JP3202897U - 貯水域用水位調整枡 - Google Patents
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Abstract
【課題】水田などの貯水域に必要な水位を効率よく調整でき、優れた排水効率を有するとともに、かなりの水圧負荷にも耐え得る貯水域用水位調整枡を提供する。【解決手段】本考案の貯水域用水位調整枡1は、上方が開口し下方が底面11により閉口して側壁10が曲面を為す全体が略円筒状の枠体2で構成され、枠体2の内部には、取水室2aと排水室2bとを仕切る高さ調整可能な水位調整板30が設けられ、枠体2の取水室2a側の側壁10には、貯水域から貯水を取り入れるための取水口12が開口部22を有する堰板20によって開閉自在に設けられ、枠体2の排水室2b側の側壁10若しくは底面11には、枠体2内に流入した貯水を排水するための排水口14が設けられている構成となっている。【選択図】図1
Description
本考案は、貯水域の水位を調整するための水位調整枡に関するものである。
通常、水田などの貯水域では、河川等から取り入れた灌漑用水のうち、過剰な灌漑用水を排水することで、必要な水位となるように調整されている。
このように貯水域の水位を調整するための技術として、特許文献1では、水田に必要な水位を確保するための水位調整板を箱体の一側面に開閉自在に設け、水田に不要な水を隣接水田に排水するための排水具を、上述した一側面の対向面となる箱体の側面に設けた水位調整排水具が提案されている。
この特許文献1に記載の水位調整排水具では、水位調整板の開閉度を調整して、水位調整排水具の内部に取り入れる灌漑用水の流量を制御することで、水田の水位を調整するように構成されている。
ところが、この特許文献1に記載の水位調整排水具では、その内部に取り入れられた灌漑用水がそのまま排水具に排水される構成となっているため、灌漑用水に含まれる塵等の浮遊物や土壌成分等の沈殿物が排水具の内部で堆積して、排水効率が低下しやすいという不具合があった。
そこで、このような不具合を解消するために、特許文献2では、排水枡をなす箱体の一側面に、水田から灌漑用水を取り入れるための落水ゲートと、落水ゲートの開閉度を調整可能な堰板とを設けるとともに、排水枡をなす箱体内部の、落水ゲートよりもやや下方の位置に、灌漑用水に含まれる塵等の浮遊物を除去する除塵体を設け、さらに、排水枡をなす箱体の底面に排水口を設け、この排水口に落水ゲートよりもやや低い高さの越流筒を箱体の内部側に突出するように設けることが提案されている。
この特許文献2に記載の排水枡では、堰板により落水ゲートの開閉度を調整して、排水枡の内部に取り入れる灌漑用水の流量を制御することで、水田の水位を調整するように構成されている。
また、この特許文献2に記載の排水枡では、落水ゲートから取り入れられた灌漑用水が、除塵体を通過した後、越流筒の高さまで排水枡内に溜まり、越流筒の高さよりも水位が上がると、越流筒の上部開口面から排水されるように構成されている。よって、灌漑用水に含まれる塵等の浮遊物は、除塵体を通過する際に除去され、灌漑用水に含まれる土壌成分等の沈殿物は、灌漑用水が越流筒の高さまで溜まるまでの間に排水枡の底面に沈殿されるため、浮遊物や沈殿物を含まない状態で灌漑用水を排水できるようになっている。
しかしながら、上述した特許文献2に記載の排水枡においては、排水枡の内部に取り入れ、排水口から排水する灌漑用水の流量を、落水ゲートに設けられた堰板の開閉度だけで制御しているため、水田に必要な水位を効率よく調整し、排水効率を向上させるという点でさらなる改善の余地があった。
また、上述した特許文献2に記載の排水枡においては、落水ゲートから排水枡の内部に取り入れた灌漑用水が越流筒の高さまで溜まる間に、灌漑用水に含まれる土壌成分を沈殿物として排水枡の底面に沈殿させるように構成されているため、排水口の近傍で沈殿した沈殿物が灌漑用水とともに排水されてしまう場合がある。
さらに、上述した特許文献2に記載の排水枡においては、落水ゲートから取り入れられる灌漑用水の流量が多いと、土壌成分が完全に沈殿しないうちに越流筒の上部開口面まで灌漑用水が溜まりやすいため、灌漑用水が土壌成分を含んだ状態で越流筒から排水されてしまう場合がある。
すなわち、上述した特許文献2に記載の排水枡においても、灌漑用水に含まれる土壌成分の排水管内部への堆積を完全に防止することはできないため、排水効率を向上させるという点でさらなる改善の余地があった。
すなわち、上述した特許文献2に記載の排水枡においても、灌漑用水に含まれる土壌成分の排水管内部への堆積を完全に防止することはできないため、排水効率を向上させるという点でさらなる改善の余地があった。
そこで本出願人は、かつて特許文献3に係る水田用水位調整枡の技術提案を行っている。この特許文献3に記載の水田用水位調整枡は、全体を箱体で構成し、その箱体の一側面には、水田から灌漑用水を取り入れる取り入れ口を設け、その箱体の一側面に対向する側面には、箱体の内部から灌漑用水を排水する排水口を設け、その箱体の内部には、取り入れ口を含む取り入れ室と排水口を含む排水室とを仕切る水位調製板を設け、取り入れ口を、網状部材が取り付けられた開口部を有する堰板によって開閉自在に構成されるとともに、水位調整板の高さが調整自在となるよう構成されている。
かかる特許文献3の技術提案によれば、水位調整板の高さを自由に調整することで、水田に必要な水位を効率よく調整できるとともに、優れた排水効率を得ることが可能であって、一定の効果を発揮し得るものであった。しかしながら、全体が平板状の側面壁で囲まれた箱体構造を採用していることから、取り入れ口側の側面壁にかなりの水圧負荷が伴うことで、経時的に水田用水位調整枡の位置ズレや側面壁の歪みが生じることがあった。
そこで、本考案は、上記事情に鑑みてなされたものであり、水田などの貯水域に必要な水位を効率よく調整でき、優れた排水効率を有するとともに、かなりの水圧負荷にも耐え得る貯水域用水位調整枡を提供することを課題としている。
このような課題を解決するために、本考案に係る貯水域用水位調整枡は、 上方が開口し下方が底面により閉口して側壁が曲面を為す全体が略円筒状の枠体で構成され、枠体の内部には、取水室と排水室とを仕切る高さ調整可能な水位調製板が設けられ、枠体の取水室側の側壁には、貯水域から貯水を取り入れるための取水口が開口部を有する堰板によって開閉自在に設けられ、枠体の排水室側の側壁若しくは底面には、枠体内に流入した貯水を排水するための排水口が設けられた構成となっている。
すなわち、本考案に係る貯水域用水位調整枡は、取水口に開口部が位置するように堰板を移動させて取水口を開放することで、貯水域の貯水が枠体内に取り入れられるとともに、取り入れられた貯水は、まず、取水室の内部に溜まり、水位調整板の高さ以上に溜まると、水位調整板を乗り越えて排水室に流出し、その後、排水口から排水されるように構成されている。
また、本考案に係る貯水域用水位調整枡は、前記堰板の開口部に、網状部材が取り付けられている構成を採用し得る。
さらに、本考案に係る貯水域用水位調整枡は、前記取水口の両側側壁に、該取水口へ貯水を誘導するための誘導板が設けられている構成を採用し得る。
またさらに、本考案に係る貯水域用水位調整枡は、前記水位調製板に、取水室と排水室とを連通させるための連通口が仕切板によって開閉自在に設けられている構成を採用し得る。
さらにまた、本考案に係る貯水域用水位調整枡は、前記底面が、枠体よりも幅広に形成された構成を採用し得る。
本考案に係る貯水域用水位調整枡によれば、取水口から取り入れ、排水口から排水する貯水の流量を、取水口に設けられた堰板と、取水室及び排水室を仕切る水位調整板との二箇所で制御することができるため、水田などの貯水域に必要な水位を効率よく調整することが可能となる。
また、本考案に係る貯水域用水位調整枡によれば、枠体に設けられた取水口が、貯水域の深さ方向下方に位置するように設置されることにより、塵等の浮遊物がほとんど存在しない深部の貯水を取り入れることが可能となる。
さらに、本考案に係る貯水域用水位調整枡によれば、取水口を含む取水室と排水口を含む排水室との間を仕切る水位調整板を設けたことにより、取水室の内部に溜められた貯水が、水位調整板の高さ以上に溜まり、水位調整板を乗り越えて排水室に流入するまでの間に、貯水に含まれる土壌成分などを沈殿物として除去することができる。よって、本考案に係る貯水域用水位調整枡によれば、取り入れられる貯水の流量が多い場合であっても、土壌成分が確実に除去された貯水を排水することが可能となるため、上述した特許文献2に記載の排水枡と比べて、優れた排水効率を得ることができる。
また、本考案に係る貯水域用水位調整枡によれば、水位調整板の高さを調整自在としたことにより、取水口から取り入れ排水口から排出する貯水の流量に合わせて水位調整板の高さを調整することで、貯水に含まれる土壌成分などを効率よく沈殿させ、綺麗な貯水を効率よく排水することができる。
さらに、本考案に係る貯水域用水位調整枡によれば、側壁が曲面を為す全体が略円筒状の枠体で構成されていることで、取水口側の側壁に大きな水圧負荷がかかったとしても、経時的に水田用水位調整枡の位置ズレや側壁の歪みが生じることなく、かなりの水圧負荷にも耐えることができる。
また、本考案に係る貯水域用水位調整枡によれば、堰板の開口部に網状部材が取り付けられた構成を採用することで、貯水が開口部を通過する際に、貯水に含まれる塵等の浮遊物を除去することができるため、取水口の設置位置に係らず、塵等の浮遊物が存在しない貯水を枠体の内部に取り入れることが可能となる。
さらに、本考案に係る貯水域用水位調整枡によれば、取水口の両側側壁に該取水口へ貯水を誘導するための誘導板が設けられた構成を採用することで、貯水の枠体内への流入に際し、貯水域に存する貯水が効率的に取水口へ誘導されることとなる。
また、本考案に係る貯水域用水位調整枡によれば、水位調製板に取水室と排水室とを連通させるための連通口が仕切板によって開閉自在に設けられた構成を採用することで、取水室内に溜まった貯水の排水室側への完全排水が可能となる。
さらに、本考案に係る貯水域用水位調整枡によれば、底面が枠体よりも幅広に形成された構成を採用することで、設置安定性の向上に資することとなる。
本考案に係る貯水域用水位調整枡1は、上方が開口し下方が底面11により閉口して側壁10が曲面を為す全体が略円筒状の枠体2で構成され、枠体2の内部には、取水室2aと排水室2bとを仕切る高さ調整可能な水位調製板が設けられ、枠体2の取水室2a側の側壁10には、貯水域Sから貯水Wを取り入れるための取水口12が開口部22を有する堰板20によって開閉自在に設けられ、枠体2の排水室2b側の側壁10若しくは底面11には、枠体2内に流入した貯水Wを排水するための排水口14が設けられたことを最大の特徴とする。
以下、本考案に係る貯水域用水位調整枡1の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
以下、本考案に係る貯水域用水位調整枡1の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
なお、本考案に係る貯水域用水位調整枡1は、以下に説明する実施形態に限定されるものではなく、本考案の技術的思想の範囲内、即ち、同一の作用効果を発揮できる形状や寸法等の範囲内で適宜変更することができるものである。
図1は、本考案に係る貯水域用水位調整枡1の実施形態を示す全体斜視図であり、図2は、該貯水域用水位調整枡1の動作態様を示す説明断面図である。
本考案に係る貯水域用水位調整枡1は、図1に示すように、上方が開口し、下方が底面11により閉口して、側壁10が曲面を為し、全体が略円筒状となった枠体2で構成されている。
本考案に係る貯水域用水位調整枡1は、図1に示すように、上方が開口し、下方が底面11により閉口して、側壁10が曲面を為し、全体が略円筒状となった枠体2で構成されている。
貯水域用水位調整枡1を為す枠体2の内部には、取水室2aと排水室2bとを仕切る水位調製板が設けられている。該水位調製板は、平面視において枠体2を略均等に二分する位置に配置されており、高さ調整が可能な構造となっている。高さ調整を可能にする水位調製板の構造としては、底面11から所要高さを有して固定的に配置された略矩形状の平板から成る固定板31と、上下方向にスライド可能であって最上位置までスライドした場合であっても固定板31と少なくとも一部下端領域が重複する略矩形状の平板から成るスライド板32と、の二枚板構造を採用する。
スライド板32をスライド可能にする具体的構造は、側壁10の内周面に平面視略コ字状でスライド板32の厚みと略同一寸法の挟持部を有して高さ方向に延伸するガイドレール16が設けられ、スライド板32の両側部がガイドレール16で挟まれた状態で支持されることで、ガイドレール16に沿ってスライド板32が上下方向にスライド可能となっている。
なお、スライド板32は、上下にスライドした任意の高さ位置にて任意の係止手段により固定される構造となっている。また、スライド板32の上端部には、該スライド板32を上下方向に移動する際に用いる把持部36が形成されていることが望ましい。
ここで、図2(a)に示すように、スライド板32を上方へスライドすることで、水位調整板30の上端部の位置を高く設定することができ、逆にスライド板32を下方へスライドすることで、水位調整板30の上端部の位置を低く設定することができる。この水位調整板30の上端部の高さ位置は、取水室2aから排水室2bへ貯水Wを流入させる際の越えるべき高さを意味し、水位調整板30の上端部の高さ位置を上下に調整可能とすることで、必要に応じて取水室2aに溜める貯水量や排水室2bへの貯水Wの流入量を調整することができる。
ところで、水位調製板には、図1に示すように、取水室2aと排水室2bとを連通させるための連通口34が設けられた構成とすることが可能である。該連通口34は、水位調製板のうち固定板31に設けられ、仕切板40によって開閉自在となっている。
仕切板40は、略矩形状の平板から成り、固定板31に沿って上下方向にスライド可能な構造となっており、具体的には、固定板31に平面視略コ字状で仕切板40の厚みと略同一寸法の挟持部を有して高さ方向に延伸するガイドレール38が設けられ、仕切板40の両側部がガイドレール38で挟まれた状態で支持されることで、ガイドレール38に沿って仕切板40が上下方向にスライド可能となっている。
なお、仕切板40は、上下にスライドした任意の高さ位置にて任意の係止手段により固定される構造となっている。また、仕切板40の上端部には、該仕切板40を上下方向に移動する際に用いる把持部46が形成されていることが望ましい。
ここで、図2(b)に示すように、仕切板40を上方へスライドすることで、連通口34が開いて取水室2aと排水室2bとが連通し、取水室2a内の貯水Wを排水室2bへ流入させることができ、一方、仕切板40を下方へスライドすることで、連通口34が該仕切板40によって塞がれて取水室2aと排水室2bとが仕切られ、排水室2bへの貯水Wの流入をストップさせることができる。
枠体2の取水室2a側の側壁10には、貯水域Sから貯水Wを取り入れるための略矩形状の取水口12が設けられ、また、枠体2の排水室2b側の側壁10若しくは底面11には、枠体2内に流入した貯水Wを排水するための排水口14が設けられている。
取水口12は、開口部22を有する堰板20によって開閉自在となっている。すなわち、堰板20は、枠体2の側壁10外周面に沿って上下方向にスライド可能な構造となっており、具体的には、側壁10の外周面に平面視略コ字状で堰板20の厚みと略同一寸法の挟持部を有して高さ方向に延伸するガイドレール18が設けられ、堰板20の両側部がガイドレール18で挟まれた状態で支持されることで、ガイドレール18に沿って堰板20が上下方向にスライド可能となっている。
堰板20は、略矩形状の平板で側壁10に沿うように曲面を為す構造となっており、その一部には略矩形状の開口部22が設けられ、この開口部22には網状部材24が取り付けられている。
なお、堰板20は、上下にスライドした任意の高さ位置にて任意の係止手段により固定される構造となっている。また、堰板20の上端部には、該堰板20を上下方向に移動する際に用いる把持部26が形成されていることが望ましい。
ここで、図2(c)に示すように、開口部22と取水口12とが重なるように堰板20をスライドすることで、取水口12が開いて枠体2の内部に貯水域Sの貯水Wを流入させることができ、一方、開口部22以外の部分を取水口12と重なるように堰板20をスライドすることで、取水口12が塞がれて枠体2内への貯水Wの流入をストップさせることができる。
側壁10における取水口12の両側には、図1に示すように、該取水口12へ貯水Wを誘導するための誘導板15を設ける態様が考え得る。該誘導板15は、略矩形状の平板で、側壁10の外周面において高さ方向に延伸する状態で設けられる。
排水口14は、枠体2の排水室2b側の側壁10若しくは底面11のいずれに設けてもよく、少なくともいずれか一方、若しくは、図面に示すように、両方に設ける態様が考え得る。なお、取水口12から取り入れられた貯水Wの排水効率をより向上させることに鑑み、取水口12と対向する側壁10に排水口14を設けることが好ましい。また、側壁10に排水口14を設ける場合には、排水性を考慮し、可能な限り下方位置に設けることが望ましい。
ところで、本考案に係る貯水域用水位調整枡1の底面11について、図1に示すように、枠体2よりも幅広に形成された構成とすることが考え得る。かかる構成を採用することで、貯水域用水位調整枡1を地中に埋設した際に、枠体2内に流入した貯水Wの重量や自重による下方への沈下を抑制し、設置安定性の向上に資することとなる。
以下、上記構成から成る貯水域用水位調整枡1の使用態様について、図3を参照しながら説明する。
図3は、本考案に係る貯水域用水位調整枡1の使用態様を示す説明断面図である。
図3は、本考案に係る貯水域用水位調整枡1の使用態様を示す説明断面図である。
まず、上述した構成の貯水域用水位調整枡1の取水口12が塞がれるように堰板20を位置させた状態で、取水口12が貯水域Sの端部に接し且つ貯水域Sの深さ方向下方に位置するように、貯水域用水位調整枡1が埋設・設置される。
次に、貯水域用水位調整枡1の堰板20を上方にスライドさせて、堰板20に設けられた開口部22を取水口12と重なる位置で固定する。
これにより取水口12が開き、貯水域Sに存する貯水Wが、取水口12を介して貯水域用水位調整枡1の枠体2内部に流入し、この貯水Wは、まず図3(a)に示すように、取水室2aの内部で水位調整板30の高さまで溜められる。
次に、取水室2aの内部で溜められた貯水Wの水位が水位調整板30の高さまで至ると、図3(b)に示すように、貯水Wが水位調整板30を乗り越えて排水室2bへ流入し、図3(c)に示すように、排水室2bから排水口14を介して外部へ排水されるようになっている。
ここで、本考案に係る貯水域用水位調整枡1において、取水口12から取り入れ、排出口から排出する貯水Wの流量を調整し、排水効率を向上させるためには、開口部22と取水口12とが重なる部分の面積を調整すればよい。
例えば、貯水域用水位調整枡1の枠体2内部に流入する貯水Wの流量を多くしたい場合には、開口部22を全て取水口12と重なるように堰板20をスライド調整すればよいし、一方、流入する貯水Wの流量を少なくする場合には、開口部22の一部のみを取水口12と重なるように堰板20をスライド調整すればよい。
例えば、貯水域用水位調整枡1の枠体2内部に流入する貯水Wの流量を多くしたい場合には、開口部22を全て取水口12と重なるように堰板20をスライド調整すればよいし、一方、流入する貯水Wの流量を少なくする場合には、開口部22の一部のみを取水口12と重なるように堰板20をスライド調整すればよい。
また、取水口12から取り入れ、排出口から排出する貯水Wの流量を調整し、排水効率を向上させるためには、取水室2aと排水室2bとの間を仕切る水位調整板30の高さを調整すればよい。
例えば、貯水域用水位調整枡1の枠体2内部に流入する貯水Wの流量が多い場合には、貯水Wに含まれる土壌成分を確実に沈殿させるまで時間がかかるため、水位調整板30の高さを高くして、貯水Wが取水室2aの内部で留まる時間を長くすることが好ましい。一方、貯水Wの流量が少ない場合には、貯水Wに含まれる土壌成分を確実に沈殿させる時間が少なくて済むため、水位調整板30の高さを低くして、貯水Wが取水室2aの内部で留まる時間を短くすることも可能である。
例えば、貯水域用水位調整枡1の枠体2内部に流入する貯水Wの流量が多い場合には、貯水Wに含まれる土壌成分を確実に沈殿させるまで時間がかかるため、水位調整板30の高さを高くして、貯水Wが取水室2aの内部で留まる時間を長くすることが好ましい。一方、貯水Wの流量が少ない場合には、貯水Wに含まれる土壌成分を確実に沈殿させる時間が少なくて済むため、水位調整板30の高さを低くして、貯水Wが取水室2aの内部で留まる時間を短くすることも可能である。
ところで、取水室2a内に溜まった貯水Wを完全に排水する場合や、降雨後の増水などにより貯水域Sに存する貯水Wを急速に排水する必要がある場合には、図3(d)に示すように、水位調整板30に設けられた連通口34を開放する態様が可能である。連通口34は、通常、仕切板40によって塞がれているため、連通口34を開放するためには、仕切板40を上方にスライドさせて連通口34が開放された位置で固定することとなる。
これにより、取水室2aに溜まった貯水Wは、水位調製板を乗り越えることなく、連通口34を介して即時に排水室2bへと流入され、取水室2a内に溜まった貯水Wの排水室2b側への完全排水及び急速排水が可能となる。
本考案に係る貯水域用水位調整枡1によれば、取水口12から流入され、排水口14から排水される貯水Wの流量を、堰板20と水位調整板30との少なくとも二箇所で制御することができるため、貯水域Sに必要な水位を効率よく調整することができる。
また、本考案に係る貯水域用水位調整枡1によれば、その取水口12が貯水域Sの深さ方向下方に位置するように設置されることにより、塵等の浮遊物Dがほとんど存在しない深部の貯水Wを貯水域用水位調整枡1の枠体2内部に取り入れることができる。
さらにまた、本考案に係る貯水域用水位調整枡1によれば、堰板20に設けられた開口部22に網状部材24を取り付けたことにより、貯水Wが開口部22を通過する際に、貯水Wに含まれる塵等の浮遊物Dを網状部材24で予め除去することができる。よって、貯水Wは、浮遊物Dを含まない状態で貯水域用水位調整枡1に流入されるため、同様に浮遊物Dを含まない状態で貯水Wを排水することができる。
なお、本実施形態の貯水域用水位調整枡1においては、側壁10に設けられる取水口12や堰板20に設けられる開口部22、水位調整板30の固定板31に設けられる連通口34を略矩形状に形成した場合について説明したが、取水口12や開口部22、連通口34の形状はこれに限らず、例えば、略円形状や楕円形状としてもよい。
さらに、本考案に係る貯水域用水位調整枡1においては、図示してはいないが、取水室2aや排水室2bの内部に蓄積された沈殿物を効率よく除去するために、取水室2aや排水室2bの内部に、水抜きが可能であって把持部が取り付けられた沈殿物用受け皿を設置するようにしてもよい。
本考案は、「考案の効果」記載の通り、多くの優れた効果を実現可能とするものである。したがって、本考案に係る「貯水域用水位調整枡」の産業上の利用可能性は大であると思料する。
1 貯水域用水位調整枡
2 枠体
2a 取水室
2b 排水室
10 側壁
11 底面
12 取水口
14 排水口
15 誘導板
16,18,38 ガイドレール
20 堰板
22 開口部
24 網状部材
26,36,46 把持部
30 水位調整板
31 固定板
32 スライド板
34 連通口
40 仕切板
D 浮遊物
S 貯水域
W 貯水
2 枠体
2a 取水室
2b 排水室
10 側壁
11 底面
12 取水口
14 排水口
15 誘導板
16,18,38 ガイドレール
20 堰板
22 開口部
24 網状部材
26,36,46 把持部
30 水位調整板
31 固定板
32 スライド板
34 連通口
40 仕切板
D 浮遊物
S 貯水域
W 貯水
Claims (5)
- 上方が開口し下方が底面により閉口して側壁が曲面を為す全体が略円筒状の枠体で構成され、
枠体の内部には、取水室と排水室とを仕切る高さ調整可能な水位調製板が設けられ、
枠体の取水室側の側壁には、貯水域から貯水を取り入れるための取水口が開口部を有する堰板によって開閉自在に設けられ、
枠体の排水室側の側壁若しくは底面には、枠体内に流入した貯水を排水するための排水口が設けられていることを特徴とする貯水域用水位調整枡。 - 前記堰板の開口部に、網状部材が取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の貯水域用水位調整枡。
- 前記取水口の両側側壁に、該取水口へ貯水を誘導するための誘導板が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の貯水域用水位調整枡。
- 前記水位調製板に、取水室と排水室とを連通させるための連通口が仕切板によって開閉自在に設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の貯水域用水位調整枡。
- 前記底面が、枠体よりも幅広に形成されて成ることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の貯水域用水位調整枡。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015006392U JP3202897U (ja) | 2015-12-17 | 2015-12-17 | 貯水域用水位調整枡 |
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JP2018057315A (ja) * | 2016-10-05 | 2018-04-12 | 勘一 岡田 | 水田の貯水量調整装置及び水位調整板 |
JP2019126263A (ja) * | 2018-01-22 | 2019-08-01 | 桂一 橋本 | 排水パイプの構造 |
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