JP7006977B2 - ロッドハンドリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、掘削機に対してボーリングロッド(ロッド)を供給したり、回収する際にロッドの姿勢を変更するために動作するロッドハンドリング装置に関する。
掘削機へロッドを供給するロッドハンドリング装置として、特許文献1及び特許文献2に記載された構造が従来より公知である。特許文献1のロッドハンドリング装置は、水平状態のロッドをロッド把持部材が把持した後、同把持部材が回転してロッドを立てた状態として掘削機のドリルヘッドに供給する構造となっている。特許文献2のロッドハンドリング装置は、ロッドを立設させた状態で周回するロッドコンテナと、ロッドコンテナ上のロッドをロッド把持部材が把持して掘削機に供給する構造となっている。
特許第6641129号公報 特許第6501811号公報
特許文献1に記載のロッドハンドリング装置は、水平状態に置かれているロッドを立てた状態として掘削機に供給する構造であり、特許文献2に記載のロッドハンドリング装置は立設している状態のロッドを掘削機に供給する構造である。従って、ロッドが横置きか縦置きかのいずれかの姿勢でないと掘削機がロッドを把持することができず、この場合は、作業者がロッドの姿勢を掘削機に合わせるハンドリングが必要となる。また、特許文献1,2に限らず、従来では掘削機に対するロッド着脱の高さや角度が変わったり、現場状況に応じて掘削機の向きが変わった場合にも、ラフテレーンクレーン等を用いてロッドを掘削機の姿勢に合わせるための作業者によるハンドリングが必要となる。しかしながら、これらの作業者によるハンドリングは、熟練を要し、手間と時間がかかり、危険が伴うばかりでなく、多くの員数の作業者が必要となる問題を有している。
本発明は、このような従来の問題点を考慮してなされたものであり、ロッドの姿勢を掘削機の姿勢に合わせるためのハンドリングが可能であり、これにより作業者によるハンドリング作業を不要としたロッドハンドリング装置を提供することを目的とする。
本発明のロッドハンドリング装置は、ロッドを着脱可能に把持する把持爪を備えたロッド把持部材と、前記ロッド把持部材が先端側に設けられたハンドリングアームと、前記ハンドリングアームを軸方向に伸縮させる伸縮機構と、前記ハンドリングアームを軸周りに回転させる回転機構と、前記ロッド把持部材を前記ハンドリングアームの軸方向と交差する方向に屈曲させる首振り機構と、前記ハンドリングアームに対し前記ロッド把持部材を前記ロッドの長さ方向に沿って移動させるスライド機構と、前記把持爪が前記ハンドリングアームの軸線よりも下側を向くように前記ロッド把持部材を前記ハンドリングアームに対して首折れさせるダンプ機構と、を備えていることを特徴とする。
本発明では、前記ハンドリングアームは自走可能な作業車に上下移動可能に取り付け可能となっていることを特徴とする。
また、前記ハンドリングアームの先端に前記首振り機構が連結され、前記首振り機構に前記スライド機構が連結されており、前記ロッド把持部材は前記首振り機構及び前記スライド機構を介して前記ハンドリングアームの先端側に設けられていることを特徴とする。
また、前記ハンドリングアームは外側アームと外側アームに対して進退する内側アームとを有し、前記首振り機構は前記内側アームの先端に連結されていることを特徴とする。
また、前記把持爪は、開閉可能な一対の把持ピースと、一対の把持ピースを開閉させる把持用シリンダとが把持本体部に取り付けられて形成されており、前記ロッド把持部材は前記把持爪が前記ロッドの長さ方向に沿って少なくとも2組が並んで配置されていることを特徴とする。
また、前記把持爪は、前記一対の把持ピースのロッドへの当接と、前記把持用シリンダに取り付けられた当接ピースのロッドへの当接の3点当接によって前記ロッドを把持することを特徴とする。
本発明によれば、ロッドの任意の姿勢に対応することができ、しかもロッドを任意の姿勢に変更できるため、作業者による危険なハンドリングをなくすことができる。
本発明の一実施形態のロッドハンドリング装置の全体斜視図である。 ロッド把持部材の正面からの斜視図である。 ロッド把持部材の横からの斜視図である。 ロッド把持部材が大径のロッドを把持する状態を示す側面図である。 ロッド把持部材が小径のロッドを把持する状態を示す側面図である。 伸縮機構を示す斜視図である。 回転機構を示す斜視図である。 首振り機構を示す斜視図である。 首振り機構の作動を示す斜視図である。 ダンプ機構を示す斜視図である。 スライド機構を示す正面からの斜視図である。 スライド機構の動作を示す斜視図である。 図12に続くスライド機構の動作を示す斜視図である (A)~(E)はロッドハンドリング装置の動作を示す斜視図である。
本発明のロッドハンドリング装置の一実施形態を図1~図14により説明する。
図1はロッドハンドリング装置1を自走可能な作業車2に取り付けた状態を示している。作業車2は本体部3の下部にクローラ4を備えることにより自走可能となっている。作業車2は本体部3の前面側に立ち上がったマスト5を備えており、このマスト5にロッドハンドリング装置1が上下移動可能に取り付けられる。作業車2としては、ハンドリング装置1が取り付け可能な作業車であれば良く、バックフォー、フォークリフト、掘削機、その他の構造の作業車を用いることができる。
ロッドハンドリング装置1はマスト5に上下動可能に取り付けられた取付ブラケット6に取り付けられており、取付ブラケット6がマスト5に沿って上下動することによりロッドハンドリング装置1の全体がマスト5の上下方向に沿って移動する。取付ブラケット6及びロッドハンドリング装置1には、傾斜機構としての傾斜用シリンダ7が掛け渡されており、傾斜用シリンダ7によってロッドハンドリング装置1はマスト5に対する角度が変更されて水平姿勢、傾斜姿勢に姿勢変更が可能となっている(図14参照)。
ロッドハンドリング装置1は、取付ブラケット6の保持筒6a(図1参照)に保持されたハンドリングアーム11を備えており、このハンドリングアーム11の先端側にロッド把持部材20が設けられている。ハンドリングアーム11は図6に示すように、共に非円形(矩形)に形成された外側アーム12と内側アーム13との組み合わせによって形成されており、ロッド把持部材20は内側アーム13の先端側に配置される。
ロッドハンドリング装置1はハンドリングアーム11を伸縮させる伸縮機構15(図6参照)と、ハンドリングアーム11を回転させる回転機構30(図7参照)と、ロッド把持部材20を屈曲させる首振り機構35(図8、図9参照)と、ロッド把持部材20を首折れさせるダンプ機構40(図10参照)と、ロッド把持部材20を移動させるスライド機構45(図11~図13参照)と、を有している。
ハンドリングアーム11の伸縮機構15は図6に示すように、外側アーム12内に伸縮用シリンダ16が設けられ、この伸縮用シリンダ16に内側アーム13が連結されて形成されており、内側アーム13が外側アーム12内を進退することによりハンドリングアーム11の全体が伸縮する。このハンドリングアーム11の伸縮によりロッド把持部材20がロッド8に対して接近及び離反する。
図6、図8、図9及び図11~図13に示すように、内側アーム13の先端には、ブラケット14を介して首振り機構35の首振りアーム36が連結され、この首振りアーム36の先端にスライド機構45が連結され、このスライド機構45にロッド把持部材20が連結されている。従って、ロッド把持部材20は首振りアーム36(首振り機構35)及びスライド機構45を介してハンドリングアーム11の先端側に設けられている。
このようにハンドリングアーム11の先端に首振り機構35が連結され、首振り機構35の先端にスライド機構45が連結され、スライド機構45にロッド把持部材20が連結された構造とすることにより、ロッド把持部材20の姿勢を変更するためのこれらの機構を個々にロッド把持部材20に取り付ける必要がなくなる。これにより全体がコンパクトな構造となって作業視界が広くなり、ロッド把持部材20の姿勢変更の作業性が向上する。
ロッド把持部材20はロッド8を把持し、把持を解放するように動作する。図2及び図3に示すように、ロッド把持部材20はロッド8を着脱可能に把持する把持爪21を有している。把持爪21はロッド8の長さ方向に沿って少なくとも2組が並んで設けられている。これにより長さ方向の2箇所でロッドを把持するため、単管ロッドを2箇所で把持するのに加え、図示するようにロッド8がアウターロッド8a及びインナーロッド8bからなる二重管ロッドであっても、把持爪21がそれぞれのロッド8a、8bを把持することができる。
並んでいる把持爪21のそれぞれは、把持本体部22と、開閉動作する一対の把持ピース23と、把持用シリンダ24とを有している。把持本体部22は首振りアーム36に連結されたスライド機構45の横移動アーム47に取り付けられている。把持本体部22は2つのプレート部分が対向するように組み付けられており、対向したプレート部分の間に一対の把持ピース23が開閉動作可能に設けられている。把持用シリンダ24はこの一対の把持ピース23を開閉させる。
図4及び図5は、一対の把持ピース23を開閉動作させる構造を示す。把持用シリンダ24は先端部分が把持本体部22から突出するように把持本体部22に取り付けられている。把持本体部22の内部には、把持用シリンダ24のピストンに取り付けられたスライドアーム25が配置され、スライドアーム25の両端部に連結ピン26aを介して可動アーム27が連結され、可動アーム27に可動ピン26bを介して把持ピース23が連結されている。把持ピース23は固定ピン26cを中心に回動可能となっており、把持用シリンダ24が駆動することにより一対の把持ピース23が開閉する。
把持用シリンダ24のピストンには、当接ピース28が取り付けられている。当接ピース28は一対の把持ピース23の間に配置されてロッド8に対向している。このような構造では、把持用シリンダ24によって一対の把持ピース23及び当接ピース28が3点でロッド8に当接するため、センタリングさせた状態でロッド8を把持することができる。また、ロッド8をセンタリングして把持できるため、図4、図5のようにロッド径が異なっていてもロッド8を把持することができる。このため、ロッド径に合わせて把持ピース23を交換したり、替え駒を用いたりする必要がなく、ロッド8把持作業を効率良く行うことができる。
図7は回転機構30を示す。回転機構30はハンドリングアーム11の内側アーム13の内部に配置されたロータリーアクチュエータ31を有している。ロータリーアクチュエータ31の外部ケースは内側アーム13の内部に固定されており、内側アーム13にブラケット14が回転可能に連結されている。ブラケット14には、ロータリーアクチュエータ31の回転軸が結合されており、ロータリーアクチュエータ31が回転動作することによりブラケット14が軸回りに回転する。これにより首振り機構35、ダンプ機構40と共にロッド把持部材20が軸回りに回転してロッド8に対するロッド把持部材20の姿勢を変更することができる。この回転機構30が動作することによりロッド8を垂直姿勢とすることができる。このようにロータリーアクチュエータ31をハンドリングアーム11の内部に格納した構造では、回転のための部材を外部に配置する必要がないため、作業視界を広くすることができる。
図8及び図9は、首振り機構35を示す。首振り機構35は、ハンドリングアーム11(内側アーム13)の先端のブラケット14に取り付けられた首振りアーム36を備えている。首振りアーム36には、スライド機構45を介してロッド把持部材20が取り付けられる。この首振りアーム36はヒンジピン37を介してブラケット14の先端に回動可能に取り付けられている。首振りアーム36とブラケット14とには、首振り用シリンダ38が掛け渡されており、首振り用シリンダ38の駆動によって首振りアーム36はヒンジピン37を中心に回動し、ハンドリングアーム11の軸方向と交差する方向に屈曲するように首振り動作する。この首振りによってロッド把持部材20がハンドリングアーム11の軸方向と交差した左右方向に屈曲する。これによりロッド把持部材20のロッド8に対する角度調整を行うことができ、ロッド8に合わせた角度調整のために掘削機が旋回動作する必要がなくなる。
なお、首振り機構35においては、首振り用シリンダ38に代えてタリーアクチュエータをブラケット14の内部に設けて首振りさせるようにしても良い。
図11~図13は、スライド機構45を示す。スライド機構45はハンドリングアーム11先端部分の首振り機構35に連結されている。具体的には、首振り機構35の首振りアーム36の先端にスライド機構45の支持ブロック46が取り付けられている。支持ブロック46にはスライドアーム47がスライド可能に貫通しており、スライドアーム47の長さ方向両端部分に把持爪21が取り付けられている。
支持ブロック46の内部には、スライド用シリンダ(図示省略)が設けられており、スライド用シリンダによってスライドアーム47がロッド8の長さ方向に沿って移動し、これによりロッド把持部材20が同方向に移動する。
このようなスライド機構45を設けることにより、ロッド把持部材20をロッド8の長さ方向に合わせて位置調整することができる。これにより作業車2の全体をロッド8の長さ方向に合わせて移動させる必要がなくなり、不整地現場での作業性を向上させることができる。また、ロッドのねじ接続時においても、ロッドを掘削機側のロッドに引き寄せることができるため、ロッドの引き寄せのためにハンドリングアーム11の全体を移動させる必要がなくなる。
図10は、ダンプ機構40を示す。ダンプ機構40は首振り機構35の首振りアーム36の内部に配置したダンプ用シリンダ41を有している。ダンプ用シリンダ41は首振りアーム36及びスライド機構45の支持ブロック46に両端部が掛け渡されている。ダンプ用シリンダ41が駆動しない状態では、ロッド把持部材20の把持爪21がハンドリングアーム11の軸線と一致した方向を向いているが、ダンプ用シリンダ41が駆動すると、ロッド把持部材20が下方に首折れする。この首折れによってロッド把持部材20の把持爪21がハンドリングアーム11の軸線よりも下側を向くように動作する。このように把持爪21が下側を向くことにより地面上に置かれたロッド8を把持することが容易となると共に、ロッドコンテナに積まれていたり、狭小スペース中に置かれているロッド8を把持することが容易となる。
図14(A)~(E)は、以上のロッドハンドリング装置1の動作に一例を示す。(A)はロッド把持部材20がマスト5の下降位置でロッド8を把持した状態、(B)はロッド8を把持したロッド把持部材20がマスト5に沿って上昇した状態、(C)は上昇位置でロッド把持部材20が姿勢変更してロッド8を水平とした状態、(D)はロッド把持部材20がさらに姿勢変更してロッド8を斜め上方に傾斜させた状態、(E)は作業車2の本体部3が旋回し、ロッド把持部材20が姿勢変更してロッド8を斜め下方に傾斜させた状態である。この実施形態では、これらの動作を円滑に行うことができ、ロッド8を360°の全方向に姿勢変更できるため掘削機の姿勢に合わせた姿勢変更することができ、作業者によるハンドリングが不要となる。
1 ロッドハンドリング装置
2 作業車
5 マスト
7 傾斜用シリンダ
8 ロッド
11 ハンドリングアーム
12 外側アーム
13 内側アーム
14 ブラケット
15 伸縮機構
16 伸縮用シリンダ
20 ロッド把持部材
21 把持爪
22 把持本体部
23 把持ピース
24 把持用シリンダ
28 当接ピース
30 回転機構
35 首振り機構
40 ダンプ機構
45 スライド機構

Claims (6)

  1. ロッドを着脱可能に把持する把持爪を備えたロッド把持部材と、
    前記ロッド把持部材が先端側に設けられたハンドリングアームと、
    前記ハンドリングアームを軸方向に伸縮させる伸縮機構と、
    前記ハンドリングアームを軸周りに回転させる回転機構と、
    前記ロッド把持部材を前記ハンドリングアームの軸方向と交差する方向に屈曲させる首振り機構と、
    前記ハンドリングアームに対し前記ロッド把持部材を前記ロッドの長さ方向に沿って移動させるスライド機構と、
    前記把持爪が前記ハンドリングアームの軸線よりも下側を向くように前記ロッド把持部材を前記ハンドリングアームに対して首折れさせるダンプ機構と、を備えていることを特徴とするロッドハンドリング装置。
  2. 前記ハンドリングアームは自走可能な作業車に上下移動可能に取り付け可能となっていることを特徴とする請求項1記載のロッドハンドリング装置。
  3. 前記ハンドリングアームの先端に前記首振り機構が連結され、前記首振り機構に前記スライド機構が連結されており、前記ロッド把持部材は前記首振り機構及び前記スライド機構を介して前記ハンドリングアームの先端側に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のロッドハンドリング装置。
  4. 前記ハンドリングアームは外側アームと外側アームに対して進退する内側アームとを有し、前記首振り機構は前記内側アームの先端の回転可能なブラケットに連結されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のロッドハンドリング装置。
  5. 前記把持爪は、開閉可能な一対の把持ピースと、一対の把持ピースを開閉させる把持用シリンダとが把持本体部に取り付けられて形成されており、前記ロッド把持部材は前記把持爪が前記ロッドの長さ方向に沿って少なくとも2組が並んで配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のロッドハンドリング装置。
  6. 前記把持爪は、前記一対の把持ピースのロッドへの当接と、前記把持用シリンダに取り付けられた当接ピースのロッドへの当接の3点当接によって前記ロッドを把持することを特徴とする請求項5記載のロッドハンドリング装置。
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