以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、及び、構成要素の配置位置や接続形態などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。なお、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
(実施の形態1)
以下、実施の形態1に係る照明器具について説明する。
[1-1.照明器具の全体構成]
図1~図5を参照しながら、実施の形態1に係る照明器具2の全体構成について説明する。図1は、実施の形態1に係る照明器具2の床面側の外観を示す斜視図である。図2は、実施の形態1に係る照明器具2の天井4側の外観を示す斜視図である。図3は、実施の形態1に係る照明器具2を示す分解斜視図である。図4は、図1のIV-IV線による、実施の形態1に係る照明器具2の断面図である。図5は、図1のV-V線による、実施の形態1に係る照明器具2の断面斜視図である。
照明器具2は、例えば室内を照明するためのシーリングライトであり、室内の天井4(図3参照)に設置される。図1~図5に示すように、照明器具2は、器具本体6と、アダプタ8と、基板ユニット10と、レンズカバー12と、化粧カバー14(反射部材の一例)と、導光板16と、取付部材18と、透光カバー20とを備えている。
以下、照明器具2の各構成要素について詳細に説明する。なお、以下に示す各図において、Z軸のマイナス側が天井4側、Z軸のプラス側が床面(図示せず)側を表している。また、説明の都合上、図1、図3~図6及び図9では、照明器具2を通常の使用時の姿勢とは上下逆の姿勢で図示している。
[1-2.器具本体]
まず、図2~図6を参照しながら、器具本体6について説明する。図6は、図4の一部を拡大して示す、実施の形態1に係る照明器具2の断面図である。
器具本体6は、基板ユニット10及び導光板16等を支持するための筐体である。図2~図6に示すように、器具本体6は、第1の筐体22と、第2の筐体24とを有している。
図5及び図6に示すように、第1の筐体22は、収納部26と、第1の支持部28とを有している。収納部26は、その一端部(天井4側の端部)から他端部(床面側の端部)に向けてラッパ状に広がっている。収納部26の一端部には、円形状の開口部30が形成されている。第1の支持部28は、収納部26の他端部から径方向外側に延び、XY平面視で環状に形成されている。第1の支持部28の内周領域28aの床面側の面には、基板ユニット10の外周部が支持されている。なお、収納部26の内部には、基板ユニット10の内周部に実装された複数の第2の回路部品62(後述する)が収納されている。第1の筐体22は、例えばアルミニウム板又は鋼板等の板金をプレス加工することによって上述した形状に成形される。
また、図5及び図6に示すように、収納部26の開口部30の周縁部には、アダプタ8を保護するための保護カバー32が固定されている。保護カバー32は、略円筒状に形成され、アダプタ8を囲むように配置されている。保護カバー32は、例えば樹脂等の絶縁性材料で形成されている。なお、保護カバー32の先端部(床面側の端部)における内周面には、環状のリブ34が形成されている。アダプタ8に電気的に接続されたリード線(図示せず)は、リブ34に沿って湾曲した状態で、保護カバー32の内部に収納されている。これにより、リード線が保護カバー32の先端部から床面側にはみ出して、第1の発光部54(後述する)からの光を遮るのを抑制することができる。
図5及び図6に示すように、第2の筐体24は、第2の支持部36と、側壁部38とを有しており、第1の筐体22よりも天井4側に配置されている。第2の支持部36は、XY平面視で環状に形成されている。第2の支持部36の内周部には、円形状の開口部40が形成されている。第2の支持部36の床面側の面には、第1の筐体22の収納部26の一端部が支持されている。側壁部38は、その一端部(天井4側の端部)から他端部(床面側の端部)に向けてラッパ状に広がっている。側壁部38の一端部は、第2の支持部36の外周部に接続されている。側壁部38の他端部は、第1の筐体22の第1の支持部28の天井4側の面の近傍に配置されている。具体的には、図6に示すように、側壁部38の他端部と第1の筐体22の第1の支持部28との間には、例えば約1~2mmの大きさの隙間42が形成されている。また、図2及び図6に示すように、側壁部38は、第1の筐体22の第1の支持部28の外周領域28bを外部に露出させるように配置されている。第2の筐体24は、例えばアルミニウム板又は鋼板等の板金をプレス加工することによって上述した形状に成形される。
また、図5及び図6に示すように、第2の支持部36の開口部40の周縁部には、器具本体6をアダプタ8(後述する)に装着するためのホルダ44が固定されている。ホルダ44は、第2の支持部36の開口部40の周縁部から床面側に延びており、保護カバー32の内側に配置されている。後述するように、ホルダ44の内部には、アダプタ8が着脱自在に嵌合される。
さらに、図2に示すように、第2の支持部36の天井4側の面には、例えばウレタン等で形成された複数のクッション部材46が取り付けられている。複数のクッション部材46は、第2の支持部36の周方向に沿って間隔を置いて配置されている。後述するようにして照明器具2が天井4に設置された際に、複数のクッション部材46が器具本体6と天井4との間に挟み込まれることにより、器具本体6のぐらつきが抑制される。
図5及び図6に示すように、第1の筐体22の収納部26及び第1の支持部28と第2の筐体24の第2の支持部36及び側壁部38との間には、基板ユニット10からの熱を放熱するための空間48が形成されている。基板ユニット10からの熱は、第1の筐体22の第1の支持部28を介して空間48内の空気に伝達され、空間48内の空気により冷却される。基板ユニット10からの熱との熱交換により加熱された空間48内の空気は、第2の筐体24の側壁部38と第1の筐体22の第1の支持部28との間の隙間42を通して外部に排出される。また、基板ユニット10からの熱の一部は、第1の筐体22の第1の支持部28の内周領域28aから外周領域28bに伝達され、外部に露出された外周領域28bから大気中に放熱される。なお、上述した空間48は、例えばスピーカ等の各種部品を配置するための収納空間として用いてもよい。
[1-3.アダプタ]
次に、図3~図6を参照しながら、アダプタ8について説明する。アダプタ8は、引っ掛けシーリングボディ50に器具本体6を着脱自在に取り付けるためのものである。図3に示すように、引っ掛けシーリングボディ50は、室内の天井4に予め設置されている。
図4~図6に示すように、アダプタ8は、器具本体6のホルダ44の内部に着脱自在に嵌合される。また、アダプタ8は、引っ掛けシーリングボディ50に着脱自在に取り付けられる。なお、説明の都合上、図2及び図4~図6では、引っ掛けシーリングボディ50を天井4から取り外した状態で図示している。
照明器具2を室内の天井4に設置する際には、ユーザは、まず、アダプタ8を引っ掛けシーリングボディ50に取り付ける。その後、ユーザは、アダプタ8が器具本体6のホルダ44の内部に挿入されるようにして、器具本体6を天井4側に押し上げることにより、ホルダ44とアダプタ8とを嵌合させる。これにより、器具本体6がアダプタ8及び引っ掛けシーリングボディ50を介して室内の天井4に取り付けられ、照明器具2が室内の天井4に設置される。
なお、引っ掛けシーリングボディ50は、室内の天井4の裏側に配置された商用電源(図示せず)に電線(図示せず)を介して電気的に接続されている。照明器具2が室内の天井4に設置されることにより、商用電源からの交流電力が電線及び引っ掛けシーリングボディ50を介して照明器具2に供給される。
[1-4.基板ユニット]
次に、図3~図8を参照しながら、基板ユニット10について説明する。図7は、実施の形態1に係る基板ユニット10の表面側(床面側)を示す図である。図8は、実施の形態1に係る基板ユニット10の裏面側(天井4側)を示す図である。
図7及び図8に示すように、基板ユニット10は、回路部52と、回路部52に電気的に接続された第1の発光部54及び第2の発光部56とを有している。
回路部52は、第1の発光部54及び第2の発光部56を点灯させるための電力を生成し、且つ、第1の発光部54及び第2の発光部56の点灯を制御するための回路ユニットである。図7及び図8に示すように、回路部52は、基板58と、複数の第1の回路部品60と、複数の第2の回路部品62とを有している。
図7及び図8に示すように、基板58は、複数の第1の回路部品60及び複数の第2の回路部品62を実装するためのプリント配線基板であり、XY平面視で環状に形成されている。図3~図6に示すように、基板58は、保護カバー32を囲むようにして、第1の筐体22の第1の支持部28の床面側の面に支持されている。なお、基板58としては、例えば、樹脂基板、メタルベース基板、セラミック基板又はガラス基板等を用いることができる。また、基板58は、リジッド基板に限定されず、フレキシブル基板であってもよい。
図7に示すように、複数の第1の回路部品60は、基板58の表面(床面側の面)における内周領域に実装されている。複数の第1の回路部品60の各々は、表面実装(SMD:Surface Mount Device)型のチップ部品であり、例えば平滑用コンデンサとして用いられるチップセラミックコンデンサ等を含んでいる。
図8に示すように、複数の第2の回路部品62は、基板58の裏面(天井4側の面)における内周領域に実装されている。複数の第2の回路部品62の各々は、リードスルー実装型のリード部品であり、例えば電解コンデンサ等を含んでいる。図5及び図6に示すように、複数の第2の回路部品62は、第1の筐体22の収納部26の内部に収納されている。
複数の第1の回路部品60及び複数の第2の回路部品62は、第1の発光部54及び第2の発光部56を点灯させるための電力を生成するための電源回路を構成する。電源回路は、上述した商用電源から電線を介して供給されてきた交流電力を直流電力に変換し、当該直流電力を第1の発光部54及び第2の発光部56に供給する。電源回路で生成された直流電力が第1の発光部54及び第2の発光部56に供給されることにより、第1の発光部54及び第2の発光部56が点灯する。また、複数の第1の回路部品60及び複数の第2の回路部品62は、第1の発光部54及び第2の発光部56の点灯を制御するための制御回路を構成する。
なお、複数の第1の回路部品60及び複数の第2の回路部品62は、例えば、a)電解コンデンサ又はセラミックコンデンサ等の容量素子、b)抵抗器等の抵抗素子、c)整流回路素子、d)コイル素子、e)チョークコイル(チョークトランス)、f)ノイズフィルタ、g)ダイオード又は集積回路素子等の半導体素子等を含んでいてもよい。
図3~図6に示すように、回路部52は、さらに、回路カバー64を有している。回路カバー64は、複数の第1の回路部品60を保護するためのカバーであり、XY平面視で環状に形成されている。回路カバー64は、複数の第1の回路部品60を覆うようにして、基板58の表面上に支持されている。なお、図5及び図6に示すように、回路カバー64の内周部は、保護カバー32の先端部に係合されている。回路カバー64は、例えばアルミニウム等の金属で形成されている。
上述したように、基板58の表面には表面実装型の複数の第1の回路部品60が実装されているので、回路カバー64の基板58の表面からの高さを低く抑えることができる。これにより、図6に示すように、回路カバー64は、第1の発光部54と透光カバー20の径中心Cとを結ぶ直線66に干渉しない位置に配置されている。換言すると、回路部52は、第1の発光部54からの光を遮らないように配置されている。
第1の発光部54は、例えば白色光を発するための光源である。図7に示すように、第1の発光部54は、基板58と、複数の第1の発光素子68(発光素子の一例)とを有している。また、第2の発光部56は、基板58と、複数の第2の発光素子70とを有している。
基板58は、複数の第1の発光素子68及び複数の第2の発光素子70を実装するためのプリント配線基板であり、上述した回路部52の基板58と共通である。
複数の第1の発光素子68は、基板58の表面の外周領域に実装されている。具体的には、複数の第1の発光素子68は、回路部52を囲むように、基板58の周方向に間隔を置いて環状に配置されている。すなわち、第1の発光部54は、回路部52を囲むように配置されている。
複数の第2の発光素子70は、基板58の表面の外周領域に実装されている。具体的には、複数の第2の発光素子70は、複数の第1の発光素子68を囲むように、基板58の周方向に間隔を置いて環状に配置されている。すなわち、第2の発光部56は、第1の発光部54を囲むように配置されている。
第1の発光素子68及び第2の発光素子70の各々は、例えば、パッケージ化された表面実装型の白色LED(Light Emitting Diode)素子である。すなわち、第1の発光素子68及び第2の発光素子70の各々は、凹部を有する白色樹脂製のパッケージ(容器)と、パッケージの凹部の底面に一次実装されたLEDチップと、パッケージの凹部内に封入された封止部材とを有している。LEDチップは、例えば青色光を発する青色LEDチップである。封止部材には、青色LEDチップからの青色光を励起光として蛍光発光するYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)等の黄色蛍光体が含有されている。
このように、第1の発光素子68及び第2の発光素子70の各々は、青色LEDチップと黄色蛍光体とによって構成されたB-Yタイプの白色LED素子である。具体的には、封止部材に含有される黄色蛍光体は、青色LEDチップからの青色光の一部を吸収することにより励起されて黄色光を放出する。この放出された黄色光と黄色蛍光体に吸収されなかった青色光とが混ざることにより、白色光が生成される。このようにして第1の発光素子68及び第2の発光素子70の各々から白色光が出射される。
なお、本実施の形態では、第1の発光素子68及び第2の発光素子70がともに白色光を発するようにしたが、互いに異なる色(波長)の光を発するようにしてもよい。例えば、第1の発光素子68が白色光を発し、第2の発光素子70が電球色光を発するようにしてもよい。
[1-5.レンズカバー]
次に、図3~図6を参照しながら、レンズカバー12について説明する。レンズカバー12は、複数の第1の発光素子68の各々からの光を集光するための光学部材である。
図3に示すように、レンズカバー12は、XY平面視で環状に形成され、透光性を有する材料(例えば透明のアクリル樹脂等)で形成されている。図4~図6に示すように、レンズカバー12は、複数の第1の発光素子68を覆うようにして、基板58の表面上に支持されている。
図6に示すように、レンズカバー12には、レンズ部72が形成されている。複数の第1の発光素子68の各々からの光は、レンズ部72を透過する。この時、レンズ部72は、透過する光を集光させながら、光の光軸を偏向させる。具体的には、図6に示すように、レンズ部72を透過した光の光軸は、照明器具2の中心軸線74に近付く方向に傾くようになる。なお、照明器具2の中心軸線74は、透光カバー20の径中心Cを通る、鉛直方向(Z軸方向)に平行な直線である。
[1-6.化粧カバー]
次に、図3~図6及び図9を参照しながら、化粧カバー14について説明する。図9は、実施の形態1に係る化粧カバー14の一部を拡大して示す斜視図である。なお、説明の都合上、図9では、レンズカバー12、導光板16、取付部材18及び透光カバー20の図示を省略している。
化粧カバー14は、照明器具2を側方から覆って化粧するためのカバーである。図3に示すように、化粧カバー14は、XY平面視で環状に形成されている。化粧カバー14は、側壁部76と、反射部78とを有している。化粧カバー14は、例えば白色のポリスチレン樹脂等で形成されている。
図4~図6に示すように、側壁部76は、一端部(床面側の端部)から他端部(天井4側の端部)に向けてラッパ状に広がっており、照明器具2を側方から覆うように配置されている。反射部78は、側壁部76の一端部から化粧カバー14の径方向内側に向けて湾曲しながら延びており、導光板16の湾曲部86(後述する)の外周面(凹面側)を覆うように配置されている。反射部78は、導光板16の湾曲部86に導かれた光を反射する機能を有している。
図9に示すように、反射部78には、複数の切り欠き部80が形成されている。複数の切り欠き部80は、反射部78の周方向に間隔を置いて配置されている。複数の切り欠き部80の各々には、ネジ82(固定部材の一例)を挿通するためのネジ孔(図示せず)が形成されている。ネジ孔に挿通されたネジ82が、基板ユニット10の基板58を介して第1の筐体22の第1の支持部28に捻じ込まれることにより、化粧カバー14が第1の筐体22の第1の支持部28に支持される。
図9に示すように、複数の第1の発光素子68及び複数の第2の発光素子70は、反射部78の周方向に沿って環状に配置されている。複数の第1の発光素子68のうち少なくとも1つの第1の発光素子68aは、切り欠き部80に隣接して配置されている。以下、このような配置の理由について説明する。導光板16の湾曲部86のうち切り欠き部80に対向しない領域に導かれた光は、反射部78で反射しながら湾曲部86の内部を進む。一方、導光板16の湾曲部86のうち切り欠き部80に対向する領域に導かれた光は、反射部78で反射することなく湾曲部86の内部を進むようになる。そのため、透光カバー20のうち切り欠き部80の直下における領域に暗部が形成されやすくなる。本実施の形態では、上述したように、少なくとも1つの第1の発光素子68aを切り欠き部80に隣接して配置することにより、透光カバー20のうち切り欠き部80の直下における領域の明るさを補うことができる。
[1-7.導光板]
次に、図1~図6を参照しながら、導光板16について説明する。導光板16は、複数の第2の発光素子70からの光を室内に導くための光学部材である。
図1~図3に示すように、導光板16は、XY平面視で円形状の開口部84(図3参照)を有する環状に形成されている。図4~図6に示すように、導光板16は、基板ユニット10の基板58を介して第1の筐体22の第1の支持部28にネジ(図示せず)で取り付けられている。これにより、図1に示すように、導光板16は、透光カバー20を囲むように配置されている。
図4~図6に示すように、導光板16は、湾曲部86と、入射部88と、出射部90とを有している。導光板16は、透光性を有する材料、例えば透明のアクリル樹脂等で形成されている。
湾曲部86は、一端部(天井4側の端部)から他端部(床面側の端部)に向けてラッパ状に湾曲しながら拡径している。すなわち、湾曲部86は、一端部から他端部に向けて開口径が拡大するように形成されている。湾曲部86は、光を一端部から他端部に向けて導く。湾曲部86の外周面(凹面側)は化粧カバー14の反射部78により覆われ、湾曲部86の内周面(凸面側)は取付部材18(後述する)により覆われている。
入射部88は、湾曲部86の一端部の全周に亘って環状に形成されている。入射部88は、複数の第2の発光素子70に対向且つ近接する位置に配置されている。複数の第2の発光素子70の各々からの光は、入射部88に入射する。
出射部90は、湾曲部86の他端部の全周から導光板16の径方向外側に延び、XY平面視で環状に形成されている。出射部90は、化粧カバー14よりも導光板16の径方向外側に張り出しており、略水平な姿勢で配置されている。出射部90の床面側の面は、光が出射する面である。出射部90の天井4側の面には、例えばドット加工によりプリズム形状が形成されている。
なお、図3及び図6に示すように、出射部90と化粧カバー14の反射部78との間には、環状のシール部材92が配置されている。シール部材92は、出射部90と化粧カバー14の反射部78との間の隙間をシールする。これにより、虫又は塵埃等が上記隙間から照明器具2の内部に侵入するのを抑制することができる。
[1-8.取付部材]
次に、図3~図6及び図10を参照しながら、取付部材18について説明する。図10は、実施の形態1に係る係合機構110を拡大して示す斜視図である。なお、説明の都合上、図10では、導光板16等の図示を省略している。
取付部材18は、透光カバー20を着脱可能に取り付けるための部材である。図3に示すように、取付部材18は、XY平面視で環状に形成されている。図4~図6に示すように、取付部材18は、一端部(天井4側の端部)から他端部(床面側の端部)に向けてラッパ状に広がっており、基板ユニット10の基板58を介して第1の筐体22の第1の支持部28にネジ(図示せず)で取り付けられている。これにより、取付部材18は、導光板16の湾曲部86の内周面を覆うように配置されている。取付部材18は、透光性を有する材料、例えば透明のアクリル樹脂等で形成されている。取付部材18の全面には、例えばシボ加工が施されている。これにより、取付部材18を透過した光を拡散させることができる。なお、取付部材18は透光性を有する材料で形成されているが、これは、例えば取付部材18の一部を乳白色に形成することにより、取付部材18に異なる透過度の領域が複数混在する場合も含まれる。
図6及び図10に示すように、取付部材18の他端部(外周部)には、取付部材18の径方向外側に延びる鍔部94が形成されている。鍔部94は、取付部材18の他端部の全周に亘って環状に形成され、XY平面視で導光板16の出射部90の一部を覆うように配置されている。図3及び図6に示すように、鍔部94の外周部には、環状のシール部材96が取り付けられている。シール部材96は、略U字状の断面形状を有しており、透光性を有する材料、例えば透明のシリコン等で形成されている。シール部材96は、取付部材18の鍔部94と導光板16の出射部90との間の隙間をシールし、且つ、取付部材18の鍔部94と透光カバー20との間の隙間をシールする。これにより、虫又は塵埃等が上記隙間から照明器具2の内部に侵入するのを抑制することができる。また、シール部材96は透光性を有する材料で形成されているので、導光板16の出射部90から出射した光は、シール部材96を透過して室内に照射される。これにより、光のロスを低減することができる。
また、図6及び図10に示すように、取付部材18の他端部(外周部)には、さらに、取付部98が形成されている。取付部98は、取付部材18の他端部の全周に亘って環状に形成されており、鍔部94から床面側に突出している。図6に示すように、取付部98は、第1の発光部54から取付部98に向かう方向に拡径するテーパ面100(C面)を有している。仮に、取付部98にテーパ面100が形成されていない場合には、第1の発光部54からの光が取付部98の直角の角部で散乱することにより、透光カバー20に輝線が発生する。本実施の形態では、取付部98にテーパ面100を形成することにより、上述した光の散乱の発生を抑制して、透光カバー20に輝線が発生するのを抑制することができる。
図10に示すように、取付部98の外周面には、複数組(例えば三組)の第1の溝部102及び第2の溝部104が形成されている。なお、複数組の第1の溝部102及び第2の溝部104は、取付部98の周方向に沿って間隔を置いて配置されている。
第1の溝部102は、取付部98の周方向に沿って長尺状に延びている。第1の溝部102の長手方向における一端部102aは、開口されている。第1の溝部102の長手方向における一端部102aには第1の突起106が形成され、第1の溝部102の長手方向における他端部102bには第2の突起108が形成されている。第2の溝部104は、第1の溝部102の長手方向における他端部102bから、取付部98の周方向に沿って長尺状に延びている。第2の溝部104の幅(短手方向における大きさ)は、第1の溝部102の幅よりも狭い。
なお、上述した取付部98、第1の溝部102及び第2の溝部104は、係合機構110を構成する。この係合機構110により、透光カバー20を取付部材18に対して回動させた際に、透光カバー20を取付部材18に係合させることができる。透光カバー20を取付部材18に係合させる動作については後述する。
[1-9.透光カバー]
次に、図1、図3~図6及び図10を参照しながら、透光カバー20について説明する。透光カバー20は、第1の発光部54からの光を拡散(透過)させるための拡散カバーである。透光カバー20は、透光性を有する材料、例えば乳白色のアクリル樹脂等で形成されている。
図1及び図3に示すように、透光カバー20は、XY平面視で円形状に形成されている。図4~図6に示すように、透光カバー20は、取付部材18に着脱可能に取り付けられ、導光板16の開口部84(図4参照)を覆うように配置されている。すなわち、透光カバー20は、第1の発光部54に対向するように配置されている。なお、導光板16は、透光カバー20を囲むように配置されている。
図6及び図10に示すように、透光カバー20の開口部には、複数(例えば3個)の係合部112が形成されている。複数の係合部112は、取付部材18に形成された複数組の第1の溝部102及び第2の溝部104に対応して、透光カバー20の周方向に沿って間隔を置いて配置されている。複数の係合部112の各々は、透光カバー20の径方向内側に(すなわち、取付部材18の取付部98に向けて)突出し、且つ、透光カバー20の周方向に長尺状に延びている。係合部112の幅(短手方向における大きさ)は、第1の溝部102の幅よりも小さく、且つ、第2の溝部104の幅と略同一である。なお、複数の係合部112は、上述した係合機構110を構成する。
以下、図6及び図10を参照しながら、透光カバー20を取付部材18に係合させる動作について説明する。ユーザは、透光カバー20を取付部材18に近付け、係合部112と第1の溝部102との位置合わせをした後に、透光カバー20を取付部材18に対して図10の矢印114で示す方向に回動させる。なお、係合部112と第1の溝部102との位置合わせを容易に行うことができるように、透光カバー20及び取付部材18にそれぞれ目印を付してもよい。
これにより、係合部112は、第1の溝部102の長手方向における一端部102aに挿通され、第1の溝部102の長手方向における一端部102aから他端部102bまで移動する。この時、係合部112は、第1の突起106を乗り上げながら第1の溝部102の長手方向における一端部102aを通過した後に、第2の突起108を乗り上げながら第1の溝部102の長手方向における他端部102bを通過する。これにより、ユーザは、透光カバー20を取付部材18に対して回動させた際に、クリック感を得ることができる。
ユーザが透光カバー20を取付部材18に対して上記方向にさらに回動させることにより、係合部112は、第1の溝部102の長手方向における他端部102bから第2の溝部104に移動し、第2の溝部104に係合される。これにより、透光カバー20が取付部材18に取り付けられ、透光カバー20と取付部材18とが互いに係合される。この時、図6に示すように、透光カバー20の開口部は、取付部材18の鍔部94に対向して配置され、導光板16の出射部90には接触しない。その結果、透光カバー20を取付部材18に対して回動させた際に、導光板16の出射部90の表面に摩擦による傷が付くのを抑制することができる。
一方、透光カバー20を取付部材18から取り外す際には、ユーザは、透光カバー20を取付部材18に対して図10の矢印116で示す方向に回動させる。これにより、係合部112は、第2の突起108を乗り上げながら、第2の溝部104から第1の溝部102に移動する。この時、ユーザが誤って透光カバー20から手を離した場合であっても、係合部112が第1の溝部102に引っ掛かるため、透光カバー20が取付部材18から落下するのを抑制することができる。ユーザが透光カバー20を取付部材18に対して上記方向にさらに回動させることにより、係合部112は、第1の突起106を乗り上げながら、第1の溝部102から離脱する。これにより、透光カバー20が取付部材18から取り外される。
[1-10.照明方法]
次に、図6を参照しながら、上述した照明器具2による照明方法について説明する。
回路部52からの直流電力が第1の発光部54及び第2の発光部56に供給されることにより、複数の第1の発光素子68及び複数の第2の発光素子70の各々が発光する。
図6に示すように、複数の第1の発光素子68の各々からの光は、レンズカバー12のレンズ部72により集光された後に、透光カバー20に入射する。透光カバー20からの光は、拡散されて室内に照射される。また、複数の第1の発光素子68の各々からの光の一部は、取付部材18で全反射した後に透光カバー20に入射する。これにより、光の取り出し効率を高めることができる。
また、複数の第2の発光素子70の各々からの光は、導光板16の入射部88に入射した後に、湾曲部86へと導かれる。湾曲部86に導かれた光は、化粧カバー14の反射部78で反射しながら出射部90に向けて導かれる。出射部90に導かれた光は、出射部90の天井4側の面に形成されたプリズム形状で反射することにより、出射部90の床面側の面から出射する。出射部90からの光は、拡散されて室内に照射される。また、湾曲部86に導かれた光の一部は、漏れ光として湾曲部86から取付部材18に入射する。取付部材18に入射した光は、取付部材18を透過して透光カバー20に入射する。これにより、透光カバー20における光ムラを低減することができる。
[1-11.効果]
本実施の形態の照明器具2は、回路部52と、回路部52を囲むように配置され、回路部52に電気的に接続された第1の発光部54とを備える。回路部52は、第1の発光部54からの光を遮らないように配置されている。
これによれば、透光カバー20の中央部が暗くなる、いわゆる光の中落ちを低減することができる。
さらに、回路部52は、基板58と、基板58の表面に実装された表面実装型の第1の回路部品60と、第1の回路部品60を覆うように、基板58の表面上に支持された回路カバー64とを有する。
これによれば、回路カバー64の基板58の表面からの高さを低く抑えることができる。
さらに、回路部52は、基板58の裏面に実装されたリードスルー実装型の第2の回路部品62を有する。
これによれば、リードスルー実装型の第2の回路部品62を基板58に実装する必要がある場合であっても、回路カバー64の基板58の表面からの高さを低く抑えることができる。
さらに、照明器具2は、第1の発光部54に対向するように配置され、第1の発光部54からの光を透過させる略円形状の透光カバー20を備える。回路カバー64は、第1の発光部54と透光カバー20の径中心Cとを結ぶ直線66に干渉しない位置に配置されている。
これによれば、光の中落ちを効果的に低減することができる。
さらに、照明器具2は、第1の発光部54を囲むように配置された第2の発光部56と、第1の発光部54に対向するように配置され、第1の発光部54からの光を透過させる透光カバー20と、透光カバー20を囲むように配置され、第2の発光部56からの光が入射し、入射した光を外部に出射する導光板16とを備える。
これによれば、透光カバー20からの光及び導光板16からの光により、室内等を効率良く照明することができる。
さらに、照明器具2は、導光板16の一部を覆うように配置され、透光カバー20が取り付けられる環状の取付部材18を備える。取付部材18は、第1の発光部54から取付部材18に向かう方向に拡径するテーパ面100を有する。
これによれば、透光カバー20に輝線が発生するのを抑制することができる。
さらに、照明器具2は、導光板16の一部を覆うように配置され、透光カバー20が取り付けられる環状の取付部材18と、第1の発光部54及び第2の発光部56を支持する第1の筐体22と、切り欠き部80を有し、導光板16の一部を取付部材18と反対側から覆うように配置された環状の化粧カバー14と、切り欠き部80に配置され、化粧カバー14を第1の筐体22に固定するネジ82とを備える。第1の発光部54は、化粧カバー14の周方向に沿って環状に配置された複数の第1の発光素子68を有している。複数の第1の発光素子68の一部の第1の発光素子68aは、切り欠き部80に隣接して配置されている。
これによれば、第1の発光素子68aを切り欠き部80に隣接して配置することにより、透光カバー20のうち切り欠き部80の直下における領域の明るさを補うことができる。
さらに、照明器具2は、第1の筐体22を支持し、第1の筐体22の一部を外部に露出させるように配置された第2の筐体24を備える。
これによれば、第1の発光部54及び第2の発光部56からの熱を、第1の筐体22から効率良く放熱することができる。
(実施の形態2)
[2-1.照明器具の構成]
次に、図11を参照しながら、実施の形態2に係る照明器具2Aの構成について説明する。図11は、実施の形態2に係る照明器具2Aの一部を拡大して示す断面図である。なお、本実施の形態では、上記実施の形態1の構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
図11に示すように、実施の形態2に係る照明器具2Aは、上記実施の形態1で説明した構成要件に加えて、センサ120を備えている。センサ120は、例えば、a)室内に人が存在することを検出する人感センサ、b)室内の明るさを検出する明るさセンサ、又は、c)照明器具2Aの周囲の画像を撮像するためのカメラ機能を有する画像センサ等である。
センサ120は、XY平面視で環状に形成されたハウジング118の内部に配置されている。ハウジング118は、取付部材18の鍔部94に隣接して配置されている。すなわち、センサ120は、取付部材18の他端部(外周部)に隣接して配置されている。センサ120は、フレキシブル基板122を介して基板ユニット10の回路部52と電気的に接続されている。フレキシブル基板122は、取付部材18と導光板16の湾曲部86との間に配置されており、導光板16の湾曲部86に沿って湾曲されている。なお、係合部112と第1の溝部102(図10参照)との位置合わせを容易に行うことができるように、透光カバー20及びハウジング118にそれぞれ目印を付してもよい。あるいは、センサ120を目印として用いてもよい。
センサ120が画像センサである場合には、画像センサは、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサである。この場合、ハウジング118に赤外線LED(図示せず)を配置することにより、室内を暗視することができる。
また、センサ120が画像センサ及び人感センサを含む場合には、人感センサで室内に人を検知した際に、防犯対策として画像センサにより撮像した画像をメモリ等に記憶しておくことができる。
また、センサ120が画像センサである場合には、画像センサにより撮像した画像を、防犯対策として表示装置2Aに内蔵された無線装置によりスマートフォン又はパーソナルコンピュータ等の端末装置に送信してもよい。
また、画像転送には、上述したフレキシブル基板122を用いるのが一般的であるが、フレキシブル基板122に代えて例えばリード線等を用いることも可能である。
[2-2.効果]
本実施の形態の照明器具2Aは、さらに、照明器具2は、導光板16の一部を覆うように配置され、透光カバー20が取り付けられる環状の取付部材18と、取付部材18の外周部に隣接して配置されたセンサ120と、センサ120に電気的に接続され、取付部材18と導光板16との間に配置されたフレキシブル基板122とを備える。
これによれば、センサ120が照明器具2からの光の影響を受けるのを抑制することができる。
(変形例等)
以上、本発明について実施の形態1及び2に基づいて説明したが、本発明は、上記各実施の形態に限定されるものではない。
上記各実施の形態では、第1の発光素子68及び第2の発光素子70の各実装構造をSMD構造としたが、これに限定されず、例えばLEDチップを基板58に直接実装したCOB(Chip On Board)構造であってもよい。この場合、封止部材によって、基板58上に実装された複数のLEDチップを一括に封止してもよく、あるいは、個別に封止してもよい。また、封止部材には、上述した黄色蛍光体等の波長変換材が含有されていてもよい。
また、上記各実施の形態では、第1の発光素子68及び第2の発光素子70としてLEDを例示したが、これに限定されず、例えば半導体レーザ等の半導体発光素子、有機EL(Electro Luminescence)又は無機EL等、その他の固体発光素子を用いてもよい。
また、照明器具2(2A)は、例えばマイナスイオンを発生させるためのイオン発生部を備えていてもよい。イオン発生部は、例えば器具本体6の内部に配置されている。イオン発生部は、針状放電極と、針状放電極に高電圧(例えば、約6000V)を印加する高電圧発生回路と、針状放電極を冷却するペルチェ素子とを有している。針状放電極は、ペルチェ素子のペルチェ効果によって冷却されることにより結露する。高電圧発生回路が針状放電極に結露した空気中の水分に高電圧を印加することにより、ナノメータサイズ(例えば、直径約5~20nm)の微粒子水で包まれたマイナスイオン(いわゆる、ナノイー(登録商標))を発生させる。イオン発生部により発生したマイナスイオンは、器具本体6の内部に配置された送風ファン等により器具本体6の外部に吹き出され、室内に拡散される。
なお、ナノイーは、マイナスイオン単独で存在する場合よりも空気中に長時間(マイナスイオンの約6倍の寿命で)存在することが可能であり、且つ、ナノメータサイズと非常に小さいため、室内全体に万遍無く拡散し且つ長時間浮遊することができる。ナノイーは、反応性が高く、且つ、臭い成分に作用して無臭成分に分解する能力を持つことが知られている。そのため、ナノイーが室内に拡散することにより、a)室内のカーテン又は浮遊塵埃等を脱臭する効果、b)室内に浮遊又は付着しているアレルゲン、ウイルス等を不活化させる効果、c)室内に浮遊又は付着しているカビ、細菌等を除菌する効果等が得られる。
また、照明器具2(2A)は、有線又は無線によって照明器具2(2A)が受信した音声を出力するスピーカを備えていてもよい。この場合、例えば第1の発光部54及び第2の発光部56の点灯に同期してスピーカから音声が出力されるように、スピーカが制御されてもよい。
その他、上記実施の形態に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。