JP7055735B2 - 油脂分阻集器 - Google Patents
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Description
そこで、このような場合には、上部に開口部を有する深型の本体槽の下部に浮上分離槽が配置された油脂分阻集器が用いられている。
例えば、浮上分離槽内に設置したバスケット等の残渣受け部の清掃の際には、都度、作業者が上部床面から専用の治具を使って残渣受け部を引き上げなければならない。また、浮上分離槽内を高圧洗浄する際にも、上部床部の上面からの対応となり、清掃作業が行い難く、槽内への転落にも注意を要する。
提供する点にある。
前記本体槽の下部に配置され、被処理水から油脂分を比重差で浮上分離する浮上分離槽と、
前記浮上分離槽に被処理水を流入させる流入部と、
油脂分を浮上分離した後の処理済水を前記浮上分離槽から流出させる流出部と、
前記本体槽の上下中間部に前記浮上分離槽の上方を開放する状態で配置される中間床部と、
前記本体槽の上部の前記開口部を通じて前記本体槽の外部と前記中間床部との間での人の昇降移動を可能とする昇降部と、が備えられ、
前記本体槽は、その上部が施設内の床部の上面に露出する状態で、且つ、その下部が床下空間に配置される状態で前記床部に設置され、
前記本体槽の上部の前記開口部の外周縁には、略水平姿勢で鍔状に突出する突出板が備えられ、
前記本体槽は、前記突出板が施設内の前記床部の上面に載置支持される状態で設置され、前記本体槽の荷重が前記床部を支持する梁にて支持され、
更に、前記本体槽は、前記中間床部に降り立った作業者の荷重を支持可能なように、前記中間床部の下面に対して施設内の前記床下空間に設けられた中間床部用支持梁が当接する状態で設置されている点にある。
本発明の第2特徴構成は、前記本体槽は、側面視において被処理水流れ方向の上流側で底部が一段浅く形成された二段底形状のボックス状に構成され、
前記本体槽において、底部が一段深い被処理水流れ方向の下流側の部位に前記浮上分離槽が配置され、底部の一段浅い被処理水流れ方向の上流側の部位に前記中間床部が配置され、
前記本体槽において底部が一段深い被処理水流れ方向の下流側の部位の外郭を構成する壁部のうち、被処理水流れ方向の上流側の壁部に前記流入部が形成されている点にある。
前記1又は複数の昇降ステップが、前記本体槽における前記中間床部の直上域内に納められている点にある。
前記1又は複数の昇降ステップが、前記本体槽における前記浮上分離槽の直上域に着脱自在に設置されている点にある。
〔第1実施形態〕
図1、図2に示すように、この油脂分阻集器10は、施設内等において厨房等から排水する排水路1の途中部位に備えられ、排水路1を流れる厨房排水等の排水DW(被処理水の一例)から油脂分F(図1参照)を阻集するように構成されている。油脂分Fが阻集された排水DW(処理済水の一例)は、下流の排水枡に排水されて下水本管等に放流される。この油脂分阻集器10は、例えば、その上部が施設内の床部2(上部床部の一例)の上面に露出する状態で、且つ、その下部が床下空間3に配置される状態で床部2に設置され、床下空間3において上流側及び下流側の排水路1が接続されている。
以下、図1、図2に基づいて、油脂分阻集器10の各部の具体的構成について説明を加える。
本体槽11は、平面視において被処理水流れ方向に長い長方形状で、且つ、側面視において被処理水流れ方向の上流側で底部が一段浅く形成された二段底形状のボックス状に構成されている。本体槽11において、底部が一段深い被処理水流れ方向の下流側(図中右側)の部位に浮上分離槽12が配置され、底部の一段浅い被処理水流れ方向の上流側(図中左側)の部位に中間床部15が配置されている。浮上分離槽12は、その全体が中間床部15よりも深い部位に配置されている。なお、図示は省略するが、本体槽11の上部の開口部11aには、着脱自在な開閉蓋が備えられる。
浮上分離槽12は、被処理水流れ方向の上流側から下流側に向かって、流入槽部12A、複数の油脂分浮上槽部12B,12C、流出槽部12Dが順番に備えられている。この浮上分離槽12は、流入槽部12Aにて排水DWを内部に流入させ、油脂分浮上槽部12B,12Cにて比重差で油脂分Fが浮上する現象を利用して排水DWから油脂分Fを浮上分離させ、その浮上分離後の排水DWを流出槽部12Dにて外部に流出させることができる。
流入部13は、浮上分離槽12の被処理水流れ方向の上流側の壁部(本体槽11の上流側下壁板11C)に形成された流入口13Aを備えて構成されている。この流入口13Aに対して浮上分離槽12の外側から上流側の排水路1が接続され、上流側の排水路1を流れる排水DWが流入口13Aを通じて浮上分離槽12の流入槽部12Aに流入するようになっている。流入口13Aは、例えば、浮上分離槽12の貯留水位WLよりも上方に配置され、貯留水位WLよりも上方位置から浮上分離槽12の流入槽部12Aに排水DWを落下流入させる。
流出部14は、浮上分離槽12の被処理水流れ方向の下流側の壁部(本体槽11の下流側壁板11Aの下側部位)に形成された流出口14Aを備えて構成されている。この流出口14Aに対して浮上分離槽12の外側から下流側の排水路1が接続され、浮上分離槽12の流出槽部12C内の排水DWが流出口14Aを通じて下流側の排水路1に流出するようになっている。流出口14Aは、例えば、浮上分離槽12の貯留水位WLに配置され、浮上分離槽12からオーバーフローさせる状態で排水DWを流出させる。
なお、流出口14Aの浮上分離槽12の内側には、浮上分離槽12の流出槽部12Dの底側位置で先端が開口し、下流側の排水路1からの臭気の逆流を防止しながら流出槽部12Dの底側の排水DWを流出口14Aに案内するトラップ管14B等が接続されている。
中間床部15は、作業者が降り立ち可能な床面積を有する矩形状の床部として構成され、本体槽11の内部において平面視で浮上分離槽12に対して被処理水流れ方向の上流側で隣接する位置であって、浮上分離槽12の流入槽部12Aに隣接する位置に配置されている。具体的には、中間床部15は、浮上分離槽12における被処理水流れ方向の上流端の壁部(本体槽11の上流側下壁板11C)の上端から略水平姿勢で延びる上流側底板11Dの上面にて構成されている。
そのため、作業者が中間床部15を作業床として使用するメンテナンス作業において、浮上分離槽12の流入槽部12Aに設置された残渣受け部17の取り出し等を容易に行うことができる。また、前述の如く、本体槽11の平面形状が、被処理水流れ方向に長い長方形状というシンプルな形状とすることができ、運搬性やコスト面に優れた油脂分阻集器10を構成できる。
昇降部16は、本体槽11における上部の開口部11aと中間床部15との間の高さ位置に設置された複数(本例では3個)の昇降ステップ16Aを備えて構成されている。
本実施形態では、各昇降ステップ16Aは、平面視でコの字状に延びる鋼製のパイプにて構成され、中間床部15に隣接する壁板11E,11Fのうち、中間床部15に対して浮上分離槽12とは反対側に位置する上流側上壁板11Eに上下方向で所定間隔を空けて梯子状に備えられている。複数の昇降ステップ16Aは、本体槽11における浮上分離槽12の直上域S2に逸脱せず、本体槽11における中間床部15の直上域S1内に納められている。
そのため、作業者が中間床部15に降り立って浮上分離槽12のメンテナンスを行う際、浮上分離槽12の直上域S2を使用してメンテナンス作業を能率良く行うことができる。
この第2実施形態は、昇降部16の別実施形態を示すものであり、以下、図3、図4を参照して昇降部16について説明を加える。なお、その他の構成は第1実施形態と同一であるので、同一の構成箇所には同一の符号を付して説明は省略する。
そのため、作業者は上部の床部2と中間床部15との間での昇降移動を斜め方向に沿って少ない労力で行うことができる。また、中間床部15に降り立ってメンテナンス作業を行う際には、昇降ステップ16Bを取り外すことで、浮上分離槽12の直上域S2を利用してメンテナンス作業を能率良く行うことができる。
また、一対のステップ受け16Cどうしの間隔L1は、流入槽部12Aに着脱自在に備えられた残渣受け部17の長手方向の寸法L2よりも大に設定されている。そのため、作業者が中間床部15に降り立って昇降ステップ16Aを取り外した状態でメンテナンスを行う際、一対のステップ受け16Cどうしの間を通して残渣受け部17を上方に容易に取り出すことができる。
本発明の他の実施形態について説明する。以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
11 本体槽
11a 開口部
12 浮上分離槽
13 流入部
14 流出部
15 中間床部
16 昇降部
16A 昇降ステップ
16B 昇降ステップ
DW 排水(被処理水、処理済水)
F 油脂分
S1 中間床部の直上域
S2 浮上分離槽の直上域
Claims (5)
- 上部に開口部を有する深型の本体槽と、
前記本体槽の下部に配置され、被処理水から油脂分を比重差で浮上分離する浮上分離槽と、
前記浮上分離槽に被処理水を流入させる流入部と、
油脂分を浮上分離した後の処理済水を前記浮上分離槽から流出させる流出部と、
前記本体槽の上下中間部に前記浮上分離槽の上方を開放する状態で配置される中間床部と、
前記本体槽の上部の前記開口部を通じて前記本体槽の外部と前記中間床部との間での人の昇降移動を可能とする昇降部と、が備えられ、
前記本体槽は、その上部が施設内の床部の上面に露出する状態で、且つ、その下部が床下空間に配置される状態で前記床部に設置され、
前記本体槽の上部の前記開口部の外周縁には、略水平姿勢で鍔状に突出する突出板が備えられ、
前記本体槽は、前記突出板が施設内の前記床部の上面に載置支持される状態で設置され、前記本体槽の荷重が前記床部を支持する梁にて支持され、
更に、前記本体槽は、前記中間床部に降り立った作業者の荷重を支持可能なように、前記中間床部の下面に対して施設内の前記床下空間に設けられた中間床部用支持梁が当接する状態で設置されている油脂分阻集器。 - 前記本体槽は、側面視において被処理水流れ方向の上流側で底部が一段浅く形成された二段底形状のボックス状に構成され、
前記本体槽において、底部が一段深い被処理水流れ方向の下流側の部位に前記浮上分離槽が配置され、底部の一段浅い被処理水流れ方向の上流側の部位に前記中間床部が配置され、
前記本体槽において底部が一段深い被処理水流れ方向の下流側の部位の外郭を構成する壁部のうち、被処理水流れ方向の上流側の壁部に前記流入部が形成されている請求項1記載の油脂分阻集器。 - 前記中間床部が、平面視において前記浮上分離槽に対して被処理水の流れ方向の上流側で隣接する位置に配置されている請求項1又は2記載の油脂分阻集器。
- 前記昇降部には、前記本体槽における前記開口部と前記中間床部との間の高さ位置に設置された1又は複数の昇降ステップが備えられ、
前記1又は複数の昇降ステップが、前記本体槽における前記中間床部の直上域内に納められている請求項1~3のいずれか1項に記載の油脂分阻集器。 - 前記昇降部には、前記本体槽における前記開口部と前記中間床部との間の高さ位置に設置された1又は複数の昇降ステップが備えられ、
前記1又は複数の昇降ステップが、前記本体槽における前記浮上分離槽の直上域に着脱自在に設置されている請求項1~3のいずれか1項に記載の油脂分阻集器。
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