアミン発色による流れ分析法等を用いることができる。これらは、工場排水試験方法を規定したJIS K 0102(2013)に定められている。
なお、これらの亜硝酸イオンを含む溶液中の亜硝酸イオン濃度の測定方法は、例えば後述する測定工程において、混合溶液中の亜硝酸イオンの定量に適用することもできる。これらの方法は公定法であるため説明を省略する。
亜硝酸イオンを含む溶液中の亜硝酸イオン濃度の測定方法として、亜硝酸イオン用イオン電極とイオンメーターを組み合わせたイオン電極法を用いることもできる。係るイオン電極法は、特に安価で簡便に測定を行うことができるため、好適に用いることができる。
(混合溶液について)
混合溶液調製工程では、既述の様にアミド硫酸を含む水溶液に、亜硝酸イオンを含む溶液を添加し、混合溶液を形成することができる。
(混合溶液について)
混合溶液調製工程では、既述の様にアミド硫酸を含む水溶液に、亜硝酸イオンを含む溶液を添加し、混合溶液を形成することができる。
混合溶液調製工程で、アミド硫酸を含む水溶液に、亜硝酸イオンを含む溶液を添加すると、アミド硫酸と亜硝酸イオンとが以下の式(1)に沿って反応すると考えられる。
NH2HSO3 + NO2
- → N2 + HSO4
― + H2O ・・・(1)
アミド硫酸を含む水溶液中のアミド硫酸の量に対して、添加した亜硝酸イオンの量が、アミド硫酸との反応に必要な量よりも少ない間は、上記式(1)から明らかなように、添加した亜硝酸イオンはアミド硫酸と反応して窒素等になるため、混合溶液中の亜硝酸イオン濃度は0である。
アミド硫酸を含む水溶液中のアミド硫酸の量に対して、添加した亜硝酸イオンの量が、アミド硫酸との反応に必要な量よりも少ない間は、上記式(1)から明らかなように、添加した亜硝酸イオンはアミド硫酸と反応して窒素等になるため、混合溶液中の亜硝酸イオン濃度は0である。
一方、アミド硫酸を含む水溶液中のアミド硫酸の量に対して、添加した亜硝酸イオンの量が、アミド硫酸との反応に必要な量よりも過剰な場合は、過剰分の亜硝酸イオンが反応液中に残余する。このため、係る亜硝酸イオンの過剰分の量と、添加した亜硝酸イオンの量との差から、アミド硫酸を含む水溶液中のアミド硫酸の量を求めることができる。
また、例えばアミド硫酸を含む水溶液中のアミド硫酸の量に対する、添加した亜硝酸イオンの量が、アミド硫酸との反応に必要な量と等価な場合には、添加した亜硝酸イオンの量から、アミド硫酸を含む水溶液中のアミド硫酸の量を求めることができる。
(2)測定工程
次に測定工程について説明する。測定工程では、既述の様に混合溶液内の亜硝酸イオン濃度を測定することができる。
(2)測定工程
次に測定工程について説明する。測定工程では、既述の様に混合溶液内の亜硝酸イオン濃度を測定することができる。
測定工程において、混合溶液内の亜硝酸イオン濃度を測定する方法は特に限定されない。
例えば、既述の様に、ナフチルエチレンジアミン吸光光度法、イオンクロマトグラフ法、およびナフチルエチレンジアミン発色による流れ分析法等を用いることもできる。
ただし、特に安価で簡便な方法とするため、測定工程において、亜硝酸イオン用イオン電極とイオンメーターを組み合わせたイオン電極法により、混合溶液内の亜硝酸イオン濃度を測定することが好ましい。
イオン電極法は、混合溶液にイオン電極を浸漬し、イオン電極と電気的に接続したイオンメーターに表示されたイオン濃度を読み取ることで、測定対象溶液中の測定対象物の濃度を知る方法であり、簡易かつ迅速に測定対象物の濃度を知ることができる。またイオンクロマトグラフ測定装置などと比較して安価であるため、特に好適に用いることができる。
イオン電極とは、溶液中の特定のイオンに応答する電極でありイオン選択電極ともいう。
イオン電極には、ガラス薄膜イオン電極、液膜イオン電極、固体膜イオン電極、ガス透過膜イオン電極、隔膜イオン電極などがあり、測定対象により使い分けられる。亜硝酸イオン測定用のイオン電極としては、例えば隔膜イオン電極を使用することができる。
イオン電極法により特定のイオンの濃度を測定する場合は、イオン電極のほかに比較電極を用意し、比較電極をイオンメーターに電気的に接続して、イオン電極とともに測定対象溶液に浸漬する場合がある。しかし、通常の比較電極はイオン電極と一体化している。後述する実施例においても、使用する亜硝酸イオン用イオン電極は比較電極と一体化したものを使用している。
なお、イオン電極法を用いる場合、混合溶液調製工程では、得られる混合溶液内の亜硝酸イオン濃度が亜硝酸イオン用イオン電極の適用濃度範囲となるように、亜硝酸イオンを含む溶液を添加することが好ましい。現在公知の亜硝酸イオン電極の適用濃度範囲は、例えばおよそ0.1mg/L以上500mg/L以下である。このため、混合溶液調製工程では、混合溶液内の亜硝酸イオンの濃度が上記範囲内に収まるように、各溶液の濃度や、使用量等を調整することが好ましい。
(3)算出工程
算出工程では、混合溶液調製工程で添加した亜硝酸イオンを含む溶液の添加量と、測定工程において測定した亜硝酸イオン濃度とを用いて、アミド硫酸を含む水溶液内のアミド硫酸の量を算出することができる。
(3)算出工程
算出工程では、混合溶液調製工程で添加した亜硝酸イオンを含む溶液の添加量と、測定工程において測定した亜硝酸イオン濃度とを用いて、アミド硫酸を含む水溶液内のアミド硫酸の量を算出することができる。
具体的には、用いた亜硝酸イオンを含む溶液の濃度と、亜硝酸イオンを含む溶液の添加量との積から、測定工程において測定した混合溶液中の亜硝酸イオン濃度と混合溶液の体積との積を差し引くことで、アミド硫酸を含む水溶液内のアミド硫酸の量、例えば物質量を算出できる。また、さらに算出したアミド硫酸を含む水溶液内のアミド硫酸の量をアミド硫酸を含む水溶液の体積で除することで、アミド硫酸を含む水溶液のアミド硫酸の濃度を算出することもできる。
以上のように、本実施形態のアミド硫酸の定量方法によれば、アミド硫酸を含む水溶液が含有するアミド硫酸の物質量等の量や、濃度を算出できる。
(4)混合溶液調製工程と、測定工程との実施のタイミングについて
ここまで、本実施形態のアミド硫酸の定量方法の各工程について説明したが、混合溶液調製工程と、測定工程とは、亜硝酸イオンを含む溶液の添加方法に応じて任意のタイミングで実施することができる。
(4)混合溶液調製工程と、測定工程との実施のタイミングについて
ここまで、本実施形態のアミド硫酸の定量方法の各工程について説明したが、混合溶液調製工程と、測定工程とは、亜硝酸イオンを含む溶液の添加方法に応じて任意のタイミングで実施することができる。
混合溶液調製工程と、測定工程とは、同時に実施することもできる。また、混合溶液調製工程の後に測定工程を実施することもできる。以下、実施形態ごとに説明する。
(第1の実施形態)
第1の実施形態では、混合溶液調製工程と、測定工程とを同時に実施することができる。具体的には、混合溶液内の亜硝酸イオン濃度の測定を行いながら(測定工程)、亜硝酸イオンを含む溶液の添加量に対する、混合溶液内の亜硝酸イオン濃度の変化が変曲点に達するまで、アミド硫酸を含む水溶液に、亜硝酸イオンを含む溶液を添加し、混合溶液を調製できる(混合溶液調製工程)。
(第1の実施形態)
第1の実施形態では、混合溶液調製工程と、測定工程とを同時に実施することができる。具体的には、混合溶液内の亜硝酸イオン濃度の測定を行いながら(測定工程)、亜硝酸イオンを含む溶液の添加量に対する、混合溶液内の亜硝酸イオン濃度の変化が変曲点に達するまで、アミド硫酸を含む水溶液に、亜硝酸イオンを含む溶液を添加し、混合溶液を調製できる(混合溶液調製工程)。
すなわち、この場合、アミド硫酸を含む水溶液を、亜硝酸イオンを含む溶液により滴定することができる。そして、算出工程では滴定結果に基づいて、アミド硫酸を含む水溶液に含まれていたアミド硫酸の濃度を算出できる。
具体的には、混合溶液調製工程後に得られる混合溶液中の亜硝酸イオン濃度は0になっている。このため、用いた亜硝酸イオンを含む溶液の濃度と、亜硝酸イオンを含む溶液の添加量との積を求めることで、アミド硫酸を含む水溶液内のアミド硫酸の量、例えば物質量を算出できる。そして、算出したアミド硫酸を含む水溶液内のアミド硫酸の量をアミド硫酸を含む水溶液の体積で除することで、アミド硫酸を含む水溶液のアミド硫酸の濃度も算出できる。
なお、第1の実施形態のように、アミド硫酸を含む水溶液を、亜硝酸イオンを含む溶液により滴定する場合、測定工程では既述のイオン電極法を用いることが好ましい。これは、イオン電極法では、イオン選択性のあるイオン電極を用いるので、終点付近におけるイオンメーター指示値の変化率が大きく、終点の決定が容易だからである。
滴定は、以下の手順で実施することができる。
ビュレットなど滴定用容器に亜硝酸イオンを含む溶液を入れる。なお、既述の様に亜硝酸イオンを含む溶液の亜硝酸イオン濃度は、予め測定しておくことになる。
また、アミド硫酸を含む水溶液が入った容器に、イオンメーターと電気的に接続した亜硝酸イオン用イオン電極をいれ、アミド硫酸を含む水溶液に浸漬する。
そして、上記アミド硫酸を含む水溶液が入った容器内の溶液を撹拌しながら、亜硝酸イオンを含む溶液を滴下する。
滴下した亜硝酸イオンを含む溶液の量は、亜硝酸イオンを含む溶液の滴定前後のビュレットの目盛から読み取ることができる。また自動滴定装置がある場合は、自動滴定装置を用いて滴定しても良い。
アミド硫酸を含む水溶液や、これに亜硝酸イオンを含む溶液を滴下した混合溶液の撹拌は、例えばアミド硫酸を含む水溶液が入った容器にマグネチックスターラ撹拌子を入れ、容器をマグネチックスターラの上に置くことで実施することができる。また、アミド硫酸を含む水溶液や、混合溶液と反応しない素材で表面を覆われた撹拌羽を、アミド硫酸を含む水溶液を入れた容器に浸漬し、撹拌羽をモータで回転させることで撹拌することもできる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、混合溶液調製工程の後に、測定工程を実施することができる。この場合、混合溶液調製工程では、アミド硫酸を含む水溶液中のアミド硫酸の濃度予想値から算出される、アミド硫酸を含む水溶液中の全てのアミド硫酸と反応するのに必要な亜硝酸イオンの添加量よりも過剰となるように、アミド硫酸を含む水溶液に対して、亜硝酸イオンを含む溶液を添加することができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、混合溶液調製工程の後に、測定工程を実施することができる。この場合、混合溶液調製工程では、アミド硫酸を含む水溶液中のアミド硫酸の濃度予想値から算出される、アミド硫酸を含む水溶液中の全てのアミド硫酸と反応するのに必要な亜硝酸イオンの添加量よりも過剰となるように、アミド硫酸を含む水溶液に対して、亜硝酸イオンを含む溶液を添加することができる。
このように、アミド硫酸を含む水溶液中の全てのアミド硫酸と反応するのに必要な亜硝酸イオンの添加量よりも過剰となるように、アミド硫酸を含む水溶液に対して、亜硝酸イオンを含む溶液を添加することで、混合溶液内に余剰の亜硝酸イオンが残存する。
このため、混合溶液調製工程の後に測定工程を実施し、係る余剰の亜硝酸イオンを測定し、混合溶液調製工程で添加した亜硝酸イオンを含む溶液の添加量と、測定工程において測定した亜硝酸イオン濃度とを用いて、アミド硫酸を含む水溶液内のアミド硫酸の濃度を算出することができる。
具体的には、用いた亜硝酸イオンを含む溶液の濃度と、亜硝酸イオンを含む溶液の添加量との積から、測定工程において測定した混合溶液中の亜硝酸イオン濃度と混合溶液の体積との積を差し引くことで、アミド硫酸を含む水溶液内のアミド硫酸の量、例えば物質量を算出できる。そして、算出したアミド硫酸を含む水溶液内のアミド硫酸の量をアミド硫酸を含む水溶液の体積で除することで、アミド硫酸を含む水溶液のアミド硫酸の濃度も算出できる。
以上に説明した本実施形態のアミド硫酸の定量方法によれば、既述の様にアミド硫酸を含む水溶液が含むアミド硫酸の物質量等の量や、濃度を測定、算出できる。このため、本実施形態のアミド硫酸の定量方法は各種用途において用いることができる。
既述の様にアミド硫酸を含む水溶液は、金属により形成された導電層表面に配置する黒化層を形成するためのニッケル黒化めっき液等、めっき液として広く用いられている。しかしながら、めっき液により基材上にめっき被膜を連続して形成する場合、めっき液の持ち出しや揮発等によりめっき液中のアミド硫酸濃度は変化する。このため、アミド硫酸を含む水溶液であるめっき液について、アミド硫酸の定量方法が特に求められていた。
そこで、本実施形態のアミド硫酸の定量方法は、例えばめっき膜の製造方法や、該めっき膜を含む導電性基板の製造方法に好適に適用することができる。すなわち、本実施形態のアミド硫酸の定量方法を含むめっき膜の製造方法や、本実施形態のアミド硫酸の定量方法を含む導電性基板の製造方法等とすることができる。
本実施形態のアミド硫酸の定量方法を含むめっき膜の製造方法では、例えば任意のタイミングでめっき浴内のアミド硫酸を含む水溶液であるめっき液中のアミド硫酸の量を、既述のアミド硫酸の定量方法により評価する評価工程を有することができる。また、該評価工程での結果に基づいて、めっき浴に対してアミド硫酸を添加する工程を有することもできる。なお、導電性基板の製造方法の場合でも同様の工程を有することができる。
以下、実施例を参照しながら本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
以下の手順によりアミド硫酸を含む水溶液中のアミド硫酸を定量した。
(アミド硫酸を含む水溶液の調製)
アミド硫酸を含む水溶液として、ニッケルイオン、銅イオン、アミド硫酸、水酸化ナトリウムを含有するニッケル銅黒化めっき液を調製した。なお、ニッケル銅黒化めっき液には、硫酸ニッケル6水和物、硫酸銅5水和物を添加することで、ニッケルイオン、銅イオンを供給した。
[実施例1]
以下の手順によりアミド硫酸を含む水溶液中のアミド硫酸を定量した。
(アミド硫酸を含む水溶液の調製)
アミド硫酸を含む水溶液として、ニッケルイオン、銅イオン、アミド硫酸、水酸化ナトリウムを含有するニッケル銅黒化めっき液を調製した。なお、ニッケル銅黒化めっき液には、硫酸ニッケル6水和物、硫酸銅5水和物を添加することで、ニッケルイオン、銅イオンを供給した。
ニッケル銅黒化めっき液は、該めっき液中のニッケルイオンの濃度が2.0g/L、銅イオンの濃度が0.005g/L、アミド硫酸の濃度が11g/L(0.113mol/L)となるように各成分を添加、調製した。
また、水酸化ナトリウム水溶液をニッケル銅黒化めっき液に添加して、黒化めっき液のpHを5.0に調整した。
(亜硝酸イオンを含む溶液の調製)
亜硝酸ナトリウム水溶液(0.5mol/L、和光純薬工業(株)製)10mLを、50mLメスフラスコに分取し、純水で50mLに希釈して0.1mol/L亜硝酸ナトリウム水溶液を調製した。
(混合溶液調製工程、測定工程)
アミド硫酸を含む水溶液である、ニッケル銅黒化めっき液10mLを100mLビーカーに採取し、該めっき液に撹拌子と、亜硝酸イオンメーター(株式会社東興化学研究所製 型式:TiN-9003)に接続された亜硝酸イオン用イオン電極とを挿入した。
(亜硝酸イオンを含む溶液の調製)
亜硝酸ナトリウム水溶液(0.5mol/L、和光純薬工業(株)製)10mLを、50mLメスフラスコに分取し、純水で50mLに希釈して0.1mol/L亜硝酸ナトリウム水溶液を調製した。
(混合溶液調製工程、測定工程)
アミド硫酸を含む水溶液である、ニッケル銅黒化めっき液10mLを100mLビーカーに採取し、該めっき液に撹拌子と、亜硝酸イオンメーター(株式会社東興化学研究所製 型式:TiN-9003)に接続された亜硝酸イオン用イオン電極とを挿入した。
次いで、撹拌子を回転させながら、0.1mol/L亜硝酸ナトリウム水溶液を滴下し、混合溶液を調製した(混合溶液調製工程)。この時の滴下した0.1mol/L亜硝酸ナトリウム水溶液の量と、混合溶液の亜硝酸イオンメーターの指示値とを測定し、記録した(測定工程)。
この滴定曲線の変曲点を滴定終点とし、それまでに要した0.1mol/L亜硝酸ナトリウム水溶液は11.5mLであったことから、アミド硫酸を含む水溶液のアミド硫酸濃度が11.2g/L(0.115mol/L)と算出した(算出工程)。そして、算出結果から、アミド硫酸を含む水溶液の濃度や、その算出過程で求めたアミド硫酸を含む水溶液内のアミド硫酸の量がほぼ正確に定量されていることが判明した。
[実施例2]
(アミド硫酸を含む水溶液の調製)
アミド硫酸を含む水溶液として、ニッケルイオン、亜鉛イオン、アミド硫酸、水酸化ナトリウムを含有するニッケル亜鉛黒化めっき液を調製した。なお、ニッケル亜鉛黒化めっき液には、硫酸ニッケル6水和物、硫酸亜鉛7水和物を添加することで、ニッケルイオン、亜鉛イオンを供給した。
[実施例2]
(アミド硫酸を含む水溶液の調製)
アミド硫酸を含む水溶液として、ニッケルイオン、亜鉛イオン、アミド硫酸、水酸化ナトリウムを含有するニッケル亜鉛黒化めっき液を調製した。なお、ニッケル亜鉛黒化めっき液には、硫酸ニッケル6水和物、硫酸亜鉛7水和物を添加することで、ニッケルイオン、亜鉛イオンを供給した。
ニッケル亜鉛黒化めっき液は、該めっき液中のニッケルイオンの濃度が2.0g/L、亜鉛イオンの濃度が0.005g/L、アミド硫酸の濃度が11g/L(0.113mol/L)となるように各成分を添加、調製した。
また、水酸化ナトリウム水溶液をニッケル亜鉛黒化めっき液に添加して、黒化めっき液のpHを5.0に調整した。
そして、得られたニッケル亜鉛黒化めっき液5mLを純水で10倍希釈して測定用試料とした。
(亜硝酸イオンを含む溶液の調製)
実施例1で調製した濃度が0.1mol/Lの亜硝酸ナトリウム水溶液10mLを100mLメスフラスコに分取し、純水で100mLに希釈して0.01mol/L亜硝酸ナトリウム水溶液を調製した。
(混合溶液調製工程、測定工程)
アミド硫酸を含む水溶液である、ニッケル亜鉛黒化めっき液10mLを100mLビーカーに採取し、該めっき液に撹拌子と、亜硝酸イオンメーターに接続された亜硝酸イオン用イオン電極とを挿入した。
(亜硝酸イオンを含む溶液の調製)
実施例1で調製した濃度が0.1mol/Lの亜硝酸ナトリウム水溶液10mLを100mLメスフラスコに分取し、純水で100mLに希釈して0.01mol/L亜硝酸ナトリウム水溶液を調製した。
(混合溶液調製工程、測定工程)
アミド硫酸を含む水溶液である、ニッケル亜鉛黒化めっき液10mLを100mLビーカーに採取し、該めっき液に撹拌子と、亜硝酸イオンメーターに接続された亜硝酸イオン用イオン電極とを挿入した。
次いで、撹拌子を回転させながら、0.01mol/L亜硝酸ナトリウム水溶液を20mL滴下し、混合溶液を調製した(混合溶液調製工程)。この時の滴下した0.01mol/L亜硝酸ナトリウム水溶液の量と、混合溶液の亜硝酸イオンメーターの指示値とを測定し、記録した(測定工程)。
0.01mol/L亜硝酸ナトリウム水溶液添加直後からイオンメーターの指示値は減少し、1分後にはイオンメーターの指示値が133mg/Lで安定した。ここでアミド硫酸と亜硝酸イオンの反応は終了したと判断し、残余の亜硝酸イオンの濃度133mg/Lから上記希釈前のニッケル亜鉛黒化めっき液中アミド硫酸の濃度は、10.97g/Lと求められた(算出工程)。そして、算出結果から、アミド硫酸を含む水溶液の濃度や、算出過程で求めたアミド硫酸を含む水溶液内のアミド硫酸の量がほぼ正確に定量されていることが判明した。
[実施例3]
以下の手順によりアミド硫酸を含む水溶液中のアミド硫酸を定量した。
(アミド硫酸を含む水溶液の調製)
アミド硫酸を含む水溶液として、ニッケルイオン、鉄イオン、アミド硫酸、水酸化ナトリウムを含有するニッケル鉄黒化めっき液を調製した。なお、ニッケル鉄黒化めっき液には、硫酸ニッケル6水和物、硫酸鉄7水和物を添加することで、ニッケルイオン、鉄イオンを供給した。
ニッケル鉄黒化めっき液は、該めっき液中のニッケルイオンの濃度が2.0g/L、鉄イオンの濃度が0.1g/L、アミド硫酸の濃度が11g/L(0.113mol/l)となるように各成分を添加、調製した。
また、水酸化ナトリウム水溶液をニッケル鉄黒化めっき液に添加して、黒化めっき液のpHを1.0に調整した。
(亜硝酸イオンを含む溶液の調製)
亜硝酸ナトリウム水溶液(0.5mol/L、和光純薬工業(株)製)10mLを、50mLメスフラスコに分取し、純水で50mLに希釈して0.1mol/L亜硝酸ナトリウム水溶液を調製した。
(混合溶液調製工程、測定工程)
アミド硫酸を含む水溶液である、ニッケル鉄黒化めっき液10mLを100mLビーカーに採取し、該めっき液に撹拌子と、亜硝酸イオンメーター(株式会社東興化学研究所製 型式:TiN-9003)に接続された亜硝酸イオン用イオン電極とを挿入した。
次いで、撹拌子を回転させながら、0.1mol/L亜硝酸ナトリウム水溶液を滴下し、混合溶液を調製した(混合溶液調製工程)。この時の滴下した0.1mol/L亜硝酸ナトリウム水溶液の量と、混合溶液の亜硝酸イオンメーターの指示値とを測定し、記録した(測定工程)。
この滴定曲線の変曲点を滴定終点とし、それまでに要した0.1mol/L亜硝酸ナトリウム水溶液は11.5mLであったことから、アミド硫酸を含む水溶液のアミド硫酸濃度が11.2g/L(0.115mol/l)と算出した(算出工程)。そして、算出結果から、アミド硫酸を含む水溶液の濃度がほぼ正確に定量されていることが判明した。
[参考例1]
実施例1の条件で調製したニッケル銅黒化めっき液を純水で100倍希釈した液を、イオンクロマトグラフ測定装置に供給してアミド硫酸濃度を測定した。測定条件は以下のとおりとした。
[実施例3]
以下の手順によりアミド硫酸を含む水溶液中のアミド硫酸を定量した。
(アミド硫酸を含む水溶液の調製)
アミド硫酸を含む水溶液として、ニッケルイオン、鉄イオン、アミド硫酸、水酸化ナトリウムを含有するニッケル鉄黒化めっき液を調製した。なお、ニッケル鉄黒化めっき液には、硫酸ニッケル6水和物、硫酸鉄7水和物を添加することで、ニッケルイオン、鉄イオンを供給した。
ニッケル鉄黒化めっき液は、該めっき液中のニッケルイオンの濃度が2.0g/L、鉄イオンの濃度が0.1g/L、アミド硫酸の濃度が11g/L(0.113mol/l)となるように各成分を添加、調製した。
また、水酸化ナトリウム水溶液をニッケル鉄黒化めっき液に添加して、黒化めっき液のpHを1.0に調整した。
(亜硝酸イオンを含む溶液の調製)
亜硝酸ナトリウム水溶液(0.5mol/L、和光純薬工業(株)製)10mLを、50mLメスフラスコに分取し、純水で50mLに希釈して0.1mol/L亜硝酸ナトリウム水溶液を調製した。
(混合溶液調製工程、測定工程)
アミド硫酸を含む水溶液である、ニッケル鉄黒化めっき液10mLを100mLビーカーに採取し、該めっき液に撹拌子と、亜硝酸イオンメーター(株式会社東興化学研究所製 型式:TiN-9003)に接続された亜硝酸イオン用イオン電極とを挿入した。
次いで、撹拌子を回転させながら、0.1mol/L亜硝酸ナトリウム水溶液を滴下し、混合溶液を調製した(混合溶液調製工程)。この時の滴下した0.1mol/L亜硝酸ナトリウム水溶液の量と、混合溶液の亜硝酸イオンメーターの指示値とを測定し、記録した(測定工程)。
この滴定曲線の変曲点を滴定終点とし、それまでに要した0.1mol/L亜硝酸ナトリウム水溶液は11.5mLであったことから、アミド硫酸を含む水溶液のアミド硫酸濃度が11.2g/L(0.115mol/l)と算出した(算出工程)。そして、算出結果から、アミド硫酸を含む水溶液の濃度がほぼ正確に定量されていることが判明した。
[参考例1]
実施例1の条件で調製したニッケル銅黒化めっき液を純水で100倍希釈した液を、イオンクロマトグラフ測定装置に供給してアミド硫酸濃度を測定した。測定条件は以下のとおりとした。
カラム:陰イオン分析用カラム
溶離液:3.5mmol/L炭酸ナトリウム水溶液、および 1.0mmol/L炭酸水素ナトリウム水溶液
流量:1.2mL/min
試料導入量:25μL
検出器:電気伝導度検出器
イオンクロマトグラフ測定装置による測定結果から、希釈前のアミド硫酸を含む水溶液であるニッケル銅黒化めっき液中のアミド硫酸濃度は11.5g/Lと求められた。すなわち、実施例1と参考例1とはほぼ同じ精度でアミド硫酸の濃度を測定、算出できることを確認できた。
溶離液:3.5mmol/L炭酸ナトリウム水溶液、および 1.0mmol/L炭酸水素ナトリウム水溶液
流量:1.2mL/min
試料導入量:25μL
検出器:電気伝導度検出器
イオンクロマトグラフ測定装置による測定結果から、希釈前のアミド硫酸を含む水溶液であるニッケル銅黒化めっき液中のアミド硫酸濃度は11.5g/Lと求められた。すなわち、実施例1と参考例1とはほぼ同じ精度でアミド硫酸の濃度を測定、算出できることを確認できた。
以上の結果から、実施例1~実施例3で用いたアミド硫酸の定量方法によれば、安価で簡便に測定を行うことができ、またその測定精度も高いことを確認できた。
Claims (5)
- アミド硫酸を含む水溶液の、アミド硫酸の定量方法であって、
前記アミド硫酸を含む水溶液に、亜硝酸イオンを含む溶液を添加し、混合溶液を形成する混合溶液調製工程と、
前記混合溶液内の亜硝酸イオン濃度を測定する測定工程と、
前記混合溶液調製工程で添加した前記亜硝酸イオンを含む溶液の添加量と、前記測定工程において測定した亜硝酸イオン濃度とを用いて、前記アミド硫酸を含む水溶液内のアミド硫酸の量を算出する算出工程とを有するアミド硫酸の定量方法。 - 前記測定工程において、亜硝酸イオン用イオン電極とイオンメーターを組み合わせたイオン電極法により、前記混合溶液内の亜硝酸イオン濃度を測定する請求項1に記載のアミド硫酸の定量方法。
- 前記混合溶液調製工程と、前記測定工程とを同時に実施し、
前記混合溶液内の亜硝酸イオン濃度の測定を行いながら、前記亜硝酸イオンを含む溶液の添加量に対する、前記混合溶液内の亜硝酸イオン濃度の変化が変曲点に達するまで、前記アミド硫酸を含む水溶液に、前記亜硝酸イオンを含む溶液を添加する請求項1または請求項2に記載のアミド硫酸の定量方法。 - 前記混合溶液調製工程では、前記アミド硫酸を含む水溶液中のアミド硫酸の濃度予想値から算出される、前記アミド硫酸を含む水溶液中の全てのアミド硫酸と反応するのに必要な亜硝酸イオンの添加量よりも過剰となるように、前記アミド硫酸を含む水溶液に対して、前記亜硝酸イオンを含む溶液を添加する請求項1または請求項2に記載のアミド硫酸の定量方法。
- 前記アミド硫酸を含む水溶液がめっき液である請求項1~請求項4のいずれか1項に記載のアミド硫酸の定量方法。
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