JP7053245B2 - 車両ドア制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両ドア制御装置に関する。
使用者がドアハンドルに触れることなく、ドアの開放と閉鎖を自動的に行うことが可能なドア開閉装置が知られている。特許文献1に開示されたドア開閉装置では、車体のバックドア下方に配置された静電容量センサによって、ドアを開閉駆動するための使用者の動きを検出している。
特開2015-21238号公報
特許文献1のドア開閉装置では、使用者は、ドアを駆動させる際に不安定な片足立ちの姿勢で残りの足を静電容量センサに接触させる必要があるため、使用者の安定性と操作性が悪い。
本発明は、ドアを駆動させる際の使用者の安定性と操作性を向上できる車両ドア制御装置を提供することを課題とする。
本発明の車両ドア制御装置は、車体の底と地面の間の定められた検出範囲内に位置する被検出物を検出する検出部と、前記検出部の検出結果に基づいて、前記車体に配置されたドアの電動機器を制御する制御部とを備える
本発明の一態様では、前記検出部は、前記ドアが配置された前記車体の側面に沿って前記検出範囲が前記検出部から水平方向に沿って延びるように、前記車体の底に配置されている、車両ドア制御装置を提供する。
また、他の態様では、前記検出部は、前記検出部から水平方向に沿って延びる前記検出範囲を形成するように、前記車体の底に配置され、前記検出範囲には、前記検出部からの距離によって2以上の操作区画が設定されており、前記制御部は、前記検出部の検出結果から得られる距離の変化によって、前記2以上の操作区画間の移動を含む前記被検出物による定められた動きを検出すると、前記電動機器を制御するように構成されている、車両ドア制御装置を提供する。
また、他の態様では、前記検出部は、前記検出部から水平方向に沿って延びる前記検出範囲を形成するように、前記車体の底に配置され、前記ドアは、前記車体の側面に配置された第1ドアと、この第1ドアと同一の前記側面に配置された第2ドアとを含み、前記検出範囲には、前記検出部からの距離によって第1操作区画と第2操作区画が設定されており、前記制御部は、前記検出部が前記第1操作区画内に位置する前記被検出部を検出すると、前記第1ドアの前記電動機器を制御し、前記検出部が前記第2操作区画内に位置する前記被検出部を検出すると、前記第2ドアの前記電動機器を制御するように構成されている、車両ドア制御装置を提供する。
また、他の態様では、前記検出部は、前記検出部から水平方向に沿って延びる前記検出範囲を形成するように、前記車体の底に配置された超音波センサであり、前記超音波センサには、発信する超音波の指向性を高めるためのホーンが配置されている、車両ドア制御装置を提供する。
また、他の態様では、前記検出部は、前記検出部から水平方向に沿って延びる前記検出範囲を形成するように、前記車体の底に配置された赤外線センサである、車両ドア制御装置を提供する。
本発明の車両ドア制御装置では、検出部を車体の底に配置しているため、ドアの周囲にスペースが少ない状態であっても、検出に必要な距離を確保できるとともに、検出部による車両のデザインへの影響もない。また、車体の底と地面の間に検出部の検出範囲が設定されているため、車両周囲の他の車両や障害物を検出部によって誤検出することを防止でき、ドアの動作不良を抑制できる。しかも、制御部は、検出部の検出結果から得られる距離の変化によって使用者の定められた動きを検出するため、使用者は不安定な片足立ちの姿勢になる必要がない。よって、ドアを駆動させる際の使用者の安定性と操作性を向上できる。
本発明の第1実施形態に係る車両ドア制御装置を用いた車両の側面図。 図1の車両の一部を示す底面図。 第1実施形態の車両ドア制御装置の構成を示すブロック図。 検出部の構成を示す斜視図。 制御部による第1実施形態のドア制御を示すフローチャート。 図5Aの続きのフローチャート。 第2実施形態に係る車両ドア制御装置を用いた車両の一部を示す底面図。 第2実施形態の車両ドア制御装置の構成を示すブロック図。 制御部による第2実施形態のドア制御を示すフローチャート。 図8Aの続きのフローチャート。 車両ドア制御装置の変形例を示す底面図。
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
(第1実施形態)
図1から図3は、車両1に搭載した本発明の第1実施形態に係る車両ドア制御装置10を示す。図2に示すように、ドア制御装置10は、車両1の後サイドドア5(以下、単にドアと略す。)の外方で、使用者による定められた動きを検出することで、ドア5の電動機器であるドア駆動部21を制御するものである。以下の説明では、車両1の車長方向をX方向といい、車両1の車幅方向をY方向といい、車両1の車高方向をZ方向という。
(ドア制御装置の概要)
図3に示すように、ドア制御装置10は、検出センサ(検出部)12、ドア駆動部21、LED(表示部)23、照合手段25、及び制御部27を備える。但し、図3中、一点鎖線で囲まれた部分が今回追加した構成であり、ドア駆動部21、及び照合手段25には、車両1に搭載された既存の部品を利用する。
ドア制御装置10では、車体2に対してドア5を開閉させる場合、使用者は、ドア5の前で、例えば次のように定められた動きを行う。図2に示すように、使用者は、ドア5の前に立った状態で、一方の足(くるぶしから先の部分)を車体2の底3と地面Gの間に差し込む(第1の動作M1)。続いて、差し込んだ足をX方向後向きに動かした後(第2の動作M2)、車体2の底3と地面Gの間から足を引き抜く(第3の動作M3)。制御部27は、検出センサ12の検出結果から得られる距離の変化によって、使用者による定められた動きを検出することで、ドア駆動部21によって、ドア5が閉鎖されている場合にはドア5を開放し、ドア5が開放されている場合にはドア5を閉鎖する。これにより使用者は、手を使わずにドア5を自動開閉できる。
図1及び図2に示すように、検出センサ12は、車体2の底3と地面Gの間の定められた検出範囲17内に位置する被検出物を検出するものである。被検出物には、キー(携帯機)を所持した使用者、使用者以外の第三者、障害物、及び地面Gが含まれる。
図3に示すように、検出センサ12は、通信ケーブルによって制御部27と通信可能に接続されている。但し、検出センサ12を車両1のECU(Electronic Control Unit)と通信可能に接続し、検出センサ12の検出結果を制御部27がECUから受信してもよい。検出センサ12と、制御部27又はECUとは、無線接続してもよい。
検出センサ12としては、送波器13及び受波器14を備える超音波センサが用いられている。図1及び図2を参照すると、送波器13から発せられる超音波によって、定められた方向に沿って概ね円錐状に広がった検出範囲17が形成される。送波器13から送波された超音波の反射波は受波器14で受波される。この検出結果は、検出範囲17内での被検出物の有無の判断と、検出センサ12から被検出物までの距離の演算とに利用される。なお、検出センサ12の配置については、後で詳述する。
ドア駆動部21は、車体2に対してドア5を開閉駆動するものである。ドア駆動部21は、図示しないが、ドア5を開放する向きであるX方向後向き、及びドア5を閉鎖する向きであるX方向前向きへ、ドア5を移動させるモータ、ギア機構等で構成されている。ドア駆動部21は、通信ケーブルによって制御部27と通信可能に接続されている。但し、ドア駆動部21をECUと電気的に接続し、制御部27によるドア駆動部21の駆動信号を、制御部27がECUへ送信し、ECUがドア駆動部21に送信してもよい。
LED23は、使用者を誘導する光学的な表示を行うものである。図1を参照すると、LED23は、制御対象のドア5の下方に位置するように、車体2に配置されている。LED23は、詳細については図示しないが、ケーシング内の基板に実装されている。この基板は、通信ケーブルによって制御部27と通信可能に接続されている。LED23の光は、車両1の周囲が暗いときは勿論、明るいときにも使用者が視認できるような照度で照射できるように構成されている。
照合手段25は、キーとLF(Low Frequency)信号による通信を行い、車外のキーの認証を行う車外LF送受信アンテナを有する送受信機を備える。送受信機は、通信ケーブルによって制御部27と通信可能に接続されているが、ECUと通信可能に接続されてもよい。送受信機は、ECUからの命令に応じて起動し、キー認証処理に関する通信を行う。キー認証処理では、照合手段25は、キーに対して認証コードの送信要求を行い、キーから受信した認証コードを登録された正規コードと比較し、これらが合致(成立)すれば使用者であると判断する。
制御部27は、照合手段25によるキー認証の結果と、検出センサ12の検出結果とに基づいて、ドア駆動部21を制御するものである。制御部27は、記憶部28、測定部29、判断部30、及び表示駆動部31を備え、ECUと通信可能に接続されている。制御部27は、単一又は複数のマイクロコンピュータ、及びその他の電子デバイスにより構成されている。
記憶部28には、制御プログラム、制御プログラムで使用する閾値や判定値D等の設定データ、及び検出センサ12の検出結果から距離を演算するためのデータテーブル等が記憶されている。また、記憶部28は、検出センサ12の検出結果を設定回数分(例えば10回)記憶できるように構成されている。
測定部29は、送波器13が超音波を送波(放射)してから、受波器14が反射波を受波するまでの時間(検出結果)に基づいて、検出センサ12から被検出物までの距離を測定する。即ち、測定部29と検出センサ12とにより、検出センサ12から被検出物までの距離を測定する測距センサが構成される。測定結果は、距離情報として記憶部28に記憶される。記憶部28が記憶可能な設定回数を超えると、測定結果は古い方から順に消去される。
判断部30は、測定部29の測定結果(被検出物の位置)である距離の変化によって、被検出物の動きを判断するものである。つまり、判断部30は、今回の測定結果と前回の測定結果との差(変化量)に基づいて、被検出物が移動したか停止しているかを判断する。変化量が大きければ、移動距離は大きく、逆に小さければ移動距離は小さい。判断部30は、変化量が予め設定された判定値Dを超えていれば被検出物が移動したと判断し、判定値D以下であれば被検出物が停止していると判断する。
表示駆動部31は、LED23を点灯状態、点滅状態、及び消灯状態に切り換えるものである。例えば、使用者が検出範囲17内に進入したと判断部30が判断し、照合手段25によるキー認証が成立すれば、表示駆動部31は、LED23を消灯状態から点灯状態に切り換える。また、使用者が定められた動きをしたと判断部30が判断すると、表示駆動部31は、LED23を点滅させる。そして、ドア駆動部21によるドア5の開駆動又は閉駆動が完了すると、表示駆動部31は、LED23を消灯させる。このように、検出センサ12による検出状態を使用者が把握できるようにして、使用者による操作性を向上している。
(検出センサの配置)
図1及び図2に示すように、検出センサ12は、ドア5に対してX方向に定められた間隔をあけて位置するように、車体2の底3に固定されている。この間隔は、検出センサ12によって使用者の動きを検出するために必要な距離であり、60cm以上に設定することが好ましい。検出センサ12は、ドア5のX方向前端を基準として、車両1の前タイヤ6のX方向後側に配置されている。また、検出センサ12は、検出センサ12から水平方向(水平線H)に沿って、後タイヤ7に向けて延びる検出範囲17が形成されるように、配置されている。これにより、検出センサ12の検出範囲17は、制御対象のドア5が配置された車体2の側面4に沿って延びるように、構成されている。
図4を参照すると、検出センサ12は、ケーシング15内に配置され、送波器13の出力部と受波器14の入力部がケーシング15の同一面に位置するように、構成されている。出力部と入力部が位置するケーシング15の一面には、送波器13が発信する超音波の指向性を高めるためのホーン16が配置されている。ホーン16は、送波器13の出力部と受波器14の入力部を取り囲む第1開口16aと、第1開口16aよりも直径が大きい第2開口16bとを備える円錐筒状に形成されている。
(検出範囲の設定)
検出センサ12によって、使用者を確実に検出しつつ、使用者以外の誤検出を抑制するために、検出範囲17の放射角R1,R2、最大長さL、及び傾斜角度i1,i2は、以下のように設定されている。
図1及び図2に示すように、検出センサ12の検出範囲17は、側面視(XZ平面)のZ方向の寸法と、底面視(XY平面)のY方向の寸法とを、以下のように設定した楕円錐筒状である。つまり、検出範囲17は、図1に示す側面視の放射角R1と、図2に示す底面視の放射角R2とが、個別に設定されている。勿論、放射角R1と放射角R2が同一数値に設定されることもある。
側面視の放射角R1は、過度に狭くすると検出センサ12による使用者の検出が困難になり、過度に広くすると検出センサ12によって車体2の底3や地面Gを検出するため、好ましくない。これらの不都合を防止できるように、放射角R1は、車体2の底3と地面Gを検出しない範囲で、可能な限り大きく設定されている。底面視の放射角R2は、過度に狭くすると検出センサ12による使用者の検出が困難になり、過度に広くすると検出センサ12によって小動物や障害物を誤検出する可能性が高くなるため、好ましくない。これらの不都合を防止するために、放射角R2は、使用者の足を検出できる範囲で、可能な限り小さく設定されている。
検出センサ12から先端17aまでの検出範囲17の最大長さLは、過度に短くすると検出センサ12による使用者の動きの検出が困難になり、過度に長くすると検出センサ12によって後タイヤ7を誤検出するため、好ましくない。これらの不都合を防止するために、検出範囲17の最大長さLは、後タイヤ7を検出しない範囲で、可能な限り長い寸法に設定されている。
図1に示すように、側面視での傾斜角度i1は、車体2の底3と地面Gの間において、検出センサ12を通りX方向に延びる水平線Hと、検出範囲17の出力中心Cとがなす角として定義される。検出範囲17の上側縁17bは車体2の底3側に位置し、検出範囲17の下側縁17cは地面G側に位置する。傾斜角度i1は、過度に狭くすると車体2の底3が検出範囲17に入り、過度に広くすると地面Gが検出範囲17に入るため、好ましくない。これらの不都合を防止するために、傾斜角度i1は放射角R1の半分の傾きになるように設定され、上側縁17bが車体2の底3(水平線H)に沿ってX方向に延びるように構成されている。
図2に示すように、底面視での傾斜角度i2は、車体2の底3と地面Gの間(底3中心側)において、検出センサ12を通りX方向に延びる水平線Hと、検出範囲17の出力中心Cとがなす角として定義される。検出範囲17の外側縁17dは車体2の側面4側に位置し、検出範囲17の内側縁17eは車体2の中心側に位置する。傾斜角度i2は、過度に狭くすると外側縁17dが車体2の側面4から外方へ突出し、使用者以外の障害物を検出する可能性が高くなるため、好ましくない。また、傾斜角度i2は、過度に広くすると外側縁17dが車体2の側面4から底3中心側へ離れ、使用者の足を検出できなくなるため、好ましくない。これらの不都合を防止するために、傾斜角度i2は、放射角R2の半分の傾きになるように設定され、外側縁17dが車体2の側面4(水平線H)に沿ってX方向に延びるように構成されている。
このように、検出センサ12は車体2の底3に配置されているため、ドア制御装置10を搭載することによる車両1のデザインへの影響はないうえ、周囲にスペースが少ない車両1の側面4であっても、検出に必要な距離を確保できる。また、検出範囲17を形成するための検出センサ12の出力面は後タイヤ7と対向して配置され、車両1が走行する向きとは逆向きに第2開口16bを開口させることで、走行時に出力面が汚れることを抑制できるため、検出センサ12による検出精度の低下を抑制できる。
検出範囲17は、ホーン16の配置によって効果的に絞られている。また、検出範囲17は、制御対象のドア5が配置された側面4に沿って、車体2の底3と地面Gの間に設定されている。よって、検出センサ12によって、車両1の周囲の他の車両や障害物、及びドア5の開放状態で車体2の乗降口から乗り降りする使用者の動きを、誤検出することを防止できる。また、使用者を確実に検出できるように、検出範囲17の最大長さLが設定されている。その結果、検出センサ12によって、被検出物である使用者の動きのみを確実に検出しつつ、障害物の誤検出に伴うドア5の動作不良を抑制できる。
(制御部による制御)
制御部27によるドア5の自動開閉制御は、車両1が駐車され、エンジンが停止されることで開始される。制御部27は、照合手段25によるキー認証が成立し、検出範囲17内で使用者が定められた動きを行ったと判断すると、ドア駆動部21によってドア5を開放又は閉鎖する。
検出センサ12の検出範囲17は、検出センサ12からの距離の違いによって、トリガ区画(第1操作区画)18とスタート区画(第2操作区画)19に分けられている。トリガ区画18は、検出範囲17の先端17aから、ドア5のX方向中央部分までの間に設定されている。スタート区画19は、ドア5のX方向中央部分から、ドア5のX方向前端部分までの間に設定されている。
判断部30によって判断する使用者の動きには、トリガ区画18とスタート区画19の間の移動が含まれている。つまり、使用者がスタート区画19内に足を差し込む第1の動作M1、スタート区画19からトリガ区画18へ足を移す第2の動作M2、及びトリガ区画18から足を離す第3の動作M3が含まれている。なお、ドア5を制御するための動きは、これに限られず、動作M1~M3の間に所定時間停止する動作、又は区画18,19に対する足の出し入れを行う動作を加えてもよく、必要に応じて変更が可能である。また、トリガ区画18とスタート区画19の位置を逆にして、足を移す動作M1~M3をその区画にあわせた動作に変更してもよい。
このように、使用者による動きを、2つの操作区画18,19間に跨がった移動に設定することで、第三者の動きが定められた動きと一致する可能性を低くできる。よって、検出センサ12の誤検出による意図しないドア5の誤作動を低減できる。また、使用者は、ドア5を開閉駆動するために、不安定な片足立ちの姿勢になる必要がないため、操作時の使用者の安定性と操作性を向上できる。
次に、ドア制御装置10の動作について図5A及び図5Bに示すフローチャートに従って説明する。
図5Aに示すように、制御部27は、まず、定められた検出時間が経過するまで待機する(ステップS1)。検出時間が経過すると、制御部27は、送波器13から超音波を送波させて、受波器14によって反射波を受波させる(ステップS2)。
検出センサ12が被検出物を検出しない場合(ステップS3:No)、制御部27は、表示駆動部31によってLED23を消灯状態に切り換えるとともに、キー認証状態をクリアする(ステップS4)。
検出センサ12が被検出物を検出した場合(ステップS3:Yes)、キー認証が成立しているか否かを読み込む(ステップS5)。そして、キー認証が未成立状態の場合(ステップS5:No)、制御部27は、キー認証を要求する(ステップS6)。認証処理では、照合手段25によって、キーに対して認証コードの送信要求を行い、キーから受信した認証コードを登録された正規コードと比較し、これらが合致すれば使用者であると判断する。
キー認証が成立しない場合(ステップS7:No)、制御部27は、LED23を消灯し、キー認証状態をクリアする(ステップS4)。キー認証が成立した場合(ステップS7:Yes)、制御部27は、表示駆動部31によってLED23を点灯状態に切り換える(ステップS8)。
図5Bに示すように、キー認証が成立している場合(ステップS5,S7:Yes)、制御部27は、測定結果に基づいて使用者の動きを判断する(ステップS9)。
検出センサ12の検出結果によって得られる距離の変化が、定められた動きと一致しない場合(ステップS10:No)、次の検出時間まで待機する。
検出センサ12の検出結果によって得られる距離の変化が、定められた動きと一致した場合(ステップS10:Yes)、制御部27は、ドア5が閉鎖状態であるか開放状態であるかを検出する。ドア5が閉鎖状態の場合(ステップS11:Yes)、制御部27は、ドア駆動部21によってドア5を開放させるドア開出力を行う(ステップS12)。ドア5が開放状態の場合(ステップS11:No)、制御部27は、ドア駆動部21によってドア5を閉鎖させるドア閉出力を行う(ステップS13)。
続いて、制御部27は、LED23を点滅状態に切り換えて(ステップS14)、ドア駆動部21による開駆動又は閉駆動が完了するまで待機する(ステップS15)。そして、ドア駆動部21の駆動が完了すると、制御部27は、LED23を消灯し、キー認証状態をクリアし(ステップS16)、次の検出時間まで待機する。
以上のように、本実施形態のドア制御装置10では、検出センサ12が車体2の底3に配置されているため、周囲にスペースが少ない側面4であっても、検出に必要な距離を確保できる。また、制御部27は、検出センサ12の検出結果から得られる距離の変化によって、使用者による定められた動きを検出するため、ドア5を駆動させる際の使用者の安定性と操作性を向上できる。
(第2実施形態)
図6及び図7は、車両1に搭載した第2実施形態に係る車両ドア制御装置10を示す。このドア制御装置10は、車体2の側面4に配置された後ドア(第1ドア)5Aと、後ドア5Aと同一の側面4に配置された前ドア(第2ドア)5Bとを、1個の検出センサ12によって制御するものである。
図7に示すように、ドア制御装置10は、1個の検出センサ12、2個のドア駆動部21A,21B、2個のLED23A,23B、第1実施形態と同様の照合手段25、及び制御部27を備える。
図6に示すように、検出センサ12は、検出範囲17の操作区画18,19の範囲を変更した点で、第1実施形態と相違する。以下では、検出範囲17のX方向後側を第1操作区画18といい、検出範囲17のX方向前側を第2操作区画19という。第1操作区画18は、検出範囲17の先端17aから、後ドア5AのX方向前端部分までの間に設定されている。第2操作区画19は、前ドア5BのX方向後端部分から、前ドア5BのX方向前端部分までの間に設定されている。
後ドア駆動部21Aは、第1実施形態と同様に、車体2に対して後ドア5Aを開閉(スライド)駆動するものである。前ドア駆動部21Bは、車体2に対して回転可能にヒンジ接続された前ドア5Bを開閉駆動するものである。前ドア駆動部21Bは、ドア5Bを閉鎖状態に保持するラッチ、前ドア5Bの開放方向及び閉鎖方向にラッチを回転させるモータ等で構成されている。
図7に示すように、後ドア5A用の後LED23Aは、第1操作区画18に位置する使用者を検出センサ12が検出することで駆動される。前ドア5B用の前LED23Bは、第2操作区画19に位置する使用者を検出センサ12が検出することで駆動される。後LED23Aは、後ドア5Aの下方に位置するように車体2に配置され、前LED23Bは、前ドア5Bの下方に位置するように車体2に配置されている。
制御部27は、検出センサ12によって検出した使用者が、操作区画18,19のうちのいずれに位置するかによって、対応するドア5A又は5Bを制御するように構成されている。また、制御部27は、使用者による定められた動きを検出すると、ドア5A又は5Bの制御を行う。
詳しくは、第1操作区画18内に位置する使用者を検出センサ12が検出し、照合手段25による認証が成立すると、制御部27は、後ドア駆動部21Aと後LED23Aを駆動させる一方、前ドア駆動部21Bと前LED23Bは駆動させない。第2操作区画19内に位置する使用者を検出センサ12が検出し、照合手段25による認証が成立すると、制御部27は、前ドア駆動部21Bと前LED23Bを駆動させる一方、後ドア駆動部21Aと後LED23Aは駆動させない。
定められた動きには、例えば、使用者が操作区画18,19内に足を差し込む第1の動作M1,M1’、操作区画18,19で足を所定時間停止する第2の動作M2,M2’、及び操作区画18,19から足を離す第3の動作M3,M3’が含まれる。勿論、ドア5A又は5Bを制御するための動きは、これに限られず、必要に応じて変更が可能である。
このように、1個の検出センサ12の検出結果に基づいて異なるドア5A,5Bを制御するため、制御対象が増えることによる部品点数の増加を防止しつつ、使用者の利便性を向上している。
次に、第2実施形態のドア制御装置10の動作について図8A及び図8Bに示すフローチャートに従って説明する。
図8Aに示すように、制御部27は、定められた検出時間が経過するまで待機し(ステップS20)、検出時間が経過すると、送波器13から超音波を送波させて、受波器14によって反射波を受波させる(ステップS21)。
検出センサ12が被検出物を検出しない場合(ステップS22:No)、制御部27は、表示駆動部31によってLED23A,23Bを消灯状態に切り換えるとともに、キー認証状態をクリアする(ステップS23)。
検出センサ12が被検出物を検出した場合(ステップS22:Yes)、キー認証が成立しているか否かを読み込む(ステップS24)。そして、キー認証が未成立状態の場合(ステップS24:No)、制御部27は、キー認証を要求する(ステップS25)。
キー認証が成立しない場合(ステップS26:No)、制御部27は、LED23A,23Bを消灯し、キー認証状態をクリアする(ステップS23)。
キー認証が成立した場合(ステップS26:Yes)、制御部27は、検出センサ12によって検出した使用者が、第1操作区画18内に存在するのか否かを判断する(ステップS27)。使用者が第1操作区画18内に存在する場合(ステップS27:Yes)、後LED23Aを点灯させる(ステップS28)。使用者が第2操作区画19内に存在する場合(ステップS27:No)、前LED23Bを点灯させる(ステップS29)。
図8Bに示すように、キー認証が成立している場合(ステップS24,S26:Yes)、制御部27は、検出結果に基づいて使用者の動きを判断する(ステップS30)。
検出センサ12の検出結果に基づいて判断した使用者の動きが、定められた動きと一致しない場合(ステップS31:No)、次の検出時間まで待機する。
検出センサ12の検出結果に基づいて判断した使用者の動きが、定められた動きと一致した場合(ステップS31:Yes)、制御部27は、使用者が検出された操作区画18,19に対応するドア5A又は5Bが、閉鎖状態であるか開放状態であるかを検出する。ドア5A又は5Bが閉鎖状態の場合(ステップS32:Yes)、制御部27は、ドア駆動部21A又は21Bによってドア5A又は5Bを開放させるドア開出力を行う(ステップS33)。ドア5A又は5Bが開放状態の場合(ステップS32:No)、制御部27は、ドア駆動部21A又は21Bによってドア5A又は5Bを閉鎖させるドア閉出力を行う(ステップS34)。
続いて、制御部27は、LED23A又は22Bを点滅状態に切り換えて(ステップS35)、ドア駆動部21A又は21Bによる開駆動又は閉駆動が完了するまで待機する(ステップS36)。ドア駆動部21A又は21Bの駆動が完了すると、制御部27は、LED23A又は22Bを消灯し、キー認証状態をクリアし(ステップS37)、次の検出時間まで待機する。
以上のように、第2実施形態のドア制御装置10では、検出範囲17を2つの操作区画18,19に分けることで、1個の検出センサ12によって2個のドア5A,5Bを制御できる。また、第1実施形態と同様に、周囲にスペースが少ない車両1の側部であっても、検出に必要な距離を確保できるため、ドア5A,5Bを駆動させる際の使用者の安定性と操作性を向上できる。
なお、本発明の車両ドア制御装置10は、前記実施形態の構成に限定されず、種々の変更が可能である。
検出センサ12は、後タイヤ7のX方向前側に配置してもよい。また、図9に示すように、第2実施形態では、車体2の前タイヤ6側に後ドア5A用の検出センサ12Aを配置し、車体2の後タイヤ7側に前ドア5B用の検出センサ12Bを配置してもよい。また、図6に示す第2実施形態においても、操作区画18,19を更に2つの領域に分けて、この領域間の移動を含む使用者の定められた動きを検出すると、制御部27がドア5A又は5Bを制御するように構成してもよい。
検出センサ12は、発光素子と受光素子を備える赤外線センサによって構成してもよい。検出センサ12として赤外線センサを用いる場合、図4に示すホーン16を用いることなく、検出範囲の指向性を高めることができる。よって、検出センサ12の誤検出によるドア5の動作不良を効果的に抑制できる。また、超音波センサや赤外線センサに限られず、被検出物を検出可能であり、検出結果に基づいて被検出物までの距離を判断できるセンサであれば、必要に応じて変更が可能である。
検出センサ12は、側面視の傾斜角度i1が0度(水平)になるように、車体2の底3と地面Gの間の中央に検出センサ12を配置し、検出範囲17の出力中心Cと水平線Hとを一致させてもよい。
制御部27は、検出範囲17を3以上の操作区画に分けて、使用者による定められた動きを検出してもよい。また、第2実施形態のように、検出範囲17を2以上の操作区画に分けることなく、定める動きを足の進入と停止の組み合わせによって構成してもよい。また、定める動きは、距離の変化(移動)、停止、移動回数、及び停止回数を、必要に応じて組み合わせて設定すればよい。
ドア5の電動機器は、ドア5を開閉駆動するドア駆動部21に限られず、車体2に対してドア5を開放不可能にロックするドアロック装置であってもよい。また、制御対象のドアは、サイドドアに限られず、バックドアであってもよい。
車両1の両側面4に電動式のサイドドア5が配置されている場合、検出センサ12を両側面4にそれぞれ配置し、個々のサイドドア5の電動部品を個別に制御してもよい。この場合、走行時に後方を監視するバックソナーが搭載されている車両1では、バックソナーセンサを利用し、制御部27は、使用者が左右いずれのドア5の方へ移動しているのかを判断し、対応する側の検出センサ12だけを駆動させてもよい。
検出センサ12の検出範囲17は、対向する後タイヤ7を含む最大長さLとしてもよい。この場合、制御部27(判断部30)は、所定時間以上距離(位置)の変化が無い被検出物を障害物であると判断し、その測定結果は、使用者の動きの検出に利用しない構成とすることが好ましい。
1…車両
2…車体
3…底
4…側面
5,5A,5B…ドア
6…前タイヤ
7…後タイヤ
10…車両ドア制御装置
12,12A,12B…検出センサ(検出部)
13…送波器
14…受波器
15…ケーシング
16…ホーン
16a…第1開口
16b…第2開口
17…検出範囲
17a…先端
17b…上側縁
17c…下側縁
17d…外側縁
17e…内側縁
18…トリガ区画(第1操作区画)
19…スタート区画(第2操作区画)
21,21A,21B…ドア駆動部(電動機器)
23,23A,23B…LED(表示部)
25…照合手段
27…制御部
28…記憶部
29…測定部
30…判断部
31…表示駆動部
G…地面
H…検出センサを通る水平線
C…出力中心
R1,R2…放射角
i1,i2…水平線に対する傾斜角度

Claims (8)

  1. 車体の底と地面の間の定められた検出範囲内に位置する被検出物を検出する検出部と、
    前記検出部の検出結果に基づいて、前記車体に配置されたドアの電動機器を制御する制御部と
    を備え、
    前記検出部は、前記ドアが配置された前記車体の側面に沿って前記検出範囲が前記検出部から水平方向に沿って延びるように、前記車体の底に配置されている、車両ドア制御装置。
  2. 前記ドアは、前記車体の前記側面に配置されたサイドドアであり、
    前記検出部は、前記検出範囲が車両の後タイヤに向けて延びるように、前記車両の前タイヤの車長方向後側に配置されている、請求項に記載の車両ドア制御装置。
  3. 前記検出範囲には、前記検出部からの距離によって2以上の操作区画が設定されており、
    前記制御部は、前記検出部の検出結果から得られる距離の変化によって、前記2以上の操作区画間の移動を含む前記被検出物による定められた動きを検出すると、前記電動機器を制御するように構成されている、請求項1又は2に記載の車両ドア制御装置。
  4. 前記ドアは、前記車体の側面に配置された第1ドアと、この第1ドアと同一の前記側面に配置された第2ドアとを含み、
    前記検出範囲には、前記検出部からの距離によって第1操作区画と第2操作区画が設定されており、
    前記制御部は、前記検出部が前記第1操作区画内に位置する前記被検出部を検出すると、前記第1ドアの前記電動機器を制御し、前記検出部が前記第2操作区画内に位置する前記被検出部を検出すると、前記第2ドアの前記電動機器を制御するように構成されている、請求項1又は2に記載の車両ドア制御装置。
  5. 車体の底と地面の間の定められた検出範囲内に位置する被検出物を検出する検出部と、
    前記検出部の検出結果に基づいて、前記車体に配置されたドアの電動機器を制御する制御部と
    を備え、
    前記検出部は、前記検出部から水平方向に沿って延びる前記検出範囲を形成するように、前記車体の底に配置され、
    前記検出範囲には、前記検出部からの距離によって2以上の操作区画が設定されており、
    前記制御部は、前記検出部の検出結果から得られる距離の変化によって、前記2以上の操作区画間の移動を含む前記被検出物による定められた動きを検出すると、前記電動機器を制御するように構成されている、車両ドア制御装置。
  6. 車体の底と地面の間の定められた検出範囲内に位置する被検出物を検出する検出部と、
    前記検出部の検出結果に基づいて、前記車体に配置されたドアの電動機器を制御する制御部と
    を備え、
    前記検出部は、前記検出部から水平方向に沿って延びる前記検出範囲を形成するように、前記車体の底に配置され、
    前記ドアは、前記車体の側面に配置された第1ドアと、この第1ドアと同一の前記側面に配置された第2ドアとを含み、
    前記検出範囲には、前記検出部からの距離によって第1操作区画と第2操作区画が設定されており、
    前記制御部は、前記検出部が前記第1操作区画内に位置する前記被検出部を検出すると、前記第1ドアの前記電動機器を制御し、前記検出部が前記第2操作区画内に位置する前記被検出部を検出すると、前記第2ドアの前記電動機器を制御するように構成されている、車両ドア制御装置。
  7. 車体の底と地面の間の定められた検出範囲内に位置する被検出物を検出する検出部と、
    前記検出部の検出結果に基づいて、前記車体に配置されたドアの電動機器を制御する制御部と
    を備え、
    前記検出部は、前記検出部から水平方向に沿って延びる前記検出範囲を形成するように、前記車体の底に配置された超音波センサであり、
    前記超音波センサには、発信する超音波の指向性を高めるためのホーンが配置されている、車両ドア制御装置。
  8. 車体の底と地面の間の定められた検出範囲内に位置する被検出物を検出する検出部と、
    前記検出部の検出結果に基づいて、前記車体に配置されたドアの電動機器を制御する制御部と
    を備え、
    前記検出部は、前記検出部から水平方向に沿って延びる前記検出範囲を形成するように、前記車体の底に配置された赤外線センサである、車両ドア制御装置。
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