JP5912591B2 - 物体検知装置及び車両用開閉体制御装置 - Google Patents
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Description
スマートエントリーシステムは、電子キーを携帯したユーザが車両に近づくと、車載の認証システムと電子キーとの間で無線通信が行われ、当該車両の正規の電子キーであることの認証が行われる。正規の電子キーであると認証され、かつユーザがドアハンドルに手をかけたことが検知されたときに、ドアのアンロックを行う。また、正規の電子キーを持ったユーザが車両から降りてドアを閉め、ドアハンドル近くのボタンを押すことによりドアロックを行うようにしたものである。
バックドア用足部検出センサ104は、赤外線等の信号を車両下方に向けて発信し、ユーザの足等が車体と地面の間に入れられたことを検知できるようになっている。
しかしながら、反射型光センサは、発光部と受光部の前面にガラス等から形成される投受光窓が配されて構成されるため、特に車両等に取り付けられて屋外環境に曝される場合、投受光窓に付着したゴミや霜・雪等によって正常な動作が阻害され、ユーザの意思とは関係なく不用意にバックドア101が開いてしまう危険性があり、防犯上や雨天時等において問題となる。
すなわち、請求項1の発明は、発光素子と受光素子の前面に投受光窓を有し、前記発光素子からパルス光を投光し、物体から反射した前記パルス光の反射光を前記受光素子によって検出することにより物体を検知する物体検知装置において、
前記発光素子から高強度パルス光を投光し、前記受光素子による前記高強度パルス光の反射光の検出信号が予め設定されている閾値以上の場合、前記発光素子から低強度パルス光を投光し、前記受光素子による前記低強度パルス光の反射光の検出信号が予め設定されている閾値よりも小さい場合、前記発光素子から再度高強度パルス光を投光し、
前記高強度パルス光の反射光が検出された後、前記低強度パルス光の反射光が検出されず、且つ、再度の高強度パルス光の反射光が検出されない場合に限り、物体が検知されたと判断することを特徴としているものである。
前記信号の受信により前記ドアロック機構をアンロック状態にしている間に、前記物体検知装置によって物体が検知されると、当該車両の所定開閉体を開動作させる開動作手段を有することを特徴としているものである。
前記認証信号の受信により前記車両の近傍に正規のユーザが存在していることを認識している間に、前記物体検知装置によって物体が検知されると、当該車両の所定開閉体を開動作させる開動作手段を有することを特徴としているものである。
また、本発明の車両用開閉体制御装置によれば、車両の正規ユーザによるドアのアンロック及び物体検知装置に対する行為をトリガとしてセキュリティ性を確保しつつ、簡単な操作でドアやトランク等の開閉体を開放できると共に、物体検知装置の投受光窓にゴミや霜・雪等が付着している場合には開閉体が開放されず、ユーザの意思とは関係なく不用意に開閉体が開いてしまうのを防止することができる。
図1は本発明の第1の実施形態例に係る物体検知装置のブロック図である。
図1において、10は、発光素子1、受光素子2、ケース3及び投受光窓4を備える反射型光センサである。
発光素子1と受光素子2は、一面が開口した樹脂製のケース3に所定間隔をもって収容されている。
ケース3には、発光素子1と受光素子2の間に隔壁3aが形成されており、発光素子1から出た光が受光素子2に直接入射しないようになっている。
発光素子1と受光素子2の前面には、ケース3の開口を塞ぐように光学レンズや光学フィルタからなる投受光窓4が嵌め込まれている。
なお、本例の発光素子1は発光ダイオード(LED)からなり、受光素子2はフォトダイオードまたはフォトトランジスタからなる。
電圧安定化回路12は、電源11から供給される電圧を5Vに降圧する回路であり、電源電圧監視回路13は、電圧が6V以下になると電圧低下信号VLをマイコン14に送る回路である。
そして、マイコン14は、所定周波数の発光指令信号S1を発光素子駆動回路15に出力する。この発光指令信号S1は、マイコン14のROMに書き込まれた異なる発振モードの複数のプログラムと、これらのプログラムを切り換える切換手段によって制御され、発振モードプログラムを切り換えることにより、高強度パルス光あるいは低強度パルス光の発光指令信号S1が出力される。この発光指令信号S1の切換えについては、後で詳述する。
(ステップS11)
まず、マイコン14は、ROMに書き込まれた複数の発振モードプログラムの中から高強度パルス光の発振モードのプログラムを選択し、高強度パルス光の発光指令信号S1を出力する。これにより、発光素子1から高強度パルス光(本例では、4Hz周期で100μs間発光)が投光される。
高強度パルス光の反射光を受光素子2が受光し、受光回路16から検出信号S2が出力されると、予め設定されている閾値と検出信号S2が比較される。検出信号S2が閾値以上の時は反射光が検出されたものとしてステップS13に進み、検出信号S2が閾値よりも小さい時は反射光が検出されていないものとしてステップS11に戻る。
マイコン14は、ROMに書き込まれた複数段のプログラムの中から低強度パルス光の発振モードのプログラムを選択し、低強度パルス光の発光指令信号S1を出力する。これにより、発光素子1から低強度パルス光(本例では、20Hz周期で10μs間発光)が投光される。
低強度パルス光の反射光を受光素子2が受光し、受光回路16から検出信号S2が出力されると、予め設定されている閾値と検出信号S2が比較される。検出信号S2が閾値以上の時は反射光が検出されたものとしてステップS11に戻り、検出信号S2が閾値よりも小さい時は反射光が検出されていないものとしてステップS15に進む。
ステップS14で反射光が検出されていない場合には、物体を検出したものとして物体検出信号を出力する。
これにより、投受光窓4に付着したゴミや霜・雪等による誤動作の問題を解決することができる。この点について以下に説明する。
そこで、先ず発光素子1から高強度パルス光を投光し、受光素子2によって高強度パルス光の反射光が検出されているか否かを判断する(上記ステップS12)。
この高強度パルス光の強度は、投受光窓4に付着物がない状態において、投受光窓4から所定の距離内(例えば数十cm以内)に物体が存在する場合、受光素子2が物体からの反射光を検出できる強度に設定されている。
したがって、上記ステップS12では、投受光窓4から所定の距離内(数十cm以内)に物体が存在する場合だけではなく、投受光窓4の前面に付着物がある場合にも、反射光を検出することになる。
上記ステップS12で反射光を検出すると、次に発光素子1から低強度パルス光を投光し、受光素子2によって低強度パルス光の反射光が検出されているか否かを判断する(上記ステップS14)。
この低強度パルス光の強度は、投受光窓4に付着物がない状態において、投受光窓4からかなり近い距離内(例えば数cm以内)に物体が存在する場合、受光素子2が物体からの反射光を検出できる程度の強度に設定されている。
したがって、上記ステップS14では、投受光窓4からかなり近い距離内(数cm以内)に物体が存在する場合だけではなく、投受光窓4の前面に付着物がある場合にも、反射光を検出することになる。
そして、本例の物体検知装置では、受光素子2によって高強度パルス光の反射光が検出され、低強度パルス光の反射光が検出されない場合に、物体が検知されたものと判断して物体検出信号を出力している(ステップ15)。
このパルス光の強度を変更する方法は特に限定されるものではなく、発光素子に流れる電流を変化させたり、複数の発光素子を用いて発光させる発光素子の数を変化させたりしてもよい。
このため、検出範囲の距離以内(上記の例では数cm以内)には物体が投受光窓に接近できないように、あるいは検出すべき物体が投受光窓に直接触れることができないように、投受光窓を配置すれば、例えば人が手を翳したことをより確実に検知できるようになる。
図3は、本発明の第2の実施形態例に係る物体検知装置の動作を説明するためのフローチャートである。なお、本例の物体検知装置の基本的な構成は、図1のブロック図に示したものと同じであり、再度の説明は省略する。
(ステップS21〜S24)
ステップS21〜S24は、第1の実施形態例のステップS11〜S14と同じである。
ステップS24で反射光が検出されていない場合には、マイコン14は、ROMに書き込まれた複数の発振モードプログラムの中から再度、高強度パルス光の発振モードのプログラムを選択し、高強度パルス光の発光指令信号S1を出力する。これにより、発光素子1から高強度パルス光(4Hz周期で100μs間発光)が投光される。
高強度パルス光の反射光を受光素子2が受光して、受光回路16から検出信号S2が出力されると、予め設定されている閾値と検出信号S2が比較される。検出信号S2が閾値以上の時は反射光が検出されたものとしてステップS21に戻り、検出信号S2が閾値よりも小さい時は反射光が検出されていないものとしてステップS27に進む。
ステップS26で反射光が検出されていない場合には、物体を検出したものとして物体検出信号を出力する。
一方、本例の物体検知装置では、検出範囲内に物体が一時的に存在している時だけ、物体検出信号を出力しているため、縁石や樹木の枝葉のように殆んど動かない物は検出されない。よって、ユーザの意思とは関係なくトランク等が開いてしまうことがない。
本発明の第3の実施形態例は、図1の物体検知装置を用いた車両用開閉体制御装置に関する実施形態例である。
本例の車両用開閉体制御装置は、車のユーザが携帯する携帯機から送出される信号の受信結果に基づき、車両側の車載機がドアロック機構のロック若しくはアンロック動作を制御するキーレスエントリシステムに、図1の物体検知装置を装備したものである。
本例の車両用開閉体制御装置における開閉体はトランクであり、物体検知装置は車両の後部に装備される。
(ステップS31)
まず、マイコン21は電源スイッチ26がONになっているか判断し、YESの時にはステップS32に進み、NOの時にはステップS33に進む。
マイコン21は所定周期が経過したか否かを判定し、NOの時にはステップS33に進み、YESの時にはステップS34に進む。
マイコン21はドアアンロックスイッチ23の操作が行われたかを判断し(ステップS33)、YESの時には、ドアアンロック要求信号を送信する(ステップS34)。
車載機30から送信されたドアアンロックチャレンジ信号を受信したかを判断し(ステップS35)、NOの時にはステップS37に進み、YESの時には、そのドアアンロックチャレンジ信号に対応するドアアンロックレスポンス信号を送信する(ステップS36)。
車載機30から送信されたドアアンロック確認信号を受信したかを判断し(ステップS37)、NOの時にはステップS39に進み、YESの時には、車載機30にてドアアンロック動作が行われたことをユーザに報知すべく、ディスプレイ25に所定のドアアンロック表示を行う(ステップS38)。
ドアロックスイッチ22の操作が行われたかを判断し(ステップS39)、NOの時にはステップS41に進み、YESの時には、ドアロック要求信号を送信する(ステップS40)。
車載機30から送信されたドアロックチャレンジ信号を受信したかを判断し(ステップS41)、NOの時にはステップS43に進み、YESの時には、そのドアロックチャレンジ信号に対応するドアロックレスポンス信号を送信する(ステップS42)。
車載機30から送信されたドアロック確認信号を受信したかを判断し(ステップS43)、NOの時にはリターンし、YESの時には、車載機30にてドアロック動作が行われたことをユーザに報知すべく、ディスプレイ25に所定のドアロック表示を行う(ステップS44)。
次に図8及び図9のフローチャートを参照して本実施形態における車載機30の制御処理について説明する。
(ステップS51)
まず、イグニッションスイッチ35がOFFか否かを判断し、YESの時(イグニッションスイッチがOFFの時)だけステップ52に進む。
携帯機20から送信されたドアアンロック要求信号を受信したかを判断し(ステップS52)、NOの時にはステップS54に進み、YESの時には、そのドアアンロック要求信号に対応するドアアンロックチャレンジ信号を送信する(ステップS53)。
携帯機20から送信されたドアロック要求信号を受信したかを判断し(ステップS54)、NOの時にはステップS56に進み、YESの時には、そのドアロック要求信号に対応するドアロックチャレンジ信号を送信する(ステップS55)。
携帯機20から送信されたドアアンロックレスポンス信号を受信したかを判断し(ステップS56)、NOの時にはステップS59に進み、YESの時にはドアロックアクチュエータ37にドアアンロック動作を行わせる(ステップS57)と共に、ドアロック検出センサ33の状態からドアアンロックが完了したことを検出した時には、ドアアンロック確認信号を送信し(ステップS58)、ステップS64に進む。
携帯機20から送信されたドアロックレスポンス信号を受信したかを判断し、NOの時にはステップS62に進み、YESの時にはドアロックアクチュエータ37にドアロック動作を行わせる(ステップS60)と共に、ドアロック検出センサ33の状態からドアロックが完了したことを検出した時には、ドアロック確認信号を送信する(ステップS61)。
キーシリンダ接点スイッチ34の状態を検出することにより、ユーザのキー操作によるドアロック操作またはドアアンロック操作が行われたかを判断し、これらの判断でドアアンロック操作が検出されたときにはステップS57に進み、ドアロック操作が検出されたときにはステップS60に進み、何れの操作も検出されなかったときにはリターンする。
トランクを含むドアがアンロックの状態で、物体検知装置36の電源がオンされる。
(ステップS65)
ROMに書き込まれた複数の発振モードプログラムの中から高強度パルス光の発振モードのプログラムを選択し、高強度パルス光の発光指令信号S1を出力する。これにより、発光素子1から高強度パルス光(4Hz周期で100μs間発光)が投光される。
高強度パルス光の反射光を受光素子2が受光し、受光回路16から検出信号S2が出力されると、予め設定されている閾値と検出信号S2が比較される。検出信号S2が閾値以上の時は反射光が検出されたものとしてステップS67に進み、検出信号S2が閾値よりも小さい時は反射光が検出されていないものとしてステップS70に進む。
ROMに書き込まれた複数段のプログラムの中から低強度パルス光の発振モードのプログラムを選択し、低強度パルス光の発光指令信号S1を出力する。これにより、発光素子1から低強度パルス光(20Hz周期で10μs間発光)が投光される。
低強度パルス光の反射光を受光素子2が受光し、受光回路16から検出信号S2が出力されると、予め設定されている閾値と検出信号S2が比較される。検出信号S2が閾値以上の時は反射光が検出されたものとしてステップS70に進み、検出信号S2が閾値よりも小さい時は反射光が検出されていないものとしてステップS69に進む。
ステップS68で反射光が検出されていない場合には、物体を検出したものとして物体検出信号を出力する。
物体検知装置以外(例えば従来のタッチセンサー等)によってトランク開放要求操作が行われたかを判断し、トランク開放要求操作が検出されたときにはステップS71に進み、検出されなかったときにはリターンする。
トランクアクチュエータ38を作動し、トランクを開放する。
また、物体検知装置36は、高強度パルス光の反射光が検出され、低強度パルス光の反射光が検出されない場合にかぎり、物体検出信号を出力してトランクを開放させる。このため、先の実施形態例で説明したように、反射型光センサの投受光窓にゴミや霜・雪等が付着している場合にはトランクが開放されず、ユーザの意思とは関係なく不用意にトランクが開いてしまうのを防止することができる。
スマートエントリーシステムに本発明の物体検知装置を組み込む場合には、車両の近傍に正規のユーザが存在していることを認識している間に、本発明の物体検知装置によって物体が検知されると、当該車両の所定開閉体(ドアやトランク)を開動作させる開動作手段(アクチュエータ等)を備えることができる。
2 受光素子
3 ケース
3a 隔壁
4 投受光窓
10 反射型光センサ
11 電源
12 電圧安定化回路
13 電源電圧監視回路
14 マイコン(マイクロコンピュータ)
15 発光素子駆動回路
16 受光回路
20 携帯機
21 マイコン(マイクロコンピュータ)
22 ドアロックスイッチ
23 ドアアンロックスイッチ
24 送受信機
25 ディスプレイ
26 電源スイッチ
30 車載機
31 マイコン(マイクロコンピュータ)
32 送受信機
33 ドアロック検出センサ
34 キーシリンダ接点スイッチ
35 イグニッションスイッチ
36 物体検知装置
37 ドアロックアクチュエータ
38 トランクアクチュエータ
101 バックドア
102 リヤエンドパネル
103 リヤバンパ
104 バックドア用足部検出センサ
Claims (5)
- 発光素子と受光素子の前面に投受光窓を有し、前記発光素子からパルス光を投光し、物体から反射した前記パルス光の反射光を前記受光素子によって検出することにより物体を検知する物体検知装置において、
前記発光素子から高強度パルス光を投光し、前記受光素子による前記高強度パルス光の反射光の検出信号が予め設定されている閾値以上の場合、前記発光素子から低強度パルス光を投光し、前記受光素子による前記低強度パルス光の反射光の検出信号が予め設定されている閾値よりも小さい場合、前記発光素子から再度高強度パルス光を投光し、
前記高強度パルス光の反射光が検出された後、前記低強度パルス光の反射光が検出されず、且つ、再度の高強度パルス光の反射光が検出されない場合に限り、物体が検知されたと判断することを特徴とする物体検知装置。 - 前記投受光窓は、検出すべき物体が直接触れないように配置されることを特徴とする、請求項1に記載の物体検知装置。
- 携帯機から送出される信号の受信結果に基づき、車両の車載機がドアロック機構のロック若しくはアンロック動作を制御するキーレスエントリシステムと、
請求項1又は2に記載の物体検知装置と、を備えた車両用開閉体制御装置であって、
前記信号の受信により前記ドアロック機構をアンロック状態にしている間に、前記物体検知装置によって物体が検知されると、当該車両の所定開閉体を開動作させる開動作手段を有することを特徴とする車両用開閉体制御装置。 - 携帯機から送出される認証信号の受信結果に基づき、車両の近傍に正規のユーザが存在していると認識するユーザ認識システムと、
請求項1又は2に記載の物体検知装置と、を備えた車両用開閉体制御装置であって、
前記認証信号の受信により前記車両の近傍に正規のユーザが存在していることを認識している間に、前記物体検知装置によって物体が検知されると、当該車両の所定開閉体を開動作させる開動作手段を有することを特徴とする車両用開閉体制御装置。 - 前記所定開閉体は車両のトランクであり、前記物体検知装置は車両の後部に装備されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の車両用開閉体制御装置。
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