以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、及び、構成要素の配置位置や接続形態などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。なお、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
(実施の形態)
以下、実施の形態に係る照明器具について説明する。
[1.照明器具の構成]
[1−1.照明器具の全体構成]
まず、図1〜図5を参照しながら、実施の形態に係る照明器具2の全体構成について説明する。図1は、実施の形態に係る照明器具2の床面側の外観を示す斜視図である。図2は、実施の形態に係る照明器具2の天井4側の外観を示す斜視図である。図3は、拡散カバー26を取り外した状態での、実施の形態に係る照明器具2を示す分解斜視図である。図4は、化粧カバー20、導光板22及び反射部材24を取り外した状態での、実施の形態に係る照明器具2を示す分解斜視図である。図5は、実施の形態に係る照明器具2を分解して示す分解斜視図である。
照明器具2は、例えば住宅等の建物の天井4(図5参照)に設置され、建物の内部の空間6(後述する図6参照)を照明するためのシーリングライトである。図1〜図5に示すように、照明器具2は、器具本体8、器具取付部材10、電源ユニット12、反射カバー14(支持部材の一例)、発光モジュール16、レンズカバー18、化粧カバー20(カバー部材の一例)、導光板22、反射部材24(固定部材の一例)及び拡散カバー26を備えている。
以下、図1〜図9を参照しながら、照明器具2の各構成要素について詳細に説明する。なお、図1〜図9において、Z軸のマイナス側が天井4側、Z軸のプラス側が床面(図示せず)側を表している。説明の都合上、図1及び図3〜図7では、照明器具2を通常の使用時の姿勢とは上下逆の姿勢で図示している。
[1−2.器具本体]
図2、図5及び図6を参照しながら、器具本体8について説明する。図6は、図1のVI−VI線断面図である。図7は、図6の一部を拡大して示す断面図である。
器具本体8は、電源ユニット12及び反射カバー14を支持するための筐体である。図2、図5及び図6に示すように、器具本体8は、中央部に円形状の開口部8aを有するリング状に形成されている。器具本体8の外周部には、反射カバー14を支持するためのフランジ部8bが形成されている。なお、器具本体8は、例えばアルミニウム板又は鋼板等の板金をプレス加工することによって上述した形状に成形される。
図6に示すように、器具本体8の開口部8aの周縁部には、器具本体8を器具取付部材10(後述する)に装着するためのホルダ28が固定されている。ホルダ28は、器具本体8の開口部8aの周縁部から床面側に延びている。後述するように、ホルダ28の内部には器具取付部材10が着脱自在に嵌合される。
さらに、図5及び図6に示すように、器具本体8の一方側の面(床面側の面)には、反射カバー14を支持するための絶縁ケース30が固定されている。絶縁ケース30は、略矩形状の筒状に形成され、ホルダ28を囲む位置に配置されている。絶縁ケース30は、例えば樹脂等の絶縁性材料で形成されている。
さらに、図2及び図6に示すように、器具本体8の他方側の面(天井4側の面)には、例えばウレタン等で形成されたクッション部材32が複数取り付けられている。複数のクッション部材32は、器具本体8の周方向に沿って等間隔で配置されている。後述するようにして照明器具2が天井4に設置された際に、複数のクッション部材32が器具本体8と天井4との間に挟み込まれることにより、器具本体8のぐらつきが抑制される。
[1−3.器具取付部材]
次に、図3、図5及び図6を参照しながら、器具取付部材10について説明する。器具取付部材10は、天井4に設置された引っ掛けシーリングボディ34(図5参照)に器具本体8を着脱自在に取り付けるためのアダプタである。
図3、図5及び図6に示すように、器具取付部材10は、略円柱状に形成され、器具本体8のホルダ28の内部に着脱自在に嵌合される。また、器具取付部材10は、引っ掛けシーリングボディ34に着脱自在に取り付けられる。
照明器具2を天井4に設置する際には、ユーザは、まず、器具取付部材10を引っ掛けシーリングボディ34に取り付ける。その後、ユーザは、器具取付部材10が器具本体8のホルダ28の内部に挿入されるようにして、器具本体8を天井4側に押し上げることにより、ホルダ28と器具取付部材10とを嵌合させる。これにより、器具本体8が器具取付部材10及び引っ掛けシーリングボディ34を介して天井4に取り付けられ、照明器具2が天井4に設置される。
なお、引っ掛けシーリングボディ34は、天井4の裏側に配置された商用電源(図示せず)と電線(図示せず)を介して電気的に接続されている。照明器具2が天井4に設置されることにより、商用電源からの交流電力が電線及び引っ掛けシーリングボディ34を介して照明器具2に供給される。
[1−4.電源ユニット]
次に、図5を参照しながら、電源ユニット12について説明する。電源ユニット12は、発光モジュール16を発光させるための電力を生成するためのユニットである。図5に示すように、電源ユニット12は、基板36と、基板36に実装された複数の回路部品38とを有している。
基板36は、複数の回路部品38を実装するためのプリント配線基板であり、略L字状に形成されている。基板36は、複数の回路部品38が床面側を向くようにして、器具本体8の一方側の面に取り付けられている。
複数の回路部品38の各々は、発光モジュール16を発光させるための電力を生成するための電源回路を構成する電源用回路部品である。複数の回路部品38は、例えば、a)電解コンデンサ又はセラミックコンデンサ等の容量素子、b)抵抗器等の抵抗素子、c)整流回路素子、d)コイル素子、e)チョークコイル(チョークトランス)、f)ノイズフィルタ、g)ダイオード又は集積回路素子等の半導体素子等を含んでいる。
複数の回路部品38は、上述した商用電源から電線を介して供給されてきた交流電力を直流電力に変換する。複数の回路部品38で生成された直流電力が発光モジュール16に供給されることにより、発光モジュール16が発光する。
なお、複数の回路部品38には、上述した電源用回路部品だけでなく、その他の回路を構成する回路部品が含まれていてもよい。例えば、複数の回路部品38は、調光回路又は昇圧回路等を構成する駆動用回路部品を含んでいてもよく、あるいは、通信回路を構成する通信用回路部品(通信モジュール)等を含んでいてもよい。
[1−5.反射カバー]
次に、図4〜図6を参照しながら、反射カバー14について説明する。反射カバー14は、発光モジュール16を支持し、且つ、発光モジュール16からの光を反射するためのカバーである。なお、反射カバー14は、発光モジュール16からの熱を放熱するためのヒートシンクとしても機能する。
図4〜図6に示すように、反射カバー14は、中央部に略矩形状の開口部14aを有するリング状に形成されている。反射カバー14の外周部にはフランジ部14bが形成されている。反射カバー14は、例えばアルミニウム板又は鋼板等の板金をプレス加工することによって上述した形状に成形される。なお、反射カバー14の一方側の面(床面側の面)には、反射性を高めて光取り出し効率を向上させるために、白色塗料が塗布、又は、反射性金属材料が蒸着されている。
図6に示すように、反射カバー14は、器具本体8の一方側の面を覆うように配置されている。反射カバー14のフランジ部14bは、器具本体8のフランジ部8bに複数のネジ40で取り付けられている。また、反射カバー14の開口部14aの周縁部は、絶縁ケース30の先端部に支持されている。
[1−6.発光モジュール]
次に、図4〜図9を参照しながら、発光モジュール16について説明する。図8は、化粧カバー20、導光板22、反射部材24及び拡散カバー26を省略した状態での、実施の形態に係る照明器具2を示す平面図である。図9は、図8からさらにレンズカバー18を省略した状態での、実施の形態に係る照明器具2を示す平面図である。
発光モジュール16は、例えば白色光を発するための光源である。図4〜図9に示すように、発光モジュール16は、複数の基板42と、複数の基板42の各々に実装された複数の第1の発光素子44及び複数の第2の発光素子46とを有している。
図9に示すように、基板42は、複数の第1の発光素子44及び複数の第2の発光素子46を実装するためのプリント配線基板であり、円弧状に形成されている。複数の基板42の各々は、反射カバー14の開口部14aを囲むようにして、反射カバー14の一方側の面にネジ48で取り付けられている。これにより、複数の基板42は、導光板22(後述する)の周方向に沿ってリング状に並んで配置される。
図9に示すように、基板42の周方向における両端部にはそれぞれ、一対のコネクタ50が実装されている。隣接する一対の基板42の対向する一対のコネクタ50は、リード線52を介して互いに電気的に接続されている。また、他の隣接する一対の基板42の対向する一対のコネクタ50は、リード線54を介して電源ユニット12の基板36に電気的に接続されている。
なお、基板42としては、例えば、樹脂基板、メタルベース基板、セラミック基板又はガラス基板等を用いることができる。また、基板42は、リジッド基板に限定されず、フレキシブル基板であってもよい。
複数の第1の発光素子44は、基板42の内周部に実装されている。具体的には、複数の第1の発光素子44は、基板42の内周部において、基板42の径方向に例えば3列配置されている。各列において、複数の第1の発光素子44は、基板42の周方向に間隔を置いて配置されている。これにより、発光モジュール16全体としては、複数の第1の発光素子44は、リング状に配置されるようになる。
複数の第2の発光素子46は、基板42の外周部に実装されている。具体的には、複数の第2の発光素子46は、基板42の外周部において、基板42の周方向に間隔を置いて例えば1列のみ配置されている。これにより、発光モジュール16全体としては、複数の第2の発光素子46は、リング状に配置されるようになる。
第1の発光素子44及び第2の発光素子46の各々は、例えば、パッケージ化された表面実装(SMD:Surface Mount Device)型の白色LED素子である。すなわち、第1の発光素子44及び第2の発光素子46の各々は、凹部を有する白色樹脂製のパッケージ(容器)と、パッケージの凹部の底面に一次実装されたLEDチップと、パッケージの凹部内に封入された封止部材とを有している。LEDチップは、例えば青色光を発する青色LEDチップである。封止部材には、青色LEDチップからの青色光を励起光として蛍光発光するYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)等の黄色蛍光体が含有されている。
このように、第1の発光素子44及び第2の発光素子46の各々は、青色LEDチップと黄色蛍光体とによって構成されたB−Yタイプの白色LED素子である。具体的には、封止部材に含有される黄色蛍光体は、青色LEDチップからの青色光の一部を吸収することにより励起されて黄色光を放出する。この放出された黄色光と黄色蛍光体に吸収されなかった青色光とが混ざることにより、白色光が生成される。このようにして第1の発光素子44及び第2の発光素子46の各々から白色光が出射される。
なお、本実施の形態では、第1の発光素子44及び第2の発光素子46がともに白色光を発するようにしたが、互いに異なる色(波長)の光を発するようにしてもよい。例えば、第1の発光素子44が白色光を発し、第2の発光素子46が電球色光を発するようにしてもよい。
[1−7.レンズカバー]
次に、図3〜図8を参照しながら、レンズカバー18について説明する。レンズカバー18は、複数の第1の発光素子44の各々からの光の配光角を拡大するための光学部材である。
図3〜図8に示すように、レンズカバー18は、リング状に形成され、透光性を有する材料(例えば透明のアクリル樹脂等)で形成されている。図8に示すように、レンズカバー18は、複数の基板42の各々の内周部を覆うようにして、反射カバー14の一方側の面にネジ56で取り付けられている。このとき、レンズカバー18は、複数の基板42の各々の複数の第1の発光素子44を覆い、且つ、複数の基板42の各々の複数の第2の発光素子46を覆わない。
レンズカバー18には、複数の第1の発光素子44に対応して、複数のレンズ部18aが形成されている。複数の第1の発光素子44の各々からの光は、対応するレンズ部18aを透過する。このとき、複数のレンズ部18aの各々は、透過する光の配光角を拡大させる。
[1−8.化粧カバー]
次に、図5〜図7を参照しながら、化粧カバー20について説明する。化粧カバー20は、反射カバー14及び器具本体8を側方から覆って化粧するためのカバーである。
図5〜図7に示すように、化粧カバー20は、リング状に形成されている。具体的には、化粧カバー20は、一端部(床面側の端部)から他端部(天井4側の端部)に向けてラッパ状に広がり、且つ、反射カバー14及び器具本体8を側方から覆う装飾部20aを有している。なお、化粧カバー20は、例えば白色のポリスチレン樹脂等の遮光性を有する材料で形成されている。
図6及び図7に示すように、装飾部20aの一端部には、装飾部20aの径方向内側且つ装飾部20aの他端部に向けて湾曲しながら延びるリング状の支持部20bが形成されている。すなわち、装飾部20aは、支持部20bの端部から略V字状に屈曲して延びている。支持部20bは、導光板22の湾曲部22b(後述する)の全周に亘って湾曲部22bの凹面側を覆っている。すなわち、支持部20bは、湾曲部22bをその厚み方向における一方側から覆っている。
装飾部20aの内面には、装飾部20aの全周に亘って延びるリング状の突部20cが形成されている。突部20cは、反射カバー14のフランジ部14bに接触している。これにより、化粧カバー20は、反射カバー14に対して位置決めされる。
[1−9.導光板]
次に、図1〜図7を参照しながら、導光板22について説明する。導光板22は、入射した複数の第2の発光素子46の各々からの光を空間6に導くための光学部材である。図1〜図7に示すように、導光板22は、略円形状の開口部22aを有するリング状に形成されている。具体的には、導光板22は、湾曲部22b、入射部22c、出射部22d及び複数の取付部22eを有している。なお、導光板22は、透光性を有する材料(例えば透明のアクリル樹脂等)で形成されている。
図6及び図7に示すように、湾曲部22bは、一端部(天井4側の端部)から他端部(床面側の端部)に向けてラッパ状に広がっている。すなわち、湾曲部22bよりも径方向内側に上述した開口部22aが形成されており、複数の第1の発光素子44及びレンズカバー18は、開口部22aに対向する位置に配置されている。湾曲部22bは、光を一端部から他端部に向けて導く。湾曲部22bの凹面側は、化粧カバー20の支持部20bに支持されている。湾曲部22bの凸面側は、反射部材24の反射部24a(後述する)により覆われている。すなわち、湾曲部22bは、化粧カバー20の支持部20bと反射部材24の反射部24aとの間に挟持されている。
入射部22cは、湾曲部22bの一端部の全周に亘ってリング状に形成されており、導光板22の内周部を規定する。入射部22cは、複数の第2の発光素子46に対向且つ近接する位置に配置されている。すなわち、複数の第2の発光素子46は、導光板22の内周部に対向する位置に配置されている。
出射部22dは、湾曲部22bの他端部の全周から導光板22の径方向外側にリング状に延びており、導光板22の外周部を規定する。出射部22dは、化粧カバー20の一端部よりも導光板22の径方向外側に張り出しており、略水平な姿勢で(すなわち、天井4に対して略平行な姿勢で)配置されている。出射部22dの一方側の面(床面側の面)は、光が出射する面である。出射部22dの他方側の面(天井4側の面)には、例えばドット加工によりプリズム形状(図示せず)が形成されている。
図5〜図7に示すように、複数の取付部22eは、入射部22cから導光板22の径方向内側に向けて延びている。複数の取付部22eは、複数の基板42に対応して、入射部22cの周方向に間隔を置いて配置されている。複数の取付部22eの各々は、対応する基板42の所定の領域(複数の第1の発光素子44と複数の第2の発光素子46との間の領域)にネジ48(図8参照)で取り付けられている。
[1−10.反射部材]
次に、図4〜図7を参照しながら、反射部材24について説明する。反射部材24は、発光モジュール16を固定し、且つ、導光板22の湾曲部22bの内部で導かれた光を反射するための部材である。
図4〜図7に示すように、反射部材24は、リング状に形成されている。具体的には、反射部材24は、反射部24a、押さえ部24b及び仕切り部24cを有している。なお、反射部材24は、例えば白色のポリカーボネート樹脂等で形成されている。
反射部24aは、一端部(天井4側の端部)から他端部(床面側の端部)に向けてラッパ状に広がっている。反射部24aの凹面側には反射面が形成されている。反射部24aの凹面側は、導光板22の湾曲部22bの全周に亘って湾曲部22bの凸面側を覆っている。すなわち、反射部24aは、湾曲部22bをその厚み方向における他方側から覆い、且つ、化粧カバー20の支持部20bとで湾曲部22bを挟持している。
押さえ部24bは、反射部24aの一端部の全周から反射部材24の径方向内側にリング状に延びている。押さえ部24bは、複数の取付部22eとともに、複数の基板42の各々の所定の領域にネジ48で取り付けられている。これにより、図6及び図7に示すように、押さえ部24bの先端部は、レンズカバー18の外周部を複数の基板42に向けて押さえ付けることにより、複数の基板42を反射カバー14に向けて押さえ付けるようになる。これにより、押さえ部24bは、発光モジュール16を反射カバー14に固定する。
図7に示すように、仕切り部24cは、押さえ部24bの全周に亘ってリング状に形成され、レンズカバー18の外周部と導光板22の入射部22cとの間を仕切るように突出している。仕切り部24cは、レンズカバー18と導光板22との間を遮光するためのものである。そのため、反射部材24は、遮光性を有する材料(例えば不透明の樹脂材料)で形成されている。
[1−11.拡散カバー]
次に、図1及び図3〜図7を参照しながら、拡散カバー26について説明する。拡散カバー26は、複数の第1の発光素子44の各々からの光を拡散させるためのカバーである。
図1及び図3〜図7に示すように、拡散カバー26は、反射部材24に着脱自在に取り付けられ、導光板22の開口部22aを覆うように配置されている。図3に示すように、拡散カバー26を反射部材24から取り外すことにより、レンズカバー18が導光板22の開口部22aから露出される。図6及び図7に示すように、拡散カバー26は、拡散部26a及び取付部26bを有している。
拡散部26aは円板状に形成され、導光板22の開口部22aを覆うように配置されている。拡散部26aの外周部は、湾曲部22bの他端部よりも導光板22の径方向外側に張り出しており、出射部22dの内周部を覆っている。拡散部26aは、透光性を有する材料(例えば乳白色のアクリル樹脂等)で形成されている。
取付部26bは、拡散部26aの外周部の全周から拡散部26aの軸方向(Z軸方向)にラッパ状に延びている。取付部26bは、反射部材24の反射部24aの凸面側に着脱自在に取り付けられている。
なお、図7に示すように、拡散部26aの外周部はテーパ状に形成されている。これにより、拡散部26aに厚み(Z軸方向の大きさ)が生じるので、ユーザは、拡散カバー26を着脱する際に拡散部26aを手で容易に掴むことができる。
[1−12.照明器具の特徴的構成]
次に、図10を参照しながら、実施の形態に係る照明器具2の特徴的構成について説明する。図10は、図7の一部をさらに拡大して示す断面図である。なお、説明の都合上、図10では、拡散カバー26の図示を省略してある。
図10中の一点鎖線で示すように、反射部材24の反射部24aの外周部のエッジ24dは、照明器具2をZ軸に沿って平面視した場合に、化粧カバー20の装飾部20aと支持部20bとの間の屈曲部のエッジ20dと重なっている。
このような構成により、支持部20bと湾曲部22bとの間の隙間に例えばショウジョウバエ等の虫58が侵入した場合であっても、照明器具2をZ軸のプラス側から見た場合に、当該隙間に侵入した虫58が反射部24aによって目隠しされる。これにより、照明器具2が天井4に設置された状態で、当該隙間に侵入した虫58が室内側から湾曲部22bを通して見えてしまうのを抑制することができる。
また、反射部24aと湾曲部22bとの間の隙間に虫58が侵入した場合であっても、照明器具2をZ軸のマイナス側から見た場合に、当該隙間に侵入した虫58が支持部20bによって目隠しされる。これにより、照明器具2を天井4から取り外して分解した際に、当該隙間に侵入した虫58が湾曲部22bを通して見えてしまうのを抑制することができる。
ここで、図11及び図12を参照しながら、比較例に係る照明器具100,200の各構成について説明する。図11は、比較例1に係る照明器具100の一部を拡大して示す断面図である。図12は、比較例2に係る照明器具200の一部を拡大して示す断面図である。なお、図11及び図12では、実施の形態に係る照明器具2の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付してある。また、説明の都合上、図11及び図12では、拡散カバー26の図示を省略してある。
図11に示すように、比較例1に係る照明器具100では、反射部材24Aの反射部24Aaの長さは、実施の形態に係る照明器具2の反射部24aの長さよりも短い。そのため、反射部24Aaの外周部のエッジ24Adは、照明器具100をZ軸に沿って平面視した場合に、化粧カバー20の装飾部20aと支持部20bとの間の屈曲部のエッジ20dと重ならない。
これにより、支持部20bと湾曲部22bとの間の隙間に虫58が侵入した場合には、照明器具100をZ軸のプラス側から見た場合に、当該隙間に侵入した虫58が反射部24Aaによって目隠しされない。これにより、照明器具100が天井4に設置された状態で、当該隙間に侵入した虫58が室内側から湾曲部22bを通して見えてしまう。
一方、図12に示すように、比較例2に係る照明器具200では、化粧カバー20Bの支持部20Bbの長さは、実施の形態に係る照明器具2の支持部20bの長さよりも短い。そのため、反射部24aの外周部のエッジ24dは、照明器具200をZ軸に沿って平面視した場合に、化粧カバー20Bの装飾部20Baと支持部20Bbとの間の屈曲部のエッジ20Bdと重ならない。
これにより、反射部24aと湾曲部22bとの間の隙間に虫58が侵入した場合には、照明器具200をZ軸のマイナス側から見た場合に、当該隙間に侵入した虫58が支持部20Bbによって目隠しされない。これにより、照明器具200を天井4から取り外して分解した際に、当該隙間に侵入した虫58が湾曲部22bを通して見えてしまう。
これに対して、実施の形態に係る照明器具2では、上述したように、反射部材24の反射部24aの外周部のエッジ24dは、照明器具2をZ軸に沿って平面視した場合に、化粧カバー20の装飾部20aと支持部20bとの間の屈曲部のエッジ20dと重なっている。そのため、支持部20bと湾曲部22bとの間の隙間又は反射部24aと湾曲部22bとの間の隙間に虫58が侵入した場合であっても、当該隙間に侵入した虫58が湾曲部22bを通して見えてしまうのを抑制することができる。
[1−13.照明方法]
次に、図6及び図7を参照しながら、上述した照明器具2による照明方法について説明する。電源ユニット12からの直流電力が発光モジュール16に供給されることにより、複数の第1の発光素子44及び複数の第2の発光素子46の各々が発光する。
図6及び図7に示すように、複数の第1の発光素子44の各々からの光は、レンズカバー18の対応するレンズ部18aを透過した後に、導光板22の開口部22aを通して拡散カバー26に入射する。拡散カバー26に入射した光は、拡散カバー26から拡散されながら出射した後に、空間6を照射する。すなわち、複数の第1の発光素子44の各々からの光は、導光板22に入射せずに空間6を直接照射する。
なお、図7に示すように、複数の第1の発光素子44の各々からの光の一部は、反射部材24等で反射した後に反射カバー14の一方側の面で反射する。このように多重反射した光は、拡散カバー26に入射する。これにより、光の取り出し効率を高めることができる。
一方、複数の第2の発光素子46の各々からの光は、導光板22の入射部22cに入射した後に、湾曲部22bの内部で導かれる。湾曲部22bの内部では、光は、反射部材24の反射部24aで反射しながら入射部22cから出射部22dに向けて導かれる。出射部22dへと導かれた光は、出射部22dの他方側の面に形成されたプリズム形状で反射することにより、出射部22dの一方側の面から出射する。
上述したように、仕切り部24cがレンズカバー18の外周部と導光板22の入射部22cとの間を仕切っているので、レンズカバー18と導光板22とが光学的に干渉するのを抑制することができる。
以上のようにして、拡散カバー26からの光によって空間6を直射照明し、且つ、導光板22の出射部22dからの光によって空間6を導光照明することができる。なお、複数の第1の発光素子44及び複数の第2の発光素子46の各々を全灯した場合に、複数の第1の発光素子44の各々から空間6に照射される光の光束は、導光板22の出射部22dから空間6に照射される光の光束よりも大きい。
これにより、照明器具2の直下の空間6は、拡散カバー26からの光によって比較的明るく直射照明されるので、例えば読書又は手作業等に必要な照度を確保することができる。一方、照明器具2の周囲の空間6は、導光板22の出射部22dからの光によってあたかも間接照明のように比較的暗く導光照明されるので、くつろぎ感を演出することができる。
なお、本実施の形態では、複数の第1の発光素子44及び複数の第2の発光素子46をともに点灯させる場合について説明したが、例えば室内の雰囲気に応じて、複数の第1の発光素子44のみを点灯させてもよく、あるいは、複数の第2の発光素子46のみを点灯させてもよい。
[2.効果]
本実施の形態の照明器具2は、空間6を照明するための照明器具である。照明器具2は、発光モジュール16と、発光モジュール16からの光を空間6に導くための導光板22と、導光板22を厚み方向における一方側から覆い、発光モジュール16を固定する反射部材24と、導光板22を厚み方向における他方側から覆い、反射部材24とで導光板22を挟持する化粧カバー20とを備える。反射部材24のエッジ24dは、照明器具2を平面視した場合に、化粧カバー20のエッジ20dと重なっている。
これによれば、化粧カバー20と導光板22との間の隙間(又は反射部材24と導光板22との間の隙間)に虫58が侵入した場合であっても、当該隙間に侵入した虫58が反射部材24(又は化粧カバー20)によって目隠しされる。これにより、当該隙間に侵入した虫58が導光板22を通して見えてしまうのを抑制することができ、照明器具2の美観が低下するのを抑制することができる。
さらに、導光板22は、光を一端部から他端部に向けて導く湾曲部22bであって、開口部22aを有し、一端部から他端部に向けてラッパ状に広がる湾曲部22bと、湾曲部22bの一端部に形成され、発光モジュール16からの光が入射する入射部22cと、湾曲部22bの他端部から径方向外側に延び、湾曲部22bからの光が出射する出射部22dとを有している。反射部材24は、湾曲部22bを厚み方向における一方側から覆い、化粧カバー20は、湾曲部22bを厚み方向における他方側から覆う。
これによれば、化粧カバー20と湾曲部22bとの間の隙間(又は反射部材24と湾曲部22bとの間の隙間)に虫58が侵入した場合であっても、当該隙間に侵入した虫58が湾曲部22bを通して見えてしまうのを抑制することができる。
さらに、照明器具2は、発光モジュール16を支持する反射カバー14を備える。反射部材24は、湾曲部22bの内部で導かれた光を反射する反射面を有し、湾曲部22bの全周に亘って湾曲部22bの凸面側を覆う反射部24aと、反射部24aの端部から延び、発光モジュール16を反射カバー14に向けて押さえ付けることにより、発光モジュール16を反射カバー14に固定する押さえ部24bとを有している。反射部24aの外周部のエッジ24dは、照明器具2を平面視した場合に、化粧カバー20のエッジ20dと重なっている。
これによれば、反射部24aと湾曲部22bとの間の隙間に虫58が侵入した場合であっても、当該隙間に侵入した虫58が湾曲部22bを通して見えてしまうのを抑制することができる。
さらに、化粧カバー20は、湾曲部22bの全周に亘って湾曲部22bの凹面側を覆い、反射部材24の反射部24aとで湾曲部22bを挟持する支持部20bと、支持部20bの端部から屈曲して延び、反射カバー14を側方から覆う装飾部20aとを有している。反射部24aの外周部のエッジ24dは、照明器具2を平面視した場合に、支持部20bと装飾部20aとの間の屈曲部のエッジ20dと重なっている。
これによれば、支持部20bと湾曲部22bとの間の隙間に虫58が侵入した場合であっても、当該隙間に侵入した虫58が湾曲部22bを通して見えてしまうのを抑制することができる。
さらに、反射部材24及び化粧カバー20の各々は、遮光性を有する材料で形成されている。
これによれば、化粧カバー20と導光板22との間の隙間(又は反射部材24と導光板22との間の隙間)に虫58が侵入した場合であっても、当該隙間に侵入した虫58を反射部材24(又は化粧カバー20)によって確実に目隠しすることができる。
(変形例等)
以上、本発明について実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
上記実施の形態では、照明器具2が取り付けられる造営材が天井4である場合について説明したが、これに限定されず、造営材は例えば建物の内部の壁等であってもよい。
また、上記実施の形態では、照明器具2をシーリングライトとしたが、これに限定されず、例えばシャンデリア、ペンダントライト、ブラケットライト、バスルームライト又はキッチンライト等としてもよい。
また、上記実施の形態では、第1の発光素子44及び第2の発光素子46の各実装構造をSMD構造としたが、これに限定されず、例えばLEDチップを基板42に直接実装したCOB(Chip On Board)構造であってもよい。この場合、封止部材によって、基板42上に実装された複数のLEDチップを一括に封止してもよく、あるいは、個別に封止してもよい。また、封止部材には、上述した黄色蛍光体等の波長変換材が含有されていてもよい。
また、上記実施の形態では、複数の基板42をリング状に並べることにより発光モジュール16を構成したが、これに限定されず、1つのリング状の基板で発光モジュール16を構成してもよい。
また、上記実施の形態では、第1の発光素子44及び第2の発光素子46を実装するための基板42と回路部品38を実装するための基板36とが別々の基板である場合について説明したが、これに限定されず、第1の発光素子44、第2の発光素子46及び回路部品38を同一の基板に実装してもよい。
また、上記実施の形態では、第1の発光素子44及び第2の発光素子46としてLEDを例示したが、これに限定されず、例えば半導体レーザ等の半導体発光素子、有機EL(Electro Luminescence)又は無機EL等、その他の固体発光素子を用いてもよい。
また、上記実施の形態では、導光板22を湾曲形状に形成したが、これに限定されず、例えば平板状に形成してもよい。
その他、上記実施の形態に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。