JP3162445U - 油水分離装置 - Google Patents

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【課題】簡易な構造でしかもそのメンテナンスが容易であり、含油排水からの油脂成分の分離能力が極めて優れた油水分離装置を提供する。【解決手段】油水分離装置において、上端が開放された円筒状の基底部10と、上端が封止され下端が開口された直径の異なる複数の円筒型仕切り板が同心状に配置され、かつその全体が基底部の中に内挿される掩蓋部30とを設ける。基底部の底面中央には上部開口端にトラップカバー20が覆設された排水パイプ14が挿通されており、基底部の底面には、その隔壁上に少なくとも一箇所以上の通水スリット12を有した直径の異なる複数の円環隔壁からなる円環型整流板11、13を同心円状に設け、掩蓋部を構成する複数の円筒型仕切り板の各々の側面下部には少なくとも一箇所以上の通水孔32を設ける。基底部に設けられた同心円状の円環型整流板と掩蓋部を構成する円筒型仕切り板とは相互に同心状に配置する。【選択図】図1

Description

本考案は、ホテルや飲食店などの厨房から排出される含油排水に含まれた油脂成分を排水中から分離し除去する油水分離装置に関するものである。
ホテルや飲食店などの厨房から排出される排水中には、食器類を洗浄した際に洗い落とされた食用油や、食物残滓に含まれる油脂などの油脂成分(グリース成分)が多量に含まれている。このような油脂成分を含んだ含油排水を、そのまま公共の下水道に排出すると下水配管の詰まりや河川環境の汚染等の問題が生ずるため様々な対策が講じられている。その対策の一つとして、厨房における油水分離装置(俗称グリース・トラップ)の設置が挙げられる。
油水分離装置とは、厨房からの含油排水に含まれる油脂成分を排水中から分離して除去する装置のことであり、ホテルや飲食店などの業務用の厨房においては、含油排水を一旦係る油水分離装置に通し排水中に含まれた油脂成分を除去してから、これを公共の下水道に排出する仕組みとなっている。従来から、このような油水分離装置としては、例えば、特許文献1ないし3に示されるような様々の技術や機器が開示されている。
特開2003−181213号公報 特開2004−174346号公報 特開2008−000711号公報
しかしながら、これらの先行文献に開示された油水分離装置は、その構造が大型・複雑であり、機器のコストも高価なものであった。また、含油排水から油脂成分を濾し採る際に、その都度交換の必要なフィルターを使用するものや、或いはモーターなどの電動による濾過機構を必要とする機器もあって、油水分離装置の機能を維持するにあたってのメンテナンスが容易ではなかった。
本考案は、このような従来からの課題を解決することを目的とするものであって、簡易な構造で、しかもそのメンテナンスが容易であり、含油排水からの油脂成分の分離能力が極めて優れた油水分離装置を提供することを目的とする。
本考案の第1の観点による油水分離装置は、前述の目的を達成するため、含油排水から油脂成分を分離するものであって、
その上端が開放された円筒状の基底部と、その上端が封止され下端が開口された直径の異なる複数の円筒型仕切り板が同心状に配置され、かつその全体が前記基底部の中に内挿される掩蓋部と、前記基底部の底面中央に挿通された排水パイプと、前記排水パイプの上部開口端に覆設され、かつ複数の通水孔を有するトラップカバーと、前記掩蓋部が内挿された基底部の上端開口部を覆い、かつその中央部に蓋付きの排水穴が設けられた円形蓋とを含み、前記基底部の底面には、その隔壁上に少なくとも一箇所以上の通水スリットを有した直径の異なる複数の円環隔壁からなる円環型整流板が同心円状に設けられており、前記掩蓋部を構成する複数の円筒型仕切り板の各々の側面下部には少なくとも一箇所以上の通水孔が設けられており、前記基底部に設けられた同心円状の円環型整流板と前記掩蓋部を構成する円筒型の仕切り板とは相互に同心状に配置されることを特徴とする。
また、本考案の第2の観点による油水分離装置は、上記第1の観点において、
前記円筒型仕切り板の側面下部に設けられた通水孔と、前記円環型整流板に設けられた通水スリットとは、前記基底部の底面において同一の直径上に配置されないことを特徴とする。
また、本考案の第3の観点による油水分離装置は、上記第1の観点において、
前記掩蓋部の上部封止面に含油排水の流入を抑止する逆U字構造の排気管を設け、前記円筒型の仕切り板の側面上部に排気孔を設けたことを特徴とする。
また、本考案の第4の観点による油水分離装置は、上記第1の観点において、
前記円形蓋は、その下面に含油排水に含まれる固形食物残滓を滞留させるための濾過蓋をさらに含むことを特徴とする。
また、本考案の第5の観点による油水分離装置は、上記第1の観点において、
前記基底部の底面に、少なくとも一箇所以上の含油排水排出孔を設けたことを特徴とする。
また、本考案の第6の観点による油水分離装置は、上記第1の観点において、
前記基底部を厨房における流し台設備の洗浄槽の下部に設けたことを特徴とする。
また、本考案の第7の観点による油水分離装置は、上記第1の観点において、
前記基底部を厨房における排水枡設備の内部に設けたことを特徴とする。
本考案によれば、メンテナンスが容易であり極めて簡易な構造であるにも関らず、ホテルや飲食店などの厨房から排出された含油排水に含まれる油脂成分を効果的に除去することが可能な油水分離装置を低コストで実現することができる。
本考案に基づく油水分離装置を実施するための最良の形態である実施例について、本考案の明細書に添付された各図面を参照しつつ以下に説明を行う。先ず、本実施例に基づく油水分離装置1(以下、単に「本装置」という)の構成を、図1の概略斜視図、および図2の模式断面図に示す。因みに、図2は本装置中央部の鉛直方向についての模式的な断面図を示したものである。
図1の概略斜視図に示すように、本装置は、主に、底が塞がれた円筒型の基底部10と、この基底部10の中に内挿される掩蓋部30から構成されている。基底部10の底面には、外側円環型整流板11および内側円環型整流板13が同心円状に設けられている。これらの円環型整流板は、基底部10の底面から直立した円環状の隔壁であって、隔壁上の数箇所には排水流の通過を促すための通水スリット12が設けられている。なお、隔壁上において通水スリット12を設ける位置やその設置数については、本考案の実施態様に応じて変更されるものであって、図1に示された事例に限定されるものではない。
また、基底部10の底面中央には鉛直方向に排水パイプ14が挿通されている。排水パイプ14の上部は開口端となっており、本装置の運用においては、この上部開口端にトラップカバー20が覆設される。トラップカバー20は、その底面の中央に排水パイプ挿通孔21が設けられており、排水パイプ14がこれに挿通され所定の位置で固定される。また、トラップカバー20の底面には複数のトラップカバー通水孔22が設けられている。なお、トラップカバー20の形状は図1に示されたものに限定されるものではなく、通常のオーバーフロー用排水パイプの上部開口端に覆設されるものであれば如何なる形状のものであっても使用することができる。
また、基底部10の底面には本装置のメンテナンス時などに使用される含油排水排出孔15が設けられている。なお、含油排水排出孔15の設置箇所や設置数などは、本装置の実際の実施態様において決定される事項であり、図1に示された事例に限定されるものではない。
一方、掩蓋部30は、その上端が封止され下端が開放された円筒形状をした仕切り板であり、その内部には同じく円筒形状をした内部円筒型仕切り板31が同心円状に設けられている。掩蓋部30の円筒型仕切り板の側面下部、ならびに内部円筒型仕切り板31の側面下部には、それぞれ掩蓋部通水孔32が設けられている。掩蓋部通水孔32は、排水流をその内部に流し込むための通水孔であり、その大きさや設置箇所あるいは設置数については、図1に示された事例に限定されるものではない。
本装置の運用時においては、掩蓋部30は基底部10の中に内挿されて用いられるものであり、基底部10の深さは、掩蓋部30の鉛直方向の全高を収納しても未だ余裕のある寸法に設定されているものとする。同様に、基底部10の内径は、掩蓋部30の全体を収納するのに十分な大きさに設定されていることはいうまでもない。
なお、基底部10の中に掩蓋部30が内挿された際に、基底部10に設けられた円環型整流板と、掩蓋部30の円筒型仕切り板との相互の位置関係は、図2の模式断面図に示すように交互に同心円状に並ぶ形となる。すなわち、基底部10の容器の内側では、先ず、掩蓋部30の外側の円筒型仕切り板が位置し、その内側に外側円環型整流板11が置かれる。続いて更なる内側に、内部円筒型仕切り板31が位置し、更にその内側に内側円環型整流板13が置かれることになる。
なお、図1および2に示す事例では、基底部10の円環型整流板ならびに掩蓋部30の円筒型仕切り板をそれぞれ2枚づつ設けた構成を示したが、本考案の実施は係る事例に限定されるものではなく、例えば、円環型整流板と円筒型板仕切り板を3枚づつ、或いは4づつ設けるような構成としても良い。なお、このようにそれぞれの枚数が増えた場合であっても、本事例に示されるように、円環型整流板と円筒型板仕切り板がそれぞれ交互に並ぶ構成であることに変わりはない。
ところで、掩蓋部30を基底部10の中に内挿する都合から、掩蓋部30の外径が基底部10の内径よりも一回り小さな寸法に設定さている。それ故、基底部10の中に掩蓋部30を内挿した後に、基底部10の中において掩蓋部30の位置ずれやガタツキが生ずるおそれがある。本実施例では係る不具合を防止すべく、掩蓋部30の外周に掩蓋部保持部材33を設け、これを基底部10の内径に当圧接させて、掩蓋部30が基底部10の内側において位置ずれやガタツキを生じさせない仕組みとなっている。
なお、図1に示す事例では、係る掩蓋部保持部材33として棒状の長尺保持部材が図示されているが、本考案の実施は係る事例に限定されるものではなく、例えば、掩蓋部30の外周上の任意の箇所に所定の係止突起部(図示せず)を設け、係る係止突起部を基底部10の内径に当圧接させ、基底部10に内挿された掩蓋部30の固定・保持を行うような構成としても良い。
一方、掩蓋部30の上部封止面には、掩蓋部排気管34が設けられている。掩蓋部排気管34は、掩蓋部30内への含油排水の逆流入を防止するため、いわゆるサイホン構造を利用したよる逆U字型の連通管によって構成された排気管である。また、内部円筒型仕切り板31の側面上部にも内部仕切り板排気孔35が設けられている。これらの排気管ならびに排気孔は、掩蓋部30の内部へ排水が流入した際に、掩蓋部30の内部に残された空気を排気して排水の流入を速やかに行うべく設けられたものである。
なお、係る排気管・排気孔の設定位置や設定数は、図1に示される事例に限定されるものではなく、本装置の実施態様に応じて任意に設定可能であることはいうまでもない。因みに、掩蓋部排気管34は、基底部10の中に内挿された掩蓋部30を引き上げる際の取っ手としての機能も兼用しているため、掩蓋部30の上部封止面の外縁周上において、少なくとも2箇所以上に設けることが好ましい。
基底部10の中に掩蓋部30が内挿された後、基底部10の上部開口端は、円形蓋40によって閉じられる。円形蓋40の中央部には本装置内に含油排水を流し込むための排水穴が設けられており、通常は排水穴蓋41によって閉じられている。なお、必要に応じて円形蓋40の内側に濾過蓋50を設けるようにしても良い。
濾過蓋50には、多数の濾過蓋通水孔51が設けられており、これによって含油排水中に含まれている食物など固形残滓を濾しとるこができる。なお、濾過蓋50の形状は、図1に示された構成に限定されるものではなく、含油排水中に浮遊する微細な食物残滓までも濾しとることを考慮すれば、例えば、金網などで編んだ笊状の形状のものを用いることが好ましい。
次に、本装置の動作ならびに実際の使用例について説明を行なう。因みに、本装置は、ホテルや飲食店などの厨房設備において使用されるものであるが、その使用形態としては、主に、厨房設備における流し台の洗浄槽の下部に設置される場合と、厨房設備における排水枡の内部に設置される場合に大別される。以下の記載においては、厨房設備の流し台洗浄槽の下部に設置された場合を例にとって説明を行なうものとする。
先ず、本装置が厨房設備における流し台の洗浄槽の下部に設置された際の概略構成を図3に示す。同図において、厨房設備の流し台60は、第1洗浄槽61と第2洗浄槽62とを備えた、いわゆる2槽式の流し台である。なお、第1洗浄槽61と第2洗浄槽62とは連通パイプ63によって接続されており、第2洗浄槽62の排水を一旦第1洗浄槽61に落とし、ここから本装置を介して下水道、あるいは排水枡に排水する構成となっている。
図3に示す実施例では、本装置の基底部10が第1洗浄槽61の下部に設置されている。また、図3の中の正面図では、掩蓋部30、円形蓋40、濾過蓋50の各々を基底部10から引き出した状態を表している。なお、同図においては、説明の都合上から本装置の部位の一部について、その記載を省略している。
ところで、このような2槽式の流し台では、深いシンクの第1洗浄槽61で食器類の粗洗浄を行い、その後、浅いシンクの第2洗浄槽62において仕上げ洗浄を行うことが一般的である。それ故、図3に示された事例では、第2洗浄槽62の比較的汚染度の低い湯水を再利用すべく、第2洗浄槽62の排水を、連通パイプ63を介して一旦第1洗浄槽61に導入する形を取っているが、例えば、第2洗浄槽62からの連通パイプ63を本装置の基底部10の円筒部側面に直接に接続するような構成としても良い。
次に、本装置の具体的な動作を、主に図2の模式断面図を用いて説明する。先ず、第1洗浄槽61の下に設置された本装置において、円形蓋40の排水穴41が開かれると、第1洗浄槽61のシンク内に溜まっていた含油排水は、図2の矢印aにしたがって本装置内に流入する。
基底部10の内面と掩蓋部30の外面の間を抜けて、基底部10の底面に落下した含油排水は、掩蓋部30(外部円筒型仕切り板)の側面下部に設けられた掩蓋部通水孔32を通って掩蓋部30の中に流れ込む(矢印b)。掩蓋部30の内部に流れ込んだ含油排水は、その急激な動きを外側円環型整流板12によって抑制され、外側円環型整流板12の隔壁に設けられた通水スリット12を通り基底部10の中心に向かって流入する。
通水スリット12を通過した水流は、内部円筒型仕切り板31の側面下部に設けられた掩蓋部通水孔32を通って、さらに掩蓋部30の中心方向に流れ込む(矢印c)。その後、内部円筒型仕切り板31の通水孔32を通過した水流は、内側円環型整流板13によって妨げられ、同整流板の隔壁に設けられた通水スリット12を通過するので、その流れは更に緩やかなものとなる。
このように、各円筒型仕切り板に設けた通水孔、ならびに各円環型整流板に設けた通水スリットの位置を巧みに配置することによって、つまり、含油排水の水流の流入進路に対して、必ず、円筒型仕切り板あるいは円環型整流板の壁面が立塞がるように配置すれば、本装置内への含油排水の流入時における含油排水の水流を緩和できるのである。
係る態様は、各円筒型仕切り板に設けた通水孔と、各円環型整流板に設けた通水スリットとを基底部10の底面において、同一の直径上に位置しないように配置することによって達成できる。例えば、基底部10の内壁面に、前述の掩蓋部保持部材33を案内する鉛直長手方向の案内溝を設け、これに沿って掩蓋部30を基底部10の中に内挿すれば、通水孔と通水スリットの相対位置が自動的に上記の態様に定まるようにすることも可能である。
含油排水において、これに含まれる水分と油脂成分とを分離するには、その比重差を利用することが最も効果的である。すなわち、静止化された含油排水では、時間の経過と共に比重の軽い油脂成分が含油排水の上層に移動して水分との分離が達成される。したがって、含油排水の水流を激しくすると水分と油脂成分の再混合が発生し、油脂成分の分離に時間を要することになる。このような観点から、本装置内への含油排水の流入時における水流の緩和は極めて重要なポイントとなる。
本装置内への含油排水の流入量がさらに増加し、基底部10内における含油排水の水位が基底部10の底面に設けた円環型整流板(11、13)の隔壁の高さを超えると、含油排水の水流は、図2の矢印dや矢印eに示すように、各円筒型仕切り板に設けた通水孔を通って掩蓋部30の内部に直接に流れ込んで来る。この場合においても、通水孔が開いた前面には円環型整流板の隔壁が立塞がるように設けられているので、流入する水流の緩和を図ることができる。
なお、基底部10内における含油排水の水位が上昇するにつれて、掩蓋部30の内部空洞に残留した空気圧が高まり、基底部10内への含油排水の流入が困難となるが、本装置においては、掩蓋部30の内部空洞の残留空気は、内部仕切り板排気孔35、掩蓋部排気管34を通って外部に排気されるため、基底部10内への含油排水の流入はスムーズに行われる。
基底部10内の含油排水の水位がさらに上昇し、排水がトラップカバー通水孔22を通過してトラップカバー20の内部に流入し(図2の矢印f)、排水パイプ14の上部開口端に達すると、排水パイプ14のオーバーフローによって排水が行われる。これ以降、本装置内に含油排水が流入する毎に、係る仕組みによって本装置からの排水が行われることになる。
基底部10内の含油排水の水位が、排水パイプ14のオーバーフロー水位に固定されると、図2に示す領域Aに滞留し静止状態に置かれた含油排水は、前述のように時間が経過するにつれ、これに含まれた油脂成分がその比重差により分離されて水面の上層に移動する。領域Aに滞留した排水が領域Bに移動するには、図中の矢印eに示すよう流路を通らなければならないので、領域Aの水面上層に分離・蓄積された比重の軽い油脂成分が係る流路に乗ることは困難となる。この結果、領域Aから領域Bには油脂成分が分離された排水のみが移動することになる。
したがって、本装置内へ新たに含油排水が流入し、排水パイプ14からのオーバーフローによって排水が行われる度に、領域Aの上層には含油排水中に含まれていた油脂成分が逐次分離・蓄積されて行くのである。なお、領域Bに流入した排水中に領域Aで分離しきれなかった油脂成分が含まれていた場合、その一部は排水パイプ14から排水されるものの、領域Bにおいて静止状態で滞留されることによって、領域Aの場合と同様に油脂成分の分離・蓄積が行われる。
本装置においては、領域AあるいはBの上部水面に十分に油脂成分が蓄積された状態に達すると、円形蓋40および濾過蓋50を取り除き、基底部10の中から掩蓋部30を引き上げ、その後、含油排水排出孔15に接続されたバルブ(図示せず)を開くことによって、含油排水から分離・蓄積された油脂成分を基底部10の内部に溜まった残余の含油排水と共に排出することができる。
なお、本実施例では、掩蓋部30が二重の円筒型仕切り板によって構成された事例を示したが、前述のように仕切り板の数はこれに限定されるものではなく、掩蓋部30に三重あるいは四重の円筒型仕切り板を設けるようにしても良い。これによって、含油排水からの油脂成分の分離・除去の度合いが更に向上することはいうまでもない。
以上に説明したように、本考案の実施例によれば、メンテナンスが容易であってその構造が簡単であり、含油排水に含まれる油脂成分を極めて効率的に除去可能な油水分離装置を低コストで実現することができる。
なお、本考案の実施形態は、以上に説明した各実施例に限定されるものではなく、例えば、各々の実施例を構成する各部位の形状や配置或いはその素材等は、本考案の趣旨を逸脱することなく、現実の実施態様に即して適宜変更ができるものであることは言うまでもない。
以上に説明した本考案の構成は、ホテルや飲食店などの厨房設備で使用される油水分離装置(グリーストラップ)においてその利用が可能である。
本考案の実施例である油水分離装置の概略構成を示す斜視図である。 図1に示す油水分離装置の中央部鉛直方向に関する模式断面図である。 本考案の油水分離装置を厨房設備における流し台の洗浄槽の下部に設けた事例を示す説明図である。
1 … 油水分離装置(グリーストラップ)
10 … 基底部
11 … 外側円環型整流板
12 … 通水スリット
13 … 内側円環型整流板
14 … 排水パイプ
15 … 含油排水排出孔
20 … トラップカバー
21 … 排水パイプ挿通孔
22 … トラップカバー通水孔
30 … 掩蓋部(外部円筒型仕切り板)
31 … 内部円筒型仕切り板
32 … 掩蓋部通水孔
33 … 掩蓋部保持部材
34 … 掩蓋部排気管
35 … 内部仕切り板排気孔
40 … 円形蓋
41 … 排水穴蓋
50 … 濾過蓋
51 … 濾過蓋通水孔
60 … 厨房設備流し台
61 … 第1洗浄槽
62 … 第2洗浄槽
63 … 連通パイプ

Claims (7)

  1. 含油排水から油脂成分を分離する油水分離装置であって、
    その上端が開放された円筒状の基底部と、
    その上端が封止され下端が開口された直径の異なる複数の円筒型仕切り板が同心状に配置され、かつその全体が前記基底部の中に内挿される掩蓋部と、
    前記基底部の底面中央に挿通された排水パイプと、
    前記排水パイプの上部開口端に覆設され、かつ複数の通水孔を有するトラップカバーと、
    前記掩蓋部が内挿された基底部の上端開口部を覆い、かつその中央部に蓋付きの排水穴が設けられた円形蓋と、を含み、
    前記基底部の底面には、その隔壁上に少なくとも一箇所以上の通水スリットを有した直径の異なる複数の円環隔壁からなる円環型整流板が同心円状に設けられており、
    前記掩蓋部を構成する複数の円筒型仕切り板の各々の側面下部には少なくとも一箇所以上の通水孔が設けられており、
    前記基底部に設けられた同心円状の円環型整流板と前記掩蓋部を構成する円筒型仕切り板とは相互に同心状に配置されることを特徴とする油水分離装置。
  2. 前記円筒型仕切り板の側面下部に設けられた通水孔と、前記円環型整流板に設けられた通水スリットとは、前記基底部の底面において同一の直径上に配置されないことを特徴とする請求項1に記載の油水分離装置。
  3. 前記掩蓋部の上部封止面に含油排水の流入を防止する逆U字構造の排気管を設け、かつ前記円筒型仕切り板の側面上部に排気孔を設けたことを特徴とする請求項1に記載の油水分離装置。
  4. 前記円形蓋は、その下面に含油排水に含まれる固形食物残滓を滞留させるための濾過蓋をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の油水分離装置。
  5. 前記基底部の底面に、少なくとも一箇所以上の含油排水排出孔を設けたことを特徴とする請求項1に記載の油水分離装置。
  6. 前記基底部を厨房における流し台設備の洗浄槽の下部に設けたことを特徴とする請求項1に記載の油水分離装置。
  7. 前記基底部を厨房における排水枡設備の内部に設けたことを特徴とする請求項1に記載の油水分離装置。

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