JP7055050B2 - フェライト系ステンレス鋼溶接用溶加材 - Google Patents

フェライト系ステンレス鋼溶接用溶加材 Download PDF

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Description

本発明は、フェライト系ステンレス鋼溶接用溶加材に関し、特に、燃料電池高温部材に用いられるAl含有フェライト系ステンレス鋼のTIG溶接やプラズマ溶接用のフェライト系ステンレス鋼溶加材に関する。
最近、石油を代表とする化石燃料の枯渇化、CO2排出による地球温暖化現象等の問題から、従来の発電システムに替わる新しいシステムの普及が加速している。その1つとして、分散電源,自動車の動力源としても実用的価値が高い「燃料電池」が注目されている。燃料電池にはいくつかの種類があるが、その中でも固体高分子型燃料電池(PEFC)や固体酸化物型燃料電池(SOFC)はエネルギー効率が高く、将来の普及拡大が有望視されている。
燃料電池は、水の電気分解と逆の反応過程を経て電力を発生する装置であり、燃料となる水素(燃料水素)を必要とする。燃料水素は、都市ガス(LNG)、メタン、天然ガス、プロパン、灯油、ガソリン等の炭化水素系燃料を触媒の存在下で改質反応させることにより製造される。中でも都市ガスを原燃料とする燃料電池は、都市ガス配管が整備された地区において水素を製造できる利点がある。
燃料改質器は、水素の改質反応に必要な熱量を確保するため、通常、200~900℃の高温で運転される。また、燃料改質器以外でも、改質器を加熱する燃焼器や、熱交換器、電池本体部等も運転温度が非常に高温となる。
更に、このような高温運転下の燃料電池において、多量の水蒸気、二酸化炭素、一酸化炭素に加え、多量の水素や、炭化水素系燃料由来の硫化水素を微量含んだ雰囲気(以下、浸炭性/還元性/硫化性環境、という。)の下に曝されることとなる。このような雰囲気中に、例えば鋼材料が曝されると、材料表面の浸炭、硫化による腐食が進行する状況になり、動作環境としては過酷な状況となる。
ここで、燃料電池における高温部材用途では、改質ガス環境下においても良好な耐久性を発揮させるべく、Al系酸化物層(Al系酸化皮膜)の高い耐酸化性を利用したAl含有フェライト系ステンレス鋼が種々検討されている。
一方、フェライト系ステンレス鋼溶接用ワイヤは、従来から実用化されており、例えば特許文献1~特許文献4には、耐熱性、耐食性、耐酸化性、高温環境下における耐久性等に優れた溶接金属が得られるフェライト系ステンレス鋼溶接用ワイヤの開示がある。
しかし、特許文献1~特許文献4に記載のフェライト系ステンレス鋼溶接用ワイヤは、Ar-COまたはAr-Oのガスシールド中でのMAG溶接であり、スパッタの発生量が多く、溶接ビード表面に剥離性不良なスラグが生成するという問題点があった。また、Alの含有量が少ないので、溶接金属表面にAlを主体とする酸化被膜を形成させることができないので耐高温酸化性が不十分であった。
一方、フェライト系ステンレス鋼のTIG溶接用ワイヤ(溶加材)も実用化されており、例えば特許文献5には、溶接用ワイヤにMgとAlを適量含有させてOと結合させることによって溶接金属の組織を微細にして、溶接部の延性及び靭性を改善する技術の開示がある。しかし、特許文献5に記載の技術では、Mgを含んでいるので溶接ビード表面に剥離性不良なスラグが点在する。また、Al含有量が最大でも0.5重量%と少ないので、溶接金属表面にAlを主体とする酸化被膜を形成させることができないので耐高温酸化性が不十分であった。
また、特許文献6には、溶接用ワイヤのTiとAlの比を限定することによって、溶け込み深さを増大するとともに、NbとTiで溶接金属のC及びNを炭窒化物として固定し粒界腐食を防止する技術の開示がある。しかし、特許文献6に記載の溶接用ワイヤは、Alの含有量が最大でも0.060質量%と少ないので、溶接金属表面にAlを主体とする酸化被膜を形成させることができないので耐高温酸化性が不十分であった。
さらに、特許文献7には、溶接ワイヤのNbとTiの合計とCとNの合計との比やMo、Cu成分の限定と共に、ワイヤ表面に付着した不純物を低減することによって、溶接部の耐食性に優れた溶接金属を得るという技術の開示がある。しかし、特許文献7に記載の溶接用ワイヤでは、Alが含まれていないので、溶接金属表面にAlを主体とする酸化被膜を形成させることができないので耐高温酸化性が不十分であるという問題点があった。
特開2003-320476号公報 特開2006-231404号公報 特開2012-11426号公報 特開2014-46358号公報 特開平9-225680号公報 特開2006-263811号公報 特開2008-132515号公報
前記した都市ガス等を原燃料とした燃料電池の改質ガスは、水蒸気、二酸化炭素、一酸化炭素に加えて、多量の水素、ならびに不純物もしくは付臭剤として添加された硫化成分を含む場合がある。しかし従来では、改質ガス中の多量の水素や硫化成分が及ぼす部材鋼材や溶接金属部の特性に及ぼす影響等は耐酸化性に及ぼす水素評価・検討されていない。すなわち、二酸化炭素、一酸化炭素、多量の水素、ならびに硫化成分を含む過酷な環境(浸炭性/還元性/硫化性環境)の下でのフェライト系ステンレス鋼の溶接部の酸化特性については不明である。
また、SOFCシステムやPEFCシステムの場合、燃料電池の運転温度が高温となるため、高温強度のさらなる向上が求められる。
さらには、燃料電池用部材として溶接構造を採用する場合には、475℃脆性やσ脆性に起因した溶接部の脆性破壊が回避可能な溶接構造であることも求められる。
これらのことから、近年では、Al含有のフェライト系ステンレス鋼を溶接溶加材を用いて溶接する場合、従来よりも耐酸化性、高温強度、耐脆化特性に優れたフェライト系ステンレス鋼溶接金属を得ることができる溶接溶加材が切望されている。
本発明は、上述した課題を解消すべく案出されたものであり、二酸化炭素、一酸化炭素、多量の水素、ならびに硫化成分を含む環境(浸炭性/還元性/硫化性環境)下であっても、溶接金属の高い耐酸化性と優れた高温強度、ならびに優れた脆性特性を兼備したフェライト系ステンレス鋼溶接用溶加材を提供するものである。
本発明の要旨は、以下のとおりである。
[1]溶加材全質量に対する質量%で、
Cr:12.0~16.0%、
C:0.020%以下、
Si:0.6~2.50%、
Mn:0.30%以下、
P:0.020%以下、
S:0.0030%以下、
Al:1.00~2.50%、
Nb:0.001~1.00%、
N:0.030%以下、
O:0.010%以下、
B:0~0.0100%、
Sn:0~0.20%、
Ga:0~0.0200%、
Mg:0~0.0200%、
Ca:0~0.0100%、
Ni:0~1.0%、
Cu:0~1.0%、
Mo:0~1.0%、
Sb:0~0.5%、
W:0~1.0%、
Co:0~0.5%、
V:0~0.5%、
Ti:0~0.5%、
Zr:0~0.10%、
Y:0~0.10%、
La:0~0.10%、
Hf:0~0.10%、
REM:0~0.10%
を含有し、残部がFeおよび不純物からなることを特徴とするフェライト系ステンレス鋼溶接用溶加材。
[2]溶加材全質量に対する質量%にて、B:0.0002~0.0200%、Sn:0.005~0.20%、Ga:0.0002~0.0200%以下、Mg:0.0005~0.0200%以下、Ca:0.0005~0.0100%以下の1種以上を含み、かつ下記式(1)を満たすことを特徴とする上記[1]に記載のフェライト系ステンレス鋼溶接用溶加材。
10(B+Ga)+Sn+Mg+Ca>0.020 ・・・(1)
なお、式(1)中の各元素記号は、溶加材中の各元素の含有量(質量%)を示す。
[3] 溶加材全質量に対する質量%にて、更に、Ni:0.10~1.0%、Cu:0.10~1.0%、Mo:0.10~1.0%、Sb:0.01~0.5%、W:0.10~1.0%、Co:0.10~0.5%、V:0.10~0.5%、Ti:0.01~0.5%、Zr:0.0001~0.10%、Y:0.0001~0.10%、La:0.0001~0.10%、Hf:0.0001~0.10%、REM:0.001~0.10%の1種または2種以上含有していることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載のフェライト系ステンレス鋼溶接用溶加材。
本発明によれば、二酸化炭素、一酸化炭素、多量の水素、ならびに硫化成分を含む環境(浸炭性/還元性/硫化性環境)下であっても、溶接金属の高い耐酸化性と優れた高温強度、ならびに優れた脆性特性を兼備したフェライト系ステンレス鋼溶接用溶加材を提供することができる。
図1は、本発明の実施例における溶接試験の開先形状を示す図である。
本発明者らは、種々の成分系のフェライト系ステンレス鋼溶接溶加材を用い溶接し、得られた溶接金属の改質ガス中における耐酸化性、高温強度、耐脆化特性を調べ、それらに及ぼす溶接溶加材の成分元素の影響を検討した。その結果、溶加材の成分組成を所定の範囲内に制御することによって、二酸化炭素、一酸化炭素、多量の水素、ならびに硫化成分を含む環境(浸炭性/還元性/硫化性環境)下であっても、優れた耐酸化性、耐脆化特性を発揮することができ、さらには、750~800℃付近の高温域においても優れた0.2%耐力を発揮できることを見出した。なお、本実施形態でいう「高温強度」とは、750~800℃付近の高温域においても優れた0.2%耐力を発揮できる特性であり、「耐酸化性」とは二酸化炭素、一酸化炭素、多量の水素、ならびに硫化成分を含む改質ガス環境(浸炭性/還元性/硫化性環境)下における酸化特性を意味する。また「脆化特性」とは、σ脆性と475℃脆性が抑制可能となる組織の安定性を示す。
以下に本発明で得られた知見について説明する。
「脆化特性について」
(a)通常、Al含有フェライト系ステンレス鋼の溶接金属部は柱状晶の成長により構成されるため、Alを含有していないフェライト系ステンレス鋼に対して粗大となる傾向にある。溶接金属部の結晶粒が粗大化すると、475℃脆性およびσ脆性起因の破壊を招くおそれがある。しかしながら、溶接金属中の化学成分の制御により、Nb(C,N)から成る炭窒化物を生成させることで等軸晶の形成が助長され、溶接組織の微細化が可能となることがわかった。
(b)炭窒化物Nb(C,N)による等軸晶の形成促進効果を得るためには、溶接金属部の化学成分において、10(B+Ga)+Sn+Mg+Caを0.020超とすることが好ましいことが分かった。溶接金属の場合、Mg、Ca、Gaは酸化物や硫化物を生成し、結晶粒界の清浄度を高めることができる。加えて、Mg、Ca、GaはNb(C,N)の核生成サイトとしても有効に作用するため、溶接金属の等軸晶の形成を促進させることができる。
(c)また、溶加材の成分組成において、Cr、Si、Nb、Alの含有量を調整することが、得られる溶接金属部の耐脆化特性、特に金属間化合物σ相の析出(σ脆性)と475℃脆性自体の抑制に効果的であることが分かった。σ脆性と475℃脆性は、Crを主体としてSiやAlを含む金属間化合物の生成に由来し、その生成サイトは結晶粒界であることが多い。すなわち、σ脆性と475℃脆性を抑制するには、金属間化合物自体の生成を抑制するとともに、その生成サイトを低減することが効果的といえる。これらについて本発明者らがさらに検討したところ、Cr量の制限によって金属間化合物の生成自体を抑制するとともに、Nbの結晶粒界への偏析によって生成サイトを抑制することで組織を安定化させることができ、その結果、σ脆性と475℃脆性が抑制可能であることを見出した。さらに、Cr量の制限とNbの添加により、SiやAlを含む金属間化合物の生成を抑制できることから、後述する耐酸化性に寄与するSiとAl量を確保できるため、耐酸化性と組織安定性を両立することもできる。
「高温強度について」
(d)通常、750~800℃付近の高温域で運転中の構造体で課題となる変形を抑止するには、材料であるフェライト系ステンレス鋼ならびに溶接部の高温強度、特に750℃付近における0.2%耐力を高め、かつ800℃付近における0.2%耐力の低下を抑制することが有効である。
(e)上述した高温域での0.2%耐力の向上および低下の抑制は、B、Nb、Sn、Mg、Ca、Gaの微量添加およびその添加量の調整により著しく向上することを見出した。すなわち、フェライト系ステンレス鋼の溶接金属部において、750℃付近における0.2%耐力を高め、かつ800℃付近における0.2%耐力の低下を抑制するという特性は、溶加材へのこれら微量元素の添加により達成できるという新たな知見が得られた。このような高温強度の向上作用については未だ不明な点も多いが、実験事実に基づいて以下に述べるような作用機構を推察している。
(f)Bの微量添加は、750~800℃での耐力や引張強度の上昇に対して少なからず寄与し、特に0.2%耐力を大幅に向上させる作用効果を持つ。Bの微量添加は、Bが粒界偏析することによって、結晶粒界を起点に発生するキャビティ(ナノサイズの隙間)の生成を抑制して粒界すべりを遅延させるとともに、結晶粒内において転位密度の上昇に伴う内部応力を高める作用効果がある。またこれらBの作用効果は、Nb添加鋼で顕著となる新規な知見を見出した。
(g)上述したNb添加鋼で顕著となるBの作用効果は、Mg、Ca、Gaの複合添加により重畳する。Mg、Caは非金属介在物や硫化物を生成し、結晶粒界の清浄度を高めてBの粒界偏析を促進して、前記したBの作用効果をより効率的に発現させる。またGaも鋼の清浄度を向上させるため、Bとの複合添加により前記したBの作用効果を効率的に発現させることができる。
(h)更に、前記(f)で述べた、粒内の転位密度の上昇に伴う内部応力を高める作用効果をより発揮させるためには、Snとの複合添加が効果的である。Snは粒界偏析元素ではあるものの、Bとの複合添加において、結晶粒内の固溶強化元素としての作用も大きくなり、内部応力の上昇に伴う高温強度を高めることに効果的である。
「耐酸化性について」
(i)また、前述した水素および硫化成分を含む改質ガス環境下の溶接金属部の耐酸化性を高めるには、溶加材中のSi、Al、Nb、Mnの含有量を所定の範囲内に調整することで、Al系酸化皮膜の形成の促進と、当該皮膜の保護性を高めることが効果的である。さらに、フェライト系ステンレス鋼溶加材におけるB、Nb、Sn、Mg、Ca、Gaの添加は、改質ガス環境下の耐酸化性を損なわせるおそれはなく、むしろMg、Snの微量添加はAl系酸化皮膜の保護性をより高め耐酸化性の効果も奏する。なお、SiはAlと同様に、溶接組織の柱状晶化を促進させる元素でもあるため、Al系酸化皮膜の形成促進の観点からSi量を高めると、一方で溶接金属部の粗大化が懸念される。しかし、Nb、Sn、Mg、Ca、Gaの微量添加によって、溶接組織の柱状晶化を十分に抑制できることから、本実施形態のように、Si量の比較的高い場合でも、Al系酸化皮膜の形成促進と、溶接金属部の粗大化の抑制を両立させることが可能となる。ここで、本実施形態においては、高温の改質ガス環境下に曝される前の表面皮膜を「不働態皮膜」、高温の改質ガス環境下に曝され不働態皮膜が種々の反応によって組成が変化したものを「Al系酸化皮膜」と区別し説明する。
(j)前記した改質ガス環境(浸炭性/還元性/硫化性環境)は、大気や水素を含まない水蒸気酸化環境と比較して、Al系酸化皮膜の欠陥を生成し易い。改質ガス環境が酸化皮膜の欠陥生成を容易とする原因は明らかではないが、硫化成分を含む改質ガス下で生成される硫化物が、酸化皮膜に何らかの悪影響を及ぼしていると推測される。改質ガス環境下でAl系酸化皮膜に欠陥が生じると、露出された鋼表面ではCrやFeの酸化が進行するおそれがある。このような改質ガス中における酸化促進に対して、MgはAl系酸化皮膜への固溶、Snは母材表面への偏析作用によりCrやFeの外方拡散を遅延させることにより、Al系酸化皮膜の保護性をより高めることができる。その結果、フェライト系ステンレス鋼の耐酸化性を向上させることができる。
以下、本発明を適用したフェライト系ステンレス鋼溶接用溶加材(以下、単に溶加材ともいう。)の成分と、その成分の含有率及び各成分の限定理由について説明する。なお、各成分の含有量は、フェライト系ステンレス鋼溶接用溶加材全質量に対する質量%で表すこととし、その質量%を表わすときには単に%と記載して表すこととする。
<Cr:12.0~16.0%>
Crは、ステンレス溶接金属に必要な耐食性を向上する。またCrは、溶接金属表面のAl系酸化皮膜の密着性を良好なものにして耐酸化性を向上させる効果がある上、高温強度の向上にも寄与する元素でもある。これら効果を得るためには12.0%以上のCr量が必要である。好ましくは13.0%以上である。一方、過度にCrを含有させることは、475℃脆性起因の著しい材料硬化に加え、高温雰囲気に曝された際、脆化相であるσ相の生成を助長する。また、合金コストの上昇とCr蒸発を助長する場合があるため上限は16.0%以下とする。好ましくは、15.0%以下とする。
<C:0.020%以下>
Cは、溶加材中に不可避に含まれ、溶接金属中のフェライト相に固溶あるいはCr炭化物を形成して耐酸化性を阻害する。また、C量が過剰になると溶接金属に高温割れが生じやすくなるとともに、溶接金属の延性が低下して加工性が不良となる。このため、C量は少ないほどよく、上限を0.020%以下とする。好ましくは0.015%以下である。但し、過度な低減は精錬コストの上昇に繋がるため、C量の下限は0.001%以上とすることが好ましい。より好ましくは0.002%以上である。
<Si:0.60~2.50%>
Siは、溶接金属と母材とのなじみを良好にするとともに、耐酸化性を確保する上で重要な元素である。Siは、Al系酸化皮膜中へ僅かに固溶するとともに、酸化皮膜直下/鋼界面にも濃化し、改質ガス環境下の耐酸化性を向上させる。これら効果を得るために下限は0.60%以上とする。好ましくは0.70%以上である。一方、Siを過度に含有させることは、耐475℃脆性を低下させたり、接時に剥離性が不良なスラグが生成したりするおそれがある。また、鋼の靭性や加工性の低下ならびにAl系酸化皮膜の形成を阻害する場合もあるため、Si量の上限は2.50%以下とする。好ましい上限は2.00%以下である。
<Mn:0.30%以下>
Mnは、改質ガス環境下でSiとともにAl系酸化皮膜中またはその直下に固溶して保護性を高め耐酸化性の向上に寄与しうる。また、溶接金属の耐高温割れ性を良好にする効果がある。これら効果を得るために下限は0.05%とすることが好ましい。一方、過度に含有させることは、鋼の耐食性やAl系酸化皮膜の形成を阻害するほか、溶接時に剥離性が不良なスラグが生成するため、上限は0.30%以下とする。好ましくは0.2%以下とする。
<Al:1.00~2.50%>
Alは、改質ガス雰囲気下で溶接金属表面にAl系酸化皮膜を形成して耐酸化性の向上に寄与する元素である。本実施形態においては、Al量が1.00%未満ではこれら効果が得られないため、下限は1.00%以上とする。好ましくは1.20%以上である。しかし、過度にAlを含有させることは、溶接金属の延性が低下して加工性が不良となり、さらに溶接部における脆性破壊を助長するため、上限は、2.50%以下とする。好ましくは2.30%以下である。
<Nb:0.001~1.00%>
Nbは、溶接金属中のC,Nを固定する安定化元素であり、溶接時のCr炭化物生成抑制、Al系酸化皮膜の密着性の向上に寄与する。さらに、σ脆性と475℃脆性の要因となる金属間化合物は、主に結晶粒界を生成サイトとして析出が進行するが、Nbが結晶粒界へ偏析することによってこの生成サイトが低減されるため、組織の安定性が増し、結果、溶接金属のσ脆性と475℃脆性を抑制することができる。これら効果を得るためにNbの下限は0.001%以上とし、0.15%以上とすることが好ましい。一方、Nbを過度に含有させることは合金コストの上昇に加え、溶接金属の延性を低下して加工性が不良となる上、脆性破壊を助長するため、Nbの上限は1.00%以下とする。好ましくは0.6%以下とする。
<P:0.020%以下>
Pは、製造性や溶接性を阻害し、溶接部における粒界強度を低下させる元素である。その含有量は少ないほどよいため、上限は0.020%以下とする。但し、過度な低減は精錬コストの上昇に繋がるため、下限は0.003%以上とすることが好ましい。製造性と溶接性の点から、好ましい範囲は0.005~0.015%である。
<S:0.0030%以下>
Sは、鋼中に不可避に含まれる不純物元素であり、Al系酸化皮膜の保護性を低下させる。特に、Mn系介在物や固溶Sの存在は、高温・長時間使用におけるAl系酸化皮膜の破壊起点としても作用する。また、溶接部における粒界強度を低下させる元素でもある。従って、S量は低いほどよいため、上限は0.0030%以下とする。但し、過度の低減は原料や精錬コストの上昇に繋がるため、下限は0.0001%以上とすることが好ましい。製造性と耐酸化性、耐475℃脆性の観点から、好ましい範囲は0.0001~0.0010%である。
<O:0.010%以下>
Oは、不可避に混入する不純物であるが、O含有量が0.010%を超えると溶接時にSi、Mn、Alを酸化して、剥離性が不良なスラグを生成する。したがって、Oは0.010%以下とする。
<N:0.030%以下>
Nは、Cと同様に耐酸化性を阻害する元素である。また、溶接金属の延性を低下して加工性の劣化を招く元素でもある。これらのことから、N量は少ないほどよく、上限を0.030%以下とする。但し、過度な低減は精錬コストの上昇に繋がるため、下限は0.001%以上とすることが好ましい。耐酸化性と製造性の点から、好ましい範囲は0.002~0.020%である。
本実施形態に係る溶加材は、上述してきた元素以外(残部)は、Fe及び不純物からなるが、後述する任意元素についても含有させることができる。よって、B、Sn、Ga、Mg、Ca、Ni、Cu、Mo、Sb、W、Co、V、Ti、Zr、Y、La、Hf、Ta、REMの含有量の下限は0%以上である。
なお、本実施形態における「不純物」とは、鋼を工業的に製造する際に鉱石やスクラップ等のような原料をはじめとして製造工程の種々の要因によって混入する成分であり、不可避的に混入する成分も含む。
本実施形態に係る継手の溶接金属部の化学組成は、必要に応じて、B:0.0002~0.0200%、Sn:0.005~0.20%、Ga:0.0002~0.0200%以下、Mg:0.0005~0.0200%以下、Ca:0.0005~0.0100%以下の1種以上を含み、かつ下記式(1)を満たすよう含有させてよい。
<B、Sn、Ga、Mg、Ca>
B、Sn、Ga、Mg、Caは、上述したように、高温強度を高める効果をより発現させることができる元素である。さらにこれらの元素は、Al系酸化皮膜の形成を促進して耐酸化性の向上に寄与する元素でもある。また、Sn、Ga、Mg、Caは、表面近傍に濃化してAlの選択酸化を促進する作用がある。そのため、上記成分組成に加え、B、Sn、Ga、Mg、Caのうちの1種または2種以上を含有することが好ましい。
Bは、粒界偏析することによって粒界すべりを遅延させるとともに、結晶粒内において転位密度の上昇に伴う内部応力を高め0.2%耐力を向上させることができる。Mg、Caは鋼の清浄度や熱間加工性を高めるのに有効な元素である。また、溶接時にMgO、CaOなどから成る介在物を生成させることで等軸晶の形成が助長され、溶接組織の微細化に寄与する元素でもある。これら効果を得るため、Snは0.005%以上、B、Ga、Mg、Caはそれぞれ0.0002%以上含むことが好ましい。一方、これらの元素を過度に含有させることは、鋼の精錬コスト上昇を招くほか、製造性の低下を招くため、Snは0.20%以下、B、Ga、Mgは0.0200%以下、Caは0.0100%以下とすることが好ましい。
B、Sn、Ga、Mg、Caの1種もしくは2種以上を含有させる場合には、以下の式(1)を満たすものとする。
10(B+Ga)+Sn+Mg+Ca>0.020% ・・・式(1)
なお、式(1)中の各元素記号は、溶加材中の各元素の含有量(質量%)を示す。
高温強度および耐酸化性を向上させる視点から、式(1)は、0.025%以上が好ましく、より好ましくは0.035%以上とする。なお、式(1)の上限は、B、Sn、Ga、Mg、Caの上限値で特に規定するものでないが、高温強度と製造性の視点から0.2%とすることが好ましい。
本実施形態に係る溶加材の化学組成は、必要に応じて、Ni:0.10~1.0%、Cu:0.10~1.0%、Mo:0.10~1.0%、Sb:0.01~0.5%、W:0.10~1.0%、Co:0.10~0.5%、V:0.10~0.5%、Ti:0.01~0.5%、Zr:0.0001~0.10%、Y:0.0001~0.10%、La:0.0001~0.10%、Hf:0.0001~0.10%、REM:0.001~0.10%の1種または2種以上を含有しているものであってもよい。
Ni、Cu、Mo、Sb、W、Co、V、Tiは、溶接部の高温強度と耐食性を高めるのに有効な元素であり、必要に応じて含有してよい。但し、過度に含有させると合金コストの上昇や製造性を阻害することに繋がるため、Ni、Cu、Wの上限は1.0%以下とする。Moは熱膨張係数の低下による高温変形の抑制にも有効な元素であることから、上限は1.0%以下とした上で含有することが好ましい。Sbは、鋼表面近傍に濃化してAlの選択酸化を促進し耐食性の向上効果を持つ元素であるため、上限は0.5%以下とした上で含有することが好ましい。Co、Ti、Vの上限は0.5%以下とする。Ni、Cu、Mo、W、Co、Vのいずれの元素も好ましい含有量の下限は0.10%以上とする。Sb、Tiの好ましい含有量の下限は0.01%以上とする。
Zr、La、Y、Hf、REMは、熱間加工性や鋼の清浄度を向上ならびに耐酸化性改善に対しても、従来から有効な元素であり、必要に応じて含有させてよい。但し、本発明の技術思想と合金コストの低減から、これら元素の添加効果に頼るものではい。Zr、La、Y、Hf、REMを含有させる場合、Zr、La、Y、Hf、REMの上限はそれぞれ0.1%とする。Zr、La、Y、Hf、REMの好ましい下限は0.001%とする。ここで、REMはLa、Yを除く原子番号58~71に帰属する元素およびSc(スカンジウム)とし、例えば、Ce、Pr、Nd等である。また本実施形態でいうREMとは、原子番号58~71に帰属する元素およびScから選択される1種以上で構成されるものであり、REM量とは、これらの合計量である。
本実施形態に係るフェライト系ステンレス鋼溶加材は、上述してきた元素以外は、Fe及び不純物(不可避的不純物を含む)からなるが、以上説明した各元素の他にも、本発明の効果を損なわない範囲で含有させることができる。一般的な不純物元素である前述のP、Sを始め、Bi、Se等は可能な限り低減することが好ましい。一方、これらの元素は、本発明の課題を解決する限度において、その含有割合が制御され、必要に応じて、Bi≦100ppm、Se≦100ppmの1種以上を含有していてもよい。
ここで、本実施形態のフェライト系ステンレス鋼溶加材の金属組織はフェライト単相組織よりなる。これはオーステナイト相やマルテンサイト組織を含まないことを意味している。オーステナイト相やマルテンサイト組織を含む場合は、原料コストが高くなることに加えて、製造時に耳割れ等の歩留まり低下が起こりやすくなるため、金属組織はフェライト単相組織とする。なお鋼中に炭窒化物等の析出物が存在するが、本発明の効果を大きく左右するものではないためこれらは考慮せず、上記は主相の組織について述べている。
なお本実施形態に係る溶加材は、TIG溶接やプラズマ溶接などの溶接法に溶接ワイヤとして使用することができる。これらは、フェライト系ステンレス鋼の溶接に適用するとともに、それら構造物の補修、フェライト系ステンレスと普通鋼・低合金鋼などとの異材溶接などにも適用できる。
また、本実施形態に係る溶加材を用いてAl含有フェライト系ステンレス鋼を溶接すると、高い耐酸化性と優れた高温強度、ならびに優れた脆性特性を兼備した溶接金属を得ることができる。そのため、本実施形態の溶加材は、都市ガス、メタン、天然ガス、プロパン、灯油、ガソリン等の炭化水素系燃料を水素に改質する際に使用される燃料改質器、熱交換器などの燃料電池部材を製造する際の溶接時に好適に使用でき、特に、運転温度が高温となる固体酸化物型燃料電池(SOFC)や固体高分子型燃料電池(PEFC)の高温部材の製造(溶接)時に好適である。さらに、燃料電池の周辺部材、例えばバーナーや当該バーナーを格納する燃焼器等、改質ガスに接しかつ高温の環境下で使用される部材全般の製造時において好適に用いることができる。
次に本発明の実施例を示すが、実施例での条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、以下の実施例で用いた条件に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
なお、下記にて示す表中の下線は、本発明の範囲から外れているものを示す。
表1に示す各種成分の溶加材W1~W16を試作して1.5mm径まで伸線して15kgのスプール巻きとした。
溶接試験は、図1に示すように板厚tが1.5mmの鋼板1間においてギャップなしのI開先3を形成させ、裏面に銅当金2を当てた試験体により行った。鋼板1を構成する各成分は、表2に示すとおりとし、溶加材W1~W16を用いて表3に示す溶接条件でTIG溶接した。溶接後のビード外観、スラグの生成状態及び高温割れの有無を外観観察により調査した。その結果、TIG溶接後のビード外観は全て良好であったが、表4に結果を示す通り、MnとOの含有量が本発明の範囲外であるNo,11、16ではスラグが生成し、SとPの含有量が本発明の範囲外であるNo,12、15では高温割れが発生した。
次に、上記TIG溶接後の継手において、以下の各特性について調査した。
[耐酸化性]
酸化試験は、まず、溶接部から、幅20mm、長さ25mmの酸化試験片を切り出した。このとき、酸化試験片の幅中央に溶接線が配置されるよう、すなわち試験片長手方向とビード方向が平行となるよう切り出した。なお、溶接部のビードは研磨除去せず、ビードまま(余盛つき)として次の酸化試験に供した。次に、都市ガスを燃料とした改質ガスを想定し、28体積%HO-10%体積%CO-8体積%CO-0.01%HS-bal.Hの雰囲気において、酸化試験片を650℃に加熱し、1000時間保持した後に室温まで冷却し、酸化増量ΔW(mg/cm)を測定した。
耐酸化性の評価は以下の通りとした。
◎:重量増加ΔWが0.2mg/cm未満。
〇:重量増加ΔWが0.2~0.3mg/cm
×:重量増加ΔWが0.3mg/cm超。
なお、耐酸化性は「◎」および「〇」の場合を合格とした。
[高温強度]
高温引張試験は、まず、溶接部の余盛を除去した上で、継手から板状の高温引張試験片(板厚:1.5mm、平行部幅:10.5mm、平行部長さ:35mm)を切り出した。このとき、引張試験片の長手方向中央(平行部中央)に溶接金属部が配置されるよう切り出した。次に、750℃、および800℃それぞれにて、ひずみ速度は、0.2%耐力まで0.3%/min、以降3mm/minとして高温引張試験を行い、各温度における0.2%耐力(750℃耐力、800℃耐力)を測定した(JIS G 0567に準拠)。
高温強度の評価は、750℃耐力が120MPa超、かつ800℃耐力が40MPa超の場合を合格(「〇」)として評価し、いずか一方でも満たさない場合は不合格(「×」)として評価した。なお、750℃耐力が150MPa超、かつ800℃耐力が60MPa超の場合は高温強度が特に優れているものとして評価した(表中で「◎」表記)。
[組織安定性(σ脆性/475℃脆性)]
溶接金属部から、板面と垂直な断面上の中心(板厚中心部:t/2付近)を観察できるよう試料を2つ採取して、一方は、500℃×1000時間の熱処理(500℃熱処理)、もう一方は650℃×1000時間の熱処理(600℃熱処理)を行った。これら熱処理の雰囲気はともに大気中とした。次に、熱処理後の各試料を樹脂に埋め研磨した後、500℃熱処理後のビッカース硬さHv500℃、650℃熱処理後のビッカース硬さHv650℃それぞれをJIS Z 2244に準拠して荷重9.8Nで測定し、熱処理前に予め測定しておいた熱処理前ビッカース硬さからの硬さ上昇量ΔHv500℃、ΔHv650℃を算出した。
組織安定性(σ脆性/475℃脆性)の評価は、ΔHv500℃、ΔHv650℃ともに20未満のものを合格(「〇」)として評価し、いずか一方でも20以上であった場合は熱処理後の硬さ上昇が大きく組織が不安定であるとして不合格(「×」)とした。
表4に試験結果を示す。No.1~9は、溶加材成分が本発明で規定する成分を満たし、すべての特性の評価は「○」あるいは「◎」となったものである。
一方、No.10~16は、溶加材成分が本発明で規定する成分から外れるものであり、本発明の目標とする各特性を満足することができず、いずれかの評価が「×」となった。
Figure 0007055050000001
Figure 0007055050000002
Figure 0007055050000003
Figure 0007055050000004
1・・・鋼板、2・・・銅当金、3・・・I開先

Claims (3)

  1. 溶加材全質量に対する質量%で、
    Cr:12.0~16.0%、
    C:0.020%以下、
    Si:0.6~2.50%、
    Mn:0.30%以下、
    P:0.020%以下、
    S:0.0030%以下、
    Al:1.00~2.50%、
    Nb:0.001~1.00%、
    N:0.030%以下、
    O:0.010%以下、
    B:0~0.0100%、
    Sn:0~0.20%、
    Ga:0~0.0200%、
    Mg:0~0.0200%、
    Ca:0~0.0100%、
    Ni:0~1.0%、
    Cu:0~1.0%、
    Mo:0~1.0%、
    Sb:0~0.5%、
    W:0~1.0%、
    Co:0~0.5%、
    V:0~0.5%、
    Ti:0~0.5%、
    Zr:0~0.10%、
    Y:0~0.10%、
    La:0~0.10%、
    Hf:0~0.10%、
    REM:0~0.10%
    を含有し、残部がFeおよび不純物からなることを特徴とするフェライト系ステンレス鋼溶接用溶加材。
  2. 溶加材全質量に対する質量%にて、B:0.0002~0.0200%、Sn:0.005~0.20%、Ga:0.0002~0.0200%以下、Mg:0.0005~0.0200%以下、Ca:0.0005~0.0100%以下の1種以上を含み、かつ下記式(1)を満たすことを特徴とする請求項1に記載のフェライト系ステンレス鋼溶接用溶加材。
    10(B+Ga)+Sn+Mg+Ca>0.020 ・・・(1)
    なお、式(1)中の各元素記号は、溶加材中の各元素の含有量(質量%)を示す。
  3. 溶加材全質量に対する質量%にて、更に、Ni:0.10~1.0%、Cu:0.10~1.0%、Mo:0.10~1.0%、Sb:0.01~0.5%、W:0.10~1.0%、Co:0.10~0.5%、V:0.10~0.5%、Ti:0.01~0.5%、Zr:0.0001~0.10%、Y:0.0001~0.10%、La:0.0001~0.10%、Hf:0.0001~0.10%、REM:0.001~0.10%の1種または2種以上含有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のフェライト系ステンレス鋼溶接用溶加材。
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