JP7054120B2 - ロッドハンドリングアタッチメント - Google Patents

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本発明は、掘削用のロッドの脱着作業を人手に代わって行うためのロッドハンドリングアタッチメントに関する。
掘削に用いるロッドの掘削機への供給及び回収作業は、作業者が人力やクレーンを用いて行っているが、大重量で大型のロッドでは、作業性が悪く危険となっている。このため、掘削機に対するロッドの供給、回収を自動的に行うためのロッドハンドリング装置が従来より開発されている(特許文献1及び2参照)。
特許文献1のロッドハンドリング装置は、水平状態のロッドをロッド把持部材が把持した後、同部材が回転してロッドを立てた状態として掘削機のドリルヘッドに供給する構造となっており、ロッドハンドリング装置は掘削機に併設されてロッドの供給を行っている。
特許文献2のロッドハンドリング装置は、ロッドを立設させた状態で周回するロッドコンテナと、ロッドコンテナ上のロッドをロッド把持部材が把持して掘削機に供給する構造となっている。このロッドハンドリング装置も掘削機に併設されてロッドの供給を行うものである。
特許第6641129号公報 特許第6501811号公報
従来のロッドハンドリング装置は、いずれも掘削機に組み込まれてドリルヘッドへのロッドの供給、回収を行う構造である。このため、掘削機と離れた場所にあるロッドの供給、回収を行うことができない。掘削機と離れた場所のロッドはクレーン等によってフォークリフトやバックフォーなどの作業車に積み込んで掘削機まで運搬し、そこでロッドハンドリング装置にロッドをセットすることが必要であり、人手による面倒で危険性の大きな重労働の作業が伴う問題がある。
また、掘削機へのロッドのセットに際しては、縦、横、斜め等のロッドの姿勢を変更するハンドリング作業が伴うため、人手による作業がさらに面倒で長時間を要している。
さらに、従来のロッドハンドリング装置は、掘削機に併設されるため、掘削機の全体が大型化する。このため住宅地等の狭隘な作業現場には、設置することができない問題がある。
本発明は、このような従来の問題点を考慮してなされたものであり、掘削機に併設する必要がなく、それ自体でロッドのハンドリングを行うことができ、作業者によるロッドハンドリング作業を不要としたロッドハンドリングアタッチメントを提供することを目的とする。
本発明のロッドハンドリングアタッチメントは、ロッドを把持するロッド把持部材が先端に取り付けられ、軸方向への伸縮動作によって前記ロッド把持部材の前後方向の位置を変更する伸縮アームと、前記伸縮アームが前記軸方向と交差する横方向へ移動可能に取り付けられ、伸縮アームの横方向への移動によって前記ロッド把持部材の横方向の位置を変更するシフト機構と、前記シフト機構を前記軸方向回りに回転可能に支持し、前記ロッド把持部材の軸方向回りの回転位置を変更する旋回機構と、前記ロッド把持部材を前記伸縮アームの軸方向に対して屈曲させるダンプ機構と、前記旋回機構が取り付けられるベースプレートと、を備え、前記ベースプレートが自走可能な作業車に上下移動可能に取り付け可能となっていることを特徴とする。
本発明では、前記作業車は立設状態のマストを有し、前記ベースプレートが前記マストに沿って上下動可能に取り付けられていることを特徴とする。
また、前記ロッド把持部材は、ロッドを挟むように対向する開閉可能な一対の把持ピースと一対の把持ピースを開閉させる開閉用シリンダとが把持本体部に取り付けられて形成されており、前記一対の把持ピースが前記把持本体部に対して交換可能となっていることを特徴とする。
また、前記伸縮アームは、前記軸方向に伸縮するアーム部材と、前記ロッド把持部材と前記シフト機構との間に掛け渡されて前記アーム部材を伸縮させる伸縮用シリンダと、を備えていることを特徴とする。
また、前記シフト機構は、前記軸方向と交差する横方向に沿って前記ベースプレートに設けられたシフト用シリンダを備え、前記シフト用シリンダの伸縮によって前記伸縮アームを前記横方向に移動させることを特徴とする。
また、前記旋回機構は、前記ベースプレートに設けた旋回用モータと、前記旋回用モータの出力軸に取り付けられた内側ギアと、前記ベースプレートに取り付けられ前記内側ギアが噛合する外輪プレートとを備え、前記外輪プレートに前記シフト機構が係合していることを特徴とする。
また、前記ダンプ機構は、前記ロッド把持部材を前記伸縮アームに回転可能に取り付けられるヒンジ軸と、前記ロッド把持部材を前記ヒンジ軸回りに回転させて前記伸縮アームの軸方向に対して屈曲させるダンプ用シリンダとを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、ロッドに対するロッド把持部材の姿勢を変更してロッドを把持することができる共に、把持したロッドの姿勢を変更することができるため、掘削機に対するロッドの供給や回収のハンドリングを円滑に行うことができる。このため、作業者によるロッドハンドリング作業を不要とすることができ、作業の能率化や安全性を向上させることができる。
また、ロッドハンドリングアタッチメントは作業車に取り付けて用いるため、ロッドをハンドリングするロッドハンドリング装置を掘削機に併設する必要がなく、住宅地等の狭隘な作業現場であっても、掘削機へのロッドの供給、回収、ハンドリングを行うことができる。
本発明の一実施形態のロッドハンドリングアタッチメントを作業車に取り付けた状態を示す側面図である。 図1の平面図である。 一実施形態のロッドハンドリングアタッチメント全体の側面図である。 図3の平面図である。 ベースプレートの正面図である 伸縮アーム部分を示す平面図である 伸縮アームの動作を示す平面図である。 シフト機構部分を示す側面図である。 シフト機構の動作を示す側面図である 図9に続くシフト機構の動作を示す側面図である。 旋回機構の構造を示す正面図である 旋回機構の動作を示す平面図である。 旋回機構の動作を示す平面図である ダンプ機構の構造を示す平面図である。 ダンプ機構の動作を示す平面図である。 ロッド把持部材を示す平面図である。 ロッド把持部材を示す側面図である (A)~(E)は把持ピースの交換態様を示す側面図である。 ロッドハンドリングアタッチメントをマストに取り付けるための構造を示す側面図である。 ロッドコンテナからロッドを取り出す状態を示す側面図である。 図20に続く状態を示す側面図である。 ロッドを掘削機の運搬する状態を示す側面図である。
図1及び図2は、本発明の一実施形態のロッドハンドリングアタッチメント(以下、アタッチメント)1をフォークリフト等の作業車2に取り付けた状態を示す。作業車2は車体3下部に車輪4を備えることにより自走可能となっており、運転席5の前部にはマスト6が立設され、このマスト6にアタッチメント1が着脱可能に取り付けられる。アタッチメント1はマスト6に対して上下移動可能に取り付けられる。この上下方向への移動は作業車2が備える公知の動力機構(図示省略)によってなされ、これによりアタッチメント1は作業車2に対する高さの変更が可能となっている。
図3~図5は、アタッチメント1の全体を示す。以下、X方向を前後方向、Y方向をX方向と交差した横方向として説明する。前後方向Xは作業車2の前後方向と一致する。
図3~図5に示すように、アタッチメント1は前後方向Xに伸縮する伸縮アーム10と、横方向Yに沿って動作するシフト機構20と、シフト機構20を回転させる旋回機構30と、屈曲動作を行うダンプ機構40とを備えている。伸縮アーム10の先端には、ロッド(ボーリングロッド)7を把持するロッド把持部材50が取り付けられる。アタッチメント1における作業車2側の端部には、ベースプレート60が設けられており、このベースプレート60が作業車2のマスト6に係合した状態で取り付けられることによりアタッチメント1の全体がマスト6に上下移動可能に取り付けられる(後述する図19参照)。ベースプレート60の前側には、一対の取付ブラケット61が設けられ、この取付ブラケット61にシフト機構20が取り付けられ、シフト機構20の前側に伸縮アーム10が取り付けられている。
図3、図4、図6、図7に示すように、伸縮アーム10はシフト機構20側の第1アーム11及び第1アーム11内に挿入された第2アーム12を備えたアーム部材13を有しており、第2アーム12が第1アーム11内を進退することにより全体が軸方向(前後方向X)に伸縮作動する。かかる伸縮作動は、シフト機構20とロッド把持部材50との間に掛け渡された伸縮用シリンダ14によって行われる。伸縮アーム10の軸方向の伸縮動作によってロッド把持部材50は前後方向Xの位置が変更され、ロッド7に対して接近及び離反することができる。
図示例では、第1アーム11、第2アーム12の2段で伸縮する構造となっているが、3段以上で伸縮する構造としても良い。
図3、図4及び図8~図10に示すように、シフト機構20はシフト用シリンダ21を有している。シフト用シリンダ21はベースプレート60における取付ブラケット61に掛け渡されており、その作動によって伸縮アーム10を軸方向(前後方向X)と直交状に交差する横方向Yに移動させる。この横方向Yへの移動によってロッド把持部材50の横方向Yの位置を変更し、ロッド7に対してロッド把持部材50を横方向から接近及び離反させることができる。
旋回機構30は旋回用モータ31を備えている(図5参照)。図5に示すように、旋回用モータ31はベースプレート60に取り付けられており、ベースプレート60への装着状態で作動することにより取付ブラケット61を回転させ、これにより取付ブラケット61に取り付けられているシフト機構20を回転させ、シフト機構20を介して伸縮アーム10及びロッド把持部材50を回転させる。これにより図12及び図13に示すように、伸縮アーム10の軸方向(前後方向X)回りにおけるロッド把持部材50の回転位置が変更される。
図11は旋回機構30の詳細を示し、旋回用モータ31の出力軸32に小径の内側ギア33が取り付けられ、この内側ギア33に大径の外輪プレート34が噛合している。この外輪プレート34にシフト機構20が係合して取り付けられている。これにより、旋回用モータ31によってシフト機構20、伸縮アーム10及びロッド保持部材50が一体となって正逆方向に回転し、ロッド把持部材50の軸方向(前後方向X)回りの回転位置が変更される(図12、図13参照)。
図14及び図15に示すように、ダンプ機構40は伸縮アーム10の第2アーム12の先端に取り付けられたヒンジ軸41を有している。ヒンジ軸41はヒンジブラケット42に一体的に取り付けられ、このヒンジブラケット42に後述するロッド把持部材50の把持本体部51が連結されている。ヒンジブラケット42には、第2アーム12内のダンプ用シリンダ43が連結されている。このような構造では、ダンプ用シリンダ43によって、ロッド把持部材50は伸縮アーム10の軸線上の位置と、伸縮アーム10の軸線から外れた方向に屈曲した(首折れ)した位置との間に変位することができる。すなわち、ダンプ機構40はロッド把持部材50をヒンジ軸41回りに回転させてロッド把持部材50を伸縮アーム10の軸方向(前後方向X)に対して屈曲させる。これによりロッド把持部材50がロッドラック(図示省略)からロッドを把持したり、ロッドを継ぎ足しする動作を行うことができる。
図16~図18に示すように、ロッド把持部材50は対向した一対の把持ピース52と、把持ピース52を開閉させる開閉用シリンダ53と、これらが取り付けられる把持本体部51とを有している。図示例では、これらが一組となっており、これらが二組となって連結シャフト54の両端部に取り付けられた構造となっている。これによりロッド7を長さ方向の2箇所で把持することができる。これに加えて、ロッド7が二重管ロッドの場合にも、一方の一組がアウターロッドを把持し、他方の一組がインナーロッドを把持することができる。なお、把持ピース52及び開閉用シリンダ53の組は二組以外の一組、三組以上であっても良い。
ロッド把持部材50では、開閉用シリンダ53により一対の把持ピース52が開閉作動してロッドの把持及び解放を行う。この形態において、把持ピース52は把持本体部51に対して交換可能となっており、これにより図18(A)~(E)で示すようにロッドの外径に合わせたものを選択して用いることができる。
図19は、アタッチメント1を作業車2のマスト6に取り付けるための構造の一例を示す。マスト6の前面には、移動ピース63が上下動可能に取り付けられており、移動ピース63の前面に鉤型の受けフック64が上下位置に設けられている。一方、アタッチメント1のベースプレート60のマスト側には、受けフック64と係合可能な鉤型に形成されたフック爪65が上下位置に設けられている。この内、下側のフック爪65は固定用ボルト66によって上下位置の調整が可能となっている。この構造によるマスト6へのアタッチメント1の取り付けは、上下のフック爪66を移動ピース63の上下の受けフック64に係止し、この状態で固定用ボルト66を締め付けることにより行うことができる。この取り付け状態で、アタッチメント1はマスト6の上下方向に移動することができる(図1参照)。
以上の構造のアタッチメント1は、ロッド把持部材50の前後方向の位置を変更する伸縮アーム10と、ロッド把持部材50の横方向の位置を変更するシフト機構20と、ロッド把持部材50の回転位置を変更する旋回機構30と、ロッド把持部材50を軸方向と交差する方向に屈曲させるダンプ機構40とを備えているため、ロッド7がロッドコンテナに横置き、縦置きされていても、ロッド把持部材50のロッド7に対する姿勢を変更してロッド7を把持することができる。
また、把持したロッド7の姿勢を変更することができるため、掘削機に対するロッド7の供給や回収のハンドリングを行うことができる。このため、作業者によるロッドハンドリング作業を不要とすることができ、作業の能率化や安全性を向上させることができる。
また、アタッチメント1は作業車に取り付けて用いるため、ロッド7をハンドリングするためのロッドハンドリング装置は掘削機に併設する必要がなく、住宅地等の狭隘な作業現場であっても、掘削機へのロッド7の供給、回収、ハンドリングを行うことができる。
図20~図22は、この実施形態のアタッチメント1によるロッドハンドリングの一例を示す。ロッド7がロッドコンテナ9に立設されている(図20)。これに対し、アタッチメント1をマスト6に取り付けた作業車2がロッドコンテナ9に接近し、ロッド把持部材50がロッド7を把持し(図20)、ロッド把持部材50が上昇してロッドコンテナ9からロッド7を取り出す(図21)。その後、作業車2が走行してロッド7を掘削機8に運搬し、ロッド7は掘削機8に供給する(図22)。これにより、面倒で重労働となって作業者によるロッドハンドリングが不要となる。
1 ロッドハンドリングアタッチメント(アタッチメント)
2 作業車
6 マスト
7 ロッド
10 伸縮アーム
13 アーム部材
14 伸縮用シリンダ
20 シフト機構
21 シフト用シリンダ
30 旋回機構
31 旋回用モータ
32 出力軸
33 内側ギア
34 外輪プレート
40 ダンプ機構
41 ヒンジ軸
43 ダンプ用シリンダ
50 ロッド把持部材
51 把持本体部
52 把持ピース
53 開閉用シリンダ
60 ベースプレート

Claims (7)

  1. ロッドを把持するロッド把持部材が先端に取り付けられ、軸方向への伸縮動作によって前記ロッド把持部材の前後方向の位置を変更する伸縮アームと、
    前記伸縮アームが前記軸方向と交差する横方向へ移動可能に取り付けられ、伸縮アームの横方向への移動によって前記ロッド把持部材の横方向の位置を変更するシフト機構と、
    前記シフト機構を前記軸方向回りに回転可能に支持し、前記ロッド把持部材の軸方向回りの回転位置を変更する旋回機構と、
    前記ロッド把持部材を前記伸縮アームの軸方向に対して屈曲させるダンプ機構と、
    前記旋回機構が取り付けられるベースプレートと、を備え、
    前記ベースプレートが自走可能な作業車に上下移動可能に取り付け可能となっていることを特徴とするロッドハンドリングアタッチメント。
  2. 前記作業車は立設状態のマストを有し、前記ベースプレートが前記マストに沿って上下動可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1記載のロッドハンドリングアタッチメント。
  3. 前記ロッド把持部材は、ロッドを挟むように対向する開閉可能な一対の把持ピースと一対の把持ピースを開閉させる開閉用シリンダとが把持本体部に取り付けられて形成されており、前記一対の把持ピースが前記把持本体部に対して交換可能となっていることを特徴とする請求項1記載のロッドハンドリングアタッチメント。
  4. 前記伸縮アームは、前記軸方向に伸縮するアーム部材と、前記ロッド把持部材と前記シフト機構との間に掛け渡されて前記アーム部材を伸縮させる伸縮用シリンダと、を備えていることを特徴とする請求項1記載のロッドハンドリングアタッチメント。
  5. 前記シフト機構は、前記軸方向と交差する横方向に沿って前記ベースプレートに設けられたシフト用シリンダを備え、前記シフト用シリンダの伸縮によって前記伸縮アームを前記横方向に移動させることを特徴とする請求項1記載のロッドハンドリングアタッチメント。
  6. 前記旋回機構は、前記ベースプレートに設けた旋回用モータと、前記旋回用モータの出力軸に取り付けられた内側ギアと、前記ベースプレートに取り付けられ前記内側ギアが噛合する外輪プレートとを備え、前記外輪プレートに前記シフト機構が係合していることを特徴とする請求項1記載のロッドハンドリングアタッチメント。
  7. 前記ダンプ機構は、前記ロッド把持部材を前記伸縮アームに回転可能に取り付けるヒンジ軸と、前記ロッド把持部材を前記ヒンジ軸回りに回転させて前記伸縮アームの軸方向に対して屈曲させるダンプ用シリンダとを備えていることを特徴とする請求項1記載のロッドハンドリングアタッチメント。
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